JP2009082890A - 光学用樹脂フィルムの製造方法、ハードコートフィルム - Google Patents

光学用樹脂フィルムの製造方法、ハードコートフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】基材の上に密着性に優れ、乾燥性が早く、且つ、基材の物理化学特性を変化させないで機能層を形成する光学用樹脂フィルムの製造方法と、この製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムの提供。
【解決手段】厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を少なくとも2相有する樹脂フィルムを用いて、前記樹脂フィルムに対する浸透性が1g/(cm2・min)以上の溶媒を全質量の5%〜80%含有し、反応性硬化樹脂を全質量の20質量%〜70質量%を含む機能層形成用塗布液を塗布することで少なくとも1層の機能層を形成することを特徴とする光学用樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は光学用樹脂フィルムの製造方法、及びこの製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムに関する。更に詳しくは、厚さ方向で空孔の体積占有率が順次異なる相を有する樹脂フィルムを使用した光学用樹脂フィルムの製造方法、及びこの製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムに関する。
近年、携帯機器、パソコン、モニター、テレビなど、あらゆる用途で各種ディスプレイが用いられている。中でも液晶ディスプレイは、携帯機器用の小型製品から、最近ではモニターやテレビなどの大型製品の分野に至るまで幅広く用いられている。液晶表示装置の最表面の部材には保護フィルムとして帯電防止機能を持たせるための帯電防止層、表面硬度を向上又は耐スリキズ性を付与するためのハードコート層、カールを防止するためのアンチカール層、或いは画像や文字の視認性を高めるために、防眩層、反射防止層、防眩性反射防止層等の様々な機能を持たせた光学用樹脂フィルムが使用されている。これらの機能層は様々な機能を持たせるための各種添加剤と樹脂とを有する塗布液を塗設することで設けられている。
例えば、特開2001−264508号公報、同2003−121620号公報に、平滑な支持体フィルム中に防眩性微粒子を含有させたハードコート層を設け、その上に反射防止層を設けた防眩性反射防止フィルムが記載されている。
この様に透明樹脂フィルムに機能層を塗設した場合、特にハードコート層やその上に更に反射防止層を塗設したような積層構造をとった場合、クラックの発生や様々な工程において傷の発生等が見られ問題となることがあった。特に、これら光学用樹脂フィルムを用いて偏光板を製造すると、その後の裁断、打ち抜きの際にハードコート層の剥離、割れといった故障を生じ生産性を著しく損ねるといった問題があった。
又、様々な機能を持たせるため、下層に微粒子を添加することがあり、例えば下層を帯電防止層とした場合、導電性微粒子を添加することになるが、その場合、各層の密着性及び、添加した微粒子と下層バインダーとの密着性が問題となることがあり、前記剥離や割れを増加させることがあった。
これら剥離に対して更に検討がされており、例えば特定のセルロースエステルフィルム基材上にハードコート層を設ける時、ハードコート層の密着性を改良するため、基材に対して膨潤又は溶解し得る溶剤の塗布組成物溶剤全体に占める割合が20〜95体積%である、塗布組成物を塗設して形成された中間層を設ける方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、密着性の向上は認められるが次の欠点を有している。1)基材を溶解し浸透するため乾燥に時間が掛かり、生産性の向上の阻害要因の一因となっている。2)基材中に浸透した溶剤の滞留時間が長くなるため、基材中の成分が分離し基材の物理化学特性を変化させる危険がある。
この様な状況から、基材の上に密着性に優れ、乾燥性が早く且つ、基材の物理化学特性に変化させない機能層を形成する光学用樹脂フィルムの製造方法と、この製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムの開発が望まれている。
特開2005−70744号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材の上に密着性に優れ、乾燥性が早く、且つ、基材の物理化学特性を変化させないで機能層を形成する光学用樹脂フィルムの製造方法と、この製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を少なくとも2相有する樹脂フィルムを用いて、前記樹脂フィルムに対する浸透性が1g/(cm2・min)以上の溶媒を全質量の5%〜80%含有し、反応性硬化樹脂を全質量の20質量%〜70質量%を含む機能層形成用塗布液を塗布することで少なくとも1層の機能層を形成することを特徴とする光学用樹脂フィルムの製造方法。
2.前記相が第1相と、第2相とを有し、該第1相は該第2相の樹脂層を塗設する面の上にあることを特徴とする前記1に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
3.前記第1相の空孔による空隙の体積占有率が5%〜20%であり、第2相の空孔による空隙の体積占有率が0%〜1%であることを特徴とする前記2に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
4.前記第1相の厚さが樹脂フィルムの総厚の60%〜99%で、第2相の厚さが樹脂フィルムの総厚の1%〜40%であることを特徴とする前記2又は3に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
5.前記第2相の第1相が形成された面と反対の面に第3相を有することを特徴とする前記2に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
6.前記第3相の空孔による空隙の体積占有率が5%〜20%であることを特徴とする前記5に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
7.前記第1相の厚さが樹脂フィルムの総厚の40%〜60%であり、第2相の厚さが樹脂フィルムの総厚の1%〜20%であり、第3相の厚さが樹脂フィルムの総厚の40%〜60%であることを特徴とする前記5又は6に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
8.前記樹脂層は第1相の上に形成されていることを特徴とする前記1〜7の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
9.前記空孔の80%以上の空孔で最大径が1.0nm〜1000nmの範囲に分布していることを特徴とする前記1〜8の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
10.前記樹脂フィルムの厚さが40μm〜80μmで、機能層の厚さが4μm〜16μmであることを特徴とする前記1〜9の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
11.前記樹脂フィルムが溶液流延法により製造することを特徴とする前記1〜10の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
12.前記1〜11の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法により製造されたことを特徴とするハードコートフィルム。
基材の上に密着性に優れ、乾燥性が早く、且つ、基材の物理化学特性を変化させないで機能層を形成する光学用樹脂フィルムの製造方法と、この製造方法により製造されたハードコートフィルム、反射防止フィルムを提供することが出来、生産性の向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の製造方法で製造された光学用樹脂フィルムの概略断面図である。図1(a)は空孔による体積占有率が異なる相を2相有する樹脂フィルムを用いて製造された機能層を有する光学用樹脂フィルムの概略断面図である。図1(b)は空孔による体積占有率が異なる相を3相有する樹脂フィルムを用いて製造された機能層を有する光学用樹脂フィルムの概略断面図である。
図1(a)に示される機能層を有する光学用樹脂フィルムに付き説明する。図中、1aは機能層を有する1aを示す。光学用樹脂フィルム1aは、基材である樹脂フィルム2と機能層3とを有する構成となっている。樹脂フィルム2は空孔による空隙の体積占有率が異なる第1相2aと第2相2bとを有している。樹脂フィルム2に関しては図2で詳細に説明する。機能層3は少なくとも第1相2a側に設けられていればよく、必要に応じて適宜選択することが可能となっている。
Oは機能層3の厚さを示す。厚さOは、密着性、塗布時の溶剤量、硬化反応の反応率と速度等を考慮し、4μm〜16μmであることが好ましい。
Pは樹脂フィルム2の厚さを示す。厚さPは、生産性、物理的強度、加工後の膜厚等を考慮し、40μm〜80μmであることが好ましい。
Qは第1相2aの厚さを示す。厚さQは、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、樹脂フィルム2の厚さPに対して60%〜99%であることが好ましい。
Rは第2相2bの厚さを示す。厚さRは、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、樹脂フィルム2の厚さPに対して1%〜40%であることが好ましい。
図1(b)に示される機能層を有する光学用樹脂フィルムに付き説明する。図中、1bは機能層を有する光学用樹脂フィルムを示す。光学用樹脂フィルム1bは、基材である樹脂フィルム4と機能層5とを有する構成となっている。樹脂フィルム4は空孔による空隙の積占有率が異なる第1相4aと第2相4bと、第3相4cとを有している。第3相4cは第2相4bの第1相4aが形成された面と反対の面に形成されている。
樹脂フィルム4に関しては図3で詳細に説明する。機能層5は少なくとも第1相4a側に設けられていればよく、必要に応じて適宜選択することが可能となっている。
Sは機能層5の厚さを示す。厚さSは、物理的強度、光学的特性、硬化反応速度等を考慮し、4μm〜16μmが好ましい。
Tは樹脂フィルム4の厚さを示す。厚さTは、生産性、物理的強度、加工後の膜厚等を考慮し、40μm〜80μmであることが好ましい。
Uは第1相4aの厚さを示す。厚さUは、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、樹脂フィルム4の厚さTに対して40%〜60%であることが好ましい。
Vは第2相4bの厚さを示す。厚さVは、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、樹脂フィルム4の厚さTに対して1%〜20%であることが好ましい。
Wは第3相4cの厚さを示す。厚さWは、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、樹脂フィルム4の厚さTに対して40%〜60%であることが好ましい。
図1(a)、図1(b)に示される構成の光学用樹脂フィルムの製造は、図4に示す製造装置により製造した、図2、図3に示す厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を有する樹脂フィルムを使用し、機能層機能層形成用塗布液を例えばグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等で塗布することにより製造することが出来る。
図1(a)、図1(b)に示される機能層を形成する機能層形成用塗布液としては、樹脂フィルムに対する浸透性が1g/(cm2・min)以上の溶媒を全質量の5%〜80%含有し、反応性硬化樹脂を全質量の20質量%〜70質量%を含む塗布液が挙げられる。
浸透性は次に示す浸透性試験を行い求めた値を示す。
浸透性試験
ガラスの管の両端にスライドで取り外し可能なふたを付け、内部に浸透性を測定したい液体を満たして質量を測定し、上方のふたをはずして測定する試料に密着させる。試料とガラス管をひっくり返すと同時に上方に来るふたをはずし、測定時間の間その状態を保持する。時間経過したらふたを上方に取り付けてひっくり返し、サンプルをはずしてふたを閉め減少した液体の質量を測定する。管の内径から断面積を算出し、減少した質量を単位面積、単位時間当たりの減少量に換算した値のことを浸透性評価の値としている。
管とふたの材質は液体に影響されないものならば何を用いてもよいが温度などによる体積変化の少ないものが好ましい。
通常、浸透性の評価はサンプルが変形、破壊されない条件で測定を行う。浸透性試験を行った場合、1分間の測定の間に樹脂膜を溶解させて穴が開いてしまって正確な浸透性評価が不可能な溶媒を測定不可能と表記する。溶媒種により穴のサイズ、発生までの時間など状況は異なるが測定後にフィルムに穴が開いていたものは全て測定不可とした。
浸透性が1g/(m2・min)未満の場合は、塗布した機能層が十分に樹脂層と密着しないことで干渉ジマが発生したり、ディスプレイへの加工の際に樹脂層と機能層が剥離してしまったりするため好ましくない。
又、浸透性が1g/(m2・min)以上の場合であっても添加量が全質量の5%以下であれば、塗布した機能層が十分に樹脂層と密着しないことで干渉ジマが発生したり、ディスプレイへの加工の際に樹脂層と機能層が剥離してしまったりするため好ましくない。
浸透性が高く樹脂層が溶解して貫通してしまう溶媒であっても添加量が全質量の80%以下であれば機能層の形成に使用しても問題ない。添加量が80%を超えると基材の溶解による影響が大きくなり、成分の分離、樹脂層の強度低下、表面の平滑性劣化、機能層の均一な成型が困難となるため好ましくない。
反応性硬化樹脂が20質量%未満の場合は、乾燥に時間が掛かることにより、均一な機能層の形成や樹脂層への影響が大きくなるため好ましくない。反応性硬化樹脂が80質量%を超える場合は、流動性の低下により、均一な機能層の形成、表面の平滑性確保が困難となるため好ましくない。
図1(a)、図1(b)に示される機能層としては、特に限定はないが、例えばハードコート層、反射防止層とが挙げられる。以下にハードコート層を塗設する場合に付き説明する。ハードコート層は通常、反応性硬化樹脂を塗設し形成されている。反応性硬化樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする樹脂を言う。
ハードコート層は、反応性硬化樹脂を有機溶媒に溶解した、ハードコート層形成用塗布液を塗布した後、乾燥中、又は後に活性線を照射することで形成される。ハードコート層用塗布組成物の塗布方法としては特に限定はなく、例えばグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法で塗設することが出来る。
塗布量はウェット膜厚として7μm〜30μmが適当で、好ましくは、10μm〜25μmである。又、ドライ膜厚としては5μm〜20μm、好ましくは5μm〜15μmである。
ハードコート層用塗布組成物は塗布した後、乾燥中又は乾燥後に、前述のように活性線を照射するのがよい。照射時間としては、0.1秒〜5分程度がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率又は作業効率の観点から0.1〜20秒がより好ましい。又、紫外線照射部の照度は50〜150mW/m2であることが好ましい。ハードコート層用塗布組成物に関しては後述する。
紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化させ、硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は好ましくは、5〜200mJ/cm2であり、特に好ましくは20〜100mJ/cm2である。
機能層として反射防止層を塗設する場合に付き説明する。反射防止層(金属酸化物層とも言う)を塗布により形成する方法としては、例えば溶剤に溶解したバインダー樹脂中に金属酸化物の微粒子を分散し、塗布乾燥する方法、架橋構造を有するポリマーをバインダー樹脂として用いる方法、エチレン性不飽和モノマーと光重合開始剤を含有させ、活性線を照射することにより層を形成する方法等の塗布方法を挙げることが出来る。塗布法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、エクストルージョンコート法やインクジェット法により、塗布形成することが出来る。
反射防止層(金属酸化物層)としては、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の中から必要に応じて選択し形成することが好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。各層の厚さは、5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmの範囲にあることが最も好ましい。
反射防止層(金属酸化物層)のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。反射防止層(金属酸化物層)の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で3H以上であることが好ましく、4H以上であることが最も好ましい。金属酸化物層を塗布により形成する場合は、無機微粒子とバインダーを含むことが好ましい。
反射防止層(金属酸化物層)に用いる無機微粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることが更に好ましい。無機微粒子の一次粒子の質量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。層中での無機微粒子の質量平均径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。無機微粒子の平均粒径は、20〜30nm以上であれば光散乱法により、20〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。無機微粒子の比表面積は、BET法で測定された値として、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることが更に好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
図2は図1(a)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略図である。図2(a)は図1(a)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略断面図である。図2(b)は図2(a)のLで示される部分の拡大概略図である。
図中、2は基材の樹脂フィルムを示す。第1相2aの空孔201の占有体積率は、樹脂フィルムの構成(第1相/第2相)を考慮し、5%〜20%が好ましい。第2相2bの空孔201の占有体積率は、樹脂フィルムの機能、第2相としての機能維持等を考慮し、0%〜1%が好ましい。空孔201の占有体積率は以下に示す方法で占有体積を求め、以下に示す式から計算で求めた値を示す。
空孔の占有体積率を求める方法
個の空孔の体積の求め方
SEM(倍率15000倍)で撮影した樹脂フィルムの断面撮像から、空孔の最大直径を測定し平均値を求め、求められた最大直径の1/2を空孔の半径rとし使用した。求められた半径rを用い、球の体積を求める式(4πr3/3)より計算で求めた。
一定体積中の空孔の体積=個の空孔の体積×一定体積中の空孔の数
占有体積率(%)=一定体積中の空孔の体積/樹脂フィルムの一定体積
空孔201の大きさは、空孔の分布の均一性、樹脂フィルムの光学性能の維持等を考慮し、空孔の80%以上の空孔で最大径が1.0nm〜1000nmの範囲に分布していることが好ましい。
空孔201の大きさはとは、断面形状における空孔201の最大径を言う。最大径はSEMを使用し、樹脂フィルムの断面を撮影(倍率15000倍)で測定し、得られた撮像から空孔の最大直径を実測し求めた値を示す。
空孔201は樹脂フィルム2の表面では開口部201aを有した状態となっており、樹脂フィルム2の内部では密封された状態の空孔となっている。開口部201aの大きさは、空孔201の樹脂フィルム2の表面からの位置と、空孔201の大きさにより異なるため一義的に規定することは困難である。空孔201の断面形状は特に限定はなく、例えば円、楕円等が挙げられる。
図3は図1(b)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略図である。図3(a)は図1(b)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略断面図である。図3(b)は図2(a)のMで示される部分の拡大概略図である。
図中、4は基材の樹脂フィルムを示す。
第1相4aの空孔401の占有体積率は、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、5%〜20%が好ましい。第2相4bの空孔401の占有体積率は、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、0%〜1%が好ましい。第3相4cの空孔401の占有体積率は、溶剤の浸透速度、物理的強度等を考慮し、5%〜20%が好ましい。空孔401の占有体積率は図2に示される樹脂フィルム2の場合と同じ方法で求めた値を示す。空孔401の大きさは、空孔の分布の均一性、樹脂フィルムの光学性能の維持等を考慮し、空孔の80%以上の空孔で最大径が1.0nm〜1000nmの範囲に分布していることが好ましい。
空孔401の大きさはとは、断面形状における空孔401の最大径を言う。最大径はSEMを使用し、樹脂フィルムの断面を撮影(倍率15000倍)で測定し、得られた撮像から空孔の最大直径を実測し求めた値を示す。空孔は楕円状のものも存在し、その径の測定は断面写真から測定される最大の径とする。又、空隙率の算出の際にも最大径を使用し、空隙最大径が規定範囲を超える個数の割合を同時に算出した。
空孔401は樹脂フィルム4の表面(第1相4aの表面)では開口部401aを有した状態となっており、樹脂フィルム4の内部では密封された状態の空孔となっている。開口部401aの大きさは、空孔401の樹脂フィルム4の表面からの位置と、空孔401の大きさにより異なるため一義的に規定することは困難である。空孔401の断面形状は特に限定はなく、例えば円、楕円等が挙げられる。又、空孔401は樹脂フィルム4の裏面(第3相4cの表面)でも同じ状態となっている。
図2、図3に示す様な厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を少なくとも2相有する樹脂フィルムの製造方法は図4で説明する。
図2、図3に示す様な厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を少なくとも2相有する樹脂フィルムの機能として、1)空孔による浸透性の向上、2)表面の開口部のアンカー効果、3)溶剤の乾燥速度向上効果等が挙げられる。
図2、図3に示す構成の樹脂フィルムを使用し、図1(a)、図1(b)に示す様に、機能層を塗設した場合次の効果が挙げられる。
1)機能層形成用塗布液の溶媒は空孔により樹脂フィルムの内部への浸透が早くなり、塗布した面とは反対の面から溶媒の蒸発が行われ、塗布された機能層への滞留と樹脂層内部での滞留が短くなる。この溶媒の蒸発の促進は図2に示す2相構成の樹脂フィルムよりも図3に示す3相構成の樹脂フィルムの方が更に優れている。これらにより、機能層形成用塗布液を塗布してから溶媒を浸透・乾燥させ機能層を形成するまでの時間が短縮され、生産効率の向上が可能となった。
2)機能層形成用塗布液の溶媒の滞留が短くなることで、機能層、樹脂層への影響がなくなり、表面性、物理的強度、均一性の向上が可能となった。
3)機能層形成用塗布液の一部が塗布面存在する開口部に入り込むことで、開口部のアンカー効果により機能層の密着性が向上し剥離耐性が向上する。この結果、密着性を向上させるための中間層の設置が不要となり生産効率の向上が可能となった。又、小サイズへの断裁加工が容易になり用途拡大、対応の迅速化が可能となる。
次に図1(a)に示される空孔の体積占有率が異なる2相から構成される樹脂フィルム、及び図1(b)に示される空孔の体積占有率が異なる3相から構成される樹脂フィルムの製造方法に付き1例を図4で説明する。尚、図4では図1(a)及び図1(b)に示される樹脂フィルムを無端ベルトを使用した溶液流延方法による製造方法を示しているが、無端ドラムを用いた溶液流延或いは溶融流延方法によっても製造することは可能である。
図4は、無端ベルト支持体を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置の概略図である。図4(a)は流延後、第1乾燥工程で予備乾燥し、その後テンター搬送した後、第2乾燥工程で本乾燥を行う無端ベルト支持体を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置の概略図である。図4(b)は流延後、第1テンターと第2テンターで搬送した後、第2乾燥工程で本乾燥を行う無端ベルト支持体を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置の概略図である。図4(c)は第1テンターと第2テンターとの間にMD延伸工程を設けた無端ベルト支持体を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置の概略図である。
図4(a)に示される樹脂フィルムの製造装置に付き説明する。
図中、6aは樹脂フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置6aは、流延工程601と、第1乾燥工程602と延伸工程603と、第2乾燥工程604と、巻き取り工程605とを有している。
流延工程601は、鏡面の無端ベルト支持体601aと、樹脂を溶媒に溶解したドープ7を、無端ベルト支持体601aに流延するダイス601bと、加熱装置601cとを有している。無端ベルト支持体601aはロール601a1とロール601a2とで保持され、回動(図中の矢印方向)が可能となっている。
8は無端ベルト支持体601aにドープ7が流延されたウェブを示す。9は固化した状態のウェブを剥離する剥離ロールを示す。ウェブ8の厚さは、巻き取り工程605で回収された樹脂フィルムの厚さが設定された膜厚になるように必要に応じて設定が可能となっている。
加熱装置601cは、無端ベルト支持体601aの上に流延されたドープ7を無端ベルト支持体601aから剥離出来る状態に溶媒を除去するために配設されている。
加熱装置601cは、乾燥箱601c1と、乾燥箱601c1に配設された第1加熱風供給装置601dと、第2加熱風供給装置601eと、排気管601fとを有している。第1加熱風供給装置601dは加熱風供給管601d1とヘッダー601d2とを有している。第2加熱風供給装置601eは加熱風供給管601e1とヘッダー601e2とを有している。
第1加熱風供給装置601d側の無端ベルト支持体601a上のウェブ7の温度及び第2加熱風供給装置601e側の無端ベルト支持体601a上のウェブの温度は、溶媒の蒸発時間に伴う搬送速度、溶媒蒸発に伴う発泡、所定の空孔の大きさ、空孔の密度の形成、生産性等を考慮し、−5℃〜70℃の範囲が好ましく、特に0℃〜60℃の範囲が好ましい。
第1加熱風供給装置601d及び第2加熱風供給装置601eから供給する加熱風の風圧は、溶媒蒸発の均一性、樹脂フィルム内の空孔の密度のムラ、空孔の大きさ等を考慮し、50Pa〜5000Paが好ましい。
第1加熱風供給装置601dによる無端ベルト支持体601a上のウェブ7へ供給する加熱風の温度は、一定の温度で乾燥してもよいし、無端ベルト支持体601aの移動方向で数段階の温度に分けて供給しても構わない。又、第2加熱風供給装置601eによる無端ベルト支持体601a上のウェブ7へ供給する加熱風の供給も同じである。
本図に示す加熱装置601cは加熱風を使用した場合を示しているが、加熱手段としては特に限定はなく、この他に、例えば無端ベルト支持体601a上のウェブを赤外線ヒータで加熱する方法、無端ベルト支持体601aの裏面に温風を吹き付け裏面側から加熱する方法等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
無端ベルト支持体601aの上にドープを流延した後、無端ベルト支持体601aからウェブ8を剥離までの間での時間は作製する樹脂フィルムの膜厚、使用溶媒によって異なるが、無端ベルト支持体601aからの剥離性を考慮し、0.5分〜5分の範囲が好ましい。
使用する無端ベルト支持体601aとしては、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、例えば鋳物で表面をメッキ仕上げした金属ベルトが好ましく用いられる。無端ベルト支持体601aの幅は1700mm〜2700mmが好ましい。流延する幅は、無端ベルト支持体601aの幅に対して、80%〜99%とすることが好ましい。
ウェブ8を無端ベルト支持体601aより剥離する時のウェブ8の全残留溶媒量は、無端ベルト支持体からの剥離性、剥離時の残留溶媒量、剥離後の搬送性、搬送・乾燥後に出来上がる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し、30質量%〜200質量%が好ましい。又、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、無端ベルト支持体からのウェブの剥離性、剥離時の残留溶媒量、剥離後の搬送性、搬送・乾燥後に出来上がる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し30%〜120%が好ましい。更に好ましくは50%〜95%である。尚、使用する溶媒に関しては後述する。
無端ベルト支持体601aより剥離した時から延伸工程での延伸開始時までのウェブ8の残留溶媒量は、製品としての樹脂フィルムのカール、シワ等を考慮し、5質量%〜50質量%が好ましい。
ドープ7の樹脂フィルム形成用の樹脂の濃度は、濃度が高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減出来て好ましいが、樹脂フィルム形成用の樹脂の濃度が高過ぎると濾過時の負荷の増加、濾過精度の低下、空孔の形成の低下等が発生する。これらを両立する濃度としては、10質量%〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15質量%〜25質量%である。
無端ベルト支持体601aからウェブ4を剥離する際に、剥離張力及びその後の搬送張力によってウェブ8はMD(Machine Direction)方向に延伸するため、本発明においては無端ベルト支持体601aからウェブを剥離する際は剥離及び搬送張力は50N/m〜400N/mにすることが好ましい。
第1乾燥工程602は、乾燥風取り入れ口602bと排出口602cとを有する乾燥箱602aと、ウェブ8を搬送する上部の搬送ロール602dと下部の搬送ロール602eとを有している。上部の搬送ロール602dと下部の搬送ロール602eとは上下で一組で、複数組から構成されている。第1乾燥工程602で延伸工程603に入る前のウェブ8に含まれる溶媒量の調整が行うことが可能となっている。
乾燥温度は、延伸工程に入る時のウェブ8残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒によるウェブの発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。
本図に示す製造装置6aの場合、無端ベルト支持体601aより剥離し、延伸工程603で延伸開始時までのウェブ8のMD方向の伸縮率は、出来上がった樹脂フィルムの弾性率、光学特性等を考慮し1%〜25%が好ましい。又、ウェブ8のTD(Transverse Direction)方向の伸縮率は、出来上がった樹脂フィルムの弾性率、光学特性等を考慮し、−1%〜−25%が好ましい。
延伸工程603は、乾燥風取り入れ口603bと排出口603cとを有する外箱603aと、外箱603aの中に入れられたテンター延伸装置603dとを有している。テンター延伸装置603dに使用するテンターは特に限定はなく、例えば、クリップテンター、ピンテンター等が挙げられ、必要に応じて選択し使用することが可能である。テンター延伸装置603dでは、ウェブ4の搬送方向(MD方向)、或いは搬送方向と直角方向(TD方向)に必要に応じて延伸することが可能となっている。
尚、乾燥風取り入れ口603bと排出口603cとは逆であってもよい。延伸工程603における溶媒除去手段としては加熱風を使用した場合を示しているが、溶媒除去手段としては特に限定はなく、この他に、例えば赤外線が挙げられる。
延伸工程603で延伸開始時のウェブの全残留溶媒量は、スリキズ、収縮率、変形等を考慮し、10質量%〜30質量%にすることが好ましい。又、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、搬送・乾燥後に出来上がる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し、5%〜70%が好ましい。好ましくは、20%〜65%である。更に好ましくは、30%〜60%である。
第2乾燥工程604は、乾燥風取り入れ口604bと排出口604cとを有する乾燥箱604aと、ウェブ8を搬送する上部の搬送ロール604dと下部の搬送ロール604eとを有している。上部の搬送ロール604dと下部の搬送ロール604eとは上下で一組で、複数組から構成されている。第2乾燥工程604に配設される搬送ロールの数は、乾燥条件、方法、製造される光学用フィルムの長さ等により異なり適宜設定している。上部の搬送ロール604dと下部の搬送ロール604eとは駆動源によって回転駆動されない自由回転ロールとなっている。又、乾燥工程から巻き取り工程までの間には、全て自由回転する搬送ロールが用いられるわけではなく、通常、1本〜数本の搬送用駆動ロール(駆動源によって回転駆動するロール)の設置を必要とする。基本的に、搬送用駆動ロールは、その駆動で樹脂フィルムを搬送するのが目的であるので、ニップやサクション(エアーの吸引)などにより、樹脂フィルムの搬送と、駆動ロールの回転とを同期させる機構が付いている。
第2乾燥工程604では加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。本図は加熱空気を使用した場合を示している。乾燥温度は、乾燥工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、乾燥時間、収縮ムラ、伸縮量の安定性等を考慮し、30℃〜180℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、3〜4段階の温度に分けて、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。
第2乾燥工程604での乾燥処理後の樹脂フィルムの残留溶媒量は、乾燥工程の負荷、保存時の寸法安定性伸縮率等を考慮し、0.01質量%〜15質量%が好ましい。尚、本発明では流延工程で形成されたウェブが第2乾燥工程604で徐々に溶媒が除去され、全残留溶媒量が15質量%以下となったウェブを樹脂フィルムと言う。
巻き取り回収工程605は、巻き取り装置(不図示)を有し、第2乾燥工程604で設定した残留溶媒量とした樹脂フィルム10を必要量の長さに巻き芯に巻き取る。605aは巻き芯に巻き取られたロール状の樹脂フィルムを示す。尚、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるスリキズ、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。使用する巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることが出来る。
巻き取り回収工程605で回収された樹脂フィルム10の伸縮率は、搬送・乾燥後に出来上がる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し、MD方向の伸縮率が0%〜20%で、TD方向の伸縮率が−3%〜20%であることが好ましい。
図4(b)に示される樹脂フィルムの製造装置に付き説明する。4(a)に示される製造装置1aとの違いは、図1(a)の第1乾燥工程602がロール搬送方式に対して、図4(b)場合はテンター搬送方式による第1乾燥工程を有していることである。他は全て図4(a)と同じである。
図中、6bは光学用フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置6bは、流延工程601と、第1乾燥工程602′と、延伸工程603と、第2乾燥工程604と、巻き取り工程605とを有している。流延工程601と、延伸工程603と、第2乾燥工程604と、巻き取り工程605とは図1(a)に示される製造装置の場合と同じであるため説明は省略する。
第1乾燥工程602′は、乾燥風取り入れ口602′bと排出口602′cとを有する外箱602′aと、外箱602′aの中に入れられたテンター搬送装置602′dとを有している。テンター搬送装置602′dに使用するテンターは、延伸工程603に使用されるテンターと同じテンターの使用が可能である。テンター搬送装置602′dでは、ウェブ8の両端をテンターで保持して搬送するためMD方向の収縮を制御することが可能となっている。第1乾燥工程602′で延伸工程603に入る前のウェブ8に含まれる溶媒量の調整が行うことが可能となっている。
乾燥温度は、延伸工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒の発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。その他の符号は図4(a)と同じである。
本図に示す製造装置の場合、無端ベルト支持体601aよりウェブ8を剥離する時のウェブ8の全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図4に示す製造装置6aの場合と同じである。無端ベルト支持体より剥離し、延伸工程603で延伸開始時までのウェブ8のMD方向の伸縮率は、図4に示す製造装置6aの場合と同じである。第1乾燥工程602′における処理が終了し、延伸工程603での延伸が開始される時のウェブの全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図4に示す製造装置6aの場合と同じである。無端ベルト支持体より剥離し、延伸工程603で延伸開始時までのウェブ8のMD方向の伸縮率及びTD方向の伸縮率は、図4に示す製造装置6aの場合と同じである。巻き取り回収工程605で回収された樹脂フィルム10の伸縮率は、図4(a)に示す製造装置6aの場合と同じである。
図4(c)に示される樹脂フィルムの製造装置に付き説明する。図4(a)に示される製造装置6aとの違いは、図4(a)の第1乾燥工程602がロール搬送方式に対して、図4(c)の場合はテンター搬送方式による第1乾燥工程602′を有し、延伸工程603の間にMD延伸工程603′を有していることである。他は全て図4(a)と同じである。
図中、6cは樹脂フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置6cは、流延工程601と、第1乾燥工程602′と、MD延伸工程603′と、延伸工程603と、第2乾燥工程604と、巻き取り工程605とを有している。流延工程601と、延伸工程603と、第2乾燥工程604と、巻き取り工程605とは図4(a)に示される製造装置6aの場合と同じであり、第1乾燥工程602′は図4(b)に示される製造装置6bの場合と同じであるため説明は省略する。
MD延伸工程603′は、加熱装置603′aと、加熱装置603′aを挟んで第1乾燥工程602′側にフィードロール603′gと延伸工程603側にフィードロール603′hとを有している。フィードロール603′bとフィードロール603′cとの周速度のバランスによりMD延伸率の調整が可能となっている。
加熱装置603′aは、乾燥風取り入れ口603′bと排出口603′cとを有する乾燥箱603′dと、ウェブ8を搬送する上部の搬送ロール603′eと下部の搬送ロール603′fとを有している。本図に示す加熱装置603′aは加熱風を使用した場合を示しているが、加熱手段としては特に限定はなく、この他に、赤外線ヒータで加熱する方法も挙げられ必要に応じて適宜選択することが可能である。搬送ロールの数は、MD延伸率により適宜設定が可能となっている。MD延伸工程603′では延伸工程603に入る前のウェブ3に含まれる溶媒量の調整が行うことも可能となっている。
加熱装置603′aでは加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。本図は加熱空気を使用した場合を示している。
加熱温度は、第1乾燥工程602′より搬送されてくるウェブの残留溶媒量、又は延伸工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒の発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決め調整し加熱することが好ましい。又、一定の温度で乾燥してもよいし、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。
図4(c)に示す製造装置の場合、無端ベルト支持体601aより剥離する時のウェブ8の残留溶媒量、残留溶媒量の幅手の分布及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図4(a)の場合と同じである。無端ベルト支持体より剥離し、延伸工程603で延伸開始時までのウェブ3のMD方向の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。第1乾燥工程602′における処理が終了し、延伸工程603での延伸が開始される時のウェブの残留溶媒量の幅手の分布、全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図4(a)の場合と同じである。無端ベルト支持体より剥離し、延伸工程603で延伸開始時までのウェブ8のMD方向の伸縮率及びTD方向の伸縮率は、図4(a)の場合と同じである。巻き取り工程605で回収された樹脂フィルム10の伸縮率は、図4(a)の場合と同じである。図4(a)〜図4(c)に示される製造装置に使用されるドープは同じものである。
図4(a)〜図4(c)に示される製造装置で製造される樹脂フィルムの膜厚は、搬送中の張力による空孔径のバラツキ、溶媒除去時間の増加、生産性を考慮し、40μm〜80μmであることが好ましい。
図4(a)〜図4(c)に示される製造装置で製造される樹脂フィルム10の構成は、図2で示される厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を2相有する樹脂フィルムとなる。又、製造される途中の、或いは製造された樹脂フィルム10を使用し、空孔による体積占有率が低い相(図4で示される第2相2a)の側に、ドープを流延し同様の乾燥、延伸をすることで図3に示す厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を3相有する樹脂フィルムを製造することが出来る。
図4に示される溶液流延法による製造装置を使用し、樹脂フィルムを製造する際の残留溶媒量(質量%)の値は、一定の大きさのウェブ(樹脂フィルム)を115℃で1時間乾燥した時のウェブ(樹脂フィルム)の質量をBとし、乾燥前のウェブ(樹脂フィルム)の質量をAとした時、((A−B)/B)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
図4に示される溶液流延法による製造装置を使用し、樹脂フィルムを製造する際の全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、一定面積の試料を採取し、良溶媒と貧溶媒との共溶媒で抽出し、測定はヘッドスペースサンプラーを接続したヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で測定した値を示す。
ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持→100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)。
本発明におけるMD方向の伸縮率は、流延時の搬送速度に対する延伸開始時の搬送速度、もしくは流延時の搬送速度に対する巻き取り時の搬送速度により求めた値である。
又、TD方向の伸縮率は、流延時のウェブ幅に対する延伸開始時のウェブ幅、もしくは流延時のウェブ幅に対する巻き取り時の樹脂フィルム幅により求めた値である。
図4に示される溶液流延法による製造装置を使用した樹脂フィルムの製造方法により製造される樹脂フィルムの幅は、機能層を形成した光学用樹脂フィルムの大型TVのように液晶表示装置への使用、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率等を考慮し、1000mm〜2400mmが好ましい。又、膜厚は、液晶表示装置の薄型化、樹脂フィルムの生産安定化の観点等を考慮し、40μm〜80μmが好ましい。膜厚は平均膜厚を示し、幅方向に20箇所〜200箇所を、ミツトヨ(株)製 接触式膜厚計により測定し、平均とした値を示す。
図4(a)〜図4(c)に示される製造装置に使用するドープ7は、樹脂フィルム用の樹脂材料を良溶媒と、貧溶媒からなる混合溶媒を使用して作製されている。本発明では、使用する樹脂を単独で溶解するものを良溶媒、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶媒と言う。
ドープ7及びドープ7′を構成している溶媒中での貧溶媒の割合は、空孔の形成、ドープの搬送工程での樹脂の析出等を考慮し、10質量%〜100質量%が好ましい。更に好ましくは、20質量%〜60質量%である。
ドープ7及びドープ7′の全溶媒に対する溶質の割合は、ドープの搬送工程での樹脂の析出、流延速度、生産性等を考慮し、200質量%〜1000質量%が好ましい。更に好ましくは、300質量%〜800質量%である。
次に、本発明に係わる光学用樹脂フィルムを製造に使用する材料及び製造方法に付き説明する。
(樹脂材料)
本発明の樹脂フィルムを形成する樹脂としては、例えば、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂等を挙げることが出来る。中でも、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系樹脂が好ましく、本発明においては、特にセルロースエステル系樹脂が挙げられ、これらの中でセルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、セルロースブチレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく、中でもセルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく用いられる。
以下に、セルロースエステル系樹脂に付き説明する。セルロースエステル系樹脂は、特にアセチル基の置換度をX、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、XとYが下記の範囲にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂が好ましく用いられる。
式(I) 2.0≦X+Y≦2.6
式(II) 0.1≦Y≦1.2
更に2.4≦X+Y≦2.6、1.4≦X≦2.3のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。中でも2.4≦X+Y≦2.6、1.7≦X≦2.3、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は公知の方法で合成することが出来る。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することが出来る。
本発明に係わる樹脂フィルム用の樹脂材料として、セルロースエステル系樹脂を用いる場合、セルロースエステル系樹脂の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることが出来る。又それらから得られたセルロースエステル系樹脂はそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。これらのセルロースエステル系樹脂は、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることが出来る。
アシル化剤が酸クロライド(CH3COCl、C25COCl、C37COCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には、特開平10−45804号に記載の方法等を参考にして合成することが出来る。又、本発明に用いられるセルロースエステル系樹脂は各置換度に合わせて上記アシル化剤量を混合して反応させたものであり、セルロースエステル系樹脂はこれらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)と言う。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.0)。
本発明に用いられるセルロースエステル系樹脂としては、前述のようにセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、又はセルロースアセテートプロピオネートブチレート樹脂のようなアセチル基の他にプロピオネート基又はブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが特に好ましく用いられる。尚、プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネート樹脂は耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用である。
セルロースエステル系樹脂の数平均分子量は、40000〜200000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、溶液流延法の場合は適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、50000〜150000である。又、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.4〜4.5の範囲であることが好ましい。
本発明に係わるシクロオレフィン樹脂について説明する。本発明に用いられるシクロオレフィン樹脂は脂環式構造を含有する重合体樹脂からなるものである。好ましいシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィンを重合又は共重合した樹脂である。環状オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適である。
好ましいシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレン又はα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
環状オレフィンは、付加重合反応或いはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われる。付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒;或いは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃〜100℃の重合温度、0〜490N/cm2の重合圧力で重合させる。
本発明に係わるシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィンを重合又は共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。水素化触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムの如き遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組み合わせからなる均一系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻土、パラジウム/アルミナの如き金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。
或いは、シクロオレフィン樹脂として、下記のノルボルネン系樹脂も挙げられる。ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、その具体例としては、例えば特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−2108号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報、特開2001−277430号公報、特開2003−139950号公報、特開2003−14901号公報、特開2003−161832号公報、特開2003−195268号公報、特開2003−211588号公報、特開2003−211589号公報、特開2003−268187号公報、特開2004−133209号公報、特開2004−309979号公報、特開2005−121813号公報、特開2005−164632号公報、特開2006−72309号公報、特開2006−178191号公報、特開2006−215333号公報、特開2006−268065号公報、特開2006−299199号公報等に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、日本ゼオン(株)製ゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製アートン、三井化学(株)製アペル(APL8008T、APL6509T、APL6013T、APL5014DP、APL6015T)などが好ましく用いられる。
本発明に係わるシクロオレフィンポリマーの分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5000〜500000、好ましくは8000〜200000、より好ましくは10000〜100000の範囲である時に、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
又、シクロオレフィンポリマー100質量部に対して、低揮発性の酸化防止剤を0.01〜5質量部の割合で配合すると、成形加工時のポリマーの分解や着色を効果的に防止することが出来る。
本発明に係わるポリカーボネート系樹脂に付き説明する。ポリカーボネート系樹脂としては種々があり、化学的性質及び物性の点から芳香族ポリカーボネートが好ましく、特にビスフェノールA系ポリカーボネートが好ましい。その中でも更に好ましくはビスフェノールAにベンゼン環、シクロヘキサン環、叉は脂肪族炭化水素基などを導入したビスフェノールA誘導体を用いたものが挙げられるが、特に中央炭素に対して非対称にこれらの基が導入された誘導体を用いて得られた、単位分子内の異方性を減少させた構造のポリカーボネートが好ましい。例えばビスフェノールAの中央炭素の2個のメチル基をベンゼン環に置き換えたもの、ビスフェノールAのそれぞれのベンゼン環の一の水素をメチル基やフェニル基などで中央炭素に対し非対称に置換したものを用いて得られるポリカーボネート樹脂が好ましい。具体的には、4,4′−ジヒドロキシジフェニルアルカン又はこれらのハロゲン置換体からホスゲン法又はエステル交換法によって得られるものであり、例えば4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルブタン等を挙げることが出来る。又、この他にも例えば、特開2006−215465号公報、特開2006−91836号公報、特開2005−121813号公報、特開2003−167121号公報等に記載されているポリカーボネート系樹脂が挙げられる。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂よりなる樹脂フィルムはポリスチレン系樹脂或いはメチルメタクリレート系樹脂或いはセルロースアセテート系樹脂等の透明樹脂と混合して使用してもよいし、又セルロースアセテート系フィルムの少なくとも一方の面にポリカーボネート樹脂を積層してもよい。
本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂よりなる樹脂フィルムはガラス転移点(Tg)が110℃以上であって、吸水率(23℃水中、24時間の条件で測定した値)が0.3%以下のものを使用するのがよい。より好ましくはTgが120℃以上であって、吸水率が0.2%以下のものを使用するのがよい。
(ドープ)
本発明に係わるドープは良溶媒と、貧溶媒からなる混合溶媒が用いられ作製されている。例えばセルロースエステル系樹脂の場合、セルロースエステルのアシル基置換度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶剤になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶媒となる。
使用する樹脂により、良溶剤及び貧溶剤は異なってくるので、一例としてセルロースエステル系樹脂の場合に付き説明する。良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、蟻酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来るが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることが出来、これらの貧溶媒は単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることが出来る。
次にドープを調製方法を一例としてセルロースエステル系樹脂を使用した場合に付き述べる。ドープを調製する時の、セルロースエステル系樹脂の溶解方法としては、一般的な方法を用いることが出来る。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱出来る。溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。又、セルロースエステル系樹脂を貧溶剤と混合して湿潤或いは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。又、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることが出来る。
次に、このセルロースエステル系樹脂溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することが出来るが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。濾過により、原料のセルロースエステルに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間にセルロースエステルフィルムを置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm2以下であることが好ましい。より好ましくは100個/cm2以下であり、更に好ましくは50個/m2以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm2以下である。又、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことが出来るが、溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等が挙げられる。トリメリット酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等が挙げられる。ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等が挙げられる。グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が挙げられる。クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等が挙げられる。ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。
グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。ポリエステルの分子量は重量平均分子量で500〜2000の範囲にあることが、セルロースエステルとの相溶性の点から好ましい。
又、本発明では特に200℃における蒸気圧が1333Pa未満の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧666Pa以下、更に好ましくは1〜133Paの化合物である。不揮発性を有する可塑剤は特に限定されないが、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、上記ポリエステル可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は単独或いは2種以上併用して用いることが出来る。
可塑剤の使用量は寸法安定性、加工性の点を考慮すると、セルロースエステル系樹脂に対して、1〜40質量%添加させることが出来、3〜20質量%の範囲で添加することが好ましく、更に好ましくは4〜15質量%である。3質量%未満の場合は、スリット加工や打ち抜き加工した際、滑らかな切断面を得ることが出来ず、切り屑の発生が多くなる。
本発明に係わる樹脂フィルムには酸化防止剤や紫外線吸収剤などを添加することが好ましい。上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。又例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
又、この他、カオリン、タルク、けい藻土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
本発明の製造方法で製造された樹脂フィルムは、その高い寸法安定性から、偏光板又は液晶表示用部材等に使用することが可能であり、この場合、偏光板又は液晶等の劣化防止のため、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満であることがより好ましい。
好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。例えば、特開平10−182621号、特開平8−337574号、記載の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。又、特開平6−148430号、特開平12−273437号に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。或いは特開平10−152568号に記載されている紫外線吸収剤を加えてもよい。
これらの紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい紫外線吸として挙げられる。以下にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートとの混合物(TINUVIN109、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
以下にベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル系樹脂中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加することが好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤としての効果、透明性等を考慮し、0.1質量%〜2.5質量%が好ましい。更に、好ましくは、0.8質量%〜2.0質量%である。
又、セルロースエステル系樹脂フィルムには、フィルム同士の張り付きを防止したり、滑り性を付与したりして、ハンドリングし易くするために、マット剤として微粒子を添加してもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有機化合物の微粒子が挙げられる。無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、珪素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フィルムの濁度を低減出来るので、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL−200、200V、300、R972、R972V、R974、R976、R976S、R202、R812,R805、OX50、TT600、RY50、RX50、NY50、NAX50、NA50H、NA50Y、NX90、RY200S、RY200、RX200、R8200、RA200H、RA200HS、NA200Y、R816、R104、RY300、RX300、R106などが挙げられる。これらのうち、分散性や粒径を制御する点では、AEROSIL−200V、R972Vが好ましい。
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用出来る。
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用出来る。
本発明に係る微粒子の一次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
微粒子の、見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、又、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
一次粒子の平均径が20nm以下、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることが出来る。又例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することが出来る。
尚、見掛比重は二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出した。
見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル)
本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
《調製方法A》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
《調製方法B》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。ここで添加するセルロースエステルとして、本発明の固形物を添加することが特に好ましい。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
《調製方法C》
溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散する時の二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
セルロースエステルに対する二酸化珪素微粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部が更に好ましく、0.08〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れている。
分散機は通常の分散機が使用出来る。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低く好ましい。メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどが挙げられる。メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa以上である。又その際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)或いはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)製UHN−01等が挙げられる。
又、これらの微粒子はフィルムの厚み方向で均一に分布していてもよいが、より好ましくは主に表面近傍に存在するように分布していることが好ましく、例えば、共流延法により、2種以上のドープを用いて、微粒子を主に表層側に配置されたドープに添加することが、滑り性が高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。好ましくは3種のドープを使用して表層側の2つのドープに主に微粒子を添加することが望ましい。
又、本発明に係わる光学用樹脂フィルムには導電性を有する物質を添加することで好ましいインピーダンスを有する光学フィルムを得ることも出来る。導電性物質としては特に限定はされないが、イオン導電性物質や導電性微粒子或いはセルロースエステルと相溶性を有する帯電防止剤などを用いることが出来る。
ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例えば、イオン性高分子化合物を挙げることが出来る。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、同49−23827号、同47−28937号に見られるようなアニオン性高分子化合物、例えば特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、同57−18175号、同57−18176号、同57−56059号などに見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー、特公昭53−13223号、同57−15376号、特公昭53−45231号、同55−145783号、同55−65950号、同55−67746号、同57−11342号、同57−19735号、特公昭58−56858号、特開昭61−27853号、同62−9346号に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることが出来る。
又、導電性微粒子の例としては導電性を有する金属酸化物が挙げられる。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、又SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
又、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下特に105Ωcm以下であって、一次粒子径が10nm以上0.2μm以下で、高次構造の長径が30nm以上6μm以下である特定の構造を有する粉体をフィルム内の少なくとも一部の領域に体積分率で0.01%以上20%以下含んでいることが好ましい。
特に好ましくは、特開平9−203810号に記載されているアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーなどを含有することが望ましい。
架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることが出来るため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、又他の物質、例えば基体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.01μm〜0.3μmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05μm〜0.15μmの範囲の粒子サイズが用いられる。ここで用いている「分散性粒状ポリマー」の語は、視覚的観察によって透明又はわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。
帯電防止剤もしくはマット剤の添加は光学フィルムの表層部(表面から10μmの部分)に含まれていることが好ましく、共流延等の方法によってフィルムの表面に帯電防止剤及び/又はマット剤を含有させることが好ましい。具体的には、導電性物質及び/又はマット剤を含有するドープAと実質的にこれらを含有しないドープBを使用し、ドープBの少なくとも片側の面にドープAがあるように流延されることが好ましい。
必要に応じて、更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤、マット剤、その他添加剤を加えてもよい。
機能層としてハードコート層又は反射防止層を設ける場合の材料に付き以下に述べる。
(反応性硬化樹脂層(ハードコート層))
(活性線硬化樹脂材料)
反応性硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させてハードコート層が形成される。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることが出来る。
例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることが出来、特開昭59−151112号に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることが出来、特開平1−105738号に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これら紫外線硬化性樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用出来る。又、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。紫外線硬化樹脂組成物に用いられる光反応開始剤又光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。又不飽和二重結合を2つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
本発明において使用し得る紫外線硬化樹脂の市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用出来る。
又、具体的化合物例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これらの紫外線硬化樹脂層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法で塗設することが出来る。
紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化させ、硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は好ましくは、5mJ/cm2〜300mJ/cm2であり、特に好ましくは100mJ/cm2〜200mJ/cm2である。
活性線硬化樹脂層塗布組成物の有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)、その他の有機溶媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合し利用出来る。
又、活性線硬化樹脂層塗布組成物には、特にシリコーン化合物を添加することが好ましい。例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが好ましく添加される。ポリエーテル変性シリコーンオイルの数平均分子量は、例えば、1,000〜100,000、好ましくは、2,000〜50,000が適当であり、数平均分子量が1,000未満では、塗膜の乾燥性が低下し、逆に、数平均分子量が100,000を越えると、塗膜表面にブリードアウトしにくくなる傾向にある。
シリコーン化合物の市販品としては、DKQ8−779(ダウコーニング社製商品名)、SF3771、SF8410、SF8411、SF8419、SF8421、SF8428、SH200、SH510、SH1107、SH3749、SH3771、BX16−034、SH3746、SH3749、SH8400、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、BY−16−837、BY−16−839、BY−16−869、BY−16−870、BY−16−004、BY−16−891、BY−16−872、BY−16−874、BY22−008M、BY22−012M、FS−1265(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン社製商品名)、KF−101、KF−100T、KF351、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF618、KF945、KF6004、シリコーンX−22−945、X22−160AS(以上、信越化学工業社製商品名)、XF3940、XF3949(以上、東芝シリコーン社製商品名)、ディスパロンLS−009(楠本化成社製)、グラノール410(共栄社油脂化学工業(株)製)、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(GE東芝シリコーン製)、BYK−306、BYK−330、BYK−307、BYK−341、BYK−344、BYK−361(ビックケミ−ジャパン社製)日本ユニカー(株)製のLシリーズ(例えばL7001、L−7006、L−7604、L−9000)、Yシリーズ、FZシリーズ(FZ−2203、FZ−2206、FZ−2207)等が挙げられ、好ましく用いられる。
これらの成分は基材や下層への塗布性を高める。積層体最表面層に添加した場合には、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐スリキズ性にも効果を発揮する。これらの成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
こうして得た硬化樹脂層に、ブロッキングを防止するため、又対スリキズ性等を高めるため、又、硬化樹脂層の屈折率を調整するために無機化合物或いは有機化合物の微粒子を加えることも出来る。
例えば、活性光線硬化樹脂層(ハードコート層)に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどが好ましく用いられる。
又有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、或いはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることが出来る。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.005〜5μmが好ましく0.01〜1μmであることが特に好ましい。これらの粒子の形状は特に限定されず、球状、平板状、針状の粒子が好ましく用いられる。紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
活性線硬化樹脂層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアハードコート層であるか、もしくはRaが0.1〜1μm程度の防眩層であることが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製RST/PLUSを用いて測定することが出来る。
(反射防止フィルム)
(無機微粒子)
反射防止層に使用する無機微粒子としては、金属の酸化物から形成された粒子であることが好ましい。金属の酸化物の例として、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。中でも、二酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むことが出来る。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSが挙げられる。
無機微粒子は表面処理されることが好ましい。表面処理は、無機化合物又は有機化合物を用いて実施することが出来る。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。中でも、シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表面処理を組み合わせて処理されていても構わない。
無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、層状、紡錘形状或いは不定形状であることが好ましい。二種類以上の無機微粒子を金属酸化物層に併用してもよい。
金属酸化物層中の無機微粒子の割合は、5〜90体積%であることが好ましい。添加量は目的とする屈折率によって調整される。
(分散溶媒)
無機微粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、金属酸化物層を形成するための塗布液に供される。無機微粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することが出来る。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。又、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
金属酸化物層は、架橋構造を有するポリマー(以下、「架橋ポリマー」とも言う)をバインダーポリマーとして用いることが好ましい。架橋ポリマーの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマー(以下「ポリオレフィン」と総称する)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。中でも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。又、架橋ポリマーが、アニオン性基を有することは、更に好ましい。アニオン性基は、無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋構造は、ポリマーに皮膜形成能を付与して皮膜を強化する機能を有する。上記アニオン性基は、ポリマー鎖に直接結合していてもよいし、連結基を介してポリマー鎖に結合していてもよいが、連結基を介して側鎖として主鎖に結合していることが好ましい。
本発明の反射防止層に用いられる低屈折率層の屈折率は1.46以下が好ましく、特に1.3〜1.45であることが望ましい、塗布組成物として珪素アルコキシドを用いてゾルゲル法によって低屈折率層を形成することが出来る。或いは、フッ素樹脂を用いて低屈折率層とすることが出来る。特に、熱硬化性又は電離放射線硬化型の含フッ素樹脂の硬化物から該硬化物と珪素の酸化物超微粒子から構成されることが好ましい。
該硬化物の動摩擦係数は、0.02〜0.2であることが好ましく、純水接触角は90〜130°であることが好ましい。該硬化性の含フッ素樹脂としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)や、含フッ素共重合体(架橋性基を有するモノマーと含フッ素モノマーを構成単位とする)が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、フルオロオレフィン類(例えばビニリデンフルオライドパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール、フルオロエチレン等)、(メタ)アクリル酸のフッ素化アルキルエステル誘導体(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基を有するモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やアミノ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。これらは共重合の後から、架橋構造を導入出来ることが特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報に記載されている。
又、上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いることが出来る。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばアクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等、オレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)を挙げることが出来る。
低屈折率層の形成に用いる含フッ素樹脂には、耐傷性を改善するために酸化珪素微粒子を添加して用いるのが好ましい。添加量は、屈折率と耐傷性との兼ね合いで調整される。酸化珪素微粒子は、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布組成物に添加することが出来、或いは市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用することも出来る。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層形成用の塗布組成物は、主に低沸点の溶媒を含むことが好ましい。具体的には、沸点が100℃以下の溶媒が全溶媒の50質量%以上であることが好ましい。これによって、例えば、防眩層のように凹凸を有する基材表面に塗布した場合でも、速やかに乾燥させることが出来、塗布液の流動による微細な膜厚ムラが低減され、反射率の増加が抑制される。又、沸点が100℃以上の溶媒が含まれていると乾燥ムラや白濁ムラが抑制されるため好ましく、沸点が100℃以上の溶媒が0.1〜50質量%含有していることが好ましい。
低屈折率層用の塗布組成物に用いられる低沸点の溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルセロソルブ等のエーテルアルコール類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等の中から、塗布組成物中に含まれる固形分の溶解性の高いものが好ましく用いられる。沸点が100℃を越える塗布溶媒としては、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−イソブチルケトン等のケトン類、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類等が用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法により図2に示す厚さ方向で空孔による空隙の体積占有率が順次異なる2相を有するセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造しNo.1−aとした。比較の厚さ方向に空孔を持たないセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造しNo.1−bとした。
(ドープの調製)
〈微粒子分散液〉
微粒子(アエロジルR972V(日本アエロジル株式会社製)) 11質量部
(一次粒子の平均径16nm、見掛比重90g/リットル)
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに下記セルロースエステル樹脂を添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を十分に攪拌しながら、ここに上記微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.5、プロピオニル基置換度1.0、総アシル基置換度2.5) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
全使用溶媒に対する貧溶媒の割合を50%、溶質量に対する全使用溶媒量の割合を360%とし、下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクに良溶媒としてメチレンクロライド、貧溶媒としてエタノールを添加した。溶媒の入った加圧溶解タンクにセルロースアセテートプロピオネート樹脂を攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更に可塑剤及び紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。
主ドープを100質量部と微粒子添加液5質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合しドープとした。
〈主ドープの組成〉
メチレンクロライド 500質量部
エタノール 500質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.5、プロピオニル基置換度1.0、総アシル基置換度2.5) 100質量部
可塑剤:芳香族末端エステルサンプルNo.4 5質量部
可塑剤:トリメチロールプロパントリベンゾエート 5.5質量部
紫外線吸収剤:チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
1質量部
紫外線吸収剤:チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
1質量部
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図4(a)に示す製造装置を使用し、準備したドープを温度20℃で長さ60m、幅2500mm、表面を鏡面仕上げしたステンレススティール製の無端ベルトの上に流延速度30m/minで均一に流延し、剥離点でウェブを剥離(流延から剥離までの時間1.5分)し、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、幅1500mm、厚さ80μm、長さ30000m、MD方向の延伸率(伸縮率)が−10%、TD方向の延伸率(伸縮率)が−1.5%の構成が図2に示す様な2相を有するセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で3000m作製した。作製したセルロースアセテートプロピオネートフィルムの構成を以下に示す。
第1相の空孔による空隙の体積占有率が14.8%、第2相の空孔の空隙の体積占有率が0.5%、空孔の最大径が838nm、第1相の厚さが樹脂フィルムの総厚の59%、第2相の厚さが樹脂フィルムの総厚の41%であった。
第1相及び第2相の空孔による空隙の体積占有率の測定方法
巻き終わりから5mの樹脂フィルム200cmを取り出し以下の方法で空孔による空隙の体積占有率を求めた。
個の空孔の体積の求め方
SEM(倍率15000倍)で撮影した樹脂フィルムの断面撮像から、空孔10個の最大直径を、C型JIS1級の鋼製スケールで実測し平均値を求め、求められた最大直径の1/2を空孔の半径rとし使用した。求められた半径rを用い、球の体積を求める式(4πr3/3)より計算で求めた。
一定体積中の空孔の体積=個の空孔の体積×一定体積中の空孔の数
体積占有率(%)=一定体積中の空孔の体積/樹脂フィルムの一定体積
第1相、第2相の割合の測定方法
SEM(倍率15000倍)で撮影した樹脂フィルムの断面撮像から、空孔が1個/10μm2となる場所に線を引き、第1相と第2相の境界線とし、以下の式より計算で求めた。第1相(第2相)の割合(%)=(第2相(第1相)の厚さ/第1相と第2相の厚さの合計(樹脂フィルムの厚さ))×100
空孔の大きさの測定方法
SEM(倍率15000倍)で撮影した樹脂フィルムの断面撮像から、10個の空孔の最大直径をC型JIS1級の鋼製スケールで実測し、その平均値を空孔の大きさとした。尚、第1乾燥工程は全長100m、第2乾燥工程は全長1000mとした。延伸工程は全長40mとした。延伸工程の一軸延伸装置はクリップテンターを使用した。
ウェブの厚さは、キーエンス(株)製のレーザー変位計を使用し、幅方向に10箇所、ウェブの流延方向に10箇所を測定し、平均値を計算で求めた値である。製造条件を以下に示す。
流延工程の乾燥風の供給条件
ステンレス無端ベルト支持体上のウェブを乾燥するために第1供給装置より、温度35℃、風圧500Pa(風速29m/sec)の乾燥風を供給した。第2供給装置より、温度35℃、風圧500Pa(風速29m/sec)で乾燥風を供給した。
第1乾燥工程の乾燥条件
ステンレス無端ベルト支持体からの剥離張力は150N/mの設定値で行い、第1乾燥工程の乾燥温度50℃、時間2分、搬送速度30m/minとした。
ステンレス無端ベルト支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量は100質量%とした。ステンレス無端ベルト支持体より剥離したウェブの残留溶媒量(質量%)の値は一定の大きさのウェブを115℃で1時間乾燥した時のウェブの質量をBとし、乾燥前のウェブの質量をAとした時、((A−B)/B)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度120℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の延伸率(伸縮率)が−1.5%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度120℃、時間1分、搬送速度30m/minとした。延伸工程での延伸率は、以下に示す計算式より計算で求めた値を示す。
延伸率(%)=(延伸後のウェブの中央から端部までの幅/延伸前のウェブの中央から端部までの幅)×100
尚、ウェブの中央から端部までの幅はC型JIS1級の鋼製スケールで幅を測定した値を使用する。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度110℃、時間30分、搬送速度30m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
(厚さ方向に空孔を持たないセルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
全使用溶媒に対する貧溶媒の割合を20%、溶質量に対する全使用溶媒量の割合を360%とし、それ以外は全て空孔を有するセルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造方法と同じ条件で作成した。
〈溶媒の組成〉
メチレンクロライド 800質量部
エタノール 200質量部
(機能層の形成)
機能層としてハードコート層を次に示す条件で準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムの第1相の表面に形成した。
(ハードコート層形成用塗布液の準備)
下記反応性硬化樹脂である紫外線硬化樹脂組成物材料を攪拌、溶解した後、表2に示す様に、下記活性線硬化樹脂組成物を調製する際、表1に示すセルロースアセテートプロピオネートフィルムに対する浸透性を変えた溶媒No.A〜Dを使用し、全質量に対する浸透性を変えた溶媒の含有量を変え、表2、表3に示す様に活性線硬化樹脂の量を変えたハードコート層形成用塗布液を準備しNo.1−1〜1−56とした。尚、活性線硬化樹脂として紫外線硬化樹脂を使用した。溶解後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して使用した。
(紫外線硬化樹脂組成)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 60質量部
ウレタンアクリレート(新中村化学工業社製 商品名U−4HA) 50質量部
イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 20質量部
イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 12質量部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学社製 KF−351) 0.8質量部
ポリオキシアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン1108) 1.0質量部
溶媒* 110質量部
溶媒*:プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、トルエン、エタノールのどれか1種類とプロパノール(0.5g/m2・min)を用い、合計が110質量部になるように調整した溶媒を使用した。
Figure 2009082890
Figure 2009082890
Figure 2009082890
(ハードコート層形成用塗布液の塗布)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.1−a、1−bに、準備したハードコート層形成用塗布液No.1−1〜1−56をマイクログラビアコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cm2で、照射量を0.2J/cm2として塗布層を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.101〜170とした。
評価
作製した試料No.101〜170に付き、乾燥性鉛筆硬度、剥離耐性を下記の方法で評価し、下記の評価ランクに従って評価した結果を表4、表5に示す。
(乾燥性)
硬化直後の箇所でサンプルを採取し、30cm×30cmを5枚作成し、乾燥温度45℃、乾燥時間を1、2、3、5、10時間に変化させ、以下の計算式から質量変化率を算出し変化率が1%以下になる乾燥時間を測定し乾燥性とした。
質量変化率(%)=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
鉛筆硬度の評価方法
JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。試験には鉛筆硬度試験機(HA−301 クレメンス型引掻硬度試験機)を使用した。
剥離耐性の評価方法
JIS K 5400に準拠する方法で密着性の評価を行った。
1mmの間隔で縦横に11本の切れ目を入れ、1mm角、100個の碁盤目を作成し、セロハンテープを貼り付けて90度の角度ですばやくはがし、碁盤目の状態で密着性を評価した。
剥離耐性の評価ランク
◎:剥離が認められない
○:碁盤目の端部にわずかに剥離が見られる
△:端部は剥離しているが、実用は可能
×:剥離してしまう
Figure 2009082890
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例2
実施例1でセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造する時、表6に示す様に使用する主ドープの良溶媒と貧溶媒との比率及び溶質量に対する全使用溶媒量の割合を変え他は全て実施例1と同じ方法で第1相の空孔による空隙の体積占有率と第2相の空孔による空隙の体積占有率を変えた図2に示す構成のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造No.2−1〜2−10とした。
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.2−1〜2−10の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液No.1−32と同じハードコート層形成用塗布液を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.201〜210とした。
評価
作製した試料No.201〜210に付き、乾燥性、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例3
実施例1でセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.1−32を製造する時に使用した主ドープと同じ主ドープを調製し表8に示す様にセルロースアセテートプロピオネートフィルムの総厚に対する第1相及び第2相の厚さを変えたセルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製しNo.3−1〜3−7とした。第1相及び第2相の空孔による空隙の体積占有率、空孔の最大径、第1相、第2相の割合の測定は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.3−1〜3−7の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液No.1−32と同じハードコート層形成用塗布液を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.301〜307とした。
評価
作製した試料No.301〜307に付き、乾燥性、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表9に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例1でセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.1−32を製造する時、実施例1で調製した主ドープと同じ主ドープを使用し、主ドープの流延開始から無端ベルト支持体からウェブを剥離するまでの温度、時間を変化させ表10に示す様に空孔の最大径を変えた他は全て実施例1と同じ方法で図2に示す構成のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造No.4−1〜4−10とした。
総厚に対する第1相の厚さは60%、総厚に対する第2相の厚さは40%とした。空孔の空隙の体積占有率は第1相が17%、第2相が0.5%になるように温度を調整した。
空孔の最大径、全空孔に対する最大径の空孔の割合、第1相の体積占有率、第1相の体積占有率、総厚に対する第1相の厚さ、総厚に対する第2相の厚さは実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.4−1〜4−10の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液No.1−32と同じハードコート層形成用塗布液を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.401〜410とした。
評価
作製した試料No.401〜410に付き、乾燥性、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表11に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例5
実施例1でセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.1−32を製造する時、実施例1で調製した主ドープと同じ主ドープを使用し、主ドープの流延量と乾燥速度とが同じになるように乾燥風温度を変化させた他は全て実施例1と同じ方法で表12に示すように総厚を変化した図2に示す構成のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造No.5−1〜5−12とした。
総厚に対する第1相の厚さは40%、総厚に対する第2相の厚さは60%とした。空孔の最大径が1nm〜1000nmの範囲に分布する割合は85%、空孔による空隙の体積占有率は第1相が17%、第2相が0.5%になるように速度、温度を調整した。
空孔の最大径 全空孔に対する最大径の空孔の割合、第1相の体積占有率、第1相の体積占有率、総厚に対する第1相の厚さ総厚に対する第2相の厚さは実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.5−1〜5−12の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液No.1−32と同じハードコート層形成用塗布液を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.501〜512とした。
評価
作製した試料No.501〜512に付き、乾燥性、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表13に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例6
実施例1で調製した主ドープと同じ主ドープを使用し、実施例1と同じ方法で、総厚が40μm、総厚に対する第1相の厚さ90%、総厚に対する第2相の厚さ10%、空孔の最大径が1nm〜1000nmの範囲に分布する割合85%、第1相の空孔の体積占有率18%、第2相の空孔の体積占有率0.7%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製した。この後、このセルロースアセテートプロピオネートフィルムを使用し、第2相の上に貧溶媒であるエタノールの量が600質量部、良溶媒であるメチレンクロライドクロが400質量部以外は実施例1と同じ主ドープを流延し、温度、乾燥時間を変えることで、表14に示す様に第3相の体積占有率を変えた図3に示す3相構成のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製しNo.6−1〜6−7とした。尚、総厚に対する第1相の厚さ40%、総厚に対する第2相の厚さ20%、総厚に対する第3相の厚さ40%であった。
総厚、総厚に対する第1相の厚さ、総厚に対する第2相の厚さ、空孔の最大径、全空孔に対する最大径の空孔の割合、第1相の空孔の体積占有率、第2相の空孔の体積占有率、総厚に対する第1相の厚さ、総厚に対する第2相の厚さ、総厚に対する第3相の厚さは実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.6−1〜6−7の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液と同じハードコート層形成用塗布液No.1−32を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.601〜607とした。
評価
作製した試料No.601〜607に付き、乾燥性、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表15に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
実施例7
実施例1で調製した主ドープと同じ主ドープを使用し、実施例1と同じ方法で、表16に示す総厚が48μmの2相構成のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製しNo.7−a〜7−gとした。この後、このセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.7−a〜7−gを使用し、表17に示す様に第2相の上にドープ成分が貧溶媒エタノールの量が600質量部、良溶媒メチクロが400質量部以外全て同じ主ドープを流延し、厚さを変えた第3相を形成し図3に示す総厚が80μmの3相構成の表セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製しNo.7−1〜7−7とした。尚、総厚に対する第1相、第2相の厚さの合計は60%、総厚に対する第3相の厚さ40%であった。
Figure 2009082890
Figure 2009082890
(機能層の形成)
準備したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.7−1〜7−7の第1相の表面に実施例1で調製したハードコート層形成用塗布液No.1−32と同じハードコート層形成用塗布液を実施例1と同じ条件で塗布しハードコート層を形成しハードコートフィルムを作製し試料No.701〜707とした。
評価
作製した試料No.701〜707に付き、乾燥性、防眩性、透過像鮮明度、白濁、鉛筆硬度、剥離耐性を実施例1と同じ方法で評価し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表18に示す。
Figure 2009082890
本発明の有効性が確認された。
本発明の製造方法で製造された光学用樹脂フィルムの概略断面図である。 図2は図1(a)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略図である。 図1(b)に示される光学用樹脂フィルムに使用している基材の樹脂フィルムの拡大概略図である。 無端ベルト支持体を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置の概略図である。
符号の説明
1a、1b 光学用樹脂フィルム
2、4 樹脂フィルム
2a、4a 第1相
2b、4b 第2相
201、401 空孔
3、5 機能層
4c 第3相
6a〜6c、6a′〜6c′ 製造装置
601、601′ 流延工程
601a 無端ベルト支持体
601′a 無端ドラム支持体
602、602′ 第1乾燥工程
603 延伸工程
603′ MD延伸工程
604 第2乾燥工程
605 巻き取り工程

Claims (12)

  1. 厚さ方向に順次、空孔による体積占有率が異なる相を少なくとも2相有する樹脂フィルムを用いて、前記樹脂フィルムに対する浸透性が1g/(cm2・min)以上の溶媒を全質量の5%〜80%含有し、反応性硬化樹脂を全質量の20質量%〜70質量%を含む機能層形成用塗布液を塗布することで少なくとも1層の機能層を形成することを特徴とする光学用樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記相が第1相と、第2相とを有し、該第1相は該第2相の樹脂層を塗設する面の上にあることを特徴とする請求項1に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記第1相の空孔による空隙の体積占有率が5%〜20%であり、第2相の空孔による空隙の体積占有率が0%〜1%であることを特徴とする請求項2に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記第1相の厚さが樹脂フィルムの総厚の60%〜99%で、第2相の厚さが樹脂フィルムの総厚の1%〜40%であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記第2相の第1相が形成された面と反対の面に第3相を有することを特徴とする請求項2に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記第3相の空孔による空隙の体積占有率が5%〜20%であることを特徴とする請求項5に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  7. 前記第1相の厚さが樹脂フィルムの総厚の40%〜60%であり、第2相の厚さが樹脂フィルムの総厚の1%〜20%であり、第3相の厚さが樹脂フィルムの総厚の40%〜60%であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  8. 前記樹脂層は第1相の上に形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  9. 前記空孔の80%以上の空孔で最大径が1.0nm〜1000nmの範囲に分布していることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  10. 前記樹脂フィルムの厚さが40μm〜80μmで、機能層の厚さが4μm〜16μmであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  11. 前記樹脂フィルムが溶液流延法により製造することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の光学用樹脂フィルムの製造方法により製造されたことを特徴とするハードコートフィルム。
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