JP2009121634A - エアシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】微小な圧力範囲においても作動し、応答性に優れたダンパー機能を有する定圧シリンダ等として広範囲に使用できるエアシリンダを提供する。
【解決手段】ピストン20を作動させるためキャップ側から供給された圧縮空気を、ピストン20を介してヘッド側へ漏らすための間隙30をピストン外周面20aとシリンダ本体1の内面の間に形成する。ピストンロッド4の軸受部5には、シリンダ内の空気を外部に排出可能な空間70を設ける。ピストン作動時に供給された圧縮空気の一部は、間隙を通過してヘッド側へ漏れる。このエアシリンダでは、低圧力での駆動が可能で、かつ、シリンダ出力に対抗する力(反力)が変化してもシリンダ出力は常に一定に保持される。
【選択図】図3

Description

本発明は、微低圧でも滑らかにピストン移動を行うことができ、かつピストンのストローク範囲内では常に一定のシリンダ出力を発生させることが可能なエアシリンダに関する。
気密性を備えたピストンを用いるエアシリンダを低出力で作動させるには、ピストン径をできるだけ小径にしてピストンの摺動抵抗を小さくする必要がある。この場合は、シリンダやピストンロッドも小径となるため、耐久性において限界が生じ、ロングストロークでの使用、または高速、高頻度駆動等には不向きになる。また、それでも、ピストンとシリンダとの摺動抵抗のためピストンの駆動には0.1MPa程度の圧力が必要となる。
このような問題を解決するためピストン径等を小さくせずに、図9に示すように、例えば、ピストンロッド106の軸受107にリニアベアリングやガイドメタル等を設けてその摺動抵抗を減少させ、又はオイルミスト給油等をすることで、低圧での作動を実現することが考えられる。
しかし、供給するエアの圧力が、通常圧力よりも低い範囲での使用では、正確にピストンを作動させるため、切換弁101や、精密減圧弁102、電磁弁103、圧力センサ104等を用いてリリーフポート108から所定量の空気を正確に供給することを要し、出力管理用精密機器105を組み合わせたコントロール制御が必要となる。したがって、装置が大型化して制御が複雑になる欠点があり、かつ、高速応答性の実現が困難になる。
一方、構造を簡素化してシリンダ内の摺動抵抗を少なくしたエアシリンダとしては、例えば特許文献1に示されるものがある。これは、一端側にエアー供給口を設けた内筒と、この内筒との間に微小の通気隙間を設けた外筒との摺動可能な組着により、シリンダ内に隔壁で仕切った軸方向の二つのチャンバーを同心状に形成するとともに、上記二つのチャンバーの相互間を連通させた構造である。
このようなエアシリンダは、内筒のエアー供給口から隔壁によって二分された両チャンバー内にエアーを供給すると、このエアーは微小な通気隙間により加圧通過の状態になるため、この加圧通過エアーが両チャンバーの内部に均衡状に充満し、良好なエアーシリンダの機能を、摩擦抵抗がなく円滑容易に発揮できるものである。
この場合、内筒と外筒は、内外筒の双方は直接的に接触することはないので、この双方の接触による機械的な摩擦がなくなり、負荷に対するテンションの微調整が可能である。
実公平7−54644号公報 特開平4−210103号公報
しかしながら、上記のエアシリンダは、外筒内周面と内筒外周面との間に広範囲に亘る微小間隙を形成する構造のため、内筒が大型である。したがって、シリンダを垂直に設置した場合等は、外筒と内筒の摩擦抵抗がないことによるメリットを生じるが、シリンダを水平に設置し、作動ストロークを長くしたときは、内筒全体が外筒に対し非接触な状態とするのは困難であり、接触した部位の摺動抵抗も大きくなる。よって、上記のエアシリンダ装置は、適用可能な範囲が限られるといった問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、微小なエアー圧力から、通常のエアシリンダに用いられる圧力の範囲において作動し、応答性や追従性に優れたダンパー機能を有する定圧シリンダ等として広範囲に使用できるエアシリンダを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明は次のような構成とした。
すなわち、シリンダと、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに連結されたピストンロッドと、ヘッド側に設けたピストンロッドの軸受部とを含むエアシリンダにおいて、
前記ピストンを作動させるためキャップ側から供給された前記圧縮空気を、ピストンを介してキャップ側からヘッド側へ漏らすための間隙を、ピストン外周面とシリンダ内面の間に形成し、また前記軸受部には、シリンダ内の空気を外部に排出可能な空間を設け、
前記圧縮空気が供給されているときは、この圧縮空気の一部が前記間隙を通過してシリンダ内のヘッド側へ漏れることを特徴とする。
ここでキャップ側とは、シリンダのピストンロッドが出ていない側を指し、また、ヘッド側とは、ピストンロッドが出ている側を示す(JIS B0142)。
また、「圧縮空気を、キャップ側からヘッド側へ漏らす」とは、ピストンとシリンダとの間の気密性を保持せず、両者間において空気を意図的に漏らす意味である。
本発明は、シリンダと、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに連結されたピストンロッドと、ヘッド側に設けたピストンロッドの軸受部とを含むエアシリンダにおいて、
前記ピストンを作動させるためキャップ側から供給された前記圧縮空気を、キャップ側からヘッド側へ漏らすための溝をピストン外周面に形成し、また前記軸受部には、シリンダ内の空気を外部に排出可能な空間を設け、
前記圧縮空気が供給されているときは、この圧縮空気の一部が前記溝を通過してシリンダ内のヘッド側へ漏れるようにすることができる。
前記溝の形状は、ピストンの一端から他端まで連続するものであれば、直線、曲線又はその組合せ等、どのような形状であってもよい。また、断面形状も特に限定されない。例えば、前記ピストンの外周面に設けられる前記溝は、単条又は複条の螺旋溝とすることができる。螺旋溝とすることでピストン外周面全体に亘り空気層が形成され易くなり、その結果、ピストンに求心性(シリンダの中心軸にピストンの中心軸を一致させる働き)を付与してシリンダとの接触を回避できるようにすれば、摺動抵抗を著しく低減することができる。
前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面とピストンロッドの外周面との間に設けた間隙とすることができる。
または、前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面又はピストンロッドの外周面に形成した溝とすることができる。
さらに、前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面又はピストンロッドの外周面に形成され、空気が流通する単条又は複条の螺旋溝とすることも可能である。
本発明のエアシリンダでは、供給された圧縮空気は、ピストンの作動中においても、前記圧縮空気の一部がシリンダ内の空気供給側から、ピストンとシリンダの間の前記間隙又はピストンに設けた前記溝を経由して、キャップ側からヘッド側へ漏れる。
このような圧縮空気の漏れによって、シリンダ出力(F)は、
F=A(P−P1)
[但し、Aはピストンの断面積、P1は「漏れ」により失われる圧力]
で示されることになる。
シリンダ出力(F)に、これに対抗する反力(F1)が作用した場合、この反力(F1)がシリンダ出力(F)より小さいとき、
F1=A(P+P2−P1)<F
[但し、P2はシリンダ内の空気圧縮により生じるピストン加圧力]
ピストンは前進し、
逆に、反力(F1)がシリンダ出力(F)よりも大きいとき、
F1=A(P+P2−P1)>F
ピストンは押し戻される。
このように、シリンダ出力(F)よりも大きい反力(F1)が作用した場合、反力(F1)が比較的小さいときはピストン後退量が少なく、シリンダ内の空気圧縮により生じるピストン加圧力(P2)は小さい。また、供給される前記圧縮空気の漏れ量Lは少ない。
一方、反力(F1)が大きくなるにつれピストン加圧力(P2)、圧縮空気の漏れ量Lが共に増加する。
このとき、この漏れ量Lの増加により、漏れにより失われる圧力(P1)の値が大きくなり、ピストン加圧力(P2)の増加分は打ち消されるので、圧縮空気の圧力(ピストンに作用する圧力)(P)と漏れにより失われる圧力(P1)の差が一定に保持される。
なお、キャップ側に供給する圧縮空気の圧力(P)が高くなり、ピストンに作用する力が強くなるとシリンダ出力(F)は大きくなるが、この場合でもシリンダ出力(F)は反力(F1)の変動にかかわらず一定になる。
よって、本発明のエアシリンダでは、ストローク内の何れの位置においても、シリンダ出力(F)が常に一定に保持される。
また、上記「漏れ」を生じさせる間隙又は溝は、供給された圧縮空気の漏れ量が、ピストンに推力を生じさせることができる範囲(P1<P)であればよい。但し、漏れ量を多くすると圧縮空気の供給量を増大させなければならないので、効率が悪くなる。一方、漏れ量が少なすぎる場合はピストンの応答性が悪くなる。したがって、間隙又は溝は、この応答性を損なわない範囲で適切な漏れ量が生じる大きさに設定される。
上記のように本発明のエアシリンダでは、シリンダ出力(F)が一定になるように制御するための複雑な機構(エア供給圧力と排気流量を制御する高精度のシーケンス制御機器等)を設けなくても、シリンダ出力を常に一定に保持することができる。
また、ピストン外周面とシリンダ内面との間の形成した前記間隙又は溝を圧縮空気が流れる際、ピストン外周面とシリンダ内面との間に空気膜が存在するので、ピストンの摺動抵抗が極めて小さくなる。
以上のように、本発明のエアシリンダでは、前記溝を通過して前記圧縮空気がヘッド側へ漏れているときは ピストンの外周面の一部又は全部がシリンダ内面に接触しないことになる。このように、ピストンの摺動抵抗が低いか、あるいは零であるので、例えば0.005MPa程度での低圧力からの駆動が可能である。したがって、低出力での高速、高頻度駆動が要求される用途に適用可能なエアシリンダが提供される。また、微圧変動に対する応答性が良好なものとなり、応答時間(Δt)がきわめて短く、高速応答性に優れた
定圧シリンダが得られる。
前記ピストンの外周面に設けられる前記溝は、単条又は複条の螺旋溝とすることができる。この場合は、上述した圧縮空気の漏れが生じるときは、螺旋溝に沿って圧縮空気が高速で通過するので、ピストンに求心性を付与することができる。したがって、ピストンの中心軸の位置をシリンダ軸心と一致させて、ピストン外周面とシリンダ内面との間隙を保持し、ピストンとシリンダが無接触の状態とすることが容易になる。この場合、全くの無接触状態でなくても、ピストンがシリンダに接触する面積を減少させ、又は接触による抵抗値を低下させることで、ピストンの摺動抵抗を確実に減少させることができる。
本発明では、前記溝を通過して前記圧縮空気がシリンダ内のヘッド側へ漏れているときはピストンの外周面の一部又は全部がシリンダ内面に接触しない。
また、前記溝を通過して前記圧縮空気がシリンダ内の前記軸受部側へ漏れ、さらに前記空間から外部に排出されているときは、ピストンロッドの一部又は全部が軸受部内面に接触しないことになる。
前記空間は、軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面に形成され、空気が流通する単条又は複条の螺旋溝とすることができる。
ピストンロッドを支持する軸受部において、ピストンロッドの周囲に螺旋溝に沿った空気の流れを生じさせることにより、ピストンロッドに求心性を付与して、ピストンロッド外周面と軸受部の内面との間隙を保持することが容易になる。
このようにすれば、ピストンとピストンロッドの摺動抵抗を減少させることができ、かつ、ピストンとピストンロッドの双方が空気膜ないしは空気層を介して支持される構造(二点支持)となるので、ピストンのストロークを長く設定した場合でも、上述したような低圧力からの駆動性を発揮し、簡易な構造で高精度の定圧シリンダとして使用できる利点は失われない。
前記軸受部ではシリンダ内の空気がピストンロッドの周囲から排出されるようにすれば、ピストンロッドに対して埃や塵が付着することが抑制され、シリンダ内の防塵性が保持される。さらに、この排出空気を利用してエアシリンダを設置する場所の周囲の埃、塵等を吹き飛ばして排除する構成を容易に採用することができる。
また、クリーンルーム等、粉塵の発生を防止すべき環境において使用するときは、ピストンロッドの周囲から排出される空気を、排出パイプを経由してクリーンルーム等の外部に排出することが可能である。
本発明によれば、低圧力から一般圧力領域まで対応可能で、ストローク中の自在位置にて外部からの力に対し、一定の推力(シリンダ出力)を正確に保持することができるエアシリンダが得られる。また、ピストンの摺動抵抗を減少させることで、レスポンス(応答性)に優れたダンパー動作を実現できる。さらに、シリンダ出力を一定に保持するための複雑な制御装置が不要である。したがって、様々な用途に対して広範囲に適用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のエアシリンダの分解斜視図であり、図2は、本発明のエアシリンダの断面図であって、駆動のための制御装置を含むものである。
図1に示されているエアシリンダは、シリンダ本体1とピストン2及び軸受部5を備えている。シリンダ本体1は円筒形であり、そのキャップ側には圧縮空気の供給口8が設けられ、他方のヘッド側は開放され、ヘッド側に延びるピストンロッド4を備えたピストン2が移動自在にシリンダ本体1内に挿入される。ピストン2は、その外周面2aにその一端から他端まで連続する螺旋状の溝3が形成されている。また、このピストン2は、周知の種々のピストン材料を用いて製造可能であるが、その外周面にフッ素系樹脂等を用いて摺動抵抗を少なくしたものであってもよい。
一方、シリンダ本体1のヘッド側にはピストンロッドの軸受部5が装着され、この軸受部5は円盤状であってヘッド側を密閉する。この軸受部5には パイプ状の支持部5aが軸方向に所定範囲で連続するように設けられ、この支持部5aにはピストンロッド4が挿通する貫通孔6が形成されている。ピストン2に接続されたピストンロッド4の他端は、軸受部5の中心に設けられた貫通孔6に挿通している。
このエアシリンダは単動シリンダであって、前記供給口8からの供給される圧縮空気の圧力によってピストン2が駆動される。前記供給口8の位置は、図1ではシリンダ本体1の軸方向中心に設けられている。なお、供給口8の位置はキャップ側において適宜変更することができ、例えば、図2に示す例のように円周面側に供給口8を設けてもよい。
前記ピストン2とピストンロッド4とは、作動時に摺動抵抗が低減するようにそれぞれ次のように支持されている。
すなわち、ピストン2は、その外周面2aに、螺旋状の溝3が連続するように形成されている。また、軸受部5の中心には貫通孔6が設けられ、この貫通孔6の内周面には連続する螺旋状の溝7が形成されている。
前記螺旋状の溝3は、ピストン2の駆動させるために供給口8から供給される圧縮空気の一部が、ヘッド側に漏れる場合の通路となる。また、螺旋状の溝7は、ヘッド側に漏れた空気がシリンダ本体1の外部に排出される場合の通路となる。螺旋状の溝3及び溝7を流れる空気により、ピストン2とシリンダ本体1の内周面、及びピストンロッド4と貫通孔6の内周面との間に、空気膜ないしは空気層が形成されるので、ピストン2の摺動抵抗を軽減し又はこれを無くすことができる。
一方、図2に示すようにシリンダ本体1のキャップ側にはリリーフポート9が形成され、このリリーフポート9の一部には、径小の圧縮空気の供給口8が設けられている。この供給口8には、コンプレッサ10から供給される圧縮空気を送る送気管11が接続され、コンプレッサ10から供給口8に至る送気管11上には、レギュレータ12、電磁弁13が設けられている。
次に、図5に基づいて本発明のエアシリンダの作動について説明する。
上述した構造のエアシリンダでは、ピストンが初期位置にあるとき(図5a)、所定の圧力の圧縮空気がコンプレッサ10から、レギュレータ12、電磁弁13を介してシリンダ1内に供給される。そして、ピストン2が移動して所定のシリンダ出力が発生してピストン2がヘッド側に移動する(図5b)。その際、圧縮空気が供給されている間、前記螺旋状の溝3を介して、ピストン2の駆動中も常に圧縮空気の一部がヘッド側に漏れる。そして、ヘッド側に漏れた空気は、さらに、螺旋溝6を通過してシリンダ本体1の外部に排出される。
そして、ピストンロッド4に反力(ピストン2を押し戻そうとする力)が作用した場合、その反力がシリンダ出力より大きければ ピストン2は押し戻される(図5c)。また、その反力がシリンダ出力より小さければ ピストン2は前進する(図5d)が、その間
、シリンダ出力は常に一定に保持される。
上記のような空気の流れによって、シリンダ本体1の内面とピストン外周面2aとの間には空気層(膜)が生じるので、ピストン外周面2aがシリンダ本体1の内面に接する際の抵抗が軽減される。特に、本実施の形態のように、ピストン外周面2aに螺旋状の溝3を形成した場合、空気が螺旋状の溝3を高速で流れたときは溝3内を流れる空気はピストン外周面2aの外側全体に空気層を生じさせ、ピストン2に求心力を付与する。したがって、ピストン2の中心軸とシリンダ本体1の中心軸を一致させる作用が生じて、ピストン2がシリンダ本体1の内面に接触しない状態が生じる。このような空気の流れの作用によって、ピストン2の摺動抵抗が減少し、接触しない場合は摺動抵抗は零(0)になる。
同様に、ピストンロッド4が挿通する貫通孔6においても、その内部に形成した螺旋状の溝7を通過して空気が排出される際、ピストンロッド4と貫通孔6との内周面の摺動抵抗が減少し、これらが互いに接触しない場合は摺動抵抗が零(0)となる。
上記のように、ピストン2とこれに接続したピストンロッド4の両方の摺動抵抗が軽減される(または零となる)状態で支持されてピストン2が移動するので、ピストン2の移動に必要な推力を低くすることができる。したがって、圧縮空気での駆動制御が、例えば、0.005Mpa〜0.1MPa程度の範囲に亘り可能になる。
なお、本実施の形態のエアシリンダでは、例えば、ストロークを5mm〜50mm程度のもの、または50mm〜 150mm程度とすることができ、様々なストロークを有するものが
提供される。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係るエアシリンダの断面図であって、シリンダ本体10とピストン20及び軸受部5が示されている。シリンダは円筒形であり、そのキャップ側には圧縮空気の供給口8が設けられ、ヘッド側は開放されてピストン2が移動自在にシリンダ本体1内に挿入されている。
この実施の形態2では、実施の形態1のエアシリンダと比較して、ピストン20の径を小さくし、シリンダ本体10の内面とピストン20の外周面との間隙30を大きく形成した。このようにして間隙30が、実施の形態1における螺旋状の溝3、7と同様の作用を生じるようにしている。
すなわち、ピストンが初期位置にあるとき、所定の圧力の圧縮空気がシリンダ1内に供給され、ピストン2が移動して所定のシリンダ出力が発生してピストン2がヘッド側に移動する。その際、圧縮空気が供給されている間、前記間隙30を介し、ピストン2の駆動中も常に圧縮空気の一部がヘッド側に漏れる。そして、ヘッド側に漏れた空気は、さらに、軸受部の貫通孔6とピストンロッド4の間に形成した間隙70を通過してシリンダ本体1の外部に排出される。
このような空気の流れによって、シリンダ本体10の内面とピストン外周面20aとの間には空気層(膜)が生じるので、ピストン外周面20aとシリンダ本体10の内面との摺動抵抗が軽減され、ピストン20がシリンダ本体10と接触しない場合は摺動抵抗は零(0)になる。
同様に、ピストンロッド4が挿通する貫通孔6においても、間隙70を通過して空気が排出される際、ピストンロッド4と貫通孔6との内周面の摺動抵抗が減少し、これらが互いに接触しない場合は摺動抵抗が零(0)となる。
上記のように、ピストン2とこれに接続したピストンロッド4の両方の摺動抵抗が軽減
される(または零となる)状態で支持されてピストン2が移動するので、ピストン2の移動に必要な推力を低くすることができる。
なお、この実施の形態2のエアシリンダは、ピストン外周面にフッ素系樹脂の平リングを嵌め、ピストンロッドの軸受部をフッ素系樹脂製として摺動抵抗を減らし、駆動可能範囲を0.02Mpa〜0.99Mpaとした。また、他の構成は実施の形態1と同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、従来の空気漏れがないエアシリンダのシリンダ出力は、
F=AP
[但し、Aはピストンの断面積、Pはキャップ側に供給される圧縮空気の圧力]
であるのに対し、上記の実施の形態1、2に示したエアシリンダでは、図4に示すように、 F=A(P−P1)
[但し、P1は「漏れ」により失われる圧力]
となる。
このエアシリンダは、ピストンロッドにシリンダ出力(F)に対抗する反力(F1)が作用した場合、この反力(F1)がシリンダ出力(F)より小さいときはピストンは前進し、
F1=A(P+P2−P1)<F
逆に、反力(F1)がシリンダ出力(F)よりも大きいときはピストンは後退し、押し戻される。
F1=A(P+P2−P1)>F
[但し、P2はピストン後退時に、ピストンを前進させる方向に作用する加圧力]
反力(F1)がピストンのストローク内で連続的に作用したとき、この反力(F1)が小さいときは供給される圧縮空気の前記漏れ量Lは少なく、加圧力(P2)の値は小さい。
反対に、反力(F1)が大きくなると加圧力(P2)が増加するが、これに伴い圧縮空気の前記漏れ量Lも増加する。すると、この漏れ量Lの増加により「漏れ」により失われる圧力(P1)の値が大きくなり、加圧力(P2)の増加分は相殺される。このように、ピストンに作用する力(圧縮空気の圧力)(P)と「漏れ」により失われる圧力(P1)の差が一定に保持される。
その結果、シリンダ出力(F)は反力(F1)の変動にかかわらず一定になる。
F=A(P−P1)
図6は、実施の形態2のエアシリンダについて、圧縮空気の圧力(P)とシリンダ出力(F)との関係を示している。シリンダ出力(F)は、バネ式測定機を用いて測定したものである。図6によれば、これらの関係は、0.01Mpa〜0.1Mpaの低圧力においても比例することが示されている。また、この比例関係から、シリンダ出力は常に一定であることが理解される。すなわち、圧縮空気の圧力(P)が一定であれば、シリンダ出力(F)は変化せずに一定となる。
この結果から、実施の形態2のエアシリンダは、従来のエアシリンダではピストンを駆動できない低圧力領域においても、その機能が充分に発揮でき、微低圧でも確実な駆動が可能な定圧シリンダであることがわかる。
また、ピストンが作動する際の摺動抵抗が低いので、エアシリンダとして応答性に優れたものが得られる。
図7に基づいてこのエアシリンダの作用を説明する。図7において、ワークWは、その
上面にランダムな凹凸が形成されて変化に富んだ形状であり、このワークWは矢印A方向に進行する。
一方、エアシリンダ50のピストンロッド50aには、回転軸52を中心に回転自在に設けられた押圧機構51が連結されている。この押圧機構51には押圧部51aが設けられ、この押圧部51aは、ワークWの上面に沿って移動する。このような場合、エアシリンダ50のピストンロッド50aにはワークWの形状に対応する正負の反力が作用するが、ピストンの摺動抵抗が低く、かつ応答性に優れているため、低圧での駆動であって、かつワークWの進行速度が速い場合であっても、押圧部51aはワークから離れることなく、確実にワークWに沿って移動する。そして、反復移動が高速で連続して行われる場合であっても、耐久性に優れたものとなる。
さらに、この場合にはエアシリンダ50のシリンダ出力は常に一定に保持され、押圧部51aがワークWに接する場合の押圧力は変化することなく一定となる。
(実施の形態3)
本発明に係るエアシリンダの実施の形態3を、図8に基づいて説明する。
図8に示すエアシリンダは、シリンダのヘッド側に設けた軸受部5から排出される空気を排出管41を経由して外部に排出するようにしたことを除き、実施の形態2のものと同一である。したがって、同一の部分については同一の符号を付して、説明を省略する。
シリンダ1のヘッド側には、軸受部5を含むヘッド側全体を覆うカバー40が装着され、そのカバー40の中心をピストンロッド4が貫通している。ピストンロッド4が貫通する貫通孔40aの周囲もシール材42で覆われ、カバー40内の気密性が保たれるようになっている。
このエアシリンダでは、ピストン2が初期位置にあるとき、所定の圧力の圧縮空気がシリンダ1内に供給され、ピストン2が移動して所定のシリンダ出力が発生してピストン2がヘッド側に移動する。その際、圧縮空気が供給されている間、前記間隙30を介し、ピストン2の駆動中も常に圧縮空気の一部がヘッド側に漏れる。そして、ヘッド側に漏れた空気は、さらに軸受部の貫通孔6とピストンロッド4の間に形成した間隙70を通過してカバー40で覆われたヘッド側に排出される。この排出された空気は排出管41を経由し、所定の位置、例えば、このシリンダ1が設置されている部屋の外部まで導かれてるようになっている。
このような構造とすることで、軸受部5からの空気の排出による粉塵の発生を防止し、このエアシリンダをクリーンルーム等の環境でも使用できるようにしている。
上記の実施形態1−3ようなエアシリンダの適用例としては、例えば、定圧ワーククランプ、ツールクランプのハンドリング装置、ベルト研磨機のベルトテンション機構及び定圧バックアップ機構、コンタクトホイールの定圧押付け機構等、種々の応用例が考えられる。
さらに、本発明のエアシリンダによれば、ピストンの気密性を確保するためのOリングシールやVパッキン等の消耗品を使用する必要がないので、これらの交換に要するコストが削減でき、かつ高速、高頻度の使用における耐久寿命を長くすることができる。
そして、微小荷重のエア制御を圧力調整弁のみで行うことができるので、ピストン出力の圧力管理制御のためのシステムをきわめて簡素なものとすることでき、エアシリンダ装置全体をコンパクトで安価なものにすることができる。したがって、その適用可能範囲はきわめて広くなる。
さらにまた、ピストンの作動部の摺動抵抗が低下することで粉塵の発生が減少し、潤滑
油等の供給の必要がほとんどなくなるため、粉塵や汚れの発生を排除したクリーンルーム等の防塵性が要求される環境での使用にも適したものとなる。
本発明のエアシリンダの分解斜視図である。 ピストン駆動のための制御装置を含んで示されたエアシリンダの断面図である。 実施の形態2に係るエアシリンダの断面図である。 エアシリンダにおける定圧出力を説明する図である。 エアシリンダの作動状態を示す図である。 エアシリンダの定圧出力状態を示す図である。 エアシリンダを用いた押圧装置の例を示す図である。 実施の形態3に係るエアシリンダの断面図である。 低圧力で駆動可能なエアシリンダの従来例を示す図である。
符号の説明
1、10…シリンダ本体
2、20…ピストン
2a…ピストン外周面
3、7…溝
4…ピストンロッド
5…軸受部
5b…支持部
6…貫通孔
8…供給口
9…リリーフポート
10…コンプレッサ
11…送気管
12…レギュレータ
30…間隙
40…カバー
41…排出管
42…シール材
50…エアシリンダ
50a…ピストンロッド
51…押圧装置
51a…押圧部
52…回転軸

Claims (6)

  1. シリンダと、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに連結されたピストンロッドと、ヘッド側に設けたピストンロッドの軸受部とを含むエアシリンダにおいて、
    前記ピストンを作動させるためキャップ側から供給された前記圧縮空気を、ピストンを介してキャップ側からヘッド側へ漏らすための間隙を、ピストン外周面とシリンダ内面の間に形成し、また前記軸受部には、シリンダ内の空気を外部に排出可能な空間を設け、
    前記圧縮空気が供給されているときは、この圧縮空気の一部が前記間隙を通過してシリンダ内のヘッド側へ漏れることを特徴とするエアシリンダ。
  2. シリンダと、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに連結されたピストンロッドと、ヘッド側に設けたピストンロッドの軸受部とを含むエアシリンダにおいて、
    前記ピストンを作動させるためキャップ側から供給された前記圧縮空気を、キャップ側からヘッド側へ漏らすための溝をピストン外周面に形成し、また前記軸受部には、シリンダ内の空気を外部に排出可能な空間を設け、
    前記圧縮空気が供給されているときは、この圧縮空気の一部が前記溝を通過してシリンダ内のヘッド側へ漏れることを特徴とするエアシリンダ。
  3. 前記ピストンの外周面に設けられる前記溝は、単条又は複条の螺旋溝であることを特徴とする請求項2に記載のエアシリンダ。
  4. 前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面とピストンロッドの外周面との間に設けた間隙であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアシリンダ。
  5. 前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面又はピストンロッドの外周面に形成した溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアシリンダ。
  6. 前記空間は、前記軸受部におけるピストンロッドの貫通孔の内周面又はピストンロッドの外周面に形成され、空気が流通する単条又は複条の螺旋溝であることを特徴とする請求項1、2、3、5のいずれかに記載のエアシリンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013094960A (ja) * 2011-11-03 2013-05-20 Heule Ulf ピストン・シリンダーユニットを備えた圧媒体制御カウンターボアツール
CN113653698A (zh) * 2021-07-09 2021-11-16 湖南大学 一种气体流量与体积协调控制的恒压气缸***

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