JP2009128453A - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009128453A
JP2009128453A JP2007301019A JP2007301019A JP2009128453A JP 2009128453 A JP2009128453 A JP 2009128453A JP 2007301019 A JP2007301019 A JP 2007301019A JP 2007301019 A JP2007301019 A JP 2007301019A JP 2009128453 A JP2009128453 A JP 2009128453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
charging
charging roller
conductive
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007301019A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohiro Ogura
基博 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007301019A priority Critical patent/JP2009128453A/ja
Publication of JP2009128453A publication Critical patent/JP2009128453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】高生産性、高画質、及び長寿命(耐久枚数300K枚以上)を可能にすると共に、環境に対して十分対応できる帯電装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置にて像担持体1に接触して像担持体1を帯電するための複数個の帯電ローラ2U、2Dを備えた帯電装置2において、像担持体1の移動方向上流側の帯電ローラ2Uは、下流側の帯電ローラ2Dより硬度が大とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、像担持体を帯電するための帯電装置及びそれを用いた画像形成装置に関する。詳しくは、本発明は、電圧を印加して像担持体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するために複数の帯電ローラを備えた帯電装置、及び、それを用いた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真画像形成装置の一次帯電の方法として、接触帯電方法が実用化されている。接触帯電方法は、導電性支持体(芯金)の外周に導電性弾性体層を設け、該導電性弾性体層外周に抵抗層を被覆して設けた帯電ローラを用いる。そして、芯金に電圧を印加し、該帯電ローラと感光体の接触部である当接ニップ部の近傍で微小な放電をさせて該感光体の表面を帯電させる。
実際に普及している方法としては、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するAC+DC帯電方式である。この場合、帯電の均一性を得るために重畳する交流電圧には、直流電圧印加時の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧Vppを持つ電圧が使用されている。
近年、この帯電方式はコロナ放電などの非接触のタイプに比べ、電圧の量を少なくできる点でオゾンの発生量を抑え環境にやさしいとされ、この接触帯電方式の帯電ローラが主流になってきている。しかし、電子写真装置の高画質化、高速化、長寿命化に伴い、帯電ローラ一個だけでは、帯電能力が不十分となり、帯電ムラなどの画像不良が発生し易い状況である。
また、高速化、高画質化対応として帯電ローラ等の帯電手段を複数個備えた帯電装置が提案されている。
特許文献1には、交流成分に直流成分を重畳した電圧を印加した接触帯電手段による一次帯電を行った後、接触帯電手段による二次帯電を行う帯電装置が開示されている。この装置では、二次帯電においては、一次帯電により発生する交流成分の周波数ピッチに対応する帯電電位むらの少なくとも一部が放電開始電圧を越えて放電する直流電圧を印加し、帯電ムラ等を解消している。
また、特許文献2には、一次帯電手段と二次帯電手段を備えた接触帯電装置を提案している。この帯電装置では、一次帯電手段に印加する交流電圧の周波数をf[Hz]、感光体と帯電手段の相対移動速度P[mm/秒]としたとき、二次帯電手段の感光体との相対移動方向の被帯電体に対する接触幅をP/f[mm]以上とし、帯電ムラを解消している。
特開平9−80874号公報 特開平4−301861号公報
しかしながら、上記特許文献1のごとく単純に複数個の帯電手段を並べ、帯電周波数を変化させるやり方では、高速化にはある程度対応できるが、長寿命化設計に対しての対応がとれていない。
特許文献2についても同様で、接触部のニップ部で帯電ムラ防止を説明しているが、一次の帯電で交流電圧をかけるのに対し、二次の電流は直流電流のみなので、高速対応においては、不十分である。更に、特許文献2の装置もまた、長寿命化を意識した設計がなされていない。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決すると共に、高生産性、高画質、及び長寿命(耐久枚数300K枚以上)を可能にすると共に、環境に対して十分対応できる帯電装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る帯電装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の発明によれば、画像形成装置にて像担持体に接触して前記像担持体を帯電するための複数個の帯電ローラを備えた帯電装置において、
前記像担持体の移動方向上流側の帯電ローラは、下流側の帯電ローラより硬度が大であることを特徴とする帯電装置が提供される。
第2の発明によれば、像担持体を帯電装置にて帯電し、像露光を行い静電潜像を形成する画像形成装置において、前記帯電装置は、上記第1の発明に従った帯電装置であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の帯電装置及び画像形成装置は、高生産性、高画質、及び長寿命を可能にすると共に、環境に対して十分対応できる。
以下、本発明に係る帯電装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
図1に、本実施形態における本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施形態にて、画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置、即ち、電子写真装置であるレーザービームプリンタとされるが、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、画像形成装置の全体構成について説明する。
[画像形成装置の構成]
図1において、画像形成装置は、図示矢印方向に回転駆動される像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)1を有している。本実施形態では、感光ドラム1の回転速度としては、400mm/s以上を対象とする。
本実施形態によると、感光ドラムに接触して感光ドラム表面に一様にマイナスの電荷を付与するための帯電装置2は、複数の帯電ローラ、本実施例では、感光ドラム1の移動方向上流側の帯電ローラ2Uと下流側の帯電ローラ2Dとを備えている。詳しくは、後述するが、下流側帯電ローラ2Dは、上流側帯電ローラ2Uより硬度を下げた帯電ローラとされる。
また、上流側帯電ローラ2Uには、異物を取り除く清掃部材C1が付設されており、下流側帯電ローラ2Dには設けられていない。
上流側及び下流側の帯電ローラ2U、2Dはそれぞれ、交流電圧に直流電圧を重畳した(直流+交流)電圧V1、V2を印加可能となっており、それぞれの必要放電電流量に応じて、交流バイアスを印加する。
感光ドラム1の周囲には、更に、一様にマイナスの電荷を付与された感光ドラム表面に像露光を行い、静電潜像を形成する露光装置3が配置される。本実施形態では、露光装置3は、波長λ=780nmのレーザ走査露光を行うレーザービーム露光装置とされる。
また、感光ドラム表面に形成された静電潜像を現像剤により顕像化し、トナー像とするための現像装置4が配置される。現像装置4は、現像剤担持体としての現像スリーブ5と、現像スリーブ5に現像剤を供給するためのホッパー部6と、を備えており、本実施形態では、現像装置4は、現像スリーブ5と感光ドラム1の間に0.3mmの一定間隙を保つように配設されている。即ち、本実施形態の現像装置4は、非接触現像方式を採用している。
なお、本実施形態の現像装置4は、現像剤として一成分磁性のネガ極性トナーを用い、現像スリーブ5にAC成分とDC成分を重畳した電圧を印加することでジャンピング反転現像を行った。
更に、感光ドラム上に形成されたトナー像を転写材Pに転写するための転写ローラ7が配置されている。転写ローラ7は、感光ドラム1に接触して回転自在に配置され、転写材Pの裏面側からプラスの電荷を付与することによって感光ドラム上に形成されたトナー像を順次転写材Pの上面に転写する。
ここで、転写材Pは、不図示の搬送装置から感光ドラム1の回転と同期取りされて適正なタイミングをもって感光ドラム1と転写ローラ7との間の転写部へ搬送される。
トナー像転写後に残留した転写残トナーは、クリーニング装置8により感光ドラム表面から除去される。クリーニング装置8は、転写残トナーを感光ドラム表面から掻き取るためのクリーニングブレード9とその掻き取られた転写残トナーを収容する廃トナー収容部10とを備えている。本実施形態では、クリーニングブレード9には、チップタイプのブレードを用いた。
そして、トナー像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1から分離された後、不図示の定着装置へ搬送されてトナー像が定着され、転写材Pは、その後、装置本体外部に排出される。
次に、本発明に従って構成される上流側帯電ローラ2Uについて説明する。
[上流側帯電ローラ]
図2は、本発明に従って構成される上流側帯電ローラ2Uの一実施形態を示す断面構成図である。
本実施形態にて、上流側帯電ローラ2Uは、軸体11と、その外周に形成される導電性弾性体層12と、を備えている。更に、帯電ローラ2Uは、弾性体層12の外周に形成される軟化剤移行防止層13と、その外周に形成される抵抗調整層(或いは、誘電層)14と、表層を形成する保護層15と、を備えている。
上記軸体11としては、特に限定するものではなく、例えば金属製の円柱体からなる芯金や内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、具体的には、ステンレススチール、鉄、黄銅、などとされる。更には、導電性プラスチック等の良導電性材料などを用いてもよい。
上記軸体11の外周に形成される導電性弾性体層12は、特に限定するものではなく、従来から帯電部材の弾性体層として使用されるゴムや熱可塑性エストラマー等のソリッド体で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム及びエピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物、或いは、熱可塑性エラストマーで、その種類としては特に制限はなく、汎用のスチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等から選ばれる1種或いは複数種の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。このような導電性弾性体層12は、通常、その導電性が10-1〜10-4Ω程度に設定され、抵抗調整層14よりはかなり低く設定される。そして、その厚みは、通常、1〜10mm、好適には2〜4mm程度に設定される。
次に、上記導電性弾性体層12の外周に形成される軟化剤移行防止層13としては、上記導電性弾性体層12中に含有されるオイル等のような軟化剤の滲み出しの遮断防止のために、N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする層とすることが特に好ましい。
上記軟化剤移行防止層13の厚みは、一般に3〜20μmに設定され、好適には4〜10μmに設定される。そして、この軟化剤移行防止層13の電気抵抗は、10-2Ω程度に設定される。
上記N−メトキシメチル化ナイロン(8−ナイロン)は、特に限定するものではなく、従来公知のものが用いられる。また、軟化剤移行防止層13にも導電剤として、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが含有されている。
更に、上記軟化剤移行防止層13の外周に形成される抵抗調整層14は、エピクロルヒドリンゴム(CHR)およびアクリルゴム(ACM)の片方若しくはは双方と、導電剤とを主体とする組成物を用いて形成される。そして、その厚みは、本発明に係わる部分であり、通常、50〜400μm、に設定される必要がある。50μmより小さくなると、抵抗調整層14の影響が少なく、帯電ローラとして機能が成され難くなる。また、400μmより大きくなると、抵抗調整層14の影響が大きくなりすぎて、電圧をかなり高い状態で使用しなければならないため、画像形成装置の電源の使用が一般的なものを使用し難くなる。
なお、ここで、上記エピクロルヒドリンゴムとは、共重合成分としてのエチレンオキシドを含有しない単独重合体若しくは共重合体のことである。そして、本発明において主体とするとは、全体が主体のみからなる場合も含める趣旨である。
このように、上記CHRとACMの片方若しくは双方と、導電剤とは、前記軟化剤移行防止層13を含めた形で使用し、帯電ムラの原因にもなるが、帯電の特性を生かすためには欠かせないものである。この抵抗調整層14の電気抵抗は、105〜108Ωの範囲のものが用いられる。
上記導電剤としては、特に制限されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム及び変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩及び塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN及びNaCl等のLi+、Na+及びK+等の周期律表第1族の金属塩あるいは第四級アンモニウム塩等の電解質、また、Ca(ClO42等のCa2+及びBa2+等の周期律表第2族の金属塩及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個以上の水酸基、カルボキシル基及び一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更には、それらと1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体、あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体等のイオン導電剤、あるいはケッチェンブラックEC及びアセチレンブラック等の導電性カーボン、あるいはSuper Abrasion Furnace(SAF超耐磨耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF準超耐磨耗性)、High Abrasion Furnace(HAF 高耐磨耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF良押出性)、General Purpose Furnace(GPF汎用性)、Semi Reinforcing Furnace(SRF中補強性)、Fine Thermal(FT 微粒熱分解)及びMedium Thermal(MT中粒熱分解)等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀及びゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、あるいはポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等の導電性ポリマー等も可能である。尚、本発明で特に、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤が好ましく、更に環境変動が少ない導電性カーボン系のもの併せて用いられるほうが良い。
なお、ここで、第四級アンモニウム塩とは、純粋な塩のみではなく第四級アンモニウム塩に過塩素酸塩がイオン結合しているものをも含む趣旨である。
上記導電剤の配合量は、CHR及びACMからなるゴム成分100重量部に対して0.5〜5重量部に設定することが好ましい。すなわち、導電剤の配合量が0.5重量部未満ではムラには非常に良いが、電気抵抗が調整できず、これも過剰に電圧をかけなければならなくなる。また、5重量部を超えると逆に導電剤ムラが抵抗ムラにつながり本発明の範囲では、画像ムラが発生しやすくなる。
上記抵抗調整層14の形成材料には、上記A成分以外に、加硫剤,充填剤等が適宜に配合される。上記加硫剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア、トリアジン、イオウ等があげられる。また、上記充填材としては、シリカ、タルク、クレー、酸化チタン等の絶縁性の充填剤があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。なお、カーボンブラック等の導電性充填剤は高電圧下での使用においては絶縁破壊を招き易いため、ゴム成分に対して10容量%以下の使用量にとどめるべきである。
上記抵抗調整層14の外周に最外層(表層)として形成される保護層15は、帯電ローラ表面で用いられる公知のものでよい。
具体的には、先に述べたN−メトキシメチル化ナイロンを主体とするものや、イソシアネート化合物を主成分として含有するものであればよい。また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、導電性付与剤との少なくとも一方を添加するようにしてもよい。
ここで、イソシアネート化合物としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)および前記記載の多量体及び変性体などを挙げることもできる。
また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
本発明に関して言えば、N−メトキシメチル化ナイロンが好ましいが、N−メトキシメチル化ナイロンに関しては、先に述べたと同様、従来公知のものをそのまま使用することができる。そして、この保護層15にも前記記載のカーボンブラックのような導電剤を混合分散させると、低温低湿時の導電性を含む環境特性が良好となり低温低湿環境下でも良好な性能が発揮されるようになる。このような保護層15は、通常、5〜30μmの厚みに設定されるのが好ましく、特に好適な範囲は7〜23μmである。また、この保護層15の電気抵抗は、103〜105Ωに設定される。なお、上記導電剤としては、カーボンブラックに限定されるものではなく、従来公知の導電剤を上記カーボンブラックに代えて使用することができる。
本実施形態の上流側帯電ロール2Uは、例えば、次のようにして製造することができる。
すなわち、芯金11の外周面に、接着剤を塗布し、先に述べたゴム組成物を用い金型加硫を利用して、導電性弾性体層12を形成する。次に、予めN−メトキシメチル化ナイロンと導電剤とを混合した混合樹脂液を調製する。この樹脂液を上記導電性弾性体層12の表面を必要に応じて研磨して、そのうえにスプレー、ディッピング等でコーティングして乾燥し、必要な場合には熱処理して架橋させ軟化剤移行防止層化13する。そして、このようにして形成された導電剤含有の軟化剤移行防止層13の上に抵抗調整層14を形成する。この抵抗調整層14の形成は、CHRとACMの片方若しくは双方とイオン導電剤(A成分)に、補強剤、加工助剤、加硫剤、充填剤等を、通常のゴム加工方法(バンバリーミキサー、ロール等)により混練して未加硫ゴム組成物化する。この未加硫ゴム組成物を適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)に溶解し、前記導電性弾性体層の外周面に塗工したのち乾燥し、次いで、加熱加硫することによって形成することができる。
上記塗工に際してはディップ方式によることが好適である。ディップ方式とは、溶液などのジャブ漬けし、引き抜き速度で膜厚を管理しつつ、乾燥させる方式である。
次に、導電性弾性体層12が形成されたロールをディップ方式で、繰り返し浸漬することにより、導電性弾性体層12の外周面にA成分を主体とするゴム膜を形成させる。このときのディップ溶液粘度、昇降速度、昇降回数、乾燥時間等の条件は、上記A成分を主体とする溶液の液膜が乾燥時に50〜400μmの範囲になるような条件に設定することが好ましい。
このような液膜が形成されたものについて25〜80℃の温度で0.5〜4時間乾燥を施して溶剤を除去し、続いて150〜200℃の温度で10分〜2時間加熱することによりA成分を主体とするゴム膜を加硫し抵抗調整層14を形成する。
次に、上記のように抵抗調整層14を形成したのち、その上にN−メトキシメチル化ナイロンからなる樹脂液、場合によってはそれに導電剤等を混合した樹脂液をスプレー、ディッピング等でコーティングして乾燥する。必要な場合には、熱処理して架橋させ保護層を形成する。
このようにして、図2に示すような層構成が可能となる。なお、この層構成においては、好ましい構成であり、途中、塗工乾燥を繰り返し、4層構成以上を形成しても良い。また、最外層の保護層と抵抗調整層を一同に構成する3層、更に軟化剤移行防止層も一同に構成する2層についても適応可能であるが、好ましくは4層構成以上が良い。
このようにして得られる上流側帯電ロール2Uは、ロール全体の電気抵抗が103〜108Ω程度に設定される。前述で示したように、電気抵抗の大半は抵抗調整層14と保護層15の導電剤の量で決まる。更に、膜厚から考えると基本的には抵抗調整層14がほとんどであるがこの限りではない。
因みに、上流側帯電ローラ2Uの抵抗値は、次のようにして測定する。
画像形成装置の感光ドラム1をアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ2Uの芯金11との間に100Vの電圧を加える。そして、このときに流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ2Uの抵抗値を求める。
また、本発明に係わる上流側の帯電ローラ2Uについては硬度が大きく影響する。硬度(JIS ASKER C 定荷重測定器)については、55〜70°が良い。70°より大きくなると接触帯電部と非帯電部ができやすく、これが放電ムラになり、画像不良が出やすい。55°より小さくなると、上流側であるため、異物(トナー及び外添剤)がすり抜けてきて、付着しやすく、また、清掃部材(後記記載)でも取り難く、その付着物による放電ムラができやすい。好ましくは、55〜65°である。
また、本発明の上流側に高硬度の帯電ローラを用いた理由としては、帯電ローラ自身の長寿命化が可能であるからであり、しかも、硬度が高いため、接触式の清掃部材等について十分対応できる点も理由の一つである。
上流側帯電ローラ2Uに設置される清掃部材C1(図1)は、本実施形態では、ブレードが示されている。しかし、ブレード式の他に、ブラシ式、ブラシロール式、ウェブ式、パット式など、帯電ローラの清掃部材として一般的に使用されている接触式清掃部材を使用できる。
[下流側帯電ローラ]
図3(a)、(b)は、本実施形態での下流側の帯電ロール2Dの一例を示す。
図3(a)に示す下流側帯電ローラ2Dは、上流側帯電ローラ2Uと同様に、芯金11の外周に導電性の弾性材料からなる発泡層21を設ける。更に、この発泡層21の外周に導電剤を配合して導電性を付与した可溶性フッ素樹脂からなる導電膜層22を被覆形成したものである。
本実施形態の下流側の帯電ローラ2Dは、上述のように、硬度を弱めて、放電の安定性をはかるために、発泡導電性ゴム組成物を用いた発泡層21を有している。
発泡導電性ゴム21としては、特に制限されるものではないが、エチレンプロピレンゴムに導電材を配合したもの、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合ゴムの発泡体又はエピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合ゴムに導電剤を配合したものの発泡体を好適に使用することができる。
これらゴム組成物に配合する導電材としては、カーボンブラック、黒鉛、金属、導電性の各種金属酸化物(酸化錫,酸化チタン等)などの導電性粉体やカーボンファイバー、金属酸化物の短繊維等の各種導電性繊維を用いることができる。その配合量は、全ゴム成分100重量部に対して2〜70重量部、特に3〜30重量部とすることができ所定の抵抗がでるように調整する。
なお、このベース層としての発泡層21の形成は、公知の加硫成形法により行うことができ、その厚さはロールの用途等に応じて適宜設定されるが、通常1〜5mmとされる。
本実施形態の下流側帯電ロール2Dは、発泡層21上に導電剤の配合により導電性を付与した可溶性フッ素樹脂で導電膜層22を形成したものである。この場合、可溶性フッ素樹脂は、溶剤に可溶な非晶性フッ素樹脂が用いられ、具体的にはテトラフルオロエチレン成分にフッ素化アルキルビニルエーテル成分を導入した共重合体などを使用することができる。
また、これら可溶性フッ素樹脂に導電性を付与するために配合する導電剤としては、導電性酸化チタン、カーボン、導電性酸化錫等の一般に使用されている種々の導電性材料を使用することができる。その配合量は、特に制限されるものではないが、フッ素樹脂100重量部に対して30〜300重量部程度とすることができ、これにより導電性ロールの導電膜層として適当な電気抵抗値である107〜108Ωとすることができる。
この導電膜層22は、溶剤に溶解されて塗料状に調製された上記可溶性フッ素樹脂に上記導電材を添加し、これをディップ、ハケ塗又はスプレー等の通常の塗装法で上記発泡層上にコーティングする。その後、自然乾燥、真空引き若しくは加熱処理等の強制乾燥を行うことにより、容易に形成することができる。
また、この導電膜層22を上記発泡層21上に形成するに際し、導電性ロールの電気抵抗値を調整するため、図3(b)に示したように発泡層21と導電膜層22との間に下塗層23を形成することもできる。この場合、下塗層23としては、特に制限されないが、ポリエステル系ウレタン、例えば1,4ブタンジオール、エチレングコールとアジピン酸のエステルのジオールとをMDI(メチレンジフェニルイソシアネート)で鎖延長したウレタンに各種カーボンブラック又は導電性酸化チタン、導電性錫を分散させたものなどが好適に用いられる。また、従来導電膜層として用いられているN−メトキシメチル化共重合ナイロン(商品名,トレジン)に導電剤を配合して導電性を付与したものも下塗層23として好適に使用することができる。
また、本発明にて下流側の帯電ローラ2Dについても硬度が大いに影響する。硬度(JIS ASKER C 定荷重測定器)については、上流側帯電ローラ2Uに比べて、長寿命の原因となる異物がこないため、帯電ムラを防止しやすい硬度がよい。この硬度とは40〜55°が良い。55°より大きくなると下流側帯電ローラ2Dの帯電能力が不足する。また、40°より小さくなると、下流側であるため擦り抜け量は上流側より少なくなるが、柔らかすぎると結局は異物(トナー及び外添剤)がすり抜けてきて、付着しやすくなる。また、清掃部材(後記記載)でも取り難く、その付着物による放電ムラができやすい。好ましくは、40〜50°である。
上述のように、下流側帯電ローラ2Dは、上流側帯電ローラ2Uより高度を下げた帯電ローラとされる。基本的には差が少しでもあればよいが、硬度差は1〜30°とされる。硬度差が1°以内だと硬度を変化させた意味がなくなり、帯電能も全体的に不十分となる。また、30°以上の差がつくと、汚れと帯電能(寿命)のバランスがとれなくなる。
[放電メカニズムと各帯電ローラの特徴]
次に、図4(a)、(b)を参照して、本発明に従って構成される上流側帯電ローラ2Uの放電メカニズムと、下流側帯電ローラ2Dの放電メカニズムについて説明する。
元来、接触式の帯電部材においては、放電現象が、ニップ部(即ち、感光ドラムと帯電部材の接触部)Nというよりは、ニップ部Nのまわりの領域(放電部)31で発生する。その領域31を、上流側帯電ローラ2Uでは、放電領域32、33と呼び、下流側帯電ローラ2Dでは放電領域34と呼ぶ。
上流側帯電ローラ2Uは、基本的に硬度が高いローラなので追従性が無く、押し圧ムラが発生すると共に偏心などによる当たりムラなどが発生しやすい。この押し圧ムラに対応しているのが図4(a)のニップ部Nで、その時のニップ部Nの形成状態によってニップ部が広い場合(破線35)には放電領域が広がる(放電領域33)。一方、狭い場合(実線36)には放電領域が狭くなる(放電領域32)。即ち、放電領域の変動により、帯電ムラが発生しやすい。ただ、上流側の帯電ローラ2Uは、ハードローラなので基本的には長寿命によく、傷もつき難いため、清掃部材等が付けられる。
下流側帯電ローラ2Dは、基本的に硬度低めのもので、この帯電ローラだと追従性がよく、押し圧ムラや、偏心などの当たりムラ(実線37や破線38のとき)でも図4(b)のニップ部Nの変化がなく、放電領域34が変わらず、ムラが発生し難くなる。ただ、その分、硬度の低いローラは異物の滞留が発生し易いので、耐久性が問題となる。
本発明においては、上流側の帯電ローラ2Uが異物回収の大きなポイントとなるため、下流側で硬度の低い帯電ローラ2Dを使用することが可能となる。
また、上流側の帯電ローラ2Uの放電電流量は下流側より少なくてよい。この放電電流量については、後で詳しく説明する。
基本的には上流側の帯電ローラ2Uは、汚れを全面的に受けるため、抵抗上昇がみられ、放電電流量は少なくてよい。上流側及び下流側の帯電ローラ2U、2Dにおける放電電流量差は10〜80μAがよい。10μAより少ないと、上流側と下流側の交流電圧のバランスが悪く、どちらかが、高くなりすぎ、長寿命に影響を及ぼす。また、低すぎる場合も考えられ、その場合は帯電ムラの解消も不十分で、高画質を形成できない。また80μAより大きくなると、下流側に100μA以上の放電電流量をかけることになり、長寿命に影響を及ぼす。
[電子写真感光体]
次に、本発明の画像形成層にて使用される像担持体(感光ドラム)1としての電子写真感光体の一般的なことについて、以下に説明する。ただ、この感光体については、長寿命を意識した一例であった、これに限るものではい。
図5(a)、(b)を参照して、感光ドラム1の概略構成を説明する。
感光ドラム1は、単層型(図5(a))か、積層型(図5(b))のいずれかである。つまり、単層型は、外径が、例えば、30mmの導電性基体上51に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層53に含有する層構成とされる。一方、積層型は、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55を、順次又は逆順に積層した構成とされる。導電性基体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けることができる。更には、感光層上に表面保護層56を形成することも可能である。
先ずは、感光体の長寿命を意識した、表面保護層56の特徴(一例)について簡単に説明する。
表面保護層56のHU(ユニバーサル硬さ値)、及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図6に示す。縦軸は荷重(mN)で、横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HU(ユニバーサル硬さ値:以下、「HU」と呼ぶ。)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
Figure 2009128453
弾性変形率は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は、図6中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率=We/Wt×100(%) (2)
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。
一般的に膜の硬度は、外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなかった。
本発明者らは、鋭意検討の末、HUと弾性変形率の値が、ある範囲の場合に感光体表面層の機械的劣化が起り難くなることを見出し、本発明に至った。
すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm2以上220N/mm2以下である。かつ、弾性変形率が40%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。また、更なる特性の向上にはHU値が160N/mm2以上200N/mm2以下であることがより好ましい。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできない。しかし、例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が40%未満であると感光体の弾性力が不足している。また、、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまう。従って、結果として、クリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが局部的に大きな圧力がかかり感光体に深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまう。そのため、クリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで感光体は削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
本実施形態において用いられる感光ドラム1で、長寿命を考えると、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体とされる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、更に放射線を用いることができる。
したがって、本実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合又は架橋により硬化可能な化合物を、融解又は含有している塗布溶液を用いる。そして、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この本実施形態においても浸漬塗布法を採用することが可能である。この表面保護層については、長寿命を意識したものであってこの限りではない。
更に感光体ドラム1について説明すると、上述のように、感光体ドラム1は、図5(a)、(b)に示すような概略構成とされる。また、本実施形態においては、電荷輸送層の膜厚を最適化させるために、膜厚の幅を持たせる意味で、表面保護層56を用いることが良い。少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。
そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層54および電荷輸送層55を順次積層した機能分離型の感光体構成が好ましい。または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層56を形成した構成とするのが好ましい(図5(b))。
この実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
また、電子線を照射する場合においては、この本実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、15kJ/kg以上500kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
また、本実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、この第1の実施形態による表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
また、本実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電荷輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
次に、本実施形態による電子写真感光体1の感光層について説明する。
すなわち、電子写真感光体の支持体51としては、導電性を有するものであれば良く、具体的には、たとえばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や、これらの合金を、ドラムまたはシート状に形成したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布することにより導電層を設けた金属、または、プラスチックフィルムや紙などを挙げることができる。
また、本発明の実施形態においては、導電性支持体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けることができる。
下引き層52は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される層である。
この下引き層52の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワおよびゼラチンなどを使用することができる。これらの材料は、それぞれに適合した溶剤に溶解されて支持体表面に塗布される。そして、この下引き層52の膜厚は、好適には、0.1〜2μmである。
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合は、電荷発生層54および電荷輸送層55を積層する。電荷発生層54に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル(Se−Te)、ピリピウム、チアピリリウム系染料、または、各種の中心金属および結晶系、具体的には、たとえばα、β、γ、ε、およびX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよびアモルファスシリコンなどを挙げることができる。
また、機能分離型感光体の場合、電荷発生層54は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの手段によって良好に分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。ここで、この電荷発生層54の膜厚は、典型的には、5μm以下であり、好適には、0.1〜2μmである。
また、結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層54上に電荷輸送層55として用いることができる。または、電荷発生層54上に、電荷輸送層55と結着樹脂とからなる電荷輸送層55を形成した後に、表面保護層56として用いることもできる。
そして、正孔輸送性化合物を表面保護層56として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、またはカルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを、上述の電荷発生層用樹脂から選択可能で適当な結着樹脂とともに溶剤に分散または溶解した溶液を、上述の公知の方法によって塗布し、乾燥させて形成することができる。
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂との比率は、両者の全重量を100とした場合に、電荷輸送物質の重量が30〜100の範囲内にあることが望ましく、更には50〜100の範囲で適宜選択するのが好ましい。
電荷輸送層55における電荷輸送物質の重量が、これらの範囲より小さいと、電荷輸送能が低下し、感度低下や残留電位の上昇などの問題点が発生する。この場合に本実施形態における電荷輸送層55の厚みは、10〜30μmの範囲である。
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、予め正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
また、上述の溶液を塗布する方法としては、上述のように、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
また、本実施形態による表面保護層中56においては、導電性粒子を混入させることも可能である。この導電性粒子としては、金属、金属酸化物およびカーボンブラックなどを挙げることができる。
これらの導電性粒子としての金属は、具体的には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレスおよび銀を挙げることができ、さらに、導電性粒子としては、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどを挙げることができる。
また、導電性粒子としての金属酸化物は、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。
また、これらの金属酸化物は、それぞれ単独で用いたり、2種類以上を組み合わせて用いたりすることが可能である。なお、2種以上を組み合わせる場合には、単に混合することも可能であり、固溶体や融着を施すことも可能である。
また、この発明の実施形態において用いられる導電性粒子の平均粒径は、保護層56の透明性の観点から、0.3μm以下にすることが好ましく、より好適には、0.1μm以下にすることが望ましい。さらに、この第1の実施形態においては、上述した導電性粒子の材料において、透明性などの観点から金属酸化物を用いることが特に好ましい。
表面保護層56中における導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つである。したがって、保護層の比抵抗は、108〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
また、この実施形態においては、表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、5〜40重量%であり、好適には、10〜30重量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、40重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
本実施形態においては、分散性、結着性および対候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層56の膜厚は、好適には、0.2〜10μmの範囲であり、より好適には、0.5〜6μmの範囲である。
更に、図7に、長寿命感光体としてのもう一つの別の構成の一例を示す。本例にて、ドラム状透光性支持体43の外周面に透光性導電層42を形成し、更にその透光性導電層42の上にa−SiC光導電層41を積層した構成とされる。
上記透光性支持体43を構成する材料には、パイレックスガラス、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスなど、及び、石英、サファイアなどの無機質系が挙げられる。更には、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、エポキシ、マイラーなどの有機樹脂系が挙げられる。
上記透光性導電層42を構成する材料には、インジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などがあり、また半透明になる程度に薄くしたAl、Ni、Auなどから成る金属層を用いてもよい。その層形成法には真空蒸着法、活性反応蒸着法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、浸漬法などがある。
前記a−SiC光導電層41は、例えばグロー放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法などにより形成し、その形成に当たってダングリングボンド終端用に水素(H)元素やハロゲン元素を1〜40原子%含有させる。また本実施形態においては、Si1-xx のX値を0<X≦0.5、好適には0.01≦X≦0.4の範囲に設定することも重要である。例えばグロー放電分解法により成膜する場合、SiH4ガスとCH4ガスやC24ガス及びC22ガスなどを組み合わせて所要通りの元素比率が得られる。従来周知のa−Si層にそのSi元素の半分以下の割合でSi元素をC元素に置換したことにより感光体1の絶縁破壊を防ぐことができる。
[放電電流量]
更に、本実施形態における放電電流量について図8を用いて説明する。
電子写真装置においては、帯電の均一性、画像ムラ防止などの目的で直流電圧+交流電圧を帯電ローラにかけるのが一般的である。本発明での放電電流量とは、主に帯電ローラにかける交流電圧(Vpp)における電流量曲線による放電特性のことをいう。通常、帯電ローラにVpp(グラフの横軸)をかけていき、感光体の支持体側で交流電流量(IAC)を測定すると、図8に示すように、あるポイントA1(放電開始点)で電圧と電流の関係が変化する。その点A1未満での点をプロットし正比例直線A2(破線)と、実際の流れた電流曲線A3(実線)であるVpp(A5)での電流の差分A4を放電電流量と言う。
(実施例)
以下、実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
[実施例1]
上流側帯電ローラ2Uとして、以下のような方法で、図2に示す構成の帯電ローラを準備した。
〔導電性弾性体層形成材料の調製〕
導電性弾性体層形成材料として、下記に示す各成分を用いてゴム組成物を準備した。
ポリノルボーネンゴム 100重量部
ケッチェンブラック 50重量部
ナフテン系オイル 400重量部
〔軟化剤移行防止層形成材料の調製〕
軟化剤移行防止層形成材料として、下記に示す各成分を用いてカーボンブラック分散樹脂液を調製した。
N−メトキシメチル化ナイロン 100重量部
カーボンブラック 15重量部
〔抵抗調整層形成材料の調製〕
抵抗調整層形成材料として、下記記載の内容で調製した。
CHR 100重量部
第4級アンモニウム塩 1重量部
〔保護層形成材料の調製〕
保護層形成材料として、下記に示す各成分を用いて樹脂液を調製した。
N−メトキシメチル化ナイロン 100重量部
カーボンブラック 8重量部
次に、直径8mmの金属製シャフトからなる芯金11の外周に接着剤を塗布した後、その外周に、上記導電性弾性体層形成材料のゴム組成物を用い、金型加硫を利用し全体の外径が15mmになるように導電性弾性体層12を形成した。次いで、その導電性弾性体層12の外周に、上記軟化剤移行防止層形成材料用のカーボンブラック分散樹脂液をスプレーコーティングした後、乾燥し厚み6〜10μmの軟化剤移行防止層13を形成した。一方、上記抵抗調整層形成用のゴム組成物をロール混練した後、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=3/1(重量比)の溶剤に溶解し、粘度を500センチポイズに調製してディップ液を作製した。この液中に、上記のようにして軟化剤移行防止層13が形成された芯金11を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、ついで加熱処理して架橋させ、抵抗調整層14を形成した。そのときの、抵抗調整層14の厚みは、乾燥時、200μmになるようにした。次いで、その表面に保護層形成用の樹脂液をスプレーコーティングした後、乾燥して保護層15を形成した。その結果、目的とする帯電ロールが得られた。このときの帯電ローラの外径は16mmであり、全体の抵抗は1×106Ωとなった(印加電圧100V)。また、そのときの硬度はアスカーCで60°となった。
また、下流側の帯電ローラ2Dとしては以下のような調製材料を用い、図3(b)に示す帯電ローラを準備した。
先ず、上流側帯電ローラ2Uと同様な芯金11に230℃×3分の加硫条件で3.8mm厚の発泡層21を形成した。
〔発泡層形成材料の調製〕
エチレンプロピレンゴム 100重量部
オイル 70重量部
ポリエチレングリコール 1重量部
発泡剤 3重量部
次に、発泡層21上に、アジピン酸と1,4ブタンジオールのポリエステルジオールをMDI(メチレンジフェニルイソシアネート)で鎖延長したウレタン100重量部にカーボンを30重量部分散させてなる下塗層23を200μm厚に形成した。次いで、旭硝子(株)のルミフロンを塗料化したものである日本油脂(株)製のベルフロン100重量部に対して導電性酸化錫を170重量部分散させて導電性を付与した。これを上記発泡層21と下塗層23からなるロールにディップし、ロール表面に厚さ5μmの導電膜層22を形成して帯電ロールを得た。この時の帯電ローラの外径は16mmであり、得られたロールの電気抵抗は、1×106Ω(印加電圧100V)であった。またこのときの帯電ローラの硬度はアスカーCで45°となった。
次に、感光ドラム1としては、以下のようにして、図5(b)に示す感光ドラムを作製した。
先ず、直径30mmのアルミニウムシリンダー(スラスト長360mm)51に導電層用の塗料を以下の手順で塗布し、導電層を形成した。
つまり、10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50重量部、フェノール樹脂25重量部、メチルセロソルブ20重量部、メタノール5重量部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002重量部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、塗料を調製した。この塗料をシリンダー51上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5重量部をメタノール95重量部中に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層(即ち、下引き層)52を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3重量部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3重量部及びシクロヘキサノン35重量部を、直径1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に、酢酸エチル60重量部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層54を形成した。
電荷発生層54を形成した後、下記構造式(1)のスチリル化合物を10重量部
Figure 2009128453
および下記構造式(2)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10重量部を
Figure 2009128453
モノクロロベンゼン50重量部およびジクロロメタン30重量部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層55を形成した。
Figure 2009128453
次いで、上記構造式(3)の正孔輸送性化合物60重量部をモノクロロベンゼン50重量部およびジクロロメタン50重量部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調整した。この保護層用塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全重量に対して30重量%を含有させた。
この塗布液を前記の電荷輸送層上にコーティングしたあと、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、膜厚5μmの保護層56を形成し、電子写真感光体を得た。
このようにして作製した上流側帯電ローラ2U、下流側帯電ローラ2D及び、感光ドラム1を、図1に示す構成の電子写真画像形成装置に組み込んだ。外部電源(トレック社製MODEL615−3)を用いて、上流側帯電ローラ2Uに直流電圧を700V、交流電圧を周波数1800HzでVppを調整し放電電流量を20μAに調整した。また、下流側帯電ローラ2Dにも直流電圧を700V、交流電圧を周波数1800HzでVppを調整し放電電流量を50μAに調整した。そして、ベタ黒画像及び30ヘキサのハーフトーン画像を出力した。画像ムラなどは発生せず、良好な画像が形成できた。その状態で耐久確認(300K枚)を行ったが、途中から帯電ローラ汚れなどによる画像ムラや、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
[実施例2]
実施例1において、上流側の帯電ローラ2Uを以下のように形成した。
〔帯電ローラのゴム部の調製〕
導電性弾性体層形成材料として、下記に示す各成分を用いてゴム組成物を準備した。
エピクロルヒドリンゴム 100重量部
液状ポリクロロプレン 6重量部
チアウレア化合物 2重量部
硫黄 0.3重量部
次に、直径8mmの金属製シャフトからなる芯金11の外周に接着剤を塗布した後、ローラ成形用金型に上記芯金(回転軸)をセットし、70℃に保持した。この金型に上記ゴム組成物を注入して、約10分間反応硬化させて、帯電ローラのベースとなる導電性弾性体層12を得た。これを脱型し、室温で約24時間熟成した。このときの直径は15mmとなっている。このローラの研磨機で表面研摩し、直径14mmの帯電ローラを得た。
〔表面処理部の調製〕
酢酸エチル 100重量部
イソシアネート化合物 20重量部
アセチレンブラック 5重量部
アクリルシリコーンポリマー 1重量部
上記導電性弾性体層12において、研摩後、表面処理として、前記調製剤をボールミルで3時間分散混合した表面処理液を、23℃に保ったまま、帯電ローラを10秒間浸漬後、120℃で保持されたオーブンで1時間加熱して、帯電ローラの最終的なものを得る。このときの帯電ローラの外径は、ほぼ14mmであり、全体の抵抗は1×106Ωとなった(印加電圧100V)。また、そのときの硬度はアスカーCで57°となった。
また、同時に下流側の帯電ローラ2Dにおいても、以下のような材料を用いて、加硫条件160℃×1分の条件で3mmの発泡層21を形成した。
〔発泡層の調整〕
エピクロルヒドリンゴム 100重量部
オイル 66重量部
酸化亜鉛 6重量部
導電性カーボン 12重量部
加工助剤 2重量部
加硫促進剤 5.5重量部
硫黄 1重量部
シリコーンオイル 1重量部
発泡剤 6重量部
次に、上記発泡層21の上にメトキシメチル化ナイロン100重量部、ケッチェンブラック10重量部、クエン酸2.5重量部を混合した液にディップし、ロール表面に厚さ5μmの導電膜層22を形成して直径14mmの帯電ロールを得た。得られたロールの電気抵抗は、1×106Ωであった。またこのときの帯電ローラの硬度はアスカーCで48°となった。
これらの帯電ローラ以外は、実施例1と同様の構成の電子写真装置において、実施例1と同様の評価をおこなった。
ベタ黒画像及び30ヘキサのハーフトーン画像を出力しても、画像ムラなどは発生せず、良好な画像が形成できた。その状態で耐久確認(300K枚)を行ったが、途中から帯電ローラ汚れなどによる画像ムラや、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
[実施例3]
実施例1において、上流側帯電ローラ2Uの弾性体層12の厚みを減らして全体の直径を15mmとし、実施例2で使用した、下流側帯電ローラ2Dの発泡層21の厚みを増やして直径15mmの帯電ローラとした。これ以外は、実施例1と同様の構成の電子写真画像形成装置を使用して画像形成した。本実施例にて、それぞれの帯電ローラの硬度は、上流側が68°、下流側が40°であった。
これらを用いて、実施例1と同様の、評価を行った。ベタ黒画像及び30ヘキサのハーフトーン画像を出力しても、画像ムラなどは発生せず、良好な画像が形成できた。その状態で耐久確認(300K枚)を行ったが、途中から帯電ローラ汚れなどによる画像ムラや、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
本発明の一実施形態における画像形成装置の概略構成図である。 本発明に従った上流側の帯電ローラの一例を示す概略断面図である。 本発明に従った下流側の帯電ローラの一例を示す概略断面図である。 本発明による放電メカニズムを説明するための概略図である。 本発明に使用される感光体の一例を示す概略断面図である。 フィシャースコープH100V(H.Fishere社製)の出力チャートの概略図である。 本発明に使用される感光体の他の例を示す概略断面図である。 本発明における放電電流量を説明するための図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2U 上流側帯電ローラ
2D 下流側帯電ローラ
31 放電部
32、33、34 放電領域
C1 上流側帯電ローラ用清掃部材

Claims (7)

  1. 画像形成装置にて像担持体に接触して前記像担持体を帯電するための複数個の帯電ローラを備えた帯電装置において、
    前記像担持体の移動方向上流側の帯電ローラは、下流側の帯電ローラより硬度が大であることを特徴とする帯電装置。
  2. 前記上流側の帯電ローラの硬度が55〜70°(アスカーC)であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 前記下流側の帯電ローラの硬度が40〜55°(アスカーC)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電装置。
  4. 前記上流側の帯電ローラに清掃部材が当接されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の帯電装置。
  5. 前記上流側の帯電ローラの放電電流量が、前記下流側の帯電ローラの放電電流量より少ないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の帯電装置。
  6. 前記上流側の帯電ローラ及び前記下流側の帯電ローラともに交流電圧を印加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の帯電装置。
  7. 像担持体を帯電装置にて帯電し、像露光を行い静電潜像を形成する画像形成装置において、
    前記帯電装置は、請求項1〜6のいずれかの項に記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
JP2007301019A 2007-11-20 2007-11-20 帯電装置及び画像形成装置 Pending JP2009128453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007301019A JP2009128453A (ja) 2007-11-20 2007-11-20 帯電装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007301019A JP2009128453A (ja) 2007-11-20 2007-11-20 帯電装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009128453A true JP2009128453A (ja) 2009-06-11

Family

ID=40819473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007301019A Pending JP2009128453A (ja) 2007-11-20 2007-11-20 帯電装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009128453A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011107532A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Canon Inc 帯電装置及び画像形成装置
JP2016170274A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 富士ゼロックス株式会社 帯電装置、画像形成ユニット、画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011107532A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Canon Inc 帯電装置及び画像形成装置
JP2016170274A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 富士ゼロックス株式会社 帯電装置、画像形成ユニット、画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5087904B2 (ja) 帯電ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4918612B2 (ja) 画像形成装置
JP5786532B2 (ja) 保護剤供給部材、保護層形成装置、及び画像形成装置
JP5962136B2 (ja) 画像形成装置
JP5906795B2 (ja) 画像形成装置、保護剤供給部材及び保護層形成装置
JP2009080392A (ja) 画像形成装置
JP5621428B2 (ja) 保護層形成装置、並びに、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP5659647B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
KR100894752B1 (ko) 대전 장치, 화상 형성 장치 및 대전 방법
JP2009128453A (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JP4400366B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、並びにプロセスカートリッジ
JP2007163683A (ja) 画像形成方法
JP2019028268A (ja) 画像形成装置
JP2009122515A (ja) 画像形成装置
JP4250487B2 (ja) 電子写真装置、プロセスカートリッジ及びファクシミリ装置
JP5504626B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006113377A (ja) 帯電部材、これを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4433946B2 (ja) フッ素系樹脂粒子の選別方法、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP2005157177A (ja) 画像形成装置
JP5531469B2 (ja) プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2024013572A (ja) 画像形成装置およびそれを用いる画像形成方法、帯電装置
JP5807709B2 (ja) 保護剤供給部材
US20110200362A1 (en) Bias charge roller comprising overcoat layer
JPH08286393A (ja) 電子写真装置
JP2005172863A (ja) 画像形成装置