JP2009102583A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦係数が高く、摩擦特性の安定性に優れ、異音を低減し、品質安定性に優れたブレーキ摩擦材を提供する。
【解決手段】強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材であり、この強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維、特に、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維を含有し、この合金繊維の含有率は10〜30質量%である。
【選択図】なし
【解決手段】強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材であり、この強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維、特に、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維を含有し、この合金繊維の含有率は10〜30質量%である。
【選択図】なし
Description
本発明は、ブレーキ摩擦材に関し、より詳しくは、自動車、鉄道車両、各種産業用機械等の制動に用いられるディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等に好適に用いられ、摩擦係数が高く、摩擦特性の安定性に優れ、異音を低減し、品質安定性に優れたブレーキ摩擦材に関するものである。
従来、自動車、鉄道車両、各種産業用機械等の制動に用いられるディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等のブレーキ摩擦材としては、一般に、補強繊維として、銅繊維、スチール繊維、黄銅繊維等の金属繊維、スチール繊維に銅めっきを施した金属めっき繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、フェノール繊維等の有機質繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、アルミナシリカ繊維、カーボン繊維等の無機質繊維等、天然または人造の繊維が使用されている(特許文献1〜5)。
このブレーキ摩擦材は、上記の補強繊維の他、フェノール樹脂等の結合材、黒鉛、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン等の潤滑材、カシューダスト、未加硫ニトリルゴム、珪酸ジルコニウムやアルミナ等のセラミック粉、酸化鉄、錫等の金属粉等の摩擦調整材、硫酸バリウム等の充填材、水酸化カルシウム等のpH調整材等を混合し、その後、常温にて圧縮成形(予備成形)し、次いで、この成形体を接着剤を塗布した裏金に貼着して、この成形体を裏金毎、加熱圧縮成形し、さらに熱処理した後、溝加工、表面研磨等の機械加工を施すことにより作製される。
このブレーキ摩擦材は、上記の様な材料を用いることで、接着強度、摩擦特性、摩耗特性、異音性能等のブレーキ性能を満足するように調整している。
特に、上記の補強繊維の中では、銅繊維、スチール繊維、黄銅繊維等の金属繊維やチタン酸カリウム繊維が、ブレーキ摩擦材全体の強度及び耐熱性を高め、耐摩耗性を向上させるだけでなく、摩擦特性をも高めるものとして高く評価されている。
高摩擦係数のブレーキ摩擦材としては、ヨーロッパ製のスチール繊維を用いたロースチール材のブレーキ摩擦材、銅繊維及びチタン酸カリウム繊維を用いたノンスチール材で微小な硬質材料を配合し高摩擦係数としたブレーキ摩擦材等が知られている(特許文献6)。
特開平10−121033号公報
特開2001−20986号公報
特開2001−172612号公報
特開2000−160135号公報
特開2004−332888号公報
特開2004−346179号公報
特に、上記の補強繊維の中では、銅繊維、スチール繊維、黄銅繊維等の金属繊維やチタン酸カリウム繊維が、ブレーキ摩擦材全体の強度及び耐熱性を高め、耐摩耗性を向上させるだけでなく、摩擦特性をも高めるものとして高く評価されている。
高摩擦係数のブレーキ摩擦材としては、ヨーロッパ製のスチール繊維を用いたロースチール材のブレーキ摩擦材、銅繊維及びチタン酸カリウム繊維を用いたノンスチール材で微小な硬質材料を配合し高摩擦係数としたブレーキ摩擦材等が知られている(特許文献6)。
近年の自動車の性能の向上に伴い、ブレーキ摩擦材においても特性の向上が求められており、摩擦特性、異音性能等に対して、さらなる特性の向上が求められており、特に、摩擦特性については、高摩擦係数で摩擦特性の変動が小さく、安定性に優れているものが求められている。
しかしながら、従来のロースチール材のブレーキ摩擦材では、摩擦係数は高いものの、相手のディスロータを激しく摩耗し、この摩耗の際に生じる摩耗粉によりタイヤホィールが汚染されたり、キー音が発生したり等の不具合が生じる虞があるという問題点があった。
また、従来のノンスチール材のブレーキ摩擦材では、常用時は高摩擦係数であるものの、高速度、高減速度等の負荷が高い条件では、高摩擦係数を維持することができず、キー音、ジャダー等の鳴き、あるいは異音等が発生する虞があるという問題点があった。
しかしながら、従来のロースチール材のブレーキ摩擦材では、摩擦係数は高いものの、相手のディスロータを激しく摩耗し、この摩耗の際に生じる摩耗粉によりタイヤホィールが汚染されたり、キー音が発生したり等の不具合が生じる虞があるという問題点があった。
また、従来のノンスチール材のブレーキ摩擦材では、常用時は高摩擦係数であるものの、高速度、高減速度等の負荷が高い条件では、高摩擦係数を維持することができず、キー音、ジャダー等の鳴き、あるいは異音等が発生する虞があるという問題点があった。
また、スチール繊維に銅めっきを施した金属めっき繊維では、銅めっきの割合が多い場合には、高温時の摩擦係数が低下する虞があり、一方、銅めっきの割合が少ない場合には、スチール繊維の特性が強くなり、ディスクロータの摩耗が生じる虞があるという問題点があった。さらに、摩擦面にて補強繊維が摩耗した場合、表面が銅めっきで覆われた部分と、摩耗してスチール繊維が表面に露出した部分とでは、摩擦の形態が異なることとなり、不安定になって鳴き等の不具合が生じ易くなるという問題点もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、摩擦係数が高く、摩擦特性の安定性に優れ、異音を低減し、品質安定性に優れたブレーキ摩擦材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ブレーキ摩擦材に含まれる強化繊維を、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有したものとすれば、摩擦係数が高く、摩擦特性の安定性に優れるとともに、異音についてもその発生を低減することができ、品質安定性にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のブレーキ摩擦材は、少なくとも強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材において、前記強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有してなることを特徴とする。
前記合金繊維は、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維であることが好ましい。
ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、前記合金繊維の含有率は10〜30質量%であることが好ましい。
ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、前記合金繊維の含有率は10〜30質量%であることが好ましい。
本発明のブレーキ摩擦材によれば、強化繊維を、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有することとしたので、高速度、高減速度という負荷の高い条件下においても、摩擦係数を高いまま保持することができ、摩擦特性の変動を抑制して安定性に優れたものとすることができ、したがって、異音の発生、キー音、ジャダー等の鳴きを低減することができる。
また、従来の製造方法をそのまま適用することができるので、製造方法に格別困難性は無く、容易に製造することができる。
以上により、高摩擦係数、摩擦特性の安定性、異音の防止等を図ることができ、その結果、品質の安定性に優れたブレーキ摩擦材を、低コストにて提供することができる。
また、従来の製造方法をそのまま適用することができるので、製造方法に格別困難性は無く、容易に製造することができる。
以上により、高摩擦係数、摩擦特性の安定性、異音の防止等を図ることができ、その結果、品質の安定性に優れたブレーキ摩擦材を、低コストにて提供することができる。
本発明のブレーキ摩擦材の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のブレーキ摩擦材は、少なくとも強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材において、前記強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有してなるブレーキ摩擦材である。
この強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有したものであり、この合金繊維としては、銅鉄マンガン合金鋳物からなる合金繊維(銅鉄マンガン合金繊維)が好ましく、特に、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維が好ましい。
ここで、銅及び鉄の含有率を上記の範囲に限定した理由は、銅が50質量%未満では、相対的に鉄が多すぎてしまうために相手材である鋳鉄製のロータとの凝着摩擦が大きくなり、ロータ摩耗が大きくなるからであり、また、異音が発生したり、耐腐食性が低下したり等により、品質の安定化が妨げられるからである。一方、銅が80質量%を超えると、相対的に鉄が19質量%未満となり、逆に高温で銅の潤滑性が摩擦性より勝ったものとなり、高速度、高減速度という負荷の高い条件下においては摩擦係数を高いまま保持することができないからである。
また、マンガンの含有率を1.0〜5.0質量%と限定した理由は、マンガンが1.0質量%未満では、銅と鉄の分散性が悪く、得られた銅基合金がこれらの比重差により偏析した鋳物となるからである。なお、マンガンの含有量は鉄の含有量と相関しているために、適宜必要量を添加する必要があるが、本実施形態の合金繊維では最大5.0質量%が限度である。
また、マンガンの含有率を1.0〜5.0質量%と限定した理由は、マンガンが1.0質量%未満では、銅と鉄の分散性が悪く、得られた銅基合金がこれらの比重差により偏析した鋳物となるからである。なお、マンガンの含有量は鉄の含有量と相関しているために、適宜必要量を添加する必要があるが、本実施形態の合金繊維では最大5.0質量%が限度である。
この合金繊維の含有率は、ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、10〜30質量%であることが好ましい。
ここで、合金繊維の含有率を10〜30質量%とした理由は、含有率が10質量%未満では、この合金繊維による摩擦係数の向上の度合いが不足してしまい、効力試験を行った際に摩擦係数が低下し、摩擦のバランスが崩れてしまい、鳴き等が発生し易くなるからであり、一方、含有率が30質量%を超えると、ブレーキ摩擦材全体に対する金属の割合が増加するためにブレーキ摩擦材の熱伝導性が高くなり、したがって、プレートの温度が上昇し易くなり、ベーパーロックという不具合が発生する危険性が高くなるからであり、また、ロータとブレーキ摩擦材に含まれる合金繊維との間の摩擦のために、摩擦振動が大きくなり、異音が発生し易くなるからである。
ここで、合金繊維の含有率を10〜30質量%とした理由は、含有率が10質量%未満では、この合金繊維による摩擦係数の向上の度合いが不足してしまい、効力試験を行った際に摩擦係数が低下し、摩擦のバランスが崩れてしまい、鳴き等が発生し易くなるからであり、一方、含有率が30質量%を超えると、ブレーキ摩擦材全体に対する金属の割合が増加するためにブレーキ摩擦材の熱伝導性が高くなり、したがって、プレートの温度が上昇し易くなり、ベーパーロックという不具合が発生する危険性が高くなるからであり、また、ロータとブレーキ摩擦材に含まれる合金繊維との間の摩擦のために、摩擦振動が大きくなり、異音が発生し易くなるからである。
この強化繊維は、上記の合金繊維の他、以下の繊維を含有してもよい。
この合金繊維以外の繊維としては、スチール繊維、銅繊維、黄銅繊維、リン青銅繊維等の金属質繊維、アラミド繊維、アクリル繊維等の有機質繊維、ロックウール、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維、炭酸カルシウム繊維、炭酸マグネシウム繊維、セラミック繊維等の無機質繊維が挙げられる。
この合金繊維以外の繊維としては、スチール繊維、銅繊維、黄銅繊維、リン青銅繊維等の金属質繊維、アラミド繊維、アクリル繊維等の有機質繊維、ロックウール、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維、炭酸カルシウム繊維、炭酸マグネシウム繊維、セラミック繊維等の無機質繊維が挙げられる。
結合材としては、ストレート系フェノール樹脂(変性の無いフェノール樹脂)、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、特に、耐熱性の点で、ストレート系フェノール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂が好適に用いられる。
潤滑材としては、黒鉛、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン等が好適に用いられる。
潤滑材としては、黒鉛、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン等が好適に用いられる。
摩擦調整材としては、有機系摩擦調整材および/または無機系摩擦調整材が好適に用いられる。有機系摩擦調整材としては、カシューダスト、未加硫ニトリルゴム粉末等のゴム粉等が、無機系摩擦調整材としては、珪酸ジルコニウム、アルミナ、酸化鉄、錫等の粉末が好適に用いられる。
充填材としては、硫酸バリウム等が好適に用いられる。
このブレーキ摩擦材は、必要に応じてpH調整材等を含有してもよい。このpH調整材としては、水酸化カルシウム等が用いられる。
充填材としては、硫酸バリウム等が好適に用いられる。
このブレーキ摩擦材は、必要に応じてpH調整材等を含有してもよい。このpH調整材としては、水酸化カルシウム等が用いられる。
このブレーキ摩擦材においては、材料組成や成形条件を制御することにより、内部に気孔と称される空孔が気孔率が15〜20%の範囲になるように形成されている。これにより、この空孔がフェノール樹脂等の結合材が高温時に熱分解することにより生じた分解生成物(ガスや液状の重合物)の通り道(逃げ道)となり、ブレーキ摩擦材の摩擦特性の低下を防止するとともに、剛性を低下させて減衰性を向上させることにより、異音の発生を防止している。
以上説明したように、このブレーキ摩擦材によれば、強化繊維を、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維を主成分とし、この銅基合金繊維の含有率を10〜30質量%としたので、高速度、高減速度という負荷の高い条件下においても、摩擦係数を高いまま保持することができ、摩擦特性の変動を抑制して安定性に優れたものとすることができ、さらに、異音の発生、キー音、ジャダー等の鳴きを低減することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1〜9」
実施例1〜9のプレーキパッド(ブレーキ摩擦材)を作製した。
まず、溶剤を用いて裏金を充分に洗浄し、この裏金にショットブラストまたはリン酸処理等の化成処理を施した後、摩擦材と接する面に接着剤を塗布し乾燥した。
「実施例1〜9」
実施例1〜9のプレーキパッド(ブレーキ摩擦材)を作製した。
まず、溶剤を用いて裏金を充分に洗浄し、この裏金にショットブラストまたはリン酸処理等の化成処理を施した後、摩擦材と接する面に接着剤を塗布し乾燥した。
また、銅鉄マンガン合金繊維、無機質繊維(ロックウール、ウォラストナイト、チタン酸カリウム板状繊維等)、有機質繊維としてアラミド繊維、潤滑材(黒鉛、コークス等)、フェノール樹脂、無機系摩擦調整材(ジルコン、酸化鉄、錫、ケイ酸ジルコニウム等)、有機系摩擦調整材(カシューダスト、未加硫ニトリルゴム粉末等)、充填材(硫酸バリウム等)、pH調整材(水酸化カルシウム)を、所定量秤量し、混合した。
実施例1〜9それぞれの配合量(質量%)を表1に示す。
実施例1〜9それぞれの配合量(質量%)を表1に示す。
その後、この混合物を所定の金型を用いて、50MPaの圧力かつ常温(25℃)にて冷間圧縮成形した。
次いで、この冷間圧縮成形品と上記の接着剤を塗布した裏金を、150℃に加熱した金型内にセットし、この温度にて40MPaの圧力で250秒加熱圧縮成形した。
次いで、この成型品を220℃にて6時間熱処理し、さらに、研磨加工、溝加工を施し、実施例1〜9のプレーキパッドとした。
次いで、この冷間圧縮成形品と上記の接着剤を塗布した裏金を、150℃に加熱した金型内にセットし、この温度にて40MPaの圧力で250秒加熱圧縮成形した。
次いで、この成型品を220℃にて6時間熱処理し、さらに、研磨加工、溝加工を施し、実施例1〜9のプレーキパッドとした。
「比較例1〜11」
鉄を上限値(45質量%)まで含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例1、鉄を上限値(45質量%)まで含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例2、鉄を中程度(28質量%)含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例3、鉄を中程度(28質量%)含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例4、鉄を下限値(19質量%)まで含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例5、鉄を下限値(19質量%)まで含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例6、銅を下限値未満(45質量%)及び鉄を上限値超(50質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例7、銅を上限値超(81質量%)及び鉄を下限値未満(18質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例8、銅を上限値超(81質量%)及びマンガンを下限値未満(0質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例9、鉄を下限値未満(18質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例10、マンガンを上限値超(6質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例11とし、上記実施例1〜9と全く同様にして比較例1〜11のプレーキパッド(ブレーキ摩擦材)を作製した。
比較例1〜11それぞれの配合量(質量%)を表2に示す。
鉄を上限値(45質量%)まで含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例1、鉄を上限値(45質量%)まで含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例2、鉄を中程度(28質量%)含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例3、鉄を中程度(28質量%)含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例4、鉄を下限値(19質量%)まで含有した合金繊維の含有率が少ないものを比較例5、鉄を下限値(19質量%)まで含有した合金繊維の含有率が多いものを比較例6、銅を下限値未満(45質量%)及び鉄を上限値超(50質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例7、銅を上限値超(81質量%)及び鉄を下限値未満(18質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例8、銅を上限値超(81質量%)及びマンガンを下限値未満(0質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例9、鉄を下限値未満(18質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例10、マンガンを上限値超(6質量%)含有した合金繊維を用いたものを比較例11とし、上記実施例1〜9と全く同様にして比較例1〜11のプレーキパッド(ブレーキ摩擦材)を作製した。
比較例1〜11それぞれの配合量(質量%)を表2に示す。
このようにして作製された実施例1〜9及び比較例1〜11のプレーキパッドについて、摩擦特性、実車による鳴き・異音発生頻度、耐食性を評価した。
摩擦特性は、第2効力試験及び第1フェードリカバリ試験の2項目について、自動車技術会規格JASOC406「乗用車−ブレーキ装置−ダイナモメータ試験方法」に基づき測定した。
鳴き・異音発生頻度は、ブレーキパッドの温度を所定の温度範囲とし、ディスクブレーキキャリパへの供給液圧を所定の圧力範囲としたときの、それぞれの組み合わせで所定回数、ダイナモメータによる制動試験を行い、このときに発生する音の大きさのレベルが一定値以上になったときの回数を計数し、この計数値の割合(%)を算出した。
耐食性は、塩水噴霧試験を72時間行い、ブレーキパッドの摩擦面における発錆の有無を目視にて確認した。
実施例1〜9の試験結果を表3に、比較例1〜11の試験結果を表4に、それぞれ示す。
摩擦特性は、第2効力試験及び第1フェードリカバリ試験の2項目について、自動車技術会規格JASOC406「乗用車−ブレーキ装置−ダイナモメータ試験方法」に基づき測定した。
鳴き・異音発生頻度は、ブレーキパッドの温度を所定の温度範囲とし、ディスクブレーキキャリパへの供給液圧を所定の圧力範囲としたときの、それぞれの組み合わせで所定回数、ダイナモメータによる制動試験を行い、このときに発生する音の大きさのレベルが一定値以上になったときの回数を計数し、この計数値の割合(%)を算出した。
耐食性は、塩水噴霧試験を72時間行い、ブレーキパッドの摩擦面における発錆の有無を目視にて確認した。
実施例1〜9の試験結果を表3に、比較例1〜11の試験結果を表4に、それぞれ示す。
表3及び表4によれば、実施例1〜9は、第2効力試験の最低μが0.45以上、フェード試験の最低μが0.4以上、鳴きが0.1%以下であり、比較例1〜11に比べて摩擦特性の変動が小さくかつ安定性に優れ、異音の防止に優れ、耐食性に優れていることを確認することができた。
また、実施例1〜9では、従来の製造方法をそのまま適用することができ、しかも、製造に格別の困難性も無く、製造が容易であることが確認された。
以上により、摩擦特性及び異音の防止に優れ、しかも品質の安定性に優れたブレーキパッドを、低コストで提供することが可能になった。
また、実施例1〜9では、従来の製造方法をそのまま適用することができ、しかも、製造に格別の困難性も無く、製造が容易であることが確認された。
以上により、摩擦特性及び異音の防止に優れ、しかも品質の安定性に優れたブレーキパッドを、低コストで提供することが可能になった。
本発明は、少なくとも強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材における強化繊維を、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維、特に、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維を含有するものとし、この合金繊維の含有率を10〜30質量%としたことにより、摩擦係数、摩擦特性の安定性、異音の低減、品質安定性を改善したものであるから、自動車はもちろんのこと、ブレーキ機構を有する動力機械等へも適用可能であり、その工業的意義は極めて大である。
Claims (3)
- 少なくとも強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有してなるブレーキ摩擦材において、
前記強化繊維は、銅、鉄及びマンガンを含有する合金からなる合金繊維を含有してなることを特徴とするブレーキ摩擦材。 - 前記合金繊維は、銅を50〜80質量%、鉄を19〜45質量%、マンガンを1.0〜5.0質量%含有してなる銅基合金繊維であることを特徴とする請求項1記載のブレーキ摩擦材。
- ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、
前記合金繊維の含有率は10〜30質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のブレーキ摩擦材。
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