JP2009114043A - 泥状汚泥処理方法、及び泥状汚泥処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水中で攪拌・破断された古紙等は、柔らかなかたまりとなり、水中で膨潤することから、泥状汚泥と水槽内で混合すれば、土砂分と古紙の粒状物が絡み合って圧密沈降を防止でき、また保水力が強いため成形性がよく、堆肥原料に必要な有機物の供給源ともなる。これを団子にして堆肥場に仕込むと、丸い団子を積み重ねることで隙間ができ、通気性が確保され、また栄養塩、発酵促進剤や種堆肥等を混合させることで、堆肥化するための条件が整い、また堆肥場を砂が露出する壁で覆うことにより保温がされ、発酵に伴って昇温する高含水の団子の水分は蒸発し、蒸発水分は結露することなく砂に吸収されて大気へ放出される。
【選択図】図1
Description
下水道から排出される沈砂池等の前処理汚泥についても、混入する土砂分は分離した後、洗浄され、有機質分は脱水・焼却処理がされる。しかし洗浄土砂には悪臭成分が付着しているため、そのままでは再利用が難しく、埋め立て等による最終処分となる。
また、良質な堆肥を効率よく製造する方法として、解繊して綿状にした髪を、陸上生物の収穫物、***物または枯死体と混合し、その混合物を堆肥化する堆肥の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、古紙および生ゴミの有効な処理方法として、古紙を切断して紙片とし、該紙片を生ゴミと攪拌混合して混合物を得、その際該生ゴミに含まれる水分は該紙片に吸水され、次いで、該混合物を微生物の増殖基質として用いて、該微生物を加温下に増殖させることにより該混合物を分解して有機質堆肥化させ、これにより、古紙および生ゴミが同時処理できる方法が提案されている(特許文献3参照)。
これら土砂混じりの泥状汚泥の処理物を無害な自然な土とすることができれば、逼迫している最終処分場へ埋め立て処分をする必要がなくなる。
しかし堆肥原料とならない土砂混じりの泥状汚泥を堆肥原料とするためには、以下の課題を解決していく必要がある。
粒状物と混合されていない泥状汚泥は圧密堆積しやすいため、粒状物は水槽上部から水槽全体に万遍なく投入できるように、水槽上部が広く、浅い、下部断面が半円形の容器である攪拌混合槽11には、パドルミキサー12を取り付ける。あらかじめ注水し、パドルミキサー12は50〜100rpm程度のゆるやかな回転をする。攪拌混合槽11に古紙からの粒状物を先に投入する。粒状物の投入量は、泥状汚泥に含まれる固形分の量にもよるが、投入泥状汚泥の10%〜20%程度を目安とすれば、泥状汚泥は圧密沈降しないで、水中で膨潤している粒状物に取り込まれる。続いて泥状汚泥を投入する。投入順序は、泥状汚泥に古紙の粒状物を投入しても、効果は変わらない。泥状汚泥の水分が少ない場合、小型のユンボ等により、攪拌混合槽11の上部から、直接投入する。水分が多い場合は、ポンプ等により投入する。泥状汚泥と粒状物をよく攪拌・混合させてから、袋等で保管していた窒素やりん等の栄養塩である農業用肥料や、ぬか等も攪拌混合槽11の上部デッキ11aから投入する。大規模な装置となる場合は、自動投入とするが、小規模の場合は、人力作業で行えばよい。
泥状汚泥にある有機物等は古紙の粒状物に絡めとられているため、複数の孔22周辺の砂と直接、接触することで、水分だけが砂層内に浸透し、更に上記の受入容器21の上に、底に砂留めのための不織布23を張り、砂が詰められた枠体である上段枠24を被せることにより、孔22に流し込まれた混合物の上部の水分は不織布23を通して、上段枠24の砂に吸収される。また下段の枠体である受入容器21の砂が透水性の悪い砂質土の場合、孔22の下面では、水が流動することにより、砂中の粘土も随伴して、浮かび上がってき、孔22の下面に薄い粘土の膜を生じ、透水性を悪くしてしまう。この透水しなく、滞水してしまう水は、不織布23、及び上部に上段枠24の砂があることにより、上部の砂に湿潤し、拡散していく。また団子を回収する時、粘土膜は団子に付着したままで回収されるので、下段の受入容器21の砂に残らないため、次の団子成形の作業には、粘土膜を除去する必要はない。団子は上段枠24と砂、及び不織布23を取り払い、受入容器21の砂を掘り起こすことで、重ねても潰れない程度の強度がある水切りされた団子を得る。水切りされた排水は、受入容器21の底の排水パイプ25から排出する。
2・・団子状に成形する装置、21・・受入容器、22・・孔、23・・不織布、
24・・上段枠、25・・排水パイプ
3・・堆肥化装置、30・・堆肥場、31・・側壁、31a・・枠、31b・・外側板、31c・・不織布、31d・・金属製の帯材、32・・前壁、32a・・移動用レール、32b・・・車輪、33・・枠体、34・・有孔板、35・・散水パイプ、
35a・・受入口、35b・・ドレン口、35c・・散水孔、35d・・蓋、35e・・不織布、36・・・受入槽、36a・・多孔板、36b・・ネット、36c・・排水管、37・・支持材、37a・・メッシュ缶、37b・・メッシュ缶を支える柱
Claims (9)
- ヘドロや下水道から排出される沈砂池等の土砂を含んだ高含水の泥状汚泥に含まれる有機物や悪臭成分をそのまま、堆肥化による処理をするために、
細かく裁断し、水中で攪拌することにより、粒状物となっている古紙を水槽に投入し、
上記泥状汚泥は土砂を含んだ状態で、上記水槽に投入して上記粒状物と混合することで、上記土砂が上記古紙の粒状物内に絡めとられ、圧密沈降することなく、流動状態となり、
上記流動状態の混合物を、上記水槽から取り出し、上記古紙の粒状物の保水力により、砂等により構成された成型容器の上に静置することで、水切りする程度で団子状に成形し、
更に流動状態にある混合物を団子状に成形した混合物に、堆肥化をするための必要な資材としての発酵促進材であるぬか、窒素等の栄養塩、被堆肥化物で嫌気性のセルロース分解菌がある種堆肥を添加・混合し、これを堆肥場に仕込むことで高含水であっても、堆肥化処理することを特徴とする泥状汚泥処理方法。 - この団子状に成形された混合物を堆肥場に積み重ねて仕込めば、丸い団子間には隙間があり、通気性の確保ができ、
同時に枝葉剪定材等の植物発生材を仕込むことにより、植物発生材が先に発酵し、この発酵熱により堆肥場内が昇温し、団子の温度も上昇することで、団子内は高含水であっても、嫌気状態で活動するセルロース分解菌により、古紙のセルロースは分解され、セルロース分解菌の代謝による高温が持続することにより、水分が蒸発し、水分が蒸発することにより、団子内は好気性雰囲気となり、泥状汚泥の有機物や悪臭成分等が、好気性菌によって分解される請求項1記載の泥状汚泥処理方法。 - 堆肥場の側面及び上面を砂が露出する砂壁で囲うことにより、堆肥場内が保温され、発酵熱により高含水の泥状汚泥の混合物から蒸発する水分や悪臭成分は、上記砂が露出する砂壁の内側の砂に吸収され、蒸発水分は堆肥場内で結露することなく、また悪臭は外気に漏洩することがない請求項2記載の泥状汚泥処理方法。
- 水が注水される水槽と、
ヘドロや下水道から排出される沈砂池からの前処理汚泥等の泥状汚泥、細かい紙片に破断した上、水中で攪拌することにより、それぞれの細片が水中で重なりあい、丸まった粒状物となっている古紙、被堆肥化物から得る種堆肥、更に窒素やりん等の栄養塩、ぬか等の発酵促進材を上記水槽内で攪拌・混合する攪拌混合装置と、を有し、
上記攪拌混合装置が、上記水槽内を攪拌・混合することで、上記泥状汚泥に含まれる比重の重い土砂成分は、水中で柔らかくなって、膨潤している古紙の粒状物に絡め取られ、上記水槽内で圧密沈降することなく、流動状態で、均一な状態に混合され、土砂混じりのままで堆肥原料とする混合物が取り出されることを特徴とする泥状汚泥処理装置。 - 枠体に砂が詰められ、その表層に団子状となるような複数の孔が掘られた下段枠を有し、この孔に、上記水槽から取り出した、保水性の強い古紙の粒状物が混合されている流動状態の混合物を流し込むことで、泥状汚泥にある有機物等は古紙の粒状物に絡めとられているために、上記混合物が直接砂と接触して水分だけが砂層内に浸透し、
更に上記下段枠の上には、底に砂留めのための不織布が張られ、砂が詰められた枠体である上段枠が被せられており、上記孔に流し込まれた混合物の上部の水分が不織布を通して、上記上段枠の砂に吸収されると共に、上記下段枠中の砂が透水性の悪い砂質土の場合に、上記孔下部で粘土等が膜を作り、上記水分が浸透しきれずに滞水する場合であっても、上記水分は上段枠の上記不織布を通して上層の砂中に湿潤し、積み重ねても潰れない程度の強度がある水切りされた混合物の団子が得られると共に、水切りによる排水は、上記下段枠の底から排出され、上記上段枠と上記下段枠を取り外すことにより団子が回収される請求項4記載の泥状汚泥処理装置。 - 水を多く含む団子等を仕込む堆肥場を保温するためと、悪臭を外気に漏洩させないためと、また蒸発する水分が堆肥場の壁等に結露し、結露する水分によって発酵が停止しないために、砂が詰められた壁や覆いで堆肥場を囲い、
側面四方は、砂が露出した壁とし、
上面は底に金網等を敷き、発酵した後の団子等を詰めた枠体を覆いとし、蒸発する水分は内面の露出する砂壁に吸収させ、吸収された水分は、外面の露出する砂壁から外気に蒸発させ、また上面の覆いは、蒸発水分の吸収と保温の他に、悪臭の揮散を防止し、更に下面は、堆肥場への通気をするために開放する請求項5記載の泥状汚泥処理装置。 - 砂が露出する壁構造は、底部にネットで砂留めをし、
底から排水ができるようにした木製等の枠にあらかじめ取り外しのできる外側板を取り付けて、砂を詰め込み、外壁側には、金属製の帯材等、またその上部には不織布を置き、更にこれらを砂層内に棚段に配置し、外側板を外し、砂壁内に水が浸透してきた時、不織布が棚段にあることにより、水による砂の流動を制限し、また砂と帯材等の摩擦によって、砂の崩れを防止し、砂層が露出する壁とする請求項6記載の泥状汚泥処理装置。 - 堆肥場内でセルロース分解菌の代謝による高温が持続することにより、水分が過剰に蒸発し、乾燥してしまうことを防止するために、砂壁内には、上部に散水するための複数の孔があり、かつ孔の上は、上部からの砂の重圧で孔が塞がれないように、透水性のあるカバーで覆われたたパイプを敷設し、流動状態の混合物からの排水を通水し、砂壁内に浸透させて、露出した内面の砂表面を湿潤させることで、堆肥場に適度な湿度をもたせる請求項6又は7記載の泥状汚泥処理装置。
- 団子を堆肥場に積み重ねて、仕込むことにより、丸い団子間には隙間ができ、更に水分を多く含む柔らかな団子がつぶれないよう、網目の板を丸めて、円筒短管にし、その上下も網目の板で蓋をした内部が空洞の短管と、短管下部には下方が広がるように、柱を接着して自立することのできる多孔缶を複数、団子が積み重ねられている中に、配置させて、団子間の隙間を確保し、また多孔缶に空洞部があることにより、通気性のある堆肥場とする請求項6乃至8いずれかの項に記載の泥状汚泥処理装置。
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