JP2009079850A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機に供給する冷媒を昇圧する過給機を備えた冷凍サイクル装置において、起動時の圧縮機への冷媒供給不足を解消する。
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機11、圧縮機11で圧縮された冷媒を放熱させる放熱器12、放熱器12で放熱した冷媒を膨張させる膨張機13、膨張機13で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器14、及び蒸発器14で蒸発した冷媒を昇圧して圧縮機11に供給する過給機15を順次流路で接続して成る冷媒回路9と、過給機15をバイパスするように冷媒回路9に両端が接続されたバイパス路38と、バイパス路38に設けられ該バイパス路38における冷媒の流通を制御する弁と、膨張機13で回収した動力にて過給機15が駆動されているように膨張機13と過給機15とを連結する動力回収軸31とを、冷凍サイクル装置10に備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
従来、冷凍サイクル装置において、主たる圧縮機(主圧縮機)に供給する冷媒を予備的に昇圧する副圧縮機を備えたものが知られている。例えば、特許文献1又は特許文献2では、主圧縮機に供給する冷媒を予備的に昇圧するために、膨張機で回収した動力で駆動される副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置が示されている。
図10は、特許文献1に記載された、従来の副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
図10に示すように、特許文献1に記載の冷凍サイクル装置100Aには、主圧縮機103と、放熱器104と、膨張機109と、蒸発器106と、副圧縮機105と、これらを順次流路で接続する循環路とを備えた冷媒回路が設けられている。冷媒の膨張エネルギーを機械エネルギーに変換する前記膨張機109と、変換された機械エネルギーにより仕事をする前記副圧縮機105とは、これらの動力軸108が連結されて、潤滑油を貯溜した一つの密閉容器101内に積層して配置されている。
図11は、特許文献2に記載された、従来の副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
図11に示すように、特許文献2に記載の冷凍サイクル装置100Bには、副圧縮機105の吐出口と主圧縮機103の吸入口との間に、冷媒を貯溜する機能を有する吸入アキュムレータ102が設けられている。
特開2004−325018号公報 特開2004−325019号公報
特許文献1に記載の冷凍サイクル装置100Aを起動する際、すなわち、主圧縮機103を起動する際に、該主圧縮機103は副圧縮機105の吐出口と主圧縮機103の吸入口とを接続する配管の冷媒を吸入する。このとき副圧縮機105は作動していないため、副圧縮機105の吐出口と主圧縮機103の吸入口とを接続する配管内の圧力が低下する。
副圧縮機105の吐出口と主圧縮機103の吸入口とを接続する配管の容積が十分でない場合には、主圧縮機103が起動するとき、該主圧縮機103が吸入すべき冷媒が不足して冷媒を昇圧することができなくなり、冷媒回路の冷媒の高低圧力差が不足して膨張機109が駆動されないことがある。
特に、膨張機109がロータリ式である場合には、膨張機109の動力軸108の位相に対して起動させるために必要な回転トルクが変動する。このため、主圧縮機103の起動時に、副圧縮機105の吐出口の圧力が低下して該副圧縮機105の吸入口と吐出口との間に圧力差が発生しても、動力軸108の回転角によれば、膨張機109を自立起動させるために十分な回転トルクが発生しないことがある。
また、特許文献2に記載の冷凍サイクル装置100Bでは、副圧縮機105と主圧縮機103との間の流路に吸入アキュムレータ102を備えることにより冷凍サイクル装置100Bの起動時における主圧縮機103の吸入冷媒量に余裕を持たせることはできるが、吸入アキュムレータ102の設置により冷凍サイクル装置100Bの大型化を招き、また、冷凍サイクル装置100Bの回路に封入される冷媒量が過剰となることがある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、圧縮機に供給する冷媒を予備的に昇圧するための過給機を備えた冷凍サイクル装置において、冷凍サイクル装置の起動時に主圧縮機への冷媒供給不足を解消して、安定した確実な起動を実現するものを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
本発明の冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された冷媒を放熱させる放熱器、前記放熱器で放熱した冷媒を膨張させて冷媒から動力を回収する膨張機、前記膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器、及び前記蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧して前記圧縮機に供給する過給機を流路で順次接続して成る冷媒回路と、前記膨張機で回収された動力によって前記過給機が駆動されるように、前記膨張機と前記過給機とを連結する動力回収軸と、前記過給機をバイパスするように前記冷媒回路に両端が接続されたバイパス路と、前記バイパス路に設けられ、前記バイパス路における冷媒の流通を制御する弁と、を備えたものである。
本発明は、以下に示すような効果を奏する。
本発明によれば、冷凍サイクル装置の起動時に最初に起動される圧縮機への冷媒供給不足を解消して、安定した確実な起動を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10について説明する。
図1は実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成図である。
[冷凍サイクル装置10の構成]
図1に示すように、冷凍サイクル装置10は、作動流体である冷媒を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11で圧縮された冷媒を放熱させる放熱器12と、放熱器12で放熱した冷媒を膨張させて該冷媒から動力を回収する膨張機13と、膨張機13で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器14と、蒸発器14で蒸発した冷媒を昇圧して圧縮機11に供給する過給機15とを備えている。これらの圧縮機11、放熱器12、膨張機13、蒸発器14、及び過給機15が流路で順次接続されて冷媒回路9が形成されている。膨張機13と過給機15とは動力回収軸31で連結されていて、膨張機13で回収された動力によって過給機15が駆動される。前記冷媒として、例えば、二酸化炭素冷媒が用いられている。
本実施の形態において前記流路は配管にて形成され、圧縮機11の吐出口と放熱器12の入口とを接続する流路35と、放熱器12の出口と膨張機13の入口とを接続する流路36と、膨張機13の出口と蒸発器14の入口とを接続する流路33と、蒸発器14と過給機15とを接続する流路34と、過給機15と圧縮機11とを接続する流路32とが、冷凍サイクル装置10に備えられている。
圧縮機11は、冷媒回路9を流れる冷媒を高温高圧に圧縮するものである。圧縮機11として、例えば、スクロール式圧縮機や、ロータリ式圧縮機を用いることができる。
本実施の形態において圧縮機11は、圧縮機構部11aと、この圧縮機構部11aを駆動する駆動部11bとで構成されている。圧縮機構部11aと駆動部11bとは、潤滑油を貯溜した一つの密閉容器11c内に配置されている。
放熱器12は、流路35を介して圧縮機11の吐出口に接続されており、圧縮機11により圧縮された冷媒を放熱させる(冷却する)ものである。
膨張機13は、放熱器12の出口と流路36を介して接続されており、放熱器12から流出した低温高圧の冷媒を膨張させ、該冷媒の圧力エネルギーの一部を回転エネルギーとして回収するものである。
前記膨張機13として、例えば、スクロール式膨張機、ロータリ式膨張機、又は流体圧モータを用いることができる。なお、前記流体圧モータとは、放熱器12から冷媒を吸入する工程と吸入した冷媒を吐出する工程とを、実質的に連続して行って動力を回収する流体機械であり、この流体圧モータの内部では膨張工程が実質的に行なわれない。
本実施の形態において、膨張機13と過給機15は、動力回収システム20として備えられている。動力回収システム20は、冷凍サイクルにおける冷媒の膨張エネルギーを機械エネルギーに変換する膨張機13と、この変換された機械エネルギー(動力)により仕事をする過給機15とで構成され、これらは動力回収軸31で連結されて、潤滑油を貯溜した一つの密閉容器19内に配置されている。
蒸発器14は、膨張機13の出口と流路33を介して接続されており、膨張機13から流出した冷媒を加熱して蒸発させるものである。
過給機15は、蒸発器14と圧縮機11との間に配置されて、蒸発器14から冷媒を吸入し、予備的に昇圧して圧縮機11側へ吐出するものである。
過給機15として、スクロール式圧縮機、ロータリ式圧縮機、又は流体圧モータ式圧縮機を用いることができる。なお、流体圧モータ式圧縮機とは、蒸発器14から冷媒を吸入する工程と、吸入した冷媒を圧縮機11側へ吐出する工程とを実質的に連続して行う圧縮機である。
上記構成の冷凍サイクル装置10には、過給機15をバイパスするように冷媒回路9に両端が接続されたバイパス路38と、バイパス路38に設けられ該バイパス路38における冷媒の流通を制御する弁(逆止弁41)とが、備えられている。
バイパス路38の上流端H1は、膨張機13の出口と蒸発器14の入口とを接続する流路33に接続され、バイパス路38の下流端H2は、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32に接続されている。つまり、バイパス路38は、冷媒回路9において膨張機13の出口と蒸発器14の入口との間の部分と、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の部分とを、連絡している。
なお、バイパス路38の上流端H1は、流路33に限定されず、冷媒回路9において膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの部分に接続することができる。但し、バイパス路38の入口を、膨張機13の出口と蒸発器14の入口との間の流路33に設ければ、冷凍サイクル装置10の起動時に蒸発器14の内部に液相の冷媒が溜まっていても、膨張機13の出口から蒸発器14の入口との間の気相の冷媒とともに液相の冷媒をバイパス路38へ流入させることができるという点で優位である。これにより、冷凍サイクル装置10の起動時に、バイパス路38を通じて圧縮機11へ液相の冷媒のみが流入して該圧縮機11にて液圧縮が行われてしまうことを防止し、冷凍サイクル装置10の動作の信頼性の向上に寄与できる。
バイパス路38の上流端部(バイパス路38上で上流端H1に近い位置)には、逆止弁41が設けられている。逆止弁41を設けることにより、冷媒回路9において逆止弁41の出口側の圧力が入口側の圧力よりも高いとき、つまり、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32の冷媒の圧力が、膨張機13の出口と蒸発器14の吸入口との間の流路(流路33,蒸発器14,流路34)の冷媒の圧力より高いときには、バイパス路38に冷媒が流れないこととなる。
[冷凍サイクル装置10の動作]
続いて、冷凍サイクル装置10の動作について説明する。
冷凍サイクル装置10を起動させるに際して、圧縮機11が起動される。これにより、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32、及び、バイパス路38の逆止弁41から下流側の流路にある冷媒が圧縮機11に吸入される。
冷凍サイクル装置10の停止時には、冷媒回路9の冷媒圧力は略均一であるが、圧縮機11が起動し冷媒の吸入が開始されると、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32、及びバイパス路38の逆止弁41から下流側の流路の内部圧力が低下して、逆止弁41が開放される。このように、冷凍サイクル装置10の起動時に逆止弁41が開放されることにより、流路32の容積にかかわらず、バイパス路38を通じて膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)に存在する冷媒を、圧縮機11に供給可能となる。
圧縮機11による冷媒の吸入により、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)の冷媒が減圧され、さらに、この吸入された冷媒が圧縮機11から吐出されて該圧縮機11の吐出口から膨張機13の入口までの流路(流路35,放熱器12,流路36)の冷媒が昇圧されることにより、冷媒回路9の冷媒に高低圧力差が生じる。やがて、膨張機13の出口側よりも入口側の冷媒の圧力が十分に高くなると、冷媒の高低圧力差により膨張機13に冷媒が流れ、動力回収システム20により過給機15が自立起動する。過給機15が起動すると、過給機15を流れる前後の冷媒に圧力差が発生するため、動力回収システム20の起動後の運転が安定する。このようにして、冷凍サイクル装置10を起動する際に、圧縮機11への冷媒供給不足に起因する冷媒の高低圧力差不足により膨張機13が起動しないという起動不良を解消して、安定した確実な起動を実現することができる。
前述の通り過給機15が起動すると、該過給機15にて吸入側の冷媒が吸入されて、吐出側へ昇圧して吐出される。これにより、過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの流路32とバイパス路38の逆止弁41よりも下流側の流路との冷媒の圧力が、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)とバイパス路38の逆止弁41よりも上流側の流路との冷媒の圧力よりも高くなり、逆止弁41が閉じられる。逆止弁41が閉じられてバイパス路38を冷媒が流れなくなると、冷凍サイクル装置10は起動運転から定常運転に移行される。この定常運転では、逆止弁41が閉じられた状態が維持される。
冷凍サイクル装置10の定常運転においては、バイパス路38は圧縮機11への冷媒供給のバッファ空間として機能することができる。
逆止弁41はバイパス路38の上流側に位置しており、バイパス路38の逆止弁41よりも下流側と圧縮機11に冷媒を供給する流路32とは連通している。このバイパス路38の逆止弁41よりも下流側の流路は、流路32の流路容積を拡張させるバッファ空間として機能することができる。よって、過給機15による冷媒の吐出と、圧縮機11による冷媒の吸入とのタイミングがずれると、流路32において圧力脈動が発生することがあるが、バイパス路38にて圧縮機11の吸入前の流路容積が拡張されていることにより、圧力脈動の脈動幅の緩和が期待でき、冷凍サイクル装置10の動作の信頼性を高めることができる。
冷凍サイクル装置10の運転停止時には、まず、圧縮機11が停止される。このとき、圧縮機11の駆動回転数を漸次減少させて停止させることもできる。圧縮機11が停止すると、冷媒回路9にある冷媒に高低圧力差がなくなり略均一圧力となる。
この実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10では、冷凍サイクル装置10の運転停止時には、圧縮機11の圧縮機構部11a、膨張機13、及び過給機15を冷媒が十分な時間をかけて移動するため、自然と冷媒回路9の冷媒の圧力が均一となって安定する。よって、バイパス路38及びこれに設けられている逆止弁41に関して特別な動作をさせることなく、冷凍サイクル装置10が運転停止される。
上述の通り、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10では、冷媒回路9において膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの間の部分と過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの間の部分とを連絡するバイパス路38を設けるとともに、バイパス路38に逆止弁41を設けることにより、煩雑な制御を必要とせずに、起動時に、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの冷媒回路9にある冷媒を、過給機15を通らずにバイパス路38を通じて圧縮機11に供給することができる。これにより、起動時の圧縮機11への冷媒供給不足を防止して、安定した確実な起動を実現し、よって、冷凍サイクル装置10の信頼性の向上に寄与することができる。
実施の形態2
本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置10について説明する。
図2は実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の構成図、図3は実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。
[冷凍サイクル装置10の構成]
図2に示すように、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置10の構成は、バイパス路38を除いて実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10と同一である。よって、バイパス路38の構成について詳細に説明し、他は省略する。
バイパス路38の上流端H1は、膨張機13の出口と蒸発器14の入口とを接続する流路33に接続され、バイパス路38の下流端H2は、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32に接続されている。つまり、バイパス路38は、冷媒回路9において膨張機13の出口と蒸発器14の入口との間の部分と、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の部分とを、連絡している。
バイパス路38の下流端部(バイパス路38上で下流端H2に近い位置)には、バイパス路38の開放と閉鎖を切り替える開閉弁42が設けられている。開閉弁42には、該開閉弁42を開閉する弁開閉手段51が設けられ、該弁開閉手段51は制御手段52により制御される。
制御手段52は、マイクロコンピュータで構成され、その内部メモリに格納された制御プログラムを、そのCPUが実行することにより、冷凍サイクル装置10の制御手段として機能する。この制御手段52には、冷凍サイクル装置10の起動ボタンを設けたコントローラ50を通じて操作指令が入力される。また、制御手段52は圧縮機11を動作させる駆動部11bの動作を制御する。
さらに、冷凍サイクル装置10には、過給機15が起動したことを検出するための起動検出手段53が設けられていて、該起動検出手段53の検出出力が制御手段52に入力される。
前記起動検出手段53として、膨張機13に流入する冷媒と膨張機13から流出する冷媒との温度差を検出する温度検出手段(例えば、熱電対や温度センサ等)を設けることができる。また、前記温度検出手段に代えて、起動検出手段53として、膨張機13に流入する冷媒と膨張機13から流出する冷媒との圧力差を検出する圧力検出手段を設けたり、或いは、圧縮機11が起動してからの時間を計測する計時手段(タイマ)を備えたりすることもできる。
[冷凍サイクル装置10の動作]
続いて、図3を用いて、冷凍サイクル装置10の動作について説明する。なお、冷凍サイクル装置10の定常運転時及び運転停止時においては、バイパス路38並びに開閉弁42に係る特別な制御を要さないので、定常運転時及び運転停止時の冷凍サイクル装置10の動作については説明を省略する。
運転待機状態の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11は停止され、バイパス路38に設けられた開閉弁42は閉じられている。
そして、制御手段52は、コントローラ50から起動指令が入力されると(ステップS11)、開閉弁42を開くために弁開閉手段51に制御信号を出力する(ステップS12)。これにより開閉弁42が開かれてバイパス路38が開放される。
続いて、制御手段52は、圧縮機11を起動するために駆動部11bに制御信号を出力する(ステップS13)。圧縮機11が起動すると、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32、バイパス路38、及び膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒が圧縮機11に吸入され、圧縮されて流路35に吐出される。このように、流路32に加え、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒をバイパス路38を通じて圧縮機11へ供給することができるので、圧縮機11の起動時の冷媒供給不足を解消することができる。
上述の通り、圧縮機11に冷媒が吸入されて流路35に吐出されると、圧縮機11の吐出口から膨張機13の入口までの流路(流路35,放熱器12,流路36)にある冷媒の圧力が上昇する。一方、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒がバイパス路38を通じて圧縮機11に吸入されるので、これらの流路内の圧力が低下する。よって、膨張機13の入口側の冷媒と出口側の冷媒との間に高低圧力差が生じることとなる。そして、膨張機13の出口側よりも入口側の冷媒の圧力が十分に高くなったときに、冷媒の高低圧力差により膨張機13に冷媒が流れ、動力回収システム20により過給機15が自立起動する。
制御手段52は、過給機15が起動したことを起動検出手段53を通じて検出すると(ステップS14のYES)、開閉弁42を閉じるために弁開閉手段51に制御信号を送信する(ステップS15)。これにより開閉弁42が閉じられると、バイパス路38が閉鎖されて、冷凍サイクル装置10は起動制御を終了し、冷媒回路9を冷媒が循環する定常運転に移行される。
なお、起動検出手段53の種類によって、「過給機15が起動したこと」を検出する手法は異なり、例えば、次に示す(1)〜(3)の通りである。
(1)起動検出手段53が膨張機13に流入する冷媒と膨張機13から流出する冷媒との温度差を検出する温度検出手段の場合は、過給機15が起動するときの膨張機13の入口と出口との冷媒の温度差ΔTが実験的又は理論的に求められて制御手段52に設定され、該制御手段52では、温度検出手段にて検出された温度差がΔTとなったときに「過給機15が起動したこと」が検出される。
(2)起動検出手段53が膨張機13に流入する冷媒と膨張機13から流出する冷媒との圧力差を検出する圧力検出手段の場合は、過給機15が起動するときの膨張機13の入口と出口との冷媒の圧力差ΔPが実験的又は理論的に求められて制御手段52に設定され、該制御手段52では、圧力検出手段にて検出された圧力差がΔPとなったときに「過給機15が起動したこと」が検出される。
(3)起動検出手段53が圧縮機11が起動してからの時間を計測する計時手段(タイマ)の場合は、圧縮機11が起動してから過給機15が起動するまでの時間tが実験的又は理論的に求められて制御手段52に設定され、該制御手段52では圧縮機11の駆動部11bに制御信号を送信するとともに計時手段による時間計測が開始され、時間計測開始後時間tが経過したときに「過給機15が起動したこと」が検出される。
上述の通り、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置10では、冷媒回路9において膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの間の部分と過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの間の部分とを連絡するバイパス路38を設けるとともに、バイパス路38に開閉弁42を設けることにより、冷凍サイクル装置10の起動時に、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒を、過給機15を通らずにバイパス路38を通じて圧縮機11に供給することができる。これにより、起動時の圧縮機11への冷媒供給不足を防止して、安定した確実な起動を実現し、よって、冷凍サイクル装置10の信頼性の向上に寄与することができる。
実施の形態3
本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置10について説明する。
図4は実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の構成図、図5は実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。
[冷凍サイクル装置10の構成]
図4に示すように、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置10の構成は、バイパス路38を除いて実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10と同一である。よって、バイパス路38の構成について詳細に説明し、他は省略する。
バイパス路38の上流端H1は、膨張機13の出口と蒸発器14の入口とを接続する流路33に接続され、バイパス路38の下流端H2は、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32に接続されている。つまり、バイパス路38は、冷媒回路9において膨張機13の出口と蒸発器14の入口との間の部分と、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の部分とを、連絡している。
バイパス路38の下流端H2と流路32との接合部には、三方弁43が設けられている。三方弁43により、(a)過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32を開放してバイパス路38を閉じた状態、(b)バイパス路38を開放して過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32の三方弁43から上流を閉じた状態、の二つの状態に冷媒の経路を切り替えることができる。三方弁43には、該三方弁43を切り替える弁切替手段54が設けられ、該弁切替手段54は、制御手段52により制御される。
[冷凍サイクル装置10の動作]
続いて、図5を用いて、冷凍サイクル装置10の動作について説明する。なお、冷凍サイクル装置10の定常運転時、及び運転停止時においては、バイパス路38並びに三方弁43に係る特別な制御を要さないので、定常運転時及び運転停止時の冷凍サイクル装置10の動作については説明を省略する。
運転待機状態の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11は停止され、(a)過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32を開放してバイパス路38を閉じた状態となっている。
そして、制御手段52は、コントローラ50から起動指令が入力されると(ステップS21)、三方弁43を(b)バイパス路38を開放して過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32の三方弁43から上流を閉じた状態に切り替えるために、弁切替手段54に制御信号を出力する(ステップS22)。これにより、過給機15の吐出口から三方弁43までの流路が閉じられて、バイパス路38が開通する。
続いて、制御手段52は、圧縮機11を起動するために駆動部11bに制御信号を出力する(ステップS23)。これにより、圧縮機11が起動されて、圧縮機11は、バイパス路38を通じて膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒を吸入して吐出する。
上述の通り、膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒が圧縮機11に吸入されているので、この流路内の圧力が低下して、膨張機13の入口側の冷媒と出口側との冷媒との間に高低圧力差が生じることとなる。そして、膨張機13の出口側よりも入口側の冷媒の圧力が十分に高くなったときに、冷媒の高低圧力差により膨張機13に冷媒が流れ、動力回収システム20により過給機15が自立起動する。
特に、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置10では、バイパス路38が開かれているときには、過給機15の吐出口から三方弁43までの流路は閉鎖されているので、冷媒の流れはバイパス路38から圧縮機11の吸入口への経路に限定される。このため、圧縮機11の吸入により過給機15の吐出口の圧力は低下せず、過給機15の吸入口と該過給機15の吐出口との間に生じる圧力差はわずかとなる。これにより、過給機15の機構内部の間隙を移動する冷媒の流れを抑制することができ、圧縮機11の吸入工程で仕事の損失が減少し、冷凍サイクル装置10の高効率化に寄与することができる。
制御手段52は、起動検出手段53を通じて過給機15が起動したことを検出すると(ステップS24のYES)、三方弁43を、(a)過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路を開放してバイパス路38を閉じた状態に切り替えるために弁切替手段54に制御信号を出力する(ステップS25)。これにより三方弁43が切り替えられてバイパス路38が閉鎖されると、冷凍サイクル装置10は起動制御を終了し、冷媒回路9を冷媒が循環する定常運転に移行される。
なお、起動検出手段53の種類によって、「過給機15が起動したこと」を検出する手法は異なる。この「過給機15が起動したこと」を検出する手法は、実施の形態2に記載の手法と同一であり、説明を省略する。
上述の通り、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置10では、冷媒回路9において膨張機13の出口から過給機15の吸入口までの間の部分と過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの間の部分とを連絡するバイパス路38を設けるとともに、バイパス路38に三方弁43を設けることにより、冷凍サイクル装置10の起動時に圧縮機11への冷媒供給不足を防止して、安定した確実な起動を実現することができる。
実施の形態4
本発明の実施の形態4に係る冷凍サイクル装置10について説明する。
図6は実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の構成図、図7は実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。
[冷凍サイクル装置10の構成]
図6に示すように、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置10の構成は、バイパス路38を除いて実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10と同一である。よって、バイパス路38の構成について詳細に説明し、他は省略する。
バイパス路38の上流端H1は、蒸発器14の出口と過給機15の吸入口とを接続する流路34に接続され、バイパス路38の下流端H2は、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32に接続されている。つまり、バイパス路38は、冷凍サイクル装置10の冷媒回路9において蒸発器14の出口と過給機15の吸入口との間の部分と、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の部分とを、連絡している。
バイパス路38の下流端部(バイパス路38上で下流端H2に近い位置)には、減圧弁44が設けられている。減圧弁44は、入口から入った冷媒を設定した圧力に減圧して出口から放出するものであり、絞りを調整することにより、出口から吐出される冷媒の圧力を変化させることと、弁を閉じることができる。減圧弁44には、絞りを調整する絞り調整手段55が設けられ、該絞り調整手段55は制御手段52により制御される。
[冷凍サイクル装置10の動作]
続いて、図7を用いて、冷凍サイクル装置10の動作について説明する。なお、冷凍サイクル装置10の定常運転時、及び運転停止時においては、バイパス路38並びに減圧弁44に係る特別な制御を要さないので、定常運転時及び運転停止時の冷凍サイクル装置10の動作については説明を省略する。
運転待機状態の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11は停止され、バイパス路38に設けられた減圧弁44は閉じられている
そして、制御手段52は、コントローラ50から起動指令が入力されると(ステップS31)、減圧弁44を開くために、絞り調整手段55に制御信号を出力する(ステップS32)。
これにより減圧弁44が開放されてバイパス路38が開通する。このとき、減圧弁44は、該減圧弁44の出口側の冷媒の圧力と略等しい圧力で冷媒を放出するように調整される。
続いて、制御手段52は、圧縮機11を起動するために駆動部11bに制御信号を出力する(ステップS33)。
これにより圧縮機11が起動されて、圧縮機11では、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32、バイパス路38、及び膨張機13の出口から過給機15の吐出口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒が吸入され、圧縮されて流路35に吐出される。このとき、流路32に加え、バイパス路38を通じて膨張機13の出口から過給機15の吐出口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒を圧縮機11へ供給することができるので、圧縮機11の起動時の冷媒供給不足を解消することができる。
なお、冷凍サイクル装置10の起動時に蒸発器14の内部に液相の冷媒が溜まっている場合には、バイパス路38の下流端H2近傍に備えた減圧弁44にて液相の冷媒を減圧沸騰させて放出し、圧縮機11に供給されている冷媒に気相を増やすように、減圧弁44の絞りが調整される。このようにして、バイパス路38を通じて圧縮機11へ供給される冷媒が液相の冷媒のみとなることを防止して、圧縮機11における液圧縮発生に起因する不具合が回避されている。
上述の通り、圧縮機11が起動すると、該圧縮機11の吐出口から膨張機13の入口までの流路32の圧力が上昇する。一方、バイパス路38を通じて膨張機13の出口から過給機15の吐出口までの流路(流路33,蒸発器14,流路34)にある冷媒が圧縮機11に吸入されるので、これらの流路内の圧力が低下する。よって、膨張機13の入口の冷媒と出口との冷媒との間に高低圧力差が生じることとなる。そして、膨張機13の出口側よりも入口側の冷媒の圧力が十分に高くなったときに、冷媒の高低圧力差により膨張機13に冷媒が流れ、動力回収システム20により過給機15が自立起動する。
起動検出手段53にて、過給機15が起動したことが検出されると(ステップS34のYES)、制御手段52は減圧弁44を閉じるために絞り調整手段55に制御信号を送信する(ステップS35)。
このとき、減圧弁44は、徐々に流路面積を絞るように調整される。減圧弁44を急激に閉じると、それまでバイパス路38を流れていた冷媒の流れが突然停止することにより減圧弁44にて水撃現象が発生する虞があり、この水撃現象に起因する圧力脈動が、膨張機13の出口や過給機15の吸入口に伝播して、動作不具合を起こす可能性があるからである。
なお、起動検出手段53の種類によって、「過給機15が起動したこと」を検出する手法は異なる。この「過給機15が起動したこと」を検出する手法は、実施の形態2に記載の手法と同一であり、説明を省略する。
上記の通り減圧弁44が閉じられると、バイパス路38が閉鎖されて、冷凍サイクル装置10は起動制御を終了し、冷媒回路9を冷媒が循環する定常運転に移行される。
冷凍サイクル装置10の定常運転時には、減圧弁44は閉じられているためバイパス路38は冷媒が循環する流路としては機能しない。但し、冷凍サイクル装置10の定常運転時において、バイパス路38の内部空間は、過給機15の吸入前空間の容積を拡張するバッファ空間として機能することができる。これにより、過給機15の冷媒の吸入工程において発生する圧力脈動の脈動幅を低減できることが期待され、冷凍サイクル装置10の高効率化や信頼性の向上に寄与することができる。
上述の通り、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置10では、蒸発器14の出口から過給機15の吸入口までの流路34と、過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの流路32とを連絡し、過給機15を回避して圧縮機11に冷媒を供給するバイパス路38を設けるとともに、バイパス路38に減圧弁44を設けることにより、冷凍サイクル装置10の起動時に圧縮機11への冷媒供給不足を防止して、安定した確実な起動を実現することができる。
実施の形態5
本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置10について説明する。
図8は実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の構成図、図9は実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。
[冷凍サイクル装置10の構成]
図8に示すように、実施の形態5に係る冷凍サイクル装置10の構成は、バイパス路38を除いて実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10と同一である。よって、バイパス路38の構成について詳細に説明し、他は省略する。
バイパス路38の上流端H1は、放熱器12の出口と膨張機13の入口とを接続する流路36に接続され、バイパス路38の下流端H2は、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口とを接続する流路32に接続されている。つまり、バイパス路38は、冷凍サイクル装置10の冷媒回路9において放熱器12の出口と過給機15の入口との間の部分と、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の部分とを、連絡している。
バイパス路38の略中央部には、絞り弁46が備えられている。絞り弁46は、入口から入った冷媒を設定した圧力に減圧して出口から放出するものであり、絞りを調整することにより、出口から吐出されている冷媒の圧力を変化させることと、弁を閉じることができる。絞り弁46には、絞りを調整する絞り調整手段56が設けられ、該絞り調整手段56は制御手段52により制御される。
[冷凍サイクル装置10の動作]
続いて、図9を用いて、冷凍サイクル装置10の動作について説明する。なお、冷凍サイクル装置10の定常運転時、及び運転停止時においては、バイパス路38並びに絞り弁46に係る特別な制御を要さないので、定常運転時及び運転停止時の冷凍サイクル装置10の動作については説明を省略する。
運転待機状態の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11は停止され、バイパス路38に設けられた絞り弁46は閉じられている
そして、制御手段52は、コントローラ50から起動指令が入力されると(ステップS41)、絞り弁46を開くために、絞り調整手段56に制御信号を出力する(ステップS42)。
これにより絞り弁46が開放されてバイパス路38が開通する。このとき、絞り弁46は、冷媒を通過させるが、放熱器12の出口と膨張機13の入口を接続する流路36の冷媒を減圧させないように機能する。
続いて、制御手段52は、圧縮機11を起動するために駆動部11bに制御信号を出力する(ステップS43)。
これにより圧縮機11が起動されて、圧縮機11では、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32、バイパス路38、及び圧縮機11の吐出口から動力回収システム20の入口までの流路(流路35,放熱器12,流路36)にある冷媒が吸入され、圧縮されて流路35に吐出される。このとき、過給機15の吐出口と圧縮機11の吸入口との間の流路32に加え、バイパス路38を通じて圧縮機11の吐出口から動力回収システム20の入口までの流路(流路35,放熱器12,流路36)にある冷媒を圧縮機11へ供給することができるので、圧縮機11の起動時の冷媒供給不足を解消することができる。
上述の通り、圧縮機11により冷媒が吸入され流路35へ吐出されると、該圧縮機11の吐出口から膨張機13の入口までの流路の圧力が上昇する。よって、膨張機13の入口の冷媒と出口との冷媒との間に高低圧力差が生じることとなる。なお、バイパス路38に設けられた絞り弁46の絞り(開度)を調整することで、動力回収システム20の自立起動に最適な高低圧力差を生じさせることができる。そして、膨張機13の出口側よりも入口側の冷媒の圧力が十分に高くなったときに、この高低圧力差により膨張機13に冷媒が流れ、動力回収システム20により過給機15が自立起動する。
起動検出手段53にて、過給機15が起動したことが検出されると(ステップS44のYES)、制御手段52は絞り弁46を閉じるために絞り調整手段55に制御信号を送信する(ステップS45)。
このとき、絞り弁46は、徐々に絞られるように調整される。絞り弁46を急激に閉じると、それまでバイパス路38を流れていた冷媒の流れが突然停止することにより絞り弁46にて水撃現象が発生する虞があり、この水撃現象に起因する圧力脈動が、動作不具合を起こす可能性があるからである。
なお、起動検出手段53の種類によって、「過給機15が起動したこと」を検出する手法は異なる。この「過給機15が起動したこと」を検出する手法は、実施の形態2に記載の手法と同一であり、説明を省略する。
上記の通り絞り弁46が閉じられると、バイパス路38が閉鎖されて、冷凍サイクル装置10は起動制御を終了し、冷媒回路9を冷媒が循環する定常運転に移行される。
なお、定常運転時には、絞り弁46がバイパス路38の略中央部に設けられているので、該バイパス路38の内部空間は、膨張機13の入口側及び圧縮機11の吸入側のそれぞれにおいてバッファ空間として機能することができ、これにより、膨張機13及び圧縮機11にて発生する圧力脈動の脈動幅の緩和が期待できる。
上述の通り、実施の形態5に係る冷凍サイクル装置10では、冷媒回路9において放熱器12の出口から膨張機13の入口まで間の部分と、過給機15の吐出口から圧縮機11の吸入口までの間の部分とを連絡し、過給機15を回避して圧縮機11に冷媒を供給するバイパス路38を備えるとともに、バイパス路38に絞り弁46を設けることにより、冷凍サイクル装置10の起動時に圧縮機11への冷媒供給不足を防止して、安定した確実な起動を実現することができる。
本発明冷凍サイクル装置は、圧縮機の起動時における冷媒の供給不足を解消可能な冷凍サイクル装置等として有用である。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。 実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。 実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。 実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の起動制御の流れ図である。 従来の副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の一例を示す図である。 従来の副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
符号の説明
9 冷媒回路
10 冷凍サイクル装置
11 圧縮機
12 放熱器
13 膨張機
14 蒸発器
15 過給機
19 密閉容器
20 動力回収システム
31 動力軸
38 バイパス路
41 逆止弁
42 開閉弁
43 三方弁
44 減圧弁
46 絞り弁
50 コントローラ
51 弁開閉手段
52 制御手段
53 起動検出手段
54 弁切替手段
55 絞り調整手段
56 絞り調整手段

Claims (16)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された冷媒を放熱させる放熱器、前記放熱器で放熱した冷媒を膨張させて冷媒から動力を回収する膨張機、前記膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器、及び前記蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧して前記圧縮機に供給する過給機を流路で順次接続して成る冷媒回路と、
    前記膨張機で回収された動力によって前記過給機が駆動されるように、前記膨張機と前記過給機とを連結する動力回収軸と、
    前記過給機をバイパスするように前記冷媒回路に両端が接続されたバイパス路と、
    前記バイパス路に設けられ、前記バイパス路における冷媒の流通を制御する弁と、
    を備えた、冷凍サイクル装置。
  2. 前記バイパス路の上流端は、前記膨張機の出口から前記過給機の吸入口までの前記冷媒回路に接続され、
    前記バイパス路の下流端は、前記過給機の吐出口から前記圧縮機の吸入口までの前記冷媒回路に接続されている、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記バイパス路の上流端は、前記膨張機の出口から前記蒸発器の入口までの前記冷媒回路に接続され、
    前記バイパス路の下流端は、前記過給機の吐出口から前記圧縮機の吸入口までの前記冷媒回路に接続されている、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記バイパス路に備える弁は、前記バイパス路の上流端部に設けられている、
    請求項2または3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記バイパス路に備える弁は、前記バイパス路の下流端部に設けられている、
    請求項2または3に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記バイパス路に備える弁は、逆止弁である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記バイパス路に備える弁は、開閉弁である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記バイパス路に備える弁は、三方弁である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記バイパス路に備える弁は、減圧弁である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記圧縮機の起動前に、前記バイパス路を開通させる、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記過給機の起動後に、前記バイパス路を閉鎖させる、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記冷凍サイクル装置に、前記過給機の起動を検出する起動検出手段と、該起動検出手段からの検出信号を受けてバイパス路に備える弁の開閉を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記起動検出手段からの検出信号を受けて過給機の起動を検出し、前記バイパス路を閉鎖するように構成されている、
    請求項11に記載の冷凍サイクル装置。
  13. 前記起動検出手段は、前記膨張機に流入する冷媒と前記膨張機から流出する冷媒との温度差を検出する温度検出手段であり、
    前記制御手段は、前記温度検出手段にて検出された温度差が所定の値となったことで、前記過給機の起動を検出するように構成されている、
    請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
  14. 前記起動検出手段は、前記膨張機に流入する冷媒と前記膨張機から流出する冷媒との圧力差を検出する圧力検出手段であり、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段にて検出された圧力差が所定の値となったことで、前記過給機の起動を検出するように構成されている、
    請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
  15. 前記起動検出手段は、前記圧縮機が起動してからの時間を計測する計時手段であり、
    前記制御手段は、前記計時手段にて圧縮機が起動してから所定時間が経過したことで、前記過給機の起動を検出するように構成されている、
    請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
  16. 前記膨張機と前記過給機とが一つの密閉容器に収容されている、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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