JP5559002B2 - 燃料電池システム及びその起動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化剤ガス及び燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を備える燃料電池システム及びその起動方法に関する。
燃料電池は、燃料ガス(主に水素を含有するガス、例えば、水素ガス)及び酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス、例えば、空気)をアノード電極及びカソード電極に供給して電気化学的に反応させることにより、直流の電気エネルギを得るシステムである。このシステムは、定置用の他、車載用として燃料電池車両に組み込まれている。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード電極及びカソード電極を設けた電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の発電セルは、通常、電解質膜・電極構造体及びセパレータを所定数だけ交互に積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池スタックでは、発電(運転)が停止される際、前記燃料電池スタック内に残存する燃料ガスを空気(酸化剤ガス)と置換する処理が行われている。このため、燃料電池スタックを起動させると、アノード電極に燃料ガスの供給を開始する際に水素と空気とが混在してしまう。これにより、カソード電極が高電位となり易く、前記カソード電極の電極触媒層の性能劣化による発電性能の低下が惹起されるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムでは、図7に示すように、燃料電池スタック1、起電力を得る駆動時に前記燃料電池スタック1内の燃料室に燃料ガスを導入するための燃料導入手段2、及び停止時に前記燃料室内に残留する燃料ガスを空気と置換する燃料置換手段3を備えている。
燃料導入手段2は、水素ボンベ4、調圧弁5a、5b、電磁弁6a、6b、圧力計S1、S2及び配管7a、7b、7cにより構成されている。燃料置換手段3は、逆止弁8、電磁弁6c、6d、6e、6f、ポンプ9及び配管7d、7e、7f、7cにより構成されている。
制御手段では、停止時に燃料室内に置換された空気を始動によって再度燃料ガスとしての水素で置換する前記燃料室の置換率(%)と、初期性能からの出力変化(%)との関係を測定している。その際、燃料置換手段3により、停止時に燃料室内に残留する水素を空気と置換している。そして、制御手段によって所定時間(0.6秒)の間に置換率が80%、85%又は95%以上になるように制御している。
特開2004−206898号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、燃料導入手段2及び燃料置換手段3が相当に大型で且つ複雑化している。このため、燃料電池システム全体の容積が増大するとともに、製造コストが高騰するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、コンパクト且つ経済的な構成で、燃料電池の劣化を可及的に抑制することが可能な燃料電池システム及びその起動方法を提供することを目的とする。
本発明は、カソード側に供給される酸化剤ガス及びアノード側に供給される燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置とを設ける燃料電池システム及びその起動方法に関するものである。
この燃料電池システムでは、アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度を設定するコントローラを備えている。
燃料ガス供給装置は、燃料ガス供給源から燃料電池の燃料ガス入口連通孔に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、前記燃料電池の燃料ガス出口連通孔から排出される前記燃料ガスを前記燃料ガス供給路に戻す第1リターン流路と、前記第1リターン流路とは個別に前記燃料ガス供給路に連通するとともに、ポンプを介して前記燃料ガス出口連通孔から前記燃料ガス入口連通孔に前記燃料ガスを流通させる第2リターン流路と、前記燃料ガス供給路に、前記第1リターン流路の連結部及び前記第2リターン流路の連結部を跨いで接続されるバイパス流路と、前記バイパス流路に配設され、アノード側の水素濃度が基準水素濃度の直前から直後である際に、前記燃料ガス供給路を介して前記燃料電池に供給される燃料ガス供給量に比べて少量の前記燃料ガスを前記燃料ガス入口連通孔に供給する燃料ガス流量制御部と、前記バイパス流路の上流側端部に配設される三方弁とを備えている。
また、この燃料電池システムの起動方法では、アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度を設定する工程と、前記基準水素濃度に至る直前まで、前記アノード側に燃料ガスを第1流量で供給する工程と、前記基準水素濃度の直前から直後まで、前記アノード側に前記燃料ガスを前記第1流量よりも少量な第2流量で供給する工程と、前記基準水素濃度の直後から、前記アノード側に前記燃料ガスを前記第2流量よりも多量な第3流量で供給する工程とを有している。
さらに、この起動方法では、起動前の燃料電池のカソード側及びアノード側には、酸化剤ガスが充填されていることが好ましい。
本発明では、アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度を設定している。そして、単極電位が急激に低下する基準水素濃度に至る直前まで、及び前記基準水素濃度の直後から、アノード側に多量の燃料ガスが供給される一方、前記基準水素濃度の直前から直後までの間、前記アノード側に少量の前記燃料ガスが供給されている。
このため、アノード側に燃料ガスを迅速に供給することができ、前記アノード側の面内に発生する水素の濃度差が良好に減少される。
しかも、アノード側の水素濃度が所定の領域(基準水素濃度)に至ると、前記アノード側の単極電位が急激に低下することを見出した。そして、基準水素濃度の直前から直後までの間は、アノード側に少量の燃料ガスを供給することにより、水素濃度変化を最小にして前記アノード側の単極電位が急激に低下することを良好に抑制することができる。従って、燃料電池内に高電位が発生することを確実に阻止することが可能になり、特にカソード電極の電極触媒層の性能劣化による発電性能の低下が可及的に抑制される。
これにより、コンパクト且つ経済的な構成で、燃料電池の劣化を可及的に抑制することが可能になる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 前記燃料電池システムの起動方法を説明するタイミングチャートである。 アノード側の単極電位と水素濃度との関係説明図である。 前記起動方法を説明する水素流量と濃度との関係図である。 前記燃料電池システムの動作説明図である。 燃料電池内の高電位発生の説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池システムの説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、前記燃料電池スタック12に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置14と、前記燃料電池スタック12に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置16と、前記燃料電池システム10全体の制御を行うコントローラ18とを備える。燃料電池システム10は、燃料電池自動車等の燃料電池車両に搭載される。
燃料電池スタック12は、複数の燃料電池20を積層して構成される。各燃料電池20は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜22をカソード電極24とアノード電極26とで挟持した電解質膜・電極構造体(MEA)28を備える。
カソード電極24及びアノード電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金(又はRu等)が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜22の両面に形成される。
電解質膜・電極構造体28をカソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ32で挟持する。カソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ32は、例えば、カーボンセパレータ又は金属セパレータで構成される。
カソード側セパレータ30と電解質膜・電極構造体28との間には、酸化剤ガス流路34が設けられるとともに、アノード側セパレータ32と前記電解質膜・電極構造体28との間には、燃料ガス流路36が設けられる。
燃料電池スタック12には、各燃料電池20の積層方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガス(以下、空気ともいう)を供給する酸化剤ガス入口連通孔38a、燃料ガス、例えば、水素含有ガス(以下、水素ガスともいう)を供給する燃料ガス入口連通孔40a、冷却媒体を供給する冷却媒体入口連通孔(図示せず)、前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔38b、前記燃料ガスを排出する燃料ガス出口連通孔40b、及び前記冷却媒体を排出する冷却媒体出口連通孔(図示せず)が設けられる。
酸化剤ガス供給装置14は、大気からの空気を圧縮して供給するエアポンプ(コンプレッサ)42を備え、前記エアポンプ42が空気供給流路44に配設される。空気供給流路44には、加湿器46が配設されるとともに、前記空気供給流路44は、燃料電池スタック12の酸化剤ガス入口連通孔38aに連通する。加湿器46は、オフガス(使用済み空気)と供給空気との間で水分及び熱の交換を行う。
酸化剤ガス供給装置14は、酸化剤ガス出口連通孔38bに連通する空気排出流路48を備える。空気排出流路48は、加湿器46の加湿媒体通路(図示せず)に連通するとともに、この空気排出流路48には、エアポンプ42から空気供給流路44を通って燃料電池スタック12に供給される空気の圧力を調整するための開度調整可能な背圧制御弁50が設けられる。
燃料ガス供給装置16は、高圧水素を貯留する水素タンク(燃料ガス供給源)52を備え、この水素タンク52は、水素供給流路(燃料ガス供給路)54を介して燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔40aに連通する。この水素供給流路54には、遮断弁56、レギュレータ58及びエゼクタ60が設けられる。エゼクタ60は、水素タンク52から供給される水素ガスを、水素供給流路54を通って燃料電池スタック12に供給するとともに、燃料電池スタック12で使用されなかった未使用の水素ガスを含む排ガスを、第1リターン流路62から吸引して、再度、前記燃料電池スタック12に燃料ガスとして供給する。
燃料ガス出口連通孔40bには、オフガス流路64が連通する。オフガス流路64は、パージ弁66を介して、例えば、図示しない希釈器に連通する。オフガス流路64の途上には、第1リターン流路62の一端と第2リターン流路68の一端とが個別に連通する。第1リターン流路62の他端は、エゼクタ60に接続される一方、第2リターン流路68の他端は、ポンプ70を介装して水素供給流路54に接続される。
水素供給流路54には、第1リターン流路62の連結部(エゼクタ60)及び第2リターン流路68の連結部を跨いでバイパス流路72の両端が接続される。バイパス流路72の上流側端部は、レギュレータ58とエゼクタ60との間に位置して三方弁74に接続される。バイパス流路72には、流量制御部(燃料ガス流量制御部)76が配設される。流量制御部76には、例えば、マスフローコントローラやインジェクタ等が採用される。
水素供給流路54の燃料ガス入口連通孔40aに近接する位置と、空気供給流路44の酸化剤ガス入口連通孔38aに近接する位置とには、空気パージ流路78の両端が接続される。空気パージ流路78には、開閉弁80が介装される。
燃料電池スタック12には、アノード側の水素濃度を検出するために、例えば、水素供給流路54に燃料ガス入口連通孔40aに近接して水素濃度センサ82が設けられる。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
先ず、燃料電池システム10の運転時には、酸化剤ガス供給装置14を構成するエアポンプ42を介して、空気供給流路44に空気が送られる。この空気は、加湿器46を通って加湿された後、燃料電池スタック12の酸化剤ガス入口連通孔38aに供給される。この空気は、燃料電池スタック12内の各燃料電池20に設けられている酸化剤ガス流路34に沿って移動することにより、カソード電極24に供給される。
使用済みの空気は、酸化剤ガス出口連通孔38bから空気排出流路48に排出され、加湿器46に送られることによって新たに供給される空気を加湿した後、背圧制御弁50を介して排出される。
一方、燃料ガス供給装置16では、遮断弁56が開放されることにより、水素タンク52から水素供給流路54に水素ガスが供給される。この水素ガスは、レギュレータ58により降圧された後、エゼクタ60を通って燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔40aに供給される。燃料電池スタック12内に供給された水素ガスは、各燃料電池20の燃料ガス流路36に沿って移動することにより、アノード電極26に供給される。
使用済みの水素ガスは、燃料ガス出口連通孔40bからオフガス流路64に排出され、第1リターン流路62を介してエゼクタ60に吸引され、燃料ガスとして、再度、燃料電池スタック12に供給される。従って、カソード電極24に供給される空気とアノード電極26に供給される水素ガスとが電気化学的に反応して発電が行われる。
燃料電池システム10の運転が停止される際には、各燃料電池20の燃料ガス流路36を含むアノード側経路が、空気によりパージされる。具体的には、燃料ガス供給装置16では、遮断弁56が閉塞されて燃料電池スタック12に燃料ガスの供給が停止される一方、開閉弁80が開放されて空気パージ流路78が、空気供給流路44と水素供給流路54とに連通する。
このため、エアポンプ42の作用下に、空気供給流路44に導出される空気は、酸化剤ガス入口連通孔38aから酸化剤ガス流路34に供給されるとともに、前記空気の一部が空気パージ流路78を通って燃料ガス入口連通孔40aから燃料ガス流路36に供給される。これにより、燃料電池スタック12では、空気によるパージが行われ、カソード側経路及びアノード側経路が空気により満たされている。
次いで、燃料電池システム10の起動方法について、図2に示すタイミングチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、実際に使用される燃料電池システム10を用いて、アノード側の単極電位と水素濃度との関係が検出される。図3に示すように、燃料電池システム10では、水素濃度が上昇する際に、単極電位が急激に低下する濃度Tが検出され、この濃度Tが基準水素濃度に設定される。
濃度Tは、電極触媒の活性により変化する値である。システム停止時には、アノード側には、大量の窒素、酸素及び水素が残存している。濃度Tは、窒素濃度が高い場合に、ほぼ一定値であるが、窒素濃度が低い場合に、燃料電池スタック12のアノード入口側(燃料ガス入口連通孔40a)に設けられた酸素センサ(図示せず)を介して供給される酸素濃度を検出し、その結果により補正することが好ましい。
例えば、通常使用されている固体高分子電解質膜22では、濃度Tが、水素のアノード側供給ガス中の酸素濃度に対して50%〜70%である。濃度による単極電位の急峻な変化は、電極触媒上を被覆している分子、すなわち、水素と酸素のいずれが支配的になるかによって決定される。
そこで、図示しない燃料電池自動車のイグニッションスイッチがオンされると、燃料電池システム10の起動処理が開始される(図2参照)。この起動処理では、ポンプ70がオンされるため、図1に示すように、水素ガスが、第2リターン流路68を介して燃料電池スタック12内に強制的に循環される。一方、エアポンプ42がオンされて、燃料電池スタック12内に空気が供給される。
ポンプ70がオンされた後、又は前記ポンプ70がオンされると同時に、遮断弁56がオンされる(図2参照)。従って、燃料電池スタック12内の各燃料電池20には、水素タンク52から供給される水素ガスが、ポンプ70の付勢作用下に多量(第1流量)に供給される。
ここで、アノード側経路の残留酸素の圧力値から、アノード側経路の開時間がマップ(図示せず)により設定される。そして、図4中、(a)に示すように、濃度Tよりも低い値、例えば、濃度Tの40%程度まで、上記のポンプ70の付勢作用下に多量の水素を供給して水素濃度を急激に上昇させる。
次いで、図2及び図5に示すように、遮断弁56が閉塞されるとともに、三方弁74の切り替え作用下に、水素供給流路54とバイパス流路72とが連通する。このため、図4中、(b)に示すように、流量制御部76の作用下に、燃料電池スタック12に供給される水素ガスの流量が低下され(第2流量)、アノード側では、濃度Tが時間をかけてゆっくりと超えられる。
そして、燃料電池20のセル電圧の上昇が確認された後、遮断弁56を開放する一方、三方弁74の切り替え作用下に、水素供給流路54からバイパス流路72が閉塞される(図1及び図2参照)。これにより、図4中、(c)に示すように、燃料電池スタック12に供給される水素ガスの流量が増加され(第3流量)、例えば、第1流量と同量に調整され、アノード側に多量の水素ガスが供給される。その後、燃料電池スタック12は、発電可能な状態に移行する(図2参照)。
この場合、本実施形態では、図3に示すように、アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度(濃度T)を設定している。そして、図4に示すように、単極電位が急激に低下する基準水素濃度に至る直前まで、及び基準水素濃度の直後から、アノード側に多量の水素ガスが供給される一方、前記基準水素濃度の直前から直後までの間、前記アノード側に少量の前記水素ガスが供給されている。
このため、アノード側に水素ガスを迅速に供給することができ、前記アノード側の面内に発生する水素の濃度差が良好に減少される。従って、燃料電池20内に高電位が発生することを確実に阻止することが可能になり、特にカソード電極24の電極触媒層の性能劣化による発電性能の低下が可及的に抑制される。
具体的には、図6に示すように、燃料電池20の停止時には、カソード側及びアノード側に空気が充填されている。そして、燃料電池システム10の起動時には、アノード側において、H→2H++2eの反応を生じ、カソード側において、O+4H++4e→2HOの反応が発生し、水素極と空気極との間に起電力が生じる。
その際、アノード側における水素で満たされている面において、H→2H++2eの反応が生じる一方、アノード側における水素で満たされておらず、空気が残留している面において、O+4H++4e→2HOの反応が惹起される。これにより、アノード側の面内に発生する水素の濃度差により、カソード側に高電位が発生する。
そこで、本実施形態では、水素タンク52から供給される水素ガスが、ポンプ70の付勢作用下にバイパス流路72を介して少量の供給がなされることにより、アノード側の面内に発生する水素の濃度差が良好に減少される。このため、燃料電池20内に高電位が発生することを確実に阻止することが可能になるという効果が得られる。
しかも、アノード側の水素濃度が所定の濃度T(基準水素濃度)に至ると、前記アノード側の単極電位が急激に低下することを見出した(図3参照)。そして、基準水素濃度の直前から直後までの間は、バイパス流路72を介してアノード側に少量の燃料ガスを供給している(図5参照)。
従って、水素濃度変化を最小にして、アノード側の単極電位が急激に低下することを良好に抑制することができるという利点が得られる。これにより、コンパクト且つ経済的な構成で、燃料電池20の劣化を可及的に抑制することが可能になる。
さらに、図4中、(a)及び(c)では、アノード側に多量の水素ガスが供給されている。このため、燃料電池システム10の起動時間を良好に短縮することができるという利点がある。
なお、本実施形態では、燃料電池20の停止時に、カソード側及びアノード側に空気が充填されているが、これに代えて、空気によるパージを行ってもよい。また、停止時には、背圧制御弁50を開放して空気排出流路48により外気を自然導入してもよい。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…酸化剤ガス供給装置 16…燃料ガス供給装置
18…コントローラ 20…燃料電池
22…固体高分子電解質膜 24…カソード電極
26…アノード電極 28…電解質膜・電極構造体
30、32…セパレータ 34…酸化剤ガス流路
36…燃料ガス流路 38a…酸化剤ガス入口連通孔
38b…酸化剤ガス出口連通孔 40a…燃料ガス入口連通孔
40b…燃料ガス出口連通孔 42…エアポンプ
44…空気供給流路 46…加湿器
48…空気排出流路 50…背圧制御弁
52…水素タンク 54…水素供給流路
56…遮断弁 58…レギュレータ
60…エゼクタ 62、68…リターン流路
64…オフガス流路 70…ポンプ
72…バイパス流路 74…三方弁
76…流量制御部 78…空気パージ流路
80…開閉弁 82…水素濃度センサ

Claims (3)

  1. カソード側に供給される酸化剤ガス及びアノード側に供給される燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    を設ける燃料電池システムであって、
    前記アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度を設定するコントローラを備えるとともに、
    前記燃料ガス供給装置は、燃料ガス供給源から前記燃料電池の燃料ガス入口連通孔に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、
    前記燃料電池の燃料ガス出口連通孔から排出される前記燃料ガスを前記燃料ガス供給路に戻す第1リターン流路と、
    前記第1リターン流路とは個別に前記燃料ガス供給路に連通するとともに、ポンプを介して前記燃料ガス出口連通孔から前記燃料ガス入口連通孔に前記燃料ガスを流通させる第2リターン流路と、
    前記燃料ガス供給路に、前記第1リターン流路の連結部及び前記第2リターン流路の連結部を跨いで接続されるバイパス流路と、
    前記バイパス流路に配設され、前記アノード側の水素濃度が前記基準水素濃度の直前から直後である際に、前記燃料ガス供給路を介して前記燃料電池に供給される燃料ガス供給量に比べて少量の前記燃料ガスを前記燃料ガス入口連通孔に供給する燃料ガス流量制御部と、
    前記バイパス流路の上流側端部に配設される三方弁と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. カソード側に供給される酸化剤ガス及びアノード側に供給される燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    を設ける燃料電池システムの起動方法であって、
    前記アノード側の単極電位と水素濃度との関係から、前記単極電位が急激に低下する基準水素濃度を設定する工程と、
    前記基準水素濃度に至る直前まで、前記アノード側に前記燃料ガスを第1流量で供給する工程と、
    前記基準水素濃度の直前から直後まで、前記アノード側に前記燃料ガスを前記第1流量よりも少量な第2流量で供給する工程と、
    前記基準水素濃度の直後から、前記アノード側に前記燃料ガスを前記第2流量よりも多量な第3流量で供給する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
  3. 請求項2記載の起動方法において、起動前の前記燃料電池の前記カソード側及び前記アノード側には、酸化剤ガスが充填されていることを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
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