JP2009088211A - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】集電体に残留するバリによる電極間短絡を回避し、コンデンサの信頼性を高める。
【解決手段】集電体(18)に分極性電極層(20)が形成された正極(4)にセパレータ(8、10)を併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサ素子(2)と、このコンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させた外装ケース(22)とを備え、正極側の電極の最外周端に絶縁被覆(14)を施し、この絶縁被覆が電極の最外周端を防護し、集電体に存在するバリ(16)による隣接電極の短絡事故を回避し、コンデンサ(3)の信頼性を高めている。
【選択図】図3
【解決手段】集電体(18)に分極性電極層(20)が形成された正極(4)にセパレータ(8、10)を併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサ素子(2)と、このコンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させた外装ケース(22)とを備え、正極側の電極の最外周端に絶縁被覆(14)を施し、この絶縁被覆が電極の最外周端を防護し、集電体に存在するバリ(16)による隣接電極の短絡事故を回避し、コンデンサ(3)の信頼性を高めている。
【選択図】図3
Description
本発明は、電極に電極箔等を用いたコンデンサに関し、特に、電気二重層を用いたコンデンサ及びその製造方法に関する。
電子機器等、各種機器に用いられるコンデンサの一例として電気二重層コンデンサは、分極性電極と電解液とを接触させ、その界面の電気二重層を利用したコンデンサである。分極性電極には、集電体に例えば、アルミニウム箔が使用され、そのアルミニウム箔に活性炭層が形成されている。この電気二重層コンデンサ以外のコンデンサとして、電解コンデンサでは、化成酸化処理によって表面に酸化皮膜が形成された電極が用いられている。
分極性電極を持つコンデンサに関し、特許文献1では、コンデンサ素子を収納する外装ケースの側面を変形させることにより、コンデンサ素子を圧縮し、分極性電極の活性炭同士の接触頻度を増加させたコンデンサが開示されている。
特開2000−124086(要約、図1等)
ところで、電極を巻回したコンデンサ素子では、セパレータは別にして電極間では最外周側に負極が配置されるように巻回されている。最外周側に負極を配置するのは、最外周に正極を配置しても、対向する負極が無ければ静電容量の形成に寄与しないため、正極を負極の内側に配置している。
また、電気二重層コンデンサでは、電極の厚さが30〔μm〕程度の集電体に例えば、40〜400〔μm〕程度の厚さの分極性電極層が形成されている。このため、巻回したコンデンサ素子では、分極性電極層により正極の端部に段差が生じている。正極の端部における角部分の厚さは、分極性電極層が圧縮され、薄くなる場合もある。
電極を構成する集電体には、プレスや切断により、端部にバリを生じている場合がある。電気二重層コンデンサでは、集電体の上に活性炭を主体とする分極性電極層が形成されているため、分極性電極層中にバリが含まれている場合がある。
このような集電体のバリは、外部には露出することは無いが、その端部の厚さが薄くなると、バリを突出させてしまう場合がある。また、外装ケースを変形させてコンデンサ素子を圧縮させた場合には、コンデンサ素子が圧縮された際に、このバリが分極性電極及びセパレータを突き破り、隣接する電極と短絡することがあった。
このような課題について、特許文献1には開示がなく、その解決手段についての開示や示唆もない。
そこで、本発明の目的は、集電体に残留するバリによる電極間短絡を回避し、コンデンサの信頼性を高めることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、正極側の電極の最外周端に絶縁被覆を施し、この絶縁被覆が電極の最外周端を防護し、集電体に存在するバリによる隣接電極の短絡事故を回避し、コンデンサの信頼性を高めている。
上記目的を達成するため、本発明の第1の側面はコンデンサであって、集電体に分極性電極層が形成された正極にセパレータを併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させた外装ケースと、前記コンデンサ素子の前記正極の最外周端に形成された絶縁被覆とを備えることである。斯かる構成により、上記目的が達成される。
上記目的を達成するには、上記コンデンサにおいて、好ましくは、前記絶縁被覆は、前記正極の先端部を覆う絶縁シートで形成されてもよいし、また、前記正極の先端を被覆する樹脂層で形成されてもよい。
上記目的を達成するには、上記コンデンサにおいて、好ましくは、前記外装ケースは、変形可能な素材で形成された有底筒状のケースであって、その開口部を封口してなる構成としてもよいし、前記コンデンサ素子は、前記電極及び前記セパレータを含む円筒体である構成としてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の側面はコンデンサの製造方法であって、集電体に分極性電極層が形成された正極にセパレータを併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用するコンデンサ素子を形成する工程と、前記正極の電極の最外周端に絶縁被覆を形成する工程と、外装ケースに前記コンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させる工程とを含むことである。斯かる構成によっても、上記目的が達成される。
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
(1) 正極の先端側が絶縁被覆によって覆われているので、正極の集電体にバリが生じていても、そのバリによる電極間短絡を防止でき、コンデンサの信頼性を高めることができる。
(2) 外装ケースを変形させてコンデンサ素子を圧縮することによりコンデンサ特性を高めたコンデンサにあっても、圧縮による応力が正極に作用しても、集電体に残留するバリによる電極間短絡を防止でき、コンデンサ素子の圧縮によるコンデンサ特性を高め、圧縮による不都合を回避できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照する。図1は、コンデンサ素子を示す図、図2は、コンデンサ素子を構成する正極、負極及びセパレータを示す図である。
このコンデンサ素子2は、図1及び図2に示すように、正極4、負極6及びセパレータ8、10を円筒状に巻回した巻回素子を構成している。この場合、正極4の最外周は、負極6の内側にセパレータ8を介して設置され、コンデンサ素子2の最外周には、樹脂テープ等の緊締帯12が巻かれ、巻き戻りの防止が図られている。セパレータ8、10には含浸された電解液が保持されている。
コンデンサ素子2の最外周側にある正極4の端部側には、正極4の端面及びその近傍の表裏面を覆う絶縁被覆14が施され、この絶縁被覆14は、セパレータ8、10と同一又は近似の材料である絶縁シートを折り返して形成されている。絶縁シートは、セパレータ8、10に保持させる電解液を浸透する材料を用いてもよいし、電解液を浸透しない材料を用いてもよい。
斯かる構成とすれば、コンデンサ素子2の正極4の端部が絶縁被覆14で覆われるので、正極4の端部にバリ16(図3)が生じていても、このバリ16が絶縁被覆14で覆われるので、バリ16が負極6に接触することを回避することができる。
次に、正極4について、図3を参照する。図3は、正極4の構成例を示す図である。図3において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してある。
正極4は、アルミニウム等の金属箔で形成された集電体18の表裏面に分極性電極層20が形成され、この場合、集電体18を構成する箔端にはバリ16が生じている。このバリ16が分極性電極層20の下層ないしその内部に潜在している。このバリ16は、集電体18を構成する金属箔の切断や裁断によって生じるものである。
正極4の端部には絶縁被覆14が形成され、正極4の端部にある集電体18の端部及びバリ16が絶縁被覆14によって覆われている。即ち、絶縁被覆14が正極4からのバリ16の突出を阻止している。
次に、このコンデンサ素子2を用いたコンデンサについて、図4を参照する。図4の(A)はコンデンサの縦断面を示す図、図4の(B)は図4の(A)のIVB−IVB線断面図である。図4において、図1ないし図3と同一部分には同一符号を付してある。
このコンデンサ3は、図4の(A)及び(B)に示すように、外装ケース22にコンデンサ素子2を収納し、外装ケース22の開口部を封口部材24によって封止している。外装ケース22は、アルミニウム等、変形可能な金属で形成され、有底筒状である。この外装ケース22は、コンデンサ素子2の封入後、側面部を内方に変形させ、その側面部には複数の凹部26が形成され、外装ケース22の内壁部には凹部26に対応して複数の突部28が形成されている。コンデンサ素子2は、複数の突部28によって圧縮変形し、かつ圧縮状態に維持されている。また、コンデンサ素子2の外壁部と外装ケース22の内壁部とは複数の突部28を以て密着状態に維持されている。
外装ケース22を封口する封口部材24は、絶縁性を持ち且つ硬質のベーク板等の樹脂板30にゴム等の弾性部材32を張り合わせたものである。この封口部材24には外面側に外部接続のための正極側の外部端子34、負極側の外部端子36が設置され、また、内面側にはコンデンサ素子2の正極側のリード38、負極側のリード40が設置され、外部端子34とリード38とは封口部材24を貫通させたリベット42により、外部端子36とリード40とは封口部材24を貫通させたリベット44により電気的に接続されている。また、封口部材としては、前述した封口部材の形状に限定されるものではなく、絶縁性の硬質樹脂よりなる樹脂板に外部端子を埋設した封口板を用いてもよい。
そして、封口部材24は、外装ケース22の開口部側の段部46に支持されて位置決めされているとともに、この段部46と外装ケース22のカーリング加工れた開口端部48とで挟み込まれて保持されている。封口部材24の弾性部材32にはカーリング加工された外装ケース22の開口端部48を食い込ませ、外装ケース22には高度な気密性が保持されている。
外装ケース22及びコンデンサ素子2の圧縮加工について、図5を参照する。図5の(A)はコンデンサの圧縮加工を示す図、図5の(B)はコンデンサ及び加工治具の配置を示す図である。図5において、図1、図2及び図4と同一部分には同一符号を付してある。
コンデンサ3には、外装ケース22の側面を圧縮変形させ、内部のコンデンサ素子2を圧縮加工する。コンデンサ3の側面には、複数の加工治具50を配置させ、その加工治具50を矢印Fで示すように外装ケース22の中心方向に移動させることにより外装ケース22を圧縮加工し、これにより外装ケース22には縦方向に長い複数の溝状の凹部26(図4)を形成する。この凹部26の形成により、外装ケース22の内部には、複数の突部28(図4)が形成され、外装ケース22の内部空間が狭小化する。この結果、コンデンサ素子2の側面が複数の突部28によって押圧されて圧縮状態に維持される。
この圧縮の結果、コンデンサ素子2内の分極性電極層20の活性炭同士の接触頻度を増加させることができる。このような圧縮加工が施された場合、集電体18に残留するバリ16(図3)は絶縁被覆14で覆われているので、他の電極(例えば、負極6)に達することがなく、正極4及び負極6の電極間短絡が生じることがない。
次に、コンデンサの製造方法の一例について、図1〜図5を参照して説明する。
(1) 電極及び絶縁被覆の形成工程
アルミニウム等の金属からなる集電体18を形成し、この集電体18の表面に分極性電極層20を形成することにより正極4が形成される。同様の集電体18を以て負極6を形成する。
コンデンサ素子2が形成される際に、コンデンサ素子2の最外周端となる正極4の端部に絶縁被覆14を形成する。
(2) コンデンサ素子の形成工程
正極4と負極6との間にセパレータ8、10を併設して巻回し、セパレータ8、10には電解液を含浸させて保持させることにより、電解液と分極性電極層20との界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサ素子2が形成される。
(3) 外装ケースの封入工程
有底筒状の外装ケース22が形成され、この外装ケース22にコンデンサ素子2を収納し、収納されているコンデンサ素子2の方向に側面を変形させ、その変形によってコンデンサ素子2を圧縮させたコンデンサ3(図4)が形成される。
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、絶縁被覆14にセパレータ8、10と同一又は近似の絶縁シートを用いたが、第2の実施の形態では、図6に示すように、絶縁被覆14を絶縁性樹脂層52で構成してもよい。斯かる構成としても、同様の効果が得られる。
以上述べたように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は、発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であり、斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
本発明は、電子機器等の各種機器に用いることができるコンデンサが得られ、集電体に残留しているバリによる電極間短絡を防止でき、信頼性の高いコンデンサを提供でき、有用である。
2 コンデンサ素子
4 正極
6 負極
8、10 セパレータ
14 絶縁被覆
18 集電体
20 分極性電極層
22 外装ケース
4 正極
6 負極
8、10 セパレータ
14 絶縁被覆
18 集電体
20 分極性電極層
22 外装ケース
Claims (6)
- 集電体に分極性電極層が形成された正極にセパレータを併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサ素子と、
このコンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させた外装ケースと、
前記コンデンサ素子の前記正極の最外周端に形成された絶縁被覆と、
を備えることを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1のコンデンサにおいて、
前記絶縁被覆は、前記正極の先端部を覆う絶縁シートで形成されたことを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1のコンデンサにおいて、
前記絶縁被覆は、前記正極の先端を被覆する樹脂層で形成されたことを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1のコンデンサにおいて、
前記外装ケースは、変形可能な素材で形成された有底筒状のケースであって、その開口部を封口してなることを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1のコンデンサにおいて、
前記コンデンサ素子は、前記正極、前記負極及び前記セパレータを含む円筒体であることを特徴とするコンデンサ。 - 集電体に分極性電極層が形成された正極にセパレータを併設して巻回し、前記セパレータに保持させた電解液と前記分極性電極層との界面に形成される電気二重層を利用するコンデンサ素子を形成する工程と、
前記正極の電極の最外周端に絶縁被覆を形成する工程と、
外装ケースに前記コンデンサ素子を収納し、収納されている前記コンデンサ素子の方向に側面を変形させ、その変形によって前記コンデンサ素子を圧縮させる工程と、
を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007255542A JP2009088211A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | コンデンサ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007255542A JP2009088211A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | コンデンサ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009088211A true JP2009088211A (ja) | 2009-04-23 |
Family
ID=40661250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007255542A Pending JP2009088211A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | コンデンサ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009088211A (ja) |
-
2007
- 2007-09-28 JP JP2007255542A patent/JP2009088211A/ja active Pending
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