JP2009081252A - 熱電変換素子及びその電極形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な熱伝導率及び電気伝導率を有する熱電変換素子の電極形成方法、及びこの方法により形成された電極を備える熱電変換素子を提供する。
【解決手段】焼結体セルと、この焼結体セルの一方の面として規定される加熱面とこの加熱面の反対側の面として規定される冷却面とに取り付けられた一対の電極と、を備え、前記加熱面と前記冷却面との温度差により発電する熱電変換素子の電極形成方法であって、前記加熱面及び前記冷却面に、金属の微粒子が分散された導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記導電性ペーストが塗布された前記焼結体セルを焼成して前記微粒子を焼結する焼成工程と、を有する熱電変換素子の電極形成方法、及びこの方法により形成された電極を備える熱電変換素子を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換素子の電極形成方法、及びこの方法により形成された電極を備える熱電変換素子に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用し、熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換することをいう。この熱電変換を利用すれば、ゼーベック効果を用いて熱流から電力を取り出すことができ、またペルチェ効果を用いて材料に電流を流すことで吸熱し、冷却現象を起こすことが可能である。このような熱電変換は、直接変換であることから、エネルギ変換の際に余分な老廃物を排出せず、排熱の有効利用が可能である。また、モータやタービンのような可動装置が不要であるため、メンテナンスの必要がないといった様々な特徴を有しており、エネルギの高効率利用技術として注目されている。
熱電変換には、通常、熱電変換素子と呼ばれる金属や半導体の素子が用いられている。これら熱電変換素子の性能(例えば、変換効率)は、熱電変換素子の形状や材質に依存することから、性能を向上させるために様々な検討が行われている。
例えば、P型又はN型に調整したFeSi原料粉末中に、Cu又はAuあるいはこれらの混合粉末を添加した後、これを所定形状に集合させて焼結固化して形成することを特徴とする熱電素子の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。これによれば、実質使用温度領域を拡大することができる新規な熱電素子を提供できるとされている。
特開平7−211944号公報
ところで、一般的な熱電変換材料では、n型半導体とp型半導体とが基板上に設置され、隣接する半導体素子同士が電極で相互に接続されるモジュール構造が採用される。このため、特許文献1のように熱電変換素子自体の性能を向上させたとしても、電極や、電極と素子とを接合するバインダ等の存在により、熱伝導率や電気伝導率の低下が避けられないのが現状である。従って、このようなモジュール化に伴う熱伝導率や電気伝導率の低下を抑制できるような電極形成方法の開発が求められている。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な熱伝導率及び電気伝導率を有する熱電変換素子の電極形成方法、及びこの方法により形成された電極を備える熱電変換素子を提供することにある。
本発明者は、導電性ペーストを用いて、熱電変換素子を構成する焼結体セルそれぞれに電極を直接形成する手法を採用することにより、良好な熱伝導率及び電気伝導率が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 焼結体セルと、この焼結体セルの一方の面として規定される加熱面とこの加熱面の反対側の面として規定される冷却面とに取り付けられた一対の電極と、を備え、前記加熱面と前記冷却面との温度差により発電する熱電変換素子の電極形成方法であって、前記加熱面及び前記冷却面に、金属の微粒子が分散された導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記導電性ペーストが塗布された前記焼結体セルを焼成して前記微粒子を焼結する焼成工程と、を有する熱電変換素子の電極形成方法。
(1)の発明によれば、焼結体セルの加熱面と冷却面に、金属の微粒子が分散された導電性ペーストを直接塗布するため、従来の方法で形成した電極よりも、薄い電極を形成することが可能となる。これにより、熱伝導率及び電気伝導率を向上させることが可能となる。
ここで、「熱電変換素子」とは、所定の形状に形成された焼結体セルと、この焼結体セルの加熱面として規定された面と、この加熱面の反対側の面に位置する冷却面として規定された面に、それぞれ電極を接続したものをいう。「焼結体セル」の形状は特に問わないが、高い熱電変換効率にするためには単純方体形状、例えば直方体又は立方体であることが好ましい。
(2) 前記金属の微粒子の平均粒子径が、1nm〜100nmである(1)に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
(2)の発明によれば、平均粒子径が1nm〜100nmの金属の微粒子を用いることによって、形成される電極の厚さをより薄くすることが可能となる。また、より緻密で、より高い表面平滑性を有する電極を形成することが可能となる。
このようなナノサイズの平均粒子径を有する微粒子の表面エネルギは、バルク状態の粒子の表面エネルギと比べて高い値を示す。そのため、金属本来の融点よりもはるかに低い温度で焼結して電極を形成することが可能となり、これによって製造工程を簡略化することが可能となる。
(3) 前記金属の微粒子が、周期表第11族の元素からなる(1)又は(2)に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
(3)の発明によれば、金属の微粒子として、周期表第11族の元素である金、銀、銅の少なくともいずれかの金属を用いることによって、より電気伝導性が高い電極を形成することが可能となる。
(4) 前記焼結体セルが、複合金属酸化物の焼結体からなる(1)から(3)いずれかに記載の熱電変換素子の電極形成方法。
(4)の発明によれば、焼結体セルとして複合金属酸化物の焼結体を用いることにより、上記(1)〜(3)の作用効果が得られると共に、耐熱性や力学的強度を向上させることが可能となる。
(5) 前記複合金属酸化物が、アルカリ土類金属と希土類とマンガンを含有する(4)に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
(5)の発明によれば、アルカリ土類金属と希土類とマンガンを構成元素とする複合金属酸化物を用いることによって、高温での耐熱性をさらに向上させることが可能となる。アルカリ土類金属元素としてはカルシウムを用いることが好ましく、希土類元素としてはイットリウム又はランタンを用いることが好ましい。具体的には、ペロブスカイト型CaMnO系複合酸化物等が挙げられる。ペロブスカイト型CaMnO系複合酸化物は、一般式Ca(1−x)MnO(Mはイットリウム又はランタンであり、0.001≦x≦0.05である)で表されるものであることがさらに好ましい。
(6) (1)から(5)いずれかに記載の方法により形成された電極を備える熱電変換素子。
(6)の発明によれば、上記(1)〜(5)の発明により形成された電極を用いることにより、良好な熱伝導率及び電気伝導率を有する熱電変換素子を提供することが可能となる。
また、(6)の発明に係る熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールでは、その使用温度範囲を−260℃〜1000℃程度まで広げることができる。従来のハンダを用いた熱電変換モジュールの場合、使用できる温度範囲はハンダの融点である200℃以下に限定されており、極低温での使用も困難であったが、(6)の発明によれば、導電性ペーストを構成する金属の融点付近まで使用温度範囲を広げることが可能になる。
本発明によれば、良好な熱伝導率及び電気伝導率を有する熱電変換素子の電極を形成することが可能となる。
〔第一実施形態〕
本発明の第一の実施形態である熱電変換素子の電極形成方法は、導電性ペーストを塗布する塗布工程と、焼結体セルを焼成する焼成工程と、を有する。以下、詳細に説明する。
従来の熱電変換素子では、焼結体セルの加熱面及び冷却面の両端にスムーズに温度差が生じるように、メッキ加工された金属体やメタライズ加工されたセラミック板からなる銅電極を、ハンダ等を使用して焼結体セルに電気的に接続するような構造を採っていた。
しかしながら、本実施形態によれば、焼結体セルの一方の面として規定される加熱面と、この加熱面の反対側の面として規定される冷却面と、の両面に金属の微粒子が分散された導電性ペーストを直接塗布するため、従来の方法で形成した電極よりも、より薄い電極を形成することが可能となる。これにより、熱伝導率及び電気伝導率を向上させることが可能となる。また、塗布される導電性ペーストの厚さを薄くすることが可能になるため、高い表面平滑性を有する電極を形成することが可能となる。
ここで、「塗布工程」とは、焼結体セルの加熱面及び冷却面に、金属の微粒子が分散された導電性ペーストを塗布する工程である。導電性ペーストとは、金属の微粒子を溶媒中に分散させたペースト状の組成物をいう。このようにペースト状にすることによって、焼結体セルへの塗布が容易になる。
導電性ペーストは、例えば、(A)金属の微粒子(粉末)70〜92質量部、(B)水又は有機溶媒7〜15質量部、(C)有機バインダ1〜15質量部を含有する。
(A)金属の微粒子としては、銀、銅、ニッケル、白金、金、アルミニウム等が挙げられる。このうち、より高い電気伝導性を示す周期表第11族元素である金、銀又は銅のいずれかの金属を用いることがより好ましく、銀又は銅を用いることがさらに好ましい。金属の微粒子の平均粒子径は、1nm〜100nmであり、1nm〜50nmであることがより好ましく、1nm〜10nmであることがさらに好ましい。このような平均粒子径を有する微粒子を用いることによって、形成される電極の厚さをより薄くすることができ、かつ、より緻密で、より高い表面平滑性を有する電極を形成することが可能となる。また、このようなナノサイズの平均粒子径を有する微粒子の表面エネルギは、バルク状態の粒子の表面エネルギと比べて高い値を示す。そのため、金属本来の融点よりもはるかに低い温度で焼結して電極を形成することが可能となり、これによって製造工程を簡略化することが可能となる。
なお、微粒子の形状は球状、楕円球状、柱状、鱗片状、繊維状等の種々の形状とすることができる。
(B)有機溶媒としては、ジオキサン、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブルチカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、テルピネオール、ベンジルアルコール、及びフタル酸ジエチル等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)有機バインダとしては、熱分解性の良いものが好ましく、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂誘導体、フェノール変性アルキド樹脂、ひまし油脂肪酸変性アルキド樹脂等のアルキド樹脂等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。このうち、セルロース誘導体を用いることが好ましく、エチルセルロースを用いることがより好ましい。
その他必要に応じて、ガラスフリット、分散安定剤、消泡剤、カップリング剤等、他の添加剤を配合することができる。
導電性ペーストは、常法に従い上述の(A)〜(C)成分を充分に混合した後、さらに、ディスパース、ニーダー、三本ロールミル、ポットミル等により混練処理を行い、その後、減圧脱泡することにより製造することができる。
導電性ペーストの粘度は特に限定されず、粘度を適宜調整することにより、焼結体セルへの塗布性が良好な導電性ペーストを提供することが可能となる。
焼結体セルは、所謂熱電変換材料から形成されているものであれば、特に限定されるものではない。熱電変換材料としては、ビスマス−テルル系化合物、シリカ−ゲルマニウム系化合物、複合金属酸化物等が挙げられる。このうち耐熱性や力学強度を向上させることが可能な複合金属酸化物を焼結体として用いることが好ましい。
複合金属酸化物の構成元素としては、アルカリ土類金属と希土類とマンガンが挙げられる。アルカリ土類金属元素としてはカルシウムを用いることが好ましく、希土類元素としてはイットリウム又はランタンを用いることが好ましい。具体的には、ペロブスカイト型CaMnO系複合酸化物等が挙げられる。ペロブスカイト型CaMnO系複合酸化物は、一般式Ca(1−x)MnO(Mはイットリウム又はランタンであり、0.001≦x≦0.05である)で表されるものであることがさらに好ましい。
焼結体セルの形状は、熱電変換モジュールの形状、及び所望の変換効率に合わせて、適宜選択されるが、直方体又は立方体であることが好ましい。例えば、加熱面及び冷却面の面積が5〜20mm×1〜5mm、高さが5〜20mmであることが好ましい。
焼結体セルへ導電性ペーストを塗布する方法としては、刷毛、ローラー等による塗布方法、スプレーによる塗布方法、スクリーン印刷方法等が挙げられる。
また、本実施形態に係る電極形成方法は、焼結体セルを焼成する「焼成工程」を有する。焼成温度は、200℃〜800℃であることが好ましく、400℃〜600℃であることがより好ましい。焼成時間は10分〜60分であることが好ましく、30分〜60分であることがより好ましい。また、焼成は、突沸を回避するために段階的に昇温することが好ましい。
このようにして形成された電極の厚さは、1μm〜10μmであることが好ましく、2μm〜5μmであることがより好ましい。
〔第二実施形態〕
本発明の第二の実施形態は、上記実施形態により形成された電極を有する熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールである。以下、詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る熱電変換モジュール1を示す斜視図である。この熱電変換モジュール1は、基板30の上に複数個の熱電変換素子10が設けられている。これらの熱電変換素子10は、互いに隣り合って延びる第1〜第4の配列A1〜A4を形成するように並べられている。そして、互いに隣り合う熱電変換素子10同士は、所定形状のコネクタ20を介して電気的に接続されている。そして、配列A1及び配列A4を形成する最初の熱電変換素子10A及び最後の熱電変換素子10Bには、外部電極に対して電気的に接続するためのコネクタリード部21が設けられている。
図2は、上記熱電変換素子10を形成する焼結体セル11を示す。本実施形態において、焼結体セルとして、CaMnO系化合物を用いている。なお、本実施形態では、n型半導体を用いているが、これに限定されるものではない。
焼結体セル11は、直方体を有しており、表面積が最も大きい一対の対向する面11a、11bと、これらの面の両側にそれぞれ位置する面11c、11dと、残る2つの側面11e、11fと、を有している。本実施形態の場合、図1中の基板30に接触している面11dが加熱面(以下、加熱面11dとする)であり、その反対側の面11cが冷却面(以下、冷却面11cとする)である。
なお、形成する熱電変換モジュールの形状によっては、側面11e、11fをそれぞれ加熱面及び冷却面としてもよい。
電極12a及び12bはそれぞれ冷却面11c及び加熱面11dに形成される。このように、電極12a及び12bが直接焼結体セル11に設けられるため、電極と焼結体セルを接続するハンダを用いる必要がなく、より単純な構造を有する熱電変換素子を提供することが可能となる。
図3は、図1に記載の熱電変換モジュール1の配列A1の断面を示す図である。電極12a及び12bを備える各熱電変換素子10は、当該電極12a及び12bがコネクタ20を介して接続され、そして面11a(図2参照)が基板30に対して略垂直になるように縦長に立設して配置されている。
基板30としては、ガラスや、木等、絶縁性を有しているものであれば、特に限定されるものではない。なお、本実施形態ではガラスを使用している。
本発明に係る熱電変換モジュール1は、通常の熱電変換モジュールと同様に、基板30を加熱し、熱電変換素子10の冷却面を冷却すると、基板30から吸収された熱エネルギが電気エネルギに変換される。得られた電気エネルギはコネクタリード部21で集電され、ここから外部電極に電力が供給される。ところがこの一方で、基板30を加熱する際、その熱が電極12aを介して熱電変換素子10の上面に伝えられ、その温度が上昇して変換効率が低下してしまうという問題が発生する。それぞれの電極12a及び12bは導電性ペーストを用いている。そのため、従来よりも厚さが薄い電極を形成することが可能となり、変換効率を向上させることが可能となる。
本実施形態では、基板30と接触する電極12bを加熱しているが、当該電極12bを冷却し、対向する電極12aを加熱する構造としてもよい。
図4は、熱電変換素子10をコネクタ20に取り付ける工程を示した図である。略U字型のコネクタ20は、嵌合部22、24と、接続部23と、を有する。また、嵌合部22、24はそれぞれ熱電変換素子10の側面(焼結体セル11の面11a、11bの端縁)を両側から挟み込む折り曲げ片22a、24aを両端に有している。
熱電変換素子10は、折り曲げ片22a、24aが形成する溝の形状に沿って嵌合部22、又は24内にスライドさせることにより、コネクタ20に取り付けることができる。なお、隣り合う熱電変換素子10は、一つのコネクタ20を共有するようにして嵌合部22、24にスライドさせている。
この熱電変換モジュール1の性能(熱伝導率及び熱や電気の抵抗等)は、各熱電変換素子10間のピッチや大きさに依存する。各熱電変換素子10同士のピッチPは、0.1mm〜5mmであることが好ましく、0.5mm〜2mmであることがさらに好ましい。例えば、ピッチPが0.1mmよりも狭いと集積度は高くなるが、熱の問題が発生してしまう可能性がある。
コネクタ20の材質としては、高温参加雰囲気中で錆びにくい材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、銀、真鍮、アルミ、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。
本実施形態に係る熱電変換モジュールによれば、予め電極が形成された熱電変換素子を用いてモジュール構造を形成することが可能となるため、従来よりも構造をより単純にすることが可能となり、製造コストを削減することが可能となる。
本実施形態に係る熱電変換モジュールは、その使用温度範囲を−260℃〜1000℃程度まで広げることができる。従来のハンダを用いた熱電変換モジュールの場合、使用できる温度範囲はハンダの融点である200℃以下に限定されており、極低温度での使用も困難であったが、金属の微粒子からなる導電性ペーストの場合には銀の融点963℃付近まで、又銅の金属微粒子からなる導電性ペーストを用いる場合には銅の融点1083℃付近まで温度範囲を広げることが可能となる。
[実施例1]
<熱電変換素子の作成>
炭酸カルシウム、炭酸マンガン、及び酸化イットリウムをCa/Mn/Y=0.98755/1.0/0.0125となるように秤量し、ボールミルにより湿式混合を18時間行なった。その後、ろ過及び乾燥させ、1000℃で10時間、大気中で仮焼を行なった。得られた仮焼粉は粉砕後、1t/cmの圧力で1軸プレスにより成形した。これを1200℃で5時間、大気中で焼成させ、Ca0.98750.0125MnO焼結体セルを得た。この焼結体セルの寸法は、約8.3mm×2.45mm×8.3mmであった。
この焼結体セルの上面及び下面(図2でいう11c、11d)に、ハリマ化成株式会社製の銀ナノペースト(平均粒子径:3nm〜7nm、粘度:50〜200Pa・s、溶剤:1−デカノール(デシルアルコール))を、刷毛を用いて塗布し、600℃で30分間焼付け、電極を形成した。得られた電極の表面形状及び断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したSEM像を図5、6にそれぞれ示す。
<電気特性の測定>
上記の手順で得られた熱電変換素子の熱起電力は、高温部及び低温部に電極を有する試料ホルダーに試料をネジ止めして圧着固定し、高温部を75℃設定のホットプレート上に置き、低温部は自然放冷とすることで、高温部と低温部で約20℃〜25℃の温度差を得た時に発生する電力を測定することにより求めた。試料数は各3個(n=3)とし、平均値を算出した。また、デジタルボルトメーターを用いた四端子法により抵抗を算出すると共に、試料の形状より抵抗率を算出した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
銀ペーストとして、平均粒子径が1μm〜5μm、粘度が50Pa・s〜200Pa・sの銀ペーストを用いた以外は、実施例と同様の方法で熱電変換素子を作成した。得られた電極の表面形状及び断面形状を走査型電子顕微鏡で観察したSEM像を図7、8にそれぞれ示す。また、熱起電力及び抵抗等も実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。
実施例のナノペースト電極では温度差が23.7℃であったのに対し、比較例の銀ペースト電極では温度差が23.1℃であったため、実施例の方がより大きな熱起電力が得られた。また、ゼーベック係数は共に219μV/Kであり、実施例のナノペースト電極を用いた熱電変換素子の方が、良好な電気特性を有することが示された。これにより、実施例により形成されたナノペースト電極の方が、より均一な表面形状を有することが示された。
本発明の好適な実施例に係る熱電変換モジュール1を示す斜視図である。 本発明の好適な実施例に係る熱電変換素子10を示す図である。 本発明の好適な実施例に係る熱電変換モジュール1を示す断面図である。 本発明の好適な実施例に係る熱電変換素子10をコネクタ20に取り付ける工程を示す図である。 実施例1の電極の表面のSEM像である。 実施例1の電極の断面のSEM像である。 比較例1の電極の表面のSEM像である。 比較例1の電極の断面のSEM像である。
符号の説明
1 熱電変換モジュール
10 熱電変換素子
11 焼結体セル
12a、12b 電極
20 コネクタ
21 コネクタリード部
22、24 嵌合部
23 接続部
30 基板

Claims (6)

  1. 焼結体セルと、この焼結体セルの一方の面として規定される加熱面とこの加熱面の反対側の面として規定される冷却面とに取り付けられた一対の電極と、を備え、前記加熱面と前記冷却面との温度差により発電する熱電変換素子の電極形成方法であって、
    前記加熱面及び前記冷却面に、金属の微粒子が分散された導電性ペーストを塗布する塗布工程と、
    前記導電性ペーストが塗布された前記焼結体セルを焼成して前記微粒子を焼結する焼成工程と、を有する熱電変換素子の電極形成方法。
  2. 前記金属の微粒子の平均粒子径が、1nm〜100nmである請求項1に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
  3. 前記金属の微粒子が、周期表第11族の元素からなる請求項1又は2に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
  4. 前記焼結体セルが、複合金属酸化物の焼結体からなる請求項1から3いずれかに記載の熱電変換素子の電極形成方法。
  5. 前記複合金属酸化物が、アルカリ土類金属と希土類とマンガンを含有する請求項4に記載の熱電変換素子の電極形成方法。
  6. 請求項1から5いずれかに記載の方法により形成された電極を備える熱電変換素子。
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