JP2009104919A - 固体高分子型燃料電池の運転方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エージング処理を短時間で良好に行うとともに、水素の消費を可及的に阻止し、経済的なエージングを遂行可能にする。
【解決手段】燃料電池10のアノード側にプラス極の電位を印加するとともに、前記燃料電池10のカソード側にマイナス極の電位を印加した状態で、前記カソード側への酸化剤ガスの供給を行うことなく、前記アノード側に加湿された水素を供給することにより、前記水素が固体高分子電解質膜14を透過して前記カソード側に移送される水素ポンプ運転を、使用時の最大電流密度で行う第1エージング工程と、前記第1エージング工程の後、前記燃料電池10の発電を前記最大電流密度で行う第2エージング工程とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池の運転方法に関する。
燃料電池は、燃料ガス(主に水素を含有するガス)及び酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス)をアノード側電極及びカソード側電極に供給して電気化学的に反応させることにより、直流の電気エネルギを得るシステムである。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の発電セルは、通常、電解質膜・電極構造体とセパレータとを所定数だけ積層することにより、燃料電池スタックとして、例えば、自動車等の車両に搭載して使用されている。
この種の固体高分子型燃料電池では、組み立て直後の電解質膜の含水量が十分でないため、初期発電性能が低くなっている。従って、通常、燃料電池の組み立て後に所望の発電性能を引き出すため、前記燃料電池のエージング運転が行われている。
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池の運転方法では、燃料電池の予備運転(エージング運転)時に、前記燃料電池のセル内にフラッディングが発生するように、消費されるガスの利用率を向上させることを特徴としている。
しかしながら、上記の運転方法では、急激なフラッディングを伴うために、電池性能の劣化を抑制させるための制御が煩雑化するとともに、特に、MEAを構成する電解質膜の性能に悪影響を与えるおそれがある。
さらに、MEAを構成する電解質膜として、フッ素系材料に代えて、例えば、炭化水素系材料が用いられる場合、前記フッ素系材料に比べて疎水性が高く、前記電解質膜内に十分に水を浸透させるまでに時間がかかるという問題がある。
そこで、特許文献2に開示されている固体高分子型燃料電池のエージング装置では、予備運転時に固体高分子型燃料電池からの負荷電流を消費させる負荷器と、前記固体高分子型燃料電池と前記負荷器との間に接続され、前記負荷電流の大きさを時間の経過と共に周期的に変動させる制御手段とを備えている。
これにより、負荷電流の大きさを、時間の経過と共に周期的に変動させるため、MEAへの水の浸透促進効果が増し、エージング運転に要する時間の短縮化を図ることができる、としている。
特開2003−217622号公報 特開2007−66666号公報
上記の特許文献2では、カソードにカソードガスを供給するとともに、アノードにアノードガスを供給し、燃料電池スタックから負荷器に時間の経過と共にその大きさが周期的に変動する負荷電流を流すことにより、エージング運転を開始している。
しかしながら、組み立て後に始めて使用されるMEAでは、高電流密度による発電を行うことができない。このため、低電流密度から徐々に電流印加量を増やしたり、負荷印加中の保持時間を短くしてOCV(開回路電圧)に戻す操作が必要となっている。
これにより、燃料電池の発電性能が飽和するまでに相当な時間を要してしまい、エージング運転に時間がかかるという問題がある。しかも、エージング運転中には、カソードガス及びアノードガスが消費されており、特に、水素使用量が過大となって極めて不経済であるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、エージング処理を短時間で良好に行うとともに、水素の消費を可及的に阻止し、経済的なエージングが遂行可能な固体高分子型燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池の運転方法に関するものである。
この運転方法では、固体高分子型燃料電池に電位を印加した状態で、一方の電極側への酸化剤ガスの供給を行うことなく、他方の電極側に加湿された水素を供給することにより、前記水素が電解質膜を透過して前記一方の電極側に移送される水素ポンプ運転を、使用時の最大電流密度以上で行う第1エージング工程と、前記第1エージング工程の後、前記固体高分子型燃料電池の発電を、前記最大電流密度以上で行う第2エージング工程とを有している。
また、電解質膜は、炭化水素系の電解質膜で構成されることが好ましい。
さらに、一方の電極であるカソード側にマイナス極の電位を印加するとともに、他方の電極であるアノード側にプラス極の電位を印加することが好ましい。
本発明では、先ず、外部から電圧を印加して電解質膜中を水素イオンを移動させる、所謂、水素ポンプ運転による第1エージング工程が行われるため、過電圧の少ない水素のみが反応に関与しており、腐食電位以下で連続的に大電流(使用時の最大電流密度以上)を印加させることができる。従って、性能劣化の抑制及び時間の短縮が容易に図られる。しかも、水素ポンプでは、一方の電極側に移送された水素が、酸化剤ガスと反応することはない。このため、第1エージング工程中に水素が消費されることはなく、極めて経済的である。
さらに、水素ポンプ運転による第1エージング工程が行われた後、発電による第2エージング運転が行われるため、高負荷(大電流)による発電が可能になる。これにより、エージング完了までの時間が一挙に短縮され、水素の消費を可及的に阻止して経済的なエージングが遂行可能になるとともに、燃料電池の触媒活性を良好に引き出すことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る固体高分子型燃料電池10の運転方法において、水素ポンプ運転による第1エージング工程を行うためのエージング装置12の概略構成図である。
図2に示すように、燃料電池10は、例えば、炭化水素系の固体高分子電解質膜14をアノード側電極16とカソード側電極18とで挟持した電解質膜・電極構造体20を備え、前記電解質膜・電極構造体20がアノード側セパレータ22とカソード側セパレータ24とにより挟持される。アノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ24は、カーボンプレート又は金属プレートにより構成され、図示しないシール部材を設けている。なお、固体高分子電解質膜14は、例えば、パーフルオロカーボン等のフッ素系の膜を使用してもよい。
電解質膜・電極構造体20とアノード側セパレータ22との間には、燃料ガス流路26が形成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体20とカソード側セパレータ24との間には、酸化剤ガス流路28が形成される。
燃料電池10は、図1に示すように、一端側に水素含有ガス等の燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔30aと、空気(酸素含有ガス)等の酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔32aとが形成される。燃料電池10の他端側には、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔30bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔32bとが形成される。
エージング装置12は、燃料電池10のアノード側(燃料ガス流路26側)に加湿された水素を供給するアノード側配管系34と、前記燃料電池10のカソード側(酸化剤ガス流路28側)に接続されるカソード側配管系36と、前記燃料電池10のアノード側にプラス極の電位を印加するとともに、前記燃料電池10のカソード側にマイナス極の電位を印加する直流電源38と、前記エージング装置12全体の制御を行うコントローラ40とを備える。
アノード側配管系34は、水素を貯留する水素ボンベ42を備え、この水素ボンベ42は、アノード供給配管44を介して燃料電池10の燃料ガス入口連通孔30aに連通する。アノード供給配管44には、水素ボンベ42側から下流に向かって開閉弁46aと加湿器48とが配設されるとともに、前記加湿器48には、不活性ガス、例えば、窒素ガス(N2ガス)を供給するための窒素ボンベ50が、開閉弁46bを介して接続される。
アノード側配管系34は、燃料電池10の燃料ガス出口連通孔30bに連通するアノード排出配管52を備える。このアノード排出配管52には、開閉弁46cが配設されるとともに、前記アノード排出配管52とアノード供給配管44とには、バイパスライン54の両端が接続される。このバイパスライン54には、開閉弁46dが配設される。
カソード側配管系36は、カソード供給配管58を備え、このカソード供給配管58の一端は、開閉弁46eを介してアノード供給配管44に接続自在である。カソード供給配管58の他端は、燃料電池10の酸化剤ガス入口連通孔32aに連通する。
カソード側配管系36は、燃料電池10の酸化剤ガス出口連通孔32bに連通するカソード排出配管60を設け、このカソード排出配管60は、アノード排出配管52に対して開閉弁46cの上流側に接続される。
図3は、エージング装置12による第1エージング工程の後、燃料電池10に対し第2エージング工程を行うための発電エージング装置70の概略構成図である。なお、発電エージング装置70は、発電エージングのために用いられる専用機として構成されていてもよく、又は車載用として燃料電池10を組み込む燃料電池システムにより、発電エージングを行うように構成してもよい。
発電エージング装置70は、燃料電池10に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系72と、前記燃料電池10に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給系74と、前記燃料電池10に接続される電子負荷76とを備える。
燃料ガス供給系72は、水素タンク78を備え、この水素タンク78から水素供給管80を介して燃料ガス入口連通孔30aに水素ガスが供給されるとともに、この水素供給管80には、可変バルブ82aが配設される。
燃料ガス供給系72は、燃料ガス出口連通孔30bに連通する水素排出管84を有し、この水素排出管84と水素供給管80とにバイパスライン86が接続される。水素排出管84及びバイパスライン86には、開閉弁88a、88bが配設される。
酸化剤ガス供給系74は、エアポンプ(エアコンプレッサ)90を備え、このエアポンプ90に接続される空気供給管92は、酸化剤ガス入口連通孔32aに接続される。この空気供給管92には、可変バルブ82bが配設される。
酸化剤ガス供給系74は、酸化剤ガス出口連通孔32bに接続される空気排出管94を備え、この空気排出管94と空気供給管92とにバイパスライン96が接続される。空気排出管94及びバイパスライン96には、開閉弁88c、88dが配設される。
電子負荷76は、可変抵抗機能を有しており、燃料電池10の出力電流が0〜使用時の最大電流密度以上になるように抵抗値が設定可能である。最大電流密度とは、発熱により固体高分子電解質膜14に劣化が発生しない程度であり、最大200%、好ましくは、150%以下(より好ましくは、125%)である。
このように構成されるエージング装置12及び発電エージング装置70による運転方法について、図4に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、燃料電池10は、エージング装置12に取り付けられた後、所謂、水素ポンプ運転を開始する前に、窒素ガスによるパージ処理が行われる(ステップS1)。窒素ボンベ50は、アノード側配管系34に設けられており、開閉弁46b、46c及び46eが開放される一方、開閉弁46a、46dが閉塞される。
このため、窒素ボンベ50から導出される窒素ガスは、加湿器48を通って加湿された後、アノード供給配管44とカソード供給配管58とに分流される。この加湿された窒素ガスは、燃料電池10の燃料ガス入口連通孔30aと、酸化剤ガス入口連通孔32aとに供給される。
燃料電池10内では、図2に示すように、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路28に加湿された窒素ガスが導入される。そして、所定の時間だけ掃気されることによって、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路28に残存する空気等が窒素ガスに置換される。
次いで、開閉弁46bが閉塞されるとともに、開閉弁46aが開放される。従って、水素ボンベ42から水素ガスが導出され、この水素ガスは、加湿器48によって加湿された後、アノード供給配管44とカソード供給配管58とに分流される。このため、燃料電池10では、燃料ガス流路26及び酸化剤ガス流路28が水素ガスによって掃気される(ステップS2)。
さらに、ステップS3に進んで、水素ポンプ運転による第1エージング工程が開始される。この水素ポンプ運転では、図1に示すように、アノード側(アノード側電極16)にプラス極の電位が印加されるとともに、カソード側(カソード側電極18)にマイナス極の電位が印加されている。
この状態で、カソード側配管系36では、開閉弁46eが閉塞されている。一方、アノード側配管系34では、開閉弁46b、46dが閉塞されるとともに、開閉弁46a、46cが開放されている。従って、水素ボンベ42からアノード供給配管44に水素ガスが供給され、この水素ガスは、加湿器48によって加湿された後、燃料電池10の燃料ガス入口連通孔30aを通って燃料ガス流路26に供給される。
ここで、燃料電池10では、直流電源38を介してアノード側にプラス極の電位が印加されるとともに、カソード側にマイナス極の電位が印加されている。このため、図5に示すように、アノード側電極16では、H2→2H++2e-の反応が起こり、水素イオン(H+)は、固体高分子電解質膜14を透過してカソード側電極18に移動する。このカソード側電極18で、2H++2e-→H2の反応が惹起する。
従って、アノード側電極16からカソード側電極18には、プロトン(水素イオン)が移動するとともに、同伴水が固体高分子電解質膜14に供給され、この固体高分子電解質膜14の含水率が増加する。
燃料電池10の燃料ガス流路26に供給された水素ガスは、未反応部分が燃料ガス出口連通孔30bからアノード排出配管52に排出される。一方、酸化剤ガス流路28の水素ガスは、この酸化剤ガス流路28から酸化剤ガス出口連通孔32bを通ってカソード排出配管60からアノード排出配管52に排出される。
この場合、上記の水素ポンプ運転では、水素ボンベ42から導入される水素のストイキが、比較的高く設定されており、導入される水分量を増加させることができる。
しかも、直流電源38による印加電流密度は、使用時の最大電流密度に設定されている。水素ポンプ運転では、過電圧の少ない水素のみが反応に関与するため、エージング初期の段階で大電流を引くことが可能となるからである。これにより、エージング時間が短縮される。
さらに、カソード側電極18側は、反応ガスの拡散抵抗による濃度過電圧の影響を受けないため、電極面の局所的な反応集中による劣化やエージング状態の分布を低減することが可能になる。従って、電極面を均一にエージングすることができる。
さらにまた、通常の発電によるエージングの場合には、エージング途上で一定電流を保持することができないため、負荷電流をサイクルさせてエージングを行っている。このため、高電位サイクルを繰り返すことになり、触媒単体の腐食を誘発するおそれがある。
これに対して、水素ポンプ運転によるエージングでは、腐食電位以下で、連続的に大電流を印加することができるため、性能劣化の抑制及びエージング時間の短縮が容易に可能になる。その際、水素ポンプ運転では、カソード側電極18に移送された水素は、酸化剤ガスと反応することがなく、水素ガスとしてアノード排出配管52に排出されている。これにより、水素が消費されることがなく、極めて経済的であるという効果がある。
さらに、水素ポンプ運転によるエージングでは、過電圧損失による発熱量も小さくなるため、固体高分子電解質膜14の温度劣化等を有効に抑制することができる。
ところで、水素ポンプ運転のみによるエージングでは、触媒活性を十分に引き出すことができないおそれがある。従って、本実施形態では、水素ポンプ運転による第1エージング工程の後に、発電エージングによる第2エージング工程が行われる(ステップS4、及び図6参照)。
先ず、図3に示すように、第1エージング工程が終了した燃料電池10は、発電エージング装置70に取り付けられる。そこで、燃料ガス供給系72を構成する水素タンク78は、水素供給管80を介して燃料ガス入口連通孔30aに燃料ガスを供給する。一方、酸化剤ガス供給系74を構成するエアポンプ90を介して、空気供給管92から酸化剤ガス入口連通孔32aに空気が供給される。
このため、図2に示すように、燃料ガス流路26に水素ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス流路28に空気が供給され、電解質膜・電極構造体20により電気化学反応が発生する。具体的には、図7に示すように、アノード側電極16で発生したプロトン(水素イオン)が、固体高分子電解質膜14を透過してカソード側電極18に移動し、このカソード側電極18で水が生成される。
従って、燃料電池10による発電が開始され、電子負荷76を介してこの燃料電池10から出力される電流は、図6に示すように、増減制御される。これにより、発電エージングが行われ、例えば、所定時間が経過することにより(ステップS5中、YES)、燃料電池10のエージング運転が終了する。
このように、本実施形態では、新たに組み立てられた燃料電池10のエージング処理が、先ず、水素ポンプ運転による第1エージング工程と、発電エージングによる第2エージング工程とにより行われている。
水素ポンプ運転によるエージングでは、大電流を印加することによるプロトンチャンネルへの水の引き込みが確実に行われるとともに、過電圧の減少による電極面内での均一なエージング処理が遂行される。
しかも、カソード側電極18の触媒が水素還元されるため、酸化膜の除去が図られる他、触媒界面との接合性が向上する。その上、固体高分子電解質膜14と触媒層中の電解質界面の接合性の向上によるプロトンの授受促進が図られるという利点がある。
この水素ポンプ運転によるエージングを行った後、発電エージングを行うことにより、この発電エージングでは、高負荷発電が可能になる。このため、従来の発電エージングのみを行う際のように、出力電流を低電流から徐々に上げていく必要がなく、エージング完了までの時間が一挙に短縮される。
これにより、水素の消費を可及的に阻止することができ、経済的なエージング処理が遂行可能になるとともに、燃料電池10の触媒活性を良好に引き出すことができるという効果が得られる。
図8は、水素ポンプ運転のみによるエージングと、水素ポンプ運転によるエージングと発電エージングとを組み合わせた本実施形態と、における発電性能を比較した結果である。これにより、水素ポンプ運転のみによるエージングに比べ、本実施形態では、正常のエージング完了品と同等に、燃料電池10の触媒活性を完全に引き出すことができるという結果が得られた。
なお、本実施形態では、アノード側にプラス極の電位を印加するとともに、カソード側にマイナス極の電位を印加し、前記カソード側への酸化剤ガスの供給を行うことなく、前記アノード側に加湿された水素を供給して水素ポンプ運転を行っている。これに対して、カソード側にプラス極の電位を印加するとともに、アノード側にマイナス極の電位を印加し、前記アノード側への酸化剤ガスの供給を行うことなく、前記カソード側に加湿された水素を供給して水素ポンプ運転を行うこともできる。
本発明の実施形態に係る固体高分子型燃料電池の運転方法において、水素ポンプ運転による第1エージング工程を行うためのエージング装置の概略構成図である。 前記燃料電池の断面説明図である。 前記燃料電池に対し第2エージング工程を行うための発電エージング装置の概略構成図である。 前記運転方法を説明するフローチャートである。 水素ポンプ運転によるエージングの説明図である。 前記運転方法の説明図である。 発電エージングの説明図である。 各種エージングによる性能の比較説明図である。
符号の説明
10…燃料電池 12…エージング装置
14…固体高分子電解質膜 16…アノード側電極
18…カソード側電極 20…電解質膜・電極構造体
26…燃料ガス流路 28…酸化剤ガス流路
30a…燃料ガス入口連通孔 30b…燃料ガス出口連通孔
32a…酸化剤ガス入口連通孔 32b…酸化剤ガス出口連通孔
34…アノード側配管系 36…カソード側配管系
38…直流電源 40…コントローラ
42…水素ボンベ 44…アノード供給配管
48…加湿器 50…窒素ボンベ
52…アノード排出配管 58…カソード供給配管
70…発電エージング装置 72…燃料ガス供給系
74…酸化剤ガス供給系 76…電子負荷
78…水素タンク 80…水素供給管
84…水素排出管 90…エアポンプ
92…空気供給管 94…空気排出管

Claims (3)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池の運転方法であって、
    前記固体高分子型燃料電池に電位を印加した状態で、一方の電極側への酸化剤ガスの供給を行うことなく、他方の電極側に加湿された水素を供給することにより、前記水素が前記電解質膜を透過して前記一方の電極側に移送される水素ポンプ運転を、使用時の最大電流密度以上で行う第1エージング工程と、
    前記第1エージング工程の後、前記固体高分子型燃料電池の発電を、前記最大電流密度以上で行う第2エージング工程と、
    を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池の運転方法。
  2. 請求項1記載の運転方法において、前記電解質膜は、炭化水素系の電解質膜で構成されることを特徴とする固体高分子型燃料電池の運転方法。
  3. 請求項1又は2記載の運転方法において、前記一方の電極であるカソード側にマイナス極の電位を印加するとともに、前記他方の電極であるアノード側にプラス極の電位を印加することを特徴とする固体高分子型燃料電池の運転方法。
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