JP2009122211A - 感光性樹脂転写層の形成方法及び成形体の製造方法 - Google Patents

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亮 酒井
Kazuhiko Nagai
一彦 長井
Sadayuki Ono
禎之 小野
Yasuhiro Tone
庸浩 刀根
Yoshiaki Ueda
義明 植田
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Abstract

【課題】工程が簡便で、歩留まりが高く、高精度なアスペクト比の高い微細な構造体の形成を可能にする感光性樹脂製の転写層並びに高アスペクト比の構造体を有する成形体を簡便に作成する方法を確立する。
【解決手段】表面に凹凸の設けられた基板と表面に感光性樹脂層が形成された基材とを該凹凸と感光性樹脂層が内側になるように対向させ、次いで、前記基板と感光性樹脂層を圧着させた後、基材を感光性樹脂層から剥離することにより凹凸の設けられた基板上に感光性樹脂製の転写層を形成する方法において、前記感光性樹脂層が多官能エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする前記転写層の形成方法、及びこのようにして得られた転写層にフォトリソグラフィーによるパターニングを施すことにより得られる高アスペクト比の構造体を有する成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂製の転写層(以下、本発明では単に「感光性樹脂転写層」又は「転写層」という)の形成方法及び成形体の製造方法に関する。更に詳しくは表面に凹凸のある基板上に感光性樹脂転写層を形成する方法、及び前記により得られた感光性樹脂転写層にフォトリソグラフィーの手法を施し、高精度でアスペクト比の高い微細な構造体を設けた成形体を製造する方法に関する。
近年半導体技術を応用したMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムズ)デバイスが盛んに研究され、センサー、インクジェットプリンターヘッド等様々な分野で実用化が進みつつある。MEMS分野において、各構造体の設計、作製技術は多様化しており、要求される構造体の寸法は、当初は数マイクロ〜サブミリ程度であったが、最近ではナノレベルから数ミリまで広範囲にわたっている。MEMS技術では、通常シリコン基板上に機能化された膜又は構造体を積層してデバイスを作製する。このような製造方法においては、幅と高さの比(アスペクト比)が高い構造体は、アスペクト比が低い構造体に比較して一般に作製が困難とされている。高アスペクト比の構造体を作る方法としては種々提案され、又その一部は工業的にも実施されている。例えば、ネガ型厚膜フォトレジスト(例えば、商品名SU−8、マイクロケム社製)を用いたフォトリソグラフィーによる手法がよく用いられている。フォトリソグラフィーにおいては、基板上でパターニング露光し、ついで、現像液で現像することにより、露光領域又は非露光領域を選択的に除去し、微小な構造体が作成されている。従来、平面基板上に感光性樹脂層を形成しフォトリソグラフィーによりパターンを得る方法が一般的であったが、目標とする構造体が複雑になるのに伴い、表面に凹凸のある基板上に感光性樹脂層を簡便な工程により高い歩留まりで形成する方法の確立要求が高まっている。平面基板上に感光性樹脂層を形成する場合はスピンコート法が一般的に用いられるが、このスピンコート法は簡便に且つ均一な感光性樹脂厚膜層を形成できるという利点がある反面、表面に凹凸のある基板に適用しようとすると凹凸上の段差と感光性樹脂厚膜層との間に空気を巻き込み易く、均一で平面性に優れた感光性樹脂厚膜層が得られ難いという欠陥がある。
表面に凹凸のある基材に感光性樹脂厚膜層を形成する別の方法としてはスプレー法がある(非特許文献1)。スプレー法によって凹凸状の段差のある基板上に感光性樹脂層を塗布することが可能であるが、原理上、基板の凹凸により感光性樹脂厚膜層表面に凹凸が生じて、後のフォトリソグラフィー工程で段差底部の形状に影響を与えることがある。また、一般にパターンエッジでの膜切れや底部のピンホールといった欠陥も生じやすい。
別の方法としてラミネート法がある。特許文献1には半導体基板上に絶縁膜などの薄膜を形成する薄膜形成方法が記載されている。記載されているものは永久的な薄膜であり、MEMS分野で要求の高い後の工程で任意の構造体を作成することを可能にする感光性樹脂厚膜層の形成方法ではない。
ライトエッジ No.23(インターネット版 ウシオ電機株式会社) 特許第3518570号明細書
本発明は、感光性樹脂転写層の形成方法及び成形体の製造法に関する。更に詳しくは、表面に凹凸のある基板上に感光性樹脂転写層を形成する方法、及び得られた転写層にフォトリソグラフィーの手法を施し、高精度でアスペクト比の高い微細な構造体を有する成形体を製造する方法に関する。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物を用いて転写層を形成することにより、前記課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、
(1)表面に凹凸の設けられた基板の凹凸面と表面に感光性樹脂層が形成された基材の感光性樹脂層面を対向させ、次いで、前記凹凸面と感光性樹脂層面を圧着させた後に基材を感光性樹脂層から剥離することにより凹凸の設けられた基板上に転写された感光性樹脂層に、フォトリソグラフィーによりパターニングを施すことにより基板表面の凹凸上へ構造体を形成する方法において、前記感光性樹脂層が多官能エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物である構造体の形成方法、
(2)多官能エポキシ樹脂が下記式(1)で示される化合物を含有するエポキシ樹脂である(1)に記載の構造体の形成方法、
(式(1)中、複数個のRはそれぞれ独立にグリシジル基又は水素原子を、nは1〜30の整数をそれぞれ示す。)
(3)光カチオン重合開始剤が芳香族スルホニウム塩である請求項1又は請求項2に記載の構造体の形成方法、
(4)基板と感光性樹脂層が形成された基材を、真空中、加熱下に基材上からロールにより圧着させることによる(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の構造体の形成方法、
(5)基板表面の凹凸が溶解可能な樹脂により形成されたものである(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の構造体の形成方法、
(6)(5)に記載の基板表面の凹凸上に設けられた感光性樹脂層に、フォトリソグラフィーによるパターニングを行って構造体を形成したあと、該溶解可能な樹脂により形成された凹凸を溶解、除去することによる構造体の形成方法、
(7)凹凸の設けられた基板上に転写された感光性樹脂層の厚さが2〜100μmの範囲である(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の構造体の形成方法、
(8)構造体部のアスペクト比が5以上である(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の構造体の形成方法、
に関する。
工程が簡便で、工程歩留まりが高く、高精度でアスペクト比の高い微細な構造体の形成を可能にする感光性樹脂製の転写層並びに基板上の凹凸上に高アスペクト比の構造体を有する成形体を簡便に作成する方法が確立された。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、表面に凹凸のある基板と表面に感光性樹脂層が形成された基材とを該凹凸と感光性樹脂層が内側になるように対向させ、基板と基材を真空中で加熱圧着させ、冷却後に基材を感光性樹脂層から剥離することにより基板に感光性樹脂転写層を形成する方法において、感光性樹脂層が多官能エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂転写層の形成方法と、前期感光性樹脂転写層にフォトリソグラフィーによるパターニングを施すことにより得られる形成体に関する。
まず、表面に凹凸の設けられた基板について説明する。
本発明における表面に凹凸の設けられた基板は、シリコン、石英、ガラス、サファイア、金属、セラミックなどの無機材料、又はポリイミド、アクリルなどの有機材料でできた基板の表面に、フォトリソグラフィー、エッチング、切削、塗布などにより微細な凹凸の構造を形成せしめたものである。凹凸部と基板の材料は同一であっても異なっていてもよい。凹凸の断面形状は最終製品に要求される形状により、半円、半楕円など曲線形状、三角形、正方形、長方形、台形など多角形及びそれらの組み合わせからなることが出来、その形状に制限はない。凹凸の高さは、通常0.1〜1,000μm、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは5〜100μmであり、高さが異なる凹凸が同一基板上に存在していても良い。
このような凹凸の設けられた基板としては、最終製品に要求される形態に応じ様々なものが利用可能だが、表面の凹凸が溶解可能な樹脂層により形成された基板であってもよい。溶解可能な樹脂としては感光性樹脂転写層の硬化物を溶解しない溶剤や水溶液等に溶解可能か、又は光の照射により溶解可能になる樹脂ならどのようなものでも良い。具体例としては、基板表面における凹凸の形成が容易であることから、例えばシリコンウエハ上にジアゾナフトキノン−ノボラック系ポジ型レジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストの凹凸のパターンが作製された基板が挙げられる。
次に、基材上に形成される感光性樹脂層について説明する。
本発明において基材上に形成される感光性樹脂層は、適宜溶剤等で希釈した各感光性樹脂組成物を、基材上にスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター、アプリケーター等を用いて塗布した後、45〜100℃に設定した乾燥炉で乾燥し、所定量の溶剤を除去することにより調製される。基材としては室温付近の温度で感光性樹脂層が剥離可能な基材であればどのようなものを使ってもよいが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルローストリアセテート、ポリイミド等のフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン及びポリプロピレンの各フィルムが特に好ましい。これらのフィルムは、必要に応じてシリコン系離型処理剤や非シリコン系離型処理剤等により離型処理されてあってもよい。感光性樹脂層の厚さは通常1〜500μm、好ましくは2〜100μmの範囲で凹凸パターンの厚さより厚いことが好ましく、所望とする構造体の大きさ等により適宜調整される。
本発明において基材上に形成される感光性樹脂層は多官能のエポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする。
使用し得る多官能エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジ(メトキシメチルフェニル)とフェノールとを反応させて得られる樹脂のフェノール性水酸基とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これら多官能エポキシ樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
使用し得る多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は150〜400が好ましい。エポキシ当量が150よりも小さい場合には、硬化収縮が大きく硬化物の反りやクラックが発生し易い。一方、エポキシ当量が400よりも大きい場合には、架橋密度が小さくなり、硬化膜の強度や耐薬品性、耐熱性、耐クラック性が低下する。
また、使用し得る多官能エポキシ樹脂の軟化点は50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。軟化点が50℃よりも低い場合にはパターニングする際にマスクスティッキングが発生しやすく、さらに、ドライフィルムレジストとして使用する際にも常温で軟化するのでハンドリングが困難である。一方、軟化点が100℃よりも高い場合には、ドライフィルムレジストを基板へラミネートする際に軟化し難く、基板への貼合性が悪くなる。
このような性能を有する多官能エポキシ樹脂は市場から容易に入手が可能で、例えば、EPON SU−8(レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ製、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂)、NER−7604(日本化薬(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂)、NER−1302(日本化薬(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂)、EOCN4400(日本化薬(株)製、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、NC−3000H(日本化薬(株)製、ジ(メトキシメチルフェニル)とフェノールとを反応させて得られる樹脂のフェノール性水酸基とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
特に好ましい多官能エポキシ樹脂としては、次の構造を有する化合物を含有するエポキシ樹脂(EPON SU−8(上記))が挙げられる。
(式(1)中、複数個のRはそれぞれ独立にグリシジル基又は水素原子を、nは1〜30の整数をそれぞれ示す。)
本発明において基材上に形成される感光性樹脂層に使用し得る光カチオン重合開始剤としては、上記多官能エポキシ樹脂を硬化させるに十分な性能を持つものならばどのようなものであってもよいが、そのような光カチオン重合開始剤の例として芳香族ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩を挙げることができる。
このうち、芳香族ヨードニウム塩の具体例としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
又、芳香族スルホニウム塩の具体例としては、特に、CPI−101A(サンアプロ(株)製、チオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート)、SP−172(旭電化工業(株)製、4−{4−(2−クロロベンゾイル)フェニルチオ}フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、及びUVI−6974(ダウケミカル製、芳香族スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物)等が好適であるが、本発明においては熱的に安定である為、上記したような芳香族スルホニウム塩を用いるのが好ましい。これらの光カチオン重合開始剤は単独又は2種以上を併用しても差し支えない。
光カチオン重合開始剤は一般に光を吸収する作用を持っている為、厚膜の転写層(例えば膜厚50μm以上)に光カチオン重合開始剤を多量に使用した場合(具体的には15質量%を超える量)には、硬化させる際の光を深部へ充分に透過させることが出来なくなる一方で、少量を使用した場合(具体的には3質量%未満)には充分な硬化速度を得ることが難しくなる。薄膜の転写層(例えば膜厚50μm以下)においては、多量に使用した場合でも深部への光の透過に関しては問題ないが、高価な開始剤を不必要に使用することになる為経済的ではなく、少量(具体的には1質量%以上)の添加で充分な性能を発揮する。これらの点から、光カチオン重合開始剤の含有割合は、多官能エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤の合計を感光性樹脂の固形分として、その固形分中、通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明において、基材上に形成される感光性樹脂層には感度向上のために増感剤が含有されていても良い。増感剤としては、350nm以上の光に吸収があり併用されている光カチオン開始剤に増感作用があるものならいずれでも用いることができる。使用し得る増感剤としては、例えば、9位と10位にアルコキシ基を有するアントラセン化合物(9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体)が挙げられる。ここでアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体は、さらに置換基を有していても良い。置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のC1〜C4のアルキル基やスルホン酸アルキルエステル基、カルボン酸アルキルエステル基等が挙げられる。スルホン酸アルキルエステル基やカルボン酸アルキルエステルにおけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1〜C4のアルキルが挙げられる。これらの置換基の置換位置は2位が好ましい。
9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体の具体例としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン等が例示される9,10−ジアルコキシアントラセンの他、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジエトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジプロポキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−クロロアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジメトキシアントラセン−2−カルボン酸メチルエステル等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。樹脂成分への溶解性に優れることから、上記増感剤のうち9,10−ジアルコキシアントラセンが好ましく、9,10−ジブトキシアントラセンが特に好ましい例として挙げられる。
増感剤の使用量は感光性樹脂層の感光に用いる光の波長によって適宜変更するのが好ましい。増感剤が十分な光吸収を得ることのできる波長域の光を感光に用いる場合は、増感剤の使用量が多すぎると感光性樹脂層の上部で多くの光が吸収されることで下部に届く光の量が低下し、十分な硬化や解像性が得られない虞がある。そのため増感剤は光カチオン重合開始剤の質量に対して3質量%以下、好ましくは1質量%以下用いるのが良い。
一方、増感剤が十分な光吸収を得ることのできない波長域の光を感光に用いる場合は、増感剤の使用量が少なすぎると光カチオン重合開始剤に対する増感が十分に行われず、十分な硬化や解像性が得られない虞がある。そのため増感剤は光カチオン重合開始剤の質量に対して1質量%以上、好ましくは5質量%以上用いるのが良い。
本発明において、感光性樹脂層を基材上に形成するに当たっては、下記するような有機溶剤を用いて塗工液とし基材に塗工するのが好都合である。このような溶剤としては、一般に使われる有機溶剤で塗工液中の各成分の溶解が可能であるものはいずれも用いることができる。使用し得る有機溶剤の具体例としては、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、メタノール、エタノール、セレソルブ、メチルセレソルブなどのアルコール類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類等を挙げることができる。
これら溶剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。ここで用いる有機溶剤は、基材へ塗布する際の膜厚や塗布性を調整する目的で加えるものであり、前記多官能エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤の溶解性、各成分の揮発性、塗工液の液粘度を適正に保持すべく、塗工液中の含有量は、通常5〜95質量%、好ましくは10〜90質量%である。
本発明において、基材上に形成される感光性樹脂層には、感光性樹脂層の反応性や硬化膜の物性、パターンの性能等を改善する目的で混和性のある反応性エポキシモノマーを配合してもよい。反応性エポキシモノマーとしてはグリシジルエーテル化合物等が使用でき、例えばジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ED506(旭電化工業(株)製、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)、ED505(旭電化工業(株)製、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。反応性エポキシモノマーは液状のものが多く、該成分が液状である場合に20質量%よりも多く配合すると溶剤除去後の皮膜にベタツキが生じることでマスクスティッキングが起きやすいなどの不都合が起こる可能性がある。この点から、これらの反応性エポキシモノマーを配合する場合には、その配合量は、多官能エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤、反応性エポキシモノマーの合計を感光性樹脂層の固形分とした場合、その固形分中に好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
本発明において、基材上に形成される感光性樹脂層には、さらに基板に対する組成物の密着性を向上させる目的で、混和性のある密着性付与剤を配合してもよい。密着性付与剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を用いることができ、好ましいものはシランカップリング剤である。
上記シランカップリング剤としては、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これら密着性付与剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。密着性付与剤を多量に配合すると硬化前の感光性樹脂転写層の軟化点が低下し、マスクスティッキングを起こす。基材によっては少量でも効果を発揮することから、悪影響を及ぼさない範囲内での配合が適当であり、その配合量は前記固形分に対して15質量%以下が好ましく、特に好ましくは5質量%以下である。
本発明において基材上に形成される感光性樹脂層には、光カチオン重合開始剤由来のイオンによる悪影響を低減する必要がある場合には、イオンキャッチャーを配合しても良い。用い得るイオンキャッチャーとしてはトリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリスブトキシアルミニウム等のアルコキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム、トリスパラメチルフェノキシアルミニウム等のフェノキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、ジアセチルアセトナトジピバロイルメタナトアルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物が挙げられる。これら成分は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その配合量は、通常前記固形分に対して10質量%以下である。
本発明において基材上に形成される感光性樹脂層には、更に必要に応じて、それ自体公知の熱可塑性樹脂、着色剤、増粘剤、消泡剤、レべリング剤等の各種添加剤を添加してもよい。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート等が挙げられ、着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジン・グリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等が挙げられ、増粘剤としては、例えオルベン、ベントン、モンモリロナイト等が挙げられ、消泡剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系及び高分子系等の消泡剤が挙げられる。これらの添加剤等を使用する場合、その含有量は本発明の感光性樹脂層中に30質量%以下が一応の目安であるが、使用目的に応じ適宜増減し得る。
又、本発明において、基材上に形成される感光性樹脂層には、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤を配合してもよい。その配合量は、感光性樹脂層中に60質量%以下である。
次に、本発明の転写層を形成する方法について説明する。
本発明において、対向させた基板と感光性樹脂層を有する基材を圧着させる工程は、感光性樹脂層に気泡が混入することを防ぐために、真空下で基板と基材の一方もしくは両方を加熱した後に一定の圧力で圧着させるのがよい。圧着させた基板と感光性樹脂層を有する基材から冷却後に基材を剥離することにより、基板の凹凸上に感光性樹脂層を転写することができる。このような工程を行う手法としては種々の方法を採用しうるが、真空チャンバー内の凹凸面を上にして固定された加熱可能な基板の上方に、感光性樹脂層側を下向きに基材を基板と接触させずに並行に設置し、加熱可能なローラーを一定方向に動かすことにより基板と感光性樹脂層を有する基材を圧着させるのが好ましい。この際の真空度が高すぎると感光性樹脂層中の成分が揮発することで性能が劣化する虞があり、逆に真空度が低すぎると感光性樹脂層と凹凸の間に気泡が混入する虞がある。そのため真空度の範囲は通常0.1〜10,000Pa、好ましくは1〜1,000Pa、さらに好ましくは50〜200Paである。加熱する温度は感光性樹脂層を形成する樹脂の軟化点にもよるが通常20〜150℃、好ましくは40〜100℃である。圧着する際の圧力は、通常0.05〜10MPa、好ましくは0.1〜3MPaである。
加熱圧着後に基板と基材を共に−20〜40℃、好ましくは5〜25℃に冷却し、その温度で基材を剥離することによって基板上に転写層を設けることが出来る。
本発明において、表面に凹凸のある基板と表面に感光性樹脂層が形成された基材とを対向させる工程は、基板表面の凹凸と基材上の感光性樹脂層が対向していればよく、基板と基材の傾き、上下の位置等については特に制限はないが、凹凸面を上に向けて基板を水平に設置し、その上方に感光性樹脂層を下にして基材が設置される位置関係が好ましい。
更に、本発明の成形体の形成方法の一例について、第1図及び第2図に基づき説明する。
前記記載の方法により凹凸のある基板の表面に設けられた感光性樹脂転写層に、フォトリソグラフィーによるパターニングで構造体を形成することにより、凹凸上に構造体を有する形成体が得られる。
まず、凹凸面を上に向けた基板の上方に、感光性樹脂層を下に向けた基材を対向させ(第1図(a))、次に真空下、加熱しながら基板と基材を圧着させ、冷却後基材のみを剥離して基板の凹凸上に転写層を設ける(第1図(b)、(c))。転写層を設けるに当たり、第2図に示されるようにロールを用いて、加熱板上で感光性樹脂層を有する基材を圧着し、凹凸上に感光性樹脂層をラミネートする方法は好ましい方法である。
次に、表面に凹凸のある基板上に設けられた転写層に所定のパターンを有するマスクを介して高圧水銀灯などの光源を、マスクアライナー、ステッパー、プロキシミティ露光装置などを用いて照射する(第1図(d))。この際に必要なエネルギー量は転写層の組成にもよるが、通常10〜10,000mJ/cmである。
次に、加熱処理により感光した部分のみを硬化させる工程を施す(第1図(e))。加熱処理は、ホットプレート、オーブン等を用い、60〜150℃の温度で1〜30分加熱する。未照射の転写層を現像する工程は、転写層を設けた基板ごと現像液に浸漬する方法又は現像液をスプレーなどで吹き付ける方法等より行われる(第1図(f))。現像にはパドル型、スプレー型、シャワー型等の現像装置を用いてもよく、必要に応じて超音波照射を行ってもよい。現像液としては、未硬化の感光性樹脂層を溶解させることのできる溶剤であればいずれでもよいが、例えばγ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤を用いることができる。
浸漬する方法では、通常15〜60℃、1分〜2時間の処理が行われる。又、現像液をスプレーなどで吹き付ける方法では、通常15〜60℃で行われる。
以上のようにして、基板上に設けられる構造体のアスペクト比は、5以上であるものが好ましい。
尚、本発明において、基板上の凹凸部が溶解可能な樹脂層により形成されている場合は、表面に凹凸部のある基板上に得られた転写層を前記方法にてフォトリソグラフィーによりパターニングした後に別工程で、あるいは転写層のパターニングの際の現像と同時に、凹凸部を溶解し中空構造などの精密で複雑な構造体を有する成形体を製造することができる(第1図(g))。凹凸部及び未硬化転写層を一括して現像する工程は、転写層を設けた基板ごと現像液に浸漬する方法又は現像液をスプレーなどで吹き付ける方法等より行われる。現像にはパドル型、スプレー型、シャワー型等の現像装置を用いてもよく、必要に応じて超音波照射を行ってもよい。現像液としては、凹凸部及び未硬化転写層を同時に溶解させることのできる溶剤であればいずれでもよいが、例えばγ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤を用いることができる。
浸漬する方法では、通常15〜60℃、1分〜2時間の処理が行われる。又、現像液をスプレーなどで吹き付ける方法では、通常15〜60℃で行われる。
本発明においては、必要により、現像後の成形体に付着した現像液を除くために、溶剤で洗浄してもよい。洗浄には新しい現像液又は現像液と相溶性が有り、成形体を溶解したり、膨潤させたりしない溶剤ならいずれでも用いることが出来るが、イソプロピルアルコールを用いるのが好ましい。現像後又は洗浄後に成形体に付着した溶剤を除去するために、必要に応じて、乾燥してもよい。乾燥は、室温で放置し自然乾燥する、乾燥空気や乾燥窒素などを噴きつけ乾燥する等の方法を採用できる。
本発明においては、必要に応じて成形体をさらに硬化させ強度を増すために熱処理を施すことができる。この熱処理はホットプレートやオーブンで行い、例えば、温度100〜200℃で15分〜3時間加熱することにより行われる。
本発明により、表面に凹凸のある基板上にフォトリソグラフィーで微細で高アスペクト比で厚膜パターンを形成することが可能であり、高微細、高アスペクト比といったMEMSデバイス、パッケージング、インクジェットヘッドなどに必要とされる特性を備えた永久レジスト及び硬化物が容易に得られる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。尚、実施例、比較例、参考例において、特に断りのない限り、部は質量部を、%は質量%をそれぞれ意味する。
実施例1〜3
(表面に凹凸のある基板の作製)
4インチのシリコンウエハ上にSU−8 3035(化薬マイクロケム社製、ネガ型レジスト)をスピンコートした後、ホットプレートにより65℃で5分および95℃で15分プリベークし、30μmの膜厚のレジスト層を得た。その後、L/S(ライン/スペース)=100μm/245μmのパターンを与えるマスクを介し、マスクアライナー露光装置によりパターン露光(ソフトコンタクト)を行った。露光はマスク転写精度が最良となる露光量で行い、この際のエネルギー量は200mJ/cmであった。ホットプレートにより95℃で6分、露光後ベーク(PEB)を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて浸漬法により23℃で6分間現像処理を行い、表面に凹凸のある基板を得た。
(転写層が形成された基材の作製)
下記表1に記載の組成(単位は部)に従って、多官能エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及びその他の成分を混合し感光性樹脂層(転写層)形成用の感光性樹脂組成物(塗工液)を得た。
表1 感光性樹脂組成物の組成表
実施例1 実施例2 実施例3
(A−1) 100 50
(A−2) 25
(A−3) 25
(A−4) 100
(B−1) 8 8
(B−2) 8
(C) 50 50 50
(D) 4 4
(E) 2 2 2
(注)
(A−1)多官能エポキシ樹脂;EPON SU−8(前記)
(A−2)多官能エポキシ樹脂;NER−7604(前記)
(A−3)多官能エポキシ樹脂;EHPE3150(商品名、脂肪族多官能エポキシ樹脂、ダイセル化学社製)
(A−4)多官能エポキシ樹脂;EOCN4400(前記)
(B−1)光カチオン重合開始剤;UVI−6974(前記、50%炭酸プロピレン溶液)
(B−2)光カチオン重合開始剤;CPI−101A(前記、50%炭酸プロピレン溶液)
(C)溶剤(エチルメチルケトン)
(D)反応性エポキシモノマー;ED506(商品名、アデカ社製)
(E)シランカップリング剤;S510(商品名、チッソ社製)
実施例1〜3の感光性樹脂塗工液を、基材である膜厚60μmのポリプロピレン(PP)フィルム上にアプリケーターを用い均一に塗布し、温風対流乾燥機により65℃で10分および80℃で15分乾燥することにより、膜厚25μmの感光性樹脂層が形成された基材を各々得た。
(加熱圧着による転写工程)
前記表面に凹凸のある基板を真空チャンバー内に設置されたホットプレート上に凹凸を上向きにして真空チャックで固定し55℃に加熱した。次に感光性樹脂層が形成された基材の転写層を下向きに5mmのギャップを開けて基板に平行に固定した。真空チャンバー内を真空度100Paまで減圧したのち、基材側から直径5cmのゴム製ロールで0.5MPaの圧力をかけ10mm/秒の速度でラミネートした。真空チャンバーから取り出し、25℃に冷却後PPフィルムを剥離して表面に凹凸のある基板上に転写層が形成された基板を各々得た。転写層を、上部から光学顕微鏡を用い、また断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて欠陥(気泡、パターン、はく離等)の有無を観察した。また、触針式膜厚計(ET4000AK、小坂研究所製)にてL/S上の凹凸(JIS規定によるRy値)を測定した。それらの結果を表2に示す。
表2
欠陥の有無 Ry値(μm)
実施例1 無 0.4
実施例2 無 0.4
実施例3 無 0.3
実施例4
実施例2で作製した転写層にL/S=1〜25μmのマスクパターンを基板上の凹凸パターンと垂直になるように配置し、露光装置(ウシオ電機社製、i線)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト)を行った。露光はマスク転写精度が最良となる露光量で行い、この際のエネルギー量は200mJ/cmであった。ホットプレートにより95℃で6分、露光後ベーク(PEB)を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて浸漬法により23℃で6分間現像処理を行い凹凸のある基板上にパターニングされた感光性樹脂硬化物パターン(構造体)を得た。この構造体のアスペクト比をSEMで測定したところ6であった。
成形体を製造する工程のうち、基板上の凹凸上に転写層を設ける迄の工程の模式図 成形体を製造する工程のうち、転写層にリソグラフイを施す工程以降の工程の模式図 基板上の凹凸に感光性樹脂層を圧着する工程の模式図
符号の説明
第1図及び第2図において、各記号の意味は次の通りである。
1 基材
2 感光性樹脂層
3 凹凸
4 基板
5 光(照射)
6 マスク
7 硬化層
8 構造体
9 加圧用ロール
10 加熱板

Claims (8)

  1. 表面に凹凸の設けられた基板の凹凸面と表面に感光性樹脂層が形成された基材の感光性樹脂層面を対向させ、次いで、前記凹凸面と感光性樹脂層面を圧着させた後に基材を感光性樹脂層から剥離することにより凹凸の設けられた基板上に転写された感光性樹脂層に、フォトリソグラフィーによりパターニングを施すことにより基板表面の凹凸上へ構造体を形成する方法において、前記感光性樹脂層が多官能エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物である構造体の形成方法。
  2. 多官能エポキシ樹脂が下記式(1)で示される化合物を含有するエポキシ樹脂である請求項1に記載の構造体の形成方法。

    (式(1)中、複数個のRはそれぞれ独立にグリシジル基又は水素原子を、nは1〜30の整数をそれぞれ示す。)
  3. 光カチオン重合開始剤が芳香族スルホニウム塩である請求項1又は請求項2に記載の構造体の形成方法。
  4. 基板と感光性樹脂層が形成された基材を、真空中、加熱下に基材上からロールにより圧着させることによる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の構造体の形成方法。
  5. 基板表面の凹凸が溶解可能な樹脂により形成されたものである請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の構造体の形成方法。
  6. 請求項5に記載の基板表面の凹凸上に設けられた感光性樹脂層に、フォトリソグラフィーによるパターニングを行って構造体を形成したあと、該溶解可能な樹脂により形成された凹凸を溶解、除去することによる構造体の形成方法。
  7. 凹凸の設けられた基板上に転写された感光性樹脂層の厚さが2〜100μmの範囲である請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の構造体の形成方法。
  8. 構造体部のアスペクト比が5以上である請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の構造体の形成方法。
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