JP2009107062A - 切削工具用ホルダおよび切削工具並びにそれを用いた切削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の切削インサートを同時に取り付けて使用する回転工具において、切削インサートの交換作業の作業性に優れ、構造が容易で切削インサートの固定力が高いクランプ機構を備えた切削工具を提供する。
【解決手段】 先端側に位置し径方向外方側に突出して設けられるとともに切削インサートが取り付けられるインサート取付部が複数設けられた先端部と、複数の切屑ポケットと該複数の切屑ポケットに各々隣接して形成された複数のスリットとが設けられた基端部と、を備え、前記先端部は、前記基端部の先端側に配置され、且つ、前記複数のインサート取付部が前記基端部の切屑ポケットと隣接するよう前記基端部の複数のスリットに各々挿入されて、前記基端部に固定されている切削工具用ホルダである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正面フライス、エンドミル、ドリル等の切削工具に関する。
一般に、金属等のミーリング加工に用いるスローアウェイ式の回転工具を用いた切削加工では、製品を一定量加工する毎に切削インサートを交換するという、いわゆる定数交換がよく行われる。
そして、高送り加工用のような複数の切削インサートを同時に取り付けて使用する回転工具では、その定数交換の際に交換する切削インサートの数が多く、交換作業に多大な時間を要するものであった。
特許文献1には、金属等のミーリング加工に用いるスローアウェイ式のエンドミルやフェイスミル等の回転工具で、複数の切削インサートを同時に取り付けて使用する切削工具において、1本の締付部材を操作することによって、第一押圧部材および第二押圧部材が各々作用して複数の切削インサートの着脱が可能となる切削工具が開示されている。
また、特許文献2には、複数の切削インサートが工具本体の軸線方向に沿って直線状にまたは螺旋状に配置された回転工具において、軸線方向に小さなユニットに分割した構成を有した切削工具が開示されている。このような構成により、破損した切削インサートが取り付けられた最小のユニットのみを交換することができるとともに、断面形状等の加工時に該断面形状に合ったユニットをはめ込むことにより加工工程、加工時間の短縮が図れることが開示されている。
特開2006−272478号公報 実開平5―53821号公報
しかしながら、上述した特許文献1の回転工具では、1本の締付部材で着脱することが出来る切削インサートの数を増やそうとすると、第1押圧部材および第2押圧部材の形状が複雑になり、インサート交換時の作業効率が低下するといった問題があった。
また、昨今の切削加工の高能率化に伴い、1つの回転工具に同時に取り付けられる切削インサートの数が多い、いわゆる、多刃の回転工具が多用される傾向にある。このような多刃の回転工具に適用すべく、上述した特許文献1の回転工具において、1本の締付部材によって多くの切削インサートを固定しようとすると、締付部材によって固定される第1押圧部材および第2押圧部材を小型にしなければならない。そのため、上述した特許文献1の回転工具をより多くの切削インサートを取り付けられる多刃の回転工具に適用しようとすると、切削インサートをホルダ本体に固定する力が低下したり、第1押圧部材や第2押圧部材の強度が低下し、切削インサートやホルダが破損したりしやすいといった問題もあった。
さらにまた、1本の締付部材によって複数の切削インサートを固定するため、1つの切削インサートが破損した場合に、当該破損した切削インサートのみを交換することができず、一方で作業効率が低下するという問題もあった。
一方、上述した特許文献2の回転工具では、工具本体のうち軸線方向に小さく分割された最小ユニットそのものの取り付けによって複数の切削インサートの着脱が一度に可能となる構成をなし、かつ、最小ユニットの直径は工具本体と略同一であるため、最小ユニットそのものの強度は確保される構造を有している。
しかしながら、前記最小ユニットと工具本体とが嵌合する部分が、工具本体の軸線に対して略垂直な方向に延びて形成されているため、一方向に対する拘束力は強いものの前記一方向に略垂直な方向に対する拘束力は弱くなる。具体的には、前記凹凸状の嵌合部分が延びる方向に対する拘束力は弱くなる。そのため、加工時にかかる切削負荷が大きい切削加工において、最小ユニットが工具本体からずれてしまい、加工径にズレが生じ、加工精度が悪化してしまうという問題があった。
よって、本願発明は、複数の切削インサートを同時に取り付けて使用する回転工具において、切削インサートの交換作業の作業性に優れ、かつ、構造が容易で切削インサートの固定力が高いクランプ機構を備えた切削工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の切削工具用ホルダは、先端側に位置し径方向外方側に突出して設けられるとともに切削インサートが取り付けられるインサート取付部が複数設けられた先端部と、複数の切屑ポケットと該複数の切屑ポケットに各々隣接して形成された複数のスリットとが設けられた基端部と、を備え、前記先端部は、前記基端部の先端側に配置され、且つ、前記複数のインサート取付部が前記基端部の切屑ポケットと隣接するよう前記基端部の複数のスリットに各々挿入されて、前記基端部に固定されていることを特徴とする。
このような構成により、切削インサートを取り付けるインサート取付部が形成された先端部と、切屑ポケットが形成された基端部とが、別体で設けられているとともに、先端部のインサート取付部を基端部のスリットに嵌合して先端部を基端部に固定する構成をなすことで、単純な構造で強固なクランプ力を発揮することができて加工精度の向上が図れるとともに、複数の切削インサートを一度に交換することができ、定数交換にかかる作業時間の短縮が図れる。
また、前記基端部の先端面の中央には、基端側に向かって凹んだ凹部が形成されているとともに、前記先端部の基端面の中央には、基端側に向かって突出するとともに前記凹部と嵌合する凸部が形成されていることが、先端部の厚みを大きくして、切削時に大きな力がかかる先端部の強度の向上が図れるとともに、工具本体の剛性も向上し、工具本体の損傷を抑制することができるため望ましい。
さらに、前記複数のスリットは、前記基端部の軸線に対して放射状に等間隔に配置されていることが、切削時に先端部にかかる切削力が、スリットを介して先端部と当接する基端部に、定常的に全体に渡って均等に分散して伝わり、先端部および基端部の欠損を抑制することができるため望ましい。
また、前記インサート取付部の基端面は、前記スリットの内面と当接するとともに外周側から内周側に向かうにつれて先端側に傾斜した傾斜面を有していることが、傾斜面によって、径方向外周側に向かって作用する力によってインサート取付部が外周側に飛散することを抑制することができるとともに、インサート取付部にかかる切削時の背分力が内周側に向かう方向に作用する力に分解されて先端部を基端部へ引き込む方向に作用するため望ましい。
さらに、前記インサート取付部の基端面は、前記傾斜面の外周側に位置し、前記スリットの内面と当接するとともに前記先端部の軸心と略垂直な平坦面を更に有していることが、該平坦面と当接する基端部のスリットに設けられる当接面を平坦面とするので、基端部の外周側の強度が高まり、基端部の剛性を向上させることができるため望ましい。
また、前記先端部は、外周側に位置し且つ前記基端側および外周側に開口して形成された受け溝を複数有した先端部本体と、該先端部本体の複数の受け溝に各々嵌合される前記複数のインサート取付部と、を備えてなることが、先端部本体から、1つの切削インサートが装着されるインサート取付部が着脱可能となる構成となり、1つの切削インサートが破損した際に当該1つの切削インサートを交換することも可能となり、作業効率の更なる向上が図れるため望ましい。
さらに、前記受け溝は、前記先端部本体の先端側に位置する第一壁面と、該第一壁面と略垂直な第二壁面と、を備えており、前記インサート取付部は、前記第一壁面および前記第二壁面と当接するよう、前記受け溝に前記先端部本体の基端側から挿入されて、前記先端部本体に取り付けられることが、固定部材などを用いることなく簡単な構造で径方向および軸方向に対して優れた拘束力を発揮することができるため望ましい。
また、前記インサート取付部は、内周側に、前記受け溝と嵌合される嵌合部を有しており、該嵌合部の基端面は、対称軸が前記先端部本体の軸線を通るとともに下底が外周側に位置する略台形形状をなすことが、先端部の肉厚を確保した上で、より内周側に嵌合部を設けて基端部に強固に先端部を固定することができるため望ましい。
さらに、前記インサート取付部の嵌合部の基端面は、先端部本体の軸心と略垂直となる平坦面であることが、インサート取付部の強度および剛性が高まるとともに、基端部の剛性も高めることができるため望ましい。
また、前記基端部の直径は、前記先端部の直径よりも小さいことが、基端部が被削材などと干渉することによって基端部が破損することを抑制でき、基端部の工具寿命の向上が図れ、先端部だけの交換で工具性能を復活させることができるため、更なる作業効率の向上が図れるため望ましい。
さらに、前記課題を解決するため、本発明の切削工具は、上述した切削工具用ホルダと、前記インサート取付部に装着された切削インサートと、を備えたことを特徴とする。
このような構成により、単純な構成で強固なクランプ力を有するとともに、複数の切削インサートを交換する際にかかる作業時間の短縮が図れるため、低コストで加工効率の高い切削工具を提供することができる。
またさらに、前記課題を解決するため、本発明の切削方法は、上述した切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、前記被削材に前記切削工具を相対的に近づける近接工程と、前記被削材又は前記切削工具を回転させ、該切削工具を前記被削材の表面に接触させて、前記被削材を切削する切削工程と、前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程とを、備えることを特徴とする。
このような構成により、仕上げ面精度の高い切削加工が可能となる。
本発明の切削工具用ホルダによれば、先端部のインサート取付部が基端部のスリットに挿入して固定されることで、単純な構造で強固なクランプ力を発揮することができるため加工精度の向上が図れるとともに、複数の切削インサートが装着される先端部と基端部とが別体で設けられることで、複数の切削インサートを一度に交換することができるため定数交換にかかる作業時間の短縮が図れる。
また、本発明の切削工具によれば、単純な構造で強固なクランプ力を備えるので、低コストで加工効率が高く、切削インサートの拘束力に優れた切削工具を提供することができる。
またさらに、本発明の切削方法によれば、低コストで加工効率が高く、切削インサートの拘束力が高い切削工具を用いて被削材を加工するため、仕上げ面精度の高い加工を効率よく低コストで実現することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面により説明する。
図1乃至図3は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は、本発明の第一の実施形態による切削工具1の(a)全体斜視図、(b)側面図であり、図2は、図1の切削工具1の分解斜視図である。そして、図3は、図1の切削工具1を構成する切削工具用ホルダ(以下、ホルダと省略する。)2の基端部21の(a)全体斜視図、(b)側面図、(c)下面図である。図4は、図1の切削工具1を構成するホルダ2の先端部22の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図、(d)側面図である。
また、図5は、第二の実施形態によるホルダ2’の先端部22’の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図、(d)側面図である。そして、図6は、図5の先端部22’を構成する先端部本体221の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図であり、図7は、図5の先端部22’を構成するインサート取付部221’の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)側面図、(d)正面図である。さらに、図8は、ホルダ2’を備えた切削工具1’の分解斜視図である。
図1乃至図4を用いて、本発明の第一の実施形態による切削工具1について、詳細に説明する。
図1に示す第一の実施形態による切削工具1は、ホルダ2と該ホルダ2にねじ部材等の固定部材によって取り付けられた切削インサート3(以下、インサート3と省略する。)と、を備えてなる。本実施形態の切削工具1は、切削工具の外周に沿って、等間隔に、インサート3が6つ取り付けられている。切削工具1は、基端側が外部機器に固定されて切削加工に用いられる。
図2は、切削工具1の分解斜視図である。図2に示すように、切削工具1は、上述したように、ホルダ2にインサート3が取り付けられてなる。本実施形態の切削工具1では、インサート3は、ねじ部材(不図示)によってホルダ2に取り付けられる。インサート3は、図2に示すように、切削工具1の回転中心に対して、放射状に並んでホルダ2に配置される。
本実施形態におけるホルダ2は、先端側に位置する基端部21と、該基端部21の先端側に位置する先端部22と、を備えてなる。
図3に示すように、基端部21は、先端側外周部位に切屑ポケット211が複数設けられる。そして、この複数の切屑ポケット211に隣接してスリット212が各々設けられている。
図4に示すように、先端部22は、インサート3が取り付けられるインサート取付部221が複数設けられている。このインサート取付部221は、先端部22のうち径方向外方側に突出して設けられている。先端部22は、図2に示すように、被削材と干渉しないように、先端面側が凹んだ形状をなす。
そして、図2に示すように、先端部22のインサート取付部221が基端部21の切屑ポケット211と隣接するよう、先端部22の複数のインサート取付部221は、基端部21の複数のスリット212に各々挿入される。そして、このスリット212にインサート取付部221が挿入された状態で、先端部22は基端部21に固定部材4によって固定されている。
このような構成により、ホルダ2が、複数のインサート3が取り付けられる部分(先端部22)が外部機器に把持される基端部21から着脱可能となるよう、基端部21と別体で設けられているため、複数のインサート3を一度にまとめて交換することができる。そのため、定数交換にかかる作業時間の短縮が図れる。
すなわち、定数交換用に切削加工に使用している先端部22とは別の予備の先端部22に、各インサート取付部に新品のインサート3を各々取り付けておく。その新品のインサート3が既に取り付けられた先端部22を使用済みのインサート3が取り付けられている先端部22と交換するだけで、使用済みの複数のインサート3を新品のインサート3に短時間で交換することができる。そのため、時間の有効活用が出来るので、切削加工の作業効率の向上が図れる。
また、図2および図3に示すように、基端部21において、基端部21と先端部22との嵌合部分であるスリット212が、切屑ポケット211に隣接して設けられている。すなわち、複数の切屑ポケット211の間、いわゆる、ホルダ2の肉厚部分に嵌合部分を設けない構成をなす。そのため、単純な構成で、ホルダ2の強度および剛性の低下を抑制することができる。したがって、低コストで優れたチップ拘束力を発揮することができる。
なお、本実施形態においては、固定部材4として3つのねじ部材によって、先端部22が基端部21に固定される構成を例示している。図2および図4に示すように、先端部22には、軸線方向に延びる貫通孔が形成されている。また、図2および図3に示すように、基端部21には、基端部21が先端部22に取り付けた際に、前記貫通孔と連通するよう軸線方向に延びてねじ孔が形成されている。そして、ねじ部材4が、この貫通孔に挿通され、ねじ孔と螺合されることで、基端部21と先端部22とが、固定される。本実施形態のように、軸線方向に略平行となるようねじ部材4を挿通できるよう、前記貫通孔および前記ねじ孔を設けることで、先端部22の厚みを大きくすることができ、先端部22の強度を高めることができる。
また、図3に示すように、基端部21の先端面の中央に、基端側に向かって凹んだ凹部213が形成されている。そして、図4に示すように、先端部22の基端面の中央には、基端側に向かって突出するとともに凹部213と嵌合する凸部222が形成されている。そして、ホルダ2は、図2に示すように、基端部22の凹部213と、先端部21の凸部222とが嵌合してなる。
このような構成により、径方向外方側、つまり、外周側にインサート取付部221が突出して設けられた先端部22の中央部分の厚みを大きく確保することができる。そのため、先端部22の強度の向上が図れる。その結果、ホルダ2の損傷を抑制することができる。
さらに、図3に示すように、基端部21に設けられた複数のスリット212は、基端部21の軸線に対して放射状に等間隔に配置されている。これにより、切削時に先端部22にかかる切削力が、スリット212を介して、基端部21全体に定常的に均等に分散して伝わる。そのため、特定の方向において拘束力が低下することなく、切削時にかかるあらゆる方向の切削力に対して安定した拘束力を発揮することができる。その結果、先端部22および基端部21の欠損を抑制することができる。
なお、スリット212を上述したように放射状に等間隔に配置するとともに、インサート3の下面が当接するインサート取付部221の着座面を、回転軸線に対して傾斜させることも出来る。そうすることで、先端部の基端部への安定した拘束力を確保した上でアキシャルレーキを付与することができる。したがって、安定した拘束力に加えて切削抵抗の低減が図れるため、ホルダ2の欠損を抑制でき、工具寿命を長くすることができる。また、先端部22に設けられる複数のインサート取付部221において、着座面の形成位置を各々異ならせることで、いわゆる、不等ピッチをなす多刃の工具用のホルダ2とすることができる。これによって、切削時のびびりを抑制することもできる。
またさらに、図4(d)に示すように、インサート取付部221の基端面5は、スリット212の内面と当接するとともに外周側から内周側に向かうにつれて先端側に傾斜した傾斜面51を有している。すなわち、インサート取付部221の基端面5に傾斜面51が形成されることで、基端部21のスリット212と嵌合する部分がテーパー形状となる。
このような構成により、径方向外周側に向かって作用する力、すなわち、いわゆる切削時にかかる遠心力によって、インサート取付部221が飛散することを抑制することができる。加えて、切削時にかかる背分力がインサート取付部221の傾斜面に作用するので、背分力が傾斜面に沿って先端部22を基端部21に引き込む方向に作用する力に分解される。その結果、先端部22が基端部21に強固に固定することができる。
本実施形態においては、傾斜面51が、平坦な面で構成されたものを例示したが、傾斜面51は、曲面で構成されていても構わない。
なお、傾斜面51は、スリット212を構成する複数の内面のうち、図2乃至図4に示すように基端面側に位置する面と当接する。
またさらに、図4(d)に示すように、インサート取付部221の基端面5は、傾斜面51に加えて、傾斜面51の外周側に位置し、スリット212の内面と当接するとともに先端部22の軸心と略垂直な平坦面52を更に有している。
このように、スリット212と当接するインサート取付部221の基端面5の外周側が、先端部22の軸心と略垂直な平坦面52で構成されることで、先端部22のインサート取付部221と嵌合する基端部21の外周側の形状が、鋭角とならずに略直角となり、基端部21の当該部分の剛性を大きくすることができる。その結果、基端部21を含むホルダ本体の欠損を抑制することができる。
本実施形態による切削工具1は、上述したように、ホルダ2と、インサート取付部221に装着されたインサート3と、を備えてなる。このような構成により、強度が高く、単純な構成で強固なクランプ力を有するホルダ2に、インサート3を強固に固定することができる。そして、一度に複数のインサート3を容易に交換することができる。その結果、低コストで、工具寿命の向上および加工効率の向上が図れる。
次に、図5乃至図7を用いて、第二の実施形態によるホルダ2’について、詳細に説明する。なお、図5乃至図7において、図1乃至図4と同様の構成部分については、同様の符号を付して、説明を省略する。
図5は、ホルダ2’の先端部22’を示す。先端部22’は、上述した第一の実施形態の先端部22と異なり、インサート取付部221’が、着脱可能な構成をなす。すなわち、先端部22’は、先端部本体225(図6に図示)と、インサート取付部221’(図7に図示)とを備えている。先端部本体225は、外周側に、インサート取付部221’が嵌合される受け溝9が形成されている。この受け溝9は、図6に示すように、先端部本体225の外周側において、基端側および外周側に開口して形成されている。
このように、先端部22において、1つのインサート3が取り付けられる個々のインサート取付部221’が、1つずつ着脱可能な構成をなすことで、1つのインサート3だけが破損したような場合に、当該1つのインサート3が取り付けられたインサート取付部221’のみを交換することも可能となる。よって、上述したように、第二実施形態によるホルダ2’は、複数のインサート3を一度に交換する作業と、1つのインサート3のみを交換する作業のいずれにおいても、作業効率の向上が図れる。
さらに、図6(a)〜(c)に示すように、先端部本体225の受け溝9は、先端部本体225の先端側に、第一壁面91と、該第一壁面91と略垂直な第二壁面92と、を備えている。インサート取付部221’は、先端部本体225の基端側から挿入されて、先端部本体225に取り付けられるが、その際、この第一壁面91と第二壁面92と当接する。このような構成により、固定部材などを用いることなく簡単な構造で径方向および軸方向に対して優れた拘束力を発揮することができる。したがって、部品点数が少なく、作業効率の向上が更に図れる。
さらに、図7に示すように、インサート取付部221’は、内周側に、先端部本体225の受け溝9と嵌合される嵌合部8を有している。そして、この嵌合部8の基端面7は、図7(a)および(b)に示すように、対称軸が先端部本体225の軸線を通るとともに下底が外周側に位置する略台形形状をなしている。このような構成により、嵌合部8をより先端部22の内周側に配置する構成であっても、先端部22の肉厚を大きく確保することができる。そのため、嵌合分8を先端部22のより内周側に固定することで、先端部22を基端部21に強固に固定することができるとともに、先端部22の強度を確保することができる。特に、多数の固定部材4によって先端部22を基端部21に固定するような構成においても、先端部22の強度を大きく確保することができるため、多くのインサート3を取り付けて用いる多刃設計の回転工具であっても、ホルダの欠損の抑制が更に図れる。
なお、本実施形態においては、略台形形状をなす嵌合部8を例示したが、これに限らず、他の略多角形状や略円形状、略楕円形状であっても構わない。
なお、図6(a)に示すように、嵌合部8が嵌合される受け溝9の断面形状は、嵌合部8に対応して、基端面視において、対称軸が先端部本体225の軸線を通る略台形形状をなす。一方、図6(c)に示すように、受け溝9の先端面側の断面形状は、外周側に開口した略四角形状をなす。
またさらに、図7(a)〜(d)に示すように、インサート取付部221’の嵌合部8の基端面7は、先端部本体225の軸心と略垂直となる平坦面をなしている。これにより、インサート取付部221’の強度及び剛性が高まるとともに、基端部21の剛性も高めることができる。
また、本実施形態によるインサート取付部221’も、上述した第一の実施形態と同様、基端面の外周側には、外周側から内周側に向かうにつれて、先端側に傾斜した傾斜面51と、該傾斜面51の外周側に位置する平坦面52と、を備えている。
図8に、上述したインサート取付部221’と先端部本体225とからなる先端部22’を備えたホルダ2’に、インサート3が取り付けられてなる切削工具1’の分解斜視図を示す。このように、切削工具1’は、インサート取付部221’が先端部本体225に対して着脱可能に取り付けられる構成をなす。これにより、インサート取付部221’を1つだけ交換することも出来、更なる作業効率の向上が図れる。
なお、第一の実施形態によるホルダ1おいては、基端部21の直径が先端部22の直径と略等しい形態を例示した。本実施形態によるホルダ2’は、基端部21の直径が、先端部22の直径よりも小さくなるよう形成されている(不図示)。このような構成により、基端部が被削材などと干渉することによって基端部が破損することを抑制でき、基端部の工具寿命の向上が図れ、先端部だけの交換で工具性能を復活させることができるため、更なる作業効率の向上が図れる。
なお、ここでいう基端部21や先端部22の直径とは、先端から基端に渡って一定の直径を有する略円柱状をなす場合は、その一定の値のことである。本実施形態の先端部22のように、先端から基端の渡って異なる直径を有する場合は、最も大きな直径のこととする。具体的には、図4(d)に示すように、本実施形態による先端部22においては、先端側における直径を、先端部22の直径とする。
最後に、本発明の一実施形態による被削材の切削方法について、上記切削工具1を用いた場合を例示して説明する。
本実施形態による被削材の切削方法は、被削材に切削工具1を相対的に近づける近接工程と、被削材又は切削工具1を回転させ、該切削工具1を被削材の表面に接触させて被削材を切削する切削工程と、被削材と前記切削工具1とを相対的に遠ざける離間工程と、を備えてなる。
このような構成により、上述の通り、強固なクランプ力を有し、優れた加工効率を発揮する切削工具を用いて加工するため、仕上げ面精度の高い加工を効率よく行うことができる。
なお、上述した実施形態においては、正面フライスを例示したが、これに限らず、エンドミル等の他の転削工具にも好適に用いることができる。
さらに、上述した実施形態においては、切削インサートが周方向に6つ取り付けられた形態を例示したがこれに限らず、加工条件や加工形態に応じて、切削インサートの数および配置は適宜選択することができる。例えば、切削インサートが軸線方向に沿って、複数
取り付けられたものであってもよい。
なお、本実施形態においては、切削インサートが、インサート取付部にねじ止めされて装着される。しかし、切削インサートのインサート取付部への装着方法としては、これに限らず、他のクランプ方式を用いたものであっても構わない。また、本実施形態においては、切削インサートを、直接、インサート取付部に取り付けたものを例示したが、シート部材などを介してインサート装着部に装着するものであっても構わない。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
本発明の第一の実施形態による切削工具1の(a)全体斜視図、(b)側面図である。 図1の切削工具1の分解斜視図である。 図1の切削工具1を構成する切削工具用ホルダ2の基端部21の(a)全体斜視図、(b)側面図、(c)下面図である。 図1の切削工具1を構成するホルダ2の先端部22の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図、(d)側面図である。 本発明の第二の実施形態によるホルダ2’の先端部22’の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図、(d)側面図である。 図5の先端部22’を構成する先端部本体221の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)下面図である。 図5の先端部22’を構成するインサート取付部221’の(a)上面図、(b)全体斜視図、(c)側面図、(d)正面図である。 図5乃至図7に示す先端部22’を有するホルダ2’を備えた切削工具1’の分解斜視図である。
符号の説明
1 第一の実施形態による切削工具
2 切削工具用ホルダ
21 基端部
211 切屑ポケット
212 スリット
213 凹部
22 先端部
221 インサート取付部
222 凸部
225 先端部本体
3 切削インサート
4 固定部材
5 インサート取付部の基端面
51 傾斜面
52 平坦面
7 インサート取付部の嵌合部の基端面
8 インサート取付部の嵌合部
9 受け溝
91 第一壁面
92 第二壁面

Claims (12)

  1. 先端側に位置し径方向外方側に突出して設けられるとともに切削インサートが取り付けられるインサート取付部が複数設けられた先端部と、
    複数の切屑ポケットと該複数の切屑ポケットに各々隣接して形成された複数のスリットとが設けられた基端部と、を備え、
    前記先端部は、前記基端部の先端側に配置され、且つ、前記複数のインサート取付部が前記基端部の切屑ポケットと隣接するよう前記基端部の複数のスリットに各々挿入されて、前記基端部に固定されている切削工具用ホルダ。
  2. 前記基端部の先端面の中央には、基端側に向かって凹んだ凹部が形成されているとともに、
    前記先端部の基端面の中央には、基端側に向かって突出するとともに前記凹部と嵌合する凸部が形成されている請求項1または2記載の切削工具用ホルダ。
  3. 前記複数のスリットは、前記基端部の軸線に対して放射状に等間隔に配置されている請求項1に記載の切削工具用ホルダ。
  4. 前記インサート取付部の基端面は、前記スリットの内面と当接するとともに外周側から内周側に向かうにつれて先端側に傾斜した傾斜面を有している請求項1乃至3のいずれかに記載の切削工具用ホルダ。
  5. 前記インサート取付部の基端面は、前記傾斜面の外周側に位置し、前記スリットの内面と当接するとともに前記先端部の軸心と略垂直な平坦面を更に有している請求項4に記載の切削工具用ホルダ。
  6. 前記先端部は、外周側に位置し且つ前記基端側および外周側に開口して形成された受け溝を複数有した先端部本体と、該先端部本体の複数の受け溝に各々嵌合される前記複数のインサート取付部と、を備えてなる請求項1乃至5のいずれかに記載の切削工具用ホルダ。
  7. 前記受け溝は、前記先端部本体の先端側に位置する第一壁面と、該第一壁面と略垂直な第二壁面と、を備えており、
    前記インサート取付部は、前記第一壁面および前記第二壁面と当接するよう、前記受け溝に前記先端部本体の基端側から挿入されて、前記先端部本体に取り付けられる請求項6に記載の切削工具用ホルダ。
  8. 前記インサート取付部は、内周側に、前記受け溝と嵌合される嵌合部を有しており、該嵌合部の基端面は、対称軸が前記先端部本体の軸線を通るとともに下底が外周側に位置する略台形形状をなす請求項6または7に記載の切削工具用ホルダ。
  9. 前記インサート取付部の嵌合部の基端面は、先端部本体の軸心と略垂直となる平坦面である請求項8に記載の切削工具用ホルダ。
  10. 前記基端部の直径は、前記先端部の直径よりも小さい請求項1乃至9のいずれかに記載の切削工具用ホルダ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の切削工具用ホルダと、
    前記インサート取付部に装着された切削インサートと、を備えた切削工具。
  12. 請求項11に記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、
    前記被削材に前記切削工具を相対的に近づける近接工程と、
    前記被削材又は前記切削工具を回転させ、該切削工具を前記被削材の表面に接触させて、前記被削材を切削する切削工程と、
    前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程とを、備えることを特徴とする切削方法。
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