次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における証券取引システム100の構成例を示すブロック図である。図1では、証券取引システム100において、銀行110の顧客であるユーザ150が、顧客端末200を用いて銀行110を介して証券会社120との間で証券取引をする場合における全体構成を概略的に示す。
なお、銀行110は、都市銀行、地方銀行、金融公庫、信用金庫等の金融機関を意味するものとする。また、銀行110には銀行サーバ300が設けられ、証券会社120には証券サーバ400が設けられているものとする。図1では、銀行サーバ300が銀行110内に設置されている場合を一例として示すが、銀行サーバ300が銀行110とは物理的に離れている場所に設置されている場合についても同様に考えることができる。また、証券会社120と証券サーバ400との関係についても同様である。
このように、証券取引システム100は、顧客端末200と、銀行サーバ300と、証券サーバ400とを備える。また、顧客端末200と、銀行サーバ300と、証券サーバ400とのそれぞれは、インターネット等の通信網であるネットワーク140と接続され、各種情報のやりとりを行うことができる。また、銀行サーバ300と証券サーバ400とは、相互に機密性の高い通信を行うための専用回線130で接続されている。
なお、本発明の実施の形態では、1つの銀行に1つの銀行サーバが設定され、1つの証券会社に1つの証券サーバが設定されている場合において、顧客端末と、その銀行サーバと、その証券サーバとの間で行われる証券取引システムを例にして説明するが、1または複数の情報処理装置からなる銀行システムが1つの銀行に構築され、1または複数の情報処理装置からなる証券システムが1つの証券会社に構築されている場合において、顧客端末と、その銀行システムと、その証券システムとの間で行われる証券取引システムについて、本発明の実施の形態を適用することができる。また、その銀行システムを銀行サーバとして機能させる場合、または、その証券システムを証券サーバとして機能させる場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。
次に、証券取引システム100を構成する顧客端末200と、銀行サーバ300と、証券サーバ400との機能構成例について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態における顧客端末200の機能構成例を示すブロック図である。この顧客端末200は、例えば、専用の表示部を備えるパーソナルコンピュータである。この顧客端末200は、CPU(Central Processing Unit)210と、ROM(Read Only Memory)220と、RAM(Random Access Memory)230と、HDD(Hard Disk Drive)240と、表示部250と、操作受付部260と、通信部270とを備える。また、各ブロック間における各信号のやりとりは、バス280を介して行われる。
CPU210は、ROM220に記憶されている各種制御プログラムに基づいて、顧客端末200の各部を制御するものである。また、CPU210は、HDD240から読み出された各種情報や操作受付部260により受け付けられた操作入力等に基づいて顧客端末200の各部を制御する。
ROM220は、読み出し専用のメモリであり、各種制御プログラム等を記憶するものである。
RAM230は、CPU210のメインメモリ(主記憶装置)に用いられるメモリであり、CPU210において実行されるプログラムの作業領域等を記憶するものである。
HDD240は、各種アプリケーションプログラム等が格納されているハードディスクである。
表示部250は、CPU210の制御に基づいて各種情報を表示する表示部である。表示部250としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを用いることができる。
操作受付部260は、各種入力キーからなるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)を備え、これらのマウス等から操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力の内容をCPU210に出力するものである。なお、操作受付部260の少なくとも一部と表示部250とをタッチパネルとして一体として構成するようにしてもよい。
表示部250に表示される画面上には、マウスの動きに応じて移動するカーソル(マウスポインタ)が表示される。カーソルは、表示部250に表示される画面上において、指示や操作の対象を指し示すために用いられるマウスポインタである。カーソルについては、図面を参照して説明する。
通信部270は、ネットワーク140と接続され、CPU210の制御に基づいて、ネットワーク140と接続されている銀行サーバ300または証券サーバ400との間で各種情報の送受信を実行するものである。
図3は、本発明の実施の形態における銀行サーバ300の機能構成例を示すブロック図である。この銀行サーバ300は、認証部310と、制御部320と、主記憶部330と、顧客情報データベース340と、普通預金口座データベース350と、別段預金口座データベース360と、証券サーバ通信制御部370と、ネットワーク通信制御部380と、表示制御部390とを備える。
認証部310は、ネットワーク通信制御部380で受信された顧客端末200からのログイン情報や銀行執行パスワード等の認証処理を行うものである。
制御部320は、銀行サーバ300全体を制御するシステム制御部である。
主記憶部330は、証券サーバ通信制御部370またはネットワーク通信制御部380で受信された各情報を記憶するものであり、記憶されている情報を認証部310および制御部320に出力する。
顧客情報データベース340は、銀行110の顧客に関する情報である銀行顧客管理情報が記録されるデータベースである。なお、顧客情報データベース340に記録される銀行顧客管理情報については、図6を参照して詳細に説明する。
普通預金口座データベース350は、銀行110の顧客により開設されている普通預金口座に関する入出記録や残高情報等の普通預金口座情報が記録されるデータベースである。なお、普通預金口座データベース350については、図4を参照して詳細に説明する。
別段預金口座データベース360は、銀行110の顧客により開設されている普通預金口座毎に開設されている別段預金口座に関する入出記録や残高情報等の別段預金口座情報が記録されるデータベースである。ここで、別段預金とは、一般的に、金融機関の預金や融資、為替取引、代理事務等に付随して発生する未決済または未整理の一時的資金や預り金を保管するために設けられている預金である。なお、別段預金口座データベース360については、図4を参照して詳細に説明する。
証券サーバ通信制御部370は、専用回線130と接続され、制御部320からの指示に基づいて、専用回線130を介して証券サーバ400との間で行われる通信制御を行うものである。
ネットワーク通信制御部380は、ネットワーク140と接続され、制御部320からの指示に基づいて、ネットワーク140を介して顧客端末200との間で行われる通信制御を行うものである。
表示制御部390は、ネットワーク140を介して接続される顧客端末に対して、各表示画面をネットワーク通信制御部380を介して提供する制御を行うものである。例えば、表示制御部390は、ネットワーク140を介して接続される顧客端末200に、図11(a)乃至(c)等に示す各表示画面を表示させる制御を行う。
図4は、普通預金口座データベース350に格納されている普通預金口座情報と、別段預金口座データベース360に格納されている別段預金口座情報とを概略的に示す図である。
銀行110には、預金をしている各顧客の銀行口座が開設されている。本発明の実施の形態では、この顧客の銀行口座として普通預金口座および別段預金口座を例にして説明する。
普通預金口座データベース350に格納されている普通預金口座情報は、銀行110に普通預金をしている顧客毎の普通預金口座に関する情報であり、名義人351と、銀行支店番号352と、銀行口座番号353と、預金残高354とが関連付けて格納されている。
別段預金口座データベース360に格納されている別段預金口座情報は、普通預金口座データベース350に格納されている銀行口座番号毎に開設される預金口座に関する情報であり、名義人361と、銀行支店番号362と、銀行口座番号363と、預金残高364とが関連付けて格納されている。普通預金口座データベース350に格納されている普通預金口座情報に係る普通預金口座と、別段預金口座データベース360に格納されている別段預金口座情報に係る別段預金口座とにおける資金の移動は、証券サーバ400からの要求に応じて、制御部320からの指示に基づいて行われる。例えば、銀行口座および証券口座間の資金移動を自動的に行うことを想定した場合、ユーザ150が証券サーバ400との間でオンライン証券取引をして株式を買い付けた際、この買付に係る概算買付約定金額が、ユーザ150の普通預金口座からユーザ150の別段預金口座に自動的に移動される。また、この移動後の資金が、買付に係る確定買付金額に基づいて調整され、この調整後の資金がユーザ150の別段預金口座から証券会社120の普通預金口座に自動的に移動される。なお、普通預金口座データベース350および別段預金口座データベース360には、入出金の日付等が格納されるものの、ここでの説明は省略する。
図5は、本発明の実施の形態における証券サーバ400の機能構成例を示すブロック図である。この証券サーバ400は、認証部410と、制御部420と、主記憶部430と、顧客情報データベース440と、証券口座データベース450と、バッチ処理用データベース455と、銀行サーバ通信制御部460と、ネットワーク通信制御部470と、表示制御部480と、振替予約金メモリ490と、証券買付余力拘束金メモリ570と、別段預金履歴メモリ580と、株式売買履歴メモリ590と、信用取引メモリ190とを備える。
認証部410は、銀行サーバ通信制御部460で受信された顧客端末200からの証券執行パスワードやログイン情報、ネットワーク通信制御部470で受信された顧客端末200からのログイン情報等の認証処理を行うものである。
制御部420は、証券サーバ400全体を制御するシステム制御部である。
主記憶部430は、銀行サーバ通信制御部460またはネットワーク通信制御部470で受信された各情報を記憶するものであり、記憶されている情報を認証部410および制御部420に出力する。
顧客情報データベース440は、証券会社120の顧客に関する情報である証券顧客管理情報が記録されるデータベースである。なお、顧客情報データベース440に記録される証券顧客管理情報については、図6を参照して詳細に説明する。
証券口座データベース450は、証券会社120の顧客により開設されている証券口座に関する入出記録や残高情報等の証券口座情報が記録されるデータベースである。なお、証券口座データベース450に記録される証券口座情報については、図7を参照して詳細に説明する。
バッチ処理用データベース455は、証券会社120の顧客により開設されている証券口座に関する入出記録や残高情報等の証券口座情報であって、銀行サーバ300のバッチ処理時間帯(振替予約時間帯)における口座振替が反映されていない証券口座情報が記録されるデータベースである。なお、バッチ処理用データベース455に記録されている証券口座情報については、所定時刻にバッチ処理時間帯における口座振替が反映されて更新される。なお、バッチ処理用データベース455に記録される証券口座情報については、図7を参照して詳細に説明する。
銀行サーバ通信制御部460は、専用回線130と接続され、制御部420からの指示に基づいて、専用回線130を介して銀行サーバ300との間で行われる通信制御を行うものである。
ネットワーク通信制御部470は、ネットワーク140と接続され、制御部420からの指示に基づいて、ネットワーク140を介して顧客端末200との間で行われる通信制御、および、他の証券会社や証券取引所等との間で行われる通信制御を行う。
表示制御部480は、ネットワーク140を介して接続される顧客端末に対して、各表示画面をネットワーク通信制御部470を介して提供する制御を行うものである。例えば、表示制御部480は、ネットワーク140を介して接続される顧客端末200に、図19乃至21等に示す各表示画面を表示させる制御を行う。
振替予約金メモリ490は、銀行サーバ300のバッチ処理時間帯において、証券口座から銀行口座へのユーザの手動操作による口座振替がされた場合に、その振替金額が記録されるメモリである。なお、振替予約金メモリ490に記録された振替金額については、所定時刻にバッチ処理用データベース455および証券口座データベース450に反映される。なお、振替予約金メモリ490に記録される証券口座情報については、図7を参照して詳細に説明する。また、証券買付余力拘束金メモリ570、別段預金履歴メモリ580および株式売買履歴メモリ590については、図7乃至図10を参照して詳細に説明する。
信用取引メモリ190は、委託保証金や建玉等の信用取引に関する情報を記録するメモリである。
次に、銀行110および証券会社120が所有する顧客管理情報について図面を参照して説明する。
図6(a)は、銀行110が所有する銀行顧客管理情報111の概略を示す図であり、図6(b)は、証券会社120が所有する証券顧客管理情報121の概略を示す図である。なお、本発明の実施の形態では、顧客であるユーザ150を甲田一郎として説明する。
銀行110が所有する銀行顧客管理情報111は、顧客情報データベース340に格納されている銀行110の顧客に関する各種情報であり、例えば、銀行口座番号112と、銀行支店番号113と、証券口座番号114と、銀行ログインパスワード115と、銀行執行パスワード116と、証券ログインID117と、資金移動ステータス118と、顧客情報119とが関連付けられて記録されている。なお、図面の一部(図18等)では、パスワードの文字を省略してPW(password)と記載する。
銀行口座番号112は、銀行110に口座を開設した顧客毎に付与される銀行の口座番号である。銀行支店番号113は、口座が開設された銀行110の支店の識別番号を示すものである。証券口座番号114は、銀行110を介して証券会社120の証券口座を開設した顧客毎に付与される証券会社の口座番号である。
銀行ログインパスワード115は、ネットワーク140を介して顧客端末と銀行サーバ300との間でオンライン銀行取引を行う場合において、顧客端末から銀行サーバ300にログインする場合に用いられるパスワードである。
銀行執行パスワード116は、顧客端末と銀行サーバ300との間でオンライン銀行取引が行われている場合において、他行への振込みや外貨購入売却時等の銀行取引での本人認証に用いられるパスワードである。
証券ログインID117は、銀行110を介して証券会社120の証券口座を開設した顧客が、ネットワーク140を介して顧客端末と証券サーバ400との間でオンライン証券取引を行う場合において、銀行サーバ300から証券サーバ400にログインする場合に用いられるIDである。なお、証券ログインID117は、顧客には通知されない秘密IDであり、銀行サーバ300および証券サーバ400にのみ記録され、銀行サーバ300から証券サーバ400へのログイン時にのみ使用される。この非公開な証券ログインIDを使用して、銀行サーバ300から証券サーバ400にログインすることによって、このログイン時における確実なセキュリティを確保することができる。証券ログインID117については、図12および図13等を参照して詳細に説明する。
資金移動ステータス118は、顧客端末200と証券サーバ400との間でオンライン取引が行われている場合において、顧客端末200を用いて株式の売買等が行われる場合における銀行口座および証券口座間の資金移動のステータスを示すフラグが格納されている。ここで、資金移動ステータスとは、銀行口座および証券口座間の資金移動をユーザが手動操作で行うか、自動で行うかを示すステータスである。例えば、銀行口座および証券口座間の資金移動をユーザの手動操作により行う場合には、資金移動ステータスとして通常が設定され、「0」のフラグが資金移動ステータス118に格納される。一方、銀行口座および証券口座間の資金移動を自動で行う場合には、資金移動ステータスとして自動が設定され、「1」のフラグが資金移動ステータス118に格納される。なお、資金移動ステータスとして通常が設定されている場合については、図19乃至図25等を参照して詳細に説明する。また、資金移動ステータスとして自動が設定されている場合については、図26乃至図43を参照して詳細に説明する。また、資金移動ステータスの設定方法については、図27を参照して詳細に説明する。
顧客情報119は、銀行110に口座を開設した顧客に関する各種情報である。例えば、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の連絡先等が格納される。
証券会社120が所有する証券顧客管理情報121は、顧客情報データベース440に格納されている証券会社120の顧客に関する各種情報であり、例えば、証券口座番号122と、証券支店番号123と、銀行口座番号124と、証券ログインパスワード125と、証券執行パスワード126と、証券ログインID127と、資金移動ステータス128と、顧客情報129と、リミッター金額情報170とが関連付けられて記録されている。
証券口座番号122は、証券会社120に口座を開設した顧客毎に付与される証券会社の口座番号である。証券支店番号123は、口座が開設された証券会社120の支店の識別番号を示すものである。銀行口座番号124は、銀行110を介して証券会社120の証券口座を開設した顧客に付与されている銀行の口座番号である。ここで、図6(a)および(b)に示すように、銀行顧客管理情報111の銀行口座番号112と証券顧客管理情報121の銀行口座番号124とには同じ口座番号が保持されるとともに、銀行顧客管理情報111の証券口座番号114と証券顧客管理情報121の証券口座番号122とには同じ口座番号が保持される。
証券ログインパスワード125は、銀行サーバ300の取引システムに何らかの理由で障害が発生した場合において、銀行サーバ300を介さずに顧客端末から証券サーバ400に直接ログインする場合に用いられるパスワードである。なお、証券ログインパスワード125については、図16乃至18を参照して詳細に説明する。
証券執行パスワード126は、顧客端末と証券サーバ400との間でオンライン証券取引が行われている場合において、口座振替や有価証券の売買等のように証券取引を確定する際に本人認証のために用いられるパスワードである。
証券ログインID127は、銀行110を介して証券会社120の証券口座を開設した顧客が、ネットワーク140を介して顧客端末と証券サーバ400との間でオンライン証券取引を行う場合において、銀行サーバ300から証券サーバ400にログインする場合に用いられるIDである。証券ログインID127は、図6(a)に示す証券ログインID117と同じものである。
資金移動ステータス128は、顧客端末200と証券サーバ400との間でオンライン取引が行われている場合において、顧客端末200を用いて株式の売買等が行われる場合における銀行口座および証券口座間の資金移動のステータスを示すフラグが格納されている。また、資金移動ステータス118および資金移動ステータス128には、同一のフラグが格納される。なお、設定される資金移動ステータスや格納されるフラグについては、資金移動ステータス118と同様であるため、ここでの説明を省略する。
リミッター金額情報170は、資金移動ステータスとして自動が設定されている場合において、株式を買い付ける場合における買付余力の確認の際に用いられる上限金額である。この買付余力の確認の際に、例えば、買付余力(普通預金口座の預金残高+証券買付余力)から概算買付金額を減算した値である差分値が、リミッター金額情報170に格納されているリミッター金額よりも小さい場合には、顧客に対して警告表示を行うための警告表示情報が顧客端末に送信される。このように、リミッター金額情報170にリミッター金額を顧客が登録しておくことによって、顧客の操作ミス等を防止することができる。
顧客情報129は、証券会社120に口座を開設した顧客に関する各種情報である。例えば、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の連絡先等が格納される。また、顧客情報129は、図6(a)に示す顧客情報119に対応する。
図7は、証券サーバ400が備える証券口座データベース450と、バッチ処理用データベース455と、振替予約金メモリ490と、証券買付余力拘束金メモリ570と、別段預金履歴メモリ580と、株式売買履歴メモリ590と、信用取引メモリ190とを概略的に示す図である。
証券口座データベース450は、証券会社120の顧客により開設されている証券口座に関する入出記録や残高情報等の証券口座情報が記録されるデータベースであり、名義人451と、証券口座番号452と、銀行口座番号453と、預金残高454とが関連付けて格納される。なお、証券口座データベース450には、入出金の日付等が格納されるものの、ここでの説明は省略する。
バッチ処理用データベース455は、証券会社120の顧客により開設されている証券口座に関する入出記録や残高情報等の証券口座情報が記録されるデータベースであり、名義人456と、証券口座番号457と、銀行口座番号458と、預金残高459とが関連付けて格納される。ここで、証券口座データベース450およびバッチ処理用データベース455には、バッチ処理時間帯以外の時間帯では同一の情報が格納されるものの、バッチ処理時間帯では証券口座データベース450にのみ情報が格納される。そして、バッチ処理時間帯における所定の時刻に、証券口座データベース450に格納されている情報がバッチ処理用データベース455に反映されて格納される。なお、バッチ処理用データベース455には、入出金の日付等が格納されるものの、ここでの説明は省略する。
振替予約金メモリ490は、銀行サーバ300のバッチ処理時間帯において、証券口座から銀行口座へのユーザの手動操作による口座振替がされた場合に、その振替金額が記録されるメモリであり、名義人491と、証券口座番号492と、銀行口座番号493と、振替予約金額494とが関連付けて格納される。
また、銀行110に開設されている銀行口座と、証券会社120に開設されている証券口座との間では、口座振替をすることができる。なお、証券口座データベース450と、バッチ処理用データベース455と、振替予約金メモリ490と、証券買付余力拘束金メモリ570と、別段預金履歴メモリ580と、株式売買履歴メモリ590とは、銀行口座番号によって関連付けられているものとする。
ここで、ユーザ(甲田)150がネットワーク140を介して証券サーバ400との間でオンライン証券取引をしている場合において、実際の有価証券の取引は、銀行110に預金されている証券会社120の普通預金口座(普通預金口座データベース350)を用いて売買が行われている。
このように、オンライン証券取引をしているユーザ150には、証券会社120に銀行110と同じような証券口座が存在するかのように見せているものの、実際には、銀行110における証券会社120の普通預金口座が、その証券口座として機能している。すなわち、上述した、銀行110に開設されている銀行口座と、証券会社120に開設されている証券口座との間で行われる資金の振替は、実際の資金上は、銀行110に開設されている顧客の普通預金口座と、銀行110に開設されている証券会社120の普通預金口座との間で行われる資金のやりとりということになる。また、証券システム(証券サーバ400)は、外部に対して有価証券等の売買の指示を適宜出している。
ただし、証券システム上には、証券会社の普通預金口座へどんな資金の入出力があったかを記録するデータが、バッチ処理用データベース455および証券口座データベース450に記録されている。ユーザに提供される証券口座の残高情報は、この入出力における最新の情報に基づいて決められている。
例えば、甲田の普通預金口座から甲田の証券口座に、10,000円を振り替える場合には、顧客端末200がネットワーク140を介して証券サーバ400との間でオンライン証券取引をしている場合において、甲田の普通預金口座から甲田の証券口座に10,000円を振り替える旨の操作入力を、甲田が顧客端末200から行う。この操作入力を証券サーバ400が受け付けると、甲田の普通預金口座から証券会社の証券口座に10,000円を振り替える旨の口座振替要求を、銀行サーバ300に送信する。
この口座振替要求を銀行サーバ300が受信すると、図4に示す普通預金口座データベース350の甲田の預金残高354の「1,000,000円」から「10,000円」を減算して甲田の預金残高354を「990,000円」とし、図4に示す普通預金口座データベース350の証券会社の預金残高354の「200,000,000円」に「10,000円」を加算して、証券会社の預金残高354を「200,010,000円」とする。これらの処理が終了すると、銀行サーバ300は、証券サーバ400に入金処理完了通知を送信する。
証券サーバ400は、銀行サーバ300からの入金処理完了通知を受信すると、バッチ処理用データベース455および証券口座データベース450に記録されている甲田の証券口座の残高「2,000,000円」に「10,000円」を加算して、甲田の証券口座の残高を「2,010,000円」とする。なお、これは、通常時における処理であり、バッチ処理時間帯には、図24および図25に示す処理により口座振替が行われる。また、甲田の証券口座から甲田の普通預金口座に、10,000円を振り替える場合についても同様に口座振替が行われる。また、ユーザの手動操作による口座振替については、図19乃至図25を参照して詳細に説明する。
図8は、証券買付余力拘束金メモリ570に格納されている各情報を概略的に示す図である。
証券買付余力拘束金メモリ570は、資金移動ステータスとして自動が設定されている場合において、証券口座データベース450に一時的に格納されている金額を、同日に行われた株式の買付に係る証券買付余力拘束金額として拘束する場合に、この証券買付余力拘束金額が記録されるメモリである。なお、証券買付余力拘束金メモリ570に証券買付余力拘束金額として記録された金額が、証券口座データベース450から減算される。また、証券買付余力拘束金メモリ570は、名義人571と、証券口座番号572と、銀行口座番号573と、証券買付余力拘束金額574とが関連付けて格納される。
図9は、別段預金履歴メモリ580に格納されている各情報を概略的に示す図である。
別段預金履歴メモリ580は、別段預金口座データベース360の顧客の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座に資金が移動された場合に、この資金移動履歴が格納されるメモリであり、その資金移動に係る顧客の銀行口座番号581と、その資金移動に係る月日582と、その資金移動に係る金額である証券会社への入金額583とが格納される。
図10は、株式売買履歴メモリ590に格納されている各情報を概略的に示す図である。
株式売買履歴メモリ590は、顧客端末200と証券サーバ400との間でオンライン証券取引をしている場合に行われた株式の売買に関する履歴が格納されるメモリであり、銀行口座番号591と、月日592と、売買593と、概算約定金額594と、確定金額595と、株式の銘柄596と、株式の取得時における単価(取得時における株価)である株式の単価597と、株式の取得数量(取得された株式が何株であるかを示す数)である売買数量598と、資金移動ステータス599とが関連付けて格納される。売買593には、株式の売りまたは買付に応じて「売」または「買」が格納される。概算約定金額594には、株式の買付の際における概算買付約定金額が格納される。確定金額595には、株式の売買に応じた確定売り金額または確定買付金額が格納される。また、資金移動ステータス599には、株式の売買が行われた際における資金移動ステータスとして、図6に示す資金移動ステータス118および128に格納されるフラグと同一のフラグが格納される。また、図5に示すネットワーク通信制御部470を介して取得された市場情報(例えば、単位株価)によって、株式売買履歴メモリ590に記録されている株式の現在の評価額が計算される。
次に、証券取引システム100において銀行110を介して証券会社120の証券口座を開設する場合について図面を参照して詳細に説明する。
図11は、銀行サーバ300にログインして、顧客端末200から証券会社120の証券口座を開設する場合における表示画面の遷移を示す図である。これらの表示画面については、図12に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図12は、銀行サーバ300にログインして、顧客端末200から証券会社120の証券口座を開設する場合における証券口座開設処理を示すシーケンスチャートである。本発明の実施の形態では、銀行サーバ300を介して証券口座を開設する顧客は、銀行サーバ300を設置する銀行110の銀行口座を所有し、顧客端末から銀行サーバ300にログインすることを想定する。この例では、銀行110の銀行口座を所有するユーザ150が顧客端末200を用いて、銀行サーバ300を介して証券会社120の証券口座を開設する場合について説明する。また、この例では、顧客端末200の表示部250に表示されている銀行110のホームページにおいて、ユーザ150が顧客端末200を用いて、「銀行ログイン」ボタンを押下することにより、銀行取引ログイン画面を銀行サーバ300に要求する場合について説明する。
ユーザ150が、銀行サーバ300を介して証券会社120の証券口座を開設する場合には、銀行サーバ300にログインする必要がある。そこで、ネットワーク140を介して銀行110との間でオンライン取引をするための銀行取引ログイン画面を要求する旨の操作入力を、ユーザ150が顧客端末200の操作受付部260において行うと、顧客端末200から銀行サーバ300に銀行取引ログイン画面要求が送信される(701)。そして、銀行サーバ300が銀行取引ログイン画面要求を受信すると(702)、銀行取引ログイン画面要求を送信した顧客端末200に銀行取引ログイン画面を送信する(703)。
銀行サーバ300から銀行取引ログイン画面を顧客端末200が受信すると(704)、表示部250に銀行取引ログイン画面を表示する(705)。これにより、ユーザ150にログインに必要な情報の入力を促す。本発明の実施の形態では、顧客端末200から銀行サーバ300にログインする場合に必要な情報は、銀行口座番号および銀行ログインパスワードとする。
図11(a)には、表示部250に表示(705)される表示画面500の一部に銀行取引ログイン画面501が設けられている例を示す。銀行取引ログイン画面501には、カーソル502と、銀行口座番号入力領域503と、銀行ログインパスワード入力領域504と、「確認」ボタン505とが設けられている。ユーザ150が銀行サーバ300にログインする場合には、銀行取引ログイン画面501において、銀行口座番号入力領域503にユーザ150の銀行口座番号「012345」を入力するとともに、銀行ログインパスワード入力領域504に銀行ログインパスワード「abcde(実際の画面ではセキュリティの観点から非表示となるため、図11(a)では「*****」で示す)」を入力して、カーソル502を用いて「確認」ボタン505を押下する。これにより、入力された銀行口座番号および銀行ログインパスワードを含む銀行ログイン情報が銀行サーバ300に送信される(706)。
銀行サーバ300が顧客端末200から銀行ログイン情報を受信すると(707)、受信された銀行ログイン情報に含まれる銀行口座番号および銀行ログインパスワードと、顧客情報データベース340に格納されている銀行顧客管理情報111に記録されている銀行口座番号および銀行ログインパスワードとを比較して認証処理を行う(708)。銀行サーバ300は、2つの銀行口座番号および銀行ログインパスワードが一致した場合には、認証処理による認証が成功と判断し、顧客端末200のログインを許可し、銀行取引画面を顧客端末200に送信する(709)。
顧客端末200が銀行取引画面を受信すると(710)、銀行取引画面を表示部250に表示する(711)。
図11(b)には、表示部250に表示(711)される表示画面506の一部に銀行取引画面507が設けられている例を示す。銀行取引画面507には、カーソル510と、「外貨取引」ボタン508と、「証券口座開設」ボタン509とが設けられている。「外貨取引」ボタン508は、銀行サーバ300にログインされている場合において外貨取引を開始する際に押下するボタンである。「証券口座開設」ボタン509は、銀行サーバ300にログインされている場合において顧客端末200から証券会社120の証券口座を開設する場合に押下するボタンである。なお、銀行取引画面507には、「外貨取引」ボタン508および「証券口座開設」ボタン509のみを示すが、銀行取引画面507に他の取引ボタンを設けることができる。
銀行サーバ300にログインされている場合において顧客端末200から証券会社120の証券口座を開設する場合には、銀行取引画面507において、カーソル510を用いて「証券口座開設」ボタン509を押下する。これにより、顧客端末200から銀行サーバ300に証券口座開設申込画面要求が送信される(712)。
銀行サーバ300が顧客端末200から証券口座開設申込画面要求を受信すると(713)、証券口座開設申込画面要求を送信した顧客端末200に証券口座開設申込画面を送信する(714)。
顧客端末200が証券口座開設申込画面を受信すると(715)、証券口座開設申込画面を表示部250に表示する(716)。
図11(c)には、表示部250に表示(716)される表示画面511の一部に証券口座開設申込画面512が設けられている例を示す。証券口座開設申込画面512には、証券ログインパスワード入力領域513と、証券執行パスワード入力領域514と、書誌的事項入力領域515と、「確認」ボタン516と、カーソル517とが設けられている。ユーザ150が銀行110を介して証券会社120との間でオンライン証券取引をするための証券口座を開設する申込をする場合には、証券口座開設申込画面512において、証券ログインパスワード入力領域513および証券執行パスワード入力領域514に所望のパスワードを入力するとともに、書誌的事項入力領域515に、氏名、住所等の所定事項を入力して、カーソル517を用いて「確認」ボタン516を押下する。これにより、入力された証券ログインパスワードと証券執行パスワードと書誌的事項とを含む証券口座開設申込情報が銀行サーバ300に送信される(717)。
銀行サーバ300が証券口座開設申込情報を受信すると(718)、受信された証券口座開設申込情報を証券サーバ400に送信する(719)。
証券サーバ400が、銀行サーバ300から証券口座開設申込情報を受信すると(720)、証券ログインIDを作成するとともに、受信された証券口座開設申込情報に含まれる書誌的事項、証券ログインパスワード、証券執行パスワード、銀行口座番号等と、作成された証券ログインIDとを、顧客情報データベース440に格納されている証券顧客管理情報121に関連付けて記録する(722)。また、顧客毎に証券口座番号、証券支店番号が付与されるとともに、対応する銀行口座番号と証券口座番号および証券支店番号とが、証券顧客管理情報121に関連付けて記録される。例えば、図6(b)に示すように、ユーザ150の顧客情報として「甲田一郎」に関する各情報が記録される。
続いて、証券サーバ400は、作成された証券ログインIDを銀行サーバ300に送信する(723)。銀行サーバ300が証券ログインIDを受信すると(724)、銀行顧客管理情報111の対応する証券ログインID117に関連付けて記録する(725)。
ここで、証券ログインIDは、証券サーバ400がランダムに作成するようにしてもよく、予め決められたアルゴリズムに基づいて作成するようにしてもよい。また、証券口座番号は、銀行口座番号と同じ番号を用いるようにしてもよい。ここで、証券口座番号を銀行口座番号と同じ番号にする場合には、銀行サーバ300から送信された銀行口座番号と同じ番号を、証券サーバ400が証券口座番号として証券顧客管理情報121に記録する(722)。また、証券サーバ400が証券口座番号を採番する場合には、採番された証券口座番号を証券ログインIDとともに銀行サーバ300に送信する(723)。
また、証券サーバ400が、銀行サーバ300から証券口座開設申込情報を受信すると(720)、証券サーバ400が証券口座申込書類を作成する。そして、作成された証券口座申込書類を、顧客端末200において証券口座開設申込操作を行ったユーザ150に通知(郵送等)する。証券口座申込書類を受け取ったユーザ150から、印鑑書面や本人確認書類等の証券口座開設に必要な書類が送り返されると、証券会社120において証券口座が開設される。これにより、銀行サーバ300にログインして、顧客端末200から証券会社120の証券口座を開設する手続が完了する。
以上で示したように、口座開設申込処理が終了すると、図6(a)および(b)に示すように、銀行顧客管理情報111および証券顧客管理情報121に必要な情報が格納される。このように、銀行サーバ300または証券サーバ400において認証等に用いられるパスワードについては、個々のシステム上で保管するものとする。これは、セキュリティの観点からネットワーク上をパスワードが移動しないことが望ましいためである。また、パスワードを変更する場合においては、銀行サーバ300または証券サーバ400の各サーバにおいてのみ変更すればよいため、セキュリティ保護を強化することができるとともに、二重登録によって銀行サーバ300および証券サーバ400間でパスワードが異なってしまうことを防止することができる。
次に、銀行110を介してユーザ150が証券会社120との間で行うオンライン証券取引を開始する場合における顧客端末200から証券サーバ400へのログインについて図面を参照して詳細に説明する。
図13は、銀行サーバ300を介して顧客端末200から証券サーバ400にログインする場合において、銀行サーバ300から証券サーバ400に送信される認証処理情報の一例である認証処理情報160の構成を示す図である。
認証処理情報160は、顧客端末200から証券サーバ400にログインする場合において、専用回線130を介して銀行サーバ300から証券サーバ400に送信される情報であって、証券サーバ400における認証処理に最低限必要な情報である。認証処理情報160は、例えば、銀行口座番号161と、文字列162と、証券口座番号163と、文字列164と、証券ログインID165と、ハッシュ値166とで構成される。
銀行口座番号161と証券口座番号163と証券ログインID165とのそれぞれは、銀行顧客管理情報111から読み出されたものである。また、文字列162および文字列164は、銀行サーバ300においてランダムに発生させたランダムな数値や文字列であり、銀行口座番号161と証券口座番号163と証券ログインID165とのそれぞれの文字列間に挿入される。ここで、銀行口座番号161、文字列162、証券口座番号163、文字列164、証券ログインID165のそれぞれは、予め決められた固定長であるものとする。
ハッシュ値166は、銀行口座番号161、文字列162、証券口座番号163、文字列164、証券ログインID165で構成される連続する文字列から算出されたハッシュ値であり、この連続する文字列の最後に付加される。そして、ハッシュ値166が付加された文字列である認証処理情報160が、専用回線130を介して銀行サーバ300から証券サーバ400に送信される。
証券サーバ400は、銀行サーバ300から認証処理情報160を受信すると、受信された認証処理情報160を構成する文字列からハッシュ値166を取り除き、ハッシュ値166を取り除いた文字列からハッシュ値を計算する。そして、算出されたハッシュ値と、取り除いたハッシュ値166とを比較して、これらのハッシュ値が同じ値であれば、改ざん等がされていないと判断して、認証処理情報160を構成する文字列から文字列162および文字列164を抽出して、銀行口座番号161と証券口座番号163と証券ログインID165とのそれぞれを取得する。このように、証券サーバ400が認証処理情報160を解読する場合に、各文字列が予め決められた固定長であるため、必要な情報を取得することができる。これにより、外部からの解読や改ざんを、さらに高いレベルで防止することができる。
なお、この例では、認証処理情報160を構成する文字列として、銀行口座番号161、証券口座番号163、証券ログインID165を用いる場合について説明したが、銀行支店番号等の他の情報を追加して用いるようにしてもよい。
次に、顧客端末200から証券サーバ400にログインする場合に用いられるログイン経路情報について詳細に説明する。
本発明の実施の形態では、証券サーバ400にログインする方法として、2系統のログイン方法が存在する。具体的には、顧客端末200から銀行サーバ300を経由した経路を用いる通常時のログイン方法と、顧客端末200からネットワーク140を経由した経路を用いる非常時のログイン方法とを用いる。また、この経路を介して受信されるログイン情報の認証処理には、証券サーバ400によりユーザに提示されたログイン画面からのログイン情報であるか否かを示すログイン経路情報が用いられる。ここで、通常時とは、例えば、銀行サーバ300の取引システムに障害等が発生しておらず、顧客端末200から銀行サーバ300にログインすることが可能な状態を意味する。また、非常時とは、例えば、銀行サーバ300の取引システムに何らかのトラブルが発生しているために、顧客端末200から銀行サーバ300にログインすることが不可能な状態を意味する。
このログイン経路情報は、例えば、「0」または「1」を示すフラグ情報であり、通常時のログイン方法では「0」が送信され、非常時のログイン方法では「1」が送信される。すなわち、通常時の銀行サーバ300から証券サーバ400へのログイン情報であれば、ログイン経路情報として「0」が送信され、非常時の顧客端末200から証券サーバ400へのログイン情報であれば、ログイン経路情報として「1」が送信される。このログイン経路情報と、他のログイン情報とが正しいことが認証された場合にのみ、証券サーバ400へのログインが許可される。このように、ログイン経路情報を用いることによって、さらに確かな認証処理を行うことができる。
例えば、通常時には、証券サーバ400が常にログイン経路情報「0」のログインのみを受け付けるように、ログイン経路情報が設定される。そのため、ログイン経路情報が「1」のログインについては、ログインIDやログインパスワードが正しくても証券サーバ400へのログインが認められない。
一方、非常時には、証券サーバ400が常にログイン経路情報「1」のログインのみを受け付けるように、ログイン経路情報が設定される。これにより、証券サーバ400への不正なアクセスを防止するとともに、銀行サーバ300の取引システムに障害等のトラブルが発生した場合であっても、セキュリティを維持して顧客端末200から証券サーバ400へのログインすることができる。
ここで、例えば、ログイン画面の格納場所を頻繁に移動すると、他のページとのリンク処理等のメンテナンスが煩雑となるため、非常用ログイン画面のURLはある程度固定することになる。しかしながら、非常用ログイン画面のURLを不正に取得された場合には悪用されるおそれがある。そこで、ログイン経路情報を用いることによって、非常用ログイン画面のURLが不正に入手され、正しいログインIDおよびパスワードが入力された場合でも、その不正なログインを阻止することができる。また、これらの2系統のログイン方法に用いる経路として、一方のみをログイン可能とし、他方をログイン不可とする仕組みを採用するようにしてもよい。
また、ログイン経路情報として、フラグ情報「0」または「1」の代わりに、顧客端末200から送信される他の情報を用いることができる。例えば、顧客端末200においてインターネット接続するためのブラウザが用いられる場合、ブラウザから出力される環境変数HTTP_REFERERに保持されるリンク元URLをログイン経路情報として利用することができる。
次に、通常時における顧客端末200から証券サーバ400へのログイン処理について図面を参照して詳細に説明する。
図14は、銀行サーバ300を介して顧客端末200から証券サーバ400にログインする場合における表示画面の遷移を示す図である。これらの表示画面については、図15に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図15は、銀行サーバ300を介して顧客端末200から証券サーバ400にログインする場合におけるログイン処理を示すシーケンスチャートである。
通常時に、ユーザ150が、銀行サーバ300を介して顧客端末200から証券サーバ400にログインしてオンライン証券取引をする場合には、顧客端末200から銀行サーバ300にログインする必要がある。この顧客端末200から銀行サーバ300へのログイン処理において、図15に示す731乃至739の各手順は、図12に示す701乃至709の各手順と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、図14(a)に示す表示画面500は、図15に示す735の表示の一例を示す画面であり、この表示画面500は、図11(a)に示す表示画面500と同様であるため、ここでの説明を省略する。
図15に示すように、顧客端末200が銀行取引画面を受信すると(740)、銀行取引画面を表示部250に表示する(741)。
図14(b)には、表示部250に表示(741)される表示画面520の一部に銀行取引画面521が設けられている例を示す。銀行取引画面521には、カーソル522と、「外貨取引」ボタン523と、「証券取引」ボタン524とが設けられている。「外貨取引」ボタン523は、図11(b)に示す「外貨取引」ボタン508と同様である。「証券取引」ボタン524は、銀行サーバ300を介して証券サーバ400にログインして証券取引を開始する場合に押下するボタンである。なお、銀行取引画面521には、「外貨取引」ボタン508および「証券取引」ボタン524のみを示すが、銀行取引画面521に他の取引ボタンを設けることができる。
このように、ユーザ150は、顧客端末200が銀行サーバ300にログインしている状態において、銀行取引画面521を用いて外貨預金取引等の銀行取引を行うことができる。また、証券サーバ400にログインして証券取引を開始する操作においても、銀行取引画面521を用いて行うことができる。これにより、従来の銀行および証券の垣根をユーザに意識させずに、証券取引が銀行取引の一部であるかのようにすることができるユーザインタフェースを提供することができる。
銀行取引画面521において、ユーザ150により、「証券取引」ボタン524を押下する操作入力が操作受付部260にされると、顧客端末200から銀行サーバ300に証券取引要求が送信される(742)。顧客端末200からの証券取引要求を銀行サーバ300が受信すると(743)、銀行サーバ300は、図13に示す認証処理情報160を作成する(744)。すなわち、証券サーバ400における認証処理に最低限必要な情報として、銀行顧客管理情報111から、例えば、銀行口座番号161、証券口座番号163、証券ログインID165が読み出され、これらの間に文字列162および文字列164が挿入され、これらの連続する文字列からハッシュ値が算出され、これらの連続する文字列の最後にハッシュ値166が付加される。そして、専用回線130を介して銀行サーバ300から証券サーバ400に、ログイン経路情報として「0」が送信されるとともに、認証処理情報160が送信される(745)。
なお、ログイン経路情報としてURL情報を用いる場合には、銀行取引画面521で「証券取引」ボタン524が押下されると、銀行取引画面521に対応するURL情報(ログイン経路情報)および証券取引要求が顧客端末200から銀行サーバ300に送信され(742)、専用回線130を介して銀行サーバ300から証券サーバ400に、そのURL情報および認証処理情報160が送信される(745)。
証券サーバ400は、ログイン経路情報および認証処理情報160を受信すると(746)、「0」のログイン経路情報とともに送信された認証処理情報160のみを受け付けて、この認証処理情報160に基づいて認証処理を行う(747)。すなわち、受け付けられた認証処理情報160を構成する文字列からハッシュ値166を取り除き、ハッシュ値166を取り除いた文字列からハッシュ値が計算され、算出されたハッシュ値と、取り除いたハッシュ値166とが比較される。そして、これらのハッシュ値が同じ値である場合には、認証処理情報160を構成する文字列から文字列162および文字列164を抜き取り、銀行口座番号161と証券口座番号163と証券ログインID165とのそれぞれが取得される。さらに、取得された銀行口座番号161と同一番号の銀行口座番号が、証券顧客管理情報121から検索され、検索された同一番号の銀行口座番号と関連付けて証券顧客管理情報121に記録されている証券口座番号122および証券ログインID127と、取得された証券口座番号163および証券ログインID165とが比較され、これらが一致すれば、認証に成功したと判断される。そして、顧客端末200が証券サーバ400にログインする。
このように、ログイン経路情報を認証に用いることによって、さらに確かな認証作業を行うことが可能となる。
続いて、ネットワーク140を介して証券サーバ400から顧客端末200に証券取引画面が送信される(748)。証券サーバ400からの証券取引画面を顧客端末200が受信すると(749)、受信された証券取引画面を表示部250に表示する(750)。
図14(c)には、表示部250に表示(750)される表示画面530の一部に証券取引画面531が設けられている例を示す。証券取引画面531には、「現物売り」ボタン533と、「現物買い」ボタン534と、「資金移動ステータス自動設定」ボタン535と、「資金移動ステータス自動解除」ボタン536とが設けられている。証券取引画面531において、カーソル532を用いて、「現物売り」ボタン533または「現物買い」ボタン534を押下することにより、ユーザ150が証券会社120との間でオンライン証券取引をすることができる。なお、「資金移動ステータス自動設定」ボタン535と、「資金移動ステータス自動解除」ボタン536とについては、図26乃至図29を参照して詳細に説明する。なお、証券取引画面531には、「現物売り」ボタン533と、「現物買い」ボタン534と、「資金移動ステータス自動設定」ボタン535と、「資金移動ステータス自動解除」ボタン536とを示すが、証券取引画面531に他の取引ボタンを設けることができる。
これにより、ユーザは高いセキュリティレベルを保ったままで異なるシステムにおけるログイン時においても従来のようにログイン時のパスワード入力等の煩わしい手続を経ることなく証券システムにログイン可能となる。ログイン後、証券取引については証券システムが銀行システムとは独立した形で取引の場が提供される。
次に、非常時における顧客端末200から証券サーバ400へのログイン処理について図面を参照して詳細に説明する。
図16は、銀行サーバ300を介さないで顧客端末200から証券サーバ400に直接ログインする場合における表示画面の遷移を示す図である。これらの表示画面については、図17に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図17は、銀行サーバ300を介さないで顧客端末200から証券サーバ400に直接ログインする場合におけるログイン処理を示すシーケンスチャートである。
何らかの理由で銀行110内における取引システム等がダウンしている場合等のような非常時には、顧客端末200から銀行サーバ300にログインすることができない。このような場合には、顧客端末200から証券サーバ400に直接ログインして、顧客端末200と証券サーバ400との間でオンライン証券取引をすることができる。この例では、銀行サーバ300の取引システムに障害が発生して、銀行サーバ300にログインができない状態であるものとする。
ユーザ150が、証券会社120との間でオンライン証券取引を行う場合には、ネットワーク140を介して顧客端末200から銀行110のWebサーバにアクセスして、顧客端末200の表示部250に銀行110のホームページを表示させ、このホームページにおいて、ユーザ150が顧客端末200を用いて、「銀行ログイン」ボタンを押下する。しかしながら、銀行サーバ300の取引システムには障害が発生している場合には、銀行110のホームページには「銀行ログイン」ボタンが表示されず、銀行システムがダウンしている旨のメッセージと、証券システムに直接ログインするためのリンク先とが表示される(765)。
図16(a)には、表示部250に表示(765)される銀行110のホームページ画面540の一部に、銀行システムがダウンしている旨のメッセージと、証券システムに直接ログインするためのリンク先とを含むお知らせ画面541が設けられている例を示す。お知らせ画面541には、カーソル542と、銀行システムがダウンしている旨を示すメッセージ543と、証券システムに直接ログインするためのリンク情報(URL)544とが設けられている。ユーザ150が証券サーバ400に直接ログインする場合には、お知らせ画面541において、カーソル542を用いてリンク情報(URL)544をクリックする。また、銀行サーバ300の取引システムに障害が発生している場合においては、証券システムに直接ログインするためのリンク情報を、証券会社120のホームページで表示するようにしてもよい。
お知らせ画面541において、ユーザ150により操作受付部260からリンク情報(URL)544をクリックする旨の操作入力がされると、リンク情報に基づいて顧客端末200が証券サーバ400にアクセスし、証券取引ログイン画面要求を送信する(766)。
証券サーバ400が顧客端末200からのアクセスを受けて証券取引ログイン画面要求を受信すると(767)、証券取引ログイン画面を顧客端末200に送信する(678)。証券サーバ400から証券取引ログイン画面を顧客端末200が受信すると(769)、証券取引ログイン画面を表示部250に表示する(770)。これにより、証券システムに直接ログインするために必要な情報の入力をユーザ150に促す。本発明の実施の形態では、顧客端末200から証券サーバ400に直接ログインする場合に必要な情報は、証券口座番号および証券ログインパスワードとする。
図16(b)には、表示部250に表示(770)される表示画面550の一部に証券取引ログイン画面551が設けられている例を示す。証券取引ログイン画面551には、カーソル552と、証券口座番号入力領域553と、証券ログインパスワード入力領域554と、「確認」ボタン555とが設けられている。非常時において、顧客端末200が証券サーバ400に直接ログインする場合には、証券取引ログイン画面551において、証券口座番号入力領域553にユーザ150の証券口座番号「1012345」を入力するとともに、証券ログインパスワード入力領域554に証券ログインパスワード「edcba(実際の画面ではセキュリティの観点から非表示となるため、図16(b)では「*****」で示す)」を入力して、カーソル552を用いて「確認」ボタン555を押下する。これにより、証券サーバ400が送信した証券取引ログイン画面からのログイン要求であることを示すログイン経路情報「1」と、入力された証券口座番号および証券ログインパスワードとを含む証券ログイン情報が証券サーバ400に送信される(771)。なお、証券ログインパスワードは、口座開設時にユーザにより設定されてユーザにのみ通知されたパスワードであり、非常時におけるログイン処理にのみ使用される。
また、ログイン経路情報としてURL情報を用いる場合には、証券取引ログイン画面551で「確認」ボタン555が押下されると、証券取引ログイン画面551に対応するURL情報(ログイン経路情報)と、入力された証券口座番号および証券ログインパスワードとを含む証券ログイン情報が証券サーバ400に送信される(771)。
証券サーバ400は、証券ログイン情報およびログイン経路情報を受信すると(772)、「1」のログイン経路情報とともに送信された証券ログイン情報のみを受け付けて、この証券ログイン情報に基づいて認証処理を行う(773)。すなわち、受け付けられた証券ログイン情報に含まれる証券口座番号および証券ログインパスワードと、顧客情報データベース440に格納されている証券顧客管理情報121に記録されている証券口座番号および証券ログインパスワードとを比較して認証処理を行う(773)。証券サーバ400は、2つの証券口座番号および証券ログインパスワードが一致した場合には、認証処理による認証が成功と判断し、顧客端末200のログインを許可し、証券取引画面を顧客端末200に送信する(774)。
このように、ログイン経路情報を認証に用いることによって、さらに確かな認証作業を行うことが可能となる。
顧客端末200が証券取引画面を受信すると(775)、証券取引画面を表示部250に表示する(776)。
図16(c)には、表示部250に表示(776)される表示画面560の一部に証券取引画面561が設けられている例を示す。証券取引画面561には、「現物売り」ボタン563と、「現物買い」ボタン564とが設けられている。証券取引画面561においては、図14に示す証券取引画面531と同様に、ユーザ150が証券会社120との間でオンライン証券取引をすることができる。なお、証券取引画面561には、「現物売り」ボタン563および「現物買い」ボタン564のみを示すが、証券取引画面561に他の取引ボタンを設けることができる。
これにより、何らかの理由で銀行システムに障害が発生したような場合であっても、ユーザは高いセキュリティレベルを保ったままで、通常時とは異なるログイン処理により、証券システムにログイン可能となる。ログイン後は、証券取引については通常の証券システムが提供される。
次に、本発明の実施の形態における証券サーバ400の動作について図面を参照して説明する。
図18は、証券サーバ400による認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、銀行サーバ300からログイン情報が受信されたか否かが判断される(ステップS901)。すなわち、銀行サーバ通信制御部460によりログイン情報が受信されたか否かが判断される。顧客端末200からログイン情報が受信されていなければ(ステップS901)、顧客端末200からログイン情報が受信されたか否かが判断される(ステップS902)。すなわち、ネットワーク通信制御部470によりログイン情報が受信されたか否かが判断される。顧客端末200からログイン情報が受信されていなければ(ステップS902)、認証処理の動作を終了する。
銀行サーバ300からログイン情報が受信された場合には(ステップS901)、受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「0」であるか否かが判断される(ステップS903)。受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「0」でない場合には(ステップS903)、不正なログインであると判断され、ログイン情報を送信した装置にエラー画面が送信される(ステップS910)。
受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「0」である場合には(ステップS903)、ログイン情報に含まれる認証処理情報を構成する文字列に基づいてハッシュ値が計算され、算出されたハッシュ値と、認証処理情報に含まれるハッシュ値とが比較され、これらのハッシュ値が一致するか否かが判断される(ステップS905)。そして、算出されたハッシュ値と、認証処理情報に含まれるハッシュ値とが一致する場合には(ステップS905)、認証処理情報から取り出された銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDと、証券顧客管理情報121に記録されている銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDとが比較され、これらが一致するか否かが判断される(ステップS906)。
認証処理情報から取り出された銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDと、証券顧客管理情報121に記録されている銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDとが一致する場合には(ステップS906)、認証に成功したと判断され、証券取引画面がネットワーク140を介して顧客端末200に送信される(ステップS907)。
一方、ステップS904で算出されたハッシュ値と、認証処理情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合(ステップS905)、または、認証処理情報から取り出された銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDと、証券顧客管理情報121に記録されている銀行口座番号、証券口座番号、証券ログインIDとが一致しない場合には(ステップS906)、不正なログインであると判断され、ログイン情報を送信した装置にエラー画面が送信される(ステップS910)。
また、顧客端末200からログイン情報が受信された場合には(ステップS902)、受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「1」であるか否かが判断される(ステップS908)。受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「1」でない場合には(ステップS908)、不正なログインであると判断され、ログイン情報を送信した装置にエラー画面が送信される(ステップS910)。
受信されたログイン情報に含まれるログイン経路情報が「1」である場合には(ステップS908)、ログイン情報に含まれる証券口座番号および証券ログインパスワードと、証券顧客管理情報121に記録されている証券口座番号および証券ログインパスワードとが比較され、これらが一致するか否かが判断される(ステップS909)。
ログイン情報に含まれる証券口座番号および証券ログインパスワードと、証券顧客管理情報121に記録されている証券口座番号および証券ログインパスワードとが一致する場合には(ステップS909)、認証に成功したと判断され、証券取引画面がネットワーク140を介して顧客端末200に送信される(ステップS907)。
一方、ログイン情報に含まれる証券口座番号および証券ログインパスワードと、証券顧客管理情報121に記録されている証券口座番号および証券ログインパスワードとが一致しない場合には(ステップS909)、不正なログインであると判断され、ログイン情報を送信した装置にエラー画面が送信される(ステップS910)。
このように、通常時には、銀行サーバ300から証券サーバ400にログインする場合における認証処理において、ユーザには見えない2種類のログインIDおよびログイン経路情報を含むログイン情報を用いることによって、安全性を高めることができる。
また、非常時には、顧客端末200から証券サーバ400に直接ログインする場合における認証処理においては、証券口座番号および証券ログインパスワードと、ログイン経路情報とを用いることによって、安全性を高めることができる。また、直接ログインすることにより、銀行システムがダウンしている場合においても証券システムで閉じている業務(株式売買の発注等)を、顧客端末200から行うことができる。この場合に、銀行システムがダウン中でも、証券システムにおいて取引があった場合の資金管理を、通常通りの証券システム内の記憶部に証券口座毎にステータステーブル(売買情報)が設けられているため、この情報に基づいて証券口座残高情報が更新され、資金が管理される。
次に、資金移動ステータスとして通常が設定されている状態で、ユーザ150がネットワーク140を介して証券サーバ400との間でオンライン証券取引をしている場合において、顧客の銀行口座と顧客の証券口座との間で資金を移動する口座振替について図面を参照して詳細に説明する。
図19乃至図21は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合において、表示部250に表示される口座振替を行うための表示画面の一例を示す図である。この表示画面については、図22に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図22は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における口座振替処理を示すシーケンスチャートである。この例では、甲田(ユーザ150)が顧客端末200を用いて口座振替処理をする場合について説明する。
最初に、顧客端末200に表示されている証券取引画面において、口座振替画面を要求する旨の操作入力が、操作受付部260において受け付けられると、口座振替画面要求が証券サーバ400に送信される(821)。顧客端末200からの口座振替画面要求を証券サーバ400が受信すると(822)、証券口座データベース450に格納されている甲田の証券口座の預金残高454を証券口座残高情報として取得する(823)。例えば、図7に示す証券口座データベース450の甲田の預金残高454の「2,000,000円」が取得される。
続いて、専用回線130を介して、甲田の普通預金口座の預金残高の送信要求を銀行サーバ300に送信する(824)。甲田の銀行口座残高情報要求を銀行サーバ300が受信すると(825)、甲田の普通預金口座の預金残高を証券サーバ400に送信する(826)。例えば、図4に示す普通預金口座データベース350の甲田の預金残高354の「1,000,000円」が送信される。
証券サーバ400は、甲田の預金残高を銀行サーバ300から受信すると(827)、振替予約金メモリ490に記憶されている甲田の振替予約金を確認して、振替予約金メモリ490に甲田の振替予約金が存在する場合には、振替予約金メモリ490から甲田の振替予約金を取得する(828)。例えば、図7に示すように、振替予約金メモリ490には、甲田の振替予約金額494として「500,000円」が記憶されているため、振替予約金メモリ490から甲田の振替予約金「500,000円」が取得される。
続いて、証券サーバ400は、取得された普通預金口座の預金残高と、証券口座の預金残高と、振替予約金とが記載された口座振替画面を、顧客端末200に送信する(829)。証券サーバ400からの口座振替画面を顧客端末200が受信すると(830)、受信された口座振替画面を表示部250に表示する(831)。
図19は、表示部250に表示(831)される表示画面の一例である口座振替画面630を示す図である。口座振替画面630には、カーソル631と、銀行口座および証券口座の預金残高表示領域632と、「更新」ボタン633と、振替区分選択領域634と、振替金額入力領域635と、「振替確認」ボタン636と、「クリア」ボタン637とが設けられている。
銀行口座および証券口座の預金残高表示領域632には、証券サーバ400により取得された普通預金口座の預金残高と、証券口座の預金残高と、振替予約金とがそれぞれ表示されている。例えば、「証券口座(円)」の「振替可能金額」の欄には、図7に示す証券口座データベース450の甲田の預金残高454の「2,000,000円」が表示される。また、「証券口座(円)」の「振替予約金額」の欄には、図7に示す振替予約金メモリ490の甲田の振替予約金「500,000円」が表示される。また、「銀行口座(円)」の「振替可能金額」の欄には、図4に示す普通預金口座データベース350の甲田の預金残高354の「1,000,000円」が表示される。
ここで、振替予約金額は、振替処理が即日で行われる即時振替時間帯以外の時間帯であるバッチ処理時間帯で振替指示が行われた場合に、即日で各口座へ資金が振り替えされない資金を示すものである。このバッチ処理は、銀行110のシステムメンテナンス等のために行われる処理である。なお、即時振替時間帯およびバッチ処理時間帯については、図23を参照して詳細に説明する。
例えば、図7に示す振替予約金メモリ490では、甲田の証券口座から甲田の普通預金口座への振替処理に際して、「500,000円」の資金が予約されており、翌日以降に銀行口座へ振り替えされることを示している。
「更新」ボタン633は、普通預金口座の預金残高について、最新の預金残高を取得する場合に押下するボタンである。「更新」ボタン633が押下されると、証券サーバ400が銀行サーバ300から最新の預金残高を取得して、普通預金口座および証券口座の預金残高表示領域632に最新の預金残高を表示させることができる。
ここで、図22を参照して「更新」ボタン633が押下された場合について詳細に説明する。口座振替画面630において、「更新」ボタン633が押下されると、普通預金口座の最新の預金残高要求が証券サーバ400に送信される(832)。顧客端末200からの最新の預金残高要求を証券サーバ400が受信すると(833)、専用回線130を介して、甲田の普通預金口座の預金残高の送信要求を銀行サーバ300に送信する(834)。甲田の銀行口座残高情報要求を銀行サーバ300が受信すると(835)、甲田の普通預金口座の預金残高を証券サーバ400に送信する(836)。この場合には、現時点における最新の甲田の普通預金口座の預金残高が送信される。
証券サーバ400は、甲田の普通預金口座の預金残高を銀行サーバ300から受信すると(837)、受信された最新の普通預金口座の預金残高と、証券口座の預金残高と、振替予約金とが記載された口座振替画面を、顧客端末200に送信する(838)。証券サーバ400からの口座振替画面を顧客端末200が受信すると(839)、受信された口座振替画面を表示部250に表示する(840)。
普通預金口座へは第三者から振込みや第三者への引き落とし処理が発生する可能性があるため、振替処理に際して最新情報を取得することは重要である。「更新」ボタン633によって、普通預金口座の預金残高の最新情報を得ることができる。
振替区分選択領域634は、顧客に対して口座振替処理の方向を選択させる領域である。すなわち、「証券口座→銀行口座」の振替処理、または、「銀行口座→証券口座」の振替処理の何れかのラジオボタンを、カーソル631を用いてチェックすることにより選択することができる。
振替金額入力領域635は、振替区分選択領域634でチェックされた振替処理により振り替える振替金額を入力する領域である。
「振替確認」ボタン636は、振替区分選択領域634で振替処理がチェックされ、振替金額入力領域635に振替金額が入力された後に、図21に示す口座振替確認画面640に進むために押下するボタンである。
「クリア」ボタン637は、振替区分選択領域634でチェックされた振替処理や振替金額入力領域635に入力された振替金額を消去する場合に押下するボタンである。
図19に示すように、1つの画面で証券口座と銀行口座への入出金選択が可能であるため、ユーザに対して個々に画面を提示する必要がなく、円滑で利便性の高い取引ツールの提供が可能となる。また、1つの画面で銀行、証券口座間の資金移動をユーザに選択可能となっているため、更新ボタンにより最新情報を得ることができ、銀行口座資金が多ければ銀行口座から証券口座へ、逆に銀行口座資金が少なければ証券口座から銀行口座へと即時にユーザに判断させ選択可能としている。
図20は、図19に示す口座振替画面630において、振替区分選択領域634で「証券口座→銀行口座」の振替処理がチェックされ、振替金額入力領域635に振替金額として「1,000,000」が入力された場合を示す図である。図20に示す口座振替画面630において、カーソル641を用いて「振替確認」ボタン636が押下されると、図21に示す口座振替確認画面640が表示される。
図21は、図20に示す口座振替画面630において「振替確認」ボタン636が押下された後に表示される表示画面の一例である口座振替確認画面640を示す図である。口座振替確認画面640には、カーソル641と、口座振替内容表示領域642と、証券執行パスワード入力領域643と、「振替する」ボタン644と、「戻る」ボタン645とが設けられている。
口座振替内容表示領域642は、図19および図20に示す口座振替画面630において、振替区分選択領域634でチェックされた振替処理と、振替金額入力領域635に入力された振替金額と、振替日とを、顧客が確認することができるように、各口座振替内容を表示する領域である。例えば、振替日として「2007/12/08」が表示され、振替区分として「証券口座→銀行口座」が表示され、振替金額として「1,000,000円」が表示されている。
証券執行パスワード入力領域643は、口座振替内容表示領域642に表示されている内容で口座振替処理を実行する場合において、本人確認のために、証券執行パスワードを入力する領域である。
「振替する」ボタン644は、口座振替内容表示領域642に表示されている内容で口座振替処理を実行する場合において、証券執行パスワード入力領域643に証券執行パスワードが入力された後に押下するボタンである。すなわち、顧客が、証券執行パスワード入力領域643に証券執行パスワードを入力した後に、「振替する」ボタン644を押下すると、証券サーバ400により口座振替処理が実行される。この口座振替処理では、証券サーバ400において証券執行パスワードの認証処理が行われ、認証に成功したと判断されると、証券サーバ400から銀行サーバ300に対して、資金の入金または出金要求が送信される。なお、口座振替処理については、図23乃至図25を参照して詳細に説明する。
「戻る」ボタン645は、口座振替内容表示領域642に表示されている内容を修正する場合等に、直前に表示されていた口座振替画面630を表示させる場合に押下するボタンである。
図23は、銀行110内において行われる口座振替処理の時間帯の概略を示す図である。銀行110内において行われる口座振替処理は、即時振替時間帯t42と、バッチ処理時間帯t41およびt43との2つの時間帯に応じて処理される。
即時振替時間帯t42は、銀行サーバ300が口座振替指示を受けた時点で口座振替処理をする時間帯である。
バッチ処理時間帯t41およびt43は、口座振替指示を受けた銀行サーバ300がその時点では口座振替処理をせずに、所定の時刻になった場合に口座振替処理をする時間帯である。例えば、午前5時から午後4時までの時間帯を即時振替時間帯t42とし、午後4時から翌日の午前5時までの時間帯をバッチ処理時間帯t41およびt43とすることができる。
ここで、本発明の実施の形態では、証券口座から銀行口座への口座振替処理については、バッチ処理終了後に資金が移動する。バッチ処理では、各顧客の取引状況に応じた会計処理が行われ、証券会社120は、その会計処理に基づいて証券会社120の銀行口座から決算を行う。この場合に、証券会社120の銀行口座(顧客の証券口座)からの資金の出金により、証券会社120の決済ができなくなることを防ぐために、毎日の締めの時間帯で、証券会社120の銀行口座(顧客の証券口座)からの予期せぬ(証券会社が予測のできない)資金の流出を一旦とめている。
次に、本発明の実施の形態における証券サーバ400の動作について図面を参照して説明する。
図24は、証券サーバ400による口座振替処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている状態において、ユーザ150の操作入力により口座振替処理を行う場合について説明する。
最初に、顧客端末200からの口座振替指示が受信されたか否かが判断される(ステップS940)。例えば、図21に示す口座振替確認画面640で「振替する」ボタン644が押下されると、ネットワーク140を介して顧客端末200から証券サーバ400に口座振替指示が送信される。顧客端末200からの口座振替指示が受信されていなければ(ステップS940)、口座振替処理の動作を終了する。
顧客端末200からの口座振替指示が受信された場合には(ステップS940)、指示された口座振替は、証券口座から銀行口座への口座振替であるか否かが判断される(ステップS941)。指示された口座振替が、証券口座から銀行口座への口座振替である場合には(ステップS941)、現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれるか否かが判断される(ステップS942)。現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれる場合には(ステップS942)、口座振替指示により指示された振替金額を振替予約金メモリ490に記録して(ステップS947)、口座振替処理の動作を終了する。
一方、現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれない場合には(ステップS942)、口座振替指示により指示された振替金額に基づいて、バッチ処理用データベース455が更新される(ステップS943)。すなわち、バッチ処理用データベース455に記録されている甲田の証券口座の預金残高から、指示された振替金額が減算された額が、更新後の甲田の証券口座の預金残高とされる。
続いて、口座振替指示により指示された振替金額に基づいて、証券口座データベース450が更新される(ステップS944)。すなわち、証券口座データベース450に記録されている甲田の証券口座の預金残高から、指示された振替金額が減算された額が、更新後の甲田の証券口座の預金残高とされる。
続いて、口座振替指示により指示された振替金額を、証券会社120の銀行口座から出金して甲田の銀行口座に入金する旨の要求である入金処理要求が銀行サーバ300に送信される(ステップS945)。そして、銀行サーバ300から、甲田の銀行口座への入金処理が完了した旨の通知である入金処理完了通知が受信されたか否かが判断される(ステップS946)。銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信されなければ(ステップS946)、銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信されるまで監視を継続する。銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信された場合には(ステップS946)、口座振替処理の動作を終了する。
また、指示された口座振替が、銀行口座から証券口座への口座振替である場合には(ステップS941)、口座振替指示により指示された振替金額を、甲田の銀行口座から出金して証券会社120の銀行口座に入金する旨の要求である出金処理要求が銀行サーバ300に送信される(ステップS948)。そして、銀行サーバ300から、甲田の銀行口座の出金処理が完了した旨の通知である出金処理完了通知が受信されたか否かが判断される(ステップS949)。銀行サーバ300から出金処理完了通知が受信されなければ(ステップS949)、銀行サーバ300から出金処理完了通知が受信されるまで監視を継続する。
銀行サーバ300から出金処理完了通知が受信された場合には(ステップS949)、現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれるか否かが判断される(ステップS950)。現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれる場合には(ステップS950)、口座振替指示により指示された振替金額に基づいて、証券口座データベース450が更新される(ステップS953)。すなわち、証券口座データベース450に記録されている甲田の証券口座の預金残高に、指示された振替金額が加算された額が、更新後の甲田の証券口座の預金残高とされる。そして、口座振替処理の動作を終了する。
一方、現在の時刻がバッチ処理時間帯に含まれない場合には(ステップS950)、口座振替指示により指示された振替金額に基づいて、バッチ処理用データベース455が更新される(ステップS951)。すなわち、バッチ処理用データベース455に記録されている甲田の証券口座の預金残高に、指示された振替金額が加算された額が、更新後の甲田の証券口座の預金残高とされる。
続いて、口座振替指示により指示された振替金額に基づいて、証券口座データベース450が更新される(ステップS952)。すなわち、証券口座データベース450に記録されている甲田の証券口座の預金残高に、指示された振替金額が加算された額が、更新後の甲田の証券口座の預金残高とされる。そして、口座振替処理の動作を終了する。
図25は、証券サーバ400による口座振替処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、図24に示す口座振替処理がバッチ処理時間帯に行われた場合において、所定時刻に行われる口座振替処理について説明する。
最初に、所定時刻になったか否かが判断される(ステップS960)。所定時刻になっていなければ(ステップS960)、口座振替処理の動作を終了する。所定時刻になった場合には(ステップS960)、証券口座データベース450に記録されている証券口座情報に基づいて、バッチ処理用データベース455が更新される(ステップS961)。これにより、バッチ処理時間帯に行われた銀行口座から証券口座への口座振替の振替金額が、バッチ処理用データベース455に反映される。
続いて、振替予約金メモリ490に振替予約金が記録されているか否かが判断される(ステップS962)。振替予約金メモリ490に振替予約金が記録されていなければ(ステップS962)、口座振替処理の動作を終了する。一方、振替予約金メモリ490に振替予約金が記録されている場合には(ステップS962)、振替予約金メモリ490に記録されている振替予約金に基づいて、バッチ処理用データベース455が更新される(ステップS963)。続いて、バッチ処理用データベース455に記録されている証券口座情報に基づいて、証券口座データベース450が更新される(ステップS964)。これにより、バッチ処理時間帯に行われた証券口座から銀行口座への口座振替の振替金額が、証券口座データベース450およびバッチ処理用データベース455に反映される。
続いて、振替予約金メモリ490に記録されている振替予約金が削除される(ステップS965)。続いて、振替予約金メモリ490に記録されている振替予約金の金額を、甲田の銀行口座に入金する旨の要求である入金処理要求が銀行サーバ300に送信される(ステップS966)。そして、銀行サーバ300から、甲田の銀行口座への入金処理が完了した旨の通知である入金処理完了通知が受信されたか否かが判断される(ステップS967)。銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信されなければ(ステップS967)、銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信されるまで監視を継続する。銀行サーバ300から入金処理完了通知が受信された場合には(ステップS967)、口座振替処理の動作を終了する。
以上では、顧客が証券の買取を行う場合に、証券サーバ400に記録されている証券口座の残高を用いて買取を行い、必要に応じてユーザの手動操作による証券口座および銀行口座間で資金のやりとりを行う例について説明した。ここでは、顧客が証券の買付を行う際に、銀行口座における顧客の預金残高を直接確認し、その銀行口座に購入可能な預金残高が含まれていれば、銀行口座の資金を用いて証券を購入し、また、顧客が証券を売却する際には、顧客の銀行口座に直接資金を振り込む例について説明する。
最初に、資金移動ステータスとして自動を設定する設定方法について図面を参照して詳細に説明する。
図26は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合において、資金移動ステータスとして自動を設定するための表示画面の一例を示す図である。この表示画面については、図27に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図27は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における資金移動ステータス設定処理を示すシーケンスチャートである。この例では、甲田(ユーザ150)が顧客端末200を用いて資金移動ステータスとして自動を設定する場合について説明する。
図14(c)に示す証券取引画面531が顧客端末200の表示部250に表示されている場合において(1001)、「資金移動ステータス自動設定」ボタン535が押下されると、自動資金移動ステータス設定画面要求が証券サーバ400に送信される(1002)。顧客端末200からの自動資金移動ステータス設定画面要求を証券サーバ400が受信すると(1003)、自動資金移動ステータス設定画面を顧客端末200に送信する(1004)。証券サーバ400からの自動資金移動ステータス設定画面を顧客端末200が受信すると(1005)、受信された自動資金移動ステータス設定画面を表示部250に表示する(1006)。
図26は、表示部250に表示(1006)される表示画面の一例である自動資金移動ステータス設定画面660を示す図である。自動資金移動ステータス設定画面660には、カーソル661と、証券口座情報表示領域662と、銀行口座情報表示領域663と、設定案内表示領域664と、証券執行パスワード入力領域665と、「確認」ボタン666と、「戻る」ボタン667とが設けられている。
証券口座情報表示領域662は、ユーザ150の所有する証券口座に関する情報が表示される領域である。証券口座に関する情報として、例えば、証券口座データベース450に格納されている名義人451および証券口座番号452が表示される。図26では、甲田一郎の証券口座番号「1012345」と、名義人「甲田一郎」とが表示される。
銀行口座情報表示領域663は、ユーザ150の所有する銀行口座に関する情報が表示される領域である。銀行口座に関する情報として、例えば、普通預金口座データベース350に格納されている名義人351および銀行口座番号353が表示される。図26では、甲田一郎の銀行口座番号「012345」と、名義人「甲田一郎」とが表示される。
設定案内表示領域664は、自動資金移動ステータス設定画面660において資金移動ステータスとして自動を設定する場合における操作方法等を示す案内文等を表示する領域である。
証券執行パスワード入力領域665は、自動資金移動ステータス設定画面660に表示されている内容で自動資金移動ステータス設定処理を実行する場合において、本人確認のために証券執行パスワードを入力する領域である。
「確認」ボタン666は、自動資金移動ステータス設定画面660に表示されている内容で自動資金移動ステータス設定処理を実行する場合において、証券執行パスワード入力領域665に証券執行パスワードを入力した後に押下するボタンである。
「戻る」ボタン667は、直前に表示されていた証券取引画面531を表示させる場合に押下するボタンである。
図26に示す自動資金移動ステータス設定画面660が表示部250に表示されている場合において(1006)、ユーザ150により、証券執行パスワード入力領域665に証券執行パスワードが入力された後に、カーソル661を用いて「確認」ボタン666が押下された場合には、顧客端末200は、証券執行パスワード入力領域665に入力された証券執行パスワードを証券サーバ400に送信する(1007)。
顧客端末200からの証券執行パスワードを証券サーバ400が受信すると(1008)、顧客端末200からの証券執行パスワードに基づいて認証処理を実行する(1009)。例えば、顧客情報データベース440に格納されている証券顧客管理情報121の証券執行パスワード126と一致するか否かに基づいて認証処理が実行される。この認証が成功した場合には、所定の時間帯に証券サーバ400により行われるバッチ処理(1010)において、資金移動ステータスとして「自動」が設定される(1011)。具体的には、甲田一郎の銀行口座番号に対応する証券顧客管理情報121の資金移動ステータス128に「1」が格納され、甲田一郎の銀行口座番号に対応する証券口座データベース450の預金残高454、および、バッチ処理用データベース455の預金残高459が0に減算される。
続いて、資金移動ステータスとして「自動」が設定された旨の設定情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1012)。この設定情報は、証券会社120の普通預金口座における甲田一郎の所有に係る資金を、甲田一郎の普通預金口座に移動させるための情報である。この設定情報を銀行サーバ300が受信すると(1013)、資金移動ステータスとして「自動」が設定される(1014)。具体的には、甲田一郎の銀行口座番号に対応する銀行顧客管理情報111の資金移動ステータス118に「1」が格納され、証券口座データベース450の甲田一郎の預金残高454、および、バッチ処理用データベース455の甲田一郎の預金残高459から減算された金額が、普通預金口座データベース350の証券会社の預金残高354から減算される。一方、普通預金口座データベース350の甲田一郎の預金残高354には、その減算された金額が加算される。すなわち、甲田一郎の証券口座の資金が銀行口座に移動される。なお、本発明の実施の形態では、銀行サーバ300および証券サーバ400の双方において、資金移動ステータスを記録する例について説明するが、証券サーバ400のみに資金移動ステータスを記録するようにしてもよい。
ここで、証券会社の証券口座に預金されているユーザの資金管理について簡単に説明する。一般的に、証券会社が破綻してもユーザが保護されるように、証券会社は、ユーザから預かった資金と自己の資金とを分別して保管する(分別保管)。
例えば、図19乃至図21に示す口座振替画面等を用いて、銀行口座から証券口座へ資金を移動した場合には、証券会社は、契約している信託銀行に証券口座に移動された資金を預け入れする。また、実務的には、証券会社は、夜間のバッチ処理により、ユーザの証券口座の預金残高を1週間に1度確認し、その差額を信託銀行から証券会社の預金口座へ引き出したり、信託銀行へ預け入れしたりする。
そして、ユーザが証券会社を介して株式を購入する場合には、理論的には、その証券会社が信託銀行からそのユーザの資金を引き出して、この引き出された資金により株式を購入することになる。しかしながら、現実的には、証券会社が所有する資金(持金)とバッチ処理間に他人が預けた資金とでユーザの株式を購入することが多い。すなわち、証券会社の預金口座内の資金をそのまま利用して株式を購入し、1週間おきに確認されるユーザの預金残高の差額により信託銀行との整合性をとることになる。このように、証券会社の証券口座にユーザの資金が預金されている場合には、そのユーザの預金残高について1週間毎の差額を計算する必要がある。
これに対して、資金移動ステータスとして自動が設定された場合に、証券買付余力(証券口座)を0にすることによって、証券会社が分別管理を行う必要がなくなる。これにより、ユーザの預金残高についての1週間毎の差額計算を行う必要がない。また、信託銀行との資金移動が必要ないため、この資金移動に係る負荷をシステム的に低減させることができる。さらに、ユーザが証券会社に株式購入のための資金を預けておかなくてもよいため、銀行において、その分の利息を得ることができる。
なお、この例では、バッチ処理時において資金移動ステータスの設定を行う例について説明したが、顧客端末200からの証券執行パスワードの認証に成功した後、速やかに資金移動ステータスの設定を行うようにしてもよく、所定時間経過後に資金移動ステータスの設定を行うようにしてもよい。また、ここでは、資金移動ステータスとして「自動」が設定された場合には、甲田一郎の証券口座の預金残高を0にする例について説明したが、所定の金額や必要な経費等の金額を、甲田一郎の証券口座に残しておくようにしてもよい。また、資金移動ステータスとして「通常」を設定する場合には、図28に示す通常資金移動ステータス設定画面670を用いて設定を行う。
図28は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合において、資金移動ステータスとして通常を設定するための表示画面の一例を示す図である。通常資金移動ステータス設定画面670には、カーソル671と、設定案内表示領域672と、証券執行パスワード入力領域673と、「確認」ボタン674と、「戻る」ボタン675とが設けられている。なお、これらについては、図26を用いて説明したものと同一であるため、ここでの説明を省略する。また、通常資金移動ステータス設定画面670を用いて行う設定についても、図27に示すシーケンスチャートとほぼ同様であるため、ここでの説明を省略する。また、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合において、資金移動ステータスとして「自動」または「通常」をユーザが選択するための資金移動ステータス選択画面を証券サーバ400が顧客端末200に送信して、この資金移動ステータス選択画面をユーザが用いて資金移動ステータスを選択して設定するようにしてもよい。
図29は、証券サーバ400による自動資金移動ステータス設定処理の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、自動資金移動ステータス設定処理をバッチ処理時間帯に行う例について説明する。
最初に、自動資金移動ステータス設定画面要求を受信したか否かが判断される(ステップS1201)、自動資金移動ステータス設定画面要求を受信した場合には(ステップS1201)、現在設定されている資金移動ステータスが「自動」であるか否かが判断される(ステップS1202)。すなわち、自動資金移動ステータス設定画面要求を送信した顧客端末に係る銀行口座番号に対応する証券顧客管理情報121の資金移動ステータス128に「1」が格納さされているか否かが判断される。
現在設定されている資金移動ステータスが「自動」である場合には(ステップS1202)、現在設定されている資金移動ステータスが「自動」である旨の通知が、自動資金移動ステータス設定画面要求を送信した顧客端末に送信される(ステップS1203)。
現在設定されている資金移動ステータスが「自動」ではない場合には(ステップS1202)、自動資金移動ステータス設定画面要求を送信した顧客端末に自動資金移動ステータス設定画面が送信される(ステップS1204)。
続いて、証券執行パスワードを受信したか否かが判断される(ステップS1205)。証券執行パスワードを受信した場合には(ステップS1205)、受信された証券執行パスワードに基づいて認証処理が実行される(ステップS1206)。続いて、バッチ処理時間帯の所定時刻になったか否かが判断される(ステップS1207)。バッチ処理時間帯の所定時刻になった場合には(ステップS1207)、証券執行パスワードの認証処理に成功した顧客の資金移動ステータスが「自動」に設定される(ステップS1208)。
次に、ユーザ150がネットワーク140を介して証券サーバ400との間でオンライン証券取引をしている場合において、株の売買を行うための株式売買取引画面を表示させる場合について図面を参照して詳細に説明する。
図30および図31は、顧客端末200の表示部250に表示される表示画面を示す図である。この表示画面については、図32に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図32は、顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式売買取引画面の表示処理を示すシーケンスチャートである。
図30に示す株式銘柄選択画面680には、カーソル681と、株式売買履歴メモリ590に記録されている証券口座の残高と株式の評価額との合計額を示す総額682と、株式売買履歴メモリ590に記録されている株式の銘柄名および銘柄コードを示す銘柄(コード)683と、株式の数量を示す数量684と、株式の時価を示す時価685と、株式の数量と時価とに基づいて算出される評価額686とが表示される(1021)。なお、株式銘柄選択画面680には、ネットワーク通信制御部470を介して取得された株式情報を表示させるようにしてもよい。
ここで、銘柄(コード)683に表示されている銘柄名の文字部分がカーソル681によりクリックされると(1022)、クリックされた株式の銘柄に関する株式売買取引画面要求を顧客端末200が証券サーバ400に送信する(1023)。顧客端末200からの株式売買取引画面要求を証券サーバ400に受信すると(1024)、買付余力確認処理が実行される(1025乃至1031)。
すなわち、証券サーバ400は、証券買付余力として証券口座データベース450に格納されている金額を取得して確認する(1025)。例えば、図7に示す証券口座データベース450に格納されている甲田一郎の預金残高454の値が取得される。なお、上述したように、本発明の実施の形態では、同日に株式の売却がない場合には、証券買付余力は0である。続いて、銀行110の銀行預金残高を取得するための銀行預金残高確認要求を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1026)。証券サーバ400からの銀行預金残高確認要求を銀行サーバ300が受信すると(1027)、銀行預金残高確認処理を実行する(1028)。すなわち、普通預金口座データベース350に格納されている甲田一郎の預金残高354の値が取得される。続いて、取得された預金残高の値を含む銀行預金残高情報を銀行サーバ300が証券サーバ400に送信する(1029)。
銀行サーバ300からの銀行預金残高情報を証券サーバ400が受信すると(1030)、証券口座データベース450から取得された証券買付余力の値と、銀行サーバ300から送信された銀行預金の値とを加算して買付余力を計算する(1031)。
続いて、計算して求められた買付余力を含む株式売買取引画面を証券サーバ400が顧客端末200に送信する(1032)。証券サーバ400からの株式売買取引画面を顧客端末200が受信すると(1033)、受信された株式売買取引画面を表示部250に表示する(1033)。例えば、図30に示す株式銘柄選択画面680において、銘柄(コード)683に表示されている○○会社が、顧客端末200の操作者であるユーザ150によりクリックされた場合には(1022)、図31に示す○○会社の株式売買取引画面780が表示部250に表示される(1034)。
図31は、表示部250に表示(1034)される表示画面の一例である株式売買取引画面780を示す図である。株式売買取引画面780には、カーソル781と、ステータス表示領域782と、買付余力表示領域783と、銘柄表示領域784と、売買区分選択領域785と、市場区分選択領域786と、注文数量入力領域787と、執行条件入力領域788と、注文期限選択領域789と、「注文する」ボタン790と、「クリア」ボタン791と、「戻る」ボタン792とが設けられている。
ステータス表示領域782は、現在の資金移動ステータスの設定内容を表示する領域である。例えば、資金移動ステータスとして「自動」が設定されている場合には、図31に示すように、「現在の資金移動ステータスは「自動」です」が表示される。一方、資金移動ステータスとして「通常」が設定されている場合には、「現在の資金移動ステータスは「通常」です」が表示される。
買付余力表示領域783は、現在の買付余力を表示する領域である。すなわち、証券口座データベース450に格納されている預金残高454の値と、普通預金口座データベース350の預金残高354の値との和の値が表示される。
銘柄表示領域784は、株式銘柄選択画面で選択された銘柄であって、売買の対象となる株式の銘柄を表示する領域である。
売買区分選択領域785は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄の取引方法を選択する領域である。例えば、「買」または「売」の何れかのラジオボタンをカーソル781を用いてクリックすることにより、株の取引方法として売または買の何れかを選択する。
市場区分選択領域786は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄の株取引を行う証券取引所(東京、大阪、名古屋、札幌、福岡等)を選択する領域である。例えば、カーソル781を用いてプルダウンボタンをクリックして証券取引所の一覧を表示させ、この証券取引所の一覧の所望の証券取引所の部分をカーソル781を用いてクリックすることにより、株取引を行う証券取引所を選択する。
注文数量入力領域787は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄の注文数量を入力する領域である。
執行条件入力領域788は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄の執行条件を選択するとともに、執行価格を入力する領域である。例えば、カーソル781を用いてプルダウンボタンをクリックして「指値」「成行」等の執行条件の一覧を表示させ、この執行条件の一覧の所望の執行条件の部分をカーソル781を用いてクリックすることにより、執行条件を選択する。また、執行条件として「指値」が選択された場合には、執行すべき価格を価格表示領域に入力する。なお、「成行」とは、希望の価格を指定せずに購入者の希望する数量の株式を注文する場合における執行条件であり、「指値」とは、希望の価格を指定して株式を注文する場合における執行条件である。
注文期限選択領域789は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄の売買を希望するタイムアウト期間を選択する領域である。例えば、カーソル781を用いてプルダウンボタンをクリックして「本日中」「今週中」等の注文期限の一覧を表示させ、この注文期限の一覧の所望の注文期限の部分をカーソル781を用いてクリックすることにより、注文期限を選択する。
ここで、一般的な株式の購入について簡単に説明する。例えば、「指値」または「成行」を選択して10株(1株:100円)の買付注文をした場合において、10株のうちの5株が買える場合には、まずは5株を買い付ける。また、10株のうちの残りの5株については、ユーザにより設定されたタイムアウト期間の範囲で待機する。そして、タイムアウト期間が経過しても残りの5株が買えない場合には、その時点で買付注文が終了となり、買い付けられた5株分の代金を支払う。
「注文する」ボタン790は、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄について、売買区分選択領域785、市場区分選択領域786、注文数量入力領域787、執行条件入力領域788および注文期限選択領域789に選択または入力された条件で注文を行う場合に押下されるボタンである。
「クリア」ボタン791は、株式売買取引画面780に入力または選択された内容を全て消去する場合に押下されるボタンである。
「戻る」ボタン682は、直前に表示されていた株式銘柄選択画面を表示させる場合に押下するボタンである。
図33は、証券サーバ400による株式売買取引画面表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、顧客端末から株式売買取引画面要求を受信したか否かが判断される(ステップS1211)。顧客端末から株式売買取引画面要求を受信していない場合には(ステップS1211)、株式売買取引画面表示処理の動作を終了する。一方、顧客端末から株式売買取引画面要求を受信している場合には(ステップS1211)、株式売買取引画面要求を送信した顧客端末の顧客に関する買付余力確認処理が実行される(ステップS1220)。なお、買付余力確認処理については、図34を参照して詳細に説明する。続いて、買付余力確認処理により求められた買付余力を含めた株式売買取引画面が、株式売買取引画面要求を送信した顧客端末に送信される(ステップS1212)。
図34は、証券サーバ400による株式売買取引画面表示処理の処理手順のうちの買付余力確認手順(図33に示すステップS1220の処理手順)を示すフローチャートである。
最初に、証券買付余力として証券口座データベース450に格納されている金額が取得されて確認される(ステップS1221)。続いて、銀行110の銀行預金残高を取得するための銀行預金残高確認要求が銀行サーバ300に送信される(ステップS1222)。続いて、銀行サーバ300からの銀行預金残高情報を受信したか否かが判断される(ステップS1223)。銀行サーバ300からの銀行預金残高情報を受信していない場合には(ステップS1223)、銀行預金残高情報を受信するまで監視を継続する。
銀行サーバ300からの銀行預金残高情報を受信した場合には(ステップS1223)、証券口座データベース450から取得された証券買付余力の値と、銀行サーバ300から送信された銀行預金残高情報に含まれる普通預金口座の預金残高の値とが加算された買付余力が計算される(ステップS1224)。
次に、株式売買取引画面を用いて株式(株券)を売却する場合について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態では、証券会社120は、国内の証券取引所に上場されている有価証券について顧客からの注文を受託した場合には、注文の取次ぎについて契約を締結している他の証券会社(以下、「母店」と称する。)を経由して、その注文に係る証券取引所に取り次ぐ証券会社であるものとする。また、これらの取引において行われる各情報には、顧客の銀行口座番号が含まれ、この銀行口座番号により取引対象の顧客が識別される。
図35は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式売却処理を示すシーケンスチャートである。ここでは、同一の顧客により同日に買付注文がされていない場合について説明する。
図31に示す株式売買取引画面780が表示部250に表示されている場合において、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄をユーザ150が売却する場合には、売買区分選択領域785において「売」のラジオボタンの選択操作をユーザ150が行う。そして、ユーザ150が、市場区分選択領域786から注文期限選択領域789について入力操作または選択操作を行い、「注文する」ボタン790を押下する。例えば、図31に示すように、市場区分選択領域786では、東京証券取引所を示す「東証」を選択し、注文数量入力領域787には「1000」を入力し、執行条件入力領域788では執行条件として「指値」を選択し、執行価格として「100,000」を入力し、注文期限選択領域789では「今週中」を選択する。
このように、各売却条件を入力した後に、ユーザ150が「注文する」ボタン790を押下する。この押下により、株式売買取引画面780において入力操作または選択操作がされた各項目に対応する情報を含む株式売り注文情報を顧客端末200が証券サーバ400に送信する(1041)。顧客端末200からの株式売り注文情報を証券サーバ400が受信すると(1042)、市場区分選択領域786で選択された証券取引所に売り注文を送信するために、ネットワーク140を介して母店に売り注文情報を送信する(1043)。売り注文情報は、例えば、市場区分と、注文数量と、執行条件と、注文期限と、銘柄とを含む情報である。また、この売り注文情報に対して、母店から送信される確定売り金額情報は、例えば、売り成立の成否、確定売り数量および金額を含む情報である。
続いて、売り注文情報を送信した母店から、証券取引所における確定売り金額情報を証券サーバ400が受信すると(1044)、受信された確定売り金額情報に基づいて最終確定売り金額を計算し、この計算で求められた最終確定売り金額を証券買付余力に反映させる(1045)。ここで、母店から受信された確定売り金額情報に含まれる確定売り金額は、税金、配当金または分配金、証券会社120に対する手数料等が考慮されていない。このため、受信された確定売り金額情報に含まれる確定売り金額について、税金、配当金または分配金、証券会社120に対する手数料等を考慮して調整した金額である最終確定売り金額が計算される。そして、この最終確定売り金額が証券買付余力に反映される。すなわち、この最終確定売り金額が証券買付余力として証券口座データベース450に加算される。例えば、甲田一郎が株式の売り注文をする場合には、証券口座データベース450の甲田一郎の預金残高454に最終確定売り金額が証券買付余力として加算される。
なお、本発明の実施の形態では、母店から確定売り金額情報が受信されると速やかに最終確定売り金額を計算する例について説明するが、母店から確定売り金額情報が受信された場合には確定売り金額情報に含まれる確定売り金額を証券買付余力に反映させておき、バッチ処理時間帯等の所定の時間帯になったら最終確定売り金額を計算して、この最終確定売り金額に基づいて証券買付余力を調整するようにしてもよい。この調整は、例えば、確定売り金額情報に売り成立が含まれている場合においては、確定売り金額と最終確定売り金額との差分値を計算して、この差分値に応じて証券口座データベース450の預金残高454の値を減算または加算する。なお、確定売り金額情報は、注文期限選択領域789で選択された内容や証券取引所内での売りの状況等によって受信の時期は異なる。また、売り注文情報に対して、株式の一部のみの売りが成立した場合には、その売りが成立した数量に係る確定売り金額に基づいて、証券買付余力の金額調整が行われる。
続いて、最終確定売り金額が反映された後の証券買付余力の値を含む入金予定情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1046)。この入金予定情報は、例えば、バッチ処理時等の所定の時間帯に送信するようにしてもよく、最終確定売り金額が反映された後、速やかに送信するようにしてもよい。証券サーバ400からの入金予定情報を銀行サーバ300が受信すると(1047)、受信された入金予定情報に含まれる証券買付余力の値の金額を、証券会社120の普通預金口座から顧客の普通預金口座に移動する(1048)。例えば、普通預金口座データベース350において、証券買付余力の値の金額が、証券会社120の普通預金口座から甲田一郎の普通預金口座に移動される。
続いて、証券会社120の普通預金口座から顧客の普通預金口座に移動された移動額と、その顧客の銀行口座番号とを含む入金情報を、銀行サーバ300が証券サーバ400に送信する(1049)。
銀行サーバ300からの入金情報を証券サーバ400が受信すると(1050)、受信された入金情報に基づいて証券買付余力を減算する(1051)。すなわち、受信された入金情報に含まれる銀行口座番号に対応する証券口座データベース450の預金残高454から、受信された入金情報に含まれる移動額が減算される。続いて、受信された入金情報に含まれる移動額等が株式売買履歴メモリ590に記憶される(1052)。
なお、売り注文がされた後に売りが成立し、確定売り金額が決定してから所定期間が経過した日である株券の受渡日に、証券会社の普通預金口座から顧客の普通預金口座に移動された金額と同額のお金が、母店から証券会社120の普通預金口座に振り込まれる。
次に、株式売買取引画面を用いて株式(株券)を買い付ける場合について図面を参照して詳細に説明する。
図36は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式買付処理を示すシーケンスチャートである。ここでは、同一の顧客により同日に売り注文がされていない場合について説明する。
図31に示す株式売買取引画面780が表示部250に表示されている場合において、銘柄表示領域784に表示されている株式の銘柄をユーザ150が買い付ける場合には、売買区分選択領域785において「買」のラジオボタンの選択操作をユーザ150が行う。そして、ユーザ150が、市場区分選択領域786から注文期限選択領域789について入力操作または選択操作を行い、「注文する」ボタン790を押下する。例えば、図31に示す株式売買取引画面780において、市場区分選択領域786では、東京証券取引所を示す「東証」を選択し、注文数量入力領域787には「1000」を入力し、執行条件入力領域788では執行条件として「成行」を選択し、注文期限選択領域789では「今週中」を選択する。
このように、各買付条件を入力した後に、ユーザ150が「注文する」ボタン790を押下する。この押下により、株式売買取引画面780において入力操作または選択操作がされた各項目に対応する情報を含む株式買付注文情報を顧客端末200が証券サーバ400に送信する(1059)。顧客端末200からの株式買付注文情報を証券サーバ400が受信すると(1060)、株式買付注文情報が受信された際における株価情報をネットワーク通信制御部470が取得し(1061)、買付余力確認処理を実行する(1062)。この買付余力確認処理は、図32に示す買付余力確認処理と同様である。なお、株価情報は、例えば、証券取引所、株価情報を提供する株価情報提供会社、母店等からネットワーク140を介して取得することができる。また、本発明の実施の形態では、株価情報については、ネットワーク140を介して外部から取得するが、手動または自動で証券サーバ400に入力するようにしてもよい。
続いて、証券サーバ400は、受信された株式買付注文情報と、取得された株価情報とに基づいて、受信された株式買付注文情報に含まれる銘柄の概算買付約定金額を計算する(1063)。この概算買付約定金額は、例えば、株式買付注文情報に含まれる注文数量と、取得された株価情報の中の株式買付注文情報に含まれる銘柄に係る株価とを乗算することにより求められる。なお、計算して求められた概算買付約定金額と、買付余力とを比較して、買付余力が概算買付約定金額よりも小さい場合には、エラーメッセージ等を表示させる表示情報を証券サーバ400が顧客端末200に送信する。また、買付余力(普通預金口座の預金残高+証券買付余力)から概算買付金額を減算した値である差分値が、リミッター金額情報170に記録されているリミッター金額(甲田一郎の場合には、「500,000円」)の値よりも小さい場合には、警告表示等を表示させる警告表示情報を証券サーバ400が顧客端末200に送信する。
この例では、同日に売り注文がないため、証券買付余力が0である。このため、計算して求められた概算買付約定金額を銀行拘束金額とし、この銀行拘束金額を含む銀行拘束金情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1064)。この銀行拘束金情報は、この銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額を、顧客の普通預金口座からその顧客の別段預金口座に移動させるための情報である。続いて、証券サーバ400は、市場区分選択領域786で選択された証券取引所に買付注文を送信するために、ネットワーク140を介して母店に買付注文情報を送信する(1065)。買付注文情報は、例えば、市場区分と、注文数量と、執行条件と、注文期限と、銘柄とを含む情報である。また、この買付注文情報に対して、母店から送信される確定買付金額情報は、買付成立の成否、確定買付数量および金額を含む情報である。なお、確定買付金額は、買付注文情報に含まれる銘柄に対して証券取引所において確定された買付金額である。
証券サーバ400からの銀行拘束金情報を銀行サーバ300が受信すると(1066)、銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額を、普通預金口座データベース350の甲田一郎の普通預金口座から、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座に移動する(1067)。
続いて、買付注文情報を送信した母店から、証券取引所における確定買付金額情報を証券サーバ400が受信すると(1068)、受信された確定買付金額情報と、銀行サーバ300に送信した銀行拘束金情報とに基づいて、普通預金口座から別段預金口座に移動された銀行拘束金額を調整するための調整額を計算する(1069)。ここで、母店から受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額は、証券会社120に対する手数料等が考慮されていない。このため、受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額について、証券会社120に対する手数料等を考慮した金額である最終確定買付金額が計算される。例えば、受信された確定買付金額情報に買付成立が含まれている場合において、受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額について計算された最終確定買付金額と、銀行サーバ300に送信した銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額とを比較して、最終確定買付金額が銀行拘束金額よりも少ない場合には、最終確定買付金額と銀行拘束金額との差分値が、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の甲田一郎の普通預金口座に移動させる調整額として求められる。一方、最終確定買付金額が銀行拘束金額よりも多い場合には、最終確定買付金額と銀行拘束金額との差分値が、普通預金口座データベース350の甲田一郎の普通預金口座から、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座に移動させる調整額として求められる。また、確定買付金額情報に買付不成立が含まれている場合には、この確定買付金額情報に係る株式買付注文情報により計算された概算買付約定金額の値が、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の甲田一郎の普通預金口座に移動させる調整額として求められる。
なお、確定買付金額情報は、注文期限選択領域789で選択された内容や証券取引所内での売りの状況等によって受信の時期は異なる。また、買付注文情報に対して、株式の一部のみの買付が成立した場合には、その買付が成立した数量に係る確定買付金額に基づいて調整額が計算される。このようにして求められた調整額を含む拘束金調整情報(資金移動情報)を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1070)。この拘束金調整情報は、顧客の銀行口座および別段銀行口座間において調整額だけ資金を移動させた後に、その顧客の別段銀行口座における預金残高を、証券会社120の銀行口座に移動させるための情報である。
なお、本発明の実施の形態では、母店から確定買付金額情報が受信されると速やかに最終確定買付金額を計算する例について説明するが、母店から確定買付金額情報が受信された場合において、バッチ処理時間帯等の所定の時間帯になった後に最終確定買付金額を計算して、この最終確定買付金額に基づいて調整額を計算するようにしてもよい。
証券サーバ400からの拘束金調整情報を銀行サーバ300が受信すると(1071)、受信された拘束金調整情報に含まれる調整額に基づいて、甲田一郎の別段預金口座と普通預金口座との間で銀行拘束金額を移動する(1072)。別段預金口座と普通預金口座との間で銀行拘束金額の移動による調整が終了した後に(1072)、銀行サーバ300は、移動が終了した銀行拘束金額の値を、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座に移動する(1073)。
別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座に銀行拘束金額が移動された後に、この移動に係る銀行拘束金額と同額の値を含む別段預金情報を銀行サーバ300が証券サーバ400に送信する(1074)。
銀行サーバ300からの別段預金情報を証券サーバ400が受信すると(1075)、受信された別段預金情報を別段預金履歴メモリ580に記録する(1076)。具体的には、
普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座への移動前の別段預金口座の銀行口座番号581と、移動された月日582と、証券会社への入金額583とが別段預金履歴メモリ580に記録される。
続いて、証券サーバ400は、受信された別段預金情報に係る株式の銘柄の買付に必要な金額を計算する(1077)。ここで、同一の顧客により同日に売り注文がされていない場合には、買付に必要な金額は、別段預金履歴メモリ580の証券会社への入金額583に記録された値と同じ金額となる。続いて、計算して求められた買付に必要な金額が株式売買履歴メモリ590の確定金額595に記録される(1078)。
図37および図38は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式売買処理を示すシーケンスチャートである。ここでは、同一の顧客により同日に、株式の売り注文がされた後に買付注文がされ、さらに、確定買付金額情報および確定売り金額情報を同日に受信した場合の一例について説明する。なお、図37に示す1081乃至1085は、図35に示す1041乃至1045と同一であり、図37に示す1086乃至1090は、図36に示す1059乃至1063と同じであるため、ここでの説明を省略する。
証券サーバ400が、求められた最終確定売り金額を証券買付余力に反映させた後に(1085)、同一の顧客により同日に買付注文が行われる(1086)。なお、この例では、同日に売り注文がされているため、その売り注文について求められた最終確定売り金額が証券買付余力として証券口座データベース450に記録されている。
そして、計算して求められた概算買付約定金額と、証券口座データベース450に記録されている証券買付余力とを比較して、銀行拘束金額(概算買付約定金額−証券買付余力)が計算される(1091)。そして、計算して求められた銀行拘束金額が0よりも大きい場合には、証券買付余力の全部を拘束して(1092)、計算して求められた銀行拘束金額を含む銀行拘束金情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1093)。この場合に、証券口座データベース450に記録されている証券買付余力の全額が減算されるとともに、この減算された金額の値が証券買付余力拘束金メモリ570(図8に示す)に記録される。なお、計算して求められた銀行拘束金額が0以下である場合については、図39乃至図41を参照して詳細に説明する。続いて、証券サーバ400が買付注文情報を母店に送信する(1094)。
証券サーバ400からの銀行拘束金情報を銀行サーバ300が受信すると(1095)、銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額を、普通預金口座データベース350の甲田一郎の普通預金口座から、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座に移動する(1096)。
また、証券サーバ400が、買付注文情報を送信した母店から、証券取引所における確定買付金額情報を受信する(1097)。なお、確定売り金額情報および確定買付金額情報の受信については、時間的に多少のずれがあるものの、ここでは、確定売り金額情報、確定買付金額情報の順序で受信したものとして説明する。続いて、証券サーバ400は、受信された確定買付金額情報に基づいて、普通預金口座から別段預金口座に移動された銀行拘束金額を調整するための調整額を計算する(1098)。具体的には、受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額について計算された最終確定買付金額と、1090で求められた概算買付約定金額との差分値(買付注文に係る差分値)が計算され、この買付注文に係る差分値が拘束金の調整額として求められる。続いて、計算して求められた調整額を含む拘束金調整情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1099)。
証券サーバ400からの拘束金調整情報を銀行サーバ300が受信すると(1100)、受信された拘束金調整情報に含まれる調整額に基づいて、甲田一郎の別段預金口座と普通預金口座との間で銀行拘束金額を移動する(1101)。別段預金口座と普通預金口座との間で銀行拘束金額の移動による調整が終了した後に(1101)、銀行サーバ300は、移動が終了した銀行拘束金額の値を、別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座に移動する(1102)。
別段預金口座データベース360の甲田一郎の別段預金口座から、普通預金口座データベース350の証券会社の普通預金口座に銀行拘束金額が移動された後に、この移動に係る銀行拘束金額と同額の値を含む別段預金情報を銀行サーバ300が証券サーバ400に送信する(1103)。
銀行サーバ300からの別段預金情報を証券サーバ400が受信すると(1104)、受信された別段預金情報を別段預金履歴メモリ580に記録する(1105)。続いて、証券サーバ400は、受信された別段預金情報に係る株式の銘柄の買付に必要な金額を計算する(1106)。この例では、同一の顧客により同日に売り注文がされているため、買付に必要な金額は、証券買付余力拘束金メモリ570に記録されている拘束された証券買付余力の値(証券買付余力の全額)と、別段預金履歴メモリ580の証券会社への入金額583に記録された値との和の値となる。続いて、買付に必要な金額に用いられた証券買付余力の値が、証券買付余力拘束金メモリ570から減算される(1107)。続いて、計算して求められた買付に必要な金額が株式売買履歴メモリ590の確定金額595に記録される(1108)。
図39および図40は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式売買処理を示すシーケンスチャートである。ここでは、図37に示す1091で求められた銀行拘束金額が0以下である場合について説明する。なお、図39および図40に示す1081乃至1091、1094、1097、1102乃至1108は、図37および図38に示す1081乃至1091、1094、1097、1102乃至1108と同一であるため、ここでの説明を省略する。
証券サーバ400は、1091で求められた銀行拘束金額が0以下である場合には、証券買付余力のうちの一部(概算買付約定金額)を拘束する(1109)。そして、受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額について計算された最終確定買付金額と、1090で求められた概算買付約定金額とに基づいて、証券買付余力の範囲内で拘束金の差額調整が可能であるか否かを確認する(1110)。すなわち、最終確定買付金額と概算買付約定金額との差分値(買付注文に係る差分値)が計算され、この買付注文に係る差分値による調整が、証券買付余力の範囲内で可能であるか否かが確認される。この例では、証券買付余力の範囲内で拘束金の差額調整が可能でない場合について説明する。
証券買付余力の範囲内で拘束金の差額調整が可能でない場合には、証券サーバ400は、買付余力を確認して(1111)、証券買付余力の全額を拘束するとともに、買付注文に係る差分値に基づいて、証券買付余力を超える調整額を銀行拘束金額として計算して、この銀行拘束金額を含む銀行拘束金情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1112)。なお、買付余力の確認により(1111)、調整後に買付余力が不足する場合には、その旨のメッセージを含む通知情報が顧客端末200に送信される。
証券サーバ400からの銀行拘束金情報を銀行サーバ300が受信すると(1113)、受信された銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額を、甲田一郎の普通預金口座から顧客の別段預金口座に移動する(1114)。
図41は、ネットワーク140を介して顧客端末200が証券サーバ400にログインしている場合における株式売買処理を示すシーケンスチャートである。ここでは、図39に示す1110で、証券買付余力の範囲内で拘束金の差額調整が可能である場合について説明する。
証券買付余力の範囲内で拘束金の差額調整が可能である場合には(1110)、証券サーバ400は、買付注文に係る差分値に基づいて、証券買付余力の範囲内で拘束金額の差額を調整する(1120)。
続いて、調整された後の証券買付余力の値を含む入金予定情報を証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する(1121)。証券サーバ400からの入金予定情報を銀行サーバ300が受信すると(1122)、受信された入金予定情報に含まれる証券買付余力の値の金額を、証券会社120の普通預金口座から甲田一郎の普通預金口座に移動する(1123)。
続いて、証券会社120の普通預金口座から顧客の普通預金口座に移動された移動額と、その顧客の銀行口座番号とを含む入金情報を、銀行サーバ300が証券サーバ400に送信する(1124)。
銀行サーバ300からの入金情報を証券サーバ400が受信すると(1125)、証券買付余力の範囲内で拘束されている金額に係る株式の銘柄の買付に必要な金額を計算する(1126)。この例では、買付に必要な金額は、証券買付余力拘束金メモリ570に記録されている拘束された証券買付余力の値となる。続いて、受信された入金情報に基づいて、証券買付余力拘束金メモリ570に記録されている証券買付余力を減算する(1127)。続いて、計算して求められた買付に必要な金額が株式売買履歴メモリ590の確定金額595に記録される(1128)。
次に、本発明の実施の形態における証券サーバ400の動作について図面を参照して説明する。
図42および図43は、証券サーバ400による株式買付処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、証券サーバ400が、顧客端末200から株式買付注文情報を受信すると(ステップS1251)、この株式買付注文情報が受信された際における株価情報をネットワーク140を介して取得し(ステップS1252)、買付余力確認処理を実行する(ステップS1220)。続いて、受信された株式買付注文情報と、取得された株価情報とに基づいて、受信された株式買付注文情報に含まれる銘柄の概算買付約定金額が計算される(ステップS1253)。
続いて、計算して求められた概算買付約定金額の値と買付余力の値とが比較され、概算買付約定金額の値が買付余力の値以下であるか否かが判断される(ステップS1254)。概算買付約定金額の値が買付余力の値よりも大きい場合には(ステップS1254)、買付余力が不足している旨のメッセージを含む通知情報が顧客端末200に送信され(ステップS1255)、株式買付処理の動作を終了する。
一方、概算買付約定金額の値が買付余力の値以下である場合には(ステップS1254)、概算買付約定金額の値と証券買付余力の値とに基づいて銀行拘束金額が計算される(ステップS1256)。すなわち、概算買付約定金額の値から証券買付余力の値が減算された値が銀行拘束金額として計算される。
続いて、計算して求められた銀行拘束金額の値が0よりも大きいか否かが判断される(ステップS1257)。計算して求められた銀行拘束金額の値が0よりも大きい場合には(ステップS1257)、証券買付余力の全額が拘束され(ステップS1258)、銀行拘束金額を含む銀行拘束金情報が銀行サーバ300に送信される(ステップS1259)。一方、銀行拘束金額の値が0以下である場合には(ステップS1257)、概算買付約定金額の値と同額の証券買付余力が拘束される(ステップS1260)。そして、買付注文情報が母店に送信される(ステップS1261)。
続いて、母店から確定買付金額情報を受信すると(ステップS1262)、証券買付余力の全額が拘束されているか否かが判断される(ステップS1263)。
証券買付余力の全額が拘束されていない場合には(ステップS1263)、ステップS1265に進み、証券買付余力の全額が拘束されている場合には、受信された確定買付金額情報に含まれる確定買付金額について計算された最終確定買付金額と、概算買付約定金額との差分値を計算して、概算買付約定金額−最終確定買付金額が0よりも大きいか否かが判断される(ステップS1264)。概算買付約定金額−最終確定買付金額が0以下である場合には(ステップS1264)、ステップS1220に進み、概算買付約定金額−確定買付金額が0よりも大きい場合には、証券買付余力の範囲内で差額調整が可能であるか否かが判断される(ステップS1265)。証券買付余力の範囲内で差額調整が可能ではない場合には(ステップS1265)、買付余力が確認され(ステップS1220)、証券買付余力の全額を拘束するとともに、証券買付余力を超える調整額が計算され(ステップS1266)、この調整額を含む拘束金調整情報が銀行サーバ300に送信される(ステップS1267)。なお、買付余力の確認により(ステップS1220)、調整後に買付余力が不足する場合には、その旨のメッセージを含む通知情報が顧客端末200に送信される。
続いて、銀行サーバ300から別段預金情報を受信すると(ステップS1268)、受信された別段預金情報が別段預金履歴メモリ580に記録される(ステップS1269)。
また、証券買付余力の範囲内で差額調整が可能である場合には(ステップS1265)、証券買付余力の範囲内で差額調整が行われる(ステップS1270)。続いて、差額調整が行われた後の証券買付余力の値を含む入金予定情報が銀行サーバ300に送信される(ステップS1271)。続いて、銀行サーバ300から入金情報が受信される(ステップS1272)。
続いて、買付に必要な金額が計算される(ステップS1273)。続いて、買付に必要な金額に用いられた証券買付余力の値が、証券買付余力拘束金メモリ570から減算される(ステップS1274)。続いて、計算して求められた買付に必要な金額が株式売買履歴メモリ590の確定金額595に記録される(ステップS1275)。
以上では、株式の現物取引を行う場合における資金振替について説明したが、株式の信用取引を行う場合における資金振替についても本発明の実施の形態を適用することが可能である。
ここで、信用取引とは、現金、有価証券等の担保を委託保証金として顧客が証券会社に差し入れておき、株式の買付に必要な資金や売付に必要な株券等を顧客が証券会社から借りて行う取引である。この信用取引により、顧客は、自己の資金以上の買付を行うことが可能となるとともに、所有していない株券の売付が可能となる
信用取引に必要な委託保証金として、例えば、約定後の建玉金額に対する所定の割合(所定値)以上の金額を証券会社が定めることができる。また、建玉金額に対する委託保証金の割合を示す数値を保証金維持率(委託保証金率)とする。この保証金維持率については、次の式1を用いて計算することができる。
保証金維持率=(委託保証金−建玉評価損)÷建玉金額×100…(式1)
例えば、証券会社で定められている所定値を30%とした場合において、委託保証金として60万円を差し入れている場合には、信用取引により株式の買付が可能な上限額は200万円となる。
ここで、信用取引の場合には、相場の変動により、委託保証金の担保として差し入れている有価証券や建玉の評価額が減少する場合が考えられる。例えば、約定後の建玉について評価損が発生した場合には、保証金維持率が低下する。また、保証金維持率が所定値以下になった場合には、追加保証金が必要となる。
例えば、証券会社で定められている所定値を30%とし、委託保証金として60万円を差し入れている場合において、信用取引により200万円の株式の買付を行ったものとする。この場合の建玉金額は200万円であるため、信用取引により株式の買付が可能な上限額の範囲内である。この場合に、相場の変動により、約定後の建玉について2万円の評価損が発生したものとする。なお、委託保証金の担保としている有価証券については評価益または評価損はないものとする。この約定後の建玉についての評価損が発生した後の保証金維持率について式1を用いて計算すると、以下に示すように29%となる。
(60−2)÷200×100=29%
このように、評価損の発生後の保証金維持率が、証券会社で定められている所定値(30%)未満である場合には、保証金を追加して保証金維持率を30%以上とする必要がある。この例では、保証金維持率を30%以上とするためには、2万円の追加保証金が必要となる。なお、この例で示す委託保証金には、手数料、管理費等の諸経費が含まれていないものとする。
次に、証券取引システム100において信用取引を行う場合について説明する。
証券取引システム100において信用取引を行う場合には、証券会社120に委託保証金を差し入れる旨の操作入力をユーザ150が顧客端末200を用いて行う。証券会社120に委託保証金を差し入れる旨の操作入力がされた場合には、その旨の入金指示情報を顧客端末200が証券サーバ400に送信する。証券サーバ400が、顧客端末200から委託保証金の入金指示情報を受信した場合には、その委託保証金の値と手数料等の諸経費との合計額を銀行拘束金額とし、この銀行拘束金額を含む銀行拘束金情報を銀行サーバ300に送信する。なお、現物取引の場合と同様に、証券サーバ400が委託保証金の入金指示情報を受信した際に買付余力の確認を行う。そして、買付余力が委託保証金額よりも小さい場合には、エラーメッセージ等を表示させる表示情報を顧客端末200に送信する。
銀行サーバ300は、証券サーバ400から銀行拘束金情報を受信した場合には、この銀行拘束金情報に含まれる銀行拘束金額(委託保証金に係る資金)を、ユーザ150の普通預金口座から証券会社120の普通預金口座に移動する。
なお、バッチ処理時間帯等の所定の時間帯に、証券サーバ400が委託保証金についての諸経費等の計算を行う場合には、顧客端末200からの入金指示情報に含まれる委託保証金の値を銀行拘束金額として証券サーバ400が銀行サーバ300に送信し、この銀行拘束金額をユーザ150の普通預金口座から別段預金口座に移動させる。そして、証券サーバ400は、バッチ処理時間帯等の所定の時間帯において、計算された委託保証金についての諸経費等に基づいて銀行拘束金額の調整額を計算し、この調整額を含む資金移動情報を銀行サーバ300に送信する。この資金移動情報を銀行サーバ300が受信すると、ユーザ150の普通預金口座と別段預金口座との間で銀行拘束金額の調整を行い、調整後の銀行拘束金額(委託保証金に係る資金)をユーザ150の別段預金口座から証券会社120の普通預金口座に移動する。
委託保証金に係る資金の移動が完了した後、銀行サーバ300は、委託保証金に係る資金の移動が完了した旨を証券サーバ400に通知する。この通知を証券サーバ400が受信すると、この通知に係る委託保証金の値をユーザ150の証券口座番号(または銀行口座番号)と関連付けて信用取引メモリ190に記録する。これにより、ユーザ150は、顧客端末200を用いて証券サーバ400との間で信用取引を行うことができる。
そして、信用取引によりユーザ150が株式を新規に買い付ける場合(買い建ての場合)には、顧客端末200を用いて買付要求情報を証券サーバ400に送信する。この買付要求情報には、株式の銘柄、数量等が含まれる。この買付要求情報を顧客端末200から証券サーバ400が受信した場合には、この買付要求情報に含まれる株式の銘柄の株価総額と、信用取引メモリ190に記録されている委託保証金とに基づいて、その株価総額が、信用取引により株式の買付が可能な上限額を超えているか否かを判定する。なお、その株価総額は、買付要求情報が受信された際にネットワーク通信制御部470により取得された株価情報に基づいて計算される。そして、買付要求情報に含まれる株式の銘柄の株価総額が、信用取引により株式の買付が可能な上限額を超えていない場合には、買付要求情報に含まれる株式の銘柄に関する買付注文情報を母店に送信する。そして、約定後に、建玉金額として証券口座番号と関連付けて信用取引メモリ190に記録する。一方、買付要求情報に含まれる株式の銘柄の株価総額が、信用取引により株式の買付が可能な上限額を超えている場合には、エラーメッセージ等を表示させる表示情報を顧客端末200に送信する。
次に、証券サーバ400は、ネットワーク通信制御部470により取得された株価情報と、信用取引メモリ190に記録されている委託保証金、建玉に関する情報とに基づいて追加保証金が必要か否かを判定する。すなわち、証券サーバ400は、式1を用いて、上述した追加保証金である概算追加委託保証金を計算する。この概算追加委託保証金は、諸経費を含まないものである。また、追加保証金が必要か否かの判定は、例えば、1日に1回の割合で行う。
そして、計算で求められた概算追加委託保証金を含む銀行拘束金情報を、証券サーバ400が銀行サーバ300に送信する。この銀行拘束金情報を銀行サーバ300が受信した場合には、この銀行拘束金情報に含まれる概算追加委託保証金の値を、ユーザ150の普通預金口座から別段預金口座に移動する。
続いて、バッチ処理時間帯等の所定の時間帯になった場合に、証券サーバ400は、諸経費を含む最終追加委託保証金を概算追加委託保証金に基づいて計算し、この最終追加委託保証金に基づいて概算追加委託保証金に対する調整額を計算する。ここで、バッチ処理時間帯では、証券会社120の各顧客についての諸経費に関する処理が一括して行われる。このように、同一処理を一括処理することによって、処理時間を短縮し、証券サーバ400の負荷を軽減させることができる。続いて、証券サーバ400は、この概算追加委託保証金に対する調整額を含む調整情報を銀行サーバ300に送信する。この調整情報を銀行サーバ300が受信すると、ユーザ150の普通預金口座と別段預金口座との間で概算追加委託保証金の値の調整を行い、この調整後の概算追加委託保証金の値を、ユーザ150の別段預金口座から証券会社120の普通預金口座に移動する。
以上で示したように、本発明の実施の形態によれば、顧客端末200と証券サーバ400との間で行われる証券仲介取引において、株式売買取引画面に表示される買付余力を参照しながら、株式の買付や売りの注文を行うことができる。このため、銀行110の普通預金口座と、証券会社120の証券口座との預金残高を別々の画面で確認する必要がない。また、資金移動ステータスとして自動が設定されている場合には、銀行110の普通預金口座から証券会社120の証券口座に資金を移動させなくても、ユーザは買付余力の範囲内で株式の買付を行うことができる。このため、株式購入の際には、証券会社の証券口座の預金残高を顧客が適宜確認しなくても、証券取引を円滑に行えるようにすることができる。すなわち、証券取引の操作を容易に行うことができる。
また、本発明の実施の形態では、自動または通常の資金移動ステータスの設定をユーザの好みに応じて行うことができる。例えば、証券会社120の証券口座に預金されている資金の範囲内で取引を行いたいユーザは、資金移動ステータスとして通常を設定することができる。また、例えば、銀行110の普通預金口座から証券会社120の証券口座への資金の移動を手動操作で行いたくないユーザは、資金移動ステータスとして自動を設定することができる。なお、資金移動ステータスとして自動が設定されている場合には、普通預金口座の預金残高の全てが買付余力となる。このため、普通預金口座の預金残高についても、株式購入の資金管理が自己管理となる。そこで、証券顧客管理情報121のリミッター金額170にリミッター金額を記録しておくことにより、顧客の操作ミス等を防止することができる。このように、ユーザの好みに応じて資金移動ステータスを設定することができるため、証券取引を容易に行うことができる。
また、株式の信用取引を行う場合における資金振替を容易に行うことができる。
なお、本発明の実施の形態では、銀行サーバ300における認証処理としてパスワードを用いて本人認証を行う例について説明したが、顔や指紋等の生体情報に基づいて本人認証を行う生体認証を本人認証として用いる場合についても本発明の実施の形態を適用することができる。
また、本発明の実施の形態では、専用回線130を用いて銀行サーバ300と証券サーバ400との間で各情報を送受信する例について説明したが、銀行サーバ300と証券サーバ400との間で行われる各情報の送受信を、httpリダイレクト機能を用いて、顧客端末200を介して行うようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態で示す各表示画面には、銀行取引または証券取引に関する他の文字等が記載される場合があるものの、一部の図示および説明については省略して示す。また、本発明の実施の形態では、銀行サーバ300または証券サーバ400から各表示画面を顧客端末200に送信する例について示したが、各表示画面を表示させるための表示情報を銀行サーバ300または証券サーバ400から顧客端末200に送信して、この示情報に基づいて顧客端末200に表示画面を表示させる場合に本発明の実施の形態を適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
すなわち、請求項1または5において、証券買付注文情報受信手段は、例えばネットワーク通信制御部470に対応する。また、株価情報取得手段は、例えばネットワーク通信制御部470に対応する。また、概算買付約定金額算出手段は、例えば制御部420に対応する。また、銀行拘束金情報送信手段は、例えば制御部420に対応する。また、確定買付金額取得手段は、例えばネットワーク通信制御部470に対応する。また、調整額算出手段は、例えば制御部420に対応する。また、資金移動情報送信手段は、例えば制御部420に対応する。
また、請求項4または5において、銀行口座情報記憶手段は、例えば普通預金口座データベース350に対応する。また、別段銀行口座情報記憶手段は、例えば別段預金口座データベース360に対応する。また、制御手段は、例えば制御部320に対応する。
また、請求項2において、証券顧客管理情報記憶手段は、例えば顧客情報データベース440に対応する。また、設定操作情報送信手段は、例えば制御部420に対応する。また、自動資金移動ステータス設定情報受信手段は、例えばネットワーク通信制御部470に対応する。また、記録制御手段は、例えば制御部420に対応する。
また、請求項3において、設定情報送信手段は、例えば制御部420に対応する。
また、請求項6または7において、証券買付注文情報受信手順は、例えばステップS1251に対応する。また、株価情報取得手順は、例えばステップS1252に対応する。また、概算買付約定金額算出手順は、例えばステップS1253に対応する。また、銀行拘束金情報送信手順は、例えばステップS1259に対応する。また、確定買付金額取得手順は、例えばステップS1262に対応する。また、調整額算出手順は、例えばステップS1266に対応する。また、資金移動情報送信手順は、例えばステップS1267に対応する。
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。