JP2009089146A - 通信装置、通信システム、通信方法、通信プログラム及び記録媒体 - Google Patents

通信装置、通信システム、通信方法、通信プログラム及び記録媒体 Download PDF

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裕介 三木
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昌弘 大谷
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Abstract

【課題】通信媒体(チャンネル)の状況が変化した場合、新たなチャンネル状況に対応した変調精度を迅速に算出する構成を低コストで実現し、チャンネル変化を効率的に追跡する受信装置を提供する。
【解決手段】受信端末1200は、チャンネル状況の変化を認識した場合、送信端末1000にチャンネル推定用パケットの送信を要求し、受信したチャンネル推定用パケットからその時の伝達関数の平均と分散とを関連させて並行して算出する。この算出作業をチャンネル推定用パケットの受信の度に逐次遂行して結果を累積していき、所定の数だけチャンネル推定用パケットを受信したときの平均値と分散から信号の振幅と雑音を推定し、その結果に基づいてその時のチャンネル状況に適した変調精度を送信端末1000に通知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速チャンネル推定を必要とする通信装置、通信システム、通信方法、通信プログラム及びこの通信プログラムを記録した記録媒体に関する。
データ転送を行うための一般的なネットワーク構成の一例を図11に示す。ここでは送信側通信装置(以下「送信端末」ともいう。)1000が受信側通信装置(以下「受信端末1200」ともいう。)1200にデータ転送を行う構成となっている。
<QoSの説明>
近時、例えばMPEG2−TS(Transport Stream)のように大容量の動画データなどをストリーミングで伝送する需要が高まっている。このようなストリーミングデータを伝送する場合には、通信にリアルタイム性が要求される。すなわち、ストリーミングデータを構成するQoS(Quality Of Service)フレームには有効期限が決まっており、この有効期限内に伝送することが必要となる。
図12は、QoSフレームの伝送に成功した例と失敗した例のパケットシーケンスを模式的に示した図である。
成功事例(図12中上段)では、フレーム5は、最初に伝送された際に伝送が失敗しており、再送が行われた際に伝送が成功している。この再送の時点は、フレーム5の有効期限よりも前となっているので、フレーム5の伝送は成功したことになる。
一方、失敗事例(図12中下段)では、フレーム5は、最初に伝送された際、及び1回目の再送の際の両方で伝送を失敗している。そして、その後の2回目の再送が行われる前に、フレーム5の有効期限が経過してしまっている。この場合、有効期限内に伝送できなかったQoSフレーム5は、利用することができずに無効(フレームロス)となり、動画データによる映像が受信端末1200側で乱れることになる。従って、伝送エラーを補償するための再送を行う場合は、各フレームの有効期限内に再送を成功させることが重要である。
なお、上記説明では、有効期限を時間制約として説明しているが、時間に限定されるものではなく、例えば再送回数の上限としてもよい。
<HPAV規格の説明>
次に、PLC(電力線通信)のHPAV(HomePlug Audio Video)規格の送信データの生成の概要について、図13に示したHPAV規格のフォーマットを用いて説明する。
HPAV規格は、無線LAN(Local Area Network)やイーサーネットと同様に、MAC(Media Access Control)とPHY(物理層)の2つの層に分かれる。
データは、MAC層にフレーム(Frame)のストリームとして入力される。入力されたフレームのストリームは、セグメント(Segment)という512バイト単位に区切られる。
MAC層から物理層にデータが渡される単位がLong MPDU(MAC Protocol Data Unit)であり、最初に16バイトのAVFC(Audio Video Frame Control)、次にn個のPB(PHY Block)が続く。AVFCがPBの部分の様々な情報のヘッダである。PBは、ヘッダH、PBB(PB Body)、及びエラーチェック(C)から構成される。ヘッダHは、PBBに対する4バイトの情報である。PBBがSegmentを暗号化した内容である。CがHとPBBに対する4バイトのエラーチェックコードである。この事例では、PBは520バイトになるが、136バイトの場合もある。なお、最後のPBでフレームが丁度セグメントに入らない場合には、残りの部分にPADを入れてセグメントの長さに合わせる。
PHY層ではLong MPDUの変調を行う。最初にPreambleという送信側と受信側で既知の信号が送られる。次に、AVFCは決まった変調精度のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルに変調される。続きのn個のPBは、M個のOFDMシンボルに変調されるが、OFDMシンボル数は、PB数と、PBを変調する伝送レートとに依存する。なお、OFDMや伝送レートについては次に説明する。また、Preambleは、Long MPDUの認識やAVFCを復調するために用いられる。なお、本明細書においては、物理層が扱う信号をパケットと称する。
<マルチキャリア方式によるデータ転送の説明>
図11に戻って、まず、送信端末1000が、送信する信号(TX)を作成して送信する。送信されたTX信号は、通信媒体(チャンネル)1100を介して受信端末1200でRX信号として受信される。この場合、チャンネル1100では信号は変形され、その伝達関数をHで表すと、下式(1)の関係が成立する。
RX=TX*H+n ・・・(1)
ここで、nは雑音である。
近年、データ転送を行う方式として、マルチキャリア方式が多用されている。このマルチキャリア方式の一例としてOFDMがある。図14は、OFDM信号の事例を示している。同図において、横軸が時間、縦軸が振幅、3つ目の軸(斜めの軸)が周波数である。OFDM信号は、OFDMシンボルの単位で伝送される。1つのOFDMシンボルにはN個のキャリアが割り当てられ、各キャリアが1つの周波数に対応する。そして、各キャリアが、伝送されるデータの一部を運ぶようになっている。
データを各キャリアに割り当てる場合、そのキャリアに何ビットのデータを割り当てるのかを求める必要がある。この方法については後述するが、キャリアは複素数であっても良い。
図15は、1つの複素数のキャリアに4ビットを割り当てた16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調精度の事例を示している。ここで、Iが実部であり、Qが虚部である。IとQにそれぞれ2ビットを割り当てることで、キャリア全体で合計4ビットが割り当てられる。この事例では、ビット値とIまたはQとの関係を下表1のように規定している。
Figure 2009089146
従って、選択肢数は24=16個である。図15には、これら全ての選択肢が描かれている。
ここで、例えば「0010」を転送する場合、通常上位2ビットが実部I、下位2ビットが虚部Qに割り当てられるとすると、キャリア値は表1より、「00」は実部の−3、「10」は虚部の+1、すなわち−3+j、但しj=SQRT(−1)となる。つまり、I軸では−3、Q軸では+1となる。
このように、各キャリアにデータのMビット(16QAMの場合、M=4)を割り当てることにより、データ転送が行われる。
なお、送信信号TXの複数のOFDMシンボルに渡って絶対値の平均を求めると、通常は図16に示すように、この絶対値の平均が各キャリアに対し一定になるように、OFDM信号が生成される。つまり、図15に示す16QAMの事例では16個の選択肢があるが、どの状況でも絶対値の平均は一定となる。
次に、上記(1)式をキャリア毎に書き換えると、下式(2)となる。
RX(i)=TX(i)*H(i)+n(i) ・・・(2)
ここで、iがキャリアの番号である。
図17は、送信信号TXと、チャンネルを通った後の受信信号RXとの関係の事例を示している。送信信号TXに比べ、RX信号は伝達関数Hにより、変形されたことが分かる。
このように、送信端末1000から伝送された信号は、そのままの形で受信されることはない。従って、受信端末1200では、受信した信号を正しく復調するために、受信した信号を元の形に戻す必要がある。このため、通常、受信端末1200では、Hを推定するチャンネル推定処理を行っている。このチャンネル推定処理の方法については後述するが、推定結果がH’であったとすると、受信端末1200では、このH’を使って以下のようにチャンネル補正処理を行う。
TX(i)’ =1/H’(i)*RX(i)
=1/H’(i)*(TX(i)*H(i)+n(i))
=TX(i)+n’(i) ・・・(3)
このようにしてチャンネル補正を行うことにより、元のTXに近いTX’を受信端末1200で求めることができる。推定されたH’がHに近いほど、送信信号TXに近い信号を復元することができる。
図18(a)は、図17に示す信号RXに雑音の影響を加えた事例を示している。ここで、実線がRX信号の平均値(チャンネル応答の平均値)であり、点線が雑音の揺れ幅である。図示の通り、雑音の揺れ幅は周波数軸で一定とはならない。この事例では、低周波数側で揺れ幅が大きく、高周波数側で揺れ幅が小さくなっている。
図18(b)に示す信号は、図18(a)に示す信号RXに対するチャンネル補正後の信号TX’を示している。ここでも実線が平均値であり、点線が雑音の揺れ幅である。信号RXで信号の振幅が小さくかつ雑音が大きい周波数(例えば、図中の符号Aで示す部分)では、TX’の雑音量は大きくなり、信号の振幅が大きくかつ雑音量が小さい周波数(例えば図中の符号Bで示す部分)ではTX’の雑音量は小さくなる。以上のように、補正後、上記の図15で説明した信号TXの16QAMの事例では、雑音がないという仮定で説明を行っているため、キャリア値のIとQは丁度3、1、−1、−3のいずれかになる。これに対し、図19には、雑音を考慮した信号TXの16QAMの事例を示しており、図19(a)は受信端末1200の信号の雑音量が少ない場合の事例である。ここで、キャリアの各値の雑音量の領域が●で表されている。図19(a)に示すように、雑音量が少ない場合には、各領域が十分独立しているため、通信は十分可能である。
また、図19(b)は受信端末1200の信号の雑音量がギリギリの場合の事例である。それぞれの領域は隣の領域に触れているが、エラー訂正処理を行うことにより、通信が可能である。
これに対し、図19(c)は、受信端末1200の信号の雑音量が大きすぎる場合の事例である。この場合には、それぞれの領域が隣の領域と多くの部分で重複しているため、エラー訂正処理を行っても、信号は元に戻らない。従って、このような場合には、16QAMより低い変調精度を用いる必要がある。すなわち、この場合にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)(4QAMに等しい)、つまり1つのキャリアに2ビットを割り当てた変調精度を用いればよい。
なお、図19(a)に示す事例は問題なく通信できるが、ここではもう1つ上の64QAM、つまり1つのキャリアに6ビットを割り当てることができる。すなわち、このキャリアで16QAMを用いることは帯域を無駄にしていることになる。
このように、受信端末1200ではキャリアの強度及び雑音量、つまりSNR(Signal To Noise Ratio)を見積もることにより、最適な変調精度を求めることができる。従って、これを送信端末1000に知らせることで、最速の伝送レートで通信することが可能となる。
<チャンネルの伝達関数Hを推定する方法の説明>
伝達関数Hを推定するためには、通常、送信端末1000と受信端末1200の両方で既知の信号を伝送する。HPAVの場合、Preambleは送信側と受信側で既知信号であるが、これは1つのLong MPDUに対し、1つしか伝送されない。そのため、HPAVでは、チャンネル推定のためのチャンネル推定用パケットを用いる。このパケットのPBは、送信端末1000と受信端末1200で既知であり、複数のOFDMシンボルから構成される。1つのLong MPDUには複数のOFDMシンボルが用いられるため、Preambleに対し、より効率的にチャンネル推定を行うことができる。このことについて次に説明する。
X(i)が送信端末1000で送信されたチャンネル推定用パケットのOFDMシンボルとすると、これは受信端末1200では、
Y(i)=X(i)*H(i)+n(i)
となる。受信端末1200は、受信した内容がXだと分かっているため、例えば以下の演算式(4)によりHxy(i)を求めることができる。
Hxy(i)=Y(i)/X(i)
=(X(i)*H(i)+n(i))/X(i)
=H(i)+n’(i) ・・・(4)
ここで重要なことはn’の影響を小さくすることである。このため、通常、図20に示すように送信端末1000ではX(i)を多数伝送し、受信端末1200では例えば多数のHxy(i)の平均H’(i)を求める。このHxy(i)の平均H’(i)が振幅となるのである。同様に、雑音量はHxy(i)の標準偏差とする。この場合、以下の演算式(5)により算出した分散(σ2)を開平して標準偏差(σ)を求める。
Figure 2009089146

上記式(4)が従来から知られている、ある状況にあるチャンネルを経た信号の振幅を推定する高速のLS(Least Square)アルゴリズムである。このLSアルゴリズムを用いた場合、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことが可能であるが、多数のHxy(i)を記憶する必要があるなど回路規模が大きくなるので現実にはあまり実装されていなかった。
一方、従来から良く用いられている簡単に実現できるアルゴリズムがLMS(Least Mean Square)であるが、このアルゴリズムは処理を完了するまでに数秒を要するため、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことができなかった。
ところで、伝達関数Hは送信端末1000と受信端末1200間の経路によって異なる。つまり、送信端末1000と受信端末1200間のHと、別の送信端末1000′と受信端末1200間のHは異なる。よって、上記の方法でチャンネル補正を行う場合、どの端末がデータを伝送したのかを識別する必要がある。このため、HPAVでは、AVFCの部分は想定されるどのような通信状況(通信経路上の雑音、インピーダンス低下による信号の劣化など)にある経路で通信が行われても通信可能なように安全な低い変調精度であるQPSKで伝送される。これにより、Preambleでチャンネル推定を行っても、AVFCを十分復調することが可能であり、AVFCを復調することにより、どのようにPBの部分のチャンネル補正(チャンネル推定終了と仮定)や復調をすれば良いのかが分かるため、PBではより効率のよいHxy(上記で説明した式(4)のHxy)で復調を行うことができる。
上記したSNRを受信端末1200で見積もる方式は、例えばDSL(Digital Subscriber Line)やPLCで用いられる。
なお、チャンネルの状況、例えば雑音の状態やインピーダンスに変化が生じた場合、伝達関数Hにも変化が生じる。ここで変化前がH1として、変化後はH2になった場合、変化前ではH1に適切なチャンネル推定・補正を行ってH1に最適な変調精度を用いるが、伝達関数がH2に変化すると、H1に最適条件ではデータ伝送ができなくなる。つまり、チャンネルの状況が変化する前の状態で求まった変調精度を、チャンネルの状況が変化した後のデータの変調に用いると、特にチャンネルの状況の変化が大きい場合、受信端末1200でのデータのエラー率が高くなる可能性がある。
特にPLCチャンネルをDSLチャンネルと比較すると、DSLのチャンネルには電話機器及びDSLモデムのみが接続されていることに対し、PLCチャンネルには様々な家電機器が接続されている。さらにDSLモデムはDSLの通信を考慮して設計されていることに対し、家電機器はPLCの通信を考慮していないので、PLCチャンネルに家電機器を接続すると、チャンネルのインピーダンスが変動しそれに影響されて信号の振幅や雑音量が急激に変動する場合がある。このような場合、チャンネル推定処理を再び行う必要がある。
PLCは、従来インターネットの通信に用いられていた。具体的には、メールを読むことやウェブページの閲覧に用いられていたため、通信が数秒程度途切れても問題がなかった。しかしながら、映像の通信を行う場合、リアルタイム性を確保するため、QoSフレームの有効期限は100〜200msとされている。さらに電話などの音声に用いられるVoIP(Voice Over Internet Protocol)の場合の期限は100ms以下である。従って、PLCにおいてチャンネルの状況が劇的に変化した場合でも、このチャンネルの状況の変化の認識や、信号の振幅及び雑音の推定をQoS期限内に完了する必要がある。ここで非特許文献1のようにLMSアルゴリズムを用いてPLCのチャンネルの振幅の推定を行うことができるが、LMSを用いた場合QoS期限内に終了することができない。さらにLMSアルゴリズムは振幅のみの推定であって雑音の要素が考慮されていないので、よいチャンネル推定を行うにはさらに雑音の推定も行う必要があるが、上記式(5)に示すように雑音(σ)を求めるためにはHxyの平均、つまり振幅の平均を事前に求める必要がある。この場合の処理の事例を図21に示す。ここで、チャンネルの状況が変化した場合、最初にチャンネルの状況の変化が受信端末1200で認識され、受信端末1200はチャンネル推定用パケットを送信端末に要求する。次に送信端末はチャンネル推定用パケットの送信を開始し、受信端末1200はLMSで振幅の推定を行う。振幅(平均)の推定が終わると、次に雑音の推定を行う。よって、非常に時間を要する。
振幅と雑音の推定を高速に行う方法として、例えば特許文献1がある。この特許文献1では振幅の推定をPreamble(文献1では二つの長いトレーニングフレームと名称)で、雑音の推定をPreambleとOFDMシンボルの両方で行っている。すなわち、Preambleの部分では、最初の長いトレーニングフレームを用いて、振幅を推定(文献1の数式12)し、推定された振幅を用いて雑音を推定(文献1の数式14)する。同じ演算を二番目の長いトレーニングフレームで行い、最終的な振幅と雑音の推定はこの二つの長いトレーニングフレームで得られた推定の平均値とする。なお、ここで用いている振幅の推定はLMSと違い、高速な演算方式である。この様に、既知であるPreambleの長いトレーニングフレーム毎に振幅と雑音を推定することにより、高速にチャンネル推定を行うことができる。
なお、特許文献1は、既知の情報をPreambleとしているが、既知の情報をチャンネル推定用パケットとすると、特許文献1の数式をそのままHPAVに用いることができる。
S. Morosi, D. Marabissi,E.Del Re,R.Fantacci,N.Del Santo,:"A rate adaptive bit-loading algorithm for a DMT modulation system for in-building power-line communications", in Global Telecommunications Conference, 2005. GLOBECOM '05. IEEE, Nov/Dec 2005, Vol 1, pp. 403-407 特表2005−536103号公報
しかしながら、特許文献1の振幅を求める数式は行列演算である。特許文献1は無線LAN用であり、無線LANで用いられるFFTの長さは64を前提にしている。64×64の行列演算であってもその演算量は非常に大きくなることに対し、HPAVのFFTの長さは3072であるので、特許文献1のような手法をHPAVに適用すると演算量はさらに大きくなり、回路規模が膨大になるといった問題があった。
また、非特許文献1のように単純なLMSでは回路規模は比較的簡単であるが、雑音要素を加味しようとするとチャンネル推定に一層時間を要し、映像伝送のようにデータの伝送にQoS上の時間制限があるような場合、時間制限内にチャンネル推定が完了せず、フレームロスを生じて映像が乱れる恐れがあるといった問題があった。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、演算量や回路規模を削減し、しかもHPAVなどにも適用できる高速で精度良いチャンネル推定を行うことのできる通信装置、通信システム、通信方法、通信プログラム及び記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の通信装置は、パケットを送受信する通信手段と、チャンネル推定用パケットを要求するチャンネル推定用パケット要求手段と、受信した複数のチャンネル推定用パケットに基づいてチャンネルを推定するチャンネル推定手段とを備え、前記チャンネル推定手段は、前記チャンネル推定用パケット要求手段により要求を出したことに応じて送信側装置から送信される前記チャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値及び分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて、新たなチャンネル伝達関数の平均値及び分散を算出し、前記算出したチャンネル伝達関数の平均値と分散とに基づいてチャンネル推定を行うことを特徴としている。
より具体的に説明すると、チャンネル推定手段は、平均算出部、分散算出部、変調精度選択部から構成されている。平均算出部は、前回(n回目)までに受信したパケットから算出した平均値H(n)を保存する第1保存部と、前回までの平均値と今受信したパケットとを絡めて所定の演算を行って(n+1)回目の平均値を算出する演算部とを含んでおり、(n+1)回目の平均値H(n+1)は第2保存部401cに保存されて、次のパケットとの演算に使用される。分散算出部は、前回(n回目)までに受信したパケットから算出した分散値σ2(n)を保存する第1保存部と、前回までの分散値と今受信したパケットと平均値とを絡めて所定の演算を行って(n+1)回目の分散値σ2(n+1)を算出する演算部と、算出した(n+1)回目の分散値σ2(n+1)を保存する第2保存部とを含んでいる。変調精度選択部は、平均算出部と分散算出部とから得られた値を基にしてチャンネル状況に応じた変調精度を選択し、通信手段を経て送信端末に通知する。
ここで、(k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの(k+1)番目の前記チャンネル伝達関数Hの平均値は下式(6)
Figure 2009089146

(k+1)番目の前記分散σ2は下式(7)
Figure 2009089146

の式で算出される。なお、これらの算出式は、後述する通信システム、通信方法においても同様である。
また、本発明の通信装置は、チャンネル推定用パケットを要求するチャンネル推定用パケット要求手段をさらに備え、前記チャンネル推定手段は、前記チャンネル推定用パケット要求手段により要求を出したことに応じてチャンネル推定を行う。
さらに、本発明の通信装置は、チャンネル推定を終了するタイミングとして、(1)予め決められた所定の数のチャンネル推定用パケットを受信したときにチャンネル推定を終了する。(2)平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったときにチャンネル推定を終了する。(3)最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したときにチャンネル推定を終了する。の3通りの場合に対応している。
さらに、本発明の通信装置は、通信手段としてOFDM(直交周波数分割多重)通信を使用する装置であって、前記チャンネル推定の結果に基づいてOFDMの変調精度を送信側に通知する。
また、本発明の通信システムは、複数のチャンネル推定用パケットに基づいてチャンネルを推定する装置を含む通信システムであって、送信側装置は受信側装置の要求に応じて複数のチャンネル推定用パケットを送信し、受信側装置は前記チャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値と分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットとに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて新たなチャンネル伝達関数の平均値と分散とを算出し、前記算出したチャンネル伝達関数の平均値と分散とに基づいてチャンネル推定を行うチャンネル推定手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の通信システムにおいて、前記送信側装置は、受信側装置の要求に応じて複数のチャンネル推定用パケットを送信する。
また、本発明の通信システムによれば、前記受信側装置は、(1)予め決められた所定の数の前記チャンネル推定用パケットを受信したときにチャンネル推定を終了する。(2)平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったときにチャンネル推定を終了する。(3)最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したときにチャンネル推定を終了する。の3通りの場合に対応している。
さらに、本発明の通信システムは、通信手段としてOFDM(直交周波数分割多重)通信を使用し、受信側装置は、チャンネル推定の結果に基づいてOFDMの変調精度を送信側に通知する。
また、本発明の通信方法は、送信側装置と受信側装置との間で通信を行うに際し、送信側装置へチャンネル推定用パケットの送信を要求するステップと、前記要求を出したことに応じて送信側装置から送信される前記チャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値及び分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて、新たなチャンネル伝達関数の平均値及び分散を算出するステップと、前記算出したチャンネル伝達関数の平均値及び分散に基づいてチャンネル推定を行うステップと、予め決められた数のチャンネル推定用パケットを受信したとき、または、平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったとき、または、最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したとき、のいずれかのタイミングでチャンネル推定を終了するステップと、を含むことを特徴としている。
なお、上記通信方法は、その各ステップをコンピュータに実行させるための通信プログラムとして提供することができ、またこの通信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。
本発明は上記のように構成したので、従来のように演算規模や回路規模が大きくならず、しかも、映像や音声の伝送などフレームの伝送にQoS上の時間制限のあるHPAVなどの場面でも、時間制限内に推定のための演算を完了することが可能な高速のチャンネル推定を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態1に係る通信装置100の主要部の構成を示すブロック図である。本実施形態1では、チャンネル推定に用いるパケットの数を予め決められた所定の数(K)に固定した場合について説明する。
同図において、本実施形態1の通信装置100は、大別すると、通信手段10、推定用パケット要求手段20、推定用パケット検知手段30、チャンネル推定手段40、比較手段50によって構成されている。
図2は、チャンネル推定手段40のより詳細な構成を示すブロック図である。
チャンネル推定手段40は、平均算出部401、分散算出部402、変調精度選択部403から構成されている。
平均算出部401は、前回(n回目)までに受信したパケットから算出した平均値H(n)を保存する第1保存部401aと、前回までの平均値と今受信したパケットとを絡めて所定の演算を行って(n+1)回目の平均値を算出する演算部401bとを含んでおり、(n+1)回目の平均値H(n+1)は第2保存部401cに保存されて、次のパケットとの演算に使用される。
分散算出部402は、前回(n回目)までに受信したパケットから算出した分散値σ2(n)を保存する第1保存部402aと、前回までの分散値と今受信したパケットと平均値とを絡めて所定の演算を行って(n+1)回目の分散値σ2(n+1)を算出する演算部402bと、算出した(n+1)回目の分散値σ2(n+1)を保存する第2保存部402cとを含んでいる。
変調精度選択部403は、平均算出部401と分散算出部402とから得られた値を基にしてチャンネル状況に応じた変調精度を選択し、通信手段10を経て送信端末(図11に示す送信端末1000に相当)に通知する。
なお、データ通信は、送信側の通信装置と受信側の通信装置との間で行われるため、本実施形態1の通信装置100は送信側及び受信側の両方の通信装置に適用することが可能であるが、ここでは説明の都合上、受信側の通信装置(図11に示す受信端末1200に相当)に適用した場合について説明する。また通信方式としてOFDM(直交周波数分割多重)を想定しているが、これに限るものではない。
通信手段10は、フレームの送受信を行う手段である。通信手段の包含する範囲は装置の構成に依存するが、ここでの通信手段10は、通常のMAC/PHY層において、推定用パケット要求手段20、推定用パケット検知手段30、チャンネル推定手段40以外の部分を意味している。これは、例えばアナログ部、OFDMの場合は周波数軸信号を時間軸信号に変換するFFT(Fast Fourier Transform)とその逆FFTを行う部分に相当する。
推定用パケット要求手段20は、受信したパケットを基にチャンネルの状況の変化を監視して、変化があった場合、推定用のパケットの送信を通信手段10を介して送信側に要求する。また、この推定用のパケットの送信要求に続いて、チャンネル推定手段40にチャンネル推定処理の開始を要求する。
推定用パケット検知手段30は、送信側から推定用のパケットを受信した場合にこのパケットを認識し、認識したパケットの情報をチャンネル推定手段40に渡す。
チャンネル推定手段40は、チャンネル推定用のパケットを基に信号の振幅と雑音の推定を行う。すなわち、チャンネル推定手段40は、平均算出部401と、分散算出部402と、変調精度選択部40から構成されており、推定用パケット検知手段30から通知されたチャンネル推定用パケットを、平均算出部401の演算部と分散算出部402の演算部とに入力する。チャンネル推定手段40は、詳細推定終了後、変調精度選択部403によって信号の振幅と雑音の推定の結果から選択した変調精度情報を通信手段10に渡す。
通信手段10は、この情報を送信側に知らせると共に、送信側に推定用のパケットの送信の停止を要求する。送信側は、この情報を用いて次のデータフレームの変調を行う。なお、推定用パケット検知手段30から受ける情報は、上記式(10)のY(i)、またはHxy(i)であっても良い。但しY(i)を受けた場合、Hxy(i)=Y(i)/X(i)の演算をチャンネル推定手段40の内部で行ってHxy(i)を求める必要がある。
比較手段50は、推定用パケットが必要となるようなチャンネル状況の変化があったかどうかを検知するために複数のパケット(Long MPDU)のPreambleを比較する手段である。すなわち、比較手段50は、送信されてきた隣接する2つのフレーム(Frame)に含まれる2つのPreambleを順次比較して、両Preambleの情報が異なっている場合には、チャンネルの状況が変化したと判定する。この比較の判定結果は、推定用パケット要求手段20に通知される。なお、本事例の比較手段50は、チャンネル状況の変化を、隣接するPreambleの比較を用いて検知しているが、Preambleの比較に限定するものではない。例えば受信パケットのエラーチェックを行い、エラーの頻度の増減割合が所定の値を超えたことを検知することによってもチャンネルの通信状況の変化したことを認識することができる。またPreambleの比較を用いる場合においても隣接するPreambleではなく、予め決められた適当な数N個おきのPreambleの比較を行っても良い。その場合、Nはチャンネルの状況変化が緩やかであれば固定値にする、またチャンネルの状況変化が急であれば随時変動させるといった適用が考えられる。
ここで、本実施形態1における通信装置が実施するチャンネル推定の処理の手順の概略について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、通信装置は、図11に示すように送信端末1000からチャンネル1100を介してパケットを受信する受信端末1200として配置されているものとしている。
受信端末1200は、ステップS100で、一般のデータ通信として受信したパケットからPreambleを抽出する。次に、ステップS101で、このPreambleを前回受信したパケットのPreambleと比較する。そして、ステップS101での比較の結果を使い、次のステップS102で、チャンネル状況に変化があったかどうかを判断する。すなわち、前回と今回のPreambleとが一致すればチャンネル状況に変化が無いと判断(ステップS102でNoと判断)し、一致しなければチャンネル状況に変化があったと判断(ステップS102でYesと判断)する。
ここで、ステップS102でNoと判断された場合、すなわちチャンネル状況に変化が無い場合はステップS103に移って通常のパケット受信処理を行う。一方、ステップS102でYesと判断された場合、すなわちチャンネル状況に変化があった場合はステップS104に移る。
ステップS104では、受信するチャンネル推定用パケットの数を数えるカウンタをリセットし、次のステップS105では、チャンネル推定用のパケットの送信を送信端末1000に要求する。この要求に応じて送信端末1000がチャンネル推定用パケットを送信してくるので、このチャンネル推定用パケットをステップS106で受信すると共に上述のカウンタの値に1を加算する。このチャンネル推定用パケットは、上述したように送信端末1000と受信端末1200の間で既知の内容となっている。
次に、ステップS107で、受信したパケットから伝達関数Hの平均を求める演算を行う。この平均が推定振幅となる。次に、ステップS108で、受信したパケットから伝達関数の分散を計算する。この分散の平方根が標準偏差で推定雑音となる。なお、この演算の詳細と意味付けは上述した<マルチキャリア方式によるデータ転送の説明>ですでに述べたものであるのでここでは説明を省略する。
次に、ステップS109で、カウンタの値を見て予め決められた所定数のチャンネル推定用パケットを受信したか否かを判定する。受信したチャンネル推定用パケットの数は、図示しない一般的なカウンタで計数する。この所定数は、チャンネル状況やアプリケーションやQoSによる時間制限、要求される推定精度などを考慮して決めるものとする。一例として(受信時間+演算時間)×受信回数が当該アプリケーションで要求されているQoSを満足させる処理時間内に入るような受信回数ということで決定してもよい。また例えば、チャンネル状況が比較的安定な場合、ラフな推定でよい場合、QoSによる時間制限が厳しい場合、などは小さい数にして受信するチャンネル推定用パケットの数を少なくしてよい。本実施の形態1では最初にカウンタをリセットしておいて所定数になるまでチャンネル推定用パケットを受信する度に加算しているが、最初に所定数をセットしておき、チャンネル推定用パケットを受信する度に減算して、S109のところでカウンタ値が0(ゼロ)になることを判定条件にしても良い。
ここで、ステップS109の判断がNoの場合、受信したチャンネル推定用パケットの数が所定数より少ないので、残りのチャンネル推定用パケットを受信するため、ステップS106へ戻る。そして、チャンネル推定用パケットを受信する度に伝達関数Hの平均値と分散の計算を、受信の度に繰り返す。この動作を所定数のチャンネル推定用パケットを受信するまで繰り返す。その結果、ステップS109でYesと判断された場合、すなわち所定数のチャンネル推定用パケットを受信し終わった場合には、ステップS110に移り、そこまでに算出した伝達関数Hの平均値と分散から振幅と雑音の推定を行う。次に、ステップS111で、推定した振幅と雑音から求めた最適な変調精度、例えばOFDMにおける16QAMを、送信端末1000に通知する。
送信端末1000は、ステップS111の処理により受信端末1200から変調精度が送信されてくると、チャンネル推定の作業が終了したと判断して、チャンネル推定用パケットの送信を終了する。そして、次からは受信端末1200から通知された変調精度でデータパケットを送信する。
本実施形態1では、図2に示すブロック図および図3のフローチャートで説明したように、チャンネル推定用パケットを受信する度に平均と分散を逐次更新していくのであるが、その方法の概念を図4に示す。図4では、伝達関数Hxyの平均を
Figure 2009089146

で表す。(k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの伝達関数Hxyの平均は下記の式(8)で計算される。
Figure 2009089146

また、(k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの伝達関数Hxyの分散σ2は下記の式(9)で計算される。
Figure 2009089146

ここで、式(8)の演算を図式化したものが図4のa部であり、式(9)の演算を図式化したものが図4のb部である。これら式(8)、式(9)、及び図4から明らかなように、本実施形態1では、伝達関数Hxyの平均と分散とはチャンネル推定用パケットを受信する度に双方を連動させて逐次計算している。つまり、1個のチャンネル推定用パケットを受信すると、そのパケットに対応して平均と分散がそれぞれ計算されるようにしている。そして、所定の数のチャンネル推定用パケットを受信し終わったときの伝達関数Hxyの平均から振幅推定を行い、分散から雑音推定を行っている。実際には、雑音推定を行うのに伝達関数Hxyの標準偏差を用いるので、分散の平方根を求めることになる。所定の数のチャンネル推定用パケットを受信し終わった時点で、伝達関数Hxyの平均と分散が求まっている。また、式(8)で分かるように、Hxyの平均を求める演算には(1/k)の除算が必要である。除算は比較的演算に時間を費やすので、除算を避けるため、本実施形態1では、(1/k)(k=1、2、3、・・・・所定数)の値を予め図示しないテーブルに保存しておき、(1/k)の値についてはその都度演算せずに、このテーブルからkに対応する値を読み出して乗算に使用する。しかし、高速除算が可能である、QoSで要求される時間制限が長いなど、種々の条件が許すのであれば、(1/k)を、チャンネル推定用パケットを受信する度にその都度計算しても良い。
このように、本実施形態1では、チャンネル推定用パケットを受信する度に、伝達関数Hの平均と分散の双方をその都度関連させて計算し、それらの計算結果を、チャンネル推定用パケットを受信する度に逐次更新している。そのため、最後の計算結果のみを使えば良いのでデータ保存に必要な記憶装置が少量で済む。
また、次のパケットを受信するまでにその回の演算を終了すれば演算時間が分散されるので、所定の数のパケットを受信後集中的に演算するよりも効率的に処理できる。この様子を図5に示す。図5では、チャンネル推定用パケットを受信する度にその都度、その前に計算されている平均と分散、及びそのとき受信したパケットによる伝達関数Hの値を使って新たな平均と分散とを計算する。このようにして逐次計算しながら予め決められた所定の数のパケットを受信したら、最後に算出された平均と分散とから振幅推定と雑音推定とを行い、その結果に基づいて変調精度を送信端末に通知するようになっている。
<実施形態2>
上記実施形態1では、チャンネル推定のために用いるパケットの数を予め決められた所定の数(K)にしていたが、本実施形態2では、この数(K)がチャンネルの状況に応じて変動する場合(ただし、Kの変動範囲に上限がある)について説明する。
ここで、伝達関数Hの平均から推定した信号の振幅をSC、振幅の標準偏差から推定した雑音をNC、推定SNR(Signal To Noise Ratio)をSNRCと記号を決め、SNRC=SC/NCと定義する。この記号を使って次の式で表される計算を行う。
すなわち、n個のパケットを受信して伝達関数Hの平均と標準偏差を求め、dB(デシベル)単位のSNRC(n)を算出する。さらに、次の1個のパケットを受信して(n+1)個のパケットまでの伝達関数Hの平均と標準偏差を求め、SNRC(n+1)を求める。そして、dB単位の差分(n)=SNRC(n)−SNRC(n+1)を算出する。
この式の意味は、チャンネル推定用パケットを複数個受信したとき、最初のn個と、さらに次の1個のチャンネル推定用パケットを加えた(n+1)個のそれぞれについてSNRCを計算し、その差をとるということである。そして、これらの演算の結果、差分(n)の絶対値≦TH(予め決められた値)、であればチャンネル推定を終了する。
つまり、適当な数のチャンネル推定用パケットを受信して、2つのグループのSNRC同士の差分(n)を求め、その差分(n)が予め決められた値THより大きければチャンネル推定を続行し、差分(n)が予め決められた値THと等しいか、または値THより小さければ、その回でチャンネル推定を終了する。すなわち、チャンネル状況の変化が少なくなった時点でチャンネル推定を終了するのである。
なお、nは推定精度やQoSで規定される時間制限などを考慮して適当な数に決めるものとする。また、本実施形態2では、n個のチャンネル推定用パケット受信後、差分演算のために受信する追加のパケット数を1個としているが、1個に限るものではない。目標とする振幅推定と雑音推定の精度とそれらを確定するための処理時間とを考慮して適当なものに決めることになる。
THの値としては、目安としてSNRが3〜5dB変わると変調精度のレベル(QPSKや16QAMなど)を一段階変えるのが現実的な対応であるので、例えばTH=0.5dB程度とすれば十分である。つまり、SNRCの差分(n)≦0.5dBになると、SNRCの変化が少なくチャンネル状況が安定したと判断してチャンネル推定用パケットの受信と演算処理とを終了し、その時点で振幅の推定と雑音の推定を行うのである。
また、SNRCの差分(n)が所定の閾値以下になるまで、いつまでも受信とチャンネル推定のための演算とを行うと、アプリケーションで要求されるQoSで限定される時間を満足させられない場合がある。つまり、映像伝送などでは、データパケットの受信間隔がある時間内でないと映像が乱れるといった場合である。この場合、アプリケーションで決まる所定の上限の時間があり、チャンネル推定用パケットの受信とチャンネル推定の演算とを、この所定の上限時間内に終わらなければならない。チャンネル推定用パケットの受信数がこの上限時間から規定される上限数に達すると、SNRCの差分(n)が所定の閾値以下でなくてもチャンネル推定用パケットの受信と演算処理とを終了し、その時点での伝達関数Hの平均と分散から信号の振幅と雑音を推定する。なお、本事例ではSNRCとTHの比較はdB単位で行ったが、必ずしもdB単位に限定する必要はない。例えばSNRCとして、SCとNCとの単純比としてもよい。この場合THも単純比に対応した値になる。
チャンネル推定が終了すると、最後の回までに累積して算出した伝達関数Hの平均値と分散から振幅と雑音を推定し、推定した振幅と雑音から求めた最適な変調精度(QPSKや16QAMなど)を、送信端末1000に通知する。
以上の動作を、図6(図6A及び図6B)に示すフローチャートを参照して再度詳しく説明する。
図6のステップS200からステップS203までの処理は、図3のステップS100からステップS103までの処理と同様であるのでここでは説明を省略する。
ステップS202で、チャンネル状況に変化があったと判断すると、ステップS204へ移る。ステップS204では、チャンネル推定用パケットの要求を送信端末1000に送信する。そして、ステップS205で、送信端末1000から送信されてくるチャンネル推定用パケットを、推定精度やQoSなどから適宜決められた数であるn個受信する。次のステップS206では、受信したn個のチャンネル推定用パケットから伝達関数Hの平均(n)を求める演算を行う。この平均が推定振幅となる。
次に、ステップS207で、受信したn個のチャンネル推定用パケットから伝達関数の分散(n)を求める演算を行う。この分散の平方根が標準偏差で推定雑音となる。なお、この演算の詳細と意味付けは上記実施形態1と同じく前述した<マルチキャリア方式によるデータ転送の説明>ですでに述べたものであるので、ここでも説明を省略する。
次に、ステップS208で、SNRC(n)を平均(n)/√分散(n)(標準偏差)で計算する。その後、ステップS209で、チャンネル推定用パケットを1個受信する。次に、ステップS210で、(n+1)個のチャンネル推定用パケットに基づく平均(n+1)を計算し、次のステップS211で、(n+1)個のチャンネル推定用パケットに基づく分散(n+1)を計算する。そして、ステップS212で、SNRC(n+1)を平均(n+1)/√分散(n+1)で計算する。次に、ステップS213で、差分(n)=SNRC(n)−SNRC(n+1)を計算する。次に、ステップS214で、差分(n)が所定の閾値THより大きいかどうかを判断する。
その結果、ステップS214で、所定の閾値THより小さいか等しいと判断されれば(ステップS214でYesと判断されれば)、チャンネル推定の作業は終了してよいレベルまでチャンネルの状況が安定してきたと判断して、新たなチャンネル推定用パケットの受信を終了し、ステップS215へ移る。そして、ステップS215で、ここまでに算出した伝達関数Hの平均と標準偏差から信号の振幅と雑音を推定する。次に、ステップS216で、ステップS215で推定した振幅と雑音から最適な変調精度を選択し、選択した変調精度を送信端末1000に通知する。変調精度は、例えば16QAMあるいはQPSKなどである。
一方、ステップS214で、差分(n)が所定の閾値THより大きければ(ステップS214でNoと判断されれば)、チャンネル推定の作業が終了してよいレベルまで達していないと判断して、ステップS217へ移る。ステップS217では、受信回数nが上限数なっているか否かをチェックする。この上限回数とは、(受信時間+演算時間)×受信回数が当該アプリケーションで要求されているQoSを満足させる処理時間内に入るという条件で設定される。ステップS217でnが上限数に達していれば(Yesと判断されれば)、これ以上のチャンネル推定用パケットの受信を終了し、ステップS215へ移って振幅と雑音の推定を行い、さらにステップS216で変調精度を通知する。
一方、ステップS217でnが上限数に達していなければ(Noと判断されれば)、ステップS218に移る。ステップS218では、nを1だけ加算してステップS209へ戻り、チャンネル推定を繰り返す。ステップS218でnを1だけ加算しているのは、ステップS209でチャンネル推定用パケットを1個受信しているのに呼応している。すなわち、ステップS209における追加のチャンネル推定用パケットの受信数がp個であれば、ステップS218における加算数はpになる。
図7は、本実施形態2におけるチャンネル推定用パケットとそれを用いた推定の時間関係を模式的に示した図である。差分(n)が閾値THより小さくなったか、あるいは等しくなったときにチャンネル推定を終了し、そのときの平均と分散から振幅推定と雑音推定を行い、その結果に基づいて変調精度を送信端末に通知する。伝達関数Hの平均や分散を求める演算を、チャンネル推定用パケットを受信する度に双方を連動させて逐次行うのは上記実施形態1と同様である。
<実施形態3>
上記実施形態2では、チャンネル推定のために用いるパケットの受信と伝達関数Hの平均と分散とを求める演算を、推定SNRであるSNRCの変化が一定の値以下になった時点で終了していたが、本実施形態3では、チャンネル推定のための累計の演算時間が所定の値に達したときにチャンネル推定を終了する場合について説明する。ただし、本実施形態3においても、上記実施形態2と同様、チャンネル推定のために用いるパケットの数(K)がチャンネルの状況に応じて変動する場合(ただし、Kの変動は時間で制限される)について説明する。
図8は、本実施形態3におけるチャンネル推定用パケットとそれを用いた推定の時間関係を模式的に示した図である。
チャンネル推定用パケットの要求や受信、パケットを受信した際の伝達関数Hの平均、分散を求める演算は、上記実施形態1,2と同様であるのでここでは説明を省略する。
図8に示す通り、チャンネル推定を終了して変調精度を送信端末に通知するのは、最初のチャンネル推定用パケットを受信したときから、予め決められた所定の時間が経過した時点である。時間計測の起点は、チャンネルの状況の変化を認識したときであってもよいし、推定用パケットの要求を送信端末に送信したときであってもよい。あるいは、別の任意の時刻を起点としても良い。この所定の時間は、例えば「チャンネル推定用パケット受信時間+演算時間」がアプリケーションで要求されているQoSを満足させる処理時間内に入るという条件で設定される。この所定時間が経過すると、結果の如何に係わらずその時点でチャンネル推定の処理を終了し、その時点における伝達関数Hの平均と分散から振幅推定と雑音推定を行い、その結果に基づいて変調精度を送信端末に通知する。なお、チャンネル状況の変化を認識した後の経過時間は、図示しない一般的なタイマーで計測する。
このときの処理動作を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
図9に示すステップS300からステップS303までの処理は、上記実施形態1の図3に示すフローチャートのステップS100からステップS103までの処理と同様であるのでここでは説明を省略する。
ステップS302で、チャンネル状況が変化したと判断すると(Yesと判断すると)、ステップS304へ移る。ステップS304では、送信端末1000にチャンネル推定用パケットの送信を要求する。次に、ステップS305で、送信端末1000から送られてくる最初の推定用パケットを受信する。次に、ステップS306で、時間計測のためのタイマーをスタートさせる。そして、ステップS307で、受信したチャンネル推定用パケットから平均を求める演算を行い、ステップS308で、分散を求める演算を行う。その後、ステップS309で、所定の時間が経過したかどうかを、タイマーをチェックして判断する。その結果、ステップS309での判断結果がNoである場合、すなわち所定の時間が経過していなければ、ステップS312へ移って次のチャンネル推定用パケットを受信し、その後、ステップS307へ戻って伝達関数Hの平均と分散を求める演算を繰り返す。一方、ステップS309での判断結果がYesである場合、すなわち所定の時間が経過すれば、ステップS310に移って、その時点で得られている平均と分散とから振幅の推定と雑音の推定とを行う。次に、ステップS311に移って、推定した振幅と雑音から求めた最適な変調精度、例えば16QAMを、送信端末1000に通知する。伝達関数Hの平均や分散を求める演算を、チャンネル推定用パケットを受信する度に双方を連動させて逐次行うのは上記実施形態1,2と同様である。
<実施形態4>
本実施形態4は、上記実施形態1〜3のチャンネル推定手段40の機能をプログラムとして実現し、ROMなどの記録媒体に記録しておき、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータで読み取ってチャンネル推定をソフトウェアで実現する場合の実施例である。本実施形態4の一例を図10に示す。
通信装置100の内部であって、図1で示した各手段の外に、CPU60と、記録媒体であるROM70、RAM80とをさらに備えている。なお、図1に示すチャンネル推定手段40は、本実施形態4ではソフトウェアで実現しているので実装されていない。このCPU60は、バス90を介してコマンドやデータをやり取りして各手段を制御することも兼ねている。ここでは、記録媒体としてROMを例示しているが、後述のように様々な記録媒体が適用可能であることは言うまでも無い。ROM70には、上記実施形態1〜3に記載したチャンネル推定手段40の機能を実現するプログラムが記録されている。RAM80には、通信装置100の制御に必要な各種のデータが保存される。また、チャンネル推定をいつ終了するかという条件である、(1)所定の数のチャンネル推定用パケットの受信、(2)推定SNRすなわちSNRCの差分の絶対値が所定の閾値より低下、(3)最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間の経過、などの条件のどれか1つがROM70の中に前もって書かれている。ただし、上記3つの終了条件が全て書かれていて、その中から一つを選択するようになっていてもよい。さらに、上記実施形態1で説明した(1/k)(k=1、2、3、・・・・所定数)の値もROM70に書かれている。さらに、チャンネル推定に対応した変調精度もこのROM70に書かれている。
CPU60は、ROM70からチャンネル推定を行うプログラムを読み取る。そして、チャンネル推定用パケットを受信すると、CPU60は、式(14)、式(15)で示される演算を行って平均値と分散とを求める。最後のチャンネル推定用パケットを受信すると、そこで算出された伝達関数Hの平均値と分散とからチャンネル推定を行う。その結果に基づいて、変調精度をROM70に書かれているものの中から選択し、それを送信端末1000に通知するように通信手段10に指示を出す。
このように、本実施形態4では、CPU60が、ROM70に記録されたプログラムを読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本発明の通信装置の各種機能及び各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能及び各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、上記のROM70の他、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
なお、上記各実施形態はすべて例示であり、ここでの記載内容に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の実施形態1に係る通信装置の主要部の構成を示すブロック図である。 チャンネル推定手段の構成を示すブロック図である。 実施形態1の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明における平均と分散を逐次更新する概要を示した説明図である。 実施形態1に係るパケットとそれを用いた推定の関係を示す図である。 実施形態2の動作を説明するためのフローチャートである。 実施形態2の動作を説明するためのフローチャートである。 実施形態2に係るパケットとそれを用いた推定の関係を示す図である。 実施形態3に係るパケットとそれを用いた推定の関係を示す図である。 実施形態3の動作を説明するためのフローチャートである。 記録媒体からプログラムを読み取ってチャンネル推定を実行するときのブロック図である。 データ転送を行うための一般的なネットワーク構成の一例を示す説明図である。 QoSフレームの伝送に成功した例と失敗した例のパケットシーケンスを模式的に示した説明図である。 HPAV規格のフォーマットを示す説明図である。 OFDM信号の事例を示す説明図である。 1つの複素数のキャリアに4ビットを割り当てた16QAMの変調精度の事例を示す説明図である。 送信信号TXの複数のOFDMシンボルに渡って絶対値の平均を求めた場合の信号波形を示す説明図である。 送信信号TXと、チャンネルを通った後の受信信号RXとの関係の事例を示す説明図である。 図17に示す信号RXに雑音の影響を加えた事例を示す説明図である。 雑音を考慮した信号TXの16QAMの事例を示す説明図である。 受信信号の平均と標準偏差から振幅と雑音を推定する概要の説明図である。 従来のチャンネル推定のパケットとそれを用いた推定の関係を示す図である。
符号の説明
10 通信手段
20 推定用パケット要求手段
30 推定用パケット検知手段
40 チャンネル推定手段
50 比較手段
60 CPU
70 ROM
80 RAM
90 バス
100 通信装置
401 平均算出部
401a 第1保存部
401b 演算部
401c 第2保存部
402 分散算出部
402a 第1保存部
402b 演算部
402c 第2保存部
403 変調精度選択部
1000 送信端末
1100 通信媒体(チャンネル)
1200 受信端末

Claims (20)

  1. パケットを少なくとも受信する通信手段と、受信した複数のチャンネル推定用パケットに基づいてチャンネルを推定するチャンネル推定手段とを備え、
    前記チャンネル推定手段は、送信側装置から送信されるチャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値及び分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて、新たなチャンネル伝達関数の平均値及び分散を算出し、前記算出したチャンネル伝達関数の平均値及び分散に基づいてチャンネル推定を行うことを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    (k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの(k+1)番目の前記チャンネル伝達関数Hの平均値は下式
    Figure 2009089146
    (k+1)番目の前記分散σ2は下式
    Figure 2009089146
    で算出されることを特徴とする通信装置。
  3. 請求項1に記載の通信装置において、
    チャンネル推定用パケットを要求するチャンネル推定用パケット要求手段をさらに備え、
    前記チャンネル推定手段は、前記チャンネル推定用パケット要求手段により要求を出したことに応じてチャンネル推定を行うことを特徴とする通信装置。
  4. 請求項3に記載の通信装置において、
    前記チャンネル推定用パケット要求手段は、受信したパケットと該パケットより予め決められた数だけ以前に受信したパケットのPreambleの情報が異なっている場合チャンネル推定用パケットを要求することを特徴とする通信装置。
  5. 請求項3に記載の通信装置において、
    前記チャンネル推定用パケット要求手段は、受信するパケットのエラー頻度の増加、又は減少の割合が所定の値を越えた場合チャンネル推定用パケットを要求することを特徴とする通信装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の通信装置において、
    前記チャンネル推定手段は、予め決められた所定の数の前記チャンネル推定用パケットを受信したときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の通信装置において、
    前記チャンネル推定手段は、平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の通信装置において、
    前記チャンネル推定手段は、最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の通信装置において、
    通信手段としてOFDM(直交周波数分割多重)通信を使用し、前記チャンネル推定の結果に基づいてOFDMの変調精度を送信側に通知することを特徴とする通信装置。
  10. 複数のチャンネル推定用パケットに基づいてチャンネルを推定する装置を含む通信システムであって、
    送信側装置は受信側装置に複数のチャンネル推定用パケットを送信し、
    受信側装置は前記チャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値及び分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて、新たなチャンネル伝達関数の平均値及び分散とを算出し、前記算出したチャンネル伝達関数の平均値及び分散に基づいてチャンネル推定を行うチャンネル推定手段を備えることを特徴とする通信システム。
  11. 請求項10に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、(k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの(k+1)番目の前記チャンネル伝達関数Hの平均値を下式
    Figure 2009089146
    (k+1)番目の前記分散σ2を下式
    Figure 2009089146
    の式で算出することを特徴とする通信システム。
  12. 請求項10に記載の通信システムにおいて、
    前記送信側装置は、受信側装置の要求に応じて複数のチャンネル推定用パケットを送信することを特徴とする通信システム。
  13. 請求項10または請求項11に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、予め決められた所定の数の前記チャンネル推定用パケットを受信したときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信システム。
  14. 請求項10または請求項11に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信システム。
  15. 請求項10または請求項11に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したときにチャンネル推定を終了することを特徴とする通信システム。
  16. 請求項10ないし請求項15のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、
    通信手段としてOFDM(直交周波数分割多重)通信を使用し、前記受信側装置は、前記チャンネル推定の結果に基づいてOFDMの変調精度を送信側に通知することを特徴とする通信システム。
  17. 送信側装置と受信側装置との間で通信を行うに際し前記受信側装置で通信チャンネルのチャンネル推定を行う通信方法であって、
    前記送信側装置から送信されるチャンネル推定用パケットを受信する度に、それまでに受信したチャンネル推定用パケットに基づいて算出されているチャンネル伝達関数の平均値及び分散と、新たに受信したチャンネル推定用パケットに基づくチャンネル伝達関数とに基づいて、新たなチャンネル伝達関数の平均値及び分散とを算出するステップと、
    前記算出したチャンネル伝達関数の平均値及び分散に基づいてチャンネル推定を行うステップと、
    予め決められた数のチャンネル推定用パケットを受信したとき、または、平均値/sqrt(分散)、で算出されるSNR(信号対雑音比)をチャンネル推定用パケットの受信毎に算出し、前記SNRの変化量の絶対値が所定の値になったとき、または、最初のチャンネル推定用パケットの受信から所定の時間が経過したとき、のいずれかのタイミングでチャンネル推定を終了するステップと、
    を含むことを特徴とする通信方法。
  18. 請求項17に記載の通信方法において、
    前記チャンネル伝達関数の平均値と分散とを算出するステップは、
    (k+1)番目のチャンネル推定用パケットを受信したときの(k+1)番目の前記チャンネル伝達関数Hの平均値を下式
    Figure 2009089146
    (k+1)番目の前記分散σ2を下式
    Figure 2009089146
    の式で算出することを特徴とする通信方法。
  19. 請求項17または請求項18に記載の通信方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。
  20. 請求項19に記載の通信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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