JP2009109216A - X線ct装置及びx線ct装置を用いた撮像方法 - Google Patents

X線ct装置及びx線ct装置を用いた撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体放射線検出器の寿命を伸ばすことができるX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線CT装置1は、内部にCdTe検出器を設けた検出器格納装置6、加熱処理装置18及び検出器移動装置24を有する。ターンテーブル3を回転させ、ターンテーブル3上の被検体に電子線加速器2からのX線ファンビーム44を照射する。被検体を透過したX線がCdTe検出器によって検出される。画像再構成装置34が得られた検出信号に基づいて断層像を再構成する。その後、被検体を回転テーブル3上に置かない状態で、CdTe検出器がX線ファンビーム44を検出する。この検出信号が閾値以下になったとき、検出器格納装置6が検出器移動装置24によって加熱処理装置18まで移動され、検出器格納装置6が加熱処理装置18内に格納される。検出器格納装置6内のCdTe検出器が過熱されてアニール処理される。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線CT装置及びX線CT装置を用いた撮像方法に係り、特に、物体の断層像情報を得る産業用のX線CT装置(以下、産業用X線CT装置という)に適用するのに好適なX線CT装置及びX線CT装置を用いた撮像方法に関する。
半導体を用いた半導体X線検出器は、例えば、特表平10−512398号公報などに記載されている。特に、化合物半導体であるCdTe(テルル化カドミウム)を用いた半導体X線検出器を使用し、X線検出の測定感度を向上させると共に長時間撮影時に問題となる半導体X線検出器の出力低下現象を防止した産業用X線CT装置は、特開2005−274169号公報及び特開2006−10364号公報に記載されている。
化合物半導体であるCZT(カドミウム亜鉛テルライド)を用いた半導体X線検出器を備えたX線CT装置において、画像撮影中に半導体X線検出器を10℃から100℃に加熱することにより、半導体X線検出器中の暗電流の減少と電荷の移動度と寿命を増大させることが、特開2007−626号公報に記載されている。特開2007−626号公報に記載されたX線CT装置は、X線束が増加しても暗電流が増加せずCT撮像に有効である。しかし、特開2007−626号公報は、そのX線CT装置で長時間連続撮影した場合及びそのX線CT装置を長期間使用した後の特性については述べていない。
A. Cavallini, B. Fraboni, and W. Dusi: “Compensation processes in CdTe-based components”, IEEE Trans. NS, Vol.52, No.5, pp1964-1967 (2005)は、CdTeを用いた半導体X線検出器に高集積線量を照射するとパルス波高分布がブロードになり出力低下し、特に、その出力低下が30kGy以上で顕著に生じることを記載する。その原因はCdTe結晶内に再結合中心として働く深い準位が発生するためであると述べられている。
特表平10−512398号公報 特開2005−274169号公報 特開2006−10364号公報 特開2007−626号公報 A. Cavallini, B. Fraboni, and W. Dusi: "Compensation processes in CdTe-based components", IEEE Trans. NS, Vol.52, No.5, pp1964-1967 (2005)
高エネルギーX線、特に、3〜12MeVのX線を用いる大型の産業用X線CT装置では、使用するX線源の線量率が非常に高い。高エネルギーの産業用X線CT装置では半導体X線検出器の出力電流を積分して計測するため、パルス波高のブロード化はあまり影響しない。しかしながら、発明者らは、長期間、産業用X線CT装置を使用した場合に、CdTeを用いた半導体X線検出器の積分電流出力が集積線量にほぼ比例して低下していくという現象を発見した。ここでいう長期間とは、1日8時間使用した場合で、数ヶ月から数年の期間である。その積分電流出力が低下すると、CT画像の画質低下が懸念される。半導体X線検出器の出力低下の主原因は、前述のようにX線の照射によりCdTe結晶内部に再結合中心が発生し、X線により半導体X線検出器内で生成する電子・正孔対が再結合するために出力電流が小さくなることである。これまで、このような長期間に高集積線量を照射された場合における半導体X線検出器の出力低下を回復させることについては考慮されていなかった。
特開2007−626号公報は、医療用のX線CT装置において画像撮影中に半導体X線検出器の温度を10℃から100℃に加熱することについて述べている。産業用の高エネルギーX線CT装置は従来から特に冷却装置を備えておらず、20℃近辺の室温で使用される。また、高エネルギーの産業用X線CT装置では、使用するX線のエネルギーが、1MeVから12MeVであり、医療用X線CT装置の100keVから150keVと比べて1桁から2桁も高い。このため、産業用X線CT装置は、半導体X線検出器の前面(X線入射側)に設ける散乱線防止用コリメータがヘビイメタル製で数百kgの重量になることが多く、半導体X線検出器を加熱する場合にはコリメータ及びセンサホルダを同時に加熱する必要がある。それ故に、産業用X線CT装置の作動中(撮像中)に半導体X線検出器を100℃まで加熱することは非常に困難である。
本発明の目的は、半導体放射線検出器の寿命を伸ばすことができるX線CT装置及びX線CT装置の撮像方法を提供する。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、X線発生装置から放出されたX線を検出する半導体放射線検出器を加熱する加熱装置と、X線発生装置からのX線の放出が停止された後、加熱装置の発熱を制御して、出力が設定出力以下になった前記半導体放射線検出器を加熱する制御装置とを備えたことにある。
長期間(例えば、数ヶ月から数年)の使用によって出力が閾値より低下した半導体放射線検出器を加熱するので、長期間に亘るX線の入射により半導体放射線検出器の半導体結晶の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができ、半導体放射線検出器の出力を回復させることができる。このため、X線CT装置に用いられている半導体放射線検出器の寿命を伸ばすことができる。
本発明によれば、X線CT装置に用いられている半導体放射線検出器の寿命を伸ばすことができる。
産業用X線CT装置は、物体の内部形状を観察,計測するために、非常に有用な非破壊検査装置である。最近では自動車の開発品の形状計測、及び自動車部品の鋳造品の巣の分布計測などに、産業用X線CT装置が活用されている。大型鋳造品などの断層像を撮影するために、透過力の高い高エネルギーのX線を発生する加速器をX線源に用いたX線CT装置が開発されている。この産業用X線CT装置は、例えば、X線源として電子線加速器を用い、半導体X線検出器として短冊形のシリコン半導体を有するX線検出器(シリコン半導体X線検出器)を用いている。このX線CT装置は、被検体をX線ファンビームに垂直な軸周りに1回転させて断層像を撮影する、いわゆる第3世代方式のX線CT装置である。
シリコン半導体X線CT装置では、高エネルギーのX線の検出効率が20%程度になる。この検出効率は検出器のサイズ及びX線エネルギーにより異なる。断層像の密度分解能は、その検出効率(感度)が高いほど向上する。このため、シリコンよりもさらに密度が2倍ほど高く検出効率も約2倍向上できるCdTeを用いた半導体X線検出器(以下、CdTe検出器という)の使用が考えられている。
一方の電極をショットキーダイオード電極にしたCdTe検出器は、リーク電流が少ないので、X線検出装置への適用が広く検討されている。しかし、CdTe検出器では、長時間(といっても数十分から数時間程度)のバイアス印加による出力低下現象が知られている。この出力低下を防止するために、特開2006−10364号公報は、CdTe検出器に通常(ショットキーダイオードで電流が遮断される方向)とは逆のバイアス電圧(ショットキーダイオードの順方向。以下、順方向バイアス)を印加し、出力低下現象を防止することを提案している。
1MeV程度のエネルギーのX線源を使用した、産業用のX線CT装置は、線量率が4Gy/h(距離1mにて)程度であるので、上記した技術の適用により、CdTe検出器の使用が可能である。より大きな試料(物体)のX線CT撮像を行うために、さらに高いエネルギーのX線を利用するX線CT装置も既に使用されている。このようなX線CT装置にCdTe検出器を適用する場合には、CdTe検出器はさらに高い線量率のX線に曝される。X線源として例えば6MeVの加速器を用いた場合には約30倍、9MeVであれば約100倍の線量率となる。CdTe検出器にX線もしくはγ線を照射し続けると、特表平10−512398号公報にも記載されているように、集積線量30kGy以上で検出器の特性が劣化することが知られている。
したがって、X線源の線量率が30倍高ければ、CdTe検出器の特性劣化が顕著になるまでのX線CT装置の運転時間は概略1/30となることが予想され、CdTe検出器の交換頻度が高くなる。この半導体放射線検出器の交換は、半導体放射線検出器の半導体結晶(例えば、CdTe)の深いエネルギー準位の欠陥が生じることによってもたらされる。深いエネルギー準位の欠陥はCdTe半導体結晶のバンドギャップ1.52eVのほぼ中間、0.75、0.79eVにあり、放射線によって生じる電子や正孔の再結合中心となるといわれている。半導体結晶の深いエネルギー準位に生じる欠陥を消滅させる、すなわち、半導体結晶を深いエネルギー準位に欠陥が無い状態に回復させることによって、その深いエネルギー準位の欠陥が生じた半導体放射線検出器を再利用することが可能になる。本発明は、半導体結晶の深いエネルギー準位に生じた欠陥を消滅させ、この欠陥が生じた半導体放射線検出器を再利用するためになされたものである。
発明者らは、半導体放射線検出器に含まれる半導体結晶の深いエネルギー準位に生じた欠陥を消滅させるために種々の検討を行い、半導体放射線検出器を加熱することによって深いエネルギー準位に生じた欠陥を消滅することができ、半導体放射線検出器の出力を回復させることができることを新たに見出したのである。
半導体放射線検出器、例えばCdTe検出器の出力があまりにも低下すると、出力される信号のS/N比が低下するため、再構成されたCT画像の画質が低下するという問題も発生する。
陽電子放出断層撮影装置(PET装置)に用いられる半導体放射線検出器においても、放射線の入射により出力が低下する現象が見られる。この半導体放射線検出器に入射される放射線は検診者の体内に投与された放射性核種から放出される線量の低いγ線である。このようなγ線の入射によって半導体放射線検出器の半導体結晶の浅いエネルギー準位に欠陥が生じる。この欠陥は、半導体放射線検出器に印加するバイアス電圧を一時的に切ることによって消滅させることができる。本発明が対象とする半導体結晶の深いエネルギー準位に生じた欠陥は、半導体放射線検出器に印加するバイアス電圧を切っても消滅させることはできない。
半導体放射線検出器に含まれる半導体結晶の深いエネルギー準位に生じた欠陥を消滅させることができる本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1のX線CT装置を、図1〜図9を用いて以下に説明する。本実施例のX線CT装置1は、物体(例えば、製品)の断層像を撮像する工業用のX線CT装置である。
X線CT装置1は、電子線加速器(X線発生装置)2、ターンテーブル3,スキャナ(テーブル移動装置)4、コリメータ5、検出器格納装置6、半導体放射線検出器であるCdTe検出器9、加熱処理装置18、検出器移動装置24、信号処理装置32、コントローラ33及び画像再構成装置(画像作成装置)34を備える。電子線加速器2、スキャナ4、コリメータ5、検出器移動装置24及び信号処理装置32は、床面に設置されるフレーム36に設置されている。ターンテーブル3は、水平面内で回転可能であり、スキャナ4により上下動される。コリメータ5は、ターンテーブル3を間に挟むようにして、電子線加速器2と向かい合って配置されている。コリメータ5は、電子線加速器2から放射状になるように、水平方向に並べられた複数(例えば512個)の貫通孔(X線通過孔)45(図3参照)を有する。
検出器移動装置24は、図3に示すように、フレーム36に設置されて上下方向に伸びる支持部材25、水平方向移動装置26及び上下方向移動装置27を有している。支持部材25は、門型の形状をしており、検出器格納装置6の上方を覆っている。上下方向移動装置27は、モータ28、及びモータ28に連結されるボールネジ29を有する。モータ28は支持部材25に設置される。ボールネジ29及び一対のリニアガイド30,31は、上下方向に伸びており、そして支持部材25の一方の垂直部に取り付けられている。上記のモータ28に連結される別のボールネジ29、及びリニアガイド30,31は、上記の垂直部に対向している、支持部材25の他方の垂直部に取り付けられている。
水平方向移動装置26は、図4に示すように、それぞれのボールネジ29と噛み合う別々の移動台46を有し、各移動台46に水平方向に伸びるリニア駆動装置47,47Aをそれぞれ設置している。移動台46は、精度良く上下動するようにリニアガイド30,31に噛み合っている。リニア駆動装置47,47Aにそれぞれ設けられる支持部48,48A,49,49Aが、検出器格納装置6に取り付けられ、検出器格納装置6を支持している。リニア駆動装置47,47Aの下方にそれぞれリニアガイド(図示せず)が配置されている。リニア駆動装置47,47Aの駆動によって、検出器格納装置6は、各移動台46に設けられた各リニアガイドにガイドされて水平方向に移動される。
検出器格納装置6は、図3に示すように、上部カバー7及び下部カバー8を有する。下部カバー8は、コリメータ5に設けられたピン61,62に着脱可能に取り付けられる。下部カバー8はピン61,62によって保持される。上部カバー7は下部カバー8の上方に配置されて下部カバー8に取り付けられている。上部カバー7及び下カバー8は保温材を含む筐体で構成されている。下部カバー8には、複数(例えば512個)のCdTe検出器9が別々に各貫通孔45に向き合うように取り付けられている。これらのCdTe検出器9は検出器格納装置6内に収納される。CdTe検出器9の個数が多いほど撮影解像度は向上するが、本実施例では512個のCdTe検出器9が設置されている。
CdTe検出器9の構造を、図6及び図7を用いて具体的に説明する。本実施例に用いられるCdTe検出器9は、上面にPt電極及び下面にIn電極が蒸着されたCdTe結晶(半導体結晶)10を有し、これらの電極を有するCdTe結晶10をフレキシブル基板である絶縁基板(図示せず)に接着し、さらに、この絶縁基板をヘビイメタル基板11に接着して構成されている。Pt電極及びIn電極を有するCdTe検出器9はIn/CdTe/Pt検出器である。ヘビイメタル基板11は、タングステン合金製で、CdTe検出器9を保護すると共に、隣のCdTe検出器9に入射したX線の散乱及び反跳電子を遮蔽する機能を有する。さらに、CdTe結晶10のPt電極は端子14に接続されたボンディングワイヤー12に接続され、In電極は導電性接着剤13で絶縁基板に接着されている。このIn電極は配線により端子15に接続されている。それらの電極間に電圧が印加されている状態でCdTe結晶10にX線が入射されると、ボンディングワイヤー12にX線検出信号が出力される。CdTe検出器9の端子14,15は、複数のCdTe検出器9ごとにまとめられて、上部カバー7の内側に設けられたコネクタ16に接続される。コネクタ16は上部カバー7を貫通して上部カバー7の外側に設けられたコネクタ17に接続される。
加熱処理装置18は、検出器格納装置6の下方に配置され、コリメータ5を支持する支持部材60に取り付けられている。加熱処理装置18は、保温材を設置した筐体21、及びCdTe検出器9を加熱するパネルヒータ19,20を有する。筐体21は支持部材60に取り付けられており、パネルヒータ19が水平方向に配置されて筺体21の水平部に設けられる。パネルヒータ20が上下方向に配置されて筺体21の垂直部に設けられている。熱電対23が筺体21に設置される。温度制御装置(加熱制御装置)22は加熱処理装置18の下方でフレーム36上に取り付けられる。
コネクタ17に接続されるケーブル37は信号処理装置32に接続される。信号処理装置32は、ケーブル38によって、コントローラ33に接続され、さらに画像再構成装置34に接続される。表示装置35は画像再構成装置34に接続される。コントローラ33は、ケーブル39により電子線加速器2に接続され、ケーブル40によりターンテーブル3及びスキャナ4の各駆動装置(図示せず)に接続される。コントローラ33は、さらに、ケーブル41により検出器移動装置24の水平方向移動装置26及び上下方向移動装置27にそれぞれ接続され、ケーブル42により温度制御装置22に接続される。
電子線加速器2、ターンテーブル3,スキャナ4、コリメータ5、検出器格納装置6、CdTe検出器9、加熱処理装置18、検出器移動装置24、信号処理装置32及びフレーム36は、遮蔽室43内に配置されている。コントローラ33、画像再構成装置34及び表示装置35は遮蔽室43の外に配置される。
以上に述べたX線CT装置1は、被検体を回転させて一つの横断面を撮影する第3世代のX線CT装置である。ターンテーブル3が回転され、スキャナ4が上下方向において被検体の各横断面での撮影を行うために回転テーブル3を上下に移動させる。
X線CT装置1を用いた被検体の撮像方法を、図9を用いて説明する。本実施例の撮像方法は、以下に示すステップ51〜59の操作及び処理が実行される。X線CT装置1では、通常、最初に空気層の出力を測定する(ステップ51)。電子線加速器2は、コントローラ33によりX線ファンビームの発生及び停止が制御される。コントローラ33から作動開始の制御指令が電子線加速器2に入力されると、電子線加速器2はX線ファンビーム44を放出する。空気層の出力の測定とは、物体である被検体をターンテーブル3に載せずにそのX線ファンビーム44をCdTe検出器9で測定することである。放出されたX線ファンビームは、コリメータ5の貫通孔45を通ってCdTe検出器9のCdTe結晶10に入射される。X線ファンビームを入射したCdTe検出器9は、X線検出信号を出力する。このX線検出信号は、ケーブル37によって信号処理装置32に入力される。空気層の出力の測定が終了した後、コントローラ33は電子線加速器2に作動停止指令を出力する。この指令を入力した電子線加速器2は、X線の放出を停止する。
その後、被検体のX線CT撮像を実施する(ステップ52)。ターンテーブル3はコントローラ33により回転の開始及び停止が制御され、スキャナ4もコントローラ33により制御されてターンテーブル3の上昇及び下降を調整する。検査員は物体である被検体(図示せず)をターンテーブル3に載せ、被検体を回転テーブル3に取り付ける。検査員は入力装置(図示せず)から検査開始信号をコントローラ33に入力する。これにより、X線CT撮像が開始される。電子線加速器2がケーブル39によりコントローラ33からのX線照射開始指令を入力し、被検体が置かれている回転テーブル3が、ケーブル40によりコントローラ33からの回転開始指令に基づいて回転される。電子線加速器2からのX線ファンビーム44が回転している被検体の、上下方向におけるある横断面に対して照射される。被検体を透過したX線は、コリメータ5の貫通孔45を通ってCdTe検出器9に入射され、CdTe検出器9に入射される。CdTe検出器9から出力されたX線検出信号は、ケーブル37によって信号処理装置32に入力される。信号処理装置32はX線検出信号を増幅しデジタル信号に変換する。このデジタル信号は、ケーブル38によりコントローラ33に入力され、さらに、画像再構成装置34に入力される。コントローラ33はこのデジタル信号を画像再構成装置34に転送する。画像再構成装置34は、画像再構成により、入力したデジタル信号に基づいてその横断面での断層像情報を作成する。この断層像情報の作成は、X線の減衰率を用いて作成される。この減衰率は、ステップ51での空気層の出力の測定でCdTe検出器9から出力されたX線検出信号を基に得られたデジタル信号S0とステップ52において被検体が存在する状態で得られたデジタル信号S1との比(S0/S1)である。
ターンテーブル3がほぼ一回転して一つの横断面におけるX線CT撮像が終了したとき、ターンテーブル3の回転はコントローラ33からの回転開始指令に基づいて停止される。コントローラ33からの駆動開始指令を入力したスキャナ4は、回転テーブル3を上方に向かって移動させる。回転テーブル3が所定の距離だけ上昇されたとき、コントローラ33は駆動停止指令をスキャナ4に出力して回転テーブル3の上昇を停止させる。コントローラ33には、回転テーブル3の回転角度情報及び上下方向の位置情報がフィードバックされている。回転テーブル3の上昇が停止されたとき、回転テーブル3が回転される。回転している被検体の他の横断面に対してX線ファンビーム44が照射される。CdTe検出器9は、被検体を透過したX線を検出し、X線検出信号を出力する。
以上のように、回転テーブル3の回転開始、その回転停止、及び回転テーブル3の上昇開始、その上昇停止が繰り返され、被検体の、上下方向の全体における各横断面に対するX線CT撮像が終了する。画像再構成装置34は、各横断面に対するそれぞれのデジタル信号を用いて、被検体の、上下方向の全体における各断層像情報を作成する。これらの断層像情報は表示装置34に表示される。
X線CT撮像が完了したかを判定する(ステップ53)。撮影すべき他の被検体が存在する場合にはステップ53の判定は「NO」となり、他の被検体に対してステップ51〜53が繰り返される。撮影すべき被検体が無くなったとき、ステップ53の判定は「YES」となる。ステップ53の判定が「NO」であるとき、検査員は、X線CT撮像が完了した被検体を回転テーブル3から取り外し、X線CT撮像を次に行う他の被検体を回転テーブル32に設置する。検査員は、入力装置(図示せず)から検査開始信号をコントローラ33に入力する。この新たな被検体に対するX線CT撮影が前述のように開始される。
ステップ53の判定が「YES」になったとき、空気層の出力の測定を実施する(ステップ54)。ステップ54では、空気層の出力の測定がステップ51と同様に測定が行われる。本ステップでの空気層の測定は、作動開始指令がコントローラ33から電子線加速器2に出力されることによって行われる。ステップ54において、CdTe検出器9から出力されたX線検出信号は信号処理装置32に入力され、このX線検出信号は信号処理装置32でデジタル信号に変換されてコントローラ33に入力される。
X線の放出を停止する(ステップ55)。ステップ54での空気層の出力の測定が終了した後、コントローラ33は、電子線加速器2に作動停止指令を出力する。このため、電子線加速器2からのX線の放出が停止される。X線の放出が停止された状態で、コントローラ33は、ステップ56〜59の処理及び制御を実行する。
半導体放射線検出器(本実施例ではCdTe検出器9)からの出力が閾値以下であるかが判定される(ステップ56)。コントローラ33は、信号処理装置32から入力したデジタル信号が閾値より大きいかを判定する。そのデジタル信号が閾値より大きい場合には、X線CT装置1によるX線CT撮影が終了する。しかしながら、そのデジタル信号が閾値以下である場合には、コントローラ33は、ステップ57〜59の操作を実行する。ステップ53での空気層の出力の測定は、CdTe結晶10の深いエネルギー準位に欠陥が生じているかを判定するステップ56の判定を行うのに必要なCdTe検出器9からの出力、すなわち、この出力に対応した信号処理装置32からの出力(デジタル信号)を得るために行われるのである。
検出器格納装置を加熱処理装置に格納する(ステップ57)。ステップ56の判定が「YES」になったとき、コントローラ33は、作動停止の制御指令を電子線加速器2に出力する。これによって、電子線加速器2の運転が停止され、X線ファンビーム44の放出が停止される。コントローラ33はケーブル41を通して駆動指令を水平方向移動装置26に出力し、リニア駆動装置47,47Aが駆動される。検出器格納装置6がリニアガイドに沿ってコリメータ5から遠ざかる方向に移動し、下部カバー8がコリメータ5に設けられたピン61,62から外される。検出器格納装置6が水平方向において所定の位置まで移動した後、コントローラ33は上下方向移動装置27に駆動指令を出力する。モータ28が回転してボールネジ29が回転する。移動台46がリニアガイド30,31に沿って下降するので、検出器格納装置6が加熱処理装置18に向かって下降される。検出器格納装置6の下面、すなわち、下部カバー8の下面が筺体21の水平部の上面に接触したとき、コントローラ33はリニア駆動装置47,47Aの駆動を停止させる。CdTe検出器9は筺体21の垂直部と向き合っている。この状態で、検出器格納装置6の加熱処理装置18への格納が終了する(図8参照)。512個のCdTe検出器9が加熱処理装置18に格納される。保温材を設置した下側に位置する筺体21と保温材を設置した上部カバー7が組み合わされて、パネルヒータ19,20で発生する熱が外部に逃げない構造が形成される。
次に、半導体X線検出器が加熱される(ステップ58)。コントローラ33がケーブル42を通して加熱開始指令を温度制御装置22に出力する。温度制御装置22の制御によってパネルヒータ19,20のそれぞれに接続された開閉器(図示せず)が閉じられ、パネルヒータ19,20に電流が供給される。パネルヒータ19,20が発熱し、加熱処理装置18に格納された検出器格納装置6内の各CdTe検出器9が加熱される。温度制御装置22は、熱電対23で検出された温度に基づいてパネルヒータ19,20のそれぞれに供給される電流をON/OFF制御する。この電流制御によって、CdTe検出器9の加熱温度が、120℃から150℃の範囲に制御される。CdTe検出器9の加熱は、半導体結晶であるCdTe結晶10の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させるために、設定時間の間行われる。コントローラ33は、加熱後、設定時間が経過したとき、温度制御装置22に加熱停止指令を出力する。この加熱停止指令を入力した温度制御装置22は、上記の加熱器を開き、パネルヒータ19,20への電流の供給を停止させる。CdTe検出器9の加熱が停止される。
検出器格納装置をコリメータに設置する(ステップ59)。コントローラ33は、検出器格納装置6を元の位置に戻すために、上下方向移動装置27に駆動指令を出力する。モータ28が回転して移動台46が上昇するので、検出器格納装置6も上昇する。CdTe検出器9が貫通孔45と向き合う位置まで上昇したとき、モータ28の回転が停止される。コントローラ33が駆動指令を水平方向移動装置26に出力する。これによりリニア駆動装置47,47Aが駆動され、検出器格納装置6がコリメータ5に向かって移動される。コリメータ5に設けられたピン61,62が下部カバー8の垂直部に形成された2つの孔内に挿入され、その垂直部の側面がコリメータ5の側面に接触したとき、リニア駆動装置47,47Aの駆動が停止される。以上の操作により、検出器格納装置6がコリメータ5に設置される。
以上に述べたステップ51〜59は、コントローラ33に予め格納された制御プログラムに基づいて実行される。検査員による検査開始信号の入力以外は、コントローラ33がその制御プログラムに基づいて、ステップ51〜59の操作を実行する。
本実施例は、出力が閾値より低下したCdTe検出器9を加熱処理装置18によって加熱するので、X線の入射によりCdTe結晶10の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができる。このため、深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができたCdTe検出器9は、閾値よりも著しく高い電圧を有するX線検出信号を出力することができる。
深いエネルギー準位に発生した欠陥が加熱によって消滅した状態を、図10に基づいて説明する。図10の縦軸はCdTe検出器9の出力、すなわち、空気層出力を示している。具体的には、この縦軸は、CdTe検出器9に初めてX線を入射したときにおいて、そのCdTe検出器9から出力されたX線検出信号の電圧(CdTe検出器9の出力)を「1」に規格化して示している。この「1」を初期出力と言う。図10の横軸はCdTe検出器9に対するX線の集積線量である。この集積線量は、CdTe検出器9にX線を入射している時間、すなわち、X線CT装置1の使用時間に対応する。本実施例では、CdTe検出器9の出力の閾値として、初期出力の80%を設定した。本実施例は、図9に示すように、ステップ56の判定においてCdTe検出器9の空気層出力が閾値0.8以下になったとき、自動的にCdTe検出器9を加熱するアニール処理を実施する。図10に示す■印は、アニール処理を実施しない場合におけるCdTe検出器9の出力の変化を示している。
本実施例では、CdTe検出器9に初めてX線が入射されてからの累積線量が90kGyに達したとき、CdTe検出器9の空気層出力が閾値である0.8以下になる。このとき、加熱処理装置18によるアニール処理がCdTe検出器9に対して実施され、前述したようにCdTe検出器9の出力が回復する。図10に示す□印は、本実施例においてアニール処理を実施することにより、空気層出力が閾値0.8以下になったCdTe検出器9の出力が回復する状態を示している。スッテプ58において、CdTe検出器9のアニール処理を2〜3回と実施することも可能であり、これにより累積線量が閾値(0.8)になるまでの期間をさらに長くすることができ、CdTe検出器9をより長期に亘って使用することができる。再度、CdTe検出器9の出力が上記の閾値である0.8以下になったとき、CdTe検出器9に対する加熱処理装置18によるアニール処理が再度実行される。本実施例では、CdTe検出器9を1日8時間使用した場合で、CdTe検出器9が閾値0.8になる累積線量90kGyに到達する期間は、約数ヶ月である。
本実施例は、CdTe検出器9の出力を監視してこの出力が閾値以下になったとき、X線CT装置1の運転を停止した後に上記のアニール処理をCdTe検出器9に対して実行することにより、CdTe結晶10の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができ、CdTe検出器9の寿命を延ばすことができる。さらに、CdTe検出器9から出力されたX線検出信号に基づいて作成される断層像画像の画質劣化を防止することができる。
本実施例は、水平方向移動装置26及び上下方向移動装置27を有する検出器移動装置24によって、CdTe検出器9を加熱処理装置18まで移動しアニール処理が終了したCdTe検出器9を元の位置まで移動するので、CdTe検出器9の移動を容易に行うことができ、CdTe検出器9の移動に要する時間を短く抑えることができる。検出器移動装置24は、複数(例えば512個)のCdTe検出器9を一度に移動できるので、その移動に要する時間を最小限に抑えることができる。また、加熱処理装置18内で複数(例えば512個)のCdTe検出器9に対して一度にアニール処理を実施できるので、アニール処理に要する時間も最小限に抑えることができる。このため、本実施例は、複数のCdTe検出器9をコリメータ5から取り外して再び元の位置に戻す一連のアニール処理に要する期間を著しく短くすることができる。特に、本実施例は、個々のCdTe検出器9ではなく、複数のCdTe検出器9を収納した検出器格納装置6を検出器移動装置24によって移動させるので、複数のCdTe検出器9を一度に移動することができる。この検出器格納装置6を加熱処理装置18に設置することによって、CdTe検出器9に対して一度にアニール処理を実施できるのである。
本発明の他の実施例である実施例2のX線CT装置を、図11〜図13を用いて以下に説明する。本実施例のX線CT装置1Aも、物体(例えば、製品)の断層像を撮像する工業用のX線CT装置である。
X線CT装置1Aは、実施例1のX線CT装置1から検出器移動装置24を取り除いた構成を有し、さらに、X線CT装置1の加熱処理装置18及び検出器格納装置6の代わりに加熱処理装置18Aが組み込まれた検出器格納装置6Aを備えている。検出器格納装置6Aは、コリメータ5に取り付けられ、コリメータ5から取り外せない構造になっている。検出器格納装置6Aは、支持部材60に取り付けられた支持部材64によって下面が支持されている。断熱部材63が検出器格納装置6Aとコリメータ5の間に配置される。
検出器格納装置6Aは、図12に示すように、上部カバー7及び下部カバー8を有し、複数(例えば512個)のCdTe検出器9を下部カバー8に設置している。上部カバー7及び下部カバー8の外面には保温材(図示せず)が設けられる。これらのCdTe検出器9は、別々に各貫通孔45に向き合うように配置される。断熱部材63にも各貫通孔45が形成されている。加熱処理装置18Aはパネルヒータ19及び熱電対23を有する。パネルヒータ19は水平方向に伸びて下部カバー8に設置される。熱電対2も下カバー8に設置される。加熱制御装置25は、支持部材60に取り付けられており、熱電対23に接続されている。
X線CT装置1Aを用いた被検体の撮像方法を、図13を用いて説明する。本実施例における被検体の撮像方法は、X線CT装置1を用いた被検体の撮像方法を示す図9の各ステップのうちステップ57及び59を除外した操作及び処理を実行する。ステップ51〜56は実施例1と同じである。本実施例でも、電子線加速器2からのX線の放出が停止された状態で、ステップ56の処理及びステップ58の制御がコントローラ33によって行われる。ステップ56の判定が「YES」のとき、電子線加速器2の運転が停止される。本実施例のステップ58を具体的に説明する。電子線加速器2の運転が停止された状態で、コントローラ33が加熱開始指令を温度制御装置22に出力する。温度制御装置22の制御によってパネルヒータ19に電流が供給される。パネルヒータ19の発熱によって、検出器格納装置6A内に格納された、出力が閾値である0.8以下になっている各CdTe検出器9が加熱される。温度制御装置22は、熱電対23で検出された温度に基づいてパネルヒータ19に供給される電流をON/OFF制御する。この電流制御によって、CdTe検出器9の加熱温度が、120℃から150℃の範囲に制御される。断熱部材63は、パネルヒータ19で発生した熱が金属製で熱容量の大きなコリメータ5に伝わることを抑制し、各CdTe検出器9の加熱効率を高めるために用いられる。
本実施例は、パネルヒータ19による加熱により、検出器格納装置6A内の各CdTe検出器9がアニール処理され、CdTe結晶10の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができる。このため、CdTe検出器9の寿命を延ばすことができる。さらに、CdTe検出器9から出力されたX線検出信号に基づいて作成される断層像画像の画質劣化を防止することができる。
本実施例は、実施例1のように検出器格納装置6をコリメータ5と加熱処理装置18との間で移動させる必要が無い。このため、本実施例のX線CT装置1Aは、検出器移動装置24が不要になり、X線CT装置1よりも構成が単純化できる。しかしながら、本実施例は、断熱部材63を設置しているとはいえ、検出器格納装置6Aからコリメータ5に伝わる熱量を皆無にすることはできないので、複数のCdTe検出器9が設定温度まで上昇するのに要する時間が実施例1よりも長くなる。
本発明の他の実施例である実施例3のX線CT装置を、図14及び図15を用いて以下に説明する。本実施例のX線CT装置1Bも、物体(例えば、製品)の断層像を撮像する工業用のX線CT装置である。
X線CT装置1Bは、実施例1のX線CT装置1から加熱処理装置18及び検出器移動装置24を取り除いた構成を有している。検出器格納装置6は、コリメータ5に取り付けられ、コリメータ5から取り外せない構造になっている。ただし、複数の(例えば、512個)のCdTe検出器9は、上カバー7を取り外すことによって検出器格納装置6から取り外せるように構成されている。
X線CT装置1Bを用いた被検体の撮像方法を、図15を用いて説明する。本実施例における被検体の撮像方法は、実施例1における図9に示すステップ51〜56の操作及び処理を実行し、さらにステップ66〜69の作業を実行する。これらのステップのうち、ステップ66〜69は検査員が実行する。本実施例では、図9に示すステップ57〜59は実行されない。
ステップ56においてCdTe検出器9の出力が閾値である0.8以下になっていると判定されたとき、検出器格納装置から半導体X線検出器が取り出される(ステップ66)。検査員は、検出器格納装置6の上カバー7を取り外し、検出器格納装置6内から複数のCdTe検出器9を取り出す。取り出された半導体X線検出器は加熱炉内に格納される(ステップ67)。検査員は、取り出したCdTe検出器9を、X線CT装置1Bの側に設置されている加熱炉65内に収納する。半導体X線検出器を加熱する(ステップ68)。検査員は加熱炉65のスイッチを入れる。複数のCdTe検出器9は加熱炉65内で120℃から150℃の範囲の温度で加熱される。半導体X線検出器を検出器格納装置内に設置する(ステップ69)。CdTe検出器9が所定時間加熱された後、検査員は加熱炉65のスイッチを切る。これにより、CdTe検出器9の加熱が終了する。検査員は、複数のCdTe検出器9を加熱炉65から取り出して、検出器格納装置6内に設置する。その後、上カバー7が下カバー8に取り付けられる。以上により、本実施例の被検体の撮像方法が終了する。
本実施例も、各CdTe検出器9がアニール処理されるので、CdTe結晶10の深いエネルギー準位に発生した欠陥を消滅させることができる。このため、CdTe検出器9の寿命を延ばすことができる。さらに、CdTe検出器9から出力されたX線検出信号に基づいて作成される断層像画像の画質劣化を防止することができる。
実施例1〜3は、CdTe検出器9を用いたX線CT装置だけでなく、特表平10−512398号公報に記載されているII−VI族の化合物半導体(CdTe:Cl、CdI−XZnXTe、CdTeI−XSeX、及びCdI−XZnXTe:Cl、GaAs、HgIn)、及びTlBr(臭化タリウム)などの化合物半導体を用いた半導体X線検出器を用いたX線CT装置にも適用することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1のX線CT装置の構成図である。 図1に示すX線CT装置平面図である。 図2のIII−III断面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図4のV−V断面図である。 図3に示す半導体X線検出器の平面図である。 図6に示す半導体X線検出器の側面図である。 検出器格納装置を加熱処理装置に格納した状態を示す縦断面図である。 実施例1における撮像方法のフローチャートである。 実施例1における検出器の出力と集積線量の関係を示す特性図である。 本発明の他の実施例である実施例2のX線CT装置の構成図である。 図11に示す検出器格納装置付近の詳細構造図である。 実施例2における撮像方法のフローチャートである。 本発明の他の実施例である実施例3のX線CT装置の構成図である。 実施例3における撮像方法のフローチャートである。
符号の説明
1,1A,1B…X線CT装置、2…電子線加速器、3…ターンテーブル、4…スキャナ、5…コリメータ、6,6A…検出器格納装置、7…上カバー、8…下カバー、9…半導体X線検出器、18,18A…加熱処理装置、24…検出器移動装置、26…水平方向移動装置、27…上下方向移動装置、32…信号処理装置、33…コントローラ、34…画像再構成装置。

Claims (13)

  1. X線発生装置と、前記X線発生装置から放出されたX線を通過させるX線通過孔を有するコリメータと、前記X線通過孔を通過した前記X線を検出する半導体放射線検出器と、前記半導体放射線検出器を加熱する加熱装置と、前記X線発生装置からの前記X線の放出が停止された後、前記加熱装置の発熱を制御して、出力が設定出力以下になった前記半導体放射線検出器を加熱する制御装置とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記コリメータに形成された複数の前記X線通過孔に対向してそれぞれ設けられた複数の前記半導体放射線検出器を収納する検出器格納装置を備えた請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記検出器格納装置の設置位置から前記加熱装置の位置まで前記検出器格納装置を移動させる検出器移動装置を備えた請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記検出器移動装置は、前記検出器格納装置を水平方向において前記コリメータから離したりそれに近づけたりする第1移動装置、及び前記検出器格納装置を上下方向に移動させる第2移動装置を含んでいる請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記コリメータに形成された各X線通過孔に別々に対向して形成されて前記半導体放射線検出器にX線を導く別のX線通過孔が形成され、前記コリメータと前記検出器格納装置の間に配置された断熱装置を備えた請求項2に記載のX線CT装置。
  6. 前記半導体放射線検出器は前記X線を入射する化合物半導体を含んでいる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 前記化合物半導体がCdTeである請求項6に記載のX線CT装置。
  8. X線発生装置から放出されて被検体を透過し、コリメータに形成されたX線通過孔を通過したX線を、半導体放射線検出器によって検出し、
    前記X線の検出によって発生する前記半導体放射線検出器の出力に基づいて、断層画像を作成し、
    前記半導体放射線検出器の出力が設定出力以下になったとき、前記X線発生装置からの前記X線の放出が停止された状態で、前記半導体放射線検出器を加熱することを特徴とするX線CT装置を用いた撮像方法。
  9. 出力が設定出力以下になった前記半導体放射線検出器を設置されている位置から取り外し、取り外された前記半導体放射線検出器を加熱し、加熱後、前記半導体放射線検出器を前記設置位置に取り付ける請求項8に記載のX線CT装置を用いた撮像方法。
  10. 前記半導体放射線検出器の加熱は、前記コリメータに形成された複数の前記X線通過孔に対向してそれぞれ設けられた複数の前記半導体放射線検出器を収納している検出器格納装置を加熱することによって行う請求項8に記載のX線CT装置を用いた撮像方法。
  11. 前記検出器格納装置の加熱は、前記検出器格納装置を前記検出器格納装置の設置位置から加熱装置の位置まで移動させ、前記加熱装置を用いて前記検出器格納装置を加熱することによって行う請求項10に記載のX線CT装置を用いた撮像方法。
  12. 前記検出器格納装置の移動は、検出器移動装置を用いて行われる請求項11に記載のX線CT装置を用いた撮像方法。
  13. 前記半導体放射線検出器は前記X線を入射する化合物半導体を含んでいる請求項8ないし請求項12のいずれか1項に記載のX線CT装置を用いた撮像方法。
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