JP2009092647A - 陰イオン濃度測定装置及び陰イオン濃度測定素子 - Google Patents

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康久 柴田
Masafumi Miyake
雅文 三宅
Kuniaki Nagamine
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Abstract

【課題】生体成分中の陰イオン、特に塩素イオンを測定するイオン濃度測定装置において、イオン選択性電極の構造及び作製法を簡便化する。
【解決手段】金電極1110表面に自己組織化膜を形成する絶縁性分子をリンカーと結合した陰イオン用リガンドである第4級アンンモニウム塩誘導体1109を固定化し、陰イオンの結合に伴い生じる起電力を金電極表面の界面電位変化として電位差計測装置1104で測定する。生体成分測定時の夾雑物の電極表面への吸着による影響を低減のために、高分子ポリマーを金電極上に物理吸着させて使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体成分中の陰イオン、特に塩素イオンを測定するイオン濃度測定装置に関する。
医療分野における生体成分、特に血清や血漿中の電解質(ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン等)の濃度を分析する方法としては、イオン選択性電極法が広く利用されている。イオン選択性電極法は、イオン選択性電極を参照電極と共に試料液に浸すだけで、試料中のイオン濃度を定量できるため、小型化及び自動化が可能な利点を活かして生化学自動分析装置に採用されている。
上記イオン選択性電極のうち、塩素イオン選択性電極には、難溶性の塩化物を用いた固体電極と、イオン交換型のリガンドを添加した液膜型電極とがある。従来の液膜型塩素イオン選択性電極は、リガンドとして第4級アンモニウム塩、例えば、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリデシルメチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムクロライドを用いて、エポキシ樹脂と塩化ビニルとからなるプラスチック膜にリガンドである第4級アンモニウム塩と可塑剤(例えば、ジアルキルアジペートやジアルキルフタレート)とを添加していた。また、物理的強度の向上と塩素イオンに対する選択性を高めるために、リガンドであるトリ長鎖アルキルアンモニウム基を側鎖に有するスチレンモリマーと親水基を側鎖に有するポリマーとの共重合体からなる塩素イオン選択性電極が開発されている(特開2004-184365号公報)。一方、物理的強度の向上とリガンドの溶出による劣化を防止するために、リガンドである第4級アンモニウム塩を固定化した多孔質ガラスを感応膜とする化学修飾ガラス膜イオン選択性電極も開発されている(特開昭61-170645号公報)。
上記したイオン選択性電極の構造及び作製法を簡便化し、将来の分析装置の小型化に対応するために、リガンドを金電極表面に固定化したイオン選択性電極が提案されている。しかし、いずれの場合も電位計測はできず、インピーダンス測定により所望のイオン濃度を得ていた。ナトリウムイオン選択性電極の例として、ニュートラルキャリヤー型リガンドとしてメルカプトクラウンエーテル化合物を金電極上に固定化した報告がある(J.Am. Chem. Soc., 120 (1998) 4652-4657)。また、リチウムイオン選択性電極の例としては、同様にニュートラルキャリヤー型リガンドをチオールと金の結合を利用して金電極表面に固定化したものがある(Anal. Chem., 78 (2006) 7132-7137、及びWO2006/113440)。一方、陰イオン選択性電極としては、フッ素イオン用リガンド(Tetra-amide Calix[6]arene誘導体)をチオールと金の結合を利用して金電極表面に固定化したものがある(Langmuir, 2006, 22, 10732-10738)。
特開昭61-170645号公報 特開2004-184365号公報 WO2006/113440 J.Am. Chem. Soc., 120 (1998) 4652-4657 Anal. Chem., 78 (2006) 7132-7137 Langmuir 22 (2006) 10732-10738
上記のリガンドを金電極表面に固定化したイオン選択性電極では、金電極表面の絶縁性やリガンドの周囲の環境についての考慮がなされておらず、電位測定ができなかった。そのため、インピーダンス測定を用いて、所望のイオン濃度を得ていた。従来のリガンド固定化イオン選択性電極では、リガンドを固定化した金電極表面と測定溶液と間の絶縁性に関する考慮がなされておらず、実際の測定では固定化したリガンド間の隙間からのリーク電流の影響を受け、界面電位が安定に測定できなかったためである。インピーダンス測定法は、金や白金製の作用電極と対向電極、及び作用電極の電位を一定に保つための参照電極を溶液中に配置し、電流測定装置であるポテンショスタットを用いて、作用電極と対向電極間に印加した電圧に対する周波数応答性を電流値で測定する。その際、測定溶液中に電気化学活性物質である酸化還元物質を入れる必要がある。そのため、参照電極と共に試料液に浸すだけで試料中のイオン濃度を定量できる、従来のイオン選択性電極法の利点が活かせなくなっていた。また、インピーダンス測定法は電流測定法であるため、原理的に測定濃度範囲が狭い問題があった。
本発明の目的は、参照電極と共に試料液に浸すだけで試料中のイオン濃度を定量できる、従来の液膜型イオン選択性電極法の利点及び測定濃度範囲等の基本性能を維持し、イオン選択性電極の構造及び作製法を簡便化したイオン濃度測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では金電極表面に自己組織化膜を形成する絶縁性分子(例えば、アルカンチオール)をリンカーとして陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体を固定化して、陰イオンの配位に伴い生じる起電力を金電極表面の界面電位変化として測定する。その際、第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基が自己組織化膜の間隔より大きく、固定化されたリガンド分子間に隙間がある場合には、リンカーより短い炭素鎖を有し、一方の末端が親水性であるアルカンチオール、例えば末端の親水基がアミノ基又は水酸基であるアルカンチオールを第4級アンモニウム塩誘導体と共存させて固定化する。リンカーの炭素数は、自己組織化膜を効率良く形成させるために6個以上20個以下が望ましい。また、第4級アンモニウム塩の他の3つの側鎖のアルキル鎖の炭素数は、自己組織化膜形成を妨げないようにリンカーの炭素数より少ないのが望ましい。さらに、電位差測定装置として、金電極と同一基板上に形成された絶縁ゲート電界効果トランジスタを用いる。その際、参照電極に1KHz以上の交流電圧を重畳して測定を行う。また、生体成分測定時の夾雑物の電極表面への吸着による影響低減のために、高分子ポリマーを金電極上に物理吸着させて使用する。
本発明によると、金電極の表面に絶縁性分子を介して陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体を固定化することにより、金電極と溶液間の絶縁性を向上させることができる。この絶縁性の向上によりリガンド間の隙間のリーク電流を抑制し、陰イオンの配位により生じる起電力を金電極表面の界面電位変化として安定に測定することができる。第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基が自己組織化膜の間隔より大きい場合には、リンカーより短い炭素鎖を有し、一方の末端が親水性であるアルカンチオールを第4級アンモニウム塩誘導体と共存させて固定化することにより、固定化されたリガンド分子間の隙間を無くし、金電極と溶液間の絶縁性を維持することができる。その際、一方の末端が親水性であるアルカンチオールとして、末端がアミノ基であるアルカンチオールを用いることにより、応答速度を早くする効果がある。さらに、電位差測定装置として、金電極と同一基板上に形成された絶縁ゲート電界効果トランジスタを用いることで、リーク電流を低減することができ、金電極表面の界面電位を安定に測定することができる。その際、参照電極に1KHz以上の交流電圧を重畳することで、金電極表面の界面電位を安定化でき、測定精度が向上する。また、生体成分測定時の夾雑物の電極表面への吸着によるノイズやドリフトは、高分子ポリマーを金電極上に物理吸着させて使用することにより、低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図である。本実施例の測定装置は、測定部101、信号処理回路102、及びデータ処理装置103から構成される。測定部101は、電位差計測装置104、参照電極105、測定物質を有する試料溶液を供給する試料溶液注入器106、測定セル107を備えている。測定セル107内の測定溶液108中には、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体109と末端にアミノ基を有するアルカンチオール110が固定化された金電極111、参照電極105が配置されている。金電極へのリガンドの固定化法の一例を図2に示す。図2(a)は、リガンドのみを固定化した場合、図2(b)はリガンドと末端にアミノ基を有するアルカンチオールを共存させて固体化した例を示している。塩素イオン用リガンドはN,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Trimethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)、末端がアミノ基のアルカンチオールは8−アミノ−1−オクタンチオールである。尚、塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基の炭素鎖は、測定条件に応じて変更することができる。その際、リガンドの金電極への固定化の際の自己組織化を妨げないように、第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基の炭素数は、リンカーの炭素数より少ない方が望ましい。また、その際共存させるアルカンチオールの炭素鎖の長さは、第4級アンモニウム塩誘導体のリンカーの炭素鎖の長さ以下であれば問題ない。例えば、第4級アンモニウム塩誘導体のリンカーの炭素鎖の長さが10の場合には、末端がアミノ基である、6−アミノ−1−ヘキサンチオール、8−アミノ−1−オクタンチオール、11−アミノ−1−ウンデカンチオールや、末端が水酸基である6−ヒドロキシ−1−ヘキサンチオール、8−ヒドロキシ−1−オクタンチオール、11−ヒドロキシ−1−ウンデカンチオールを用いることもできる。
測定手順は以下の通りである。最初、測定セル107内の測定溶液108中に試料溶液注入器106を用いて試料溶液を注入する。試料溶液中の測定対象である塩素イオンは、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム誘導体109とイオン交換作用により結合し、金電極111上の界面電位が変化する。電位測定は、試料溶液注入器106による試料溶液注入前後で変化する金電極111の界面電位を電位差計測装置104によりリアルタイムで計測し、信号処理回路102及びデータ処理装置103で記録することで行う。金電極111上の界面電位変化は、測定対象である塩素イオンの濃度に依存する。そのため、予め標準溶液を測定して作成した検量線を元に、測定した電位変化値から未知濃度の試料の塩素イオン濃度を得ることができる。
試料溶液注入器106は、シリンジポンプ又は加圧式送液装置を使用することができる。また、金電極111に代えて、銀等の他の貴金属やカーボンからなる電極を用いてもよい。また、生体成分測定時の夾雑物の電極表面への吸着による影響を低減するために、高分子ポリマーを金電極上に物理吸着させて使用しても良い。高分子ポリマーとしては、メチルセルロース、アクリルアミド、デキストラン、ポリエチレングリコール等を使用すれば良い。
参照電極105は、測定溶液108中の金電極111の表面で起こる平衡反応あるいは化学反応に基づく電位変化を安定に測定するために、基準となる電位を与える。通常は参照電極としては、飽和塩化カリウムを内部溶液に使用している銀・塩化銀電極、あるいは甘こう(カロメル)電極が用いられるが、測定する試料溶液の組成が一定の場合には、疑似電極として銀・塩化銀電極のみを使用しても問題はない。
図3は、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor: FET)センサを用いた本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図である。本実施例の測定装置は、測定部301、信号処理回路302、及びデータ処理装置303から構成される。測定部301は、絶縁ゲート電界効果トランジスタ304、参照電極305、参照電極305に電圧を印加する電源306、測定物質を有する試料溶液を供給する試料溶液注入器307、測定セル308を備えている。絶縁ゲート電界効果トランジスタ304は、ソース309、ドレイン310、ゲートと電気的に接続された金電極311を備えている。金電極311上には、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体312と末端にアミノ基を有するアルカンチオール313が固定化されている。測定セル308内の測定溶液314中には、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム誘導体312とアルカンチオール313を固定化された金電極311、参照電極305が配置されている。
測定手順は以下の通りである。最初、測定セル308内の測定溶液314中に試料溶液注入器307を用いて試料溶液を注入する。試料溶液中の測定対象である塩素イオンは、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム誘導体312とイオン交換作用により結合し、金電極311上の界面電位が変化する。電位測定は、試料溶液注入器307による試料溶液注入前後で変化する絶縁ゲート電界効果トランジスタ304内のソース309、ドレイン310間の電流をリアルタイムでモニターし、信号処理回路302、及びデータ処理装置303で記録することで行う。金電極311上の界面電位変化は、測定対象である塩素イオンの濃度に依存する。そのため、予め標準溶液を測定して作成した検量線を元に、測定した電位変化値から未知濃度の試料の塩素イオン濃度を得ることができる。測定外部変動による影響を低減するために、電源306は、好ましくは交流成分を含む電源である。その際、直流成分に1KHz以上の交流電圧を重畳することで、金電極311の表面電位の安定化が期待できる。
試料溶液注入器307は、シリンジポンプ又は加圧式送液装置を使用することができる。金電極311は、銀等の他の貴金属やカーボンからなる電極を用いてもよい。また、生体成分測定時の夾雑物の電極表面への吸着による影響を低減するために、高分子ポリマーを金電極上に物理吸着させて使用しても良い。高分子ポリマーとしては、メチルセルロース、アクリルアミド、デキストラン、ポリエチレングリコール等を使用すれば問題ない。
参照電極305は、測定溶液314中の金電極311の表面で起こる平衡反応あるいは化学反応に基づく電位変化を安定に測定するために、基準となる電位を与える。通常は参照電極としては、飽和塩化カリウムを内部溶液に使用している銀・塩化銀電極、あるいは甘こう(カロメル)電極が用いられるが、測定する試料溶液の組成が一定の場合には、疑似電極として銀・塩化銀電極のみを使用しても問題はない。
図4は、FETセンサを用い、本発明のイオン濃度測定装置に使用する分析素子の構造の一例を示す図である。図4(a)、(b)は、各々断面構造及び平面構造を表わしている。絶縁ゲート電界効果トランジスタ401は、シリコン基板の表面にソース402、ドレイン403、及びゲート絶縁物404を形成し、金電極405を設けてある。金電極405と絶縁ゲート電界効果トランジスタのゲート406を導電性配線407で接続してある。好ましくは、絶縁ゲート電界効果トランジスタは、シリコン酸化物を絶縁膜として用いる金属酸化物半導体(Metal-oxide semiconductor)電界効果トランジスタ(FET)であるが、薄膜トランジスタ(TFT)を用いても問題はない。本構造を採用することにより、金電極405を任意の場所に、かつ任意の大きさに形成でき、測定対象の試料溶液量に応じて測定セルの容積を変更することができる。
本発明で使用する絶縁ゲート電界効果トランジスタは、SiO2(厚さ;17.5nm)を用いた絶縁層を有するデプレション型FETであり、金電極を400μm×400μmの大きさで作製してある。通常の測定は、水溶液を使用するため、本素子は溶液中で動作しなければならない。溶液中で測定する場合には、電気化学反応を起こし難い−0.5〜0.5Vの電極電位範囲で動作することが必要である。そのため、本実施例ではデプレション型nチャネルFETの作製条件、すなわち閾値電圧(Vt)調整用イオン打ち込み条件を調整し、FETの閾値電圧を−0.5V付近に設定してある。なお、金電極に代えて、銀等の他の貴金属からなる電極を用いてもよい。同一基板上に2つ以上のFETセンサを有する素子は、図4のFETセンサを同一基板上に複数形成することにより作製する。その際に問題となるFETセンサ間のクロストークは、SOI(Silicon on Insulator)構造とすることで低減できる。
次に、絶縁性分子であるリンカーを介して陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム誘導体を金電極表面に固定する際に、末端に親水性、特にアミノ基を有するアルカンチオールを第4級アンモニウム誘導体と共存させて固定化することの効果について、説明する。
金電極表面へのリガンドの固定化は、以下の手順で行った。最初、固定化に使用する金電極を1N硝酸、純水、エタノールの順番で洗浄し、金電極表面を窒素パージした。次に、リガンドとアルカンチオールの混合溶液(各々の濃度;0.5mM、溶媒;エタノール)に1時間浸漬した。固定化終了後、300mM塩化ナトリウム溶液中で10分間、95℃で加熱処理した。その後エタノール及び純水で洗浄し、使用するまで300mM塩化ナトリウム水溶液中で保存した。
陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体と共存させて金電極表面に固定するアルカンチオールの末端残基及び炭素鎖の長さの塩素イオンに対する応答速度に及ぼす影響について、以下に説明する。
本実施例では、塩素イオン用のリガンドとして1−デカンチオールをリンカーとした第4級アンモニウム塩誘導体の一例であるN,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Trimethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を、末端がメチル基であるアルカンチオールとして、疎水性アルカンチオールである1−オクタンチオール(1-OT)、1−ウンデカンチオール(1-UDT)、1−テトラデカンチオール(1-TDT)、1−オクタデカンチオール(1-ODT)を、末端が水酸基であるアルカンチオールとして、6−ヒドロキシ−1−ヘキサンチオール(6-HHT)、8−ヒドロキシ−1−オクタンチオール(8-HOT)、11−ヒドロキシ−1−ウンデカンチオール(11-UUT)、親水性のエチレングリコールを有して炭素鎖が18個に相当するトリエチレングリコール−モノ−11−メルカプトデシルエーテル(Triethyleneglycol-mono -11-mercaptodecylether ;TGM)を、末端がアミノ基であるアルカンチオールとして6−アミノ−1−ヘキサンチオール(6-AHT)、8−アミノ−1−オクタンチオール(8-AOT)、11−アミノ−1−ウンデカンチオール(11-AUT)を使用した。塩素イオンに対する応答速度は、イオン濃度に対する電位応答が90%変化するまでの時間として測定した。
図5(a)は、リガンドと末端にメチル基を有するアルカンチオールをリガンドと1:1で共存させた場合の炭素鎖の長さの塩素イオンに対する応答速度に及ぼす影響を示している。図5(a)の横軸は、A:リガンドのみ固定化した金電極、B:リガンドと1-OTを固定化した金電極、C:リガンドと1-UDTを固定化した金電極、D:リガンドと1-TDTを固定化した金電極、E:リガンドと1-ODTを固定化した金電極を表している。図5(a)に示すように、各種炭素鎖長さが違うアルカンチオールを共存させて固定化した塩素イオン電極の応答速度は、共存するアルカンチオールの炭素鎖の長さが長くなると遅くなった。これは、単純にリガンド間の隙間をアルカンチオールが埋めてリガンド間の隙間へのイオン進入を妨害することによる応答性の改善効果より、リガンドの周辺の疎水性が増大することによる応答性が遅くなる悪影響の方が大きいことを示している。すなわち、リガンド周辺の疎水性が増大することにより、塩素イオンがリガンドへ近づき難くなることを示している。
図5(b)は、リガンドと末端に水酸基を有するアルカンチオールをリガンドと1:1で共存させた場合の炭素鎖の長さの塩素イオンに対する応答速度に及ぼす影響を示している。図5(b)の横軸は、A:リガンドのみ固定化した金電極、B:リガンドと6-HHTを固定化した金電極、C:リガンドと8-HOTを固定化した金電極、D:リガンドと11-HUTを固定化した金電極、E:リガンドとTGMを固定化した金電極を表している。図5(b)に示すように、各種炭素鎖長さが違う末端に水酸基を有するアルカンチオールを共存させて固定化した塩素イオン電極の応答速度は、リガンドのみを固定した場合と同程度であった。また、親水性のエチレングリコールを有して炭素鎖が18個に相当するTGMを共存させた場合には、同じ炭素鎖の長さを有する疎水性アルカンチオールである1-ODTと同程度の応答速度を示し遅くなった。これは、親水性の効果よりも立体障害の効果が大きいことを示している。このように、アルカンチオールの炭素鎖の長さが長くなりすぎると、リガンド周辺の立体障害で塩素イオンが近づき難くなり、応答速度が遅くなると考えられる。
図5(c)は、リガンドと末端にアミノ基を有するアルカンチオールをリガンドと1:1で共存させた場合の炭素鎖の長さの塩素イオンに対する応答速度に及ぼす影響を示している。図5(c)の横軸は、A:リガンドのみ固定化した金電極、B:リガンドと6-AHTを固定化した金電極、C:リガンドと8-AOTを固定化した金電極、D:リガンドと11-AUTを固定化した金電極を表している。図5(c)に示すように、炭素鎖の長さが違うアルカンチオールを共存させて固定化した塩素イオン電極の応答感度は、リガンドのみを固定化した金電極に比べて、共存するアルカンチオールの炭素鎖の長さが長くなると速くなった。これは、リガンド間の隙間をアルカンチオールが埋めて、イオンが進入するのを妨害しているためと考えられる。
図5(a)〜(c)が示すように、リガンドと共存するアルカンチオールに親水基、特にアミノ基を導入することにより、塩素イオンに対する応答速度が改善する。すなわち、塩素イオン用リガンドと共存させるアルカンチオールは親水性で、かつ炭素鎖の長さがリガンドより短い方が良い。特に、共存するリガンドの長さ以下で、かつアミノ基を有するアルカンチオールが望ましい。
絶縁性分子であるリンカーを介して陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム誘導体と末端がアミノ基であるアルカンチオールを共存させて金電極表面に固定した本発明によるイオン電極を用いて、塩素イオンに対する電位応答の測定した結果を以下に説明する。
本実施例では、塩素イオン用のリガンドとして1−デカンチオールをリンカーとした第4級アンモニウム塩誘導体の一例であるN,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Trimethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を、末端がアミノ基であるアルカンチオールとして、11−アミノ−1−ウンデカンチオール(11-AUT)を使用した。塩素イオンに対する電位応答は、塩化ナトリウム水溶液を用いて測定を行い、濃度範囲4.5mM〜300mMでのスロープ感度を比較した(図6)。尚、電位測定値は浸漬後5分後の値である。図6の横軸は塩素イオン濃度を活量で表わしてある。縦軸は塩素イオンに応じて生じた起電力を示している。その結果、塩素イオンに対する電位応答は、ネルンストの式に従い、スロープ感度は約60mVであった。
図7は、FETセンサと参照電極を同一平面状に形成した本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図である。本実施例の測定装置は、測定部701、信号処理回路702、及びデータ処理装置703から構成される。測定部701は、絶縁ゲート電界効果トランジスタ704、擬似参照電極705、測定物質を有する試料溶液を供給する試料溶液注入器706、測定セル707を備えている。絶縁ゲート電界効果トランジスタ704は、ソース708、ドレイン709、ゲートと電気的に接続された金電極710を備えている。また、金電極710と同一平面に疑似参照電極705を設けてある。疑似参照電極705は導電性配線を介して、外部と接続されている。疑似参照電極としては、銀/塩化銀、金、白金等を用いることが出来る。本実施例では、金電極710上に、塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体711と末端にアミノ基を有するアルカンチオール712が固定化されている。測定セル707内の測定溶液713中には、塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体711と末端にアミノ基を有するアルカンチオール712が固定化された金電極710、擬似参照電極705が配置されている。擬似参照電極705には、直流成分に1kHz以上の交流電圧を重畳して印加する。
図8は、塩素イオン選択性電極のリガンドとして使用する第4級アンモニウム塩の側鎖の長さが塩素イオン濃度に対する応答時間に及ぼす影響を示している。本実施例では、第4級アンモニウム塩の一例として、図9(a)、(b)、(c)に示す、側鎖がメチル基であるN,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Trimethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)、側鎖がエチル基であるN,N,N-トリエチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Triethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)、側鎖がプロピル基であるN,N,N-トリプロピル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Tripropyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を使用した。本実施例では、リガンドである第4級アンモニウム塩の側鎖の影響を、リガンドのみを固定化した場合に加えて、リガンドと親水性のアルカンチオールを共存させた場合も併せて示し、比較してある。図中のTMA、TEA、TPA、11−HUT、11−AUTは、各々、N,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド、N,N,N-トリエチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド、プロピル基であるN,N,N-トリプロピル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド、11−ヒドロキシ−1−ウンデカンチオール、11−アミノ−1−ウンデカンチオールを表わしている。
その結果、リガンドのみを固定した場合と、リガンドと親水性のアルカンチオールを共存させた場合共に、第4級アンモニウム塩の側鎖の炭素鎖が長くなると、非常に応答時間が短くなった。本実施例では、リガンドのみを固定した場合には、側鎖がメチル基の場合には88秒、エチル基の場合には14秒、プロピル基の場合には6秒であった。また、側鎖がメチル基の場合には、図8(c)に示すように、リガンドとアミノ基を有するアルカンチオールを共存させる方が、リガンドのみの場合に比べて応答時間が速くなっていたが、第4級アンモニウム塩の側鎖が長くなるにつれてその効果が小さくなり、側鎖がプロピル基の場合には、リガンドのみを固定化した場合が最も応答時間が短くなった。
このように、第4級アンモニウム塩の側鎖を長くすることにより、他の親水性のアルカンチオールを必要とせず、単純な組成で金電極に固定化することができる。その際、第4級アンモニウム塩の金電極への固定化の際の自己組織化を妨げないように、第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基の炭素数は、リンカーの炭素数より少ない方が望ましい。例えば、本実施例の場合にはリンカーの炭素鎖の長さが炭素10個であるので、側鎖の炭素数は10個以下が望ましい。尚、塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体のリンカーの炭素鎖は、測定条件に応じて変更することができるが、化学合成法や合成後の精製法及び金電極への固定化法を考慮すると、炭素数は20個以下が望ましい。
図10は、リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖の長さと塩素イオン濃度に対する電位応答の関係を示している。本実施例では、第4級アンモニウム塩の一例として、図9(a)、(b)、(c)に示すものを使用した。図10(a)は側鎖がメチル基であるN,N,N-トリメチル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライド(N,N,N-Trimethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を使用した場合、図10(b)は側鎖がエチル基である(N,N,N-Triethyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を使用した場合、図10(c)は側鎖がプロピル基である(N,N,N-Tripropyl(10-mercaptodecyl)ammonium chloride)を使用した場合をそれぞれ示している。ナトリウムイオンイオン濃度に対する電位応答は、塩化ナトリウム水溶液を用いて測定を行い、濃度範囲0.001mM〜1000mMでのリガンド固定化電極表面の起電力を比較した。
図10の横軸は、塩素イオン濃度を活量で表わしてある。縦軸は、塩素イオンに応じて生じた起電力を示している。第4級アンモニウム塩の側鎖の長さが長くなると、低濃度まで塩素イオン濃度に対する電位応答を示した。本実施例では、側鎖がメチル基の場合には10〜1000mM、側鎖がエチル基の場合には1〜1000mM、プロピル基の場合には0.1〜1000mMの濃度範囲で直線性を維持できる。すなわち、第4級アンモニウム塩の側鎖は長いほど、応答時間が短くなるばかりでなく、直線的な応答を示す範囲(測定レンジ)が広くなることを示している。
図11は、本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図である。本実施例の測定装置は、測定部1101、信号処理回路1102、及びデータ処理装置1103から構成される。測定部1101は、電位差計測装置1104、参照電極1105、測定物質を有する試料溶液を供給する試料溶液注入器1106、測定セル1107を備えている。測定セル1107内の測定溶液1108中には、陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体1109が固定化された金電極1110、参照電極1105が配置されている。本実施例では、塩素イオン用リガンドとしてはN,N,N-トリプロピル(10-メルカプトデシル)アンモニウムクロライドを使用しているため、親水性のアルカンチオオールを共存して固定しなくても、速い応答速度を得ることができる。尚、塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基の炭素鎖は、測定条件に応じて変更することができる。その際、リガンドの金電極への固定化の際の自己組織化を妨げないように、第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖のアルキル基の炭素数は、リンカーの炭素数より少ない方が望ましい。例えば、本実施例の場合には、リンカーの炭素鎖の長さが炭素10個であるので、側鎖の炭素数は10個以下が望ましい。
本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図。 金電極へ塩素イオン用リガンドを固定化した例を示す図であり、(a)は塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体のみを固定化した例を示す図、(b)は塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体と、末端にアミノ基を有するアルカンチオールを共存して固定化した例を示す図。 FETセンサを用いた本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図。 本発明のイオン濃度測定装置に使用するFETセンサを用いた分析素子の構造例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図。 リガンドと共存させるアルカンチオールの末端残基及び炭素鎖の長さの塩素イオン濃度に対する応答速度に及ぼす影響を示す図であり、(a)は末端にメチル基を有する疎水性アルカンチオールを共存させた場合の図、(b)は末端に水酸基を有する親水性アルカンチオールを共存させた場合の図、(c)は末端にアミノ基を有する親水性アルカンチオールを共存させた場合の図。 リガンドとして第4級アンモニウム塩誘導体と末端にアミノ基を有するアルカンチオールを共存させたイオン電極を用いて塩素イオン濃度を測定した結果を示す図。 FETセンサと参照電極を同一平面状に形成した本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図。 塩素イオン選択性電極のリガンドとして使用する第4級アンモニウム塩の側鎖の長さが塩素イオン濃度に対する応答時間に及ぼす影響を示す図。 塩素イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩の一例を示す図。 塩素イオン選択性電極のリガンドである第4級アンモニウム塩誘導体の側鎖の長さと塩素イオン濃度に対する電位応答を示す図。 本発明によるイオン濃度測定装置の一例を示すブロック図。
符号の説明
101,301,701,1101…測定部、102,302,702,1102…信号処理回路、103,303,703,1103…データ処理装置、104,1104…電位差計測装置、105,305,1105…参照電極、106,307,706,1106…測定物質を有する試料溶液を供給する試料溶液注入器、107,308,707,1107…測定セル、108,314,713,1108…測定溶液、109,312,711,1109…陰イオン用リガンドである第4級アンモニウム塩誘導体、110,313,712…末端にアミノ基を有するアルカンチオール、111,311,405,710,1110…金電極、304,401,704…絶縁ゲート電界効果トランジスタ、306…電源,309,402,708…ソース、310,403,709…ドレイン、404…ゲート絶縁物、406…絶縁ゲート電界効果トランジスタのゲート、407…導電性配線、705…擬似参照電極。

Claims (20)

  1. 測定対象物質を含む測定溶液が導入される容器と、
    前記容器中の測定溶液と接触するイオン選択性電極と、
    前記容器中の測定溶液と接触する参照電極と、
    前記イオン選択性電極の界面電位を測定する手段とを備える陰イオン濃度測定装置において、
    前記イオン選択性電極に第4級アンモニウム塩が固定化され、前記第4級アンモニウム塩の1つの側鎖は前記イオン選択性電極に固定化されたアルカンチオール基であり、他の3つの側鎖はアルキル鎖であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  2. 請求項1記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩の前記他の3つの側鎖のアルキル鎖の炭素数が1以上20以下であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  3. 請求項1記載の陰イオン濃度測定装置において、前記イオン選択性電極には、前記第4級アンモニウム塩の他に一方の末端が親水性であるアルカンチオールが共存して固定化されていることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  4. 請求項3記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの末端の親水基がアミノ基又は水酸基であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  5. 請求項3記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの炭素鎖の長さが前記第4級アンモニウム塩の一つの側鎖であるアルカンチオールの炭素鎖より短いことを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  6. 測定対象物質を含む測定溶液が導入される容器と、
    電界効果トランジスタと、
    前記電界効果トランジスタのゲートと配線で接続され、前記容器中の測定溶液と接触するイオン選択性電極と、
    前記容器中の測定溶液と接触する参照電極と、
    前記電極と前記参照電極との間に電圧を印加する電源と、
    前記電界効果トランジスタの出力を検出する検出部とを備え、
    前記イオン選択性電極に第4級アンモニウム塩が固定化され、前記第4級アンモニウム塩の1つの側鎖は前記イオン選択性電極に固定化されたアルカンチオール基であり、他の3つの側鎖はアルキル鎖であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  7. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩の前記他の3つの側鎖のアルキル鎖の炭素数が1以上20以下であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  8. 請求項7記載の陰イオン濃度測定装置において、前記イオン選択性電極には、前記第4級アンモニウム塩の他に一方の末端が親水性であるアルカンチオールが共存して固定化されていることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  9. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの末端の親水基がアミノ基又は水酸基であることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  10. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの炭素鎖の長さが前記第4級アンモニウム塩の一つの側鎖であるアルカンチオールの炭素鎖より短いことを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  11. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記電源は交流電圧を印加することを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  12. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記電源で1kHz以上の周波数の交流電圧を印加することを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  13. 請求項6記載の陰イオン濃度測定装置において、前記参照電極は前記電界効果トランジスタと同一基板上に形成されていることを特徴とする陰イオン濃度測定装置。
  14. 電極と、
    前記電極表面に固定化された第4級アンモニウム塩とを有し、
    前記第4級アンモニウム塩の1つの側鎖はアルカンチオール基であり、他の3つの側鎖はアルキル鎖であることを特徴とする分析素子。
  15. 請求項14記載の分析素子において、前記第4級アンモニウム塩の前記他の3つの側鎖のアルキル鎖の炭素数が1以上20以下であることを特徴とする陰イオン分析素子。
  16. 請求項14記載の分子素子において、前記電極には、前記第4級アンモニウム塩の他に一方の末端が親水性であるアルカンチオールが共存して固定化されていることを特徴とする分析素子。
  17. 請求項14記載の分析素子において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの末端の親水基がアミノ基又は水酸基であることを特徴とする分析素子。
  18. 請求項14記載の分析素子において、前記第4級アンモニウム塩と共存する前記アルカンチオールの炭素鎖の長さが前記第4級アンモニウム塩の一つの側鎖であるアルカンチオールの炭素鎖より短いことを特徴とする分析素子。
  19. 請求項14記載の分析素子において、前記電極は参照電極と同一基板上に形成されていることを特徴とする分析素子。
  20. 請求項14記載の分析素子において、電界効果トランジスタを有し、前記電界効果トランジスタのゲートと前記電極が導電性配線で接続されていることを特徴とする分析素子。
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