JP2009105226A - 保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法 - Google Patents
保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】簡単な構成により、物品の安定保持、治具の物品粘着面に粘着保持されている物品の剥離に要する力の低下、の両方を両立させることができ、しかも、製造が容易であり、従来に比べてその機能を長期にわたって安定に維持できる、保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法の提供。
【解決手段】治具ベース基板12の片面に物品14が着脱自在に粘着される粘着剤層13を具備し、粘着剤層13が、ベース基板12に形成された貫通孔12cの開口部12dを覆うシート状に形成されている保持用治具11を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】治具ベース基板12の片面に物品14が着脱自在に粘着される粘着剤層13を具備し、粘着剤層13が、ベース基板12に形成された貫通孔12cの開口部12dを覆うシート状に形成されている保持用治具11を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、物品を付着させる物品粘着面を具備する保持用治具、この保持用治具の物品粘着面に付着させて保持された物品を保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置、物品搬送設備、保持用治具からの物品の取り外し方法に関し、例えば、プリント配線板といった回路基板、精密機械用部品などの保持に好適な保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法に関するものである。
単品での取り扱い、加工、搬送等が困難な製品の一例として、フレキシブルプリント配線板がある。フレキシブルプリント配線板に電子部品を接続するには、予めフレキシブルプリント配線板の接続端子表面にはんだペーストを印刷し、その表面に部品を仮付けし、次に、はんだリフロー炉を通して加熱し、はんだを溶融する方法が一般的に行われている。フレキシブルプリント配線板は、剛性が低く柔軟であるため、部品実装時には、弱粘着性の粘着面を有する保持用治具に固定して、はんだペースト印刷や部品の仮付けおよびリフローが行われることが多い(例えば特許文献1)。
剛性は十分であっても取り扱いが困難な小さな個片状態のプリント配線板等への、はんだペースト印刷や部品仮付け、リフローを行う場合にも、粘着面を有する保持用治具が使用される。
また、例えば図6に示すように、保持用治具101として、該治具101の底面を形成する治具基板102上に粘着剤層103が積層され、これら治具基板102及び粘着剤層103を貫通する貫通孔104を有する構造のものを採用し、粘着剤層103上面に付着させた半導体チップ105(半導体ウェハのダイシングによって得たチップ)を保持用治具101から取り外す際に、治具基板102の下方からのエアの吹き付け(剥離用吹き付けエア106)、貫通孔104へのエア圧送によって、半導体チップ105を保持用治具101から剥離させる、あるいは剥離しやすくする方法が知られている(例えば特許文献2)。また、同様の手法により、保持用治具の粘着剤層に付着させた回路基板を保持用治具から剥離させる、あるいは剥離しやすくする方法も知られている(例えば特許文献3)。
特開2003−332795号公報
特開2000−195878号公報
特開2004−260153号公報
剛性は十分であっても取り扱いが困難な小さな個片状態のプリント配線板等への、はんだペースト印刷や部品仮付け、リフローを行う場合にも、粘着面を有する保持用治具が使用される。
また、例えば図6に示すように、保持用治具101として、該治具101の底面を形成する治具基板102上に粘着剤層103が積層され、これら治具基板102及び粘着剤層103を貫通する貫通孔104を有する構造のものを採用し、粘着剤層103上面に付着させた半導体チップ105(半導体ウェハのダイシングによって得たチップ)を保持用治具101から取り外す際に、治具基板102の下方からのエアの吹き付け(剥離用吹き付けエア106)、貫通孔104へのエア圧送によって、半導体チップ105を保持用治具101から剥離させる、あるいは剥離しやすくする方法が知られている(例えば特許文献2)。また、同様の手法により、保持用治具の粘着剤層に付着させた回路基板を保持用治具から剥離させる、あるいは剥離しやすくする方法も知られている(例えば特許文献3)。
上述のように、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、半導体チップ(以下、総称して、回路基板とも言う)などを付着させて保持するための粘着剤層を有する保持用治具にあっては、粘着剤層に、搬送中および部品実装工程において回路基板が動かないように固定(安定保持)できる程度の粘着力が必要である。一方、部品実装後に回路基板を粘着剤層から引き剥がす際には、剥離作業性の点、過大な力によって回路基板を傷めることを回避する点で、粘着力は低い方が好ましい。これら両方の要求をそれぞれ充分に満足することは、粘着力の調整では対応できない。
また、上記の図6記載の技術のように、貫通孔を有する保持用治具を用いる技術は、貫通孔へのエア圧送によって、回路基板を粘着剤層から剥離させたり、剥離を容易にできるものの、軟らかい粘着剤層に治具基板の孔と一致する孔を正確に形成することは非常に難しい。また、繰り返し使用によって粘着剤層の孔が変形しやすいため、孔径が拡大あるいは縮小することがあり、エア圧送による回路基板の剥離の機能を安定に維持できる期間が比較的短いといった問題もある。
さらに、貫通孔へのエア圧送により剥離する方式では、治具から剥離した回路基板の飛びを防止するためのカバーが必要となり、設備コストの上昇を招く。エア圧を回路基板の剥離を容易にする程度に調整したり、治具の多数の貫通孔に対して選択的にエアを導入して治具からの回路基板の剥離を順次進行させていく、といった対策もあるが、治具の粘着剤層に対する回路基板の粘着状態にはばらつきが存在するため、カバーの設置を省略することは現実的には難しい。また、エア圧を回路基板の剥離を容易にする程度に調整する対策では、治具の粘着剤層に対して回路基板が強く粘着されているとエア圧が不足して剥離に手間が掛かるケースが発生し、治具からの回路基板の剥離を順次進行させていく対策では剥離作業の工程数が増大し、作業が複雑になるなど、上記対策では、治具からの回路基板の剥離に要する手間と時間が増大しやすい。
また、上記の図6記載の技術のように、貫通孔を有する保持用治具を用いる技術は、貫通孔へのエア圧送によって、回路基板を粘着剤層から剥離させたり、剥離を容易にできるものの、軟らかい粘着剤層に治具基板の孔と一致する孔を正確に形成することは非常に難しい。また、繰り返し使用によって粘着剤層の孔が変形しやすいため、孔径が拡大あるいは縮小することがあり、エア圧送による回路基板の剥離の機能を安定に維持できる期間が比較的短いといった問題もある。
さらに、貫通孔へのエア圧送により剥離する方式では、治具から剥離した回路基板の飛びを防止するためのカバーが必要となり、設備コストの上昇を招く。エア圧を回路基板の剥離を容易にする程度に調整したり、治具の多数の貫通孔に対して選択的にエアを導入して治具からの回路基板の剥離を順次進行させていく、といった対策もあるが、治具の粘着剤層に対する回路基板の粘着状態にはばらつきが存在するため、カバーの設置を省略することは現実的には難しい。また、エア圧を回路基板の剥離を容易にする程度に調整する対策では、治具の粘着剤層に対して回路基板が強く粘着されているとエア圧が不足して剥離に手間が掛かるケースが発生し、治具からの回路基板の剥離を順次進行させていく対策では剥離作業の工程数が増大し、作業が複雑になるなど、上記対策では、治具からの回路基板の剥離に要する手間と時間が増大しやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成により、物品の安定保持、治具の物品粘着面に粘着保持されている物品の剥離に要する力の低下、の両方を両立させることができ、しかも、製造が容易であり、従来に比べてその機能を長期にわたって安定に維持できる、保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、物品を保持するための保持用治具であって、治具ベース基板と、この治具ベース基板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層とを具備し、前記治具ベース基板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面の複数箇所には、前記治具ベース基板に形成された貫通孔の開口部が開口され、前記粘着剤層は、前記治具ベース基板の粘着剤設置面に沿って延在し、前記治具ベース基板の前記粘着剤設置面における前記貫通孔の前記開口部を覆うシート状に形成され、前記治具ベース基板の前記貫通孔が、前記粘着剤層における前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具を提供する。
第2の発明は、前記治具ベース基板に、前記貫通孔の前記粘着剤設置面に開口する開口端部を拡張した座ぐり部が形成されていることを特徴とする第1の発明の保持用治具を提供する。
第3の発明は、物品を保持するための保持用治具であって、通気性の多孔質板を有する治具ベース基板と、前記多孔質板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層とを具備し、前記多孔質板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面の複数箇所には凹所が形成され、前記粘着剤層は、前記多孔質板の前記粘着剤設置面に沿って延在し、前記多孔質板の前記粘着剤設置面における前記凹所の開口部を覆うシート状に形成され、前記治具ベース基板の前記多孔質板が、前記粘着剤層における前記多孔質板の前記凹所の開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具を提供する。
第4の発明は、前記多孔質板の外周に、多孔質板の外周の端面を気密に封止する端面封止部材が周設されていることを特徴とする第3の発明の保持用治具を提供する。
第5の発明は、前記粘着剤層が導電性材料によって形成されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の保持用治具を提供する。
第6の発明は、前記治具ベース基板が導電性材料によって形成されていることを特徴とする第1〜5のいずれかの発明の保持用治具を提供する。
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、前記保持用治具を保持するための治具保持台と、この治具保持台に保持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させる気体圧送装置とを具備することを特徴とする取り外し補助装置を提供する。
第8の発明は、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、前記保持用治具を支持するための治具支持台と、この治具支持台に支持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部内の気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させる気体吸引装置とを具備することを特徴とする取り外し補助装置を提供する。
第9の発明は、物品搬送設備であって、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具を搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに物品を搬入する物品搬入部と、この物品搬入部よりも前記搬送ラインの搬送方向下流側に設けられ、前記保持用治具の前記粘着剤層に付着されている物品を前記保持用治具から取り外す取り外し部とを具備し、前記取り外し部に、第7又は第8の発明の取り外し補助装置が設けられていることを特徴とする物品搬送設備を提供する。
第10の発明は、前記物品が回路基板であり、前記物品搬入部と前記取り外し部との間に、前記回路基板上に設けられた電子部品を半田付けするためのリフロー炉が設けられていることを特徴とする第9の発明の物品搬送設備を提供する。
第11の発明は、第1〜6のいずれかの発明の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法を提供する。
第12の発明は、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法を提供する。
第1の発明は、物品を保持するための保持用治具であって、治具ベース基板と、この治具ベース基板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層とを具備し、前記治具ベース基板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面の複数箇所には、前記治具ベース基板に形成された貫通孔の開口部が開口され、前記粘着剤層は、前記治具ベース基板の粘着剤設置面に沿って延在し、前記治具ベース基板の前記粘着剤設置面における前記貫通孔の前記開口部を覆うシート状に形成され、前記治具ベース基板の前記貫通孔が、前記粘着剤層における前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具を提供する。
第2の発明は、前記治具ベース基板に、前記貫通孔の前記粘着剤設置面に開口する開口端部を拡張した座ぐり部が形成されていることを特徴とする第1の発明の保持用治具を提供する。
第3の発明は、物品を保持するための保持用治具であって、通気性の多孔質板を有する治具ベース基板と、前記多孔質板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層とを具備し、前記多孔質板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面の複数箇所には凹所が形成され、前記粘着剤層は、前記多孔質板の前記粘着剤設置面に沿って延在し、前記多孔質板の前記粘着剤設置面における前記凹所の開口部を覆うシート状に形成され、前記治具ベース基板の前記多孔質板が、前記粘着剤層における前記多孔質板の前記凹所の開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具を提供する。
第4の発明は、前記多孔質板の外周に、多孔質板の外周の端面を気密に封止する端面封止部材が周設されていることを特徴とする第3の発明の保持用治具を提供する。
第5の発明は、前記粘着剤層が導電性材料によって形成されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の保持用治具を提供する。
第6の発明は、前記治具ベース基板が導電性材料によって形成されていることを特徴とする第1〜5のいずれかの発明の保持用治具を提供する。
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、前記保持用治具を保持するための治具保持台と、この治具保持台に保持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させる気体圧送装置とを具備することを特徴とする取り外し補助装置を提供する。
第8の発明は、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、前記保持用治具を支持するための治具支持台と、この治具支持台に支持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部内の気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させる気体吸引装置とを具備することを特徴とする取り外し補助装置を提供する。
第9の発明は、物品搬送設備であって、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具を搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに物品を搬入する物品搬入部と、この物品搬入部よりも前記搬送ラインの搬送方向下流側に設けられ、前記保持用治具の前記粘着剤層に付着されている物品を前記保持用治具から取り外す取り外し部とを具備し、前記取り外し部に、第7又は第8の発明の取り外し補助装置が設けられていることを特徴とする物品搬送設備を提供する。
第10の発明は、前記物品が回路基板であり、前記物品搬入部と前記取り外し部との間に、前記回路基板上に設けられた電子部品を半田付けするためのリフロー炉が設けられていることを特徴とする第9の発明の物品搬送設備を提供する。
第11の発明は、第1〜6のいずれかの発明の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法を提供する。
第12の発明は、第1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法を提供する。
本発明によれば、治具ベース基板の通気路部(貫通孔あるいは通気性の多孔質板)への気体の加圧供給によって、粘着剤層において、貫通孔あるいは多孔質部の凹所の治具ベース基板の粘着剤設置面に開口する開口部を覆って塞ぐ部分(以下、開口閉塞部とも言う)を、治具ベース基板とは反対の側(詳細には、貫通孔あるいは多孔質部の凹所とは反対の側)に膨出する凸形状に変形させること、あるいは、通気路部からの気体の吸引によって粘着剤層の開口閉塞部を貫通孔あるいは多孔質部の凹所に引き込むようにして凹形状に変形させること、によって粘着剤層に付着されている物品と粘着剤層との接着面積を縮小して、治具からの物品の剥離に要する力を低下させることができる。このため、構成が簡単でありながら、物品の安定保持、治具の粘着剤層に粘着保持されている物品の治具からの剥離に要する力の低下、の両方を両立させることができる。
しかも、従来のように粘着剤層に貫通孔を形成する必要が無く、製造が容易であり、従来に比べてその機能を安定に維持できる期間の長期化(耐久性の向上)も容易に実現できる。
しかも、従来のように粘着剤層に貫通孔を形成する必要が無く、製造が容易であり、従来に比べてその機能を安定に維持できる期間の長期化(耐久性の向上)も容易に実現できる。
以下、本発明を実施した保持用治具、取り外し補助装置、物品搬送設備、物品の取り外し方法について、図面を参照して説明する。
本発明に係る保持用治具は、治具ベース基板の片面に粘着剤層が被着されている概略構造であり、粘着剤層に、該粘着剤層の粘着力によって、例えば回路基板等の物品を着脱自在に粘着保持できる。この保持用治具は、物品のの一時保持、搬送等に用いられる。
図1は、本発明に係る保持用治具の一例(保持用治具11)の構成を説明する図であって、(a)は保持用治具11の構造を示す断面図(但し、治具ベース基板12の片面(粘着剤設置面12a)に設けられた粘着剤層13の非接着部13c(後述)を変形させておらず、粘着剤層13全体が治具ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿って延在する状態。以下、初期状態とも言う)、(b)は粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形させた状態、(c)は粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させた状態を示す断面図である。
なお、図1(a)、(b)、(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
なお、図1(a)、(b)、(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
図中、符号14は、保持用治具11の粘着剤層13に付着される物品(以下、被着物とも言う)であり、ここでは具体的には回路基板である。物品14は、詳細には、粘着剤層13の治具ベース基板12とは反対側の面(物品粘着面13a)に、粘着剤層13の粘着力によって付着(粘着)される。
ここで、回路基板とは、例えば、プリント配線板(フレキシブルプリント配線板を含む)、ウェハからダイシングされた半導体チップを含むものとする。
ここで、回路基板とは、例えば、プリント配線板(フレキシブルプリント配線板を含む)、ウェハからダイシングされた半導体チップを含むものとする。
図1(a)に示すように、保持用治具11は、治具ベース基板12(以下、ベース基板と略称する場合がある)と、このベース基板12の片面の粘着剤設置面12aに積層された粘着剤層13とを具備した概略構成となっている。
なお、図1(a)等では、ベース基板12の片面全体に粘着剤層13が積層された構成を例示しているが、本発明においては、ベース基板12の片面に、粘着剤層13が設けられていない部分が存在する構成も採用可能である。
なお、図1(a)等では、ベース基板12の片面全体に粘着剤層13が積層された構成を例示しているが、本発明においては、ベース基板12の片面に、粘着剤層13が設けられていない部分が存在する構成も採用可能である。
図示例のベース基板12は平板状に形成されている。
このベース基板12の形成材料としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属類およびガラスエポキシ積層材等が使用できる。ベース基板の厚さは0.2mm〜5mm程度である。後述のように、例えば回路基板への電子部品の実装のためのリフロー等、保持用治具11を高温で使用する場合の変形を少なくすること、取り扱い時の変形防止の点で、好ましい厚さは0.3mm〜2mmである。
このベース基板12の形成材料としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属類およびガラスエポキシ積層材等が使用できる。ベース基板の厚さは0.2mm〜5mm程度である。後述のように、例えば回路基板への電子部品の実装のためのリフロー等、保持用治具11を高温で使用する場合の変形を少なくすること、取り扱い時の変形防止の点で、好ましい厚さは0.3mm〜2mmである。
このベース基板12には、貫通孔12cが複数形成されている。前記貫通孔12cは、ベース基板12の両面(粘着剤設置面12a,底面12b)に開口するように形成されており、ベース基板12の粘着剤設置面12aの複数箇所には、前記貫通孔の開口部12dが存在する。
ベース基板12に開ける貫通孔12cの断面形状は丸(円形)、矩形、多角形、楕円形から選定される。貫通孔12cの大きさは、断面円形の貫通孔12cの場合、直径が0.1mm〜2mm程度である。貫通孔12cの形成ピッチは0.2mm〜5mmである。
粘着剤層13としては、物品14を着脱自在に粘着保持できる物品粘着面13a(弱粘着面)を形成できる周知のもので良く、その形成材料として、例えば、シリコーン樹脂、フッ素系のゴム状樹脂、天然ゴム、アクリルゴム等を使用できる。後述のように、例えば回路基板への電子部品の実装のためのリフロー等、保持用治具11を高温で使用する場合に対応するには、耐熱性と繰り返し加熱による劣化が少ない点から、シリコーン樹脂あるいはフッ素系のゴム状樹脂を採用することが好ましい。
本発明において好適な粘着剤層13の厚さは0.01mm〜1mmである。好ましくは0.05mm〜0.2mmである。
また、粘着剤層13の硬度は10〜100(測定法:JIS K6253)である。
粘着剤層13の粘着力(物品粘着面13aでの測定値。ベース基板に接する側の面でも同じ)は、0.01〜0.10N/25mm(測定法:JIS Z 0237)であることが好ましい。
また、粘着剤層13の硬度は10〜100(測定法:JIS K6253)である。
粘着剤層13の粘着力(物品粘着面13aでの測定値。ベース基板に接する側の面でも同じ)は、0.01〜0.10N/25mm(測定法:JIS Z 0237)であることが好ましい。
前記粘着剤層13は、例えば、液状の樹脂材料のベース基板12への塗工、粘着剤層を形成する樹脂材料をシート状に成形してなる粘着剤シートのベース基板12への貼り合わせ、等によって、ベース基板12に積層状態に設けることができる。前記粘着剤シートは、例えば、粘着剤層を形成する樹脂材料の離型フィルムに塗布してシート状に成形した後、離型フィルムから分離すること等によって得ることができる。
ベース基板12に積層状態に設けられた前記粘着剤層13は、前記ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿って延在し、前記ベース基板12の前記粘着剤設置面12aにおける前記貫通孔12cの開口部12dを覆うシート状になっている。
ベース基板12に積層状態に設けられた前記粘着剤層13は、前記ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿って延在し、前記ベース基板12の前記粘着剤設置面12aにおける前記貫通孔12cの開口部12dを覆うシート状になっている。
シート状の粘着剤層13は、ベース基板12の粘着剤設置面12aに対面する部分(貫通孔12cの開口部12dを避けた部分)の全体がベース基板12に接着されている。粘着剤層13において、ベース基板12に接着された部分を、以下、接着部13bとも言う。粘着剤層13の、ベース基板12の前記粘着剤設置面12aにおける前記貫通孔12cの開口部12dを覆う部分(開口閉塞部)は、ベース基板12に接着されていない非接着部13cとなっている。
つまり、粘着剤層13には、ベース基板12の粘着剤設置面12aに接着された接着部13bと、前記ベース基板12に接着されていない部分である複数の非接着部13bとが存在する。
つまり、粘着剤層13には、ベース基板12の粘着剤設置面12aに接着された接着部13bと、前記ベース基板12に接着されていない部分である複数の非接着部13bとが存在する。
この保持用治具11は、物品14を、粘着剤層13の物品粘着面13aに軽く押し付けて付着(粘着)させることで、粘着剤層13の粘着力によって接着状態に保持することができる。また、粘着剤層13に付着させた物品14は、粘着剤層13の粘着力よりも強い力で強制的に引き剥がすことで、保持用治具11から取り外すことができる。
つまり、この保持用治具11は、粘着剤層13の粘着力によって、物品14を着脱自在に保持できる。
つまり、この保持用治具11は、粘着剤層13の粘着力によって、物品14を着脱自在に保持できる。
この保持用治具11については、粘着剤層13に付着させた物品14を粘着剤層13から剥離させて取り外す手法(物品の取り外し方法)として、以下の(A)、(B)の手法を採用できる。
(A)まず、図1(b)に示すように、ベース基板12の底面12b側から前記貫通孔12cに気体(例えば空気)を加圧供給(貫通孔12cを加圧)して、前記粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具11から前記物品14を取り去る。
図1(b)に示すように「粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13cを局所的に、粘着剤層13における治具ベース基板12とは反対の側(図1(a)、(b)の上側)へ膨出させるように変形させることを指す。貫通孔12cに加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13aの治具ベース基板12に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13bを凸形状に変形できる値に調整する。
(B)まず、図1(c)に示すように、ベース基板12の底面12b側から前記貫通孔12c内の空気を吸引して貫通孔12c内を減圧し、前記粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具11から前記物品14を取り去る。
図1(c)に示すように「粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13cを、貫通孔12c内に引き込むように変形させることを指す。
(A)まず、図1(b)に示すように、ベース基板12の底面12b側から前記貫通孔12cに気体(例えば空気)を加圧供給(貫通孔12cを加圧)して、前記粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具11から前記物品14を取り去る。
図1(b)に示すように「粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13cを局所的に、粘着剤層13における治具ベース基板12とは反対の側(図1(a)、(b)の上側)へ膨出させるように変形させることを指す。貫通孔12cに加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13aの治具ベース基板12に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13bを凸形状に変形できる値に調整する。
(B)まず、図1(c)に示すように、ベース基板12の底面12b側から前記貫通孔12c内の空気を吸引して貫通孔12c内を減圧し、前記粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具11から前記物品14を取り去る。
図1(c)に示すように「粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13cを、貫通孔12c内に引き込むように変形させることを指す。
上述のように、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小すれば、粘着剤層13からの物品14の剥離に要する力が小さくて済むこととなり、粘着剤層13からの物品14の剥離、保持用治具11からの物品14の取り外しを、小さい力で楽に簡単に行える。
既述のように、シリコーン樹脂、フッ素系のゴム状樹脂、天然ゴム、アクリルゴムのいずれかによって形成される粘着剤層13は、ゴムのように伸びる性質をもつために、ベース基板12の貫通孔12cへの気体の加圧供給(例えばエア圧送)、貫通孔12cからのエア吸引によって、非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させることができる。
また、非接触部13cを凸形状に変形させるために貫通孔12に供給する空気等の気体の供給圧あるいは凹形状に変形させるためのエア吸引圧を解除すると、伸縮可能な膜の如く機能する粘着剤層13の非接着部13cが自身の弾性によって元の形状に復元することで、粘着剤層13は、図1(a)に示す初期状態、つまり、粘着剤層13の非接着部13cを含む全体が、治具ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿って延在する状態に戻る。
貫通孔12cは、粘着剤層13の非接触部13cを変形させるための通気路部として機能する。
また、非接触部13cを凸形状に変形させるために貫通孔12に供給する空気等の気体の供給圧あるいは凹形状に変形させるためのエア吸引圧を解除すると、伸縮可能な膜の如く機能する粘着剤層13の非接着部13cが自身の弾性によって元の形状に復元することで、粘着剤層13は、図1(a)に示す初期状態、つまり、粘着剤層13の非接着部13cを含む全体が、治具ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿って延在する状態に戻る。
貫通孔12cは、粘着剤層13の非接触部13cを変形させるための通気路部として機能する。
なお、図示例の治具ベース基板12は、平坦な粘着剤設置面12aを有する板状部材(底面12bは平坦である必要は無い)であり、粘着剤層13は、初期状態で、ベース基板12の粘着剤設置面12aに沿う平坦な物品粘着面13aを形成する。
この保持用治具11にあっては、粘着剤層13の非接着部13cが伸縮可能な膜の如く機能することで、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させた易剥離状態と、初期状態とを切り換える動作を繰り返し行える。
特に、シリコーン樹脂、フッ素系のゴム状樹脂の場合は、粘着剤層13の厚み(膜厚)が薄くても充分な伸縮性とともに高い切り裂き強度の確保が容易であるため、高い耐久性を確保できる。
特に、シリコーン樹脂、フッ素系のゴム状樹脂の場合は、粘着剤層13の厚み(膜厚)が薄くても充分な伸縮性とともに高い切り裂き強度の確保が容易であるため、高い耐久性を確保できる。
図2(a)、(b)は、前記治具ベース基板12に、前記貫通孔12cの前記粘着剤設置面12aに開口する開口端部を拡張した座ぐり部12eを形成した例を示す。
図2(a)は、貫通孔12cの開口端部に、貫通孔12cの軸線に沿って断面形状一定の座ぐり部12e(図中符号12e1)を形成した例、図2(b)は粘着剤設置面12aからの距離の増大にしたがって断面積が縮小していくテーパ穴状の座ぐり部12e(図中符号12e2)を形成した例である。
図2(a)は、貫通孔12cの開口端部に、貫通孔12cの軸線に沿って断面形状一定の座ぐり部12e(図中符号12e1)を形成した例、図2(b)は粘着剤設置面12aからの距離の増大にしたがって断面積が縮小していくテーパ穴状の座ぐり部12e(図中符号12e2)を形成した例である。
図2(a)、(b)のように、前記貫通孔12cの前記粘着剤設置面12aに開口する開口端部を拡張した座ぐり部12eを形成した構成であれば、貫通孔12cの開口端部以外の部分を断面積が小さい細孔とすることができるので、ベース基板12の一部又は全体に多数の貫通孔12cを高密度に形成する場合でもベース基板12の強度に与える影響を小さくできる、といった利点がある。
また、ベース基板12の粘着剤設置面12aにおける貫通孔12cの開口面積を大きく確保できるため、図1(c)のように、粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させて物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小する際の接着面積の減少量を増大させることができる。このため、粘着剤層13からの物品14の剥離に要する力の軽減に有利である。
また、ベース基板12の粘着剤設置面12aにおける貫通孔12cの開口面積を大きく確保できるため、図1(c)のように、粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させて物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小する際の接着面積の減少量を増大させることができる。このため、粘着剤層13からの物品14の剥離に要する力の軽減に有利である。
上述のように、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小すれば、粘着剤層13からの物品14の剥離に要する力が小さくて済むこととなり、粘着剤層13からの物品14の剥離、保持用治具11からの物品14の取り外しを、小さい力で楽に簡単に行える。
(ベース基板に多孔質板を採用した例)
図3(a)〜(c)は、通気性の多孔質板22を具備する構成の治具ベース基板24(以下、ベース基板、とも言う)を採用した保持用治具21を示す。
図3(a)は保持用治具21の構造を示す断面図(但し、多孔質板22の片面(粘着剤設置面22a)に設けられた粘着剤層13の非接着部13c(後述)を変形させておらず、粘着剤層13全体が多孔質板22の粘着剤設置面22aに沿って延在する状態。以下、初期状態とも言う)、(b)は粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形させて、粘着剤層13と該粘着剤層13に付着させた物品14との接着面積を、図3(a)の状態に比べて縮小せしめた状態、(c)は粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させて、粘着剤層13と該粘着剤層13に付着させた物品14との接着面積を、図3(a)の状態に比べて縮小せしめた状態を示す断面図である。
なお、図3(a)、(b)、(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
また、図中、図3(a)〜(c)と共通の構成部分には同一の符号を付し、説明を簡略化あるいは省略する場合がある。
図3(a)〜(c)は、通気性の多孔質板22を具備する構成の治具ベース基板24(以下、ベース基板、とも言う)を採用した保持用治具21を示す。
図3(a)は保持用治具21の構造を示す断面図(但し、多孔質板22の片面(粘着剤設置面22a)に設けられた粘着剤層13の非接着部13c(後述)を変形させておらず、粘着剤層13全体が多孔質板22の粘着剤設置面22aに沿って延在する状態。以下、初期状態とも言う)、(b)は粘着剤層13の非接着部13cを凸形状に変形させて、粘着剤層13と該粘着剤層13に付着させた物品14との接着面積を、図3(a)の状態に比べて縮小せしめた状態、(c)は粘着剤層13の非接着部13cを凹形状に変形させて、粘着剤層13と該粘着剤層13に付着させた物品14との接着面積を、図3(a)の状態に比べて縮小せしめた状態を示す断面図である。
なお、図3(a)、(b)、(c)において、上側を上、下側を下として説明する。
また、図中、図3(a)〜(c)と共通の構成部分には同一の符号を付し、説明を簡略化あるいは省略する場合がある。
図3(a)等に示すように、図示例の保持用治具21は、多孔質板22の外周に気密性の端面封止部材23が周設されてなるベース基板24(外枠付きベース基板)と、このベース基板24の多孔質板22の片面である粘着剤設置面22aを覆うように積層された粘着剤層13とを具備した概略構成となっている。
ベース基板24は、例えば四角板状、円形板状等の板状部材であり、端面封止部材23によって、多孔質板22の外周全周の端面22dが気密に封止されている。
端面封止部材23としては、気密性を確保できる構成のものであり、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属製部材、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる成形品、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を多孔質板22の外周にモールド成形したもの等を採用できる。また、気密性の樹脂フィルム基材に粘着剤層が設けられてなる粘着テープ(端面封止部材)の貼付、多孔質板22の端面22dへの液状樹脂材料の塗布、硬化によって気密性の樹脂層(端面封止部材)を形成すること等によっても、多孔質板22の端面22dの気密封止を実現できる。
端面封止部材23としては、気密性を確保できる構成のものであり、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属製部材、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる成形品、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を多孔質板22の外周にモールド成形したもの等を採用できる。また、気密性の樹脂フィルム基材に粘着剤層が設けられてなる粘着テープ(端面封止部材)の貼付、多孔質板22の端面22dへの液状樹脂材料の塗布、硬化によって気密性の樹脂層(端面封止部材)を形成すること等によっても、多孔質板22の端面22dの気密封止を実現できる。
粘着剤層13は、多孔質板22の片面(粘着剤設置面22a)全体を覆うとともに、外周部の全周が、多孔質板22の外周の端面封止部材23に到達されて端面封止部材23に接着して固定されている。粘着剤層13の外周部と端面封止部材23との間は気密に封止されている。
多孔質板22としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属類の粉体焼結品、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる樹脂粒を用いた成形品、熱硬化性樹脂の発泡体等を採用できる。
多孔質板22の厚さは、0.2mm〜5mm、より好ましくは0.3mm〜2mmである。
多孔質板22の厚さは、0.2mm〜5mm、より好ましくは0.3mm〜2mmである。
前記多孔質板22の粘着剤設置面22aの複数箇所には凹所22cが形成されている。
この凹所22cの平面視形状(粘着剤設置面22a上から見た形状)は、丸(円形)、矩形、多角形、楕円形から選定される。凹所22cの大きさは、断面円形の凹所22cの場合、直径が0.1mm〜2mm程度である。凹所22cの形成ピッチは0.2mm〜5mmである。
この凹所22cの平面視形状(粘着剤設置面22a上から見た形状)は、丸(円形)、矩形、多角形、楕円形から選定される。凹所22cの大きさは、断面円形の凹所22cの場合、直径が0.1mm〜2mm程度である。凹所22cの形成ピッチは0.2mm〜5mmである。
前記粘着剤層13は、例えば、液状の樹脂材料の多孔質板22への塗工、シート状(フィルム状を含む)に成形した粘着剤シートの多孔質板22への貼り合わせ、等によって、多孔質板22に積層状態に設けることができる。
前記粘着剤層13は、前記多孔質板22の粘着剤設置面22aに沿って延在し、前記多孔質板22の前記粘着剤設置面22aにおける前記凹所22cの開口部を覆うシート状に形成されている。
前記粘着剤層13は、前記多孔質板22の粘着剤設置面22aに沿って延在し、前記多孔質板22の前記粘着剤設置面22aにおける前記凹所22cの開口部を覆うシート状に形成されている。
この粘着剤層13は、前記多孔質板22の前記粘着剤設置面22aに積層された部分に、前記多孔質板22の凹所22cを避けて前記粘着剤設置面22aに接着された部分である接着部13dと、前記多孔質板22の前記粘着剤設置面22aにおける前記凹所22cの開口部を覆う部分(開口閉塞部)であり前記多孔質板22に接着されていない複数の非接着部13eとを具備する。
なお、図示例の多孔質板22の粘着剤設置面22aは、多孔質板22の片面において、凹所22cの形成部分以外が平坦になっている。
このため、粘着剤層13は、非接着部13eを凸形状又は凹形状に変形(図3(b)、(c)参照)するための気体の加圧供給、エア吸引を行っていない初期状態(図3(a)参照)においては、平坦な物品粘着面13aを形成する。
このため、粘着剤層13は、非接着部13eを凸形状又は凹形状に変形(図3(b)、(c)参照)するための気体の加圧供給、エア吸引を行っていない初期状態(図3(a)参照)においては、平坦な物品粘着面13aを形成する。
この保持用治具11については、粘着剤層13に付着させた物品14を粘着剤層13から剥離させて取り外す手法(物品の取り外し方法)として、以下の(C)、(D)の手法を採用できる。
(C)まず、図3(b)に示すように、多孔質板22の底面22b(粘着剤設置面22aとは反対側の面)側から多孔質板22に気体を圧送(例えば空気の加圧供給)し、粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具21から前記物品14を取り去る。
図3(b)に示すように「粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13eを、粘着剤層13における多孔質板22とは反対の側(図3(a)、(b)、(c)の上側)へ膨出させるように変形させることを指す。多孔質板22に加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13dの多孔質板22に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形できる値に調整する。
(D)まず、図3(c)に示すように、多孔質板22の底面22b側から多孔質板22内の空気を吸引して多孔質板22内を減圧し、前記粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具21から前記物品14を取り去る。
図3(c)に示すように「粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13eを、凹所22c内に引き込むように変形させることを指す。
(C)まず、図3(b)に示すように、多孔質板22の底面22b(粘着剤設置面22aとは反対側の面)側から多孔質板22に気体を圧送(例えば空気の加圧供給)し、粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具21から前記物品14を取り去る。
図3(b)に示すように「粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13eを、粘着剤層13における多孔質板22とは反対の側(図3(a)、(b)、(c)の上側)へ膨出させるように変形させることを指す。多孔質板22に加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13dの多孔質板22に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13eを凸形状に変形できる値に調整する。
(D)まず、図3(c)に示すように、多孔質板22の底面22b側から多孔質板22内の空気を吸引して多孔質板22内を減圧し、前記粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小した後、前記保持用治具21から前記物品14を取り去る。
図3(c)に示すように「粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形」させることは、粘着剤層13の複数の非接着部13eを、凹所22c内に引き込むように変形させることを指す。
上述のように、粘着剤層13の非接着部13eを凸形状あるいは凹形状に変形させることで、前記物品14と前記粘着剤層13との接着面積を縮小すれば、粘着剤層13からの物品14の剥離に要する力が小さくて済むこととなり、粘着剤層13からの物品14の剥離、保持用治具21からの物品14の取り外しを、小さい力で楽に簡単に行える。
また、この保持用治具21の多孔質板22の凹所22cは、多孔質板22の粘着剤設置面22a側に形成される凹みであり、多孔質板22を貫通する貫通孔では無いため、凹所22cの粘着剤設置面22aにおける開口面積を大きくしても、多孔質板22、ベース基板24の強度に与える影響が小さい。
このため、この保持用治具21では、多孔質板22内の空気の吸引によって粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形させた場合に、物品14と前記粘着剤層13との接着面積を出来るだけ小さくすることに鑑みて、粘着剤設置面22aにおける開口面積が大きい凹所22cを形成することを容易に実現できる。
粘着剤層13の非接着部13eの大きさは、多孔質板22の粘着剤設置面22a側に形成する凹所22cのサイズ(詳細には開口面積)に対応するため、粘着剤設置面22aにおける開口面積が大きい凹所22cを形成した場合は、粘着剤層13の非接着部13eの大きさも大きくなる。
このため、この保持用治具21では、多孔質板22内の空気の吸引によって粘着剤層13の非接着部13eを凹形状に変形させた場合に、物品14と前記粘着剤層13との接着面積を出来るだけ小さくすることに鑑みて、粘着剤設置面22aにおける開口面積が大きい凹所22cを形成することを容易に実現できる。
粘着剤層13の非接着部13eの大きさは、多孔質板22の粘着剤設置面22a側に形成する凹所22cのサイズ(詳細には開口面積)に対応するため、粘着剤設置面22aにおける開口面積が大きい凹所22cを形成した場合は、粘着剤層13の非接着部13eの大きさも大きくなる。
非接触部13eを凸形状に変形させるための気体の供給圧あるいは凹形状に変形させるためのエア吸引圧を解除すると、伸縮可能な膜の如く機能する粘着剤層13の非接着部13eが自身の弾性によって元の形状に復元することで、粘着剤層13は、図3(a)に示す初期状態、つまり、粘着剤層13の多孔質板22に積層された部分の全体(非接着部13eを含む)が、多孔質板22の粘着剤設置面22aに沿って延在する状態に戻る。図示例の多孔質板22は平坦な粘着剤設置面22aを有しているため、初期状態にあっては、粘着剤層13の多孔質板22に積層された部分の全体が粘着剤設置面22aに沿って延在して、平坦な物品粘着面13aを形成する状態となる。
この保持用治具21では、ベース基板24の端面封止部材22bの内側の多孔質板22a全体が、粘着剤層13の非接触部13eを変形させるための通気路部として機能する。
この保持用治具21では、ベース基板24の端面封止部材22bの内側の多孔質板22a全体が、粘着剤層13の非接触部13eを変形させるための通気路部として機能する。
上述のように、本発明に係る保持用治具11、21にあっては、治具ベース基板12、24の通気路部(貫通孔12cあるいは通気性の多孔質板22)への気体の加圧供給によって、粘着剤層の、治具ベース基板12、24の粘着剤設置面12a、22aにおける貫通孔12cあるいは多孔質部22の凹所22cの開口する開口部を覆って塞ぐ部分(粘着剤層において治具ベース基板に接着されていない部分。非接着部13c、13e)を、治具ベース基板12、24とは反対の側(詳細には、貫通孔12cあるいは多孔質部の凹所22cとは反対の側)に膨出する凸形状に変形させること、あるいは、通気路部からの気体の吸引によって粘着剤層13の非接着部13c、13eを貫通孔12cあるいは多孔質部22の凹所22cに引き込むようにして凹形状に変形させること、によって粘着剤層13に付着されている物品14と粘着剤層13との接着面積を縮小して、治具からの物品の剥離に要する力を低下させた状態(易剥離状態)とすることができ、粘着剤層13からの物品14の剥離、保持用治具21からの物品14の取り外しを、小さい力で楽に簡単に行える。
したがって、本発明に係る保持用治具11、21によれば、構成が簡単でありながら、物品14の安定保持、粘着剤層13に粘着保持されている物品14の治具からの剥離に要する力の低下、の両方を両立させることができる。つまり、粘着剤層13を初期状態とすることで、粘着剤層13の粘着力による物品14の粘着、保持を確実に行え、粘着剤層13に粘着保持されている物品14の治具からの剥離時には、粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状又は凹形状にすることで、粘着剤層13に付着されている物品14と粘着剤層13との接着面積を縮小して、治具からの物品の剥離に要する力を低下させることができるため、粘着剤層13からの物品14の剥離、保持用治具21からの物品14の取り外しを、小さい力で楽に簡単に行える。
また、本発明に係る保持用治具11、21は、構造が単純であり、低コストで製造することができる。
本発明に係る保持用治具11、21は、従来のように、粘着剤層に付着されている物品に剥離用のエア圧を供給するための貫通孔を粘着剤層に貫設する構成と異なり、粘着剤層に貫通孔等を形成しない。つまり、粘着剤層に孔開け等の加工を行う必要が無いため、従来技術に比べて、製造が容易である。また、従来技術のように、剥離用のエア圧による物品の飛びを防止するためのカバーの設置も不要である。
しかも、従来の粘着剤層に貫通孔を形成する場合のように、粘着剤層の孔が変形してしまうといった不都合が生じない上、むしろ、粘着剤層13の柔軟性、伸縮性を利用して、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させた易剥離状態と、初期状態とを切り換える構成であるので、従来に比べてその機能を安定に維持できる期間の長期化(耐久性の向上)も容易に実現できる。
耐久性向上の点では、粘着剤層13として、厚さ寸法の大きいものを採用することが有利である。
本発明に係る保持用治具11、21は、従来のように、粘着剤層に付着されている物品に剥離用のエア圧を供給するための貫通孔を粘着剤層に貫設する構成と異なり、粘着剤層に貫通孔等を形成しない。つまり、粘着剤層に孔開け等の加工を行う必要が無いため、従来技術に比べて、製造が容易である。また、従来技術のように、剥離用のエア圧による物品の飛びを防止するためのカバーの設置も不要である。
しかも、従来の粘着剤層に貫通孔を形成する場合のように、粘着剤層の孔が変形してしまうといった不都合が生じない上、むしろ、粘着剤層13の柔軟性、伸縮性を利用して、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させた易剥離状態と、初期状態とを切り換える構成であるので、従来に比べてその機能を安定に維持できる期間の長期化(耐久性の向上)も容易に実現できる。
耐久性向上の点では、粘着剤層13として、厚さ寸法の大きいものを採用することが有利である。
さらに、本発明に係る保持用治具11、21では、粘着剤層13に付着されている物品14には、粘着剤層13の非接着部13cを凸形状あるいは凹形状に変形させるための通気路部の加圧又は減圧の圧力が粘着剤層13を介して作用するようになっており、粘着剤層13を介さずに直接物品14に作用することは無い。粘着剤層13自体が、通気路部の加圧又は減圧の圧力が物品14に直接作用することを防止する緩衝層として機能するため、通気路部の加圧又は減圧の圧力によって物品14を傷めるといった不都合を生じにくいといった利点もある。
また、前記保持用治具11、21では、シート状の粘着剤層13は粘着剤層13自身の粘着性によってベース基板12、24に着脱自在に粘着されている。粘着剤層13は、ベース基板12、24から強制的に引き剥がすことでベース基板12、24から取り外すことが可能であり、これにより、粘着剤層13を交換することができる。
粘着剤層13の交換によって、ベース基板12、24を長期にわたって繰り返し使用できるため、ランニングコストの低コスト化を実現できる。
粘着剤層13の交換によって、ベース基板12、24を長期にわたって繰り返し使用できるため、ランニングコストの低コスト化を実現できる。
本発明に係る保持用治具11、21は、前記粘着剤層13及び治具ベース基板12、24(ベース基板24については、特に多孔質板22)の一方又は両方が、導電性材料によって形成されていることが好ましい。
これにより、物品14に帯電する静電気の除去、治具自体に帯電する静電気の除去を容易に実現できる。
導電性の粘着剤層13としては、例えば、粘着剤層13を形成する樹脂材料中に鉄等の導電性金属粉を混入したもの等を採用できる。
これにより、物品14に帯電する静電気の除去、治具自体に帯電する静電気の除去を容易に実現できる。
導電性の粘着剤層13としては、例えば、粘着剤層13を形成する樹脂材料中に鉄等の導電性金属粉を混入したもの等を採用できる。
(取り外し補助装置)
図4(a)、(b)は、本発明に係る保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置の一例を説明する図である。
図4(a)、(b)において、上側を上、下側を下として説明する。
図4(a)、(b)は、本発明に係る保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置の一例を説明する図である。
図4(a)、(b)において、上側を上、下側を下として説明する。
図4(a)に示す取り外し補助装置31は、保持用治具11、21を保持するための治具保持台32と、この治具保持台32に保持された前記保持用治具11、21の通気路部(貫通孔12c、多孔質板22)に気体を加圧供給して、前記保持用治具11、21の粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状に変形させる気体圧送装置33(ポンプ)とを具備する。
治具保持台32は、保持用治具11、21を載置するための治具載置台34(以下、単に、載置台とも言う)と、気体圧送装置33から加圧供給される気体の供給圧に対して、保持用治具11、21の載置台34からの浮き上がりを防止するための保持部35とを具備する。
載置台34には通気窓34aが開口され、この載置台34の下側に、前記気体圧送装置33から延びるダクト36が、前記通気窓34aを覆うように接続されている。そして、この取り外し補助装置31では、気体圧送装置33から加圧供給される気体の供給圧を、通気窓34aを介して、治具保持台32に保持された保持用治具の通気路部(貫通孔12c、多孔質板22)から粘着剤層13の非接着部13c、13eに作用させることができる。
載置台34には通気窓34aが開口され、この載置台34の下側に、前記気体圧送装置33から延びるダクト36が、前記通気窓34aを覆うように接続されている。そして、この取り外し補助装置31では、気体圧送装置33から加圧供給される気体の供給圧を、通気窓34aを介して、治具保持台32に保持された保持用治具の通気路部(貫通孔12c、多孔質板22)から粘着剤層13の非接着部13c、13eに作用させることができる。
保持用治具11、21は、ベース基板12、24の底面12b、22bの外周部を、載置台34において通気窓34aの外周に沿って存在する部分(開口縁部)に当接させて載置台34上に載置される。保持用治具11、21は、ベース基板12、24の底面12b、22bの外周部よりも内側の部分を載置台34の通気窓34aに臨ませて配置される。
図示例の取り外し補助装置31において、治具保持台32の前記保持部35は、載置台34に取り付けられた可動ロック片35aである。
この可動ロック片35aは、載置台34に枢着されており、回転動作によって、保持用治具11、21の外周部にその上方から当接されて治具の載置台34からの浮き上がりを規制する浮き上がり規制位置(符号35a1の仮想線で示す可動ロック片35aの位置)と、載置台34上での保持用治具11、21の昇降に干渉しない待避位置(符号35a2の実線で示す可動ロック片32cの位置)とを切り換えることができる。また、取り外し補助装置31には、浮き上がり規制位置35a1にある可動ロック片35aの待避位置35a2側への移動の規制と、移動の許可とを切り換えるロック機構(図示略)が設けられている。載置台34に対する保持用治具11、21のセット、撤去等の作業は、可動ロック片35aを待避位置35a2に配置した状態で行う。
この可動ロック片35aは、載置台34に枢着されており、回転動作によって、保持用治具11、21の外周部にその上方から当接されて治具の載置台34からの浮き上がりを規制する浮き上がり規制位置(符号35a1の仮想線で示す可動ロック片35aの位置)と、載置台34上での保持用治具11、21の昇降に干渉しない待避位置(符号35a2の実線で示す可動ロック片32cの位置)とを切り換えることができる。また、取り外し補助装置31には、浮き上がり規制位置35a1にある可動ロック片35aの待避位置35a2側への移動の規制と、移動の許可とを切り換えるロック機構(図示略)が設けられている。載置台34に対する保持用治具11、21のセット、撤去等の作業は、可動ロック片35aを待避位置35a2に配置した状態で行う。
また、保持部35としては、例えば、載置台34に設けられて、保持用治具11、21を磁気吸着する磁石35b等も採用可能である。
この場合、保持用治具11、21は、例えば、ベース基板14、24として磁気吸着可能な金属製のものを採用した構成であることが好ましい。また、ベース基板14、24として、磁気吸着可能な金属板を埋め込んだ構成のものを採用すること等も可能である。
磁石35bとしては、永久磁石でも良いが、電磁石を採用して、通電のON・OFFによって保持用治具11、21の載置台34への吸着固定と固定解除とを切り換えることも可能である。
この取り外し補助装置31では、可動ロック片35a及び磁石35bの一方あるいは両方を保持部35として採用することができる。
この場合、保持用治具11、21は、例えば、ベース基板14、24として磁気吸着可能な金属製のものを採用した構成であることが好ましい。また、ベース基板14、24として、磁気吸着可能な金属板を埋め込んだ構成のものを採用すること等も可能である。
磁石35bとしては、永久磁石でも良いが、電磁石を採用して、通電のON・OFFによって保持用治具11、21の載置台34への吸着固定と固定解除とを切り換えることも可能である。
この取り外し補助装置31では、可動ロック片35a及び磁石35bの一方あるいは両方を保持部35として採用することができる。
この取り外し補助装置31によれば、保持部35によって、保持用治具の載置台34からの浮き上がりを規制した状態で、気体圧送装置33から気体を加圧供給することで、保持用治具11、21の粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状に変形させることができる。粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状に変形させることで、治具の粘着剤層13に粘着保持されている物品14の治具からの取り外しを軽い力で楽に行うことができる。
なお、気体圧送装置33が加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13b、13dの治具ベース基板12、24に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状に変形できる範囲に調整することは言うまでも無い。
なお、気体圧送装置33が加圧供給する気体の供給圧は、粘着剤層13の接着部13b、13dの治具ベース基板12、24に対する接着状態を維持でき、かつ、粘着剤層13の非接着部13c、13eを凸形状に変形できる範囲に調整することは言うまでも無い。
図4(b)に示す取り外し補助装置41は、図4(a)に例示した取り外し補助装置31の気体圧送装置33にかえて、載置台34上に載置された保持用治具11、21の通気路部内の空気を吸引して減圧するための気体吸引装置37(ポンプ)を採用した構成になっている。
この取り外し補助装置41では、載置台34上に載置された保持用治具11、21の通気路部内の空気を、気体吸引装置37によって、載置台34の通気窓34a及びダクト36を介して吸引して減圧することで、前記粘着剤層13の非接着部13c、13eを凹形状に変形させることができる。粘着剤層13の非接着部13c、13eを凹形状に変形させることで、治具の粘着剤層13に粘着保持されている物品14の治具からの取り外しを軽い力で楽に行うことができる。
この取り外し補助装置41では、載置台34上に載置された保持用治具11、21の通気路部内の空気を、気体吸引装置37によって、載置台34の通気窓34a及びダクト36を介して吸引して減圧することで、前記粘着剤層13の非接着部13c、13eを凹形状に変形させることができる。粘着剤層13の非接着部13c、13eを凹形状に変形させることで、治具の粘着剤層13に粘着保持されている物品14の治具からの取り外しを軽い力で楽に行うことができる。
なお、図4(b)に示す取り外し補助装置41にあっては、図4(a)に例示した取り外し補助装置31のような、気体圧送装置33からの気体の加圧供給による載置台34からの治具の浮き上がりの問題が生じないため、例えば、載置台34が治具載置用の水平な載置面を形成する構成の場合は、治具の載置台34からの浮き上がりを防止するための保持部35を省略することが可能である。この場合、治具載置用の載置台34は、治具の安定載置を実現できる構成であれば良い。載置台34は、気体吸引装置37の吸引力に抗して、保持用治具を所望位置に安定支持するための治具支持台として機能する。
本発明に係る取り外し補助装置41に設けられる治具支持台としては、気体吸引装置37の吸引力に抗して、保持用治具を所望位置に安定支持できるものであれば良く、上述の載置台に限定されず、例えば、複数本のバーによって保持用治具を支持する構造のもの等、様々な構成のものを採用できる。
本発明に係る取り外し補助装置41に設けられる治具支持台としては、気体吸引装置37の吸引力に抗して、保持用治具を所望位置に安定支持できるものであれば良く、上述の載置台に限定されず、例えば、複数本のバーによって保持用治具を支持する構造のもの等、様々な構成のものを採用できる。
(物品搬送設備)
図5は、本発明に係る物品搬送設備の一例を示す。
図5に例示する物品搬送設備51は、回路基板(物品。以下、回路基板に符号14を付して説明する場合がある)に電子部品を実装するための実装ラインであり、本発明に係る保持用治具52(ここでは、具体的には、既述の保持用治具11あるいは保持用治具21)を搬送するための搬送ライン53と、この搬送ライン53に回路基板14を保持用治具52の粘着剤層13に粘着保持させた状態で搬入(回路基板14を粘着剤層13に粘着保持した保持用治具52を搬入)する物品搬入部54と、この物品搬入部54よりも前記搬送ライン53の搬送方向下流側に設けられ、前記保持用治具52の前記粘着剤層13に付着されている回路基板14を前記保持用治具52から取り外す取り外し部55と、前記物品搬入部54と前記取り外し部55との間に設けられ、前記保持用治具52上の回路基板14に電子部品を仮付けする電子部品仮付け部56と、この電子部品仮付け部56と取り外し部55との間に設けられたリフロー炉57とを具備する。
図5は、本発明に係る物品搬送設備の一例を示す。
図5に例示する物品搬送設備51は、回路基板(物品。以下、回路基板に符号14を付して説明する場合がある)に電子部品を実装するための実装ラインであり、本発明に係る保持用治具52(ここでは、具体的には、既述の保持用治具11あるいは保持用治具21)を搬送するための搬送ライン53と、この搬送ライン53に回路基板14を保持用治具52の粘着剤層13に粘着保持させた状態で搬入(回路基板14を粘着剤層13に粘着保持した保持用治具52を搬入)する物品搬入部54と、この物品搬入部54よりも前記搬送ライン53の搬送方向下流側に設けられ、前記保持用治具52の前記粘着剤層13に付着されている回路基板14を前記保持用治具52から取り外す取り外し部55と、前記物品搬入部54と前記取り外し部55との間に設けられ、前記保持用治具52上の回路基板14に電子部品を仮付けする電子部品仮付け部56と、この電子部品仮付け部56と取り外し部55との間に設けられたリフロー炉57とを具備する。
搬送ライン53は、例えばベルトコンベア等によって構成される。
この物品搬送設備51では、搬送ライン53によって、回路基板14を粘着保持した保持用治具52を、物品搬入部54から取り外し部55に向かって搬送していき、電子部品仮付け部56にて回路基板14への電子部品の仮付けした後、リフロー炉57にて、前記電子部品の回路基板14への半田付けを行う。そして、取り外し部55にて、電子部品の半田付けが完了した回路基板14を、保持用治具52から取り外す。
取り外し部55には、本発明に係る取り外し補助装置58(ここでは、図4(a)を参照して説明した取り外し補助装置31、又は、図4(b)を参照して説明した取り外し補助装置41)が設けられている。取り外し部55では、搬送ライン53から取り外し補助装置58に保持用治具52を移設して、治具52から回路基板14を取り外す作業を行う。取り外し作業に取り外し補助装置58を利用することで、作業を効率良く行うことができる。
この物品搬送設備51では、搬送ライン53によって、回路基板14を粘着保持した保持用治具52を、物品搬入部54から取り外し部55に向かって搬送していき、電子部品仮付け部56にて回路基板14への電子部品の仮付けした後、リフロー炉57にて、前記電子部品の回路基板14への半田付けを行う。そして、取り外し部55にて、電子部品の半田付けが完了した回路基板14を、保持用治具52から取り外す。
取り外し部55には、本発明に係る取り外し補助装置58(ここでは、図4(a)を参照して説明した取り外し補助装置31、又は、図4(b)を参照して説明した取り外し補助装置41)が設けられている。取り外し部55では、搬送ライン53から取り外し補助装置58に保持用治具52を移設して、治具52から回路基板14を取り外す作業を行う。取り外し作業に取り外し補助装置58を利用することで、作業を効率良く行うことができる。
治具ベース基板に通気性の多孔質板22を用いている保持用治具21の場合は、リフロー炉57にて回路基板14への電子部品の半田付けを行う際に、多孔質板22全体、治具21全体の温度分布の均等化を図りやすいといった利点もある。このため、例えばリフロー炉の小型化等に有利である。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。
(1)本発明に係る保持用治具について、治具ベース基板に多孔質板を用いるものとしては、治具ベース基板全体が多孔質板である構成、例えば、図3(a)〜(c)に例示した保持用治具21において端面封止部材23を省略した構成のものも採用可能である。
治具ベース基板全体が多孔質板である構成の場合は、粘着剤層の非接着部を凸形状に変形させる気体の加圧供給、前記非接着部を凹形状に変形させるエア吸引の際に、多孔質板の外周の端面を気密に封止するためのシール板の圧接等を行うことで、非接着部の変形を効率良く行える。取り外し補助装置にあっては、例えば、多孔質板を嵌め込む嵌合枠内面に前記シール板を周設してなるシール板付き嵌合枠を設けた構成、多孔質板の外周の端面に対して前記シール板を接離させるシール板駆動圧接機構を設けた構成等が採用される。
(2)本発明に係る保持用治具に粘着保持する物品としては、回路基板に限定されず、例えば、精密機械用部品、各種容器など、様々なものを採用できる。
本発明に係る物品搬送設備としては、保持用治具を搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに物品を搬入する物品搬入部と、取り外し補助装置が設けられた取り外し部とを具備するものであれば良く、回路基板を搬送するものに限定されない。また、物品搬入部と取り外し部との間に、例えば、物品の切削加工等の機械加工を行う加工装置、めっき、塗装等の表面処理装置、容器内部を洗浄するための洗浄装置といった各種装置(物品処理装置)が設置されていても良い。図5に例示した物品搬送設備の、電子部品仮付け部56、リフロー炉57は、この物品処理装置を兼ねる。
(1)本発明に係る保持用治具について、治具ベース基板に多孔質板を用いるものとしては、治具ベース基板全体が多孔質板である構成、例えば、図3(a)〜(c)に例示した保持用治具21において端面封止部材23を省略した構成のものも採用可能である。
治具ベース基板全体が多孔質板である構成の場合は、粘着剤層の非接着部を凸形状に変形させる気体の加圧供給、前記非接着部を凹形状に変形させるエア吸引の際に、多孔質板の外周の端面を気密に封止するためのシール板の圧接等を行うことで、非接着部の変形を効率良く行える。取り外し補助装置にあっては、例えば、多孔質板を嵌め込む嵌合枠内面に前記シール板を周設してなるシール板付き嵌合枠を設けた構成、多孔質板の外周の端面に対して前記シール板を接離させるシール板駆動圧接機構を設けた構成等が採用される。
(2)本発明に係る保持用治具に粘着保持する物品としては、回路基板に限定されず、例えば、精密機械用部品、各種容器など、様々なものを採用できる。
本発明に係る物品搬送設備としては、保持用治具を搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに物品を搬入する物品搬入部と、取り外し補助装置が設けられた取り外し部とを具備するものであれば良く、回路基板を搬送するものに限定されない。また、物品搬入部と取り外し部との間に、例えば、物品の切削加工等の機械加工を行う加工装置、めっき、塗装等の表面処理装置、容器内部を洗浄するための洗浄装置といった各種装置(物品処理装置)が設置されていても良い。図5に例示した物品搬送設備の、電子部品仮付け部56、リフロー炉57は、この物品処理装置を兼ねる。
11…保持用治具、12…治具ベース基板、12a…粘着剤設置面、12c…貫通孔、12d…開口部、12e、12e1、12e2…座ぐり部、13…粘着剤層、14…物品、回路基板、21…保持用治具、22…多孔質板、22a…粘着剤設置面、22c…凹所、23…端面封止部材、24…治具ベース基板、31、41…取り外し補助装置、32…治具保持台、34…治具載置台、37…気体吸引装置、51…物品搬送設備、52…保持用治具、53…搬送ライン、54…物品搬入部、55…取り外し部、57…リフロー炉。
Claims (12)
- 物品(14)を保持するための保持用治具であって、
治具ベース基板(12)と、この治具ベース基板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層(13)とを具備し、
前記治具ベース基板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面(12a)の複数箇所には、前記治具ベース基板に形成された貫通孔(12c)の開口部(12d)が開口され、
前記粘着剤層は、前記治具ベース基板の粘着剤設置面に沿って延在し、前記治具ベース基板の前記粘着剤設置面における前記貫通孔の前記開口部を覆うシート状に形成され、
前記治具ベース基板の前記貫通孔が、前記粘着剤層における前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具(11)。 - 前記治具ベース基板に、前記貫通孔の前記粘着剤設置面に開口する開口端部を拡張した座ぐり部(12e、12e1、12e2)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の保持用治具。
- 物品(14)を保持するための保持用治具であって、
通気性の多孔質板(22)を有する治具ベース基板(24)と、前記多孔質板の片面に設けられ、前記物品が着脱自在に粘着される粘着剤層(13)とを具備し、
前記多孔質板の前記粘着剤層が設けられた面である粘着剤設置面(22a)の複数箇所には凹所(22c)が形成され、
前記粘着剤層は、前記多孔質板の前記粘着剤設置面に沿って延在し、前記多孔質板の前記粘着剤設置面における前記凹所の開口部を覆うシート状に形成され、
前記治具ベース基板の前記多孔質板が、前記粘着剤層における前記多孔質板の前記凹所の開口部を覆う部分を変形させるための通気路部として機能することを特徴とする保持用治具(21)。 - 前記多孔質板の外周に、多孔質板の外周の端面(22d)を気密に封止する端面封止部材(23)が周設されていることを特徴とする請求項3記載の保持用治具。
- 前記粘着剤層が導電性材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保持用治具。
- 前記治具ベース基板が導電性材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保持用治具。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、
前記保持用治具を保持するための治具保持台(32)と、
この治具保持台に保持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させる気体圧送装置(33)とを具備することを特徴とする取り外し補助装置(31)。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す作業に用いられる取り外し補助装置であって、
前記保持用治具を支持するための治具支持台(34)と、
この治具支持台に支持された前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部内の気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させる気体吸引装置(37)とを具備することを特徴とする取り外し補助装置(41)。 - 物品搬送設備であって、
請求項1〜6のいずれかに記載の保持用治具を搬送する搬送ライン(53)と、この搬送ラインに物品を搬入する物品搬入部(54)と、この物品搬入部よりも前記搬送ラインの搬送方向下流側に設けられ、前記保持用治具の前記粘着剤層に付着されている物品を前記保持用治具から取り外す取り外し部(55)とを具備し、
前記取り外し部に、請求項7又は8記載の取り外し補助装置が設けられていることを特徴とする物品搬送設備(51)。 - 前記物品が回路基板であり、前記物品搬入部と前記取り外し部との間に、前記回路基板上に設けられた電子部品を半田付けするためのリフロー炉(57)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の物品搬送設備。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、
前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を加圧供給して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凸形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の保持用治具の粘着剤層に付着させた物品を前記保持用治具から取り外す方法であって、
前記保持用治具の前記貫通孔又は前記多孔質板である通気路部に気体を吸引して、前記粘着剤層において前記治具ベース基板の前記貫通孔の前記開口部又は前記凹所の前記開口部に対応する部分を凹形状に変形させることで、前記物品と前記粘着剤層との接着面積を縮小した後、前記保持用治具から前記物品を取り外すことを特徴とする物品の取り外し方法。
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