JP2009083814A - 車輪支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪が取り付けられるハブホイール10のハブ軸13と、等速ジョイント50の外輪60とがトルク伝達可能に連結される。ハブ軸13の端面と、この端面に突き合わされる等速ジョイント50の外輪60の側壁部61端面には、相互に噛み合うことでハブホイール10のハブ軸13と等速ジョイント50の外輪60とをトルク伝達可能に接続する両サイドフェーススプライン18、80が形成される。両サイドフェーススプライン18、80を構成する各多数個の歯部18a、80aのうち、少なくとも一つの歯部が除去され、この除去部82に排水路83が構成されている。
【選択図】図2
Description
前記ハブ軸の端面と、この端面に突き合わされる前記等速ジョイントの外輪の側壁部端面には、相互に噛み合うことで前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とをトルク伝達可能に接続する両サイドフェーススプラインが形成され、
前記両サイドフェーススプラインを構成する各多数個の歯部のうち、少なくとも一つの歯部が除去され、この除去部に排水路が構成されていることを特徴とする。
車両走行時において、車輪が跳ね上げる泥水等が両サイドフェーススプラインの噛み合いの隙間から内部に侵入した場合、侵入した泥水等は、遠心力の作用によって外径側へ向けて流れ、サイドフェーススプラインの歯部の除去部によって構成された排水路から外部へ排水される。
前記したように、両サイドフェーススプラインの噛み合いの隙間から内部に侵入した泥水等を排水路から外部に良好に排水することができるため、発錆を防止することができる。
ハブホイールのハブ軸には、同ハブ軸と、等速ジョイントの外輪とを連結する連結ボルトが挿通される内孔が形成され、
前記ハブ軸の内孔は、サイドフェーススプライン側に位置する一端側が大径で他端側に向けてしだいに小径に形成されたテーパ孔をなしていることを特徴とする。
前記構成によると、両サイドフェーススプラインの噛み合いの隙間からハブ軸の内孔の一端側に侵入した泥水等が同内孔の他端側(サイドフェーススプライン側と反対側)へ向けて流れることを抑制することができ、排水性の向上を図ることができる。
この発明の実施例1を図1と図2にしたがって説明する。
図1はこの発明の実施例1に係る車輪支持装置を示す側断面図である。図2はハブ軸の端面と等速ジョイントの外輪の側壁部の端面の両サイドフェーススプラインの噛み合い状態を示す展開図である。
図1に示すように、この実施例1の車輪支持装置は、ハブホイール10と、転がり軸受としての複列のアンギュラ玉軸受20と、等速ジョイント50とを備えて構成されている。
ハブ軸13の外周には、外輪30、内輪21、転動体としての複数の玉41、42及び保持器45、46を備えた複列のアンギュラ玉軸受20が組み付けられている。
さらに、外輪30の他方の軌道面32に対応する軌道面23が外周面に形成された内輪21がハブ軸13の小径軸部16の外周面に嵌込まれた後、小径軸部16の先端部がかしめられてかしめ部17が形成されることによって、内輪21が段差部とかしめ部17との間に固定されている。
また、外輪30の両軌道面31、32と、ハブ軸13側の両軌道面22、23との間には各複多数個の玉41、42と、これら各複多数個の玉41、42をそれぞれ保持する保持器45、46が組み付けられる。
また、外輪30の外周面には、車両の懸架装置(図示しない)に支持された車体側部材(ナックル、又はキャリア)にボルトによって取り付けるための固定フランジ35が一体に形成されている。
また、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61の中心部にはハブホイール10と等速ジョイント50とを一体状に連結するための連結ボルト70が突出されている。
そして、等速ジョイント50の外輪60の貫通孔63の内側開口部から連結ボルト70の軸部72が嵌挿され、頭部71の下面が側壁部61の内面に当接する位置まで軸部72の根本部の大径部72aが圧入されることによって、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61から連結ボルト70の軸部72が突出されて固定される。連結ボルト70の軸部72の先端部には雄ねじ部73が形成され、この雄ねじ部73には締付ナット75を回り止めするためのかしめ溝74が凹設されている。
そして、ハブホイール10と、等速ジョイント50とは次のようにしてトルク伝達可能に一体状に連結される。
すなわち、先ず、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61端面から突出された連結ボルト70の軸部72をハブホイール10のハブ軸13の内孔14の一端側(車幅方向中心側)から他端側(車幅方向外側)に向けて挿通する。
その後、ハブ軸13の端面のサイドフェーススプライン18と等速ジョイント50の外輪60の側壁部61端面のサイドフェーススプライン80を噛み合わせながら、連結ボルト70の軸部72先端部の雄ねじ部73をハブ軸13の内孔14の他端側に突出させた状態で、雄ねじ部65に締付ナット75が締め付けられる。ここで、締付ナット75端部の薄肉部76の一部が雄ねじ部73のかしめ溝74内にかしめられて回り止めされることで、ハブホイール10と等速ジョイント50とがトルク伝達可能に一体状に連結される。
この実施例1において、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61端面のサイドフェーススプライン80を構成する多数個の歯部80aのうち、一つの歯部が除去され、この除去部82に排水路83が構成されている。
したがって、車両の走行時等の駆動軸51のトルクは、等速ジョイント50の内輪52、複数のボール53及び外輪60に順次伝達され、駆動軸51と同方向に外輪60が回転される。
等速ジョイント50に伝達されたトルクは、ハブホイール10のハブ軸13の端面(かしめ部17の端面)と、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61端面との両サイドフェーススプライン18、80の噛み合いによってハブホイール10に伝達され、車輪が回転駆動される。
このようにして、両サイドフェーススプライン18、80の噛み合いの隙間から内部に侵入した泥水等を排水路83から外部に良好に排水することができるため、発錆を防止することができる。
すなわち、歯部80aの除去数は、両サイドフェーススプライン18、80の噛み合いによるトルク伝達に支障をきたすことがない程度に適宜に設定すればよい。
また、ハブホイール10のハブ軸13の端面のサイドフェーススプライン18を構成する多数個の歯部18aのうち、少なくとも一つの歯部が除去され、この除去部に排水路が構成される場合においても同等の作用効果を奏する。
次に、この発明の実施例2を図5にしたがって説明する。
図5はこの発明の実施例2に係る車輪支持装置を示す側断面図である。
図5に示すように、この実施例2において、ハブホイール10のハブ軸13を内孔114が、サイドフェーススプライン18側に位置する一端側が大径で他端側に向けてしだいに小径に形成されたテーパ孔をなしている。
この実施例2のその他の構成は、実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
特に、この実施例2においては、両サイドフェーススプライン18、80の噛み合いの隙間からハブ軸13の内孔(テーパ孔)114の一端側に侵入した泥水等が同内孔114の他端側へ向けて流れることを抑制することができるため、排水性の向上を図ることができる。
例えば、前記実施例1及び2においては、等速ジョイント50の外輪60の側壁部61の貫通孔63に、外輪60とは別体の連結ボルト70が圧入によって固定される場合を例示したが、外輪60の側壁部61から連結ボルトを一体に突出した場合においてもこの発明を実施可能である。
また、ハブホイール側の転がり軸受としては複列のアンギュラ玉軸受20の他、複列の円すいころ軸受けを用いてもこの発明を実施可能である。
11 フランジ
13 ハブ軸
14 内孔
17 かしめ部
18 サイドフェーススプライン
20 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
21 内輪
50 等速ジョイント
60 外輪
61 側壁部
80 サイドフェーススプライン
80a 歯部
82 除去部
83 排水路
Claims (2)
- 車輪が取り付けられるハブホイールのハブ軸と、等速ジョイントの外輪とがトルク伝達可能に連結された車輪支持装置であって、
前記ハブ軸の端面と、この端面に突き合わされる前記等速ジョイントの外輪の端壁部端面には、相互に噛み合うことで前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とをトルク伝達可能に接続する両サイドフェーススプラインが形成され、
前記両サイドフェーススプラインを構成する各多数個の歯部のうち、少なくとも一つの歯部が除去され、この除去部に排水路が構成されていることを特徴とする車輪支持装置。 - 請求項1に記載の車輪支持装置であって、
ハブホイールのハブ軸には、同ハブ軸と、等速ジョイントの外輪とを連結する連結ボルトが挿通される内孔が形成され、
前記ハブ軸の内孔は、サイドフェーススプライン側に位置する一端側が大径で他端側に向けてしだいに小径に形成されたテーパ孔をなしていることを特徴とする車輪支持装置。
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