JP2009080434A - 光学素子製造方法および光学素子 - Google Patents

光学素子製造方法および光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2009080434A
JP2009080434A JP2007251363A JP2007251363A JP2009080434A JP 2009080434 A JP2009080434 A JP 2009080434A JP 2007251363 A JP2007251363 A JP 2007251363A JP 2007251363 A JP2007251363 A JP 2007251363A JP 2009080434 A JP2009080434 A JP 2009080434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
layer
substrate
gel layer
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007251363A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Umeki
和博 梅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Optical Industries Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Optical Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Optical Industries Co Ltd filed Critical Ricoh Optical Industries Co Ltd
Priority to JP2007251363A priority Critical patent/JP2009080434A/ja
Publication of JP2009080434A publication Critical patent/JP2009080434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

【課題】所望の光学機能をもち、設計所自由度が大きい光学素子を高い歩留まりで製造できる光学素子製造方法を提供する。
【解決手段】基板11上にSiO2を骨格とする重縮合材料を液状で塗布する塗布工程と、塗布形成された塗布層120に対してプリベークを行って塗布層をゲル化してゲル層121とするプリベーク工程と、得られたゲル層121に対して、微細な凹凸構造に反転的に対応する表面形状を有する押型200を押圧した状態で、熱および/または光によりゲル層121を硬化して、表面形状の反転形状をゲル層に転写する転写工程と、転写工程後に、硬化したゲル層である硬化層122から押型200を型抜きする型抜き工程とを有し、プリベーク工程におけるゲル化の程度を押型200の表面形状の転写に適したゲル化状態に調整する。
【選択図】図1

Description

この発明は光学素子製造方法およびこの方法により製造される光学素子に関する。
近来、サブ波長構造を有する光学素子の実用化が進みつつある。サブ波長構造は、その構造に応じて種々の光学機能を実現することができでき、例えば、サブ波長構造の表面構造を持ち、構造複屈折現象を発現させた位相板等が実現されつつある。
サブ波長構造を持つ表面構造を形成する技術として、ナノインプリント法が提案されている(例えば特許文献1、非特許文献1)。
ナノインプリント法は、基本的には、形成するべき所望の表面形状に対応する型形状の面を持った押型(所謂「モールド」)を、軟化状態にある転写層に押圧して上記転写層の表面を変形させ、この状態で転写層に熱や光を作用させて転写層を硬化させ、しかるのちに押型を型抜きすることにより、所望の表面形状を得る方法であり、種々のバリエーションが提案されている。
現在用いられている転写層の材料は樹脂であり、樹脂層表面にサブ波長構造を形成して光学素子として用いる場合、樹脂が環境変動で変質したり基板から剥離したりし易く、環境に対する対策が必要である。また、上記位相板のように、表面のサブ波長構造により所望の光学機能を実現しようとする場合、転写層の屈折率も設計条件となるが、条件に適う屈折率を持ち、転写に適した物性をもった樹脂材料が見つかるとは限らず、材料の屈折率に応じて表面形状を設計する必要があり、設計の自由度が小さい。
また、転写層の材料として用いられる樹脂は「軟化状態においても流動性が小さい」ため、アスペクト比の高いサブ波長構造の場合、型面の凹凸を正確に転写することが容易ではない。また、一般に、樹脂は硬化した状態でも「硬度」が比較的低く、押型の型抜きの際に、形成された表面形状が崩れたり変形したりする場合もあり、離型剤を用いても型抜きが容易でない場合もあり、このような場合には「光学素子製造の歩留まり」を向上させることが容易でない。
また、例えば「テトラアルキルオルソシリケートを加水分解と重縮合によって調製された溶液」をゾル溶液として用い、このゾル溶液を、表面に予め「所定の凹凸パターン」を形成した基板の表面に塗布し、乾燥して溶媒を取り除いた後、熱処理を行ってシロキサン結合を完全にすることによりシリカガラスによる三次元骨格構造体を形成する所謂「ゾル−ゲル法」も知られている。
このゾル−ゲル法では、塗布したゾル溶液からシリカガラスによる三次元骨格構造を形成する際、加熱により溶剤を除去してゲル化し、その後、高温加熱で三次元骨格構造とする。このため、加熱の際にゲル化した塗布層の体積が僅かに収縮するが、「収縮」は「当初に塗布されたゾル溶液層の厚み」が厚い部分ほど大きい。従って、収縮後の表面形状は下面の凹凸パターンの形状に依存し、形成された三次元骨格構造体の表面形状は、ゾル溶液が塗布された凹凸パターンの形状とは異なるが「凹凸パターンの形状を反映した形状」となる。
このゾル−ゲル法の場合、三次元骨格体の表面形状が凹凸パターンの形状と異なるため「光学機能に応じた所望の形状」を形成するのは必ずしも容易ではない。
特開2007−50663 KONICA MINOLTA TECHNOLOGY REPORT VOL.2(2005) p97-100 「ナノインプリント技術を利用したサブ波長構造広帯域波長板の作製」
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、所望の光学機能を持ちながら耐環境性に優れ、設計自由度が大きい光学素子を高い歩留まりで製造できる光学素子製造方法の実現、およびこの方法により製造される耐環境性に優れた光学素子の提供を課題とする。
この発明の光学素子製造方法は「SiO2を骨格とする重縮合材料の層を基板上に有し、上記層の表面形状が微細凹凸構造をなす光学素子」を製造する方法である。
請求項1記載の方法は、以下の如き特徴を有する。
即ち、基板上に「SiO2を骨格とする重縮合材料」を液状で塗布し、塗布により形成された塗布層に対してプリベークを行って、塗布層をゲル化してゲル層とする塗布・プリベーク工程を1回以上行って基板上に所望厚さのゲル層を形成する。
塗布・プリベーク工程により形成された所望厚さのゲル層に対して「微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状を有する押型」の表面形状の形成された面を押圧した状態で、熱および/または光によりゲル層を硬化して、押型の表面形状の反転形状をゲル層に転写し、硬化したゲル層である硬化層から押型を型抜きする。
「基板」は、製造された光学素子の一部となる。従って、基板は、製造する光学素子の光学機能に応じて透明な材料や不透明な材料のものを適宜用いることができる。基板の形態は必ずしも「板状」である必要はなく、「プリズム形」等の種々の形態を含みうる。例えばプリズムを基板として、その入射面や射出面あるいは反射面に対して上記の硬化層を形成することもできる。基板はまたレンズであってもよい。この場合には、レンズの表面に「SiO2を骨格とする重縮合材料」のゲル層が形成され、その表面に押型の表面形状に対応する微細凹凸形状が形成される。
「塗布・プリベーク工程」は、基板上に形成されるゲル層の厚さが「所望厚さ」、即ち、設計上必要な厚さになるように1度以上行われる。「ゲル層の所望厚さ」は、製造すべき光学素子の機能に応じた仕様により定まる。例えば数μm〜数10μm程度である。
「微細凹凸構造」は典型的にはサブ波長構造であるが、これよりピッチの大きいものでもよい。微細凹凸構造により実現される光学機能は、例えば回折機能や位相板機能、レンズ機能等である。
「SiO2を骨格とする重縮合材料」は液状で塗布されるから塗布は極めて容易である。塗布層に対してプリベークを行うと、溶液中の溶媒が除去されるが、完全に除去されない状態では塗布層がゲル化して「ゲル層」となる。ゲル層は基板に密着して流動性が抑えられるため、次工程を行う際の基板の取り扱いが容易になり、スムーズに次工程へ移行することができる。
ゲル層に対して、押型の「微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状」を有する表面を押圧すると、ゲル層は上記表面形状に「よく倣い」上記表面形状の凹部を良好に満たす。しかし、プリベークされたゲル層の「ゲル化の程度」が強すぎると、押型の表面形状が細かい場合や複雑な場合、凹凸の高低差が大きいような場合に、押型の表面形状に対して「ゲル層が十分に倣わない」状態が発生することが考えられる。
このような場合には、プリベークの程度を加減することにより、ゲル層における流動性を「微細凹凸構造を転写しやすい程度」に調製すればよい。プリベークは、塗布層に対して熱および/または光を作用させて行うので、加熱時間や光照射時間、照射光強度や加熱温度、硬化真空度条件等を調整することによりゲル化の程度を調整できる。
上記の如く「基板と押型とで挟まれた状態のゲル層」を、熱および/または光により硬化すると、押型の表面形状の反転形状をゲル層に転写でき、硬化したゲル層である硬化層から押型を型抜きすることにより、所望の光学素子を得ることができる。
即ち、ゲル層に対して熱および/または光を作用させてシロキサン結合を完全にすると「シリカガラスによる3次元骨格構造体」となる。この状態が「硬化層」であり、極めて強固な構造で、型抜きの際に、押型から不用意な機械力が作用しても、形成された微細な凹凸構造が崩れたり変形したりすることがない。また硬化層は基板と強固に一体化する。
上記の如く、押型表面の「形成するべき微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状」は、形成するべき微細凹凸構造に対して所謂「雌雄」の関係にあり、押型表面の表面形状は「形成するべき微細凹凸構造における凹凸を反転させたもの」であるが、「反転的に対応する」とは、ゲル層の「硬化の際における収縮」を考慮した対応関係を言う。
即ち、ゲル層が硬化した状態においてその表面に形成されるのが所望の光学機能を果たすべき「微細凹凸構造」であり、この微細凹凸構造は、押型表面の凹凸形状の「凹凸を反転させた形状」がさらに収縮した形状である。従って、押型の表面形状は、ゲル層の「硬化の際の収縮率」を考慮して、その大きさが予め決定されるのである。
請求項2記載の方法は、以下の如き特徴を有する。
即ち「微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状を有する押型の表面形状の形成された面」にSiO2を骨格とする重縮合材料を液状で塗布し、塗布により形成された塗布層に対してプリベークを行って、塗布層をゲル化してゲル層とする塗布・プリベーク工程を1回以上行って押型上に所望厚さのゲル層を形成する。
この「所望厚さのゲル層」を押型と基板とにより挟み、この状態でゲル層を熱および/または光により上記ゲル層を硬化させ、押型から型抜きすることにより、基板上に「表面が所望の微細凹凸構造をなす硬化層」を一体化した光学素子とする。
請求項2記載の方法では、塗布・プリベーク工程は「押型」に対して行われる。塗布されるとき「SiO2を骨格とする重縮合材料」は液状であるので、請求項1の方法の場合よりも容易且つ確実に重縮合材料を押型の表面形状に「倣わせる」ことができる。即ち、重縮合材料を確実に押型表面形状の凹部に行き渡らせることが容易である。
一方で「SiO2を骨格とする重縮合材料」は後述するように、固化の段階で収縮し易く、塗布された重縮合材料はプリベークの段階でも収縮が起こる。このため、最初の塗布・プリベーク工程の際の塗布量が十分でないと、プリベークした状態で、重縮合材料の自由表面(押型に接していない側の面)が平滑にならず、押型表面形状の微細凹凸に応じて、変形した表面になることが考えられる。このような場合には、ゲル層の自由表面が平滑で、且つ、所望の厚さとなるように、塗布・プリベーク工程を繰り返すことができる。
請求項2記載の方法では、上記の如く、ゲル層の硬化の際に、押型に形成されたゲル層に対して基板表面が押し当てられ、基板と押型とでゲル層が挟持され、固化された硬化層が基板と一体化して押型から型抜きされる。この場合、押型に形成されたゲル層を押型とともに挟持する基板の側の、ゲル層に接触する側の面に「SiO2を骨格とする重縮合材料によるゲル層を予め所望の厚さで均一に形成」しておくことが好ましい(請求項3)。
このようにすると、硬化層と基板との一体化がより堅固なものとなる。
上記請求項1〜3の任意の1に記載の光学素子製造方法を、平板状の基板の両面に対して同時的もしくは順次に行って、基板の両面に所望の微細凹凸構造を有する光学素子とすることができる(請求項4)
請求項1〜4の任意の1に記載の光学素子製造方法において用いられる「SiO2を骨格とする重縮合材料」は水素シルセスキオキサン(HSQ)やシルセスキオキサン(SQ)を挙げることができる(請求項5)。「SiO2を骨格とする重縮合材料」としてゾル−ゲル材料を好適に用いることができる(請求項6)。
「ゾル−ゲル材料」は、SiO2を骨格とする重縮合材料としては代表的なものであり、ゾル状(液状)に製造され、これに熱および/または光を作用させることにより、重縮合を進行させてゲル化を行うことが可能であり、さらに、熱および/または光の作用により重縮合を飽和するまで行うことにより硬化させることができる。
ゾル−ゲル材料は従来から種々のものが知られているが、例えば「テトラアルキルオルソシリケートを加水分解と重縮合により調整したゾル状態の溶液」を塗布・プリベーク工程における「塗布液」として用いることができる。
また、シロキサン結合が進行する際に溶媒が完全に除去されるので、硬化層を構成する3次元骨格構造体による微細凹凸構造は、押型の表面形状に嵌りあった形状よりも収縮により縮小している。このときの収縮が押型の表面形状からの剥離をもたらすので、型抜きは容易に行われる。
ゾル−ゲル材料としてはほかに、ポリジメチルシロキサン系の無機ハイブリッド材料等、公知の適宜のものを用いることができる。
光学素子の光学機能によっては、硬化層の屈折率が問題となる。硬化層の屈折率は、材料となる「SiO2を骨格とする重縮合材料」の構成により基本的には定まるが、この材料中に「屈折率を制御するための微細なフィラー粒子」を分散して所望の屈折率が得られるようにしてもよい(請求項7)。
「フィラー粒子」としては、例えば「酸化チタン製のフィラー粒子」を好適に用いることができるが、これに限らず従来から知られたものを適宜に用いることができる。フィラー粒子の粒径は、微細凹凸構造の大きさに応じて適宜に定めることができ、例えば、50nmあるいはそれ以下とすることができる。
なお、上に説明した光学素子の製造方法において用いられる基板は、その表面に予め、上記請求項7で用いられるような、フィラー粒子の混入により屈折率を調整された材料による硬化層を「下地層」として形成されていてもよい。
この発明の光学素子は、上記請求項1〜7の任意の1に記載の光学素子製造方法により製造された光学素子である(請求項8)。この光学素子では、微細凹凸構造を表面構造として持つ硬化層が「SiO2を骨格とする重縮合材料」という無機材料の3次元骨格体であるので基板との密着性が高く、耐環境性も優れている。
なお、型抜きされた後の微細凹凸構造の上に、所望によりあるいは必要に応じて、反射防止膜や反射膜等、光学素子の光学機能を助長する光学膜を形成することができる。
若干補足すると、基板の2面以上に対して微細凹凸構造を持つ硬化層を形成する場合、例えば、平行平板状の基板の両面に「表面が微細凹凸構造を持つ硬化層」を形成する場合に、各面に対して上記請求項1〜7の任意の1に記載の方法を繰り返して硬化層を別個に形成して良いことは勿論であるが、このような場合、同一もしくは異なる転写パターンを持つ押型を複数個用い、基板両面に対して、上記請求項1〜7の任意の1に記載の方法を並行して行って一度に両面に硬化層を形成することもできる。
あるいは、別個の平行平板状基板の、それぞれの片面に「表面が微細凹凸構造を持つ硬化層」を上記請求項1〜7の任意の1に記載の方法で形成したのち、上記別個の平行平板状基板の「硬化層を形成されていない平滑な面同士」を接着等の結合手段で結合させることによって、両面に「表面が微細凹凸構造を持つ硬化層」を有する単一の光学素子を得ることができる。
さらに、基板が「押型における表面形状の大きさに比して大きい面積領域」を持つ場合には、基板に対し上記請求項1記載の光学素子製造方法の各工程を「押型による表面形状の転写に必要な量のSiO2を骨格とする重縮合材料を用いて逐次に繰り返し、同一基板上に表面形状に従う複数の微細な凹凸構造を形成する」ことができる。
即ち、基板に対して、1個の押型により転写を行うのに必要な量の「SiO2を骨格とする重縮合材料」を滴下して、塗布層を形成し、この塗布層に対してプリベークと転写・型抜き工程を行って上記1個の押型による微細凹凸構造を形成する。
その後、基板表面の別の箇所に1個の押型により転写を行うのに必要な量の「SiO2を骨格とする重縮合材料」を滴下して塗布層を形成し、この塗布層に対してプリベークと転写・型抜き工程を行って上記1個の押型による微細凹凸構造を形成する。このプロセスを、基板表面の場所を代えて繰り返すことにより、基板表面に複数の微細凹凸構造を形成できる。
このとき、1種類の押型を用いて、同一の微細凹凸構造を配列的に形成しても良いが、複数種類の押型を用い、押型ごとに異なる微細凹凸構造を形成し、これら副数種の微細凹凸構造の全体が「レンズ作用等の光学機能」を果たすようにしてもよい。
基板上に形成された複数の微細凹凸構造を個別に切り離すことにより、1度に多数の光学素子を効率よく製造できる。
なお、微細凹凸構造としては、構造複屈折を発現させる周期構造や、回折格子として機能させる格子構造、あるいは各種のマイクロレンズやそのアレイ構造等が可能である。回折機能を持つ微細凹凸構造として、例えば、フレネルレンズにおける輪帯レンズの機能を有するものとして、「断面形状が階段状の構造を、輪帯の個々に応じて階段数やピッチの異なる構造としたもの」を例示することができる。
また、押型の表面形状部分に離型剤を塗布して型抜きを容易にすることは好ましい。離型剤としては4フッ化エチレン等のフッ素系のものが好適である。
以上に説明したように、この発明によれば新規な光学素子製造方法および光学素子を実現できる。この光学素子製造方法はエッチング等の工程を含まないので、製造の効率が良く、また、押型の表面形状が「ゲル層に精度良く反転して写し取られた状態」で熱および/または光による硬化が行われ、その際の収縮で押型の型抜きが容易になる。また、この発明の光学素子は、微細な凹凸構造を形成される硬化層が無機材料であるので耐環境性に優れ、硬化層は強い機械強度を有するので、型抜きの際の崩れや変形の虞が無いため製造の歩留まりが良く、また耐環境性にも優れている。
以下、実施の形態を説明する。
図1(a)に示す説明図に従って、光学素子の1例である位相板を説明する。
位相板10は、平行平板状の基板11上に硬化層12が形成されてなり、硬化層12の表面形状として「構造複屈折を発現させる微細凹凸構造」が形成されている。硬化層12の表面形状として形成された微細凹凸構造は「断面形状が矩形波状のもの」で図面に直交する方向の断面形状は一様である。説明の具体性のために基板11は「石英ガラス基板」であるとする。
図に示すように、凹凸構造の周期:Pを「ピッチ」、凸部の幅:wを「ランド幅」、凹部の幅:P−wを「スペース幅」と呼ぶ。また、凹部の深さ(凸部の高さに等しい)をDとする。
このとき、「w/P」をフィリングファクタ、「D/(P−W)」をアスペクト比と呼ぶ。「フィリングファクタが大きい」ほどピッチ:Pに占めるランド幅:wが大きく、「アスペクト比が大きい」ほど開口部寸法:P−Wに対する凹部の深さ:Dが大きい。アスペクト比は、高い方が光学設計シミュレーションでは性能が高いが、製作技術の観点からは、微細な凹凸構造形成の容易さの観点から「10よりも小さい」こと、より好ましくは、5程度以下が良い。
非特許文献1等により知られたように、微細な凹凸構造が光の波長より小さい「サブ波長構造」であると、そのピッチ:Pよりも大きい波長の光は回折せず「0次光」としてそのまま透過する(このときの透過率を「0次透過率」と呼ぶ。)が、入射光に対して複屈折性を示す。
即ち、図1に示すように、微細な凹凸構造へ「空気領域(図の上方の領域)から入射」する入射光において、微細な凹凸構造の周期方向(図の左右方向)に平行に振動する偏光成分:TM、凸部の長手方向(図面に直交する方向)に平行に振動する偏光成分:TEに対し、微細な凹凸構造は「屈折率が異なる媒質」のように作用する。
微細な凹凸構造の部分における有効屈折率を、偏光成分:TMにつきn(TM)、偏光成分:TEについてn(TE)とすると、これらの有効屈折率は、微細凹凸構造が形成された硬化層12の材料の屈折率:n、凹凸構造のフィリングファクタ:fを用いて以下のように表される。
n(TE)=√{fn+(1−f)} (1)
n(TM)=√[n/{f+(1−f)n}] (2)
このため、透過光における偏光成分:TMに対し、偏光成分:TEは位相が遅れることになる。
凹部の深さ:Dを用いると、微細な凹凸構造の「光学的厚さ」は、偏光成分:TMに対して「D・n(TM)」、偏光成分:TEに対して「D・n(TE)」であるので、これら光学的厚さの差:D{n(TE)−n(TM)}に応じて「位相遅れ(リタデーション):δ」が生ずる。
上記光学的厚さの差:D{n(TE)−n(TM)}をHとし、光の波長をλとすると、δ=2πH/λであるが、微細な凹凸構造においては「波長:λの広い領域にわたって、略一定のリタデーション」が得られることが知られている。
n(TE)、n(TM)は、硬化層12の材料の屈折率:nと、フィリングファクタ:fにより決定され、リタデーション:δは、屈折率:n、フィリングファクタ:f、凹部の深さ:Dにより定まるから、結局、リタデーションは硬化層12の材料(nが定まる。)と微細な凹凸構造の形態(フィリングファクタ:fと凹部の深さ:Dが定まる。)を調整することにより所望のものを得ることができる。
前述のように、硬化層12の屈折率は、材料として用いる「SiO2を骨格とする重縮合材料」が定まれば、それに応じて定まるが、請求項7に記載したように「屈折率を制御するための微細なフィラー粒子」をゾル状態の材料中に均一に分散し、分散量を調整することにより所望の屈折率を得るようにすることができる。
従って、位相板10におけるリタデーション:δを調整することにより、偏光成分:TM、TEに対する位相差を、例えば「πやπ/2」に設定でき、各種波長板を実現することができる。
図1(b)は、光学素子の別の実施の形態を示す図である。
この実施の形態の光学素子20では、基板21上に形成された硬化層22の表面形状は、図に直交する方向へ均一で、図の左右方向においては表面形状が変化している。即ち、矩形波状の断面形状において、ピッチ:Pは一定であるが、上述のフィリングファクタ:fは変化し、光学素子20の中央部から図の左右方向の周辺部へ行くに従って、フィリングファクタが次第に小さくなっている。
前述の如く、偏光成分:TMに対する有効屈折率:n(TM)、偏光成分:TEに対する有効屈折率:n(TE)は、上記の式(1)、(2)でそれぞれ表せるが、これらの式からあきらかなように、有効屈折率:n(TM)、n(TE)は何れも、フィリングファクタが大きくなるほど大きくなる。
従って、図1(b)に示す光学素子20では、偏光成分:TM、TEの光に対する屈折率は、中央部から図の左右方向の周辺部へ向かって漸減することになり、光学素子20は、偏光成分:TMもしくはTEの光に対して「凸のシリンダレンズ」としての光学機能を有することになる。
図1(b)におけるとは逆に、フィリングファクタが中央部から周辺部へ向かって漸増するように微細な表面形状を形成すれば、偏光成分:TMもしくはTEの光に対して「凹のシリンダレンズ」としての光学機能を有する光学素子を実現できる。
また、硬化層表面に形成する微細凹凸構造を2次元的な形状とし、凸や凹の球面レンズや非球面レンズのような光学作用を付与することもできる。また、微細凹凸構造の形状として、断面形状が矩形波状である場合を説明したが、これに限らず、断面形状として「2以上のステップを有する階段状のもの」を用いることもできる。
例えば、球面レンズの光学作用を持つフレネルレンズは、同心円状に輪帯レンズを配列した形状をなし、各輪帯レンズは「その位置(光軸からの距離)に応じた傾斜」を持つレンズ面となっている。このようなフレネルレンズにおける各輪帯レンズのレンズ面の傾斜を、上記「階段状の断面形状を持つ微細凹凸構造」で構成することができる。
図2は、図1(a)に説明図的に示した位相板(光学素子)10を製造するプロセスを説明するための図である。
図2(a)は、基板としての石英ガラス基板11の上に「SiO2を骨格とする重縮合材料」として前述の「テトラアルキルオルソシリケートを加水分解と重縮合により調整したゾル状態の溶液(必要に応じ、フィラー粒子を分散させて屈折率を調整してもよい。)」を塗布して塗布層120を形成した状態を示している。
塗布層120の形成は、ゾル状態の溶液を滴下して塗布層としてもよいし、スピンコート等の塗布方法で形成しても良い。このとき形成される塗布層120の厚さは数μm〜数10μmである。
塗布層120に対して熱および/または光を作用させて「プリベーク」を行い、塗布層120をゲル化し、図2(b)に示すようにゲル層121を得る。
即ち、図2(a)、(b)は、塗布・プリベーク工程を示している。
図2(c)、(d)は「押型の転写」を説明図的に示している。図2(c)は、「形成すべき微細な凹凸構造に反転的に対応する表面形状」を有する押型200の、表面形状を形成された面を「プリベークによりゲル化されたゲル層121に押圧」した状態を示している。
押圧されたゲル層121は、押型200の表面形状に従って変形し、上記表面形状に倣う形状となる。即ち、プリベークによるゲル化の程度は「押型の表面形状の転写に適したゲル化状態」に調整され、ゲル層121の表面は、押型200の表面形状と「ぴったりと整合」しあう。
続いて、ゲル層121に対してさらに熱および/または光を作用させて、ゲル層121を硬化すると、図2(d)に示すように、ゲル層121が硬化した硬化層122が得られる。ゲル層121が硬化して硬化層122となる途上でゲル層が収縮し、図2(d)に示されたように、硬化層122の表面は押型200の表面形状から剥離した状態となる。
このとき、押型200の表面形状を形成された面に、型押し以前に、予め「4フッ化エチレン等のフッ素系の離型剤」を塗布しておくと、上記剥離がより良好に行われる。
続いて、硬化層122から押型200が型抜きされる。図2(d)に示したように、転写工程におけるゲル層の収縮により、硬化層122の表面形状は、押型200の表面形状から剥離しているので型抜きは容易に行われ、型抜きの際に、硬化層122に余計な機械力が作用しにくい。また、硬化層122は「シリカガラスによる3次元骨格構造体」であって十分な機械強度を持つので、たとえ、型抜きの際に不用意な機械力が作用しても、硬化層122の表面形状が崩れたり変形したりする虞は少ない。
図1(b)に即して説明した光学素子20も、上記と同様にして製造可能である。
また、例えば基板11として、比較的サイズの大きいもの(例えば数百mm四方)のものを用い、その上に例えば5mm×5mm程度の大きさで、図1(a)や図1(b)の如き硬化層を、順次に形成して大面積のものを形成したのちに、個々の光学素子に分割することもできる。
上には、SiO2を骨格とする重縮合材料がゾル−ゲル材料である場合を説明したが、勿論、SiO2を骨格とする重縮合材料としてHSQやSQを用いても同様にして所望の光学素子を実現できる。
ここで、押型200について簡単に説明すると、押型の表面形状は、フォトリソグラフィとエッチングとを組合せることにより形成することができる。例えば、押型を「Si基板」を用いて図2(d)に示すような断面矩形状の表面形状を形成する場合であると、シリコン結晶基板の(110)軸の面を平面的に研磨し、その表面にフォトレジストを塗布し、電子ビーム描画等の手法で、押型の表面形状に対応するパターンを描画し、現像して、上記パターンの「凹部に対応する部分」のレジストを除去する。
その後、KOH(水酸化カリウム)のエッチング液中で、ウエットエッチングを行い、侵刻を(111)面に平行に進行させることにより、断面形状が矩形波状の押型200を実現できる。
押型の表面形状が複雑である場合(例えば、凹凸が2以上の階段状の段差を持ち、平面的パターンも複雑な形状、たとえば、前述のフレネルレンズの輪帯レンズを実現する階段状の断面形状)には、例えば、平面的パターンを予めデータ化し、デジタルミラーデバイスにレーザ光を照射し、デジタルミラーデバイスにより平面的パターンに対応する露光光束を生成し、この露光光束を縮小光学系で縮小像として、基板上に塗布されたフォトレジスト上に結像させてパターンの露光を行い、現像・リンス後にエッチングを行って、所望の表面形状を実現することができる。
以下、実施の別形態を説明する。
図3(a)に示す光学素子30は、光ピックアップ装置における対物レンズの収差補正を行うものであり、以下、収差補正素子30と呼ぶ。
収差補正素子30を用いる光ピックアップ装置の概略を図5に示す。
図5において、符号500は光ディスクを示し、光ピックアップ装置は光ディスク500に対して記録・再生・消去の1以上の動作を行う。
この光ピックアップ装置は、半導体レーザ光源501、502、503を有している。これら半導体レーザ光源501、502、503は互いに発光波長が異なるものである。
即ち、図5の光ピックアップ装置は、光ディスク500として「動作波長の異なる複数種類の光ディスク」を使用可能な装置である。
説明の具体性のため、図5の光ピックアップ装置に使用できる光ディスクは、BD(ブルーレイディスク、基板厚:0.1mm)、HD(HD−DVD、基板厚:0.6mm)、DVD(基板厚:0.6mm)およびCD(基板厚:1.2mm)の4種であるとする。
半導体レーザ光源501はCD用の光源であって発光波長:785nmである。半導体レーザ光源502はDVD用の光源であって発光波長:660nm、半導体レーザ光源503はBDおよびHD用の光源であって発光波長:405nmである。
光ディスク500がCDであるときには、半導体レーザ光源501を点灯制御し、放射される波長:785nmのレーザ光をコリメートレンズ504で平行光束化し、波長選択性ビームスプリッタ508、509、偏光ビームスプリッタ510を介して偏向ミラー511に入射させて光路を図の上方へ屈曲させ、1/4波長板512と収差補正素子30と対物レンズ513とを介して、光ディスク500の記録面に集光して光スポットを形成する。
光ディスク500からの戻り光束は、偏光ビームスプリッタ510で反射させて、集光レンズ507を介して受光素子5013に導き、公知の適宜の処理で再生信号や、トラッキング信号・フォーカシング信号の制御信号を生成し、得られる制御信号により対物レンズ513を駆動してトラッキング・フォーカシングの各制御を行う。
光ディスク500がDVDであるときには、半導体レーザ光源502を点灯制御し、放射される波長:660nmのレーザ光を、ホログラム5021を介してコリメートレンズ505で平行光束化し、波長選択性ビームスプリッタ508で反射させ、波長選択性ビームスプリッタ509、偏光ビームスプリッタ510を透過させて偏向ミラー511に入射させ、光路を図の上方へ屈曲させ、1/4波長板512と収差補正素子30と対物レンズ513とを介して、光ディスク500の記録面に集光して光スポットを形成する。
光ディスク500からの戻り光束は、偏光ビームスプリッタ510、波長選択性ビームスプリッタ509を透過させ、波長選択性ビームスプリッタ508で反射させ、コリメートレンズ505で集光させ、ホログラム5021で偏向させて受光部5022に導き、公知の適宜の処理で再生信号や制御信号を生成し、得られる制御信号により対物レンズ513を駆動してトラッキング・フォーカシングの各制御を行う。
光ディスク500がBDまたはHDである場合には、半導体レーザ光源503を点灯制御し、放射される波長:405nmのレーザ光を、ホログラム5031を介してコリメートレンズ506で平行光束化し、波長選択性ビームスプリッタ509で反射させ、偏光ビームスプリッタ510を透過させて偏向ミラー511に入射させ、光路を図の上方へ屈曲させ、1/4波長板512と収差補正素子30と対物レンズ513とを介して、光ディスク500の記録面に集光して光スポットを形成する。
光ディスク500からの戻り光束は、偏光ビームスプリッタ510を透過させ、波長選択性ビームスプリッタ509で反射させ、コリメートレンズ506で集光させ、ホログラム5031で偏向させて受光部5032に導き、公知の適宜の処理で再生信号や制御信号を生成し、得られる制御信号により対物レンズ513を駆動してトラッキング・フォーカシングの各制御を行う。
上記のトラッキング・フォーカシングの各制御に際し、収差補正素子30は対物レンズ513と一体的に変位駆動される。
図5の光ピックアップ装置は上記の如く、4種の光ディスクに対して動作可能であるが、光ディスクの動作波長や基板の厚さは光ディスクの種類に応じて異なる。
一方、各光源からの光を光ディスクの記録面上に集光させる対物レンズ513は、4種の光ディスクに対して共通化されているので、対物レンズ513の光学性能を何れか1種類の光ディスクに対して最適化すると、他の種類の光ディスクに対しては、色収差や基板厚の差に起因する球面収差の増大により良好な光スポットを形成することができない。
収差補正素子30は、共通化された対物レンズ513のレンズ作用の収差(色収差や基板厚の差に起因する球面収差)を補正し、各光源からのレーザ光が、4種の光ディスクのうちで対応するものの記録面に適正な光スポットを形成できるように作製されている。
この収差補正は主として回折により行われるものであり、光ディスクの種類に応じて対物レンズ513に対するNAを切換え、あるいは、対物レンズ513に入射するレーザ光を「所定の発散角を持った光束に変換」するなどして、所望の光ディスクの記録面に「この光ディスクの動作波長をもったレーザ光束」が良好に集光するように、対物レンズ513の光学特性と合わせて設計されている。
図3に戻ると、収差補正素子30は、(a)に示すように、透明な平行平板である基板31の両面に、硬化層32、33が形成されている。硬化層32、33は「SiO2を骨格とする重縮合材料の硬化した層」であり、層の表面形状が微細凹凸構造をなしている。
硬化層32、33の表面形状をなす微細凹凸構造は、何れも、フレネルレンズの輪帯レンズの機能を有する「断面形状が階段状(図の例では2ステップもしくは3ステップ)の構造」を、輪帯に応じて「階段数(ステップ数)やピッチの異なる構造」として形成されている。これらの各「輪帯レンズの機能を有する微細凹凸構造」は、図の上下方向から見ると同心円状であり、隣接する輪帯レンズの間隔は中央部分から周辺部へ向かって小さくなっている。
図3(a)は説明図であり、微細凹凸構造や基板相互の大小関係等は実際のものとは異なる。図3(a)には、微細凹凸構造が形成する輪帯レンズの中央部のものと、周辺部へ向かう領域における4つの輪帯部分の「階段状の断面形状」を説明的に示している。
上述のように、各輪帯レンズの断面形状をなす階段形状はステップ幅やステップ数、あるいは高さが輪帯レンズの位置(光軸からの距離)に応じて異なる。
図3(b)、(c)は、図3(a)に示す収差補正素子30の製造を説明するための図であり、図3(b)では、基板31の両面に塗布・プリベーク工程により形成されたゲル層32A、33Aに対してそれぞれ押型301、302が押圧され、ゲル層32A、33Aの表面形状が、それぞれ押型301、302の表面形状に倣って変形した状態を示している。この状態で、ゲル層32A、33Aを硬化し、図3(c)のように型抜きを行えば、基板31に対して一体化された硬化層32、33の表面に、所望の微細凹凸構造の形成された収差補正素子30が光学素子として得られる。
図4は、図3(a)の収差補正素子30と同様の収差補正素子の製造方法を説明するための図である。
図4(a)は、平行平板状の基板31Aの上にゲル層32Aを形成し、その表面を押型301の表面形状により変形させた状態を示している。図4(b)は、平行平板状の基板31Bの上にゲル層33Aを形成し、その表面を押型302の表面形状により変形させた状態を示している。
図4(a)の状態で、ゲル層32Aを硬化させて型抜きを行うと基板31Aに一体化して「押型301の表面形状を転写された所望の微細凹凸構造」を有する硬化層32が得られ、図4(b)の状態で、ゲル層33Aを硬化させて型抜きを行うと基板31Bに一体化して「押型302の表面形状を転写された所望の微細凹凸構造」を有する硬化層33が得られる。このように硬化層32を形成された基板31Aと、硬化層33を形成された基板31Bとを、図4(b)に示すように、平滑な面同士で接着等により互いに接合させて一体化することにより、図3(a)に示した収差補正素子30と同様の収差補正素子30Aを得ることができる。
図2に即して説明した例の具体的な実施例を説明する。
「実施例1」
石英ガラス基板11の上に塗布層120として「シリコーン含有ゾル−ゲル材料である有機無機・複合コーティング材である米国Silecs社の製品XCシリーズのうちの「XC−100」に、粒径:10nm以下のTa(屈折率:2.35)を分散させて混合し、屈折率:1.90、粘度:6mPa・sに調製した溶液」をスピンコートにより塗布し、90度Cの温度で5分間のプリベークを行ってゲル化を完了し、ゲル層121とした。
続いて、ゲル層121に押型200を押圧し、型を押し当てたまま、250度Cの温度で10分間加熱して「本硬化」し、ゾルーゲル材料に含まれる有機成分を完全に除去し、無機材料のみによる3次元骨格体による硬化層122を石英ガラス基板11上に残し、その後、型抜きを行って所望の位相板を得た。
上記「有機無機・複合コーティング材」としては、上記のもののほかに上記「XCシリーズのXC−200、XC−300、XC−400等」を用いることもできる。
同じく、図2に即して説明した例の具体的な別実施例を説明する。
「実施例2」
石英ガラス基板11の上に塗布層120を、石英ガラス基板表面に塗布できる程度の低い粘度に調整した「水素シルセスキオキサンを含む液体」のスピンコートで形成した。水素シルセスキオキサンは、市販の東レ・ダウコーニング・シリコ−ン(株)社製HSQ材料を用いた。
次に、塗布層120に対して、50度C程度の低い温度で加熱して、塗布層120内の溶剤の一部を除去するプリベーク工程を行った。プリベークにより、水素シルセスキオキサンを含む液体の粘度を高くし、平坦な表面を持つゲル層121を形成した。プリベークは、形成されるゲル層121の粘度が「型押しにより、押型200の表面形状に従いうる程度」となるように調整した。
押型200を押し当てた状態で、石英ガラス基板11とゲル層121とを、50度C以上150度C以下の温度で加熱することにより「本硬化」を行い、ゲル層121から「残りの溶剤」を除去し、押型200の表面形状が転写された硬化層122を得たのち、型を剥離して、所望の位相板を得た。
押型200の材料としてはシリコン材料や石英材料を用いることができるが、実施例1、2においてはシリコン材料による平行平板の片面に転写面形状を表面形状として形成されたものであり、この表面形状は「ライン/スペース」の形状であり、「電子線描画装置等を使用してフォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程」により形成した。
次に、図3に即して実施の形態を説明した収差補正素子30の、製造の具体例を2例説明する。
「実施例3」
厚さ:0.5mmの平行平板状石英ガラスの片面に、ゾルーゲル材料としてナノコンポジット材料(JSR社製 型番:Z−7503)を用い、この材料中に「屈折率:1.90のTaの無機超微粒子(粒径:10nm以下)」を混入し、粘度:10mPa・sに調製した塗布液をスピンコートにより塗布し、エネルギ密度:400mJ/cmの光を120秒間照射して硬化させ、高屈折率薄層とした。
この高屈折率薄層の上に、上記ナノコンポジット材料に「屈折率:1.45以下の無機超微粒子(粒径:10nm以下)」を混入し、粘度:10mPa・sに調製した塗布液をスピンコートにより塗布し、エネルギ密度:400mJ/cmの光を120秒間照射して硬化させ、高屈折率薄層とした。
上記石英ガラスの他方の面に、上記と全く同様にして、高屈折率層と低屈折率層を形成した。そして、このように「石英ガラスの両面に高屈折率層と低屈折率層とを積層」したものを基板31とし、その両面にゾルーゲル材料として上記ナノコンポジット材料をスピンコートにより塗布した後、エネルギ密度:400mJ/cmの光を30秒間照射してゲル化させ、基板両面にゲル層32A、33Aを形成した。
基板両面のこれらゲル層に対し、所定の表面形状を持つ押型301、302の表面形状を押圧して、ゲル層32A、33Aの表面を押型の表面形状に倣わせ、硬化処理を行い、押型を型抜きした。
このようにして、所望の回折機能を果たす微細凹凸構造を両面にもった収差補正素子を得ることができた。
「実施例4」
表面に密着性処理を施した石英ガラス基板31の両面に、HSQ材料による塗布層を形成した。
即ち、HSQ材料:東レ・ダウコーニング・シリコ−ン(株)社製HSQを、希釈剤:メチル=イソブチル=ケトン(MIBK)に溶解させてHSQ材料による塗布液を調製した。この塗布液を石英ガラス基板31の各表面にスピンナーで塗布(スピンコート)して塗布層とした。
これらと塗布層を形成された石英ガラス基板31を50度Cの温度下に10分間放置してプリベーク工程を行い、塗布相中の希釈剤を揮発させてゲル層32A、33Aとした。ゲル層32A、33Aの粘度を、押型による型押しが可能な粘度に調整した。
次に、ゲル層32A,33Aに、押型301、302を押し当てて、ゲル層32A、33A中の気泡を除去し、さらに加圧して、石英ガラス基板31上の余分なゲル材料を基板外周から除去した。
この状態のものを、真空チャンバー内にセットし、1mTorr〜10mTorr程度の圧力及び130度Cの温度で10分間加熱して本硬化を行い、ゲル層32A、33Aを硬化させて硬化層32、33とした。
次いで、硬化層32、33から型抜きを行った。硬化層32、33は、表面を密着処理した石英ガラス基板上に固着して残り、このようにして硬化層32、33を有する収差補正素子30を得た。
実施例3、4において用いた押型301、302は、平行平板状のシリコン基板の片面に転写すべき表面形状を形成したものである。この表面形状は、押型301では「段差:4レベル(3ステップ)」で輪帯レンズ面に対応する転写面を同心円状に形成したものであり、4レベルの段差の形成は「電子線描画装置等を使用してフォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程を繰り返し実施することで作製した。押型302の表面形状は「段差:3レベル(2ステップ)」で輪帯レンズ面に対応する転写面を同心円状に形成したものであり、3レベルの段差の形成は「電子線描画装置等を使用してフォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程を繰り返し実施することで作製した。
実施例4では、硬化層32、33における3レベル、4レベルの凸部は、本硬化の際の収縮により0.2μmのピッチになった。
押型には上記シリコン材料の他、石英材料を用いることもできる。
光学素子を2例説明するための図である。 光学素子製造方法を説明するための図である。 光学素子としての収差補正素子の1例を説明するための図である。 光学素子としての収差補正素子の別例を説明するための図である。 収差補正素子が用いられる光ピックアップ装置を説明するための図である。
符号の説明
10 光学素子(位相板)
11 基板
12 硬化層
30 光学素子(収差補正素子)
31 基板
32A ゲル層
33A ゲル層
32 硬化層
33 硬化層
301 押型
302 押型

Claims (8)

  1. SiO2を骨格とする重縮合材料の層を基板上に有し、上記層の表面形状が微細凹凸構造をなす光学素子を製造する光学素子製造方法において、
    基板上に、SiO2を骨格とする重縮合材料を液状で塗布し、塗布により形成された塗布層に対してプリベークを行って、塗布層をゲル化してゲル層とする塗布・プリベーク工程を1回以上行って基板上に所望厚さのゲル層を形成し、
    上記塗布・プリベーク工程により形成された所望厚さのゲル層に対して、上記微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状を有する押型の上記表面形状の形成された面を押圧した状態で、熱および/または光により上記ゲル層を硬化して、上記表面形状の反転形状を上記ゲル層に転写し、硬化したゲル層である硬化層から上記押型を型抜きすることを特徴とする光学素子製造方法。
  2. SiO2を骨格とする重縮合材料の層を基板上に有し、上記層の表面形状が微細凹凸構造をなす光学素子を製造する光学素子製造方法において、
    上記微細凹凸構造に反転的に対応する所定の表面形状を有する押型の上記表面形状の形成された面に、SiO2を骨格とする重縮合材料を液状で塗布し、塗布により形成された塗布層に対してプリベークを行って、塗布層をゲル化してゲル層とする塗布・プリベーク工程を1回以上行って押型上に所望厚さのゲル層を形成し、
    上記所望厚さのゲル層を上記押型と基板とにより挟み、この状態で熱および/または光により上記ゲル層を硬化させ、上記押型から型抜きすることにより、基板上に、表面が所望の微細凹凸構造をなす硬化層を一体化した光学素子とすることを特徴とする光学素子製造方法。
  3. 請求項2記載の光学素子製造方法において、
    所望厚さのゲル層を押型とともに挟む基板の、上記ゲル層に接触する側の面に、SiO2を骨格とする重縮合材料によるゲル層が、所望の厚さで均一に形成されていることを特徴とする光学素子製造方法。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の光学素子製造方法を、平板状の基板の両面に対して同時的もしくは順次に行って、上記基板の両面に所望の微細凹凸構造を有する光学素子とすることを特徴とする光学素子製造方法。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の光学素子製造方法において、
    SiO2を骨格とする重縮合材料が水素シルセスキオキサンもしくはシルセスキオキサンであることを特徴とする光学素子製造方法。
  6. 請求項1〜4の任意の1に記載の光学素子製造方法において、
    SiO2を骨格とする重縮合材料がゾルーゲル材料であることを特徴とする光学素子製造方法。
  7. 請求項1〜6の任意の1に記載の光学素子製造方法において、
    SiO2を骨格とする重縮合材料中に、屈折率を制御するための微細なフィラー粒子が分散されていることを特徴とする光学素子製造方法。
  8. 請求項1〜7の任意の1に記載の光学素子製造方法により製造された光学素子。
JP2007251363A 2007-09-27 2007-09-27 光学素子製造方法および光学素子 Pending JP2009080434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007251363A JP2009080434A (ja) 2007-09-27 2007-09-27 光学素子製造方法および光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007251363A JP2009080434A (ja) 2007-09-27 2007-09-27 光学素子製造方法および光学素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009080434A true JP2009080434A (ja) 2009-04-16

Family

ID=40655199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007251363A Pending JP2009080434A (ja) 2007-09-27 2007-09-27 光学素子製造方法および光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009080434A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010269480A (ja) * 2009-05-20 2010-12-02 Toppan Printing Co Ltd 微細凹凸構造体、およびその製造方法、ならびに光学素子
JP2012126078A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Canon Inc 光学素子の製造方法
JP2014228674A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 セイコーエプソン株式会社 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、及び電子機器
JP2015141986A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 大日本印刷株式会社 構造体の製造方法
KR20160120653A (ko) * 2015-04-08 2016-10-18 삼성전자주식회사 집광 장치 및 집광 장치를 포함한 빔 스캐너 및 스코프 장치
JP2018503251A (ja) * 2014-12-22 2018-02-01 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. パターン化されたスタンプの製造方法、パターン化されたスタンプ及びインプリント方法
US11994671B2 (en) 2015-04-08 2024-05-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Focusing device comprising a plurality of scatterers and beam scanner and scope device

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06510608A (ja) * 1991-08-22 1994-11-24 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 疎水性および耐摩耗性を有する反射防止材および基材上に反射防止性、疎水性、耐摩耗性被覆を付着させる方法
JPH0826823A (ja) * 1994-07-07 1996-01-30 Toshio Tsuchiya 透明導電性セラミックスの製造法
JP2000039702A (ja) * 1998-04-30 2000-02-08 Ebara Corp 微細パタ―ンの転写加工方法
JP2001526798A (ja) * 1997-04-10 2001-12-18 コーニング ソシエテ アノニム 無反射コーティングを施した光学物品並びにそのコーティング材料及びコーティング方法
JP2006261265A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Ricoh Opt Ind Co Ltd 位相シフター光学素子その製造方法及び得られる素子
JP2006321987A (ja) * 2005-04-21 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物及び成形体
JP2007073598A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Seiko Epson Corp 複合酸化物積層体、複合酸化物積層体の製造方法、デバイス
JP2007101799A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Nippon Sheet Glass Co Ltd 透過型光学素子

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06510608A (ja) * 1991-08-22 1994-11-24 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 疎水性および耐摩耗性を有する反射防止材および基材上に反射防止性、疎水性、耐摩耗性被覆を付着させる方法
JPH0826823A (ja) * 1994-07-07 1996-01-30 Toshio Tsuchiya 透明導電性セラミックスの製造法
JP2001526798A (ja) * 1997-04-10 2001-12-18 コーニング ソシエテ アノニム 無反射コーティングを施した光学物品並びにそのコーティング材料及びコーティング方法
JP2000039702A (ja) * 1998-04-30 2000-02-08 Ebara Corp 微細パタ―ンの転写加工方法
JP2006261265A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Ricoh Opt Ind Co Ltd 位相シフター光学素子その製造方法及び得られる素子
JP2006321987A (ja) * 2005-04-21 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物及び成形体
JP2007073598A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Seiko Epson Corp 複合酸化物積層体、複合酸化物積層体の製造方法、デバイス
JP2007101799A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Nippon Sheet Glass Co Ltd 透過型光学素子

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010269480A (ja) * 2009-05-20 2010-12-02 Toppan Printing Co Ltd 微細凹凸構造体、およびその製造方法、ならびに光学素子
JP2012126078A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Canon Inc 光学素子の製造方法
JP2014228674A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 セイコーエプソン株式会社 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、及び電子機器
JP2015141986A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 大日本印刷株式会社 構造体の製造方法
JP2018503251A (ja) * 2014-12-22 2018-02-01 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. パターン化されたスタンプの製造方法、パターン化されたスタンプ及びインプリント方法
US11086217B2 (en) 2014-12-22 2021-08-10 Koninklijke Philips N.V. Patterned stamp manufacturing method, patterned stamp and imprinting method
KR20160120653A (ko) * 2015-04-08 2016-10-18 삼성전자주식회사 집광 장치 및 집광 장치를 포함한 빔 스캐너 및 스코프 장치
KR102601597B1 (ko) * 2015-04-08 2023-11-13 삼성전자주식회사 집광 장치 및 집광 장치를 포함한 빔 스캐너 및 스코프 장치
US11994671B2 (en) 2015-04-08 2024-05-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Focusing device comprising a plurality of scatterers and beam scanner and scope device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4999556B2 (ja) 表面に微細凹凸形状をもつ光学素子の製造方法
JP2009080434A (ja) 光学素子製造方法および光学素子
JP4052666B2 (ja) 微小レリーフ要素およびその作製方法
JP5266059B2 (ja) 回折格子の製造方法
JP3971740B2 (ja) 平板レンズの製造方法
US7351520B2 (en) Micro-lens array and manufacturing method thereof
TW544673B (en) Micro lens and method and apparatus for fabricating
JP2007057622A (ja) 光学素子及びその製造方法、光学素子用形状転写型の製造方法及び光学素子用転写型
US20110233799A1 (en) Method for manufacturing lens having functional nanopattern
JP2005227785A (ja) ハイブリッドレンズ、その製造方法およびハイブリッドレンズ製造用の金型の製造方法
JPWO2007111077A1 (ja) 複合光学素子
KR100537938B1 (ko) 격자렌즈 제작용 스탬퍼 제작 방법 및 이를 이용한격자렌즈 제작 방법
US20120307368A1 (en) Optical element and method of manufacturing optical elements
JP2006310678A (ja) 微細表面構造形成用基板、微細表面構造物品の製造方法及びその製造方法で製造された微細表面構造物品
JP4224852B2 (ja) マイクロレンズアレイの製造方法
JP2007206490A (ja) 複合型光学素子および光学系
JPH11177123A (ja) 光ピックアップ用光学素子の作製方法
JP4569744B2 (ja) 光学素子の成形方法
KR100878966B1 (ko) 높은 포커싱 효율을 갖는 마이크로렌즈 어레이
JPH02196201A (ja) マイクロレンズアレイの製造方法
KR20220033324A (ko) 홀로그래픽 광학 소자의 복제 방법 및 이에 따라 복제된 홀로그래픽 광학 소자
JP2003302527A (ja) 偏光分離素子およびその作製方法、接着装置及び光ピックアップ装置
JP2004258279A (ja) 偏光回折素子およびその作製方法、ならびに該偏光回折素子を用いた光ピックアップ装置
JP2008015010A (ja) 複合光学素子及びその製造方法
JP2008021368A (ja) 波長選択性偏光ホログラム素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130723