JP2009120651A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂と(B)澱粉と(C)グリセリンとを含む樹脂組成物であって、(B)が55〜75質量%、(A)+(C)が25〜45質量%であって、(A)+(C)中で(A)が1〜99質量%である樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
熱可塑性樹脂について、近年環境問題から生分解性樹脂が注目されている。この樹脂は合成系では脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、天然物ではアセチルセルロース、その他微生物系のものもある。
澱粉を含む樹脂組成物に界面活性剤を添加したものもある(特許文献3,特許文献5〜7)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コスト引き下げのため澱粉を多く配合した樹脂組成物であり、それでも加工性がよく維持される樹脂組成物、好ましくは生分解性樹脂を用いた樹脂組成物を提供することを目的とする。
(1)(A)熱可塑性樹脂と(B)澱粉と(C)グリセリンとを含む樹脂組成物であって、(B)が55〜75質量%、(A)+(C)が25〜45質量%であって、(A)+(C)中で(A)が1〜99質量%である樹脂組成物。
(2)界面活性剤(D)を0.1〜7質量%含む上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)熱可塑性樹脂が生分解性樹脂である上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)生分解性樹脂が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする上記(3)に記載の樹脂組成物。
(6)(A)+(C)中で(A)が10〜70質量%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)(A)+(C)中で(A)が20〜70質量%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8)(D)がノニオン系を含む界面活性剤であることを特徴とする上記(2)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9)(D)がソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする上記(2)〜(8)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(10)(D)がソルビタン脂肪酸エステルを含みかつ液状と粉末状の混合物であるノニオン系界面活性剤であることを特徴とする上記(2)〜(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(11)樹脂組成物中に(E)架橋剤を含む上記(1)〜(10)のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物に架橋剤を含むものは耐水性も向上する。
本発明の樹脂組成物は澱粉に、熱可塑性樹脂とグリセリンを混合し、さらに好ましくは界面活性剤を添加したものである。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など特に制限なく使用できるが、好ましくは生分解性樹脂である。生分解性樹脂としては公知の脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、アセチルセルロースや微生物系ではポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合体などが使用できる。なかでも脂肪族ポリエステルが好ましい。
脂肪族ポリエステルはエチレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6ヘキサンジオール等の多価アルコールとコハク酸、アジピン酸などの多塩基酸から合成される。また多価アルコールとして1,4シクロヘキサンジメタノールなどを用いた環状脂肪族ポリエステルも含まれる。
また記のオレフィン系樹脂などと生分解性樹脂を混合して用いることもできる。
ところが本発明ではグリセリンを加え、さらに好ましくは界面活性剤を用いることにより、澱粉が樹脂組成物中55質量%以上でも十分加工性が維持できることが判明した。その上限は75質量%まで可能である。さらにコスト引き下げのため、澱粉が60〜75質量%、さらに65〜75質量%とすることができる。
熱可塑性樹脂は成形体の強度等の特性を上げるため、最低1質量%は必要である。即ち(A)/(A)+(C)は1〜99質量%であるが、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは20〜70質量%である。
本発明において、樹脂組成物中の(B)澱粉は55〜75質量%であるので、残りの(A)熱可塑性樹脂と(C)グリセリンの合量は樹脂組成物中25〜45質量%であり、好ましくは25〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。25質量%未満では添加効果が少なく加工性が悪い。く、45%質量を越えるとコストが高くなったり、ベタ付きが生じハンドリングが悪くなる。
加工性をさらによくするには界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系を用いることも可能であるが、以下に示すようなノニオン系の界面活性剤を用いることが好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンオキシドなどの水溶性高分子などである。これらの中でソルビタン脂肪酸エステルが特に好ましい。
界面活性剤は液状のものと粉末状のものを混合して用いると分散性がよくなり好ましい。
本発明の樹脂組成物において、(E)架橋剤を加えることができる。架橋剤を添加することにより、架橋の機構は定かでないが、成形品の耐水性が上がる(例えば80℃の熱水中での重量減が少ない)。
架橋剤の添加量は樹脂組成物中3質量%以下、好ましくは0.1〜3質量%である。
さらに本発明の樹脂組成物には必要により可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の添加剤を含むことができる。可塑剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる
本発明の樹脂組成物は、樹脂製品の加工に用いられる常法により成形することができる。成形品の形状や用途等には特に制限はない。例えば、押出成形、ブロー成形、インジクション成形、インフレーション成形等によるシート、フィルム、容器等に成形できる。また、ペレットに成形し、更に二次加工用に供することもできる。
実施例に用いた原料は以下の通り。
澱粉
生のコーンスターチ(王子コーンスターチ社製、商品名コーンスターチの未加工澱粉)。
脂肪族ポリエステル
1,4ブタンジオールとコハク酸を反応させた脂肪族ポリエステル
(昭和高分子社製、商品名ビオノーレ3001)。
ポリプロピレン(pp)
サンアロマー製のPM600A
グリセリン
通常の市販品
界面活性剤
ノニオン系界面活性剤
グリセロールモノステアレート
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
アニオン系界面活性剤
花王製 商品名 ペレックスOT−P
架橋剤
表の下に示す。
Claims (11)
- (A)熱可塑性樹脂と(B)澱粉と(C)グリセリンとを含む樹脂組成物であって、(B)が55〜75質量%、(A)+(C)が25〜45質量%であって、(A)+(C)中で(A)が1〜99質量%である樹脂組成物。
- 界面活性剤(D)を0.1〜7質量%含む請求項1に記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が生分解性樹脂である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 生分解性樹脂が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
- 澱粉が、天然澱粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (A)+(C)中で(A)が10〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (A)+(C)中で(A)が20〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (D)がノニオン系を含む界面活性剤であることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (D)がソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (D)がソルビタン脂肪酸エステルを含みかつ液状と粉末状の混合物であるノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物中に(E)架橋剤を含む請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
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