JP2009118116A - Ponシステムの局側装置及びフレーム処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、宅側装置2から受信した制御フレームを用いてメディアアクセス制御を行うフレーム処理部11を有するPONシステムの局側装置1である。この局側装置1は、各宅側装置2に対応するMACアドレスとLLIDの双方が記載された対応テーブル15と、制御フレームがフレーム処理部12に入力される前に当該制御フレームを検査するフレーム検査部11とを備えており、このフレーム検査部11は、制御フレームに含まれるMACアドレスとLLIDが対応テーブルに記載のものと不一致の場合にその制御フレームを廃棄する。
【選択図】 図3
Description
このPONシステムのうち、GE−PON(Gigabit Ethernet-PON)は、イーサネット(Ethernet:登録商標)技術をベースとしたギガビットクラスの伝送システムを経済的に実現するもので、IEEE Std 802.3ahとして2004年6月に標準化された高速光アクセス方式の一つである。
また、上り信号と下り信号とは異なる波長の光を用いており、上り下り各信号の衝突が起きない仕組みになっている。
前記各宅側装置に対応するMACアドレスとLLIDの双方が記載された対応テーブルと、前記制御フレームが前記フレーム処理部に入力される前に当該制御フレームを検査するフレーム検査部とを備えており、前記フレーム検査部は、前記制御フレームに含まれるMACアドレスとLLIDが前記対応テーブルに記載のものと不一致の場合に当該制御フレームを廃棄することを特徴とする。
この場合、初回に受信したレポートフレームだけが有効なものとしてフレーム処理部に渡されて動的帯域割当が行われ、それ以降のレポートフレームは無視されてフレーム処理部に渡ることがないので、複数のレポートフレームを受信することに伴う動的帯域割当の混乱を防止できるとともに、悪意のある宅側装置によるDoS攻撃を回避することができる。
この種のPONシステムの局側装置では、通常、前記宅側装置から受信したデータフレームを上位側に中継する中継処理部を備えている。
そこで、前記フレーム検査部は、前記データフレームが前記中継処理部に入力される前に当該データフレームを検査し、前記フレーム処理部が帯域を割り当てたLLID以外のLLIDを含む前記データフレームを破棄するものであることが好ましい(請求項3)。
この場合、帯域を割り当てたLLIDを有するデータフレームだけが中継処理されて上位側に送出されるので、なりすましを更に確実に防止することができる。
前記制御フレームをメディアアクセス制御のためにフレーム処理する前に、当該制御フレームに含まれるMACアドレスとLLIDの双方が前記宅側装置のものと一致するか否かを検査し、そのMACアドレスとLLIDの双方が一致する前記制御フレーム以外の制御フレームをフレーム処理対象から除外することを特徴とする。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の局側装置を有するPONシステムの概略構成図である。
図1において、局側装置(OLT)1は、複数の宅側装置(ONU)2,2,…に対する集約局として電話局等に設置されており、各宅側装置2は、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
分岐した各光ファイバ5の終端にはそれぞれ前記宅側装置2が接続されている。また、局側装置1は上位ネットワーク7と接続され、各宅側装置2はそれぞれのユーザネットワーク8と接続されている。
また、図1では、光カプラ4が1つだけのトポロジーを例示しているが、分岐数の少ない光カプラ4を縦列に複数段配置することにより、広い地域に分散している宅側装置2を短い光ファイバで局側装置1と接続することもできる。
すなわち、局側装置1と宅側装置24間の上り方向通信には単一の波長λ1のレーザ光が使用され、下り方向通信にはその波長λ1とは異なる単一の波長λ2のレーザ光が使用されている。
なお、上記各波長λ1,λ2は、IEEE 802.3ah-2004の Clause60に従う場合には、1260nm≦λ1≦1360、及び、1480nm≦λ2≦1500の範囲で選択することができる。
本実施形態のPONシステムは、1GbpsのGE−PONをベースとしており、局側装置1と宅側装置2に対するメディアアクセス制御は、基本的に当該GE−PONの標準規格(IEEE Std 802.3ah)に則って行われる。
以下、この標準規格上の各種の基本的機能について説明する。
GE−PONシステムでは、MAC(Media Access Control)層と物理層の仲介役を担うRS(Reconciliation Sublayer)があり、局側装置1と宅側装置2の間のイーサネット(登録商標)フレームを識別するため、このRSで規定するプリアンブル(Preamble)の一部に識別子を埋め込んでいる。
そこで、GE−PONシステムでは、この判断をLLID(Logical Link ID)という識別子を用いて行う。このLLIDは、上記のようにイーサネットフレームのプリアンブルに収容されている。なお、LLIDの値は、宅側装置2の登録時に局側装置1が決定し、局側装置1は自身の配下の宅側装置2でLLIDの重複が起こらないように管理している。
宅側装置2は、受信フレームのLLIDを予め局側装置1から通知された自分のLLIDと照合し、一致している場合は自分宛と判断して受信フレームを取り込み、不一致の場合は自分宛でないと判断して、受信フレームを廃棄する。
このように、LLIDによる識別を行うと、物理的にはP2MP(Point to Multipoint)であるGE−PONのトポロジー形態であっても、論理的には、P2P(Point to Point)形態での通信が可能となるので、本機能はP2PE(Point to Point Emulation)と呼ばれることがある。
GE−PONにおいて、各宅側装置2の上り信号を時分割多重するには、局側装置1と各宅側装置2の間で時刻同期が取れている必要がある。
そこで、前記標準規格で提唱されている同期方式では、局側装置1は、宅側装置2に対して送信許可のために発行する、ケートフレームに埋め込まれたタイムスタンプを用いて、両者間の同期状態を維持する。
この方式により、宅側装置2は独立同期方式で動作することができる。このため、従属同期装置に必要な高精度のPLLが不要となり、コスト低減に寄与することができる。
GE−PONシステムでは、また、局側装置1と宅側装置2間の制御プロトコルであるMPCP(Multi-point Control Protocol)を含む、マルチポイントMACコントロール副層が採用されている。
このMPCP機能には次の各機能1)〜3)が含まれる。
2) 各宅側装置2にタイムスロットを割り当て、各宅側装置2からの上り信号を時間軸上に多重する上り信号の多重制御機能,
3) 前記時刻同期機能
GE−PONシステムでは、宅側装置2がPONに接続されると、局側装置1はその宅側装置2を自動的に発見し、宅側装置2にLLIDを付与して通信リンクを自動的に確立する。これがディスカバリ機能である。
具体的には、局側装置1は、P2MPディスカバリの期間中に、該当する宅側装置2との間のRTT(Round Trip Time:フレーム往復時間)の測定を行い、このさい、宅側装置2は局側装置1との時刻同期を行う。
GE−PONの上り信号は、光カプラ4で合流するため、各宅側装置2からの上り信号が合流後に衝突しないように制御する必要がある。
GE−PONシステムでは、局側装置1がその上り信号制御の司令塔の役割を務め、各宅側装置2に対して送信許可を通知することにより、各宅側装置2からの上り信号を時間的に分離して衝突を回避している。
図2に示すように、各宅側装置(ONU)2は、自身のユーザネットワーク8から上りデータを受信すると、いったん自身のキューにデータを蓄積し、そのキューに溜まったデータ量をレポート(Report)フレームに記して局側装置1に送信する。
レポートフレームを受信した局側装置(OLT)1は、そのレポートフレームのデータ量と他の宅側装置2の使用帯域から、当該宅側装置2に割り当てるべき上りのデータ送信量と送信開始時刻を算出し(動的帯域割当)、その算出値をゲート(Gate)フレームに記して当該宅側装置2に送信する。
なお、この上りデータの送信の際に、次回の帯域割当のために、宅側装置2がキューに溜まっている上りデータの量を通知するためのレポートフレームを一緒に送信する場合もある。また、レポートフレームでは、局側装置1に送りたいデータ量が2バイト単位で表現され、ゲートフレームでは、送信許可長と送信開始時刻が2バイト単位で表現される。
GE−PONシステムの局側装置1は、上記レポートフレームとゲートフレームを利用して、配下の各宅側装置2に対して使用帯域を割り当てるが、その割当帯域の演算アルゴリズムについては、前記標準規格の範囲外となっている。
GE−PONシステムはイーサネット(登録商標)の一種であるから、イーサネットの規格に従うOAM(Operations, Administration and Maintenance)機能を有する。ここで、OAMとは、通信ネットワークにおける装置や回線の保守監視制御のことである。
GE−PONの標準規格(IEEE Std 802.3ah)ではOAM副層が新たに規定されており、この副層では、OAMフレームのフレーム構造と、このフレーム用いた制御機能が規定されている。
もっとも、標準規格で規定された機能以外に、システム開発者が必要に応じて不足するOAM機能を拡張することもできる。
図3は、局側装置1の受信機能部分を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の局側装置1は、宅側装置2から上り方向のフレーム受信に関する受信機能部分として、PON側受信部10と、フレーム検査部12と、フレーム処理部12と、中継処理部13と、上位側送信部14と、宅側装置2のMACアドレスとLLIDとの対応関係を記載した対応テーブル(以下、単に対応テーブルという。)15とを備えている。
PON側受信部10は、光信号を電気信号に変換するアバランシェフォトダイオード等よりなる光電変換素子と、変換された電気信号を増幅する増幅器と、増幅された電気信号に同期してタイミング成分(クロック)とデータを再生するクロックデータ再生器と、再生されたデータの符号を復号するデータ復号部と、復号されたデータからフレームの境界を検出してイーサネットフレームを復元するフレーム再生部とを備えている。
なお、このフレーム検査部11が行う具体的な処理内容については後述する。
また、フレーム処理部12は、ディスカバリにおいて新たに宅側装置2にLLIDを付与する際に、その宅側装置2に付与したLLIDと、当該宅側装置2のMACアドレスとをそれぞれ対応付けて前記対応テーブル15に登録する。
このイーサネットフレームには、複数のフィールドが存在し、図示の上から順に送信される。例えば、上から4つ目までのフィールドは、上から順に、プリアンブル(同期確立)、SFD(フレーム開始)、DA(宛先アドレス)、SA(送信元アドレス)を示すフィールドである。また、SAの次は、イーサネットタイプフィールドや、IPプロトコルフィールドが存在している。
次に、図5を参照しつつ、局側装置1のフレーム検査部11が行うフレームの処理内容について説明する。
まず、フレーム検査部11は、PON側受信部10からイーサネットフレームを受信することによって動作を開始し(ステップS1)、イーサネットフレームに含まれるタイプフィールドに基づいて当該フレームの種別を判定する(ステップS2)。
そして、フレーム検査部11は、データフレームが想定外のもの、すなわち、フレーム処理部12が帯域を割り当てたLLID以外のLLIDを含むデータフレームである場合には、そのフレームを廃棄し(ステップS4)、想定されたデータフレームである場合には、そのフレームを中継処理部13へ送る(ステップS5)。なお、中継処理部13に送られたデータフレームは、所定の中継処理が行われたあと、上位側送信部14を介して上位ネットワークに送信される。
上記レポートフレームが今回の動的帯域割当の周期でフレーム処理部12が受信済みのものでない場合(ステップS6でNoの場合)、すなわち、そのレポートフレームが当該動的帯域割当周期で初回のものである場合には、フレーム検査部11は、更に、そのレポートフレームに含まれるLLIDとMACアドレスとが前記対応テーブル15に記載されている組み合わせのものと一致するか否かを判定する(ステップS8)。
なお、上記レポートフレームを受けたフレーム処理部12は、そのフレームに記載された上りのデータ送信量と送信開始時刻を所定の動的帯域割当アルゴリズムに基づいて算出し、その算出値を記載したゲートフレームを生成して、そのゲートフレームをPON側送信部から宅側装置2に送信させる。
なお、制御フレームがOAMフレームである場合には、フレーム処理部12は、そのフレームに基づいてループバック試験等の所定のOAM処理を行い、制御フレームがレポートフレーム以外のMPCPフレーム、例えば、ディスカバリ用の登録要求フレームである場合には、フレーム処理部12は、ディスカバリ用のゲートフレームを生成し、PON側送信部を介して宅側装置2に送信する。
従って、なりすましの宅側装置2からレポートフレームその他の制御フレームが多数回にわたって送られてきても、正当な宅側装置2のための制御処理が滞ることがなく、DoS攻撃によって通信障害が生じるのを未然に防止することができる。
2 宅側装置(ONU)
3 光ファイバ
4 光カプラ
5 光ファイバ
6 光ファイバ網
7 上位ネットワーク
8 ユニットネットワーク
10 PON側受信部
11 フレーム検査部
12 フレーム処理部
13 中継処理部
14 上位側送信部
15 対応テーブル
Claims (4)
- 複数の宅側装置と光ファイバを介してP2MP形態で接続され、前記宅側装置から受信した制御フレームを用いてメディアアクセス制御を行うフレーム処理部を有するPONシステムの局側装置であって、
前記各宅側装置に対応するMACアドレスとLLIDの双方が記載された対応テーブルと、前記制御フレームが前記フレーム処理部に入力される前に当該制御フレームを検査するフレーム検査部とを備えており、
前記フレーム検査部は、前記制御フレームに含まれるMACアドレスとLLIDが前記対応テーブルに記載のものと不一致の場合に当該制御フレームを廃棄することを特徴とするPONシステムの局側装置。 - 前記フレーム検査部は、前記制御フレームがレポートフレームであり、そのレポートフレームが前記フレーム処理部による動的帯域割当周期において前記宅側装置から既に受信済みのものである場合に、当該レポートフレームを廃棄する請求項1に記載のPONシステムの局側装置。
- 前記宅側装置から受信したデータフレームを上位側に中継する中継処理部を備え、
前記フレーム検査部は、前記データフレームが前記中継処理部に入力される前に当該データフレームを検査し、前記フレーム処理部が帯域を割り当てたLLID以外のLLIDを含む前記データフレームを破棄する請求項2に記載のPONシステムの局側装置。 - 宅側装置から受信した制御フレームを用いて局側装置がメディアアクセス制御を行うフレーム処理方法であって、
前記制御フレームをメディアアクセス制御のためにフレーム処理する前に、当該制御フレームに含まれるMACアドレスとLLIDの双方が前記宅側装置のものと一致するか否かを検査し、そのMACアドレスとLLIDの双方が一致する前記制御フレーム以外の制御フレームをフレーム処理対象から除外することを特徴とするフレーム処理方法。
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