JP2009095925A - ショットブラスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの出し入れが短時間で迅速に行え、作業効率に優れるショットブラスト装置を提供する。
【解決手段】ショットブラスト装置のターンテーブルに設けられるハンガーツリー14は、支柱16の上端に、周面にV溝19を周設した円盤状のコマ18を有する一方、支柱16の下部に固着された連結プレート20の両端に、下方へ向けて一対の連結棒21,21を固着して、ターンテーブルの連結台13に対して挿脱可能に立設される。よって、多関節ロボットがコマ18を把持することで、投射室に対してハンガーツリー14ごと出し入れ可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ショットと称される粒状の投射材をダイカスト鋳造品等のワークに投射してバリの除去等を行うショットブラスト装置に関する。
ショットブラスト装置としては、例えば特許文献1に開示の如く、投射室内でワークを載置するテーブルと、ワークに向けて鉄粒等のショットをインペラ等によって投射する投射機構と、投射されたショットをホッパーで回収して投射機構に搬送してショットを循環させる搬送機構と、所定の粒径以下に粉砕されたショットを選別して排出する選別機構と、補充用のショットを搬送機構の循環流に合流させる補助搬送機構とを備えたものが知られている。
一方、投射室内でのワークの保持には、ハンガーツリーが用いられる場合がある。このハンガーツリーは、テーブル上に立設された支柱に、複数の枝状のフックを放射状に設けたもので、各フックにダイカスト鋳造品等のワークを係止することで、テーブル上にセット可能となっている。
特開平8−267361号公報
しかし、ハンガーツリーは、通常投射室内のテーブル上にボルト等によって固定されているため、ダイカスト鋳造品の製造工程においては、ワークを一つずつ人手やロボットによって出し入れする作業が必要となり、作業効率が悪くなっている。
そこで、本発明は、ワークの出し入れが短時間で迅速に行え、作業効率に優れるショットブラスト装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハンガーツリーを、投射室の底面へ挿脱可能に立設して、投射室に対してハンガーツリーごと出し入れ可能としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ショットブラスト装置を用いたラインの自動化を容易とするために、ハンガーツリーに、多関節ロボットが把持可能な把持部を設けたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、投射室に対してハンガーツリーごと出し入れ可能となるため、ワークの出し入れが短時間で迅速に行え、作業効率が良好となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ハンガーツリーに、多関節ロボットが把持可能な把持部を設けたことで、多関節ロボットを利用してハンガーツリーの出し入れが可能となり、ショットブラスト装置を用いたラインの自動化が容易となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ショットブラスト装置の説明図で、左が正面、右が側面、上が平面を夫々示す。ショットブラスト装置1は、キャビネット2の中央前方部に形成され、ワークをセット可能なターンテーブル4を底部に備えた投射室3と、その投射室3に鉄粒等のショットを投射するインペラ5,5と、投射室3で投射されたショットを回収してインペラ5,5へ供給するバケットエレベータ6と、投射室3で発生する粉塵を集塵する集塵機7とを有する。8はキャビネット2の側面に設けられた制御盤である。
ターンテーブル4は、下面側中心に設けた回転軸9が、キャビネット2の下方に設けたモータやスプロケット等の駆動機構10によって180°ごとに回転制御されるもので、その上面には、側板12,12の間隔が外周へ行くに従って徐々に広くなる平面視コ字状の一対の仕切板11,11が背中合わせに立設されて、各仕切板11の側板12,12の間で突設された連結台13上に、ワークを係止させるハンガーツリー14が夫々立設されている。また、投射室3の前面には、正面側に位置する仕切板11に合わせた形状を有し、仕切板11によって閉塞される開口15が形成されている。よって、仕切板11の一方が正面を向くターンテーブル4の回転位置では、当該仕切板11の側板12,12間に位置する一方のハンガーツリー14は、投射室3の前方で外部に、他方のハンガーツリー14は投射室3の内部に夫々位置し、ターンテーブル4の180°回転で互いの位置が入れ替わることになる。
このハンガーツリー14は、図2に示すように、中央の支柱16の上下位置に、放射方向へ突出する倒ト字状のフック17,17・・を、周方向へ等間隔で5本ずつ上下で位相をずらせて夫々連結したもので、支柱16の上端には、把持部として、周面にV溝19を周設した円盤状のコマ18が同軸で固着されている。一方、支柱16の下部には、連結プレート20が直交状に固着され、その連結プレート20の両端には、下方へ向けて一対の連結棒21,21が固着されて、支柱16の下端が連結台13に設けた差込孔22に、両連結棒21,21が、連結台13に設けた一対の連結孔23,23に夫々差し込み可能となっている。連結台13の内部には、各連結孔23に対して出没可能で、常態ではコイルバネ24によって連結孔23への突出位置へ付勢されるボール25が設けられている。よって、連結棒21,21の差し込み状態では、連結棒21の側面に凹設した凹部26にボール25が嵌合することで、連結棒21,21が抜け止め保持され、コイルバネ24によるボール25と凹部26との係止力を越える力で支柱16を上方へ引っ張ると、連結棒21,21を連結孔23,23から引き抜くことができる。
以上の如く構成されたショットブラスト装置1は、例えば図3に示すように、ダイカスト鋳造品の製造ラインにおいて、前工程となるダイカスト鋳造装置30の近傍に配置される。31は、ダイカスト鋳造装置30とショットブラスト装置1との間に設けられる多関節ロボットで、この多関節ロボット31は、水平旋回可能なベース32に、第1、第2アーム33,34を夫々水平軸を中心に回転可能に設けた周知の構成を有し、第2アーム34の先端に、軸線回りで回転可能なハンド部35を連結している。ベース32及びアーム33,34は、夫々図示しないサーボモータの駆動によって動作し、ハンド部35は、エアを駆動源としたアクチュエータによって開閉動作する構成となっており、サーボモータやアクチュエータは、所定のプログラムを記憶させたコントローラによって夫々制御される。
よって、ダイカスト鋳造装置30でワークとなる鋳造品が得られると、多関節ロボット31がこれを取り出し、そのままショットブラスト装置1の投射室3前方で露出するハンガーツリー14のフック17に係止する。この動作を繰り返して全てのフック17に鋳造品が係止されると、ターンテーブル4が180°回転して、鋳造品が係止されたハンガーツリー14が投射室3内に移動する一方、鋳造品が未係止のハンガーツリー(以下「空のハンガーツリー」という。)14が投射室3前方に移動する。多関節ロボット31は、当該空のハンガーツリー14に対して同様に鋳造品の係止を行うことになる。
この間投射室3では、ハンガーツリー14の鋳造品に対してインペラ5,5からショットが投射され、鋳造品のバリ取りや模様付け等の加工が行われる。投射されたショットは、投射室3の下方から回収されてバケットエレベータ6で再びインペラ5,5へ供給されて循環使用される。また、投射の際に投射室3で発生する粉塵は集塵機7によって集塵される。
加工が終了すると、再びターンテーブル4が180°回転して、加工済みの鋳造品を係止したハンガーツリー14が投射室3前方へ移動すると共に、未加工の鋳造品を係止したハンガーツリー14が投射室3内に移動する。よって、再び投射室3で加工が行われる。
一方、加工済みの鋳造品は、多関節ロボット31がハンガーツリー14の上端のコマ18を把持してそのまま上方へ引き抜き、ハンガーツリー14ごとターンテーブル4から取り外して、取出台36上へ搬送する。取出台36上には、ターンテーブル4と同様に差込孔22及び連結孔23,23が設けられているため、ここにハンガーツリー14の支柱16の下端及び連結棒21,21を差し込めば、取出台36上でハンガーツリー14が立設され、各フック17から鋳造品を取り出すことができる。この取り出しは人手で行ってもよいし多関節ロボットで行ってもよい。
鋳造品の取り出しが終わると、多関節ロボット31が取出台36上から空のハンガーツリー14を引き抜いて再びショットブラスト装置1側へ搬送し、投射室3前方でターンテーブル4の連結台13に支柱16の下端及び連結棒21,21を差し込んでターンテーブル4と連結させる。よって、当該空のハンガーツリー14に再びダイカスト鋳造装置30からの鋳造品を係止可能となる。なお、この場合、空のハンガーツリー14をもう一つ用意して、加工済みの鋳造品を係止したハンガーツリー14を取出台36上に搬送した後、当該空のハンガーツリー14をターンテーブル4の連結台13に連結させるようにすれば、取出台36上での鋳造品の取り出しとショットブラスト装置1での空のハンガーツリー14への鋳造品の係止とが平行して行える。
このように、上記形態のショットブラスト装置1によれば、ハンガーツリー14を、投射室3の底面へ挿脱可能に立設して、投射室3に対してハンガーツリー14ごと出し入れ可能としたことで、加工済みの鋳造品をハンガーツリー14ごと取り出すことができるため、加工済みの鋳造品の取り出しが短時間で迅速に行え、作業効率が良好となる。
特にここでは、ハンガーツリー14に、多関節ロボット31が把持可能なコマ18を設けたことで、多関節ロボット31を利用してハンガーツリー14の出し入れが可能となり、ショットブラスト装置1を用いたラインの自動化が容易となる。
なお、ターンテーブルに対するハンガーツリーの挿脱構造は上記形態に限らず、逆にハンガーツリーの連結棒内に、出没可能且つ常態で突出状態へ付勢されるボールを収容して、ターンテーブルの連結孔内にボールが嵌合する凹部を設けたり、ターンテーブル内に、ハンガーツリーの差し込みを検知すると突出し、ハンガーツリーの連結棒に形成した孔や溝に係止するロッドを設けたり等、ハンガーツリーの固定と引き抜きとが可能であれば、適宜変更可能である。勿論一対の連結棒と連結孔とを利用した構造に限定せず、これらを省略して支柱と差込孔との間に挿脱構造を採用することもできる。
また、ハンガーツリー自体の構造も、フックの数や形状は適宜変更可能であるし、把持部も、コマに代えて支柱に直接周設した溝として、多関節ロボットが直接チャック可能としてもよい。
その他、ショットブラスト装置において、例えばショットの投射方式としてインペラに代えて、圧縮空気を用いたノズル等の他の方式を採用する等、上記形態に限定されない。
また、上記形態では、多関節ロボットがショットブラスト装置のターンテーブル上のハンガーツリーへ直接鋳造品を係止させるようにしているが、ラインのレイアウトによっては、ダイカスト鋳造装置とショットブラスト装置との間に取出台と同じ中間台を配設し、この中間台に立設させたハンガーツリーに未加工の鋳造品を多関節ロボットで係止した後、同じ又は別の多関節ロボットでハンガーツリーごとショットブラスト装置のターンテーブル上に搬送して差し込むようにすることもできる。
ショットブラスト装置の説明図で、左が正面、右が側面、上が平面を夫々示す。 ハンガーツリーの説明図である。 ショットブラスト装置をダイカスト鋳造ラインに用いた例を示す説明図である。
符号の説明
1・・ショットブラスト装置、2・・キャビネット、3・・投射室、4・・ターンテーブル、5・・インペラ、8・・制御盤、11・・仕切板、13・・連結台、14・・ハンガーツリー、16・・支柱、17・・フック、18・・コマ、19・・V溝、20・・連結プレート、21・・連結棒、22・・差込孔、23・・連結孔、25・・ボール、30・・ダイカスト鋳造装置、31・・多関節ロボット、35・・ハンド部、36・・取出台。

Claims (2)

  1. ショットを投射する投射室内に、ワークを係止するハンガーツリーを立設したショットブラスト装置であって、
    前記ハンガーツリーを、前記投射室の底面へ挿脱可能に立設して、前記投射室に対して前記ハンガーツリーごと出し入れ可能としたことを特徴とするショットブラスト装置。
  2. 前記ハンガーツリーに、多関節ロボットが把持可能な把持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のショットブラスト装置。
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