JP2009123101A - 顔の画像の向きの推定 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象画像における顔の画像の向きを推定することを可能とする。
【解決手段】画像処理装置は、対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出する器官領域検出部と、検出された器官領域に基づき対象画像における顔の画像の向きを推定する顔向き推定部とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像における顔の画像の向きを推定する技術に関する。
デジタル画像を対象に、画像を変形するための画像処理技術が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、顔の画像上の一部の領域(頬の画像を表す領域)を補正領域として設定し、補正領域を所定のパターンに従い複数の小領域に分割し、小領域毎に設定された倍率で画像を拡大または縮小することにより、顔の画像の形状を変形する画像処理が開示されている。
特開2004−318204
上記従来の顔の画像の形状を変形する画像処理は、正面向きの顔の画像を対象とすることを想定しているため、顔の画像の向きが正面向きではなく左右振りや上下振りであった場合には、処理後の画像が不自然なものとなるおそれがある。従って、対象画像における顔の画像の向きを推定することは有用である。
なお、本明細書では、被写体の人物の顔が上を向いている画像の向きを「上振り」と呼び、被写体の人物の顔が下を向いている画像の向きを「下振り」と呼ぶ。また、被写体の人物の顔が画像の観察者側から見て右を向いている(すなわち人物が実際には左を向いている)画像の向きを「右振り」と呼び、被写体の人物の顔が画像の観察者側から見て左を向いている(すなわち人物が実際には右を向いている)画像の向きを「左振り」と呼ぶ。画像の向きが上振りまたは下振りであることを「上下振り」とも呼び、右振りまたは左振りであることを「左右振り」とも呼ぶ。
その他、例えば、対象画像における顔の画像を含む領域を設定する場合にも、対象画像における顔の画像の向きを推定することは有用である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、対象画像における顔の画像の向きを推定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]画像処理装置であって、
対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出する器官領域検出部と、
検出された前記器官領域に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する顔向き推定部と、を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出し、検出された器官領域に基づき対象画像における顔の画像の向きを推定することができる。
[適用例2]適用例1に記載の画像処理装置であって、
前記器官領域検出部は、複数の前記器官領域を検出し、
前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域間の位置と大きさとの少なくとも一方に関する関係に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
複数の器官領域間の位置関係や大きさの関係は、顔の画像の向きに応じて変化すると考えられるため、この画像処理装置では、複数の器官領域間の位置と大きさとの少なくとも一方に関する関係に基づき、対象画像における顔の画像の向きを推定することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の画像処理装置であって、
前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域に基づき、顔の画像の幅に相関のある指標としての参照幅と顔の画像の高さに相関のある指標としての参照高さとを算出し、前記参照幅と前記参照高さとの比に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
顔の画像の幅に相関のある参照幅と顔の画像の高さに相関のある参照高さとの比は、顔の画像の向きに応じて変化すると考えられるため、この画像処理装置では、参照幅と参照高さとの比に基づき、対象画像における顔の画像の向きを推定することができる。
[適用例4]適用例3に記載の画像処理装置であって、
前記顔向き推定部は、前記参照幅と前記参照高さとの比に基づき、前記対象画像における顔の画像の正面向きからの振りの程度を推定する、画像処理装置。
参照幅と参照高さとの比は、顔の画像の正面向きからの振りの程度に応じて変化すると考えられるため、この画像処理装置では、参照幅と参照高さとの比に基づき、対象画像における顔の画像の正面向きからの振りの程度を推定することができる。
[適用例5]適用例3または適用例4に記載の画像処理装置であって、
前記器官領域検出部は、少なくとも、前記顔の器官としての右目の画像を含む右目領域と、前記顔の器官としての左目の画像を含む左目領域と、前記顔の器官としての口の画像を含む口領域と、を、前記器官領域として検出する、画像処理装置。
この画像処理装置では、右目領域と左目領域と口領域とに基づき、対象画像における顔の画像の向きを推定することができる。
[適用例6]適用例5に記載の画像処理装置であって、
前記顔向き推定部は、前記右目領域と前記左目領域とに基づき前記参照幅を算出し、前記右目領域と前記左目領域との少なくとも一方と前記口領域とに基づき前記参照高さを算出する、画像処理装置。
この画像処理装置では、右目領域と左目領域とに基づき参照幅を算出することができ、右目領域と左目領域との少なくとも一方と口領域とに基づき参照高さを算出することができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
前記対象画像における顔の画像を含む領域を検出顔領域として検出する顔領域検出部を備え、
前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域と前記検出顔領域とに基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
器官領域と検出顔領域との関係は、顔の画像の向きに応じて変化すると考えられるため、この画像処理装置では、器官領域と検出顔領域とに基づき、対象画像における顔の画像の向きを推定することができる。
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
前記対象画像における顔の画像を含む所定の領域を対象に、所定の画像処理を行う画像処理部と、
推定された前記対象画像における顔の画像の向きに基づき、前記画像処理の実行可否を判定する処理可否判定部と、を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、推定された対象画像における顔の画像の向きに基づき、画像処理の実行可否を判定することができるため、例えば、顔の画像の向きによっては結果が不自然なものとなる画像処理について、結果が不自然となる画像処理の実行を回避することができる。
[適用例9]適用例8に記載の画像処理装置であって、
前記所定の画像処理は、画像の変形処理を含み、
前記処理可否判定部は、推定された前記対象画像における顔の画像の向きが正面向きでない場合には、前記画像処理の実行は不可であると判定する、画像処理装置。
この画像処理装置では、顔の画像の向きが正面向きでない場合には、画像の変形処理の実行を回避することができる。
[適用例10]適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
検出された前記器官領域に基づき、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じた所定の方法で、前記対象画像における顔の画像を含む顔領域を設定する顔領域設定部を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、推定された顔の画像の向きに応じた所定の方法で、対象画像における顔の画像を含む顔領域を設定することができるため、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例11]適用例10に記載の画像処理装置であって、
前記顔領域設定部は、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じて予め定められた前記器官領域との間の関係に基づき、前記顔領域の大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを特定し、前記特定された大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを有する領域を、前記顔領域として設定する、画像処理装置。
この画像処理装置では、推定された顔の画像の向きに応じて予め定められた器官領域との間の関係に基づき、顔領域の大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを特定できるため、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例12]適用例11に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記対象画像における顔の画像を含む領域を検出顔領域として検出する顔領域検出部を備え、
前記顔領域設定部は、前記検出顔領域の大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを前記特定された大きさと位置と傾きとの少なくとも1つに一致させた領域を、前記顔領域として設定する、画像処理装置。
この画像処理装置では、検出顔領域に基づき顔領域を設定することができ、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例13]適用例3ないし適用例6のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
検出された前記器官領域に基づき、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じた所定の方法で、前記対象画像における顔の画像を含む顔領域を設定する顔領域設定部を備え、
前記顔領域設定部は、前記参照幅と前記参照高さとに基づき、前記顔領域の大きさを特定する、画像処理装置。
この画像処理装置では、参照幅と参照高さとに基づき顔領域の大きさを特定することができ、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例14]適用例13に記載の画像処理装置であって、
前記顔領域設定部は、前記参照幅に所定の係数を乗じて前記顔領域の幅を特定し、
推定された前記対象画像における顔の画像の向きが右振りまたは左振りである場合に用いられる前記所定の係数の値は、正面向きである場合に用いられる前記所定の係数の値と比較して、大きい、画像処理装置。
この画像処理装置では、顔の画像の向きに応じて参照幅に乗ずる所定の係数の値を変化させることにより、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例15]適用例13に記載の画像処理装置であって、
前記顔領域設定部は、前記参照高さに所定の係数を乗じて前記顔領域の高さを特定し、
推定された前記対象画像における顔の画像の向きが上振りまたは下振りである場合に用いられる前記所定の係数の値は、正面向きである場合に用いられる前記所定の係数の値と比較して、大きい、画像処理装置。
この画像処理装置では、顔の画像の向きに応じて参照高さに乗ずる所定の係数の値を変化させることにより、顔領域の設定精度の向上を図ることができる。
[適用例16]適用例10ないし適用例15のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
設定された前記顔領域に基づき処理対象領域を設定し、前記処理対象領域を対象に所定の画像処理を行う画像処理部を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、精度良く設定された顔領域に基づき所定の画像処理の処理対象領域を設定することができるため、より好ましい画像処理を実現することができる。
[適用例17]適用例1ないし適用例16のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記器官領域検出部は、検出された前記器官領域について、顔の器官の画像を含む領域であることの確からしさを表す信頼度指標を設定する信頼度設定部を含み、
前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域の内、前記信頼度指標の値が所定の閾値より大きい前記器官領域のみに基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
この画像処理装置では、対象画像における顔の画像の向きの推定精度の向上を図ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および装置、画像補正方法および装置、画像印刷方法および装置、顔向き推定方法および装置、顔領域設定方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.画像処理装置の構成:
A−2.顔形状補正印刷処理:
A−3.変形処理:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
A−1.画像処理装置の構成:
図1は、本発明の第1実施例における画像処理装置としてのプリンタ100の構成を概略的に示す説明図である。本実施例のプリンタ100は、メモリカードMC等から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したカラーインクジェットプリンタである。プリンタ100は、プリンタ100の各部を制御するCPU110と、例えばROMやRAMによって構成された内部メモリ120と、ボタンやタッチパネルにより構成された操作部140と、液晶ディスプレイにより構成された表示部150と、プリンタエンジン160と、カードインターフェース(カードI/F)170と、を備えている。プリンタ100は、さらに、他の機器(例えばデジタルスチルカメラやパーソナルコンピュータ)とのデータ通信を行うためのインターフェースを備えているとしてもよい。プリンタ100の各構成要素は、バスを介して互いに接続されている。
プリンタエンジン160は、印刷データに基づき印刷を行う印刷機構である。カードインターフェース170は、カードスロット172に挿入されたメモリカードMCとの間でデータのやり取りを行うためのインターフェースである。なお、本実施例では、メモリカードMCに画像データを含む画像ファイルが格納されている。
内部メモリ120には、顔形状補正印刷部200と、表示処理部310と、印刷処理部320とが格納されている。顔形状補正印刷部200は、所定のオペレーティングシステムの下で、後述する顔形状補正印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムである。表示処理部310は、表示部150を制御して、表示部150上に処理メニューやメッセージ、画像等を表示させるディスプレイドライバである。印刷処理部320は、画像データから印刷データを生成し、プリンタエンジン160を制御して、印刷データに基づく画像の印刷を実行するためのコンピュータプログラムである。CPU110は、内部メモリ120から、これらのプログラムを読み出して実行することにより、これら各部の機能を実現する。
顔形状補正印刷部200は、プログラムモジュールとして、顔領域検出部210と、器官領域検出部220と、顔向き推定部230と、変形領域設定部240と、変形領域分割部250と、分割領域変形部260と、処理可否判定部270とを含んでいる。また、器官領域検出部220は、信頼度設定部222を含んでいる。これらの各部の機能については、後述の顔形状補正印刷処理の説明において詳述する。なお、後述するように、変形領域分割部250と分割領域変形部260とにより画像を変形する画像処理が行われる。そのため、変形領域分割部250と分割領域変形部260とは、併せて「画像処理部」とも呼ぶことができる。
内部メモリ120には、また、分割点配置パターンテーブル410と分割点移動テーブル420とが格納されている。これらの内容についても、後述の顔形状補正印刷処理の説明において詳述する。
A−2.顔形状補正印刷処理:
プリンタ100は、対象画像の顔形状補正と顔形状補正後の対象画像の印刷とを行う顔形状補正印刷処理を実行することができる。顔形状補正は、対象画像中の顔の少なくとも一部の形状(例えば顔の輪郭形状)を補正する処理である。本実施例では、顔の形状をスリムにするための顔形状補正が行われるものとしており、顔形状補正印刷処理により、顔の形状がスリムに補正された対象画像の印刷が実現可能である。カードスロット172(図1)にメモリカードMCが挿入され、ユーザによる操作部140を介した所定の操作が行われると、顔形状補正印刷処理が開始される。
図2は、顔形状補正印刷処理の流れを示すフローチャートである。ステップS100では、顔形状補正印刷部200(図1)が、処理の対象となる対象画像TIを設定する。顔形状補正印刷部200は、対象画像TIの設定のための所定のユーザインターフェースを表示部150に表示するよう表示処理部310に指示する。図3は、対象画像TIの設定のためのユーザインターフェースの一例を示す説明図である。図3に示したユーザインターフェースの画像表示欄IAには、メモリカードMCに格納された画像データに基づき、画像が表示される。メモリカードMCに複数の画像が格納されている場合には、ユーザによる操作部140を介した操作に応じて、画像表示欄IAに表示される画像が順次切り替えられる。なお、対象画像TIの設定のためのユーザインターフェースに、メモリカードMCに格納された複数の画像データに基づき、複数の画像が一覧表示されるとしてもよい。顔形状補正印刷部200は、対象画像TIの設定のためのユーザインターフェースにおいてユーザにより選択された画像を対象画像TIとして設定する。
ステップS200(図2)では、顔領域検出部210(図1)が、対象画像TIにおける顔領域FAの検出を行う。ここで、顔領域FAは、対象画像TIにおける画像領域であって、少なくとも顔の一部の画像を含む領域である。顔領域検出部210は、対象画像TIを解析して顔の画像を含むと想定される矩形の領域を顔領域FAとして検出する。顔領域検出部210による顔領域FAの検出は、例えばテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法(特開2006−279460参照)といった公知の検出方法を用いて実行される。本明細書では、ステップS200で検出された顔領域FAを「検出顔領域FAd」とも呼ぶ。
図4は、検出顔領域FAdの検出結果の一例を示す説明図である。図4の例では、対象画像TIに人物P1と人物P2との2人の顔の画像が含まれているため、人物P1の顔の画像を含む領域と人物P2の顔の画像を含む領域との2つの検出顔領域FAdが検出される。本実施例では、図4に示すように、検出顔領域FAdは、両目と鼻と口の画像を含む矩形の領域となっている。顔領域検出部210は、検出顔領域FAdを、例えば検出顔領域FAdの4つの頂点の座標により特定する。
ステップS200(図2)において、検出顔領域FAdの検出に成功しなかった場合には(ステップS300:No)、その旨が表示部150を通じてユーザに通知される。この場合には、ユーザに他の画像を対象画像TIとして選択させるために、対象画像TIの選択のためのユーザインターフェース(図3)が表示部150に再度表示され、対象画像TIの再設定(ステップS100)が行われる。なお、検出顔領域FAdの検出に成功しなかった場合には、図2のステップS400からS700までの処理がスキップされ、ステップS800の対象画像TIの印刷が行われるとしてもよい。
一方、ステップS200(図2)において、検出顔領域FAdの検出に成功した場合には(ステップS300:Yes)、次に、器官領域検出部220(図1)が、対象画像TIにおける器官領域の検出を行う。ここで、器官領域は、対象画像TIにおける画像領域であって、少なくとも顔の器官の一部の画像を含む領域である。本実施例では、顔の器官として、被写体の人物の右目と左目と口とが設定されており、器官領域として、右目の画像を含む右目領域EA(r)と、左目の画像を含む左目領域EA(l)と、口の画像を含む口領域MAとの検出が行われる。器官領域検出220は、対象画像TI中の検出顔領域FAdを解析して、右目、左目、口の画像を含むと想定される3つの矩形領域を、それぞれ右目領域EA(r)、左目領域EA(l)、口領域MAとして検出する。器官領域検出部220による器官領域の検出は、顔領域の検出と同様に、例えばテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法といった公知の検出方法を用いて実行される。
図5は、器官領域の検出結果の一例を示す説明図である。図5に示すように、人物P1および人物P2のそれぞれに対応した検出顔領域FAdにおいて、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)と口領域MAとが検出される。本実施例では、図5に示すように、右目領域EA(r)は、人物の右目の画像を包含する矩形の領域となっている。同様に、左目領域EA(l)は、人物の左目の画像を包含する矩形の領域となっており、口領域MAは、人物の口の画像を包含する矩形の領域となっている。器官領域検出部220は、検出された器官領域を、例えば各器官領域の4つの頂点の座標により特定する。
なお、本実施例では、信頼度設定部222(図1)が、検出された各器官領域について信頼度指標を設定する。信頼度指標は、検出された器官領域が、真に顔の器官の画像を含む領域であることの確からしさを表す指標である。本実施例では、信頼度指標として、テンプレートを変更しつつ複数回のパターンマッチングを行った際におけるマッチ回数を用いている。
ステップS400(図2)において、器官領域の検出に成功した場合には(ステップS500:Yes)、処理はステップS600に進む。ここで、本実施例では、器官領域の検出に成功した場合とは、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)と口領域MAとの3つの器官領域がすべて検出され、かつ、すべての器官領域について信頼度指標の表す確からしさが所定の閾値より大きい場合を意味する。3つの器官領域の内のいずれか1つでも検出されなかった場合や、3つの器官領域の内のいずれか1つの信頼度指標の表す確からしさが所定の閾値より小さい場合には、器官領域の検出に成功しなかったこととなる。
ステップS600(図2)では、顔向き推定部230(図1)が、顔向き推定を行う。顔向き推定は、対象画像TIに含まれる顔の画像の向きを推定する処理である。図6は、顔向き推定の方法を示す説明図である。図6において、右目領域EA(r)の中心点Ce(r)と左目領域EA(l)の中心点Ce(l)とを結ぶ線分CLの長さを参照幅Wrと呼び、口領域MAの中心点Cmと線分CLとの距離を参照高さHrと呼ぶものとする。図6から明らかなように、参照幅Wrは顔の画像の幅に相関のある指標であり、参照高さHrは顔の画像の高さに相関のある指標である。
顔向き推定部230は、参照高さHrと参照幅Wrとを算出すると共に参照高さHrと参照幅Wrとの比(Hr/Wr)を判定指標DIとして算出し、判定指標DIに基づき顔向き推定を行う。すなわち、図6に示すように、判定指標DIの値が閾値T1以上で閾値T2未満である場合には、顔の画像の向きが正面向きであると推定される。また、判定指標DIの値が閾値T1未満である場合には、顔の画像の向きが上振りまたは下振りであると推定され、判定指標DIの値が閾値T2以上である場合には、顔の画像の向きが右振りまたは左振りであると推定される。ここで、本明細書では、被写体の人物の顔が上を向いている画像の向きを「上振り」と呼び、被写体の人物の顔が下を向いている画像の向きを「下振り」と呼ぶ。また、被写体の人物の顔が画像の観察者側から見て右を向いている(すなわち人物が実際には左を向いている)画像の向きを「右振り」と呼び、被写体の人物の顔が画像の観察者側から見て左を向いている(すなわち人物が実際には右を向いている)画像の向きを「左振り」と呼ぶ。画像の向きが上振りまたは下振りであることを「上下振り」とも呼び、右振りまたは左振りであることを「左右振り」とも呼ぶ。
顔の画像の向きが右振りまたは左振りである場合には、正面向きである場合と比較して、参照高さHrはほとんど変わらない一方、参照幅Wrは小さいものと考えられる。従って、顔の画像の向きが右振りまたは左振りである場合には、正面向きである場合と比較して、判定指標DI(=Hr/Wr)の値が大きくなる。反対に、顔の画像の向きが上振りまたは下振りである場合には、正面向きである場合と比較して、参照幅Wrはほとんど変わらない一方、参照高さHrは小さいものと考えられる。従って、顔の画像の向きが上振りまたは下振りである場合には、正面向きである場合と比較して、判定指標DI(=Hr/Wr)の値が小さくなる。
閾値T1および閾値T2は、所定数の顔のサンプル画像の判定指標DI(参照幅Wrと参照高さHrとの比)から統計的に定められる。予め定められた閾値T1および閾値T2は内部メモリ120内の所定の領域に格納されており、顔向き推定部230は、対象画像TIの判定指標DIと閾値T1および閾値T2とを用いて、顔向き推定を行う。
なお、図6から明らかなように、判定指標DIは、顔の画像の向きの正面向きからの振りの程度を表す指標であると言える。例えば、右振りまたは左振りと推定された2つの顔画像の内、判定指標DIの値がより大きい一方の顔画像は、他の一方の顔画像と比較して、正面向きからの振りの程度がより大きいと推定することができる。また、閾値T1および閾値T2を決定することは、顔の画像の向きが厳密な正面向き(顔と撮像装置とが正対している状態)からどの程度振りのある顔の画像までを「正面向き」であるとして推定するかを設定することに相当する。
図7は、顔向き推定において正面向きと推定された結果の一例を示す説明図である。図7に示すように、判定指標DIの値が閾値T1以上で閾値T2未満である場合には、顔の画像の向きが正面向きであると推定される。
図8は、顔向き推定において右振りまたは左振りと推定された結果の一例を示す説明図である。図8に示すように、判定指標DIの値が閾値T2以上である場合には、顔の画像の向きが右振りまたは左振りであると推定される。なお、顔向き推定において、右振りまたは左振りであることが推定されるだけでなく、右振りか左振りかが特定されるとしてもよい。このような特定は、例えば、右目領域EA(r)の幅We(r)と左目領域EA(l)の幅We(l)とを比較することにより実現可能である。すなわち、右目領域EA(r)の幅We(r)の方が大きければ右振りであると推定され、左目領域EA(l)の幅We(l)の方が大きければ左振りであると推定される。
図9は、顔向き推定において上振りまたは下振りと推定された結果の一例を示す説明図である。図9(a)および図9(b)に示すように、判定指標DIの値が閾値T1未満である場合には、顔の画像の向きが上振りまたは下振りであると推定される。なお、顔向き推定において、上振りまたは下振りであることが推定されるだけでなく、上振りか下振りかが特定されるとしてもよい。このような特定は、例えば、いずれか一方の目領域EAの幅Weに対する口領域MAの幅Wmの比を算出し、その値が所定の閾値より大きければ上振りとし、所定の閾値より小さければ下振りとすることにより、実現可能である。あるいは、検出顔領域FAdの高さHfに対する検出顔領域FAdの下辺から口領域MAの中心点Cmまでの距離Hmcの比を算出し、その値が所定の閾値より大きければ上振りとし、所定の閾値より小さければ下振りとすることによっても、実現可能である。
ステップS400(図2)において、器官領域の検出に成功しなかった場合には(ステップS500:No)、上述した検出顔領域FAdの検出に成功しなかった場合と同様に、その旨が表示部150を通じてユーザに通知される。この場合には、ユーザに他の画像を対象画像TIとして選択させるために、対象画像TIの選択のためのユーザインターフェース(図3)が表示部150に再度表示され、対象画像TIの再設定(ステップS100)が行われる。なお、器官領域の検出に成功しなかった場合には、図2のステップS600からS700までの処理がスキップされ、ステップS800の対象画像TIの印刷が行われるとしてもよい。
ステップS620(図2)では、処理可否判定部270(図1)が、後述の変形処理(図2のステップS700)の実行の可否を判定する。具体的には、処理可否判定部270は、顔向き推定(図2のステップS600)において正面向きと推定された顔の画像が少なくとも1つあるか否かを判定する。正面向きと推定された顔の画像が少なくとも1つある場合には、変形処理実行可と判定され、正面向きと推定された顔の画像が1つも無い場合には、変形処理実行不可と判定される。
後述するように、本実施例の変形処理(図2のステップS700)は、顔の画像を幅方向に縮小して顔の形状をスリムにする処理である。そのため、正面向きではない顔の画像に対してこのような変形処理が実行されると、処理後の顔の画像が不自然なものとなるおそれがある。従って、本実施例では、正面向きと推定された顔の画像が1つも無い場合には、変形処理実行不可と判定される。なお、変形処理実行可と判定された場合にも、対象画像TIに含まれる顔の画像の内、正面向きと推定された顔の画像のみが変形処理の対象となり、正面向きではないと推定された顔の画像は変形処理の対象外となる。
ステップS700(図2)では、変形処理が行われる。変形処理は、検出顔領域FAdに基づき変形領域を設定し、変形領域内の画像を変形する処理である。変形処理の詳細については、後述の「A−3.変形処理」において説明する。図10は、変形処理後の対象画像TIの一例を示す説明図である。図10の例では、人物P1の顔の画像は、顔向き推定において正面向きと推定されたために変形処理の対象となり、変形処理前と比較して顔の形状がスリムに補正されている。一方、人物P2の顔の画像は、顔向き推定において正面向きではないと推定されたために変形処理の対象とはなっておらず、変形処理前と変わっていない。
ステップS800(図2)では、顔形状補正印刷部200(図1)が、変形処理が行われた場合には変形処理後の対象画像TI(図10参照)の印刷を、変形処理が行われなかった場合には当初の対象画像TIの印刷を、印刷処理部320に指示する。印刷処理部320は、プリンタエンジン160を制御して、対象画像TIの印刷を行う。印刷処理部320は、対象画像TIの画像データに、解像度変換やハーフトーン処理などの処理を施して印刷データを生成する。生成された印刷データは、印刷処理部320からプリンタエンジン160に供給され、プリンタエンジン160は対象画像TIの印刷を実行する。なお、対象画像TIの印刷の前に、変形処理後の対象画像TIの表示部150における表示が行われるとしてもよい。これにより、ユーザは変形処理結果を確認することができる。
以上説明したように、本実施例のプリンタ100は、器官領域を検出すると共に、検出された器官領域に基づき、対象画像TIにおける顔の画像の向きを推定することができる。具体的には、プリンタ100は、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)と口領域MAとを器官領域として検出し、参照幅Wrと参照高さHrとの比(判定指標DI)に基づき、対象画像TIにおける顔の画像の向きを推定する。また、本実施例のプリンタ100は、判定指標DIに基づき、対象画像TIにおける顔の画像の正面向きからの振りの程度を推定することもできる。
また、本実施例のプリンタ100は、対象画像TIにおける顔の画像の向きを推定することができるため、正面向きではない顔の画像を変形処理(図2のステップS700)の対象から除外することにより、変形処理によって画像が不自然に補正されることを防止できる。
また、本実施例のプリンタ100では、器官領域のそれぞれについて信頼度指標が設定され、信頼度指標の値が所定の閾値より大きい器官領域のみに基づき対象画像TIにおける顔の画像の向きが推定されるため、推定精度の低下を抑制することができる。
A−3.変形処理:
図11は、変形処理(図2のステップS700)の流れを示すフローチャートである。ステップS710では、変形領域設定部240が変形領域TAを設定する。変形領域TAは、対象画像TI上の領域であって顔形状補正のための変形処理の対象となる領域である。図12は、変形領域TAの設定方法の一例を示す説明図である。図12には、検出顔領域FAdが示されている(図4参照)。図12に示した基準線RLは、検出顔領域FAdの高さ方向(上下方向)を定義すると共に、検出顔領域FAdの幅方向(左右方向)の中心を示す線である。すなわち、基準線RLは、矩形の検出顔領域FAdの重心を通り、検出顔領域FAdの高さ方向(上下方向)に沿った境界線に平行な直線である。
図12に示すように、本実施例では、変形領域TAは、検出顔領域FAdを基準線RLと平行な方向(高さ方向)および基準線RLに直行する方向(幅方向)に伸張(または短縮)した領域として設定される。具体的には、検出顔領域FAdの高さ方向の大きさをHf、幅方向の大きさをWfとすると、検出顔領域FAdを、上方向にk1・Hf、下方向にk2・Hfだけ伸ばすと共に、左右にそれぞれk3・Wfだけ伸ばした領域が、変形領域TAとして設定される。なお、k1,k2,k3は、所定の係数である。
このように変形領域TAが設定されると、検出顔領域FAdの高さ方向の輪郭線に平行な直線である基準線RLは、変形領域TAの高さ方向の輪郭線にも平行な直線となる。また、基準線RLは、変形領域TAの幅を半分に分割する直線となる。
図12に示すように、変形領域TAは、高さ方向に関しては、概ね顎から額までの画像を含み、幅方向に関しては、左右の頬の画像を含むような領域として設定される。すなわち、本実施例では、変形領域TAが概ねそのような範囲の画像を含む領域となるように、検出顔領域FAdの大きさとの関係に基づき、上述の係数k1,k2,k3が予め設定されている。
ステップS720(図11)では、変形領域分割部250(図1)が、変形領域TAを複数の小領域に分割する。図13は、変形領域TAの小領域への分割方法の一例を示す説明図である。変形領域分割部250は、変形領域TAに複数の分割点Dを配置し、分割点Dを結ぶ直線を用いて変形領域TAを複数の小領域に分割する。
分割点Dの配置の態様(分割点Dの個数および位置)は、分割点配置パターンテーブル410(図1)により定義されている。変形領域分割部250は、分割点配置パターンテーブル410を参照して分割点Dを配置する。なお、本実施例では、顔の形状をスリムにするための顔形状補正が行われるものとしており、そのような顔形状補正に対応した態様で分割点Dの配置が行われる。
図13に示すように、分割点Dは、水平分割線Lhと垂直分割線Lvとの交点と、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvと変形領域TAの外枠との交点とに配置される。ここで、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvは、変形領域TA内に分割点Dを配置するための基準となる線である。図13に示すように、本実施例における分割点Dの配置では、基準線RLと直行する2本の水平分割線Lhと、基準線RLに平行な4本の垂直分割線Lvとが設定される。2本の水平分割線Lhを、変形領域TAの下方から順に、Lh1,Lh2と呼ぶ。また、4本の垂直分割線Lvを、変形領域TAの左から順に、Lv1,Lv2,Lv3,Lv4と呼ぶ。
水平分割線Lh1は、変形領域TAにおいて、顎の画像より下方に配置され、水平分割線Lh2は、目の画像のすぐ下付近に配置される。また、垂直分割線Lv1およびLv4は、頬のラインの画像の外側に配置され、垂直分割線Lv2およびLv3は、目尻の画像の外側に配置される。なお、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvの配置は、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvと画像との位置関係が結果的に上述の位置関係となるように予め設定された変形領域TAの大きさとの対応関係に従い実行される。
上述した水平分割線Lhと垂直分割線Lvとの配置に従い、水平分割線Lhと垂直分割線Lvとの交点と、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvと変形領域TAの外枠との交点とに、分割点Dが配置される。図13に示すように、水平分割線Lhi(i=1または2)上に位置する分割点Dを、左から順に、D0i,D1i,D2i,D3i,D4i,D5iと呼ぶものとする。例えば、水平分割線Lh1上に位置する分割点Dは、D01,D11,D21,D31,D41,D51と呼ばれる。同様に、垂直分割線Lvj(j=1,2,3,4のいずれか)上に位置する分割点Dを、下から順に、Dj0,Dj1,Dj2,Dj3と呼ぶものとする。例えば、垂直分割線Lv1上に位置する分割点Dは、D10,D11,D12,D13と呼ばれる。
なお、図13に示すように、本実施例における分割点Dの配置は、基準線RLに対して対称の配置となっている。
変形領域分割部250は、配置された分割点Dを結ぶ直線(すなわち水平分割線Lhおよび垂直分割線Lv)により、変形領域TAを複数の小領域に分割する。本実施例では、図13に示すように、変形領域TAが15個の矩形の小領域に分割される。
なお本実施例では、分割点Dの配置は、水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvの本数および位置により定まるため、分割点配置パターンテーブル410は水平分割線Lhおよび垂直分割線Lvの本数および位置を定義していると言い換えることも可能である。
ステップS730(図11)では、分割領域変形部260(図1)が、対象画像TIの変形領域TAを対象とした画像の変形処理を行う。分割領域変形部260による変形処理は、ステップS720で変形領域TA内に配置された分割点Dの位置を移動して、小領域を変形することにより行われる。
変形処理のための各分割点Dの位置の移動態様(移動方向および移動距離)は、分割点移動テーブル420(図1)により予め定められている。分割領域変形部260は、分割点移動テーブル420を参照して、分割点Dの位置を移動する。なお、本実施例では、顔の形状をスリムにするための顔形状補正が行われるものとしており、そのような顔形状補正に対応した態様で分割点Dの位置の移動が行われる。
図14は、分割点移動テーブル420の内容の一例を示す説明図である。また図15は、分割点移動テーブル420に従った分割点Dの位置の移動の一例を示す説明図である。図14には、分割点移動テーブル420により定義された、顔の形状をスリムにするための顔形状補正に対応付けられた分割点Dの位置の移動態様を示している。図14に示すように、分割点移動テーブル420には、各分割点Dについて、基準線RLと直行する方向(H方向)および基準線RLと平行な方向(V方向)に沿った移動量が示されている。なお、本実施例では、分割点移動テーブル420に示された移動量の単位は、対象画像TIの画素ピッチPPである。また、H方向については、向かって右側への移動量が正の値として表され、向かって左側への移動量が負の値として表され、V方向については、上方への移動量が正の値として表され、下方への移動量が負の値として表される。例えば、分割点D11は、H方向に沿って右側に画素ピッチPPの7倍の距離だけ移動され、V方向に沿って上方に画素ピッチPPの14倍の距離だけ移動される。また、例えば分割点D22は、H方向およびV方向共に移動量がゼロであるため、移動されない。
なお、本実施例では、変形領域TAの内外の画像間の境界が不自然とならないように、変形領域TAの外枠上に位置する分割点D(例えば図13に示す分割点D10等)の位置は移動されないものとしている。従って、図14に示した分割点移動テーブル420には、変形領域TAの外枠上に位置する分割点Dについての移動態様は定義されていない。
図15では、移動前の分割点Dは白抜きの丸で、移動後の分割点Dや位置の移動の無い分割点Dは黒丸で示されている。また、移動後の分割点Dは分割点D’と呼ばれるものとする。例えば分割点D11の位置は、図15において右上方向に移動され、分割点D’11となる。
なお、本実施例では、基準線RLに対して対称な位置関係にある2つの分割点Dの組み合わせ(例えば分割点D11とD41との組み合わせ)のすべてが、分割点Dの移動後も、基準線RLに対して対称な位置関係を維持するように、移動態様が定められている。
分割領域変形部260は、変形領域TAを構成する各小領域について、分割点Dの位置移動前の状態における小領域の画像が、分割点Dの位置移動により新たに定義された小領域の画像となるように、画像の変形処理を行う。例えば、図15において、分割点D11,D21,D22,D12を頂点とする小領域(ハッチングを付して示す小領域)の画像は、分割点D’11,D’21,D22,D’12を頂点とする小領域の画像に変形される。
図16は、分割領域変形部260による画像の変形処理方法の概念を示す説明図である。図16では、分割点Dを黒丸で示している。図16では、説明を簡略化するために、4つの小領域について、左側に分割点Dの位置移動前の状態を、右側に分割点Dの位置移動後の状態を、それぞれ示している。図16の例では、中央の分割点Daが分割点Da’の位置に移動され、その他の分割点Dの位置は移動されない。これにより、例えば、分割点Dの移動前の分割点Da,Db,Dc,Ddを頂点とする矩形の小領域(以下「変形前注目小領域BSA」とも呼ぶ)の画像は、分割点Da’,Db,Dc,Ddを頂点とする矩形の小領域(以下「変形後注目小領域ASA」とも呼ぶ)の画像に変形される。
本実施例では、矩形の小領域を小領域の重心CGを用いて4つの三角形領域に分割し、三角形領域単位で画像の変形処理を行っている。図16の例では、変形前注目小領域BSAが、変形前注目小領域BSAの重心CGを頂点の1つとする4つの三角形領域に分割される。同様に、変形後注目小領域ASAが、変形後注目小領域ASAの重心CG’を頂点の1つとする4つの三角形領域に分割される。そして、分割点Daの移動前後のそれぞれの状態において対応する三角形領域毎に、画像の変形処理が行われる。例えば、変形前注目小領域BSA中の分割点Da,Ddおよび重心CGを頂点とする三角形領域の画像が、変形後注目小領域ASA中の分割点Da’,Ddおよび重心CG’を頂点とする三角形領域の画像に変形される。
図17は、三角形領域における画像の変形処理方法の概念を示す説明図である。図17の例では、点s,t,uを頂点とする三角形領域stuの画像が、点s’,t’,u’を頂点とする三角形領域s’t’u’の画像に変形される。画像の変形は、変形後の三角形領域s’t’u’の画像中のある画素の位置が、変形前の三角形領域stuの画像中のどの位置に相当するかを算出し、算出された位置における変形前の画像における画素値を変形後の画像の画素値とすることにより行う。
例えば、図17において、変形後の三角形領域s’t’u’の画像中の注目画素p’の位置は、変形前の三角形領域stuの画像中の位置pに相当するものとする。位置pの算出は、以下のように行う。まず、注目画素p’の位置を、下記の式(1)のようにベクトルs’t’とベクトルs’u’との和で表現するための係数m1およびm2を算出する。
Figure 2009123101
次に、算出された係数m1およびm2を用いて、下記の式(2)により、変形前の三角形領域stuにおけるベクトルstとベクトルsuとの和を算出することにより、位置pが求まる。
Figure 2009123101
変形前の三角形領域stuにおける位置pが、変形前の画像の画素中心位置に一致した場合には、当該画素の画素値が変形後の画像の画素値とされる。一方、変形前の三角形領域stuにおける位置pが、変形前の画像の画素中心位置からはずれた位置となった場合には、位置pの周囲の画素の画素値を用いたバイキュービック等の補間演算により、位置pにおける画素値を算出し、算出された画素値が変形後の画像の画素値とされる。
変形後の三角形領域s’t’u’の画像中の各画素について上述のように画素値を算出することにより、三角形領域stuの画像から三角形領域s’t’u’の画像への画像変形処理を行うことができる。分割領域変形部260は、図13に示した変形領域TAを構成する各小領域について、上述したように三角形領域を定義して変形処理を行い、変形領域TAにおける画像変形処理を行う。
ここで、本実施例の顔形状補正の態様についてより詳細に説明する。図18は、本実施例における顔形状補正の態様を示す説明図である。本実施例では、上述したように、顔の形状をスリムにする顔形状補正が行われる。図18には、変形領域TAを構成する各小領域の変形態様のイメージを矢印により示している。
図18に示すように、本実施例の顔形状補正では、基準線RLと平行な方向(V方向)に関し、水平分割線Lh1上に配置された分割点D(D11,D21,D31,D41)の位置は上方に移動される一方、水平分割線Lh2上に配置された分割点D(D12,D22,D32,D42)の位置は移動されない(図14参照)。従って、水平分割線Lh1と水平分割線Lh2との間に位置する画像は、V方向に関して縮小される。上述したように、水平分割線Lh1は顎の画像より下方に配置され、水平分割線Lh2は目の画像のすぐ下付近に配置されるため、本実施例の顔形状補正では、顔の画像の内、顎から目の下にかけての部分の画像がV方向に縮小されることとなる。この結果、画像中の顎のラインは上方に移動する。
他方、基準線RLと直行する方向(H方向)に関しては、垂直分割線Lv1上に配置された分割点D(D11,D12)の位置は右方向に移動され、垂直分割線Lv4上に配置された分割点D(D41,D42)の位置は左方向に移動される(図14参照)。さらに、垂直分割線Lv2上に配置された2つの分割点Dの内、水平分割線Lh1上に配置された分割点D(D21)の位置は右方向に移動され、垂直分割線Lv3上に配置された2つの分割点Dの内、水平分割線Lh1上に配置された分割点D(D31)の位置は左方向に移動される(図14参照)。従って、垂直分割線Lv1より左側に位置する画像は、H方向に関して右側に拡大され、垂直分割線Lv4より右側に位置する画像は、左側に拡大される。また、垂直分割線Lv1と垂直分割線Lv2との間に位置する画像は、H方向に関して縮小または右側に移動され、垂直分割線Lv3と垂直分割線Lv4との間に位置する画像は、H方向に関して縮小または左側に移動される。さらに、垂直分割線Lv2と垂直分割線Lv3との間に位置する画像は、水平分割線Lh1の位置を中心にH方向に関して縮小される。
上述したように、垂直分割線Lv1およびLv4は、頬のラインの画像の外側に配置され、垂直分割線Lv2およびLv3は、目尻の画像の外側に配置される。そのため、本実施例の顔形状補正では、顔の画像の内、両目尻より外側の部分の画像が全体的にH方向に縮小される。特に顎付近において縮小率が高くなる。この結果、画像中の顔の形状は、全体的に幅方向に細くなる。
上述したH方向およびV方向の変形態様を総合すると、本実施例の顔形状補正により、対象画像TI中の顔の形状がスリムになる。なお、顔の形状がスリムになるとは、いわゆる「小顔」になると表現することもできる。
なお、図18に示す分割点D22,D32,D33,D23を頂点とする小領域(ハッチングを付した領域)は、上述した水平分割線Lh2や垂直分割線Lv2およびLv3の配置方法によると、両目の画像を含む領域となる。図14に示すように、分割点D22およびD32はH方向にもV方向にも移動されないため、この両目の画像を含む小領域は変形されない。このように本実施例では、両目の画像を含む小領域については変形しないこととし、顔形状補正後の画像がより自然で好ましいものとなるようにしている。
B.第2実施例:
図19は、本発明の第2実施例における画像処理装置としてのプリンタ100aの構成を概略的に示す説明図である。第2実施例のプリンタ100aは、内部メモリ120に格納されたプログラムやデータが、図1に示した第1実施例のプリンタ100とは異なっている。すなわち、第2実施例のプリンタ100aの内部メモリ120には、顔形状補正印刷部200(図1)の代わりに顔補正印刷部202が格納されており、また、分割点配置パターンテーブル410や分割点移動テーブル420(図1参照)は格納されていない。第2実施例のプリンタ100aのその他の構成は、第1実施例のプリンタ100と同様である。
顔補正印刷部202は、所定のオペレーティングシステムの下で、後述する顔補正印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムである。顔補正印刷部202は、プログラムモジュールとして、顔領域検出部210と、器官領域検出部220と、顔向き推定部230と、顔領域設定部280と、補正処理部290とを含んでいる。顔領域検出部210と器官領域検出部220と顔向き推定部230の機能については、第1実施例と同様である。顔領域設定部280および補正処理部290については、後述の顔補正印刷処理の説明において詳述する。
第2実施例のプリンタ100aは、対象画像の顔補正と顔補正後の対象画像の印刷とを行う顔補正印刷処理を実行することができる。本実施例の顔補正は、顔の肌部分の画像の色を好ましい色に変更する肌色補正である。カードスロット172にメモリカードMCが挿入され、ユーザによる操作部140を介した所定の操作が行われると、顔補正印刷処理が開始される。
図20は、顔補正印刷処理の流れを示すフローチャートである。ステップS100からステップS600までの処理内容は、第1実施例における顔形状補正印刷処理(図2)のステップS100からステップS600までの処理内容と同じである。なお、第2実施例における顔向き推定(図20のステップS600)では、顔の画像の向きが、正面向きと上振りと下振りと右振りと左振りとのいずれか1つであると推定される。
ステップS660(図20)では、顔領域設定部280(図19)が、対象画像TIにおける顔の画像を含む顔領域FAの設定を行う。本明細書では、ステップS660で設定される顔領域FAを「決定顔領域FAs」とも呼ぶ。顔領域設定部280は、検出された器官領域に基づき、ステップS600(図20)で推定された顔の画像の向きに応じた方法で、決定顔領域FAsを設定する。ステップS200(図20)の検出顔領域FAdの検出では、パターンマッチングにおいて、検出顔領域FAdの候補となる領域をその傾きや大きさや位置をずらしながら順次設定する際に、単位ずらし量(ずらし量のピッチ)を比較的大きな値に限定することによって処理の高速化を図っており、検出顔領域FAdと実際の顔の画像との間にずれが生ずる場合がある。さらに、顔の画像が正面向きではない場合には、検出顔領域FAdと実際の顔の画像との間に、顔の画像が正面向きではないことに起因するずれが生ずる場合がある。このようなずれを補正するため、本実施例では、決定顔領域FAsの設定が行われる。
図21は、推定された顔の画像の向きが正面向きである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。図21に示すように、矩形の決定顔領域FAsの大きさ(幅および高さ)は、参照幅Wrおよび参照高さHrに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの幅は、参照幅Wrに所定の係数c1を乗じた値とされ、決定顔領域FAsの高さは、参照高さHrに所定の係数c2を乗じた値とされる。また、決定顔領域FAsの位置は、右目領域EA(r)の中心点Ce(r)と左目領域EA(l)の中心点Ce(l)とを結ぶ線分CLの中点BPに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの位置は、決定顔領域FAsを幅方向に沿って所定の比R1対R2で分割する直線と決定顔領域FAsを高さ方向に沿って所定の比R3対R4で分割する直線との交点RPが、線分CLの中点BPに重なるような位置とされる。なお、本実施例では、所定の比R1対R2は、1対1である。また、決定顔領域FAsの傾きは、検出顔領域FAdと同じ傾きであるとされる。
以上のようにして決定された大きさ、位置、傾きを有する領域が、決定顔領域FAsとして設定される。推定された顔の画像の向きが正面向きである場合には、決定顔領域FAsは、検出顔領域FAdと比較して、実際の顔の画像との間のずれが抑制された領域となる。
図22は、推定された顔の画像の向きが右振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。図22に示すように、矩形の決定顔領域FAsの大きさ(幅および高さ)は、参照幅Wrおよび参照高さHrに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの高さは、図21に示した正面向きの場合と同様に、参照高さHrに所定の係数c2を乗じた値とされる。また、決定顔領域FAsの幅は、参照幅Wrに所定の係数c1を乗じ、さらに係数αを乗じた値とされる。ここで、係数αは、左目領域EA(l)の幅We(l)に対する右目領域EA(r)の幅We(r)の比である。一般に、顔の画像の向きが右振りの場合には、右目領域EA(r)の幅We(r)は、左目領域EA(l)の幅We(l)より大きいため、係数αは1より大きな値となる。従って、右振りの場合において決定顔領域FAsの幅の算出のために参照幅Wrに乗じられる係数(α・c1)は、正面向きの場合(図21参照)において参照幅Wrに乗じられる係数(c1)と比較して、より大きい。これにより、正面向きの顔の画像と比較して参照幅Wrが小さくなる傾向にある右振りの顔の画像において、適切な幅の領域を決定顔領域FAsとして設定することが可能となる。
また、決定顔領域FAsの位置は、中心点Ce(r)とCe(l)とを結ぶ線分CLの中点BPに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの位置は、決定顔領域FAsを幅方向に沿って所定の比R5対R6で分割する直線と決定顔領域FAsを高さ方向に沿って所定の比R3対R4で分割する直線との交点RPが、線分CLの中点BPに重なるような位置とされる。ここで、所定の比R5対R6は、右目領域EA(r)の幅We(r)対、左目領域EA(l)の幅We(l)と同じとされる。一般に、顔の画像の向きが右振りの場合には、右目領域EA(r)の幅We(r)は、左目領域EA(l)の幅We(l)より大きいため、R5の値はR6の値より大きくなる。従って、右振りの場合には、決定顔領域FAsの幅方向に沿った中心位置は、中点BPの位置よりも向かって左側にずれることとなる。これにより、正面向きの顔の画像と比較して人物の顔の右側面の部分を表す領域が大きくなる傾向にある右振りの顔の画像において、適切な位置に決定顔領域FAsを設定することが可能となる。
決定顔領域FAsの傾きは、検出顔領域FAdと同じ傾きであるとされる。以上のようにして決定された大きさ、位置、傾きを有する領域が、決定顔領域FAsとして設定される。推定された顔の画像の向きが右振りである場合には、決定顔領域FAsは、検出顔領域FAdと比較して、実際の顔の画像との間のずれが抑制されると共に、顔の画像が正面向きではないことに起因するずれも抑制された領域となる。なお、推定された顔の画像の向きが左振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法は、左右が逆になるものの、顔の画像の向きが右振りである場合の設定方法と同様である。
図23は、推定された顔の画像の向きが上振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。図23に示すように、矩形の決定顔領域FAsの大きさ(幅および高さ)は、参照幅Wrおよび参照高さHrに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの幅は、図21に示した正面向きの場合と同様に、参照幅Wrに所定の係数c1を乗じた値とされる。また、決定顔領域FAsの高さは、参照高さHrに所定の係数c2を乗じ、さらに係数βを乗じた値とされる。ここで、係数βは、判定指標DI(参照幅Wrに対する参照高さHrの比)に対する標準判定指標DIsの比である。標準判定指標DIsは、標準的な正面向きの顔の画像の判定指標DIの値として予め設定された値である。一般に、顔の画像の向きが上振りの場合には、正面向きの場合と比較して、判定指標DIの値は小さいため、係数βは1より大きな値となる。従って、上振りの場合において決定顔領域FAsの高さの算出のために参照高さHrに乗じられる係数(β・c2)は、正面向きの場合(図21参照)において参照高さHrに乗じられる係数(c2)と比較して、より大きい。これにより、正面向きの顔の画像と比較して参照高さHrが小さくなる傾向にある上振りの顔の画像において、適切な高さの領域を決定顔領域FAsとして設定することが可能となる。
また、決定顔領域FAsの位置は、中心点Ce(r)とCe(l)とを結ぶ線分CLの中点BPに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの位置は、決定顔領域FAsを幅方向に沿って所定の比R1対R2で分割する直線と決定顔領域FAsを高さ方向に沿って所定の比R7対R8で分割する直線との交点RPが、線分CLの中点BPに重なるような位置とされる。なお、本実施例では、所定の比R1対R2は、1対1である。
決定顔領域FAsの傾きは、検出顔領域FAdと同じ傾きであるとされる。以上のようにして決定された大きさ、位置、傾きを有する領域が、決定顔領域FAsとして設定される。推定された顔の画像の向きが上振りである場合にも、決定顔領域FAsは、検出顔領域FAdと比較して、実際の顔の画像との間のずれが抑制されると共に、顔の画像が正面向きではないことに起因するずれも抑制された領域となる。
図24は、推定された顔の画像の向きが下振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。図24に示すように、矩形の決定顔領域FAsの大きさ(幅および高さ)は、参照幅Wrおよび参照高さHrに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの幅は、図21に示した正面向きの場合と同様に、参照幅Wrに所定の係数c1を乗じた値とされる。また、決定顔領域FAsの高さは、図23に示した上振りの場合と同様に、参照高さHrに所定の係数c2を乗じ、さらに係数βを乗じた値とされる。顔の画像の向きが下振りの場合にも、上振りの場合と同様に、正面向きの場合と比較して、判定指標DIの値は小さいため、係数βは1より大きな値となる。そのため、決定顔領域FAsの高さの算出のために参照高さHrに乗じられる係数(β・c2)は、正面向きの場合(図21参照)において参照高さHrに乗じられる係数(c2)と比較して、より大きい。これにより、正面向きの顔の画像と比較して参照高さHrが小さくなる傾向にある下振りの顔の画像において、適切な高さの領域を決定顔領域FAsとして設定することが可能となる。
また、決定顔領域FAsの位置は、中心点Ce(r)とCe(l)とを結ぶ線分CLの中点BPに基づき決定される。すなわち、決定顔領域FAsの位置は、決定顔領域FAsを幅方向に沿って所定の比R1対R2で分割する直線と決定顔領域FAsを高さ方向に沿って所定の比R9対R10で分割する直線との交点RPが、線分CLの中点BPに重なるような位置とされる。なお、本実施例では、所定の比R1対R2は、1対1である。
決定顔領域FAsの傾きは、検出顔領域FAdと同じ傾きであるとされる。以上のようにして決定された大きさ、位置、傾きを有する領域が、決定顔領域FAsとして設定される。推定された顔の画像の向きが下振りである場合にも、決定顔領域FAsは、検出顔領域FAdと比較して、実際の顔の画像との間のずれが抑制されると共に、顔の画像が正面向きではないことに起因するずれも抑制された領域となる。
ステップS680(図20)では、補正処理部290(図1)が、ステップS660で設定された決定顔領域FAsに基づき補正領域を設定し、補正領域を対象として顔補正を実行する。上述したように、本実施例の顔補正は、顔の肌部分の画像の色を好ましい色に変更する肌色補正である。
設定される補正領域は、決定顔領域FAsそのものであってもよいし、決定顔領域FAsを所定の倍率で拡大または縮小した領域であってもよい。決定顔領域FAsは、検出顔領域FAdと比較して、実際の顔の画像との間のずれが抑制された領域となっているため、決定顔領域FAsに基づき設定される補正領域についても、実際の顔の画像との間のずれを抑制可能である。また、顔補正は、例えば、補正領域から肌色の画素を抽出し、抽出された画素の色を調整することにより実行される。
ステップS800(図20)では、第1実施例と同様に、顔補正印刷部202が、補正後の対象画像TIの印刷を印刷処理部320に指示し、印刷処理部320は、プリンタエンジン160を制御して、対象画像TIの印刷を行う。
以上説明したように、第2実施例のプリンタ100aは、器官領域を検出すると共に、検出された器官領域に基づき、推定された顔の画像の向きに応じた方法で、対象画像TIにおける顔の画像を含む決定顔領域FAsを設定することができる。そのため、第2実施例のプリンタ100aは、決定顔領域FAsを、実際の顔の画像との間のずれが抑制された領域として設定することができる。また、第2実施例のプリンタ100aは、決定顔領域FAsに基づき補正領域を設定し、設定された補正領域を対象として顔補正を実行するため、より適正な領域を対象として顔補正処理を実行することができ、補正後の画像を好ましい画像とすることができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記各実施例における顔向き推定(図2および図20のステップS600)の方法は、あくまで一例であり、他の方法により顔向き推定が行われるとしてもよい。例えば、単純に右目領域EA(r)および左目領域EA(l)の幅Weを比較して、右目領域EA(r)の幅Weの方が所定割合以上で大きい場合には右振りであると、左目領域EA(l)の幅Weの方が所定割合以上で大きい場合には左振りであると、それ以外の場合には正面向きであると、推定されるとしてもよい。
あるいは、単純に口領域MAの幅Wmと目領域EAの幅Weとを比較して、口領域MAの幅Wmの方が所定割合以上で大きい場合には上振りであると、目領域EAの幅Weの方が所定割合以上で大きい場合には下振りであると、それ以外の場合には正面向きであると、推定されるとしてもよい。
また、検出顔領域FAdと器官領域との関係に基づいて顔向き推定が行われるとしてもよい。例えば、検出顔領域FAdにおける目領域EAの位置に基づき、右振りまたは左振りであると推定されるとしてもよいし、検出顔領域FAdにおける口領域MAの位置に基づき、上振りまたは下振りであると推定されるとしてもよい。
また、上記各実施例における顔向き推定では、推定される顔の画像の向きの種類として、正面向き、左右振り、上下振りの3種類、あるいは、正面向き、右振り、左振り、上振り、下振りの5種類が採用されているが、顔の画像の向きの種類として、正面向きか正面以外向きかの2種類が採用されるとしてもよい。また、顔の画像の向きの種類として、正面向き、弱い右振り、中程度の右振り、強い右振り、弱い左振り、中程度の左振り、強い左振り・・・のように、より細分化された顔の画像の向きの種類が採用されるとしてもよい。
C2.変形例2:
上記各実施例では、顔の器官として、右目と左目と口とが設定されており、器官領域として、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)と口領域MAとの検出が行われるが、顔の器官として顔のどの器官を設定するかは変更可能である。例えば、顔の器官として、右目と左目のみが設定され、器官領域として、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)との検出が行われるとしてもよい。また、顔の器官として、口のみが設定され、器官領域として、口領域MAの検出が行われるとしてもよい。また、顔の器官として、右目と左目と口とに加えて、または右目と左目と口との少なくとも1つの代わりに、顔のその他の器官(例えば鼻や眉)が設定され、器官領域としてこのような器官の画像を含む領域が検出されるとしてもよい。
C3.変形例3:
上記第1実施例では、推定された顔の画像の向きが変形処理実行可否の判定(図2のステップS620)に用いられているが、顔の画像の向きは他の画像処理(例えば正面向きの顔の画像を対象とした他の画像処理)の実行可否の判定にも利用可能である。
また、上記第1実施例における変形処理実行可否の判定に用いられる条件はあくまで一例であり、他の条件が用いられるとしてもよい。例えば、推定された顔の画像の向きが正面向きである場合に加え、上下振りである場合にも、変形処理実行可と判定されるとしてもよい。本実施例の変形処理は、特に左右振りの画像を対象とした場合に結果が不自然なものとなると考えられるため、このように判定が行われてもよい。
また、本発明は、変形処理とは異なる所定の画像処理の実行可否判定に適用可能であり、当該画像処理の特性に応じて、画像処理実行可否判定に用いる条件は適宜設定される。すなわち、画像処理の特性によっては、推定された顔の画像の向きが正面向きである場合には処理実行不可であると判定されるような判定条件が採用される場合もある。あるいは、推定された顔の画像の向きが左右振りである場合にのみ処理実行可であると判定され、その他の場合には処理実行不可であると判定されるような判定条件が採用される場合もある。
C4.変形例4:
上記第2実施例における決定顔領域FAsの傾き、大きさ、位置の特定方法は、あくまで一例であり、決定顔領域FAsの傾き、大きさ、位置を他の方法を用いて特定してもよい。例えば、上記第2実施例では、顔の画像の向きがいずれの場合にも、決定顔領域FAsの傾きを検出顔領域FAdの傾きと同じであるとして特定しているが、決定顔領域FAsの傾きをいずれかの器官領域の傾きと同じであるとして特定するとしてもよい。
また、上記第2実施例では、決定顔領域FAsの設定の際に、器官領域に基づき特定された大きさと位置とを有する領域を決定顔領域FAsとして設定しているが、器官領域に基づき決定顔領域FAsの大きさと位置とのいずれか1つのみが特定されるとしてもよい。この場合には、特定されなかった決定顔領域FAsの大きさ、位置については、検出顔領域FAdの大きさ、位置が採用されるとしてもよいし、所定の値が採用されるとしてもよい。
また、上記第2実施例では、推定された顔の画像の向きに応じた方法で、決定顔領域FAsが設定されるとしているが、例えば、正面向きと推定された場合には、検出顔領域FAdそのものが決定顔領域FAsとして設定されるとしてもよい。
C5.変形例5:
上記各実施例において推定された顔の画像の向きは、他の用途にも利用可能である。例えば、推定された顔の画像の向きが、画像データを含む画像ファイルの付属情報として画像データと関連づけられるとしてもよい。このようにすれば、例えば、推定された顔の画像の向きを、画像の検索に利用することができる。
C6.変形例6:
上記各実施例では、検出顔領域FAdを対象として器官検出が行われているが、必ずしも器官検出を行う範囲が検出顔領域FAdに限られる必要はなく、例えば、対象画像TI全体を対象として器官検出が行われるとしてもよい。ただし、検出顔領域FAdを対象として器官検出を行えば、処理の高速化を図ることができる。
また、上記各実施例では、顔領域FA(検出顔領域FAd)の検出が行われているが、必ずしも顔領域FAの検出が行われる必要はない。顔領域FAの検出が行われない場合であっても、対象画像TIの所定の範囲(例えば全体)を対象として器官領域の検出を行い、検出された器官領域に基づき、顔の画像の向きの推定や決定顔領域FAsの設定を実行可能である。
C7.変形例7:
上記各実施例では、検出された各器官領域について設定される信頼度指標としてマッチ回数が用いられているが、信頼度指標として他の指標(例えばテンプレートとのマッチ率)が用いられるとしてもよい。また、器官領域の検出の際に、必ずしも信頼度指標が設定される必要はない。器官領域について信頼度指標が設定されない場合には、器官領域の検出に成功したか否かを判定する際に、信頼度指標は用いられない。ただし、器官領域について信頼度指標が設定され、信頼度指標の値が所定の閾値より大きい器官領域のみに基づき決定顔領域FAsが設定されるとした場合には、顔の画像の向きの推定精度や決定顔領域FAsの設定精度の低下を抑制することができる。
C8.変形例8:
上記各実施例では、器官領域の検出に成功したと判定される条件として、右目領域EA(r)と左目領域EA(l)と口領域MAとの3つの器官領域がすべて検出されることが課せられているが、必ずしもこのような条件が課せられる必要はない。少なくとも顔の画像の向きの推定や決定顔領域FAsの設定に必要な器官領域が検出されれば、器官領域の検出に成功したと判定されるとしてもよい。
また、上記各実施例では、器官領域の検出に成功したと判定される条件として、すべての器官領域について信頼度指標の表す確からしさが所定の閾値より大きいことが課せられているが、必ずしもこのような条件が課せられる必要はない。信頼度指標が閾値より小さい器官領域があった場合であっても器官領域の検出に成功したと判定し、信頼度指標が閾値より大きい器官領域のみを用いて決定顔領域FAsを設定するとしてもよい。
C9.変形例9:
上記各実施例では、顔領域FAおよび器官領域は矩形の領域であるが、顔領域FAおよび器官領域は矩形以外の形状の領域であってもよい。
C10.変形例10:
上記各実施例では、画像処理装置としてのプリンタ100による顔形状補正印刷処理(図2)や顔補正印刷処理(図20)を説明したが、処理の一部(例えば図2のステップS100からS700まで)がパーソナルコンピュータにより実行されるものとしてもよい。また、プリンタ100はインクジェットプリンタに限らず、他の方式のプリンタ、例えばレーザプリンタや昇華型プリンタであるとしてもよい。また、本発明は、顔の画像の向きの推定のための画像処理一般に適用可能であり、例えば、パーソナルコンピュータによる顔の画像の向きの推定のみが行われる処理にも適用可能である。
C11.変形例11:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の第1実施例における画像処理装置としてのプリンタ100の構成を概略的に示す説明図である。 顔形状補正印刷処理の流れを示すフローチャートである。 対象画像TIの設定のためのユーザインターフェースの一例を示す説明図である。 検出顔領域FAdの検出結果の一例を示す説明図である。 器官領域の検出結果の一例を示す説明図である。 顔向き推定の方法を示す説明図である。 顔向き推定において正面向きと推定された結果の一例を示す説明図である。 顔向き推定において右振りまたは左振りと推定された結果の一例を示す説明図である。 顔向き推定において上振りまたは下振りと推定された結果の一例を示す説明図である。 変形処理後の対象画像TIの一例を示す説明図である。 変形処理の流れを示すフローチャートである。 変形領域TAの設定方法の一例を示す説明図である。 変形領域TAの小領域への分割方法の一例を示す説明図である。 分割点移動テーブル420の内容の一例を示す説明図である。 分割点移動テーブル420に従った分割点Dの位置の移動の一例を示す説明図である。 分割領域変形部260による画像の変形処理方法の概念を示す説明図である。 三角形領域における画像の変形処理方法の概念を示す説明図である。 本実施例における顔形状補正の態様を示す説明図である。 本発明の第2実施例における画像処理装置としてのプリンタ100aの構成を概略的に示す説明図である。 顔補正印刷処理の流れを示すフローチャートである。 推定された顔の画像の向きが正面向きである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。 推定された顔の画像の向きが右振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。 推定された顔の画像の向きが上振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。 推定された顔の画像の向きが下振りである場合の決定顔領域FAsの設定方法を示す説明図である。
符号の説明
100…プリンタ
110…CPU
120…内部メモリ
140…操作部
150…表示部
160…プリンタエンジン
170…カードインターフェース
172…カードスロット
200…顔形状補正印刷部
202…顔補正印刷部
210…顔領域検出部
220…器官領域検出部
222…信頼度設定部
230…顔向き推定部
240…変形領域設定部
250…変形領域分割部
260…分割領域変形部
270…処理可否判定部
280…顔領域設定部
290…補正処理部
310…表示処理部
320…印刷処理部
410…分割点配置パターンテーブル
420…分割点移動テーブル

Claims (19)

  1. 画像処理装置であって、
    対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出する器官領域検出部と、
    検出された前記器官領域に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する顔向き推定部と、を備える、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記器官領域検出部は、複数の前記器官領域を検出し、
    前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域間の位置と大きさとの少なくとも一方に関する関係に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域に基づき、顔の画像の幅に相関のある指標としての参照幅と顔の画像の高さに相関のある指標としての参照高さとを算出し、前記参照幅と前記参照高さとの比に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記顔向き推定部は、前記参照幅と前記参照高さとの比に基づき、前記対象画像における顔の画像の正面向きからの振りの程度を推定する、画像処理装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の画像処理装置であって、
    前記器官領域検出部は、少なくとも、前記顔の器官としての右目の画像を含む右目領域と、前記顔の器官としての左目の画像を含む左目領域と、前記顔の器官としての口の画像を含む口領域と、を、前記器官領域として検出する、画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置であって、
    前記顔向き推定部は、前記右目領域と前記左目領域とに基づき前記参照幅を算出し、前記右目領域と前記左目領域との少なくとも一方と前記口領域とに基づき前記参照高さを算出する、画像処理装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記対象画像における顔の画像を含む領域を検出顔領域として検出する顔領域検出部を備え、
    前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域と前記検出顔領域とに基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記対象画像における顔の画像を含む所定の領域を対象に、所定の画像処理を行う画像処理部と、
    推定された前記対象画像における顔の画像の向きに基づき、前記画像処理の実行可否を判定する処理可否判定部と、を備える、画像処理装置。
  9. 請求項8に記載の画像処理装置であって、
    前記所定の画像処理は、画像の変形処理を含み、
    前記処理可否判定部は、推定された前記対象画像における顔の画像の向きが正面向きでない場合には、前記画像処理の実行は不可であると判定する、画像処理装置。
  10. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    検出された前記器官領域に基づき、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じた所定の方法で、前記対象画像における顔の画像を含む顔領域を設定する顔領域設定部を備える、画像処理装置。
  11. 請求項10に記載の画像処理装置であって、
    前記顔領域設定部は、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じて予め定められた前記器官領域との間の関係に基づき、前記顔領域の大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを特定し、前記特定された大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを有する領域を、前記顔領域として設定する、画像処理装置。
  12. 請求項11に記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記対象画像における顔の画像を含む領域を検出顔領域として検出する顔領域検出部を備え、
    前記顔領域設定部は、前記検出顔領域の大きさと位置と傾きとの少なくとも1つを前記特定された大きさと位置と傾きとの少なくとも1つに一致させた領域を、前記顔領域として設定する、画像処理装置。
  13. 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    検出された前記器官領域に基づき、推定された前記対象画像における顔の画像の向きに応じた所定の方法で、前記対象画像における顔の画像を含む顔領域を設定する顔領域設定部を備え、
    前記顔領域設定部は、前記参照幅と前記参照高さとに基づき、前記顔領域の大きさを特定する、画像処理装置。
  14. 請求項13に記載の画像処理装置であって、
    前記顔領域設定部は、前記参照幅に所定の係数を乗じて前記顔領域の幅を特定し、
    推定された前記対象画像における顔の画像の向きが右振りまたは左振りである場合に用いられる前記所定の係数の値は、正面向きである場合に用いられる前記所定の係数の値と比較して、大きい、画像処理装置。
  15. 請求項13に記載の画像処理装置であって、
    前記顔領域設定部は、前記参照高さに所定の係数を乗じて前記顔領域の高さを特定し、
    推定された前記対象画像における顔の画像の向きが上振りまたは下振りである場合に用いられる前記所定の係数の値は、正面向きである場合に用いられる前記所定の係数の値と比較して、大きい、画像処理装置。
  16. 請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    設定された前記顔領域に基づき処理対象領域を設定し、前記処理対象領域を対象に所定の画像処理を行う画像処理部を備える、画像処理装置。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記器官領域検出部は、検出された前記器官領域について、顔の器官の画像を含む領域であることの確からしさを表す信頼度指標を設定する信頼度設定部を含み、
    前記顔向き推定部は、検出された前記器官領域の内、前記信頼度指標の値が所定の閾値より大きい前記器官領域のみに基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する、画像処理装置。
  18. 画像処理方法であって、
    (a)対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出する工程と、
    (b)検出された前記器官領域に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する工程と、を備える、画像処理方法。
  19. 画像処理のためのコンピュータプログラムであって、
    対象画像における顔の器官の画像を含む領域を器官領域として検出する器官領域検出機能と、
    検出された前記器官領域に基づき、前記対象画像における顔の画像の向きを推定する顔向き推定機能と、を、コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
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