JP2009113066A - 給油管用電縫鋼管 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑形状であるとか、伸び率が大きい等の厳しい加工条件であっても、割れ等の重大な欠点を発生させることなく所望の給油管形状に加工することができる給油管用電縫鋼管を提供すること。
【解決手段】表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層2を有する鋼板を、連続に成形して鋼帯とする。得られた鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して電縫鋼管1を製造する。更に、溶接で形成された内外両面の溶接部の余盛り部5を切除して滑らかな状態とする。その後、外面側のみに切除部分を覆うように防錆処理が施されて給油管用電縫鋼管としてある。
【選択図】図1
【解決手段】表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層2を有する鋼板を、連続に成形して鋼帯とする。得られた鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して電縫鋼管1を製造する。更に、溶接で形成された内外両面の溶接部の余盛り部5を切除して滑らかな状態とする。その後、外面側のみに切除部分を覆うように防錆処理が施されて給油管用電縫鋼管としてある。
【選択図】図1
Description
本発明は、複雑形状であるとか、伸び率が大きい等の厳しい加工条件であっても、割れ等の重大な欠点を発生させることなく所望の給油管形状に加工することができる給油管用電縫鋼管に関するものである。
例えば、自動車などの給油管には耐食性、加工性、ハンダ性等に優れていることが要求されている。また特に、錆が生じると油漏れが発生して危険な状態になるおそれがあるため、長期間にわたる耐食性が重要な特性として要求されている。
また、給油管用電縫鋼管は、従来より、メッキ処理をしていない一般鋼で電縫鋼管を成形した後、溶接で形成された内外両面の溶接部の余盛りを切除した状態として出荷し、次いで、部品メーカーにおいて鋼管を所定形状に各種の成形加工をした後に、一般的なメッキ処理と防錆塗装を施して給油管とする方法が採用されていた。
しかしながら、この場合は部品メーカーにおいて専用のメッキ設備を準備する必要があり、一定の工場スペースと膨大な設備費が必要となるという問題点があり、更にはメッキ設備が専用型であるため稼働率も低く生産コストが高くなるという問題点もあった。
また、特許文献1に示されるように、耐久性に優れたステンレス製パイプを使用してメッキ処理をなくすことも考えられるが、ステンレス鋼は高価であるためコスト的な面から採用が難しいという問題点があった。
本発明は上記のような問題点を解決して、優れた耐食性、加工性、ハンダ性等を有しており、また複雑形状であるとか、伸び率が大きい等の厳しい加工条件であっても、割れ等の重大な欠点を発生させることなく所望の給油管形状に加工することができ、更には部品メーカーにおける専用のメッキ設備も不必要となり、安価に生産することができる給油管用電縫鋼管を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の給油管用電縫鋼管は、表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層を有する鋼板を連続成形して得られる鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して製造される電縫鋼管であって、溶接で形成された内外両面の溶接部における余盛りの切除部分のうち、外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理が施されていることを特徴とするものである。
また防錆処理は、亜鉛−アルミ合金のワイヤーによる溶射補修であることが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
また前記溶射膜の厚みは、5〜40μmの範囲が好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
また前記亜鉛−アルミ合金のアルミ含有量は、5〜30質量%の範囲が好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
更に鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とすることが好ましく、これを請求項5に係る発明とする。
また鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%で、Ti、Nbの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上含有し、上限を質量%で1.0%とし、更にBを質量%で0.0002〜0.0030%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とすることを特徴とすることが好ましく、これを請求項6に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層を有する鋼板からなる電縫鋼管であるので、優れた耐食性、加工性、ハンダ性等を確保することができるうえに、事前にメッキ処理してあるため部品メーカーにおいて専用のメッキ設備を準備する必要がない。更に、溶接で形成された内外両面の溶接部における余盛りの切除部分のうち、外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理が施されているので、外面側のメッキ層が削り取られた部分から腐食したりクラックが発生することもなく長期間にわたる耐食性を保証することができる。
請求項2に係る発明では、亜鉛−アルミ合金のワイヤーによる溶射補修が施されているので、より長期間にわたる耐食性および耐クラック性を保証することができる。
請求項3に係る発明では、溶射膜の厚みを5〜40μmの範囲としたので、溶接部の外面側が突出することなく滑らかな形状となり、取り扱い性に優れたものとなる。
請求項4に係る発明では、亜鉛−アルミ合金のアルミ含有量は、5〜30質量%の範囲としたので、耐食性と加工性の両者を高い次元で満たすことができる。
請求項5に係る発明では、鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とするので、優れた耐食性、加工性、ハンダ性等を確保することができる。
請求項6に係る発明では、鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%で、Ti、Nbの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上含有し、上限を質量%で1.0%とし、更にBを質量%で0.0002〜0.0030%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とするので、優れた耐食性、加工性、ハンダ性等を確保することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明では、鋳片から熱間圧延、酸洗、冷間圧延等の熱処理、圧延等を行った焼鈍済の鋼板、または圧延材を非メッキ材として使用し、圧延油の除去等の前処理を行った後、錫−亜鉛メッキを行って製造したメッキ鋼板を使用し、給油管用電縫鋼管とする。
本発明では、鋳片から熱間圧延、酸洗、冷間圧延等の熱処理、圧延等を行った焼鈍済の鋼板、または圧延材を非メッキ材として使用し、圧延油の除去等の前処理を行った後、錫−亜鉛メッキを行って製造したメッキ鋼板を使用し、給油管用電縫鋼管とする。
鋼板成分については、Pbが含まれていない(不可避的不純物は除く)給油管用の防錆鋼板を提供すること、給油管の複雑な形状に加工できる成分系であることと、メッキ層界面の合金成分層の厚みを極力薄しメッキ剥離を防止できること、給油管内部環境および外部環境における腐食の進展を抑制する成分系である必要があることから、以下の成分からなるものとした。
Cは、強度確保の点からある程度の含有量は必要である。しかし本メッキ浴成分では加工性および耐蝕性を低下させる元素であるが、鋼−メッキ層界面反応を抑制する元素として働くため加工時のメッキ密着性を確保する点では有利である。以上を考慮してC含有量は質量%でC≦0.1%とした。
Cは、強度確保の点からある程度の含有量は必要である。しかし本メッキ浴成分では加工性および耐蝕性を低下させる元素であるが、鋼−メッキ層界面反応を抑制する元素として働くため加工時のメッキ密着性を確保する点では有利である。以上を考慮してC含有量は質量%でC≦0.1%とした。
Siは、鋼表面酸化皮膜を安定化させるため、本メッキ浴成分ではメッキ浴へ浸漬時残存しやすくメッキ反応を阻害し、耐蝕性に影響するピンホール(不メッキ部分)を多量に生成しやすい。また強度確保の点からある程度の含有は必要であるが、強度強化元素であるため含有量を調整する必要がある。また本メッキ浴成分では鋼−メッキ層界面反応を抑制する元素として働くため加工時のメッキ密着性を確保する点では有利となる。以上を考慮して、Si含有量は質量%でSi≦0.1%とした。
Mnは、強度確保の点からある程度の含有量は必要であるが、強度強化元素なため加工性を低下させる傾向にあり含有量を制限する必要がある。また本メッキ浴では反応性を向上させる方向にあり、鋼−メッキ層界面反応も促進させる方向にあり界面反応を調整する上で含有量を調整する必要がある。以上を考慮して、Mn含有量は質量%で0.05%≦Mn≦1.2%とした。
Pは、本メッキ浴で反応を抑制させる効果があり鋼−メッキ層界面反応を抑制させるのに必要な成分である。含有量が多すぎるとピンホールが多量に発生するため、以上を考慮して、質量%でP≦0.04%とした。
Alは、本メッキ浴で反応を抑制させる効果があり鋼−メッキ層界面反応を抑制させるのに必要な成分である。但し多すぎるとメッキ性を大幅に低下させるためにピンホールが発生しやすく含有量の上限を制限する必要がある。従って、上限を質量%で0.1%とした。
Nb、Tiは、C、Nを固定して鋼板に加工性を付与するために必要な元素で(C+N)の原子当量以上含有することによってC,Nを固定可能である。また、1.0%を越えると効果は飽和すると共に本メッキ浴では鋼−メッキ層界面反応も促進させる方向にあり界面反応を調整する上でも含有量を調整する必要がある。以上考慮して、Ti、NbについてはTi、Nbの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上含有し、上限を質量%で1.0%とした。
Bは、結晶粒界に析出して粒界の強度を高め、2次加工割れを防止して加工性を向上させるのに必要である。多すぎるとその効果が飽和し、かつ熱間強度が高くなりすぎ熱間圧延性が低下し好ましくない。従って、含有量は質量%で0.0002〜0.0030%とした。
上記した鋼板には、メッキ処理が施され表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層が形成されている。
なお、メッキ処理方法としては、溶融メッキや電気メッキ等の一般的な手法を用いることができ、このように鋼板の出荷時においてメッキ処理を終了させておくことにより、部品メーカーで専用のメッキ設備を準備するのを不必要とすることができる。
なお、メッキ処理方法としては、溶融メッキや電気メッキ等の一般的な手法を用いることができ、このように鋼板の出荷時においてメッキ処理を終了させておくことにより、部品メーカーで専用のメッキ設備を準備するのを不必要とすることができる。
前記錫−亜鉛合金メッキ層を、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなるものとするのは、ガソリン等の燃料に対する給油管の耐蝕性や融雪塩散布地域走行時に生ずる塩害環境に対する耐蝕性の確保、さらには自動車下部の構造に合わせて加工できる加工性の確保、燃料パイプ等の部品の接合に必要なハンダ性の確保等が必要であるからである。
メッキ層中の錫含有量が70%より少ない場合は、給油管内面の耐蝕性が大幅に低下しメッキ層の溶解速度が大きくなるとともに、塩害環境に於けるメッキ層の溶解速度も大きくなり耐蝕性が大幅に低下するからである。また、残部の亜鉛および不可避的不純物が多くなることによってメッキ層の加工性が低下するとともに、ハンダ性も大幅に低下する傾向があるからである。一方、メッキ層錫含有量が99%より多くなると、特に性能が低下する訳ではないが、塩害環境におけるメッキ層による犠牲防錆効果が小さくなり、疵がはいった場合、素地から鉄錆を生じやすい。従って、メッキ層組織としては質量%で錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなるものとした。
メッキ層中の錫含有量が70%より少ない場合は、給油管内面の耐蝕性が大幅に低下しメッキ層の溶解速度が大きくなるとともに、塩害環境に於けるメッキ層の溶解速度も大きくなり耐蝕性が大幅に低下するからである。また、残部の亜鉛および不可避的不純物が多くなることによってメッキ層の加工性が低下するとともに、ハンダ性も大幅に低下する傾向があるからである。一方、メッキ層錫含有量が99%より多くなると、特に性能が低下する訳ではないが、塩害環境におけるメッキ層による犠牲防錆効果が小さくなり、疵がはいった場合、素地から鉄錆を生じやすい。従って、メッキ層組織としては質量%で錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなるものとした。
メッキ層の厚みは、耐蝕性に影響するが、あまり薄すぎると燃料給油管材として長期使用に対し、比較的短期間で素地まで腐食が進行しやすいとともに、メッキ時に生じた微小ピンホールが被覆されず露出するためメッキ厚みより推定した寿命よりも早く素地腐食が起こるし、またハンダ性も低下する。一方、メッキ厚みが厚すぎると耐蝕性は充分に確保されるが性能過剰となる。従って、メッキ厚みは片面あたり4〜50μmとした。
以上のような鋼板から、所定幅の鋼帯を連続成形し、得られた鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して電縫鋼管を製造する。このようにして得られる電縫鋼管には、内外両面の溶接部に溶接で形成された余盛りが存在する。この余盛り部は、内面ではガソリンの円滑な流れを阻害するとともに、ゴミ等を堆積して腐食の原因にもなり、外面では突起物となって取り扱いを低下させる原因となるため切除する必要があり、切削加工等により切除されて滑らかな状態とされる。
その後は切除部分のうち外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理が施される。これは、余盛り部の切除により表面のメッキ層が削り取られてしまうため、その部分の腐食防止を目的として防錆処理を施すのである。
ただし、本発明者の知見によれば、図1に示すように、内面側の切除部分は常にガソリンと接しているために錆びる可能性が極めて小さく、防錆処理は不要であり、外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理を施せばよいことが判った。なお、図1において、1は表面に錫−亜鉛合金メッキ層2を有する電縫鋼管、3は溶接部、4は防錆皮膜、5は余盛り部である。
ただし、本発明者の知見によれば、図1に示すように、内面側の切除部分は常にガソリンと接しているために錆びる可能性が極めて小さく、防錆処理は不要であり、外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理を施せばよいことが判った。なお、図1において、1は表面に錫−亜鉛合金メッキ層2を有する電縫鋼管、3は溶接部、4は防錆皮膜、5は余盛り部である。
前記防錆処理としては、防錆塗料の塗装や合金等の溶射などを適用することができる。
防錆塗料としては、無機系被膜でも有機系被膜(例えば有機樹脂被膜等)のいずれでもよい。無機系被膜としてはZn、P、Mn、Ni、Mg、Fe、Co、Al等の金属元素を所定量含有する酸化物被膜を用いることができる。無機系であるので、無機材が主体であれば、潤滑用の無機系被膜中には、有機系潤滑剤が二次的に含有していてもよい。
また、有機系被膜としては熱硬化型、熱可塑型、放射線硬化型等、何れの型の有機樹脂も利用可能である。具体的な有機樹脂としては、アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。更に、これらの樹脂を適宜硬化剤を用いて、架橋させたものも利用可能である。硬化剤の種類としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
具体例としては、アクリル酸や、メタクリル酸を主体として重合させたアクリル樹脂をメチルアルコールや、ブチルアルコールで変性したメラミンで熱硬化させた塗料等が挙げられる。
防錆塗料としては、無機系被膜でも有機系被膜(例えば有機樹脂被膜等)のいずれでもよい。無機系被膜としてはZn、P、Mn、Ni、Mg、Fe、Co、Al等の金属元素を所定量含有する酸化物被膜を用いることができる。無機系であるので、無機材が主体であれば、潤滑用の無機系被膜中には、有機系潤滑剤が二次的に含有していてもよい。
また、有機系被膜としては熱硬化型、熱可塑型、放射線硬化型等、何れの型の有機樹脂も利用可能である。具体的な有機樹脂としては、アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。更に、これらの樹脂を適宜硬化剤を用いて、架橋させたものも利用可能である。硬化剤の種類としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
具体例としては、アクリル酸や、メタクリル酸を主体として重合させたアクリル樹脂をメチルアルコールや、ブチルアルコールで変性したメラミンで熱硬化させた塗料等が挙げられる。
また、防錆処理として亜鉛−アルミ合金のワイヤーによる溶射補修を施すこともできる。この場合は、鋼板表面に形成した錫−亜鉛合金メッキ層となじみがよく、また後工程のプレス加工にもクラックの発生を防止して十分に加工することができるからである。
この場合、溶射膜の厚みは、5〜40μmの範囲にあることが好ましい。5μm未満では十分な耐蝕性を保証することが難しく、40μmより厚いと加工性が不十分になるからである。
また、亜鉛−アルミ合金のアルミ含有量は、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。5質量%未満では加工性が不十分となり、30質量%より多いと十分な耐蝕性を保証することが難しくなるからである。
この場合、溶射膜の厚みは、5〜40μmの範囲にあることが好ましい。5μm未満では十分な耐蝕性を保証することが難しく、40μmより厚いと加工性が不十分になるからである。
また、亜鉛−アルミ合金のアルミ含有量は、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。5質量%未満では加工性が不十分となり、30質量%より多いと十分な耐蝕性を保証することが難しくなるからである。
[表1]に示す組成からなる鋼板に錫−亜鉛メッキ処理を行い、表面に錫−亜鉛合金メッキ層を有するメッキ鋼板とし、この鋼板を連続成形して所定幅の鋼帯とした。得られた鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して給油管用電縫鋼管を製造した。この給油管用電縫鋼管の寸法およびメッキ厚みは[表2]に示す通りである。次に、切削加工により溶接で形成された内外両面の溶接部の余盛りを切除して滑らかな状態とした。その後、前記切除部分のうち外面側のみの切除部分を覆うように、亜鉛−アルミ合金のワイヤーによる溶射補修を施した。溶射部の厚みは[表2]に示す通りである。
複合サイクル腐食試験(CCT:JASO M609-91)に基づき、1サイクルを塩水噴霧2時間(5%NaCl水、35℃)、乾燥4時間(60℃、相対湿度30%)、湿潤2時間(50℃、相対湿度95%)として、90サイクル後の錆発生の有無を調べた結果、いずれの実施例においても鋼管の溶接部、母材部ともに錆の発生が認められず、本発明の優れた効果が確認できた。
複合サイクル腐食試験(CCT:JASO M609-91)に基づき、1サイクルを塩水噴霧2時間(5%NaCl水、35℃)、乾燥4時間(60℃、相対湿度30%)、湿潤2時間(50℃、相対湿度95%)として、90サイクル後の錆発生の有無を調べた結果、いずれの実施例においても鋼管の溶接部、母材部ともに錆の発生が認められず、本発明の優れた効果が確認できた。
1 鋼管本体
2 錫−亜鉛合金メッキ層
3 溶接部
4 防錆皮膜
5 余盛り部
2 錫−亜鉛合金メッキ層
3 溶接部
4 防錆皮膜
5 余盛り部
Claims (6)
- 表面に、錫70〜99質量%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、片面あたりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金メッキ層を有する鋼板を連続成形して得られる鋼帯のエッジ部を、高周波電流により加熱溶接して製造される電縫鋼管であって、溶接で形成された内外両面の溶接部における余盛りの切除部分のうち、外面側のみの切除部分を覆うように防錆処理が施されていることを特徴とする給油管用電縫鋼管。
- 防錆処理が、亜鉛−アルミ合金のワイヤーによる溶射補修であることを特徴とする請求項1に記載の給油管用電縫鋼管。
- 溶射膜の厚みが、5〜40μmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の給油管用電縫鋼管。
- 亜鉛−アルミ合金のアルミ含有量が5〜30質量%の範囲で、残部が亜鉛であることを特徴とする請求項2に記載の給油管用電縫鋼管。
- 鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とすることを特徴とする請求項1に記載の給油管用電縫鋼管。
- 鋼板が、質量%でC≦0.1%、Si≦0.1%、0.05%≦Mn≦1.2%、P≦0.04%、Al≦0.1%で、Ti、Nbの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上含有し、上限を質量%で1.0%とし、更にBを質量%で0.0002〜0.0030%を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物とすることを特徴とする請求項1に記載の給油管用電縫鋼管。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012017674A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 東洋鋼鈑株式会社 | 燃料蒸気への耐食性に優れたパイプ製造用鋼板、それを用いたパイプ及びパイプの製造方法 |
JP2018167712A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 株式会社アステア | 燃料給油管及びその製造方法 |
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