JP2009125983A - インクジェット記録装置および予備吐出方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および予備吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録装置において、共通のインク供給口からそれぞれの吐出口までの距離が複数存在する記録ヘッドの予備吐出を最適化する。
【解決手段】共通のインク供給口から吐出口までの距離が異なる第1および第2のノズル列について、上記距離がより長い第2のノズル列について駆動パルス幅P2とその下限パルス幅Pthとの比を、上記距離が短い第1のノズル列の比(P1/Pth1)より大きくする。これにより、装置全体の予備吐出時間を短くすることができる。また、上記距離が短い方のノズル列の場合、上記パルス幅の比を必要以上に大きくすると、投入エネルギーが増加する場合があり、装置におけるエネギー削減の観点で好ましくない。以上の点から、インク供給口の端部から吐出口までの距離が長いノズル列ほどパルス幅の比をより大きくし、それに基づいてそれぞれのノズル列の予備吐出発数などを設定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット記録装置および予備吐出方法に関し、詳しくは、吐出口に連絡するインク流路の長さが異なる吐出口を備えた記録ヘッドの予備吐出制御に関するものである。
インクジェット記録装置では、回復処理を行うことが知られている。回復処理は、記録ヘッド内の増粘したインクや微細気泡等を排出したり、吐出口が形成された面に付着した異物やインクミスト等を除去したりするものであり、これによって記録ヘッドのインク吐出特性を良好に維持することができる。この回復処理としては、吸引回復、予備吐出、ワイピング等が知られている。吸引回復は、ポンプ等で発生させた負圧を利用して、記録ヘッドの吐出口からインクや気泡を吸い出す動作である。また、予備吐出は、記録紙以外の所定の場所あるいは記録紙上に画像形成に関与しないインク吐出を行うものであり、これにより記録ヘッドの吐出口を介してインクや気泡を排出する動作である。さらに、ワイピングは、記録ヘッドの吐出口が形成された面をブレードで拭い、吐出口形成面に付着した異物やインクミスト等を除去する動作である。
上述した記録ヘッド内の増粘したインクは、特に、インクの吐出量の減少、吐出方向の偏向さらには不吐出等の吐出不良の原因となり得るものであり、吐出が長時間なされない場合等に生じやすくなる。従来行われている回復処理の一例では、先ず吸引回復により記録ヘッドの吐出口から増粘したインクを吸引した後、予備吐出を行う。これにより、吸引回復時に生じたインクの混色を除去することができる。このような吸引回復を用いた回復処理は、吸引回復による比較的多量の廃棄インクを発生させる点で改善すべき余地がある。これに対し、予備吐出は、回復の強度は吸引回復に較べて小さいものの、廃棄インク量が比較的少ない処理であり、従って、例えば吸引回復を予備吐出に置き換えることによって廃棄されるインク量を少なくすることができる。また、吸引回復に較べて処理に要する時間が少ないことから記録のスループットに与える影響が少ない。
以上のように、予備吐出は吐出回復処理の中でも廃棄インク量や記録のスループットの点で比較的有効な処理である。しかし、予備吐出を効果的に実施するには、その駆動条件を最適化することが望ましい。すなわち、増粘したインクがインク吐出に及ぼす影響は、インクの色ないし種類やインク吐出量などによって異なる。このため、これらのインク色や吐出量などに応じて吐出発数、吐出周波数、吐出間隔等の駆動条件を最適化し、上述した予備吐出の利点を有効に発揮するようにすることが望ましい。
特許文献1には、インクの種類に応じて、予備吐出時における吐出発数を設定する構成が開示されている。すなわち、予備吐出時に、先ずインクの種類を判別し、それぞれの種類に応じた吐出発数をメモリから読出して設定し、予備吐出を実行することにより、過不足のない予備吐出を実施することが記載されている。
また、特許文献2には、インク吐出量に応じて、予備吐出時の駆動条件、具体的には、吐出発数、吐出周波数、吐出間隔を設定する構成が開示されている。具体的には、サイズの異なる吐出口毎に適切な駆動条件を設定することにより、回復処理に要する時間、排インク量を最小限にすることが記載されている。
特開平06−246931号公報 特開2004−090292号公報
ところで、近年高画質のカラーフォト画像を提供するために、吐出口(以下、ノズルとも言う)を高密度に配列したノズル列を設けた記録ヘッドが提供されている。このような記録ヘッドでは、1つのノズル列あたりの解像度を高くすることは、記録ヘッドのチップサイズを小型化ことに有効である。しかし、1つのノズル列あたりの解像度が1200dpi程度の高解像度になると、記録ヘッドの製造上、吐出エネルギーを発生するための例えば電気熱変換素子を直線状に配置することが困難になる。このため、ノズル列の各吐出口を例えば千鳥状の配置とすることによって、千鳥状配置の全体で上記の高解像度を実現している。そして、このような直線状でない吐出口配置では、吐出口に連通するインク流路の長さなど、各吐出口に共通のインク供給口からそれぞれの吐出口までの距離がそれぞれのノズルの配置に応じて異なり、上記距離が異なる複数種類の吐出口が混在した形態となる。
予備吐出は、このような各吐出口に共通のインク供給口からそれぞれの吐出口までの距離が複数存在する記録ヘッドにおいても最適化されることが望ましいことはもちろんである。すなわち、増粘したインクがインク吐出に及ぼす影響は、インク流路等の形状、具体的には、インク供給口から吐出口までの距離に応じて異なることが推察されることから、予備吐出時の駆動条件をこの影響の度合いに応じて最適化することが望ましい。
予備吐出における吐出発数(吐出するインク滴の数)は回復処理に要する時間や排インク量に対応し、最適化の指標となる。予備吐出発数は、増粘したインクの粘度を下げることによって少なくすることができる。例えば、電気熱変換素子にインク吐出に至らない短パルスを印加したり、吐出するための電気熱変換素子とは異なる、直接インク吐出に関わらないサブヒータを駆動したりすることによって、インク温度を上昇させインクの粘度を低下させることが行われている。しかし、新たな駆動回路やサブヒータの追加は、チップサイズの大型化につながり、記録ヘッドのサイズやコストが増大するという問題点がある。
これに対し、電気熱変換素子に供給する、吐出に必要な下限エネルギーEthと、実際の吐出の際に供給するエネルギーEとの比(E/Eth)をパラメータとして制御することによりインク粘度を低下させることができる。すなわち、上記比E/Ethをある値以上大きくなるように設定すると、インクの温度が上昇し、増粘したインクの粘度低下に効果的であることが分っている。
本発明は、上記エネルギーの比をパラメータとして、各吐出口に共通のインク供給口からそれぞれの吐出口までの距離が複数存在する記録ヘッドの予備吐出を最適化することが可能なインクジェット記録装置および予備吐出方法を提供することを目的とする。
そのために本発明では、インクを吐出するための第1の吐出口と、共通のインク供給口から吐出口までの距離が前記第1の吐出口より長い第2の吐出口が設けられ、前記第1の吐出口および第2の吐出口に対応するそれぞれの電気熱変換素子にパルスのエネルギーを付与してそれぞれ前記第1の吐出口および第2の吐出口からインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置において、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、前記電気熱変換素子に付与する吐出に必要な下限エネルギーEth1およびEth2と、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、記録に関与しない吐出である予備吐出を行う際に前記電気熱変換素子に付与するエネルギーE1およびE2とが、(E2/Eth2)>(E1/Eth1)の関係を満たすことを特徴とする。
また、インクを吐出するための第1の吐出口と、共通のインク供給口から吐出口までの距離が前記第1の吐出口より長い第2の吐出口が設けられ、前記第1の吐出口および第2の吐出口に対応するそれぞれの電気熱変換素子にパルスのエネルギーを付与してそれぞれ前記第1の吐出口および第2の吐出口からインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置における予備吐出方法おいて、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、前記電気熱変換素子に付与する吐出に必要な下限エネルギーEth1およびEth2と、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、記録に関与しない吐出である予備吐出を行う際に前記電気熱変換素子に付与するエネルギーE1およびE2とが、(E2/Eth2)>(E1/Eth1)の関係を満たすことを特徴とする。
以上の構成によれば、インク供給口から吐出口までの距離が異なる第1および第2の吐出口について、距離がより長い第2の吐出口に対するパルス幅P2とその下限パルス幅Pthとの比が、上記距離が短い第1の吐出口の比P1/Pth1より大きく設定される。これにより、装置全体の予備吐出時間を短くすることができる。また、上記距離が短い方のノズル列の上記パルス幅の比を必要以上に大きくしないので、投入エネルギーが増加することを防止でき、装置におけるエネギー削減に寄与することができる。このようにインク供給口の端部から吐出口までの距離が長い吐出口ほどパルス幅の比をより大きくし、それに基づいてそれぞれの吐出口の予備吐出発数などを設定することができる。
その結果、インク供給口からそれぞれの吐出口までの距離が複数存在する記録ヘッドの予備吐出を最適化することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1から図3は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを説明する説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素について説明する。
インクジェット記録ヘッド
本実施形態のインクジェット記録ヘッドH1001は、電気信号の印加に応じてインクに膜沸騰を生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換素子を用いたバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドである。そして、この記録ヘッドは、電気熱変換素子とインク滴が吐出される吐出口とが対向するように配置された、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドである。
図に示すインクジェット記録ヘッドH1001はイエロー、シアン、マゼンタのカラーインクを吐出させるためのそれぞれのノズル列を備えている。図2(a)および(b)に示すように、記録ヘッドH1001は、記録素子基板H1101、電気配線テープH1301、インク供給保持部材H1501、フィルタH1701、H1702、H1703、インク吸収体H1601、H1602、H1603、蓋部材H1901、およびシール部材H1801から構成されている。
インクジェット記録ヘッドのインクジェット記録装置への装着
図1(a)および(b)に示すように、インクジェット記録ヘッドH1001には、インクジェット記録装置本体のキャリッジの装着位置に案内するための装着ガイドH1560、ヘッドセットレバーによりキャリッジに装着固定するための係合部H1930が設けられている。また、キャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1570、Y方向(被記録体搬送方向)の突き当て部H1580、Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1590が設けられている。上述した突き当て部により位置決めされることで、電気配線テープH1301上の外部信号入力端子H1302がキャリッジ内に設けられた電気接続部のコンタクトピンと正確に電気的接触を行う。
インクジェット記録装置
図3は、上述したようなカートリッジタイプの記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例を示す説明図である。図3に示す記録装置において、図2に示したインクジェット記録ヘッドH1001がキャリッジ102に位置決めして交換可能に搭載されている。キャリッジ102には、インクジェット記録ヘッドH1001上の外部信号入力端子を介して各吐出部に駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
キャリッジ102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト103に沿って往復移動可能に案内支持されている。そして、キャリッジ102は主走査モータ104によりモータプーリ105、従動プーリ106およびタイミングベルト107等の駆動機構を介して駆動されるとともにその位置および移動が制御される。また、ホームポジションセンサ130がキャリッジ102に設けられている。これにより、遮蔽板136の位置をキャリッジ102上のホームポジションセンサ130が通過した際に位置を知ることが可能となる。
記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体108は給紙モータ135からギアを介してピックアップローラ131を回転させることによりオートシートフィーダ(ASF)132から一枚ずつ分離給紙される。更に搬送ローラ109の回転により、インクジェット記録ヘッドH1001の吐出口面と対向する位置(プリント部)を通って搬送(副走査)される。搬送ローラ109はLFモータ134の回転によりギアを介して行われる。その際、給紙されたかどうかの判定と給紙時の頭出し位置の確定は、ペーパエンドセンサ133を記録媒体108が通過した時点で行われる。さらに、記録媒体108の後端が実際にどこに有り、実際の後端から現在の記録位置を最終的に割り出すためにもペーパエンドセンサ133は使用されている。
記録媒体108は、プリント部において平坦なプリント面を形成するように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この場合、キャリッジ102に搭載されたインクジェット記録ヘッドH1001は、それらの吐出口面がキャリッジ102から下方へ突出して前記2組の搬送ローラ対の間で記録媒体108と平行になるように保持されている。
インクジェット記録ヘッドH1001は、吐出口の並び方向がキャリッジ102の走査方向に対して交差するようにキャリッジ102に搭載され、これらの吐出口からインクを吐出して記録を行なう。
図4は、上述したインクジェット記録装置におけるデータ処理および各要素制御の構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ140から、記録すべき文字や画像のデータが記録ヘッドで用いる形態のデータとして転送され、受信バッファ141に格納される。また、正しくデータが転送されているかを確認するデータや、インクジェット記録装置142の動作状態を知らせるデータ等が、インクジェット記録装置142からホストコンピュータ140に送信される。受信バッファ141に格納されたデータは、CPU143の管理下においてメモリ部144に転送され、メモリ部144のRAMに一次的に記憶される。そして、CPU143は、このデータを所定のタイミングで記録ヘッドコントロール部145へ送る制御を行い、記録ヘッドコントロール部145は、このデータに従い記録ヘッドH1001を駆動し、インク滴を吐出させる。CPU143は、図8にて後述される予備吐出等の回復処理に関わる制御等の処理を実行し、また、メモリ部144は、その際に、ワークエリアとして用いられる。機械コントロール部146は、CPU143からの指令に基づき、LFモータ等の機械部147を駆動制御する。センサ/SWコントロール部148は、各種センサやSW(スイッチ)からなるセンサ/SW部149からの信号をCPU143に送る。また、表示素子コントロール部150は、CPU143からの指令により、表示パネル群のLEDや液晶表示素子等からなる表示部151を制御するように構成されている。記録ヘッドコントロール部145は、上述のとおり、CPU143の指令に基づき記録ヘッドH1001のインク滴の吐出動作を制御する。また、記録ヘッドコントロール部145は、記録ヘッドH1001の状態を示す温度情報等を検出して、それらをCPU143に送る。
(実施形態1)
本発明の第一の実施形態は、各吐出口に共通のインク供給口から吐出口までの距離が2種類存在する記録ヘッドを用いる場合の予備吐出を最適化する制御に関するものである。そして、上述したエネルギー比のパラメータとしてパルス幅の比を用いる。具体的には、電気熱変換素子に印加するパルスの電圧は一定とし、吐出に必要な下限パルス幅Pthと駆動パルス幅Pとの比(P/Pth)の値をパラメータとして用いる。
なお、吐出に必要な下限パルス幅Pthの測定方法は、以下に示すとおりである。駆動パルス幅を、0.300μsecから1.000μsecまで0.020μsec刻みで変化させてインク吐出駆動を行い測定用パターンを記録する。そして、このパターンにおいて、ノズル列を構成する全ての吐出口からインクの吐出が確認されたパルス幅を下限パルス幅Pthとする。
図5(b)は、図5(a)に示すインクジェット記録ヘッドH1001を構成する記録素子基板H1101を矢印の方向から観察したときの吐出口の配置を示す図である。
図5(b)に示すように、2plのインク滴を吐出可能な吐出口からなる第1のノズル列301と、同様に、2plのインク滴を吐出可能な第2の吐出口からなる第2のノズル列302が、インク供給口305に対して同じ側に配置されている。第1のノズル列301および第2のノズル列302の吐出口配列密度はそれぞれ600dpiであり、それぞれの列で吐出口が約25.4mm/600≒0.0423mmの間隔で配されている。第2のノズル列302は、第1のノズル列301よりも0.0212mm(配列ピッチの半分)列方向にずれた状態で配されている。また、2plのインク滴を吐出可能な第3のノズル列303と、同様に、2plのインク滴を吐出可能な第4のノズル列304が、インク供給口305に対して、上記第1、第2ノズル列とは反対側に配置されている。第3のノズル列303および第4のノズル列304の吐出口配列密度は、同様にそれぞれ600dpiで、吐出口が約25.4mm/600≒0.0423mmの間隔で配されている。そして、第4のノズル列304は、第3のノズル列303よりも0.0212mm列方向にずれた状態で配されている。加えて、第3のノズル列303は、第1のノズル列301よりも0.0106mm列方向にずれた状態で配されている。すなわち、インク供給口305を挟んで配置された4つのノズル列は、全体の配置において列方向に2400dpiの密度で配列されている。
図5(b)では、以上の第1〜第4ノズル列が3組設けられた構成を示している。図5(b)では、この3組のノズル列群を、シアン、マゼンタ、イエローのインクごとに使用する例として説明する。つまり、3つのインク供給口からそれぞれ異なる種類のインクが供給される。そして、それぞれの色のインクについて、第1のノズル列301および第3のノズル列303は、インク供給口305の端部から75μmの位置に吐出口が設けられている。また、第2のノズル列302および第4のノズル列304は、インク供給口305の端部から123μmの位置に吐出口が設けられている。すなわち、本実施形態の記録ヘッドは、それぞれの色のインクについて、各吐出口に共通のインク供給口から吐出口までの距離が2種類存在することになる。
それぞれの色の4つのノズル列を構成する吐出口は、2plのインク滴を吐出可能な面積に形成され、各吐出口に連通するインク流路や電気熱変換素子の寸法も、それに合わせて調整されている。第1のノズル列301および第3のノズル列303を構成するインク流路の幅と、第2のノズル列302および第4のノズル列304を構成するインク流路の幅は、ほぼ同じである。また、各ノズル列は総て平行である。
以上の記録ヘッドにおいて、回復処理に要する予備吐出発数(吐出数)を確認した。記録ヘッドは、吐出口が形成された面を覆わない、すなわち吐出口が大気に晒された状態で、40℃に保たれた環境下に1週間放置したものを使用した。これは、ユーザーが何らかの理由でインクジェット記録装置から記録ヘッドを取り外し、取り外した記録ヘッドを大気中に長期間放置した後、再使用する状況を想定している。この記録ヘッドを使用して、予備吐出の駆動条件、具体的には駆動パルス幅を変えて予備吐出を行い、各駆動パルス幅において、ヨレや不吐の発生しない正常吐出状態を得るのに必要な吐出発数やその吐出に要する時間を確認した。
インクの増粘等が発生していない状態における、第1のノズル列301のノズルからインクを吐出するのに必要な下限パルス幅(以下、Pth1)および第2のノズル列302の同じく下限パルス幅(以下、Pth2)は、ともに0.469μsecである。予備吐出時に、第1のノズル列301および第2のノズル列302のノズルからインクを吐出させる際の駆動パルス幅(以下、P1およびP2)は、0.508μsec、0.698μsec、0.994μsecの3通りである。このとき、下限パルス幅と駆動パルス幅との比(P1/Pth1)および(P2/Pth2)の値は、1.08、1.49、2.12である。
図6は、シアンインクの場合の上記駆動条件による予備吐出発数と予備吐出時間の確認の結果を示す図である。図6において、予備吐出発数は、1つの吐出口あたりの吐出発数を表している。また、予備吐出時間は、予備吐出のみに要する時間である。
図6から分るように、インク供給口の端部から吐出口までの距離が75μmである第1のノズル列301では、(P1/Pth1)の値が大きくなると、正常な吐出状態を得るのに必要な予備吐出発数は減少する。これは、(P1/Pth1)の値が大きくなるにつれて、インクの温度が上昇し、増粘したインクの粘度低下が生じていることによるものと推察される。同じく、インク供給口の端部から吐出口までの距離が123μmである第2のノズル列302においても、(P2/Pth2)の値が大きくなると、正常吐出状態を得るのに必要な予備吐出発数は減少する。これも同様の理由によるものと推察される。
また、第1のノズル列301においては、(P1/Pth1)の値が1.08から2.12まで変化したときの予備吐出時間の変化は約2secである。これに対して、インク供給口から吐出口までの距離が長い第2のノズル列302においては、(P2/Pth2)の値が1.08では、予備吐出発数が100000発でも正常吐出状態を得ることはできず、予備吐出時間が長大になる。これは、インク供給口から吐出口までの距離が、インクの増粘具合や、増粘したインクの回復性に大きく影響することが推察される。しかし、(P2/Pth2)の値が2.12では、正常吐出状態になるのに要する予備吐出時間は1.75secである。すなわち、(P/Pth)がパルス幅が大きくすることの効果は、インク供給口から吐出口までの距離が長いノズル列ほど顕著になる。
図7は、シアンインクの第1および第2のノズル列について、図6に示す駆動条件でインク吐出を行ったときのパルス比(P/Pth)と1つの吐出口あたりの投入エネルギーの関係を示す図である。投入エネルギーは、予備吐出時の駆動パルス幅P1またはP2と、駆動電圧と、駆動電流と、予備吐出発数の積で算出したものである。本実施形態では、駆動電圧は24Vであり、また、駆動電流は0.031Aである。
図7に示すように、インク供給口の端部から吐出口までの距離が123μmである第2のノズル列302では、(P2/Pth2)の値が大きくなるにつれ、予備吐出発数が少なくなるとともに、投入エネルギーも減少する。
これに対して、インク供給口の端部から吐出口までの距離が75μmである第1のノズル列301では、(P1/Pth1)の値が1.49までは、予備吐出発数が少なくなる。これとともに、投入エネルギーも減少するが、(P1/Pth1)の値が2.12では、投入エネルギーが増加する。
以上の図6および図7に示す、パラメータ(P/Pth)と、予備吐出発数、予備吐出時間および投入エネルギーとの関係から次のことが言える。
第1および第2のノズル列について、(P/Pth)の値が同一の場合、予備吐出に要する時間は、第2のノズル列の方が長い。すなわち、このような2種類のノズル列を備えた記録ヘッドを用いた装置では、インク供給口の端部から吐出口までの距離が長いほうのノズル列の予備吐出に要する、より長い時間がその装置の予備吐出時間となる。この点から、(P1/Pth1)と(P2/Pth2)の値を異ならせ、その場合に、図6から明らかなように、(P2/Pth2)の値を(P1/Pth1)の値より大きくした方がその装置の予備吐出時間を短くすることができる。すなわち、(P1/Pth1)と(P2/Pth2)が同じ値の場合、上述したように予備吐出時間は(P1/Pth1)に対応する時間の方が短く、また、(P2/Pth2)の値をより大きく設定することにより予備吐出時間をより短くできる。その結果、予備吐出時間は全体として短くなる。
また、図7に示したように、インク供給口の端部から吐出口までの距離が短い方のノズル列の場合、(P1/Pth1)の値を必要以上に大きくすると、投入エネルギーが増加する場合がある。このことは、(P/Pth)がある値以上に大きくした場合、回復動作に必要な吐出数を効果的に減らすことができないことを示している。つまり、(P/Pth)と回復動作に必要な吐出数との関係から、装置で消費されるエネルギーを削減する点をも考慮して駆動のためのパルスを設定することが好ましい。
以上の点から、インク供給口の端部から吐出口までの距離が長いノズル列ほど(P/Pth)の値をより大きな設定とすることが、スループット向上および省エネギーの点で好ましいと言える。
なお、以上の図6および図7を用いた説明は、シアンインクを使用した場合に関するものであるが、マゼンタインク、イエローインクにおいても、程度の差はあれ同様の傾向がある。
図8は、上述のように設定される、インク流路の長さが異なるノズル列ごとのパラメータ(P/Pth)を用いた予備吐出制御を示すフローチャートである。
本制御が開始されると、ステップS100で予備吐出を行う記録ヘッドにおける各ノズル列のインク供給口から吐出口までの距離を判別する。すなわち、上述した記録ヘッドでは、75μmと123μmの2つが距離として判別される。次に、ステップS210、S220で、これら判別した距離毎に、その距離に応じてメモリから予備吐出時の駆動パルス幅を読み出す。このパルス幅は、距離75μmに対応する下限パルス幅Pth1および駆動パルス幅P1と、距離123μmに対応する下限パルス幅Pth2および駆動パルス幅P2が、上述したように、(P2/Pth2)>(P1/Pth1)を満たすパルス幅である。
さらに、ステップS310、S320で、上記判別した距離毎に、メモリから予備吐出に必要な吐出パルス数を読み出す。さらに、ステップS400で、読み出した駆動パルス幅および吐出パルス数をメモリに設定する。そして、ステップS500で、ステップS400で設定した条件に基づいて予備吐出を行い、本予備吐出制御ルーチンを終了する。
以上のとおり、インク供給口から吐出口までの距離が複数種類、具体的には2種類存在する記録ヘッドを用いた場合に、距離ごとの下限パルス幅と予備吐出時の駆動パルス幅の比が、距離が長いほうが大きくなるような駆動条件の設定をする。これにより、スループット向上および省エネギーを実現することができる。
(実施形態2)
本発明の第二の実施形態は、インク供給口から吐出口までの距離が3種類存在し、かつ、3種類のサイズのインク滴を吐出する記録ヘッドを用いる場合において、スループット向上を達成し得る予備吐出時の駆動条件の設定に関する。本実施形態においても、駆動電圧は一定とし、吐出に必要な下限パルス幅Pthと駆動パルス幅Pとの比(P/Pth)をパラメータとして用い上記駆動条件を検討する。
図9(b)は、本実施形態の記録ヘッドH1002を構成する記録素子基板H1102を、図9(a)に示す矢印の方向から観察したときの吐出口の配置を示す図である。5plのインク滴を吐出する第1のノズル列401と、2plのインク滴を吐出する第2のノズル列402と、1plのインク滴を吐出する第3のノズル列403が、インク供給口404を介して設けられている。第1のノズル列401、第2のノズル列402および第3のノズル列403の吐出口の配列密度は1列あたり600dpiで、吐出口が約25.4mm/600≒0.0423mmの間隔で配されている。第1のノズル列401と第2のノズル列402は、インク供給口404を介して対称となる位置に配されている。第3のノズル列403は、第2のノズル列402よりも0.0212mm列方向にずれた状態で配されている。また、第1のノズル列401は、各ノズル列に共通のインク供給口404の端部から71μmの位置に吐出口が設けられている。また、第2のノズル列402は、インク供給口404の端部から123μmの位置に吐出口が設けられている。さらに、第3のノズル列403は、インク供給口404の端部から75μmの位置に吐出口が設けられている。
第1のノズル列401を構成する吐出口は、5plのインク滴を吐出可能な面積に形成され、各吐出口に連通するインク流路や電気熱変換素子の寸法も、それに合わせて調整されている。第2のノズル列402を構成する吐出口は、2plのインク滴を吐出可能な面積に形成され、各吐出口に連通するインク流路や電気熱変換素子の寸法も、それに合わせて調整されている。第3のノズル列403を構成する吐出口は、1plのインク滴を吐出可能な面積に形成され、各吐出口に連通するインク流路や電気熱変換素子の寸法も、それに合わせて調整されている。第2のノズル列402を構成するインク流路の幅と、第3のノズル列403を構成するインク流路の幅は、ほぼ同じである。
加えて、インクジェット記録ヘッドH1002を構成する記録素子基板H1102には、インクの増粘を軽減する手段の1つとして、Al配線で形成されるサブヒータを設けており、インク滴の吐出時に所定の温度で加熱する駆動を実施する。このとき、サブヒータを駆動しての加熱のみにより、前述した不吐出等のインク吐出不良の原因となり得る増粘したインクの粘度を低下させるには、かなりの高温を必要とするため、省エネの観点から好ましくない。このため、吐出口近傍における増粘したインクの粘度低下には、第一の実施形態で示したような、(P/Pth)の値が大きくなるような予備吐出を行って、インクの温度上昇を図る。すなわち、本実施形態におけるサブヒータ加熱は、増粘したインクの粘度低下を単独で図るためのものではなく、インクジェット記録ヘッドを構成するインク供給保持部材内も含め、全体的にインクの粘度を若干低下させる目的で実施する。本実施形態では、予備吐出の実施直前に、記録素子基板H1102に設けたセンサの読取温度が40℃となるように、サブヒータを駆動する。各ノズル列は全て平行であり、4つのインク供給口からそれぞれ異なる種類のインクを供給可能である。吐出するインクは、図9に示すインク供給口配置において、左からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4種である。すなわち、上述した第1、第2および第3ノズル列はシアン、マゼンタについて設けられる。
このような記録ヘッドにおいて、回復処理に要する予備吐出時間などを確認する。記録ヘッドは、第一実施形態と同様のものを使用し、予備吐出の駆動条件、具体的には駆動パルス幅を変えて予備吐出を行い、各駆動パルス幅において、正常な吐出状態を得るのに必要な吐出時間などを検討する。
具体的には、インクの増粘等が発生していない状態における、第1のノズル列401の下限パルス幅(以下、Pth1と記載)は、0.483μsecである。また、第2のノズル列402および第3のノズル列403の下限パルス幅(以下、Pth2およびPth3と記載)は、ともに、0.469μsecである。また、予備吐出時に、第1のノズル列401からインク滴を吐出させる際の駆動パルス幅(以下、P1と記載)は、0.529μsec、0.719μsec、0.994μsecの3種類である。このとき、下限パルス幅と駆動パルス幅との比(P1/Pth1)の値は、1.10、1.49、2.06となる。また、第2のノズル列402および第3のノズル列403からインク滴を吐出させる際の駆動パルス幅(以下、P2およびP3と記載)は、0.508μsec、0.698μsec、0.994μsecの3種類である。このとき、下限パルス幅と駆動パルス幅との比(P2/Pth2)および(P3/Pth3)の値は、1.08、1.49、2.12である。
図10は、シアンインクの場合の予備吐出時間の検討結果を示す図である。図10に示すように、5plのインク滴を吐出し、インク供給口の端部から吐出口までの距離が71μmである第1のノズル列401は、(P1/Pth1)の値が大きくなっても、正常吐出状態を得るのに必要な予備吐出時間は大きく変化しない。これは、5plのサイズのインク滴を吐出させる吐出口の大きさが比較的大きく、増粘したインクの影響を受けにくいことによるものと推察される。一方、2plのインク滴を吐出し、インク供給口の端部から吐出口までの距離が123μmである第2のノズル列402では、(P2/Pth2)の値が大きくなると、正常吐出状態を得るのに必要な予備吐出時間は減少する。これは、(P2/Pth2)の値が大きくなるにつれて、インクの温度が上昇し、増粘したインクの粘度低下が生じていることによるものと推察される。さらに、1plのインク滴を吐出し、インク供給口の端部から吐出口までの距離が75μmである第3のノズル列403では、(P3/Pth3)の値が大きくなると、正常吐出状態を得るのに必要な予備吐出時間は減少する。同様に、(P3/Pth3)の値が大きくなるにつれて、インクの温度が上昇し、増粘したインクの粘度低下が生じていることによるものと考えられる。一般に、インク滴のサイズが小さくなるほど、増粘したインクの影響を受けやすいが、インク供給口から吐出口までの距離が長くなると、それ以上の影響を受ける。
また、図10は、第1、第2および第3のノズル列における、シアンインクを使用した場合の、(P/Pth)と1吐出口あたりの投入エネルギーの検討結果も示している。投入エネルギーは、予備吐出時の駆動パルス幅と、駆動電圧と、駆動電流と、予備吐出発数の積で算出する。本実施形態では、駆動電圧は24Vである。また、第1、第2および第3のノズル列における駆動電流は、0.042A、0.030Aおよび0.026Aである。第1のノズル列では、(P1/Pth1)の値が大きくなっても、予備吐出時間は大きく変化しないが、投入エネルギーは増加する。第2のノズル列では、(P2/Pth2)の値が大きくなるにつれ、予備吐出時間が短くなるとともに、投入エネルギーも減少する。第3のノズル列では、(P3/Pth3)の値が1.49までは、予備吐出時間が短くなるとともに、投入エネルギーも減少するが、(P3/Pth3)の値が2.12では、投入エネルギーが増加する。
以上の図10に示す、パラメータ(P/Pth)と、予備吐出時間および投入エネルギーとの関係から次のことが言える。
第1、第2および第3のノズル列にについて、(P/Pth)の値が同一の場合、予備吐出に要する時間は、第2のノズル列の方がもっとも長い。すなわち、このような3種類のノズル列を備えた記録ヘッドを用いた装置では、インク供給口の端部から吐出口までの距離が長いほうのノズル列の予備吐出に要する、より長い時間がその装置の予備吐出時間となる。この点から、それぞれのノズル列の(P/Pth)の値を異ならせ、その場合に、図10から明らかなように、(P2/Pth2)の値を(P1/Pth1)や(P3/Pth3)の値より大きくした方がその装置の予備吐出時間を短くすることができる。
また、図10に示したように、インク供給口の端部から吐出口までの距離が短い方のノズル列の場合、(P/Pth)の値を必要以上に大きく
すると、投入エネルギーが増加する場合がある。この点については、先に図6、図7を参照して説明したように、必要以上に(P/Pth)を大きくしたとしても、回復動作に必要な吐出数を効果的に減らすことができないことを示している。つまり、(P/Pth)と回復動作に必要な吐出数との関係から、装置で消費されるエネルギーを削減する点をも考慮して駆動のためのパルスを設定することが好ましい。
以上の点から、相対的に小さなインク滴、本実施形態では3pl以下のサイズのインク滴を吐出させるノズル列においては、インク供給口から吐出口までの距離が長いノズル列がより(P/Pth)の値が大きい設定とする。これにより、スループット向上および省エネルギーを図ることができる。
図11は、上述のように設定される、インク流路の長さが異なるノズル列ごとのパラメータ(P/Pth)を用いた予備吐出制御を示すフローチャートである。
本制御が開始されると、ステップS010で予備吐出を行う記録ヘッドの吐出量を判別する。すなわち、本実施形態では5pl、2pl、1plと判別される。さらに、判別した吐出量を、3plより大、および、3pl以下、の2種類に分類する。3plより大に分類されたノズル列、具体的には、第1のノズル列については、ステップS230でメモリから予備吐出時の駆動パルス幅を読み出す。続いて、ステップS330でメモリから予備吐出に必要な吐出パルス数を読み出す。一方、3pl以下、に分類されたノズル列、すなわち、第2および第3のノズル列については、ステップS110で予備吐出を行う記録ヘッドを構成するノズル列におけるインク供給口から吐出口までの距離を判別する。本実施形態では、75μm、123μmと判別される。次に、ステップS240およびS250で、これら判別した距離毎に、メモリから予備吐出時の駆動パルス幅を読み出す。このとき、第2のノズル列について、下限パルス幅Pth2および駆動パルス幅P2、第3のノズル列について、下限パルス幅Pth3および駆動パルス幅P3が、(P2/Pth2)>(P3/Pth3)を満たす。さらに、ステップS340およびS350で、上記判別した距離毎に、メモリから予備吐出に必要な吐出パルス数を読み出す。続いて、ステップS410で、これら読み出した駆動パルス幅および吐出パルス数をメモリに設定する。そして、ステップS510において、ステップS410で設定した条件に基づいて予備吐出を行い、予備吐出ルーチンを終了する。
(他の実施形態)
上述した各実施形態では、電気熱変換素子に供給する吐出のためのエネルギーのパラメータがパルス幅の例について説明したが、これに限定されないことはもちろんである。例えば、パラメータを印加するパルスの電圧値やパルス波形とすることができる。要は、第1の吐出口および第2の吐出口における、電気熱変換素子に付与する吐出に必要な下限エネルギーEth1およびEth2と、予備吐出の付与エネルギーE1およびE2とが、(E2/Eth2)>(E1/Eth1)の関係を満たすようにすればよい。
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを説明する説明図である。 同じく本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを説明する説明図である。 上記記録ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置の一例を示す説明図である。 上記インクジェット記録装置におけるデータ処理および各要素制御の構成を示すブロック図である。 本発明の第一の実施形態に係る記録ヘッドのノズル列の配置を示す図である。 第一の実施形態に係る予備吐出発数の検討結果を説明する図である。 第一の実施形態に係る予備吐出における投入エネルギーの検討結果を説明する図である。 本発明の第一の実施形態の予備吐出制御を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施形態に係るノズル列の配置を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る予備吐出時間などの検討結果を説明する図である。 本発明の第二の実施形態の予備吐出制御を示すフローチャートである。
符号の説明
102 キャリッジ
142 インクジェット記録装置
143 CPU
144 メモリ部
145 記録ヘッドコントロール部
H1001、H1002 インクジェット記録ヘッド
H1101、H1102 記録素子基板
301 第1のノズル列
302 第2のノズル列
303 第3のノズル列
304 第4のノズル列
305 インク供給口
401 第1のノズル列
402 第2のノズル列
403 第3のノズル列
404 インク供給口

Claims (5)

  1. インクを吐出するための第1の吐出口と、共通のインク供給口から吐出口までの距離が前記第1の吐出口より長い第2の吐出口が設けられ、前記第1の吐出口および第2の吐出口に対応するそれぞれの電気熱変換素子にパルスのエネルギーを付与してそれぞれ前記第1の吐出口および第2の吐出口からインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記第1の吐出口および第2の吐出口における、前記電気熱変換素子に付与する吐出に必要な下限エネルギーEth1およびEth2と、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、記録に関与しない吐出である予備吐出を行う際に前記電気熱変換素子に付与するエネルギーE1およびE2とが、(E2/Eth2)>(E1/Eth1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記予備吐出では、前記第1の吐出口および第2の吐出口から吐出する吐出数を、前記(E2/Eth2)および(E1/Eth1)に基づいて定めることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記(E2/Eth2)および(E1/Eth1)は、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、吐出に必要な下限パルス幅Pth1およびPth2と、前記予備吐出を行う際の駆動パルス幅P1およびP2とのそれぞれの比(P2/Pth2)および(P1/Pth1)として表されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の吐出口および第2の吐出口からのインク吐出量がそれぞれ3pl以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. インクを吐出するための第1の吐出口と、共通のインク供給口から吐出口までの距離が前記第1の吐出口より長い第2の吐出口が設けられ、前記第1の吐出口および第2の吐出口に対応するそれぞれの電気熱変換素子にパルスのエネルギーを付与してそれぞれ前記第1の吐出口および第2の吐出口からインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置における予備吐出方法おいて、
    前記第1の吐出口および第2の吐出口における、前記電気熱変換素子に付与する吐出に必要な下限エネルギーEth1およびEth2と、前記第1の吐出口および第2の吐出口における、記録に関与しない吐出である予備吐出を行う際に前記電気熱変換素子に付与するエネルギーE1およびE2とが、(E2/Eth2)>(E1/Eth1)の関係を満たすことを特徴とする予備吐出方法。
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