JP2009122682A - ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 - Google Patents

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伸一 三原
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Abstract

【課題】光路を折り曲げる構成がとりやすく、高ズーム比、広画角、小さいF値、少ない収差等、高い光学仕様性能を有するズームレンズ。
【解決手段】物体側から順に、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群A(G1)と、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群B(G2)と、変倍時に位置が不動の開口絞りSと、レンズ群C(G3)とレンズ群D(G4)からなり、レンズ群Aは負の屈折力、レンズ群Bは正の屈折力、レンズ群Cは負の屈折力、レンズ群Dは正の屈折力を有し、レンズ群Aは、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1、光路を折り曲げるための反射光学素子P、少なくとも正レンズを含む副群A2からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置に関し、特に、ズームレンズ等の光学系部分の工夫により奥行き方向の薄型化を実現した、ビデオカメラやデジタルカメラを始めとする電子撮像装置に関するものである。
近年、銀塩35mmフィルム(135フォーマット)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。
本発明においては、特にポータブルな普及タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥行きが薄く使い勝手の良好なビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技術を提供することをねらっている。カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。
最近におけるカメラボディ薄型化技術の主流は、撮影時には光学系がカメラボディ内から突出しているが、携帯時には収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することである。沈胴式鏡筒を採用して効果的に薄型化できる可能性を有する光学系の例としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等のものがある。これらは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1群、正の屈折力を含む第2群を有しており、共に変倍時には移動する。しかし、沈胴式鏡筒を採用するとレンズ収納状態から使用状態に立ち上げるための時間が掛かり使い勝手上好ましくない。また、最も物体側のレンズ群を可動とすると、防水・防塵上好ましくない。
特開平11−194274号公報 特開平11−287953号公報 特開2000−9997号公報
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましく、また、奥行き方向が極めて薄いカメラとするために、光学系の光路(光軸)をミラー等の反射光学素子で折り曲げる構成がとりやすく、高ズーム比、広画角、小さいF値、少ない収差等、高い光学仕様性能を有するズームレンズを提供することである。
上記目的を達成するために本発明のズームレンズは、物体側から順に、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群A、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群B、変倍時に位置が不動の開口絞りを有し、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
(1) 0.45<log γB /log γ<0.85
ただし、γ、γB はそれぞれ、
γ=fT /fW
γB =望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率とし、f
W 、fT はそれぞれズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離とする。
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
前記目的を達成するために、本発明においては、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群A、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群B、変倍時に位置が不動の開口絞りを有しを有するズームレンズを採用している。
このように、光路を折り曲げるための反射光学素子を最も物体側のレンズ群Aに設け、さらには、機構的な煩雑さを避けるために折り曲げ機能を有するレンズ群Aを変倍時固定とすることにより、カメラの奥行き方向を薄くすることができる。また、奥行き方向が極めて薄いカメラとするためには、レンズ鏡筒が光路折り曲げ個所よりも像側のレンズ径方向へ肥大化することも回避するように考慮しなくてはならない。例えば、絞り機構(シャッター機構を含む場合もある)を変倍と同時に移動させると、光量調節制御機構も一緒に移動させることになり、その移動スペースの確保のために鏡筒が径方向に肥大化してしまう。
したがって、本発明においては、絞り機構位置を変倍時不動としている。
しかしながら、変倍時に一方向に移動し変倍に大きく寄与するレンズ群よりも物体側に開口絞りを固定すると、広角端から望遠端に至るまでのF値の変化量が著しく大きく不具合である。したがって、少なくとも位置不動の開口絞りよりも物体側に変倍に寄与するレンズ群、つまり、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群Bを配置する必要がある。一方、レンズ群Bの移動量が大きいと入射瞳が深くなって光路屈曲が成り立たなくなったり、射出側のテレセントリック性を満足できなくなるため、広角端から望遠端にかけてのレンズ群Bの倍率変化の度合いを条件(1)の範囲に抑制するしかない。
(1) 0.45<log γB /log γ<0.85
ただし、γ、γB はそれぞれ、
γ=fT /fW
γB =望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率とし、fW 、fT はそれぞれズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離とする。
この条件(1)の上限の0.85を越えると、入射瞳が深くなって光路屈曲の成立性や、射出側のテレセントリック性に支障をきたしやすい。下限の0.45を越えると、変倍比が稼げないか、あるいは、開口絞りより後ろのレンズ群で変倍比を補った場合、その補強量が大きい程広角端から望遠端に至るまでのF値の変化量が大きくなる。なお、ある程度の補強であればF値の変化量が小さいので、開口絞りよりも像側に、広角端から望遠端に変倍する際、一方向にのみ移動するレンズ群(変倍に寄与するレンズ群)を有するとよい。
なお、以下のようにするとよりよい。
(1)’ 0.5<log γB /log γ<0.8
さらに、以下のようにすると最もよい。
(1)” 0.55<log γB /log γ<0.77
因みに、レンズ群Aが負の屈折力を有する場合には、レンズ群Bが正の屈折力となり、
レンズ群Aが正の屈折力を有する場合には、レンズ群Bが負の屈折力となる。後者の場合、開口絞りから像側は、光路の順に、正の屈折力であるレンズ群C、正の屈折力であるレンズ群Dを有し、広角端から望遠端に変倍する際には、レンズ群Dが像側にのみ移動することで変倍比を補強する。前者の場合については、後述する。さらに、開口絞りよりも物体側にあるレンズ群Bと像側にあるレンズ群Cとは屈折力が異符号である。
また、光路屈曲によるスペース確保の代償として、入射瞳が深くなったり変倍比の確保が困難になることがあるが、できれば光路を折り曲げるための反射光学素子を以下の媒質条件を満たすプリズムブロックとするのがよい。
(2) 1.55<npri <1.97
ただし、npri はレンズ群Aの光路を折り曲げるための反射光学素子がプリズムの場合におけるd線に対する媒質の屈折率である。
条件式(2)の下限値の1.55を越えると、プリズムを含めた物体側の光学素子が大型化しやすく収差補正上も不利であるし、レンズ群B以降の群の合成倍率が低くなり、レンズ群Bの移動量が増大するか高いズーム比を確保することが困難となる。上限値の1.97を越えると、プリズムのコストが高くなる。
なお、以下のようにするとよりよい。
(2)’ 1.65<npri <1.95
さらに、以下のようにすると最もよい。
(2)” 1.75<npri <1.93
また、レンズ群Aは、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1と、光路を折り曲げるための反射光学素子と、少なくとも正レンズを含む副群A2とから構成するのが望ましい。
そして、その副群A2は、色収差や歪曲収差等の軸外収差を補正するために、物体側から順に、負レンズ・正レンズの2枚にて構成し、以下の条件を満足するとよい。
レンズ群Aのプリズムブロックの光線入射面から光線射出面まで光軸に沿って測ったときの空気換算長dで規定する場合は、以下のようにするのがよい。
(3) 0.5<d/L<1.2
ただし、Lは撮像素子の有効撮像領域(略矩形)の対角長である。
この条件(3)の上限値の1.2を越えると、プリズムを含めた物体側の光学素子が大型化しやすく収差補正上も不利であるし、レンズ群B以降の群の合成倍率が低くなりレンズ群Bの移動量が増大するか、高いズーム比を確保することが困難となる。下限値の0.5を越えると、画像周辺部の結像に寄与する光束が満足に像面に達しないし、あるいはゴーストが発生しやすい。なお、この条件を満足できるならば、反射前後の媒質が空気の表面鏡でも構わない。
また、光路を折り曲げる方向が有効画面の長辺方向の場合、短辺方向の場合、それぞれ以下の範囲がよい。
(3−1) 0.75<d/L<1.1
(3−2) 0.55<d/L<0.9
さらに、それぞれ以下のようにすると最もよい。
(3−1)’0.8<d/L<1.0
(3−2)’0.6<d/L<0.8
なお、光路を折り曲げるための反射光学素子は、屈折率の高い媒質のプリズムにて構成するのが、プリズムを含めた物体側の光学素子の小型化や収差補正上有利である。
本発明のズームレンズは、最も物体側のレンズ群が変倍時固定であり、さらに絞り位置も固定できることが特徴であるが、中でも最も物体側のレンズ群は負の屈折力を有し、条件(1)を満足することが最重要な特徴である。
光路に従って最も物体側のレンズ群Aが負の屈折力を有する場合には、レンズ群Bが正の屈折力となるが、その場合も条件(1)を満足することが望ましい。さらに、各レンズ群の移動量をできるだけ小さくして光学全長を短くするために、以下の条件(4)のように、レンズ群B以降の合成系の倍率が−1倍近傍にて変倍するのがよい。ただし、収差補正上は倍率の絶対値は低い方が有利である。したがって、望遠端においては以下の条件を満足するのがよい。
(4) 0.75<−βRt<1.5
ただし、βRtはレンズ群B以降の望遠端における合成倍率(無限遠物点)である。
条件(4)の上限の1.5、下限の0.75何れを越えても、各レンズ群の相対的間隔の変化量が大きくなり、光学全長が長くなりがちである。
なお、以下のようにするとよりよい。
(4)’ 0.8<−βRt<1.3
さらに、以下のようにすると最もよい。
(4)” 0.85<−βRt<1.15
加えて、開口絞りから像側には、光路の順に、負の屈折力であるレンズ群C、正の屈折力であるレンズ群Dを有し、広角端から望遠端に変倍する際に少なくとも一方のレンズ群が像側にのみ移動することで、変倍比を補強するようにすることが望ましい。
さらに、開口絞りよりも物体側にあるレンズ群Bと像側にあるレンズ群Cとは屈折力が異符号であるため、変倍時には互いに反対方向に移動するが、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際のレンズ群B・レンズ群Cのそれぞれの移動量M2 、M3 の比を以下の条件(5)のようにするとよい。
(5) −1.0<M3 /M2 <−0.3
この条件(5)の上限の−0.3を越えると、入射瞳が深くなって光路屈曲の成立性や、射出側のテレセントリック性に支障を来しやすい。下限の−1.0を越えると、広角端から望遠端に至るまでのF値の変化量が大きくなる。
なお、以下のようにするとよりよい。
(5)’ −0.9<M3 /M2 <−0.4
さらに、以下のようにすると最もよい。
(5)” −0.85<M3 /M2 <−0.5
また、合焦については開口絞りより像側の何れかのレンズ群にて行なうのがよい。
また、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際の、レンズ群C・レンズ群Dのそれぞれの移動量M3 、M4 の比を以下の条件(6)のようにするとよい。
(6) 0.3<M4 /M3 <0.9
この条件(6)の上限の0.9を越えると、変倍比を稼ぐことが困難となる。下限の0.3を越えると、フォーカスを実施するための移動スペースの確保が困難となる。
なお、以下のようにするとよりよい。
(6)’ 0.4<M4 /M3 <0.8
さらに、以下のようにすると最もよい。
(6)” 0.5<M4 /M3 <0.7
ところで、レンズ群Aは、前記したように、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1、光路を折り曲げるための反射光学素子、少なくとも正レンズを含む副群A2から構成するとよい。特に、副群A1は1枚のみで構成し、副群A2で色収差等の各収差補正を行なうのがよい。レンズ群Aの副群A2は、色収差や歪曲収差等の軸外収差を補正するために、物体側から順に、正レンズ・負レンズの2枚にて構成し、以下の条件を満足するとよい。
(7) −0.3<L/f12<0
ただし、f12はレンズ群Aの副群A2の焦点距離である。
条件(7)の上限の0を越えると、レンズ群B以降の群の合成倍率が低くなりレンズ群Bの移動量が増大するか、高いズーム比を確保することが困難となり、下限の−0.3を越えると、プリズムを含めた物体側の光学素子が大型化しやすく、収差補正上も不利である。
なお、以下のようにするとよりよい。
(7)’ −0.2<L/f12<0
さらに、以下のようにすると最もよい。
(7)” −0.1<L/f12<0
本発明のように、光路を折り曲げるための反射光学素子はある一定量の光路長を必要とするため、入射瞳が深くなりやすく、また、倍率の確保のためにレンズ群B以降の焦点距離が長くなり移動スペースが大きくなりやすい。両者は相反するため、レンズ群Aの負の屈折力を2つに割って光路を折り曲げるための反射光学素子の前後に分散するとよい。その場合は、以下の条件を満足するとよい。
(8) 0.5<(R11F +R11R )/(R11F −R11R )<4.5
(9) 0<f11/f12<0.8
ただし、R11F 、R11R はそれぞれレンズ群Aの副群A1の負レンズの物体側の面、 像
側の面の光軸上での曲率半径、f11、f12はそれぞれレンズ群Aの副群A1、A2の焦点距離である。
条件(8)は、副群A1の負レンズのシェープファクターを規定するものである。その上限の4.5を越えると、光路を折り曲げるための反射光学素子と干渉しやすくなり、そ
れを避けると奥行き寸法が大きくなり好ましくない。下限の0.5を越えると、歪曲収差等の収差補正が困難になる。
条件(9)は、副群A1と副群A2との焦点距離比を規定するものである。上限の0.8を越えると、入射瞳が深くなりやすく、下限値の0を越えると、倍率の確保のためにレンズ群B以降の焦点距離が長くなり、移動スペースが大きくなりやすい。
なお、条件(8)、(9)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
(8)’ 0.8<(R11F +R11R )/(R11F −R11R )<3.5
(9)’ 0<f11/f12<0.5
さらに、条件(8)、(9)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
(8)” 1.0<(R11F +R11R )/(R11F −R11R )<2.5
(9)” 0<f11/f12<0.2
また、何れのタイプも、近軸的屈折力配置を適切にするために、反射面を平面以外で構成してもよい。また、反射面の形状を自由に変えることのできる制御系を設け、その変形で変倍の際に発生する焦点位置や収差の変動を補正したり、フォーカスをしたり、変倍をするようにできる形状制御可能な形状可変ミラーで構成するのがより好ましい。
また、これとは別に、反射光学素子をプリズム平面部に平凹レンズを接合したり、プリズムの有効光線通過面あるいは反射面を曲面で構成してもよい。歪曲収差補正のレベルと電子撮像装置の目標サイズとのバランスの関係から、最も物体側にパワーの弱い正レンズを付加してもよい。その場合は、レンズ群Aの副群A2はなくてもよい。また、レンズ群Aの副群A1は変倍時固定とするが、副群A2は移動することが比較的容易なため、可動としてもよい。その場合、変倍時に像側に凸の軌跡を描きつつ移動するのがよい。
また、レンズ系の小型化にとって、レンズの構成枚数の低減や各レンズエレメントの薄肉化は重要である。共に、ザイデル各収差や色収差補正の自由度を失い補正困難になる方向である。まず、ザイデル各収差については、変倍時の収差変動や変倍全域における軸外残存収差を補正するには、正の屈折力を有する全てのレンズ群に非球面を導入すると効果的である。その中でも特に正のレンズエレメントに施すのが好ましい。色収差についても、軸上・倍率色収差を変倍全域に亘り補正するには、正の屈折力を有する全てのレンズ群が接合レンズ成分を含む構成とするのが望ましい。レンズ枚数を低減する意味からも、正の屈折力を有する全てのレンズ群が1つの接合レンズ成分のみで構成するのがよい。なお、本発明において、レンズ成分とは、光路に沿って物体側と像側のみで空気と接したレンズを1単位とし、単レンズ又は接合レンズを意味する。
以上、ズームレンズ部を薄くしつつも結像性能を良好にする手段を提供した。 次に、フィルター類を薄くする件について言及する。電子撮像装置には、通常、赤外光が撮像面に入射しないように一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。これを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。当然その分薄くなる訳だが、副次的効果がある。ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、波長600nmでの透過率(τ600 )が80%以上、700nmでの透過率(τ700 )が8%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも700nm以上の近赤外領域の透過率が低く、かつ、相対的に赤側の透過率が高くなり、補色モザイクフィルターを有するCCD等の固体撮像素子の欠点である青紫側のマゼンタ化傾向がゲイン調整により緩和され、原色フィルターを有するCCD等の固体撮像素子並みの色再現を得ることができる。また、原色補色に限らず、植物や人肌のように近赤外領域に強い反射率を有
するものの色再現が改善される。
すなわち、
(10) τ600 /τ550 ≧0.8
(11) τ700 /τ550 ≦0.08
を満たすことが望ましい。ただし、τ550 は波長550nmでの透過率である。
なお、条件(10)、(11)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
(10)’ τ600 /τ550 ≧0.85
(11)’ τ700 /τ550 ≦0.05
さらに、条件(10)、(11)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
(10)” τ600 /τ550 ≧0.9
(11)” τ700 /τ550 ≦0.03
CCD等の固体撮像素子のもう1つの欠点は、近紫外域の波長550nmに対する感度が人間の眼のそれよりもかなり高いことである。これも、近紫外域の色収差による画像のエッジ部の色にじみを目立たせている。特に光学系を小型化すると致命的である。したがって、波長400nmでの透過率(τ400 )の550nmでのそれ(τ550 )に対する比が0.08を下回り、440nmでの透過率(τ440 )の550nmでのそれ(τ550 )に対する比が0.4を上回るような吸収体あるいは反射体を光路上に挿入すれば、色再現上必要な波長域を失わず(良好な色再現を保ったまま)、色にじみなどのノイズがかなり軽減される。
すなわち、
(12) τ400 /τ550 ≦0.08
(13) τ440 /τ550 ≧0.4
を満たすことが望ましい。
なお、条件(12)、(13)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
(12)’ τ400 /τ550 ≦0.06
(13)’ τ440 /τ550 ≧0.5
さらに、条件(12)、(13)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
(12)” τ400 /τ550 ≦0.04
(13)” τ440 /τ550 ≧0.6
なお、これらのフィルターの設置場所は結像光学系と撮像素子の間がよい。
一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから、原色フィルター付きCCDと比べ実質的感度が高く、かつ、解像的にも有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。
また、光学系を短く薄くするには、もう一方のフィルターである光学的ローパスフィルターについても出来るだけ薄くするのがよい。一般的に、光学ローパスフィルターは水晶のような単軸結晶が有する複屈折作用を利用しているが、結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が35°から55°の範囲であり、かつ、各々の結晶軸を像面に投影したときの方向がそれぞれ異なる複数あるいは単独の水晶光学ローパスフィルターを含む場合、
その中でズームレンズ光軸上に沿った厚みが最も厚いフィルターの厚みtLPF (mm)を以下の条件を満たすようにするとよい。
(14) 0.08<tLPF /a<0.16 (a<4μmのとき)
0.075<tLPF /a<0.15 (a<3μmのとき)
ただし、tLPF (mm)はズームレンズの光軸に沿って最も厚くそれとのなす角が35°から55°の範囲に1つの結晶軸を有する光学的ローパスフィルターの厚み、aは電子撮像素子の水平画素ピッチ(単位μm)である。
1枚あるいは複数枚で構成された光学的ローパスフィルターの中最も厚いものは、その厚さがナイキスト限界周波数にて理論上コントラストがゼロになるように設定されており、およそa/5.88(mm)である。これよりも厚くすると、モアレ縞のような偽信号の防止には効果があるが、電子撮像素子の持つ分解能を十分に発揮できなくなり、薄くするとモアレ縞のような偽信号が十分に除去できない。しかし、モアレ縞のような偽信号はズームレンズ等の撮影レンズの結像性能とも深く関連し、結像性能が高い場合はモアレ縞のような偽信号が発生しやすいので、光学的ローパスフィルターはやや厚めに、逆の場合はやや薄めに設定するのがよい。
一方、画素ピッチが小さくなるにつれて結像レンズ系の回折の影響によりナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストが減少するため、モアレ縞のような偽信号の発生は少なくなる。したがって、a/5.88(mm)より数%乃至数十%程度薄くすると、むしろナイキスト限界に相当する周波数以下の空間周波数でのコントラストが向上し好ましい。
なお、以下のようにするとよりよい。
(14)’ 0.075<tLPF /a<0.15 (a<4μmのとき)
0.07<tLPF /a<0.14 (a<3μmのとき)
さらに、以下のようにすると最もよい。
(14)” 0.07<tLPF /a<0.14 (a<4μmのとき)
0.065<tLPF /a<0.13 (a<3μmのとき)
また、a<4μmにおいて、光学的ローパスフィルターは薄くしすぎると加工が困難であるため、余り薄くせず、つまり条件(14)、(14)’、(14)”の上限を越えても、コントラストがゼロになる空間周波数(カットオフ周波数)を高くする別の方法がある。それは、光学的ローパスフィルターの結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が15°から35°の範囲、若しくは、55°から75°となるようにするか、場合によっては光学的ローパスフィルターを省略することである。この角度の範囲においては入射光の常光線と異常光線への分離量が45°近傍のときよりも少なくなり、0°若しくは90°になったときには分離しなくなる(ただし、90°の場合は両者に速度差がつき位相差が発生する…λ/4板の原理)。
また、前述のごとく画素ピッチが小さくなると、回折の影響でそれに見合った高い空間周波数の結像性能が劣化してくるため、Fナンバーを大きくすることが困難である。したがって、カメラにしたときの開口絞りの種類は幾何収差による劣化の大きな開放と、回折限界近傍の絞り値の2種類のみとしてもよい。その場合、前述の光学的ローパスフィルターはなくても可である。
特に画素ピッチが小さく、開放時の結像性能が最も良い場合等は、撮像面への入射光束サイズを規制する手段として、内径が可変であったり、内径の異なるものと入れ換える方
法を用いず、常に内径が固定の開口絞りとしてもよい。その場合、開口絞りに隣接するレンズ面は少なくとも一方はその開口絞りに向かって凸面を向けており、その何れかの隣接するレンズ面が開口絞り内径部を貫通するようにすると、絞りによる無駄なスペースがなく、光学系の全長短縮に寄与する。また、開口絞りとは、レンズ面を1つ以上隔てた光軸を含む何れかの空間に透過率が90%以下の光学素子(出来れば入射面、射出面が共に平面がよい。)を配したり、透過率の異なる別の光学素子と入れ換える手段を持つとよい。
あるいは、開口サイズが固定の複数の開口を有し、その中の1つをレンズ群Aの最も像側のレンズ面とレンズ群Cの最も物体側のレンズ面の間の何れかの光路内に挿入でき、かつ、他のものと交換可能とすることで、像面照度を調節することができる電子撮像装置としておき、その複数の開口の中、一部の開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満であるような媒体を有するようにして光量調節を行うのがよい。あるいは、a(μm)/Fナンバー<0.4となるようなF値に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよい。例えば、開放値から上記条件の範囲外ではその媒体なしかあるいは550nmに対する透過率が91%以上のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が出る程に開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィルターのようなもので光量調節するのがよい。
また、上記の複数の開口をそれぞれ径をF値に反比例して小さくしたものにして揃えておき、NDフィルターの代わりに、それぞれ周波数特性の異なる光学的ローパスフィルターを開口内に入れておくのでもよい。絞り込むにつれて回折劣化が大きくなるので、開口径が小さくなる程光学フィルターの周波数特性を高く設定しておくとよい。
なお、広角端の開放F値と使用する画素ピッチaμmとの関係において、F>aを満たす場合は、光学的ローパスフィルターはなくてもよい。つまり、ズームレンズ系と電子撮像素子間の光路上の媒質は全て空気あるいは非結晶媒質のみとしてよい。回折と幾何収差による結像特性の劣化のために、折り返し歪みを発生させ得る周波数成分がほとんどないためである。
なお、上記の各条件式の限定は、それぞれの上限値のみの限定、あるいは、下限値のみの限定でも当然に適用できる。また、後記の各実施例のこれの条件式に対応する値も、各条件式の上限又は下限まで変更し得るものである。
本発明により、物体側にミラー等の反射光学素子を挿入して光学系、特にズームレンズ系の光路(光軸)を折り曲げる構成とし、諸々の工夫を入れることにより、高ズーム比、広画角、小さいF値、少ない収差等、極力高い光学仕様性能を確保しながらも、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましく、また、奥行き方向が極めて薄いカメラとすることが可能となる。加えて、絞り、シャッター機構等を移動させない光学系とすることにより、奥行きをさらに薄くすることができる。
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜4について説明する。実施例1〜4の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図をそれぞれ図1〜図4に示す。各図中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、絞りはS、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、光学的ローパスフィルターはLF、電子撮像素子であるCCDのカバーガラスはCG、CCDの像面はIで示してある。また、第1レンズ群中G1中の光路折り曲げプリズムを展開した平行平板はPで示してある。なお、近赤外
シャープカットコートについては、例えば光学的ローパスフィルターLFに直接コートを施こしてもよく、また、別に赤外カット吸収フィルターを配置してもよく、あるいは、透明平板の入射面に近赤外シャープカットコートしたものを用いてもよい。
光路折り曲げプリズムPは、代表例として例えば実施例1のズームレンズの広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における光路図を図5に示すように、光路を90°折り曲げる反射プリズムとして構成される。なお、実施例1〜4における有効撮像領域の縦横比は3:4であり、折り曲げ方向は横方向である。
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズとからなる第1レンズ群G1、両凸正レンズと物体側に凹の負メニスカスレンズの接合レンズのみからなる第2レンズ群G2、開口絞りS、両凹負レンズと物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズのみからなる第3レンズ群G3、両凸正レンズと物体側に凹の負メニスカスレンズの接合レンズのみからなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1、開口絞りSは固定で、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は像面側へ移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3との間隔を縮めながら像面側へ移動する。近距離の被写体にフォーカシングするために、第4レンズ群G4は物体側へ繰り出される。
非球面は、第1レンズ群G1の接合レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の最も物体側の面の3面に用いられている。 実施例2のズームレンズは、図2に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、両凸正レンズと物体側に凹の負メニスカスレンズの接合レンズのみからなる第2レンズ群G2、開口絞りS、両凹負レンズのみからなる第3レンズ群G3、物体側に凹の正メニスカスレンズと、両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズとからなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1、開口絞りSは固定で、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は像面側へ移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3との間隔を縮めながら像面側へ移動する。近距離の被写体にフォーカシングするために、第4レンズ群G4は物体側へ繰り出される。
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの直後の負メニスカスレンズの像面側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の正メニスカスレンズの像面側の面の3面に用いられている。
実施例3のズームレンズは、図3に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、両凹負レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、開口絞りS、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズのみからなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1、開口絞りSは固定で、第2レンズ群G2は像面側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側へ移動し、第4レンズ群G4は像面側へ移動する。近距離の被写体にフォーカシングするために、第4レンズ群G4は物体側へ繰り出される。
非球面は、第2レンズ群G2の両凹負レンズの像面側の面、第3レンズ群G3の単レンズの両凸正レンズの両側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
実施例4のズームレンズは、図4に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、
光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、両凹負レンズと、両凸正レンズとからなる第2レンズ群G2、開口絞りS、両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズのみからなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1、開口絞りSは固定で、第2レンズ群G2は像面側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側へ移動し、第4レンズ群G4は一旦物体側へ移動し、その後反転して像面側へ移動し、望遠端では広角端より像面側の位置になる。近距離の被写体にフォーカシングするために、第4レンズ群G4は物体側へ繰り出される。
非球面は、第2レンズ群G2の両凹負レンズの両側の面、第3レンズ群G3の接合レンズの物体側の面、単レンズの負メニスカスレンズの両側の面の5面に用いられている。
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、2ωは画角、FNOはFナンバー、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2
+A44 +A66 +A88 + A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。

実施例1
1 = 41.8576 d1 = 1.1000 nd1 =1.74320 νd1 =49.34
2 = 11.0536 d2 = 3.0000
3 = ∞ d3 = 12.5000 nd2 =1.80610 νd2 =40.92
4 = ∞ d4 = 0.4000
5 = 45.3710(非球面) d5 = 2.2000 nd3 =1.80610 νd3 =40.92
6 = -17.7512 d6 = 0.7000 nd4 =1.51633 νd4 =64.14
7 = 14.3571 d7 = (可変)
8 = 14.3503(非球面) d8 = 3.5000 nd5 =1.74320 νd5 =49.34
9 = -12.0000 d9 = 0.7000 nd6 =1.84666 νd6 =23.78
10= -45.8572 d10= (可変)
11= ∞(絞り) d11= (可変)
12= -10.4621 d12= 0.7000 nd7 =1.48749 νd7 =70.23
13= 8.5670 d13= 1.6000 nd8 =1.80610 νd8 =40.92
14= 26.4156 d14= (可変)
15= 13.3825(非球面) d15= 3.5000 nd9 =1.74320 νd9 =49.34
16= -6.0000 d16= 0.7000 nd10=1.84666 νd10=23.78
17= -14.5742 d17= (可変)
18= ∞ d18= 1.4400 nd11=1.54771 νd11=62.84
19= ∞ d19= 0.8000
20= ∞ d20= 0.6000 nd12=1.51633 νd12=64.14
21= ∞ d21= 1.3584
22= ∞(像面)
非球面係数
第5面
K = 0
A4 = 1.2258 ×10-5
A6 = 7.3190 ×10-7
A8 =-3.7784 ×10-9
A10= 0.0000
第8面
K = 0
A4 =-5.3259 ×10-6
A6 =-6.4038 ×10-7
A8 = 1.8252 ×10-9
A10= 0.0000
第15面
K = 0
A4 =-1.5212 ×10-4
A6 =-5.5015 ×10-6
A8 = 1.5406 ×10-7
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.02091 10.38642 17.98914
NO 2.8018 3.1929 3.6847
2ω (°) 32.3 ° 19.0 ° 11.2 °
7 13.81034 7.49989 0.79781
10 1.59335 7.88812 14.60612
11 1.39678 4.73086 8.71101
14 6.18478 5.03200 2.99514
17 5.28210 3.10678 1.15795

実施例2
1 = 45.3203 d1 = 1.1000 nd1 =1.74320 νd1 =49.34
2 = 11.8037 d2 = 2.5000
3 = ∞ d3 = 12.5000 nd2 =1.80610 νd2 =40.92
4 = ∞ d4 = 0.4000
5 = 16.2211 d5 = 1.2000 nd3 =1.74330 νd3 =49.33
6 = 9.0671(非球面) d6 = 0.4611
7 = 14.4963 d7 = 1.8200 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = 26.0382 d8 = (可変)
9 = 14.0677(非球面) d9 = 3.5782 nd5 =1.69350 νd5 =53.20
10= -10.0812 d10= 0.7000 nd6 =1.84666 νd6 =23.78
11= -23.3575 d11= (可変)
12= ∞(絞り) d12= (可変)
13= -8.5467 d13= 0.7000 nd7 =1.49700 νd7 =81.54
14= 15.2744 d14= (可変)
15= -1.421×104 15= 2.8906 nd8 =1.58913 νd8 =61.28
16= -7.2797(非球面) d16= 0.1000
17= 7.8321 d17= 3.7517 nd9 =1.48749 νd9 =70.23
18= -27.9866 d18= 0.7000 nd10=1.84666 νd10=23.78
19= 19.9907 d19= (可変)
20= ∞ d20= 1.4400 nd11=1.54771 νd11=62.84
21= ∞ d21= 0.8000
22= ∞ d22= 0.8000 nd12=1.51633 νd12=64.14
23= ∞ d23= 0.9602
24= ∞(像面)
非球面係数
第6面
K = 0
A4 =-1.4385 ×10-4
A6 =-1.5962 ×10-6
A8 = 3.4139 ×10-8
A10=-8.3837 ×10-10
第9面
K = 0
A4 =-5.6504 ×10-5
A6 = 7.1962 ×10-8
A8 = 5.9510 ×10-9
A10= 0.0000
第16面
K = 0
A4 = 2.2972 ×10-4
A6 = 3.0217 ×10-6
A8 =-1.0499 ×10-7
A10= 5.7830 ×10-9
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.04972 10.38530 17.99216
NO 2.8000 3.4840 3.9842
2ω (°) 33.1 ° 19.1 ° 11.0 °
8 11.57476 7.09532 0.95447
11 0.95647 5.43485 11.57823
12 1.43450 6.00801 9.90933
14 4.15447 2.21894 0.97868
19 6.27292 3.63457 0.97395

実施例3
1 = 31.4475 d1 = 1.0000 nd1 =1.80518 νd1 =25.42
2 = 10.0029 d2 = 2.8000
3 = ∞ d3 = 12.0000 nd2 =1.80610 νd2 =40.92
4 = ∞ d4 = 0.3000
5 = 40.9109 d5 = 3.1000 nd3 =1.77250 νd3 =49.60
6 = -18.5523 d6 = (可変)
7 = -27.7365 d7 = 0.9000 nd4 =1.80610 νd4 =40.92
8 = 6.1675(非球面) d8 = 0.6000
9 = 7.8689 d9 = 2.5000 nd5 =1.75520 νd5 =27.51
10= 541.9130 d10= (可変)
11= ∞(絞り) d11= (可変)
12= 6.8303(非球面) d12= 2.2000 nd6 =1.74320 νd6 =49.34
13= -168.3254(非球面) d13= 0.1500
14= 10.3767 d14= 2.5000 nd7 =1.60311 νd7 =60.64
15= -100.0000 d15= 0.7000 nd8 =1.84666 νd8 =23.78
16= 4.2552 d16= (可変)
17= 6.4363(非球面) d17= 2.0000 nd9 =1.58313 νd9 =59.38
18= 16.8235 d18= (可変)
19= ∞ d19= 1.5000 nd10=1.54771 νd10=62.84
20= ∞ d20= 0.8000
21= ∞ d21= 0.7500 nd11=1.51633 νd11=64.14
22= ∞ d22= 1.3596
23= ∞(像面)
非球面係数
第8面
K = 0
A4 =-2.1223 ×10-4
A6 =-3.9476 ×10-6
A8 =-2.3492 ×10-7
A10= 0.0000
第12面
K = 0
A4 =-9.9966 ×10-5
A6 =-4.8770 ×10-6
A8 = 7.8835 ×10-7
A10= 0.0000
第13面
K = 0
A4 = 1.6853 ×10-4
A6 = 4.2908 ×10-6
A8 = 8.3613 ×10-7
A10= 0.0000
第17面
K = 0
A4 =-3.5205 ×10-4
A6 =-1.4117 ×10-6
A8 =-1.1635 ×10-7
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.00728 10.39935 17.99830
NO 2.7463 3.3017 4.0273
2ω (°) 32.4 ° 18.9 ° 11.0 °
6 0.79769 7.29414 13.01239
10 13.61214 7.11013 1.39751
11 7.70485 4.37777 1.19903
16 1.69969 5.42936 10.44566
18 3.74084 3.33843 1.50064

実施例4
1 = 32.0016 d1 = 1.0000 nd1 =1.75520 νd1 =27.51
2 = 10.0102 d2 = 2.8000
3 = ∞ d3 = 12.0000 nd2 =1.80610 νd2 =40.92
4 = ∞ d4 = 0.3000
5 = 23.5519 d5 = 3.1000 nd3 =1.72916 νd3 =54.68
6 = -24.7555 d6 = (可変)
7 = -21.9861(非球面) d7 = 0.9000 nd4 =1.80610 νd4 =40.92
8 = 5.7215(非球面) d8 = 0.6000
9 = 7.9386 d9 = 2.5000 nd5 =1.78470 νd5 =26.29
10= -388.5176 d10= (可変)
11= ∞(絞り) d11= (可変)
12= 5.6674(非球面) d12= 4.0000 nd6 =1.74320 νd6 =49.34
13= -19.0000 d13= 0.7000 nd7 =1.84666 νd7 =23.78
14= 7.7986 d14= 0.3000
15= 3.8662(非球面) d15= 1.0000 nd8 =1.69350 νd8 =53.21
16= 3.6817(非球面) d16= (可変)
17= 13.0325 d17= 2.0000 nd9 =1.48749 νd9 =70.23
18= 201.0398 d18= (可変)
19= ∞ d19= 1.5000 nd10=1.54771 νd10=62.84
20= ∞ d20= 0.8000
21= ∞ d21= 0.7500 nd11=1.51633 νd11=64.14
22= ∞ d22= 1.3599
23= ∞(像面)
非球面係数
第7面
K = 0
A4 = 2.0496 ×10-4
A6 =-3.4919 ×10-6
A8 = 7.4208 ×10-9
A10= 0.0000
第8面
K = 0
A4 =-3.6883 ×10-4
A6 = 3.4613 ×10-6
A8 =-9.0209 ×10-7
A10= 0.0000
第12面
K = 0
A4 = 5.4882 ×10-4
A6 =-1.8282 ×10-5
A8 = 1.6707 ×10-6
A10= 0.0000
第15面
K = 0
A4 =-8.1049 ×10-3
A6 =-4.3019 ×10-4
A8 =-3.1973 ×10-5
A10= 0.0000
第16面
K = 0
A4 =-6.4092 ×10-3
A6 =-7.3362 ×10-4
A8 = 2.9898 ×10-5
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.00844 10.40337 17.99810
NO 2.7659 2.9849 4.0444
2ω (°) 32.6 ° 19.2 ° 11.3 °
6 0.80018 8.47206 12.07930
10 12.67757 5.00686 1.39837
11 6.26991 5.19965 1.19782
16 1.70036 2.60388 9.42234
18 4.14771 4.30945 1.49796
以上の実施例1〜4の無限遠物点合焦時の収差図をそれぞれ図6〜図9に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端における球面収差SA、非点収差AS、歪曲収差DT、倍率色収差CCを示す。
次に、上記各実施例の条件(1)〜(13)の値、条件(14)に関するa、tLPF 及びLの値を示す。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
(1) 0.60560 0.57756 0.75702 0.61047
(2) 1.80610 1.80610 1.80610 1.80610
(3) 0.94808 0.94808 0.91016 0.91016
(4) 0.56208 0.79787 − −
(5) 0.56385 0.62526 − −
(6) 0.93560 1.06367 − −
(7) -0.00648 -0.05351 − −
(8) 1.71767 1.70435 − −
(9) 0.01821 0.15965 − −
(10) 1.0 1.0 1.0 1.0
(11) 0.04 0.04 0.04 0.04
(12) 0.0 0.0 0.0 0.0
(13) 1.06 1.06 1.06 1.06
a 3.5 2.5 2.0 3.0
LPF 0.42 0.30 0.24 0.36
L 7.3 7.3 7.3 7.3
ここで、電子撮像素子の有効撮像面の対角長Lと画素間隔aについて説明しておく。図10は、電子撮像素子の画素配列の1例を示す図であり、画素間隔aでR(赤)、G(緑)、B(青)の画素あるいはシアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の画素(図13)がモザイク状に配されている。有効撮像面は撮影した映像の再生(パソコン上での表示、プリンターによる印刷等)に用いる撮像素子上の光電変換面内における領域を意味する。図中に示す有効撮像面は、光学系の性能(光学系の性能が確保し得るイメージサークル)に合わせて、撮像素子の全光電変換面よりも狭い領域に設定されている。有効撮像面の対角長Lは、この有効撮像面の対角長である。なお、映像の再生に用いる撮像範
囲を種々変更可能としてよいが、そのような機能を有する撮像装置に本発明のズームレンズを用いる際は、その有効撮像面の対角長Lが変化する。そのような場合は、本発明における有効撮像面の対角長Lは、Lのとり得る範囲における最大値とする。
以上の各実施例において、最終レンズ群の像側には、近赤外カットフィルター又は近赤外カットコート面を入射面側に施した光学的ローパスフィルターLFを有している。この近赤外カットフィルター、近赤外カットコート面は、波長600nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が10%以下となるように構成されている。具体的には、例えば次のような27層の層構成からなる多層膜である。ただし、設計波長は780nmである。
基 板 材質 物理的膜厚(nm) λ/4
───────────────────────────────
第1層 Al2 3 58.96 0.50
第2層 TiO2 84.19 1.00
第3層 SiO2 134.14 1.00
第4層 TiO2 84.19 1.00
第5層 SiO2 134.14 1.00
第6層 TiO2 84.19 1.00
第7層 SiO2 134.14 1.00
第8層 TiO2 84.19 1.00
第9層 SiO2 134.14 1.00
第10層 TiO2 84.19 1.00
第11層 SiO2 134.14 1.00
第12層 TiO2 84.19 1.00
第13層 SiO2 134.14 1.00
第14層 TiO2 84.19 1.00
第15層 SiO2 178.41 1.33
第16層 TiO2 101.03 1.21
第17層 SiO2 167.67 1.25
第18層 TiO2 96.82 1.15
第19層 SiO2 147.55 1.05
第20層 TiO2 84.19 1.00
第21層 SiO2 160.97 1.20
第22層 TiO2 84.19 1.00
第23層 SiO2 154.26 1.15
第24層 TiO2 95.13 1.13
第25層 SiO2 160.97 1.20
第26層 TiO2 99.34 1.18
第27層 SiO2 87.19 0.65
───────────────────────────────
空 気 。
上記の近赤外シャープカットコートの透過率特性は図11に示す通りである。 また、ローパスフィルターLFの射出面側には、図12に示すような短波長域の色の透過を低滅する色フィルターを設けるか若しくはコーティングを行うことで、より一層電子画像の色再現性を高めている。
具体的には、このフィルター若しくはコーティングにより、波長400nm〜700nmで透過率が最も高い波長の透過率に対する420nmの波長の透過率の比が15%以上
であり、その最も高い波長の透過率に対する400nmの波長の透過率の比が6%以下であることが好ましい。
それにより、人間の目の色に対する認識と、撮像及び再生される画像の色とのずれを低減させることができる。言い換えると、人間の視覚では認識され難い短波長側の色が、人間の目で容易に認識されることによる画像の劣化を防止することができる。
上記の400nmの波長の透過率の比が6%を越えると、人間の目では認識され難い単波長城が認識し得る波長に再生されてしまい、逆に、上記の420nmの波長の透過率の比が15%よりも小さいと、人間の認識し得る波長城の再生が低くなり、色のバランスが悪くなる。
このような波長を制限する手段は、補色モザイクフィルターを用いた撮像系においてより効果を奏するものである。
上記各実施例では、図12に示すように、波長400nmにおける透過率を0%、420nmにおける透過率を90%、440nmにて透過率のピーク100%となるコーティングとしている。
前記した近赤外シャープカットコートとの作用の掛け合わせにより、波長450nmの透過率99%をピークとして、400nmにおける透過率を0%、420nmにおける透過率を80%、600nmにおける透過率を82%、700nmにおける透過率を2%としている。それにより、より忠実な色再現を行っている。
また、ローパスフィルターLFは、像面上投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に重ねて使用しており、それぞれについて、水平にaμm、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) ×aだけずらすことで、モアレ抑制を行っている。ここで、SQRTは前記のようにスクエアルートであり平方根を意味する。
また、CCDの撮像面I上には、図13に示す通り、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の色フィルターを撮像画素に対応してモザイク状に設けた補色モザイクフィルターを設けている。これら4種類の色フィルターは、それぞれが略同じ数になるように、かつ、隣り合う画素が同じ種類の色フィルターに対応しないようにモザイク状に配置されている。それにより、より忠実な色再現が可能となる。
補色モザイクフィルターは、具体的には、図13に示すように少なくとも4種類の色フィルターから構成され、その4種類の色フィルターの特性は以下の通りであることが好ましい。
グリーンの色フイルターGは波長GP に分光強度のピークを有し、
イエローの色フィルターYe は波長YP に分光強度のピークを有し、
シアンの色フィルターCは波長CP に分光強度のピークを有し、
マゼンダの色フィルターMは波長MP1とMP2にピークを有し、以下の条件を満足する。
510nm<GP <540nm
5nm<YP −GP <35nm
−100nm<CP −GP <−5nm
430nm<MP1<480nm
580nm<MP2<640nm
さらに、グリーン、イエロー、シアンの色フィルターはそれぞれの分光強度のピークに対して波長530nmでは80%以上の強度を有し、マゼンダの色フィルターはその分光強度のピークに対して波長530nmでは10%から50%の強度を有することが、色再現性を高める上でより好ましい。
上記各実施例におけるそれぞれの波長特性の一例を図14に示す。グリーンの色フィルターGは525nmに分光強度のビークを有している。イエローの色フィルターYe は555nmに分光強度のピークを有している。シアンの色フイルターCは510nmに分光強度のピークを有している。マゼンダの色フィルターMは445nmと620nmにピークを有している。また、530nmにおける各色フィルターは、それぞれの分光強度のピークに対して、Gは99%、Ye は95%、Cは97%、Mは38%としている。
このような補色フイルターの場合、図示しないコントローラー(若しくは、デジタルカメラに用いられるコントローラー)で、電気的に次のような信号処理を行い、
輝度信号
Y=|G+M+Ye +C|×1/4
色信号
R−Y=|(M+Ye )−(G+C)|
B−Y=|(M+C)−(G+Ye )|
の信号処理を経てR(赤)、G(緑)、B(青)の信号に変換される。
ところで、上記した近赤外シャープカットコートの配置位置は、光路上のどの位置であってもよい。また、ローパスフィルターLFの枚数も前記した通り2枚でも1枚でも構わない。
次に、本発明のズーム光学系の光路を折り曲げるための反射光学素子として適用可能な可変ミラーの構成例について説明する。
図15は、本発明のズームレンズの反射光学素子として適用可能な可変形状鏡(形状可変ミラー)409の1実施例を示す概略構成図である。
まず、光学特性可変形状鏡409の基本構成について説明する。
可変形状鏡409は、アルミコーティング等で作られた薄膜(反射面)409aと複数の電極409bを有してなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれぞれ接続された複数の可変抵抗器、414は複数の可変抵抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、415、416及び417はそれぞれ演算装置414に接続された温度センサー、湿度センサー及び距離センサーで、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を構成している。
可変形状鏡の面は、平面でなくてもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
なお、可変形状鏡の反射面の形状は、自由曲面に構成するのがよい。なぜなら、収差補正が容易にでき、有利だからである。
また、本発明で使用する自由曲面とは前記の(a)式で定義されるものである。
本実施例の可変形状鏡は、図15に示すように、薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子409cが介装されていて、これらが支持台423上に設けられている。そして、圧電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子409cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409aの形状を変えることができるようになっている。電極409bの形は、図16に示すように、同心分割であってもよいし、図17に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のものを選択することができる。図15中、424は演算装置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵抗器411を介して電極409bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
図18は、本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、薄膜409aと電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及び409c’で構成されている点で、図15に示された実施例の可変形状鏡とは異なる。すなわち、圧電素子409cと409c’が強誘電性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。この場合、圧電素子409cと409c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変形させる力が図15に示した実施例の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
圧電素子409c、409c’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3 とPbTiO3 の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記実施例において薄膜409aの形状を適切に変形させることも可能である。
また、圧電素子409c、409c’の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよい。
なお、図15、図18の圧電素子409cに電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板409c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造にしてもよい。
図19は、本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、圧電素子409cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、薄膜409aと電極409d間に演算装置414により制御される駆動回路425を介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台423上に設けられた電極409bにも演算装置414により制御される駆動回路425を介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、本実施例では、薄膜409aは電極409dとの間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
そして、薄膜409a、電極409d間の電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行い、微細な形状変化を静電気力で行ってもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極409dは電極409bのように複数の電極から構成されてもよい。この様子を図19に示した。なお、本願では、圧電効果と電歪効果、電歪を全てまとめて圧電効果と述べている。したがって、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
図20は、本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜409aが付設されていて、可変形状鏡409を構成している。基板409eの下面には複数のコイル427が配設されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置414に接続されている。したがって、各センサー415、416、417、424からの信号によって演算装置414において求められる光学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号により、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル427は反発又は吸着され、基板409e及び薄膜409aを変形させる。
この場合、各コイル427はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板409eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソグラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル427には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよい。
この場合、薄膜コイル427の巻密度を、図21に示すように、場所によって変化させることにより、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与えるようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体よりなる鉄心を挿入してもよい。
図22は、本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。図中、412は電源である。
本実施例の可変形状鏡では、基板409eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜コイルを設けなくてもすむから、構造が簡単で、製造コストを低減することができる。また、電源スイッチ413を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コイル427に流れる電流の方向を
変えることができ、基板409e及び薄膜409aの形状を自由に変えることができる。図23は、本実施例におけるコイル427の配置を示し、図24は、コイル427の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図20に示した実施例にも適用することができる。なお、図25は、図20に示した実施例において、コイル427の配置を図24に示したようにした場合に適する永久磁石426の配置を示している。すなわち、図25に示すように、永久磁石426を放射状に配置すれば、図20に示した実施例に比べて、微妙な変形を基板409e及び薄膜409aに与えることができる。また、このように電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409aを変形させる場合(図20及び図22の実施例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
以上、いくつかの可変形状鏡の実施例を述べたが、ミラーの形を変形させるのに、図19の例に示すように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等の中から2つ以上を同時に用いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり、2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
さて、以上のような本発明のズームレンズは、ズームレンズからなる結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
図26〜図28は、本発明によるズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図26はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図27は同後方斜視図、図28はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1の光路折り曲げズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、近赤外カットフィルターと光学的ローパスフィルターLFを介してCCD49の撮像面上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
なお、図28の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
次に、本発明のズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコンが図29〜図31に示される。図29はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図30はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図31は図29の状態の側面図である。図29〜図31に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による例えば実施例1の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される、図29には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
次に、本発明のズームレンズが撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である電話、特に持ち運びに便利な携帯電話が図32に示される。図32(a)は携帯電話400の正面図、図32(b)は側面図、図32(c)は撮影光学系405の断面図である。図32(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明による例えば実施例1の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像
素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
以上の本発明のズームレンズとそれを用いた電子撮像装置は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 物体側から順に、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群A、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群B、変倍時に位置が不動の開口絞りを有し、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1) 0.45<log γB /log γ<0.85
ただし、γ、γB はそれぞれ、
γ=fT /fW
γB =望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率とし、fW 、fT はそれぞれズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離とする。
〔2〕 広角端から望遠端に変倍する際、前記開口絞りよりも像側に、一方向にのみ移動するレンズ群を有することを特徴とする上記1記載のズームレンズ。
〔3〕 物体側から順に、負の屈折力であり変倍時に固定であるレンズ群A、正の屈折力であり変倍時に移動するレンズ群B、変倍時に位置が不動の開口絞りを有し、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1) 0.45<log γB /log γ<0.85
ただし、γ、γB はそれぞれ、
γ=fT /fW
γB =望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率とし、fW 、fT はそれぞれズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離とする。
〔4〕 前記開口絞りから像側に向かって順に、負の屈折力であるレンズ群C、正の屈折力であるレンズ群Dを有し、広角端から望遠端に変倍する際に、少なくとも一方のレンズ群が像側にのみ移動することを特徴とする上記3記載のズームレンズ。
〔5〕 前記レンズ群Aには光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり、前記レンズ群Bは広角端から望遠端に変倍する際に物体側にのみ移動することを特徴とする上記3又は4記載のズームレンズ。
〔6〕 前記レンズ群Aは、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1、光路を折り曲げるための反射光学素子、少なくとも正レンズを含む副群A2からなることを特徴とする上記1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
〔7〕 前記開口絞りより像側の何れかのレンズ群にて合焦を行うようにしたことを特徴とする上記1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
〔8〕 正の屈折力を有する全てのレンズ群に非球面を有することを特徴とする上記1から7の何れか1項記載のズームレンズ。
〔9〕 正の屈折力を有する全てのレンズ群が接合レンズ成分を含むことを特徴とする上記1から8の何れか1項記載のズームレンズ。
〔10〕 正の屈折力を有する全てのレンズ群が1つの接合レンズ成分のみで構成されていることを特徴とする上記1から9の何れか1項記載のズームレンズ。
〔11〕 光路を折り曲げるための反射光学素子が以下の媒質条件を満たすプリズムブロックで構成されていることを特徴とする上記1から10の何れか1項記載のズームレンズ。
ズームレンズ
(2) 1.55<npri <1.97
ただし、npri はプリズムブロックのd線に対する媒質の屈折率である。
〔12〕 前記プリズムブロックは以下の条件を満たすことを特徴とする上記11記載のズームレンズ。
(3) 0.5<d/L<1.2
ただし、dはプリズムブロックの光線入射面から光線射出面まで光軸に沿って測ったときの空気換算長、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長とする。
〔13〕 望遠端におけるレンズ群Bの以降の合成倍率が以下の条件を満たすことを特徴とする上記3から12の何れか1項記載のズームレンズ。
(4) 0.75<−βRt<1.5
ただし、βRtはレンズ群B以降の望遠端における合成倍率(無限遠物点)である。
〔14〕 無限遠合焦時に広角端から望遠端変倍する際のレンズ群の移動量が以下の条件を満たすことを特徴とする上記4から13の何れか1項記載のズームレンズ。
(5) −1.0<M3 /M2 <−0.3
ただし、M2 、M3 はそれぞれレンズ群B、レンズ群Cの移動量である。
〔15〕 無限遠合焦時に広角端から望遠端変倍する際のレンズ群の移動量が以下の条件を満たすことを特徴とする上記4から14の何れか1項記載のズームレンズ。
(6) 0.3<M4 /M3 <0.9
ただし、M3 、M4 はそれぞれレンズ群C、レンズ群Dの移動量である。
〔16〕 前記レンズ群Aの副群A2は、物体側から順に、正レンズ・負レンズの2枚で構成され、以下の条件を満たすことを特徴とする上記6から15の何れか1項記載のズームレンズ。
(7) −0.3<L/f12<0
ただし、f12はレンズ群Aの副群A2の焦点距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長
とする。
〔17〕 前記レンズ群Aが以下の条件を満たすことを特徴とする上記6から16の何れか1項記載のズームレンズ。
(8) 0.5<(R11F +R11R )/(R11F −R11R )<4.5
(9) 0<f11/f12<0.8
ただし、R11F 、R11R はそれぞれレンズ群Aの副群A1の負レンズの物体側の面、 像
側の面の光軸上での曲率半径、f11、f12はそれぞれレンズ群Aの副群A1、A2の焦点距離である。
〔18〕 前記光路を折り曲げるための反射光学素子が形状制御可能な形状可変ミラーからなることを特徴とする上記1から2、5から17の何れか1項記載のズームレンズ。
〔19〕 上記1から18の何れか1項記載のズームレンズと、その像側に配置された電子撮像素子とを備えたことを特徴とする電子撮像装置。

本発明により、物体側にミラー等の反射光学素子を挿入して光学系、特にズームレンズ系の光路(光軸)を折り曲げる構成とし、諸々の工夫を入れることにより、高ズーム比、広画角、小さいF値、少ない収差等、極力高い光学仕様性能を確保しながらも、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましく、また、奥行き方向が極めて薄いカメラとすることが可能となる。加えて、絞り、シャッター機構等を移動させない光学系とすることにより、奥行きをさらに薄くすることができる。
本発明のズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。 実施例2のズームレンズの図1と同様のレンズ断面図である。 実施例3のズームレンズの図1と同様のレンズ断面図である。 実施例4のズームレンズの図1と同様のレンズ断面図である。 実施例1のズームレンズの広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における光路図である。 実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例2の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例3の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例4の無限遠物点合焦時の収差図である。 電子撮像素子にて撮影を行う場合の有効撮像面の対角長について説明するための図である。 近赤外シャープカットコートの一例の透過率特性を示す図である。 ローパスフィルターの射出面側に設ける色フィルターの一例の透過率特性を示す図である。 補色モザイクフィルターの色フィルター配置を示す図である。 補色モザイクフィルターの波長特性の一例を示す図である。 本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡の1実施例を示す概略構成図である。 図15の実施例の可変形状鏡に用いる電極の1形態を示す説明図である。 図15の実施例の可変形状鏡に用いる電極の他の形態を示す説明図である。 本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。 本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。 本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。 図20の実施例における薄膜コイルの巻密度の状態を示す説明図である。 本発明のズーム光学系の反射光学素子として適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。 図22の実施例におけるコイルの1配置例を示す説明図である。 図22の実施例におけるコイルの他の配置例を示す説明図である。 図20に示した実施例において、コイルの配置を図24に示したようにした場合に適する永久磁石の配置を示す説明図である。 本発明による光路折り曲げズーム光学系を組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 図26のデジタルカメラの後方斜視図である。 図26のデジタルカメラの断面図である。 本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。 パソコンの撮影光学系の断面図である。 図29の状態の側面図である。 本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断面図である。
符号の説明
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
S…絞り
LF…光学的ローパスフィルター
CG…CCDのカバーガラス
I…CCDの像面
P…光路折り曲げプリズム(平行平板)
E…観察者眼球
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
112…対物レンズ
113…鏡枠
114…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路
409…可変形状鏡(光学特性可変形状鏡)
409a…薄膜(反射面)
409b…電極
409c…圧電素子
409c’…圧電素子
409c−1…基板
409c−2…電歪材料
409d…電極
409e…基板
411…可変抵抗器
412…電源
413…電源スイッチ
414…演算装置
415…温度センサー
416…湿度センサー
417…距離センサー
423…支持台
424…振れ(ブレ)センサー
425…駆動回路
426…永久磁石
427…コイル
428…駆動回路

Claims (17)

  1. 物体側から順に、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群Aと、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群Bと、変倍時に位置が不動の開口絞りと、レンズ群Cとレンズ群Dからなり、
    前記レンズ群Aは負の屈折力、前記レンズ群Bは正の屈折力、前記レンズ群Cは負の屈折力、前記レンズ群Dは正の屈折力を有し、
    前記レンズ群Aは、前記物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1、光路を折り曲げるための反射光学素子、少なくとも正レンズを含む副群A2からなり、
    以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) 0.45<log γB /log γ<0.85
    (6) 0.3<M4 /M3 <0.9
    (8) 0.5<(R11F +R11R )/(R11F −R11R )<4.5
    (9) 0<f11/f12<0.8
    ただし、γ、γB はそれぞれ、
    γ=fT /fW
    γB =望遠端における前記レンズ群Bの倍率/広角端における前記レンズ群Bの倍率とし、fW 、fT はそれぞれ前記ズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離、R11F 、R11R はそれぞれ前記レンズ群Aの副群A1の負レンズの物体側の面、像側の面の光軸上での曲率半径、f11、f12はそれぞれ前記レンズ群Aの副群A1、A2の焦点距離、M3 、M4 はそれぞれ、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際のレンズ群Cとレンズ群Dの移動量とする。
  2. 前記開口絞りより像側の何れかのレンズ群にて合焦を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 正の屈折力を有する全てのレンズ群に非球面を有することを特徴とする請求項1又は2記載のズームレンズ。
  4. 正の屈折力を有する全てのレンズ群が接合レンズを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
  5. 正の屈折力を有する全てのレンズ群が1つの接合レンズ成分のみで構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
  6. 前記光路を折り曲げるための反射光学素子が以下の媒質条件を満たすプリズムブロックで構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
    (2) 1.55<npri <1.97
    ただし、npri は前記プリズムブロックのd線に対する媒質の屈折率である。
  7. 前記光路を折り曲げるための反射光学素子が形状制御可能な形状可変ミラーからなることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
  8. 請求項6記載のズームレンズと、その像側に配置された撮像素子とを備え、
    前記プリズムブロックは以下の条件を満たすことを特徴とする電子撮像装置。
    (3) 0.5<d/L<1.2
    ただし、dは前記プリズムブロックの光線入射面から光線射出面まで光軸に沿って測ったときの空気換算長、Lは前記撮像素子の有効撮像領域の対角長とする。
  9. 請求項1から7の何れか1項記載のズームレンズと、その像側に配置された電子撮像素子
    とを備えたことを特徴とする電子撮像装置。
  10. ズームレンズと撮像素子を備えた電子撮像装置であって、
    前記ズームレンズは、物体側から順に、負レンズと光路を折り曲げるための反射光学素子を含んでおり変倍時に固定であるレンズ群Aと、広角端から望遠端に変倍する際に一方向にのみ移動するレンズ群Bと、変倍時に位置が不動の開口絞りと、レンズ群Cとレンズ群Dからなり、
    前記レンズ群Aは負の屈折力、前記レンズ群Bは正の屈折力、前記レンズ群Cは負の屈折力、前記レンズ群Dは正の屈折力を有し、
    前記レンズ群Aは、前記物体側に凸面を有する負メニスカスレンズを有する副群A1、光路を折り曲げるための反射光学素子、少なくとも正レンズを含む副群A2からなり、
    前記レンズ群Aの副群A2は、物体側から順に、正レンズ・負レンズの2枚で構成され、
    以下の条件を満足することを特徴とする電子撮像装置。
    (1) 0.45<log γB /log γ<0.85
    (6) 0.3<M4 /M3 <0.9
    (7) −0.3<L/f12<0
    ただし、γ、γB はそれぞれ、
    γ=fT /fW
    γB =望遠端における前記レンズ群Bの倍率/広角端における前記レンズ群Bの倍率とし、fW 、fT はそれぞれ前記ズームレンズ全系の広角端、望遠端の焦点距離、f12は前記レンズ群Aの副群A2の焦点距離、Lは前記撮像素子の有効撮像領域の対角長、M3 、M4 はそれぞれ、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際のレンズ群Cとレンズ群Dの移動量とする。
  11. 前記開口絞りより像側の何れかのレンズ群にて合焦を行うようにしたことを特徴とする請求項10記載の電子撮像装置。
  12. 正の屈折力を有する全てのレンズ群に非球面を有することを特徴とする請求項10又は11記載の電子撮像装置。
  13. 正の屈折力を有する全てのレンズ群が接合レンズを含むことを特徴とする請求項10から12の何れか1項記載の電子撮像装置。
  14. 正の屈折力を有する全てのレンズ群が1つの接合レンズ成分のみで構成されていることを特徴とする請求項10から13の何れか1項記載の電子撮像装置。
  15. 前記光路を折り曲げるための反射光学素子が以下の媒質条件を満たすプリズムブロックで構成されていることを特徴とする請求項10から14の何れか1項記載の電子撮像装置。
    (2) 1.55<npri <1.97
    ただし、npri は前記プリズムブロックのd線に対する媒質の屈折率である。
  16. 前記プリズムブロックは以下の条件を満たすことを特徴とする請求項15記載の電子撮像装置。
    (3) 0.5<d/L<1.2
    ただし、dは前記プリズムブロックの光線入射面から光線射出面まで光軸に沿って測ったときの空気換算長、Lは前記撮像素子の有効撮像領域の対角長とする。
  17. 前記光路を折り曲げるための反射光学素子が形状制御可能な形状可変ミラーからなることを特徴とする請求項10から14の何れか1項記載の電子撮像装置。
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