JP5367164B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
従来、冷媒を膨張させることで動力回収を行う膨張機と、冷媒を予備的に昇圧する第2圧縮機とを備えた冷凍サイクル装置として、図15に示す冷凍サイクル装置700が知られている(例えば、特開2003−307358号公報参照)。図15を参照しながら、従来の冷凍サイクル装置700の構成について説明する。
図15に示すように、冷凍サイクル装置700は、第1圧縮機1、放熱器2、膨張機3、蒸発器4、第2圧縮機5、およびこれらの要素をこの順番で接続している流路10a〜10eによって形成された冷媒回路6を備えている。第2圧縮機5は、動力回収軸7により膨張機3と連結されており、膨張機3で回収した機械エネルギーを、動力回収軸7を介して受けることで、駆動される。
さらに、第2圧縮機5をバイパスするバイパス路8と、バイパス路8における冷媒の流れを制御するバイパス弁9とが設けられている。バイパス路8の上流端は、蒸発器4の出口と第2圧縮機5の吸入口とを結ぶ流路10dに接続され、バイパス路8の下流端は、第2圧縮機5の吐出口と第1圧縮機1の吸入口とを結ぶ流路10eに接続されている。
冷凍サイクル装置700は、次の手順に従って起動する。まず、第1圧縮機1の運転を開始させて、バイパス弁9を開く。これにより、蒸発器4内の冷媒は、図15中の実線矢印に示すように、バイパス路8を通じて第1圧縮機1に吸入される。冷媒を第1圧縮機1で昇圧して吐出することで、膨張機3の吸入口での圧力が上昇する。この結果、図16に示すように、膨張機3の前後で圧力差が生じ、膨張機3および第2圧縮機5は、速やかに起動することができる。膨張機3および第2圧縮機5が起動した後、バイパス弁9が閉じられ、蒸発器4から流出した冷媒は、図15中の一点鎖線矢印に示すように、流路10dを通じて第2圧縮機5に吸入される。このように、バイパス路8を設けることで、スムーズに定常運転に移行できる。
冷凍サイクル装置700では、膨張機3および第2圧縮機5の起動に関して、膨張機3のみが関与し、第2圧縮機5は寄与していない。むしろ、第2圧縮機5は、膨張機3を起動する際の負荷となっている。すなわち、第2圧縮機5の構成部品と動力回収軸7との摩擦などが、膨張機3の駆動抵抗となっている。
また、冷凍サイクル装置700の定常運転時、第2圧縮機5と膨張機3とは、単一経路の冷媒回路6を形成しているとともに、これらの回転数は、相互に共通の動力回収軸7で連結されているため、同一である。したがって、単位時間あたりに第2圧縮機5が吸入するべき冷媒の質量と、単位時間あたりに膨張機3が吸入するべき冷媒の質量とが等しくなるように、第2圧縮機5の容積と膨張機3の容積とを設定しなければならない。
図17は、従来の冷凍サイクル装置700において、二酸化炭素を冷媒として用いたときのモリエル線図の一例である。図17に示すように、従来の冷凍サイクル装置700の定常運転において、第2圧縮機5が吸入した冷媒の圧力は40kg/cm2、その温度は約10℃であり(図17中、点A)、このときの冷媒の密度は108.0kg/m3となる。膨張機3が吸入した冷媒の圧力は100kg/cm2、その温度は40℃であり(図17中、点C)、このときの冷媒の密度は628.61kg/m3となる。
ここで、第2圧縮機5の吸入容積(m3)をVc、膨張機3の吸入容積(m3)をVe、1秒間あたりの動力回収軸7の回転数(S-1)をNとする。1秒間あたりに第2圧縮機5が吸入できる冷媒の質量(kg/s)と、1秒間あたりに膨張機3が吸入できる冷媒の質量(kg/s)とは、それぞれ、(式1)および(式2)で表すことができる。
(式1)
(1秒間あたりに第2圧縮機5が吸入できる冷媒の質量)=108.0×Vc×N
(1秒間あたりに第2圧縮機5が吸入できる冷媒の質量)=108.0×Vc×N
(式2)
(1秒間あたりに膨張機3が吸入できる冷媒の質量)=628.61×Ve×N
(1秒間あたりに膨張機3が吸入できる冷媒の質量)=628.61×Ve×N
1秒間あたりに第2圧縮機5が吸入できる冷媒の質量と、1秒間あたりに膨張機3が吸入できる冷媒の質量とが等しい場合、上記(式1)および(式2)より、第2圧縮機5の吸入容積Vcは(式3)で表される。
(式3)
Vc=(628.61/108.0)×Ve≒5.8×Ve
Vc=(628.61/108.0)×Ve≒5.8×Ve
すなわち、冷凍サイクル装置700の起動時において、膨張機3は、膨張機3の約5.8倍の吸入容積を持つ第2圧縮機5を駆動させなければならない。また、第2圧縮機5が吸入するべき冷媒の密度と、膨張機3が吸入するべき冷媒の密度との比がより大きくなると、第2圧縮機5の吸入容積と、膨張機3の吸入容積との比もより大きくなる。つまり、膨張機3の吸入容積は、第2圧縮機5の吸入容積に対してより小さくなり、第2圧縮機5の起動時における膨張機3の駆動抵抗が相対的に大きくなる。したがって、冷凍サイクル装置700の運転条件によっては、起動時に、膨張機3が第2圧縮機5を駆動できない恐れがある。あるいは、第2圧縮機5の駆動に必要な駆動力を得るために、膨張機3の吸入口側に定常運転時に比して過剰な圧力を与える必要が生じる。その結果、第1圧縮機1への入力電力が増加して冷凍サイクル装置700の効率が低下する。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、確実に、安定して起動することができる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
冷媒を圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高圧段圧縮機と、前記高圧段圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張させつつ冷媒から動力を回収し、回収した動力が前記低圧段圧縮機に伝達されるように前記低圧段圧縮機に軸で連結された膨張機と、前記膨張機で膨張した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、を有する主冷媒回路と、
前記気液分離器で分離されたガス冷媒を前記低圧段圧縮機の吐出口から前記高圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に導くインジェクション流路と、
前記高圧段圧縮機の吐出口から前記膨張機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、前記蒸発器の出口から前記低圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、を連絡する高圧導入流路と、
前記蒸発器および前記高圧導入流路から選ばれる1つを前記低圧段圧縮機に選択的に接続できる流路切替機構と、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
冷媒を圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高圧段圧縮機と、前記高圧段圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張させつつ冷媒から動力を回収し、回収した動力が前記低圧段圧縮機に伝達されるように前記低圧段圧縮機に軸で連結された膨張機と、前記膨張機で膨張した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、を有する主冷媒回路と、
前記気液分離器で分離されたガス冷媒を前記低圧段圧縮機の吐出口から前記高圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に導くインジェクション流路と、
前記高圧段圧縮機の吐出口から前記膨張機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、前記蒸発器の出口から前記低圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、を連絡する高圧導入流路と、
前記蒸発器および前記高圧導入流路から選ばれる1つを前記低圧段圧縮機に選択的に接続できる流路切替機構と、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
別の側面において、本発明は、
冷媒を圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高圧段圧縮機と、前記高圧段圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張させつつ冷媒から動力を回収し、回収した動力が前記低圧段圧縮機に伝達されるように前記低圧段圧縮機に軸で連結された膨張機と、前記膨張機で膨張した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記気液分離器と前記蒸発器との間の流路上に設けられた膨張弁と、を有する主冷媒回路と、
前記気液分離器で分離されたガス冷媒を前記低圧段圧縮機の吐出口から前記高圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に導くインジェクション流路と、
前記低圧段圧縮機の吸入口での圧力が前記低圧段圧縮機の吐出口での圧力に前記インジェクション流路を介して等しくなることを阻止するように、当該冷凍サイクル装置の起動時に前記膨張弁を全閉にするコントローラと、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
冷媒を圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高圧段圧縮機と、前記高圧段圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張させつつ冷媒から動力を回収し、回収した動力が前記低圧段圧縮機に伝達されるように前記低圧段圧縮機に軸で連結された膨張機と、前記膨張機で膨張した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記気液分離器と前記蒸発器との間の流路上に設けられた膨張弁と、を有する主冷媒回路と、
前記気液分離器で分離されたガス冷媒を前記低圧段圧縮機の吐出口から前記高圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に導くインジェクション流路と、
前記低圧段圧縮機の吸入口での圧力が前記低圧段圧縮機の吐出口での圧力に前記インジェクション流路を介して等しくなることを阻止するように、当該冷凍サイクル装置の起動時に前記膨張弁を全閉にするコントローラと、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
本発明の冷凍サイクル装置によれば、高圧段圧縮機は、インジェクション流路を通じて蒸発器および気液分離器内の冷媒を吸入できる。これにより、主冷媒回路の高圧側の圧力を速やかに上昇させることができる。
低圧段圧縮機の吐出口から高圧段圧縮機の吸入口までの主冷媒回路の部分がインジェクション流路で気液分離器に接続されているので、膨張機の吐出口での圧力を高圧段圧縮機の吸入口での圧力に一致させることができる。膨張機の吸入口での圧力は、通常、主冷媒回路の高圧側の圧力に等しい。
一方、流路切替機構および高圧導入流路の働きにより、低圧段圧縮機の吸入口での圧力を主冷媒回路の高圧側の圧力に一致させることができる。低圧段圧縮機の吐出口での圧力は、通常、高圧段圧縮機の吸入口での圧力に等しい。
このように、本発明によれば、膨張機の前後だけでなく、低圧段圧縮機の前後でも圧力差を生じさせることができる。そのため、本発明の冷凍サイクル装置は、運転条件によらず、確実に、安定して起動できる。
別の側面において、本発明の冷凍サイクル装置によれば、高圧段圧縮機は、インジェクション流路を通じて気液分離器内の冷媒を吸入できる。これにより、主冷媒回路の高圧側の圧力を速やかに上昇させることができる。
低圧段圧縮機の吐出口から高圧段圧縮機の吸入口までの主冷媒回路の部分がインジェクション流路で気液分離器に接続されているので、膨張機の吐出口での圧力を高圧段圧縮機の吸入口での圧力に一致させることができる。膨張機の吸入口での圧力は、通常、主冷媒回路の高圧側の圧力に等しい。
一方、膨張弁を全閉にすることで、膨張弁の前後の流路を分断できる。したがって、低圧段圧縮機の吸入口での圧力が低圧段圧縮機の吐出口での圧力にインジェクション流路を介して等しくなることを阻止できる。その結果、低圧段圧縮機の吸入口での圧力を高圧段圧縮機の駆動前における主冷媒回路内の圧力(中間圧力)に維持できる。低圧段圧縮機の吐出口での圧力は、通常、高圧段圧縮機の吸入口での圧力に等しい。
このように、本発明によれば、膨張機の前後だけでなく、低圧段圧縮機の前後でも圧力差を生じさせることができる。そのため、本発明の冷凍サイクル装置は、運転条件によらず、確実に、安定して起動できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
<冷凍サイクル装置100の構成>
図1は、本発明の実施の形態1における冷凍サイクル装置100の構成図である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、高圧段圧縮機101と、放熱器102と、膨張機103と、気液分離器108と、蒸発器104と、低圧段圧縮機105とを、流路106a〜106fにより順次接続することによって形成された主冷媒回路106を備えている。流路106a〜106fは、それぞれ、冷媒配管で構成されている。気液分離器108と蒸発器104との間の流路106d上には、膨張弁110が設けられている。蒸発器104と低圧段圧縮機105との間の流路106e上には、逆止弁132が設けられている。以下において、低圧段圧縮機105の吐出口と高圧段圧縮機101の吸入口とを接続する流路106fを「中間圧流路106f」とも言う。
<冷凍サイクル装置100の構成>
図1は、本発明の実施の形態1における冷凍サイクル装置100の構成図である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、高圧段圧縮機101と、放熱器102と、膨張機103と、気液分離器108と、蒸発器104と、低圧段圧縮機105とを、流路106a〜106fにより順次接続することによって形成された主冷媒回路106を備えている。流路106a〜106fは、それぞれ、冷媒配管で構成されている。気液分離器108と蒸発器104との間の流路106d上には、膨張弁110が設けられている。蒸発器104と低圧段圧縮機105との間の流路106e上には、逆止弁132が設けられている。以下において、低圧段圧縮機105の吐出口と高圧段圧縮機101の吸入口とを接続する流路106fを「中間圧流路106f」とも言う。
高圧段圧縮機101は、圧縮機構部101aと、圧縮機構部101aを駆動するモータ101bとで構成されており、冷媒を高温高圧に圧縮する。高圧段圧縮機101としては、スクロール式圧縮機およびロータリ式圧縮機等の容積式圧縮機を用いることができる。高圧段圧縮機101の吐出口は、流路106aを介して放熱器102の入口に接続されている。
放熱器102は、高圧段圧縮機101により圧縮された高温高圧の冷媒を外部の熱源と熱交換させることで放熱させる(冷却する)。放熱器102の出口は、流路106bを介して膨張機103の吸入口に接続されている。
膨張機103は、放熱器102から流出した中温高圧の冷媒を膨張させつつ、冷媒の膨張エネルギー(動力)を機械エネルギーに変換して回収する。膨張機103の吐出口は、流路106cを介して気液分離器108の入口に接続されている。膨張機103としては、スクロール式膨張機およびロータリ式膨張機等の容積式膨張機を用いることができる。さらに、膨張機103として、流体圧モータ式膨張機を用いることもできる。流体圧モータ式膨張機とは、作動室内で実質的な膨張工程を行なわずに、冷媒を吸入する工程と、吸入した冷媒を吐出する工程とを連続して行うことで、冷媒から動力を回収する容積式流体機械である。流体圧モータ式膨張機の詳細な構造および動作原理は、例えば、国際公開2008/050654号公報に開示されている。
気液分離器108は、膨張機103で膨張した低温低圧の冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する役割を担う。気液分離器108によれば、冷凍サイクル装置100の起動時において、高圧段圧縮機101に液冷媒が多量に吸い込まれるのを防止できる。気液分離器108のガス冷媒出口は、インジェクション流路111を介して流路106fに接続されている。気液分離器108の液冷媒出口は、膨張弁110を備えた流路106dを介して蒸発器104の入口に接続されている。
膨張弁110は、定常運転時に蒸発器104へ流れる液冷媒の流量を調整する役割を担う。したがって、膨張弁110として、開度を段階的に変化させることが可能であって、冷媒を膨張させる能力を有する弁、典型的には電動膨張弁を用いることが好ましい。冷凍サイクル装置100の起動時においては、膨張弁110を全開または略全開にする。これにより、蒸発器104内の冷媒を高圧段圧縮機101がスムーズに吸入できる。
蒸発器104は、気液分離器108で分離された低温低圧の液冷媒を外部の熱源と熱交換させて蒸発させる。蒸発器104の出口は、逆止弁132を備えた流路106eを介して低圧段圧縮機105の吸入口に接続されている。
低圧段圧縮機105は、蒸発器104から流出した中温低圧の冷媒を吸入し、予備的に昇圧した後、中間圧流路106fに吐出する。低圧段圧縮機105の吐出口は、中間圧流路106fを介して高圧段圧縮機101の吸入口に接続されている。低圧段圧縮機105としては、スクロール式圧縮機およびロータリ式圧縮機等の容積式圧縮機を用いることができる。さらに、低圧段圧縮機105として、流体圧モータ式圧縮機を用いることができる。流体圧モータ式圧縮機とは、蒸発器104から冷媒を吸入する工程と、吸入した冷媒を高圧段圧縮機101へ吐出する工程とを実質的に連続して行うことで、冷媒を昇圧する容積式流体機械である。言い換えれば、流体圧モータ式圧縮機とは作動室内で実質的に冷媒の体積変化を生じさせない流体機械を意味する。流体圧モータ式圧縮機の構造は、基本的に、流体圧モータ式膨張機の構造と同じであり、先の文献に詳細に開示されている。
膨張機103は、動力回収軸107によって低圧段圧縮機105に連結されている。動力回収軸107を介して、膨張機103で回収した機械エネルギー(動力)を低圧段圧縮機105に伝達できる。すなわち、膨張機103、低圧段圧縮機105および動力回収軸107は、冷媒から動力を回収する動力回収システム109として機能する。図7に示すように、膨張機103および低圧段圧縮機105は、動力回収軸107とともに、潤滑油を貯留した1つの密閉容器109aに収容されている。そのため、特別なシール構造は必要とされない。
本実施の形態において、低圧段圧縮機105は、膨張機103の容積よりも大きい容積を有する。冷媒として二酸化炭素を使用する場合、膨張機103の容積Veに対する低圧段圧縮機105の容積Vcの比率(Vc/Ve)は、例えば、5〜15の範囲に設定される。冷媒としてR410Aを使用する場合、比率(Vc/Ve)は、例えば、30〜40の範囲に設定される。R410Aのように圧縮機の吸入冷媒が希薄な冷媒を用いる場合には、比率(Vc/Ve)も大きくなりがちである。一般には、比率(Vc/Ve)が大きければ大きいほど、低圧段圧縮機105および膨張機103を自立起動させるために、より大きい駆動力(トルク)が必要となる。なお、「低圧段圧縮機105の容積」とは、閉じ込め容積、すなわち吸入工程の完了時における作動室の容積を意味する。このことは、膨張機103についても同じである。
冷凍サイクル装置100は、さらに、高圧導入流路130および開閉弁131を備えている。高圧導入流路130は、流路106aと流路106eとを連絡するように、主冷媒回路106に接続されている。開閉弁131は、高圧導入流路130に設けられており、高圧導入流路130における冷媒の流れを制御する。
高圧導入流路130は、流路106aに接続された上流端E1(一端)と、流路106eに接続された下流端E2(他端)とを有する。すなわち、高圧導入流路130は、動力回収軸107の回転前において、流路106a内の冷媒を低圧段圧縮機105の吸入口に直接導くことができる流路である。高圧導入流路130は、典型的には、冷媒配管で構成されている。
冷凍サイクル装置100の起動時に低圧段圧縮機105の吸入口での圧力を高めることができる限りにおいて、上流端E1の位置は図1に示す位置に限定されない。すなわち、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの主冷媒回路106の部分と、蒸発器104の出口から低圧段圧縮機105の吸入口までの主冷媒回路106の部分と、を連絡できる限りにおいて、上流端E1の位置は特に限定されない。具体的に、高圧導入流路130は、流路106bと流路106eとを連絡するように、主冷媒回路106に接続されていてもよい。場合によっては、高圧導入流路130が放熱器102から分岐していてもよい。例えば、放熱器102が上流側部分と下流側部分とで構成されている場合には、その2つの部分の間から高圧導入流路130を容易に分岐させうる。
ただし、図1に示すように、上流端E1が流路106aに位置している場合、次のような効果が得られる。流路106aにおける冷媒の密度は、流路106bにおける冷媒の密度よりも小さい。通常、流路106a内で冷媒は気相状態である。高圧導入流路130を通じてガス冷媒を低圧段圧縮機105の吸入口に供給することにより、低圧段圧縮機105を通じて高圧段圧縮機101へ液冷媒が流入することを防止できる。これにより、高圧段圧縮機101での液圧縮が防止され、ひいては冷凍サイクル装置100の信頼性が高まる。
開閉弁131および逆止弁132は、蒸発器104および高圧導入流路130から選ばれる1つを選択的に低圧段圧縮機105に接続することができる流路切替機構を構成している。蒸発器104および高圧導入流路130から選ばれる1つを選択的に低圧段圧縮機105に接続すると、蒸発器104および高圧導入流路130より選ばれる1つから低圧段圧縮機105に冷媒が導かれる。逆止弁132は、蒸発器104の出口から高圧導入流路130の下流端E2までの主冷媒回路106の部分(流路106e)に設けられている。
開閉弁131は、定常運転時には閉じており、冷凍サイクル装置100の起動時に開放される。開閉弁131を開くと、高圧導入流路130を経由して流路106a内の冷媒を低圧段圧縮機105の吸入口へと直接供給できる。その際、逆止弁132は、高圧導入流路130から蒸発器104に向かう冷媒の流れを遮断できる。他方、開閉弁131を閉じると、高圧導入流路130から低圧段圧縮機105への冷媒の流れを禁止しつつ蒸発器104から低圧段圧縮機105に冷媒を供給できる。逆止弁132は、電気的な制御を必要としない利点を有する。もちろん、逆止弁132を任意に開閉できる弁に置き換えることも可能である。
冷凍サイクル装置100は、さらに、インジェクション流路111およびインジェクション量調整弁112を備えている。インジェクション流路111は、気液分離器108で液冷媒から分離されたガス冷媒を低圧段圧縮機105の吐出口から高圧段圧縮機101の吸入口までの主冷媒回路106の部分(中間圧流路106f)に導く役割を担う。具体的に、インジェクション流路111は、気液分離器108のガス冷媒出口と中間圧流路106fとを連絡するように、主冷媒回路106に接続されている。インジェクション流量調整弁112は、インジェクション流路111に設けられており、インジェクション流路111における冷媒の流れを制御する。インジェクション流路111は、典型的には、冷媒配管で構成されている。インジェクション流量調整弁112として、開度を段階的に変化させることが可能であって、冷媒を膨張させる能力を有する弁、典型的には電動膨張弁を用いることが好ましい。
インジェクション流量調整弁112は、定常運転時において、中間圧流路106fにインジェクションされるべきガス冷媒の流量を調整する役割を担う。他方、冷凍サイクル装置100の起動時において、インジェクション流量調整弁112の開度は全開または略全開とされる。起動時にインジェクション流量調整弁112を開くと、流路106c、気液分離器108、流路106dおよび蒸発器104に存在する冷媒を高圧段圧縮機101が吸入できる。これにより、主冷媒回路106の高圧側の圧力を速やかに上昇させることができる。特に、本実施の形態では、気液分離器108が設けられているので、停止時に膨張機103の吐出口から逆止弁132までの間に十分な量の冷媒を溜めることができる。
冷凍サイクル装置100の起動後において、冷凍サイクル装置100の成績係数が向上するように、インジェクション流路111を通じて気液分離器108から中間圧流路106fにガス冷媒を供給できる。膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112の各開度を適切に調整することによって、中間圧流路106fから気液分離器108への冷媒の逆流を防止できるとともに、気液分離器108から中間圧流路106fへの液冷媒の流入を防止できる。
冷凍サイクル装置100は、さらに、コントローラ117を備えている。膨張弁110、インジェクション流量調整弁112および開閉弁131は、コントローラ117によって制御される。コントローラ117は、典型的には、マイクロコンピュータで構成されている。冷凍サイクル装置100の運転を開始すべき旨の指令が入力装置(図示せず)からコントローラ117に与えられると、コントローラ117の内部メモリに格納された所定の制御プログラムが実行される。具体的に、コントローラ117は、図2を参照して後述する所定の起動制御を実行する。また、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を動作させるモータ101bの動作を制御する。
冷凍サイクル装置100は、さらに、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出するための起動検出器119を備えている。コントローラ117は、起動検出器119の検出結果に基づいて開閉弁131(流路切替機構)の制御を起動前の制御から起動後の制御へと切り替える。具体的に、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動前は高圧導入流路130から低圧段圧縮機105に冷媒が導かれるように開閉弁131を開く。膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後は蒸発器104から低圧段圧縮機105に冷媒が導かれるように開閉弁131を閉じる。例えば、低圧段圧縮機105が起動したことを表す信号を起動検出器119から取得することに応じて、コントローラ117は開閉弁131を閉じる。このようにすれば、通常時の制御への移行をスムーズに行える。
起動検出器119として、温度検出器、圧力検出器等を用いることができる。温度検出器としての起動検出器119は、例えば熱電対やサーミスタのような温度検出素子を含み、膨張機103の吸入口における冷媒の温度と、膨張機103の吐出口における冷媒の温度との差ΔTを検出する。圧力検出器としての起動検出器119は、例えば圧電素子を含み、膨張機103の吸入口における冷媒の圧力と、膨張機103の吐出口における冷媒の圧力との差ΔPを検出する。また、起動検出器119は、高圧段圧縮機101の起動時点からの経過時間を計測するタイマを含んでいてもよい。このようなタイマは、コントローラ117の機能によっても提供されうる。この場合、コントローラ117自身が起動検出器119の役割を担うことができる。さらに、動力回収軸107の駆動を検出する接触式または非接触式の変位センサ、例えばエンコーダが、起動検出器119として設けられていてもよい。
起動検出器119の種類によって、動力回収システム109が起動したかどうかを判断する手法は、以下のように異なる。以下に示す手法によれば、動力回収システム109の起動を容易に検出できる。
起動検出器119として圧力検出器を使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値Pthがコントローラ117に予め設定される。単位時間遡った時点に圧力検出器によって検出された圧力差ΔPn(n:自然数)から、圧力検出器によって検出された現在の圧力差ΔPn+1を引いた値が所定の閾値Pthを上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。コントローラ117には、単一の閾値Pthが設定されていてもよいし、外気温度等に対応付けられた複数の閾値Pthが設定されていてもよい。後者の場合、コントローラ117は、外気温度等に基づいて最適な閾値Pthを選択する。このことは、以下に説明する他の閾値についても同じである。
高圧段圧縮機101が起動した後であって膨張機103が起動する前までの期間において、膨張機103の吸入口における冷媒の圧力と、膨張機103の吐出口における冷媒の圧力との差ΔPは概ね単調に増加する。膨張機103が動き始めると、圧力差ΔPは、一時的に減少に転じて膨張機103の起動の直前よりも小さくなる。この圧力差ΔPの変化を捉えることで、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出できる。具体的には、単位時間毎に圧力差ΔPを検出してコントローラ117のメモリに格納する。直近の過去にメモリに格納された圧力差ΔPnと、現在の圧力差ΔPn+1とを比較する。現在の圧力差ΔPn+1が直近の過去の圧力差ΔPnを大きく下回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105が起動したものと判断できる。言い換えれば、(ΔPn−ΔPn+1)>Pthを満足した場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105が起動したものと判断できる。なお、「単位時間」は、圧力差ΔPの急激な減少を捉えるのに十分な時間、例えば、1〜5秒の範囲で任意に設定することができる。
圧力差ΔPに代えて、温度差ΔTを使用することも可能である。すなわち、単位時間遡った時点に温度検出器によって検出された温度差ΔTn(n:自然数)から、温度検出器によって検出された現在の温度差ΔTn+1を引いた値が所定の閾値Tthを上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
さらに、膨張機103の吐出温度または膨張機103の吐出圧力に基づいて、動力回収システム109の起動を検出できる可能性もある。動力回収システム109が起動すると、膨張機103も回転する。膨張機103は、冷媒を吸入した後、吸入した冷媒を膨張させて吐出する。そのため、膨張機103から吐出された冷媒の温度および圧力は、吸入前よりも低い。膨張機103の吐出口での温度(または圧力)を時系列で監視するとともに、温度(または圧力)の急変を捉えることで動力回収システム109が起動したものと判断できる。
一方、動力回収システム109が確実に起動するという前提に立てば、以下に説明する方法で膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出してもよい。以下に説明する方法は、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を捉えるというよりも、むしろ、動力回収システム109が動作を継続できる状態にあるかどうかを判断するものである。以下に説明する方法で膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出し、その検出結果に応じて、開閉弁131(流路切替機構)の制御を起動前の制御から起動後の制御へと切り替えることができる。このようにすれば、開閉弁131を閉じた後も動力回収システム109は安定して動作し続ける。
具体的に、起動検出器119として温度検出器を使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値T1がコントローラ117に予め設定される。温度検出器によって検出された温度差△Tが閾値T1を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
起動検出器119として圧力検出器を使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値P1がコントローラ117に予め設定される。圧力検出器によって検出された圧力差△Pが所定の閾値P1を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
温度差△Tと閾値T1との比較、または圧力差ΔPと閾値P1との比較によって膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出できる理由は、次の通りである。高圧段圧縮機101を起動させると、高圧段圧縮機101から吐出された冷媒が、高圧導入流路130を通じて低圧段圧縮機105の吸入口に供給される。このことにより、動力回収システム109が起動する。このとき、低圧段圧縮機105が駆動源となるため、高圧段圧縮機101の吸入温度と高圧段圧縮機101の吐出温度との間に大きい温度差がつく前に動力回収システム109は回転し始める。動力回収システム109の回転開始時はサイクルの圧力差が十分に大きくなっておらず、動力回収システム109を回転させる動力は小さい。そのため、動力回収システム109の回転数も低い。動力回収システム109の回転数が低いと、膨張機103の回転数も低い。この状態は、膨張弁で言うところの“絞っている状態”に相当する。したがって、高圧段圧縮機101の吐出温度および吐出圧力も徐々に上昇する。
高圧段圧縮機101の吐出温度および吐出圧力が上昇すれば、膨張機103および低圧段圧縮機105を回転させる動力も増加し、動力回収システム109の回転数は増加する。そして、高回転数になると、慣性力の影響で動力回収システム109は安定して回転する。このような安定回転状態まで、開閉弁131を開放し続けることが望ましい。
一方、膨張機103の吸入温度は、停止時の外気温度と略同一温度から、徐々に上昇する。膨張機103の吸入温度(または吸入圧力)によって、膨張機103の吐出温度(または吐出圧力)が決まる。例えば、外気温度が10℃である場合、動力回収システム109の起動時および動力回収システム109の定常運転時の各々における膨張機103の吸入温度、吐出温度、吸入圧力および吐出圧力の一例は以下の通りである。なお、下記の値は膨張比=2.0で計算したものである。冷媒は二酸化炭素である。
<起動時>
吸入温度:10℃、吸入圧力:5.0MPa
吐出温度:−3.0℃、吐出圧力:3.2MPa
吸入温度と吐出温度との差:13℃
吸入圧力と吐出圧力との差:1.8MPa
<定常時>
吸入温度:40℃、吸入圧力:10.0MPa
吐出温度:13.4℃、吐出圧力:4.9MPa
吸入温度と吐出温度との差:26.6℃
吸入圧力と吐出圧力との差:5.1MPa
吸入温度:10℃、吸入圧力:5.0MPa
吐出温度:−3.0℃、吐出圧力:3.2MPa
吸入温度と吐出温度との差:13℃
吸入圧力と吐出圧力との差:1.8MPa
<定常時>
吸入温度:40℃、吸入圧力:10.0MPa
吐出温度:13.4℃、吐出圧力:4.9MPa
吸入温度と吐出温度との差:26.6℃
吸入圧力と吐出圧力との差:5.1MPa
高圧段圧縮機101の吐出温度および吐出圧力が低い状態で動力回収システム109が起動すると、上記のように、膨張機103の吸入温度および膨張機103の吐出温度は、それぞれ、徐々に上がる。吸入温度と吐出温度との差も徐々に拡大する。このことは、圧力についても同様である。ゆえに、閾値T1および閾値P1として適切な値、例えば、動力回収システム109の起動が予測される温度差および圧力差よりも少し大きい値を設定することにより、動力回収システム109の起動を検出できる。
起動検出器119としてタイマを使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値時間t1がコントローラ117に予め設定される。タイマによって計測された時間tが閾値時間t1を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
「閾値時間t1」は、コントローラ117において実行されるべき起動制御プログラムに記述されている。例えば、高圧段圧縮機101を起動してから低圧段圧縮機105が起動するまでの時間を様々な運転条件(外気温度等)で実際に測定する。そして、全ての運転条件において、低圧段圧縮機105が確実に起動すると判断できる時間を「閾値時間t1」として設定しうる。理論的には、冷凍サイクル装置100のモデルを構築し、動力回収システム109を起動するために必要十分な圧力差を計算機シミュレーションで推定する。そして、高圧段圧縮機101の容積、主冷媒回路106の冷媒の充填量等のパラメータを用い、推定した圧力差を作り出すために必要な初動時間を算出する。算出した初動時間を「閾値時間t1」として設定しうる。
なお、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出する方法は1つに限定されず、複数の方法を組み合わせて実施できる。例えば、膨張機103の吸入口と吐出口との間の圧力差ΔPおよび/または温度差ΔTを監視する方法で膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を正確に捉える。その後、温度差△Tを閾値T1と比較する方法、圧力差ΔPを閾値P1と比較する方法、または、経過時間tを閾値時間t1と比較する方法で、動力回収システム109が動作を継続できる状態にあるかどうかを判断する。これら複数の条件を満足した場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105が起動したものと判断し、開閉弁131を閉じる。
<冷凍サイクル装置100の動作>
図2は、冷凍サイクル装置100の起動制御のフロー図である。冷凍サイクル装置100は、図2に示す起動制御の実行後、定常運転を開始する。運転待機状態において、高圧段圧縮機101は停止し、膨張弁110は開いており、主冷媒回路106内の冷媒の圧力は略均一である。
図2は、冷凍サイクル装置100の起動制御のフロー図である。冷凍サイクル装置100は、図2に示す起動制御の実行後、定常運転を開始する。運転待機状態において、高圧段圧縮機101は停止し、膨張弁110は開いており、主冷媒回路106内の冷媒の圧力は略均一である。
ステップS11において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112を全開にするように、これらの弁110および112のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップS12)。さらに、開閉弁131を開くように、開閉弁131のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップS13)。これにより、高圧導入流路130が開通する。
次に、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を起動するべく、モータ101bへの給電を開始する(ステップS14)。これにより、高圧段圧縮機101が起動し、中間圧流路106f、インジェクション流路111、流路106c、気液分離器108、流路106d、蒸発器104、および、流路106eの一部(蒸発器104と逆止弁132との間の部分)に存在する冷媒が高圧段圧縮機101に吸入される。なお、高圧段圧縮機101の起動前に開閉弁131を開放する代わりに、高圧段圧縮機101の起動に応じて開閉131を開放してもよい。
高圧段圧縮機101の起動に応じて、冷媒と熱交換するべき流体(空気または水)を放熱器102に流すためのファンまたはポンプを起動させる。これにより、サイクルの高圧の過度な上昇を防止できる。同様に、高圧段圧縮機101の起動に応じて、蒸発器104のファンまたはポンプを起動させる。これにより、高圧段圧縮機101に吸入されるべきガス冷媒が効率的に生成される。
高圧段圧縮機101への冷媒の吸入が開始されると、中間圧流路106f等の内部の圧力が低下する。他方、高圧段圧縮機101で圧縮された冷媒が吐出されるため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路(流路106a、放熱器102および流路106b)、高圧導入流路130、および、流路106eの一部(逆止弁132と低圧段圧縮機105の吸入口との間の部分)で圧力が上昇する。
その結果、図6に示すように、膨張機103および低圧段圧縮機105の各吸入口での圧力が相対的に高くなり、膨張機103および低圧段圧縮機105の各吐出口での圧力が相対的に低くなる。すなわち、膨張機103の吸入口と吐出口との間だけでなく、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも、圧力差を生じさせることができる。冷媒の圧力差が、膨張機103および低圧段圧縮機105の各々に作用するので、動力回収システム109を容易に自立起動させることができる。インジェクション流路111および気液分離器108が設けられているため、高圧段圧縮機101は、高い圧力差を生じさせるのに十分な量の冷媒を吸入できる。
コントローラ117は、起動検出器119を通じて、低圧段圧縮機105が起動したことを検出すると(ステップS15)、開閉弁131を閉じるように開閉弁131のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップS16)。これにより、逆止弁132に作用していた逆圧が解消され、蒸発器104から低圧段圧縮機105へと流路106eを通じて冷媒が供給される。また、膨張機103で減圧された気液二相の冷媒が気液分離器108に供給される。インジェクション流路111および流路106fを通じて高圧段圧縮機101に過剰な液冷媒が供給されないように、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112の開度を調整する(ステップS17)。図2に示す起動制御の終了後、冷凍サイクル装置100は、主冷媒回路106に冷媒を循環させる定常運転に移行する。
冷凍サイクル装置100の運転を停止するには、例えば、高圧段圧縮機101の回転数を漸次減少させる。高圧段圧縮機101の停止後、冷媒は、高圧段圧縮機101、膨張機103および低圧段圧縮機105を十分な時間をかけて移動する。そのため、主冷媒回路106における圧力差は自然に解消され、主冷媒回路106内の圧力は略均一となって安定する。これにより、膨張機103および低圧段圧縮機105も自然と停止する。
<冷凍サイクル装置100の効果>
本実施の形態によれば、冷凍サイクル装置100の起動時において、蒸発器104および気液分離器108内の冷媒を高圧段圧縮機101が吸入および圧縮できる。そのため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力を速やかに上昇させうる。膨張機103の吸入口と吐出口との間に大きい圧力差が生じるので、動力回収システム109がスムーズに自立起動する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクル装置100の起動時において、蒸発器104および気液分離器108内の冷媒を高圧段圧縮機101が吸入および圧縮できる。そのため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力を速やかに上昇させうる。膨張機103の吸入口と吐出口との間に大きい圧力差が生じるので、動力回収システム109がスムーズに自立起動する。
また、逆止弁132から低圧段圧縮機105の吸入口までの流路106eの一部に高圧導入流路130を通じて圧縮冷媒が導かれる。これにより、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも大きい圧力差が生じる。このことは、動力回収システム109のよりスムーズな自立起動に貢献する。本実施の形態では、低圧段圧縮機105および膨張機103は、ぞれぞれ、一定の吸入容積を有する。特に、低圧段圧縮機105の吸入容積が膨張機103の吸入容積よりも大きい場合、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間に圧力差を生じさせることにより、動力回収システム109がよりスムーズに起動する。
なお、高圧段圧縮機101の起動後、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出することなく一定時間が経過した場合、動力回収システム109の起動に失敗したものと判断できる。動力回収システム109が起動しなかった場合、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を停止させ、動力回収システム109を起動させるための制御を再度実行する。このようにすれば、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力が過度に上昇することを防止できる。膨張機103の前後に過大な圧力差が生じ、それにより、膨張機103の部品にダメージが及ぶことを防止できる。これにより、冷凍サイクル装置100の信頼性が向上する。
また、本実施の形態によれば、膨張機103の吸入口に放熱器102、低圧段圧縮機105の吸入口に蒸発器104、膨張機103の吐出口に気液分離器108がそれぞれ接続されている。気液分離器108は、インジェクション流路111を介して低圧段圧縮機105の吐出口にも接続されている。放熱器102、蒸発器104および気液分離器108の容積は比較的大きいので、冷凍サイクル装置100の起動時に、これらが冷媒のバッファ空間として機能しうる。これにより、起動時の圧力脈動を抑制する効果が得られる。
本実施の形態で使用できる冷媒(作動流体)の種類は特に限定されない。例えば、R410A等のフッ素冷媒、二酸化炭素等の自然冷媒、R1234yf等の低GWP(Global Warming Potential)冷媒を使用できる。どの冷媒を使用したとしても、上記した効果が得られる。
(変形例1)
<冷凍サイクル装置200の構成>
図3は、変形例1における冷凍サイクル装置200の構成図である。図3に示すように、冷凍サイクル装置200では、流路切替機構が三方弁133で構成されている。起動検出器119として、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ140および電流検出器141が用いられている。さらに、バイパス流路201およびバイパス弁202が設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。本変形例において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<冷凍サイクル装置200の構成>
図3は、変形例1における冷凍サイクル装置200の構成図である。図3に示すように、冷凍サイクル装置200では、流路切替機構が三方弁133で構成されている。起動検出器119として、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ140および電流検出器141が用いられている。さらに、バイパス流路201およびバイパス弁202が設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。本変形例において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
流路切替機構としての三方弁133は、蒸発器104から低圧段圧縮機105に冷媒が導かれる第1状態と、高圧導入流路130から低圧段圧縮機105に冷媒が導かれる第2状態と、を相互に切り替えることができるように、高圧導入流路130の下流端E2に設けられている。第1状態では、高圧導入流路130から低圧段圧縮機105への冷媒の流れが遮断される。第2状態では、蒸発器104から低圧段圧縮機105への冷媒の流れが遮断される。このように、実施の形態1における開閉弁131および逆止弁132を三方弁133で置換することができる。三方弁133によれば、部品点数の増大を抑制できる。
バイパス流路201は、膨張機103をバイパスするように、主冷媒回路106に接続されている。バイパス流路201の上流端E3は流路106bに位置し、下流端E4は流路106cに位置している。バイパス弁202は、バイパス流路201に設けられている。バイパス流路201は、典型的には、冷媒配管で構成されている。バイパス弁202として、開度を段階的に変化させることが可能であって、冷媒を膨張させる能力を有する弁、典型的には電動膨張弁を用いることが好ましい。
電流検出器141は、PTCヒータ140に流れる電流の大きさを検出する。PTCヒータ140は、放熱器102の出口から膨張機103の吸入口までの主冷媒回路106の部分、すなわち流路106bに設けられている。詳細には、バイパス流路201の上流端E3から見て、PTCヒータ140は膨張機103の側に位置している。このような位置にPTCヒータ140が設けられていると、PTCヒータ140がバイパス回路201への冷媒の流れの影響を受けにくいので、膨張機103への冷媒の流入を正確に検出できる。
起動検出器119としてPTCヒータ140および電流検出器141を使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値ΔI1がコントローラ117に予め設定される。動力回収システム109が起動すると、膨張機103の吸入口でも冷媒が流れ始める。すると、PTCヒータ140の温度変化(温度低下)により電流の大きさも急に変化する。この変化を捉えることができるように、PTCヒータ140を流れる電流の単位時間あたりの変化量を閾値ΔI1として予め設定することができる。「単位時間」は、例えば、1〜5秒の範囲で任意に設定することができる。PTCヒータ140を流れる電流の単位時間あたりの変化量が電流検出器141によって算出され、算出された変化量が閾値ΔI1を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。PTCヒータ140および電流検出器141は、他の実施の形態及び変形例でも使用できる。
<冷凍サイクル装置200の動作>
図4は、冷凍サイクル装置200の起動制御のフロー図である。ステップS21において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112を全開、かつ、バイパス弁202を所定の開度にするように、これらの弁110、112および202のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップS22)。ここで、「バイパス弁202の所定の開度」とは、膨張機103の吸入口と吐出口との間の圧力差を、膨張機103を起動させるのに必要な大きさに保てる範囲内の開度を意味する。この「所定の開度」は、実験的または理論的に求めることができる。要するに、膨張機103の前後の圧力差が小さくなりすぎないように、バイパス弁202を少しだけ開く。
図4は、冷凍サイクル装置200の起動制御のフロー図である。ステップS21において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112を全開、かつ、バイパス弁202を所定の開度にするように、これらの弁110、112および202のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップS22)。ここで、「バイパス弁202の所定の開度」とは、膨張機103の吸入口と吐出口との間の圧力差を、膨張機103を起動させるのに必要な大きさに保てる範囲内の開度を意味する。この「所定の開度」は、実験的または理論的に求めることができる。要するに、膨張機103の前後の圧力差が小さくなりすぎないように、バイパス弁202を少しだけ開く。
次に、三方弁133を制御して低圧段圧縮機105と高圧導入流路130とを接続する(ステップS23)。
次に、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を起動するべく、モータ101bへの給電を開始する(ステップS24)。これにより、高圧段圧縮機101が起動し、中間圧流路106f、インジェクション流路111、流路106c、気液分離器108、流路106d、蒸発器104、および、流路106eの一部(蒸発器104と三方弁133との間の部分)に存在する冷媒が高圧段圧縮機101に吸入される。
高圧段圧縮機101への冷媒の吸入が開始されると、図6を参照して実施の形態1で説明したように、膨張機103および低圧段圧縮機105の各吸入口での圧力が相対的に高くなり、膨張機103および低圧段圧縮機105の各吐出口での圧力が相対的に低くなる。その結果、動力回収システム109がスムーズに自立起動する。
コントローラ117は、起動検出器119を通じて、低圧段圧縮機105が起動したことを検出すると(ステップS25)、低圧段圧縮機105と蒸発器104とを接続するように三方弁133を制御する(ステップS26)。これにより、蒸発器104から低圧段圧縮機105へと流路106eを通じて冷媒が供給される。また、実施の形態1と同様の理由により、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112の開度を調整する(ステップS27)。また、バイパス弁202を閉じる。その後、定常運転に移行する。
<冷凍サイクル装置200の効果>
本変形例によれば、実施の形態1で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によると、コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動前、膨張機103の吸入口と吐出口との間に当該膨張機103の起動に必要な圧力差を生じさせることができる範囲内の開度でバイパス弁202を開く。すなわち、バイパス弁202を少し開いた状態で、動力回収システム109の起動を試みる。コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後、バイパス弁202を閉じる。これにより、動力回収システム109が起動した直後に、膨張機103の前後の圧力差が急減することを防止できる。したがって、動力回収システム109の動作を継続するための駆動力を十分に確保しつつ、スムーズに定常運転に移行することができる。
本変形例によれば、実施の形態1で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によると、コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動前、膨張機103の吸入口と吐出口との間に当該膨張機103の起動に必要な圧力差を生じさせることができる範囲内の開度でバイパス弁202を開く。すなわち、バイパス弁202を少し開いた状態で、動力回収システム109の起動を試みる。コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後、バイパス弁202を閉じる。これにより、動力回収システム109が起動した直後に、膨張機103の前後の圧力差が急減することを防止できる。したがって、動力回収システム109の動作を継続するための駆動力を十分に確保しつつ、スムーズに定常運転に移行することができる。
(変形例2)
図5は、変形例2における冷凍サイクル装置300の構成図である。図5に示すように、冷凍サイクル装置300は、起動検出器119として、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度を検出する温度検出器を用いている点で実施の形態1と相違する。本変形例において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5は、変形例2における冷凍サイクル装置300の構成図である。図5に示すように、冷凍サイクル装置300は、起動検出器119として、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度を検出する温度検出器を用いている点で実施の形態1と相違する。本変形例において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
起動検出器119として温度検出器を使用した場合、例えば、実験的または理論的に求められた閾値T2がコントローラ117に予め設定される。温度検出器によって検出された現在の温度から単位時間遡った時点に温度検出器によって検出された温度を引いた値が所定の閾値T2を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
高圧段圧縮機101が起動した後であって膨張機103が起動する前までの期間において、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度は低い。低圧段圧縮機105が動き始めると、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度は急激に上昇する。冷凍サイクル装置100の用途、運転条件等にも依存するが、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度変化は、例えば10℃前後である。この温度変化を捉えることで、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出できる。具体的には、単位時間毎に低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度Tを検出してコントローラ117のメモリに格納する。そして、直近の過去にメモリに格納された温度Tn(n:自然数)と、現在の温度Tn+1とを比較する。現在の温度Tn+1が直近の過去の温度Tnを大きく上回った場合、言い換えれば、(Tn+1−Tn)>T2を満足した場合、膨張機103または低圧段圧縮機105が起動したものと判断できる。なお、「単位時間」は、温度Tの急激な減少を捉えるのに十分な時間、例えば、1〜5秒の範囲で任意に設定することができる。
低圧段圧縮機105が起動すると、高圧導入流路130からの高圧高温の冷媒が低圧段圧縮機105に吸入される。流路106fの圧力は低いので、低圧段圧縮機105は一時的に膨張機として機能する。低圧段圧縮機105で膨張した冷媒が流路106fに吐出される。高圧段圧縮機101で圧縮されて再び低圧段圧縮機105で膨張した冷媒は、高圧段圧縮機101および低圧段圧縮機105のそれぞれで生じる損失分に相当するエンタルピーを獲得する。すなわち、流路106fに存在する冷媒が、高圧段圧縮機101および低圧段圧縮機105を経て再び流路106fに戻ると、冷媒のエンタルピーが増えた分だけ冷媒の温度が上昇する。温度検出器は、この温度上昇と閾値T2とを比較することにより、低圧段圧縮機105が起動したことを検出する。
<冷凍サイクル装置300の効果>
本変形例によると、実施の形態1で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例では、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度に基づいて起動検出を行う。これにより、動力回収システム109の起動を確実に捉えることができるため、速やかに定常運転へと移行することができる。
本変形例によると、実施の形態1で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例では、低圧段圧縮機105の吐出口における冷媒の温度に基づいて起動検出を行う。これにより、動力回収システム109の起動を確実に捉えることができるため、速やかに定常運転へと移行することができる。
(実施の形態2)
<冷凍サイクル装置400の構成>
図8は、実施の形態2における冷凍サイクル装置400の構成図である。図8に示すように、冷凍サイクル装置400は、高圧導入流路130、開閉弁131および逆止弁132が省略されている点で実施の形態1と相違する。本実施の形態において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<冷凍サイクル装置400の構成>
図8は、実施の形態2における冷凍サイクル装置400の構成図である。図8に示すように、冷凍サイクル装置400は、高圧導入流路130、開閉弁131および逆止弁132が省略されている点で実施の形態1と相違する。本実施の形態において、実施の形態1と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、実施の形態1と異なる起動制御が行われる。すなわち、冷凍サイクル装置400の起動時においては、膨張弁110を全閉にする。これにより、低圧段圧縮機105の吸入口での圧力が、待機状態(高圧段圧縮機101の起動前)の圧力に維持される。高圧段圧縮機101を起動すると、膨張機103の吸入口と吐出口との間に圧力差が生じる。同様に、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間に圧力差が生じる。その結果、動力回収システム109が起動する。
冷凍サイクル装置400の起動時において、インジェクション流量調整弁112の開度は全開または略全開とされる。起動時にインジェクション流量調整弁112を開くと、流路106c、気液分離器108および流路106dの一部に存在する冷媒を高圧段圧縮機101が吸入できる。これにより、主冷媒回路106の高圧側の圧力を速やかに上昇させることができる。特に、本実施の形態では、気液分離器108が設けられているので、停止時に膨張機103の吐出口から膨張弁110までの間に十分な量の冷媒を溜めることができる。
本実施の形態において、コントローラ117は、起動検出器119の検出結果に基づいて膨張弁110を制御する。具体的には、冷凍サイクル装置400の起動時に膨張弁110を全閉にする。これにより、低圧段圧縮機105の吸入口での圧力が低圧段圧縮機105の吐出口での圧力にインジェクション流路111を介して等しくなることを阻止できる。他方、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後、コントローラ117は膨張弁110を開く。例えば、低圧段圧縮機105が起動したことを表す信号を起動検出器119から取得することに応じて、コントローラ117は膨張弁110を全開にする。
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した方法により、動力回収システム109の起動を検出できる。検出結果に応じて、膨張弁110の制御を起動前の制御から起動後の制御へと切り替えることができる。このようにすれば、膨張弁110を開いた後も動力回収システム109は安定して動作し続ける。
本実施の形態では、さらに、起動検出器119として、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの主冷媒回路106の部分(流路106dの一部、蒸発器104、流路106e)における冷媒の温度を検出する温度検出器を使用できる。この場合、待機状態(高圧段圧縮機101の起動前)で温度検出器によって検出された温度と、温度検出器によって検出された現在の温度との差が所定の閾値T0を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。典型的には、起動検出器119として、蒸発器104における冷媒の蒸発温度を検出する温度検出器を使用できる。
同様に、起動検出器119として、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの主冷媒回路106の部分における冷媒の圧力を検出する圧力検出器を使用できる。待機状態で圧力検出器によって検出された圧力と、圧力検出器によって検出された現在の圧力との差が所定の閾値P0を上回った場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動が検出される。
動力回収システム109が起動すると、低圧段圧縮機105は、蒸発器104に存在する冷媒を吸入する。これにより、蒸発器104内の温度および圧力が低下する。実験的または理論的な手法で最適な閾値T0または閾値P0を見出し、コントローラ117に予め設定する。膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの流路(低圧側流路)内の温度変化を閾値T0と比較することによって、動力回収システム109の起動を検出できる。同様に、低圧側流路内の圧力変化を閾値P0と比較することによって、動力回収システム109の起動を検出できる。
本実施の形態においても、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出する方法は1つに限定されず、複数の方法を組み合わせて実施できる。例えば、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの主冷媒回路106の部分における冷媒の温度または圧力を監視する方法で膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を正確に捉える。その後、温度差△Tを閾値T1と比較する方法、圧力差ΔPを閾値P1と比較する方法、または、経過時間tを閾値時間t1と比較する方法で、動力回収システム109が動作を継続できる状態にあるかどうかを判断する。これら複数の条件を満足した場合に、膨張機103または低圧段圧縮機105が起動したものと判断し、膨張弁110を開く。
<冷凍サイクル装置400の動作>
図9は、冷凍サイクル装置400の起動制御のフロー図である。冷凍サイクル装置400は、図9に示す起動制御の実行後、定常運転を開始する。運転待機状態において、高圧段圧縮機101は停止し、膨張弁110およびインジェクション弁112は開いており、主冷媒回路106内の冷媒の圧力は略均一である。
図9は、冷凍サイクル装置400の起動制御のフロー図である。冷凍サイクル装置400は、図9に示す起動制御の実行後、定常運転を開始する。運転待機状態において、高圧段圧縮機101は停止し、膨張弁110およびインジェクション弁112は開いており、主冷媒回路106内の冷媒の圧力は略均一である。
ステップST11において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110を閉じる(全閉にする)ように、膨張弁110のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST12)。
次に、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を起動するべく、モータ101bへの給電を開始する(ステップST13)。これにより、高圧段圧縮機101が起動し、中間圧流路106f、インジェクション流路111、流路106c、気液分離器108、および、流路106dの一部(気液分離器108と膨張弁110との間の部分)に存在する冷媒が高圧段圧縮機101に吸入される。なお、高圧段圧縮機101の起動前に膨張弁110を閉じる代わりに、高圧段圧縮機101の起動に応じて膨張弁110を閉じてもよい。
高圧段圧縮機101の起動に応じて、冷媒と熱交換するべき流体(空気または水)を放熱器102に流すためのファンまたはポンプを起動させる。これにより、サイクルの高圧の過度な上昇を防止できる。蒸発器104のファンまたはポンプに関しては、高圧段圧縮機101の起動に応じて起動させてもよいし、膨張弁110を開いた後で起動させてもよい。低圧段圧縮機105の吸入口での圧力を待機状態の圧力に維持する観点では、後者が推奨される。
高圧段圧縮機101への冷媒の吸入が開始されると、中間圧流路106f等の内部の圧力が低下する。他方、高圧段圧縮機101で圧縮された冷媒が吐出されるため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路(流路106a、放熱器102および流路106b)で圧力が上昇する。他方、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの流路(流路106dの一部、蒸発器104、流路106e)内の冷媒の圧力は、冷凍サイクル装置400の停止時における冷媒回路106内の圧力に保たれる。
その結果、図14Aに示すように、膨張機103の吸入口と吐出口との間だけでなく、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも、圧力差を生じさせることができる。冷媒の圧力差が、膨張機103および低圧段圧縮機105の各々に作用するので、動力回収システム109を容易に自立起動させることができる。インジェクション流路111および気液分離器108が設けられているため、高圧段圧縮機101は、高い圧力差を生じさせるのに十分な量の冷媒を吸入できる。
コントローラ117は、起動検出器119を通じて、低圧段圧縮機105が起動したことを検出すると(ステップST14)、膨張弁110を全開(または略全開)にするように膨張弁110のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST15)。これにより、膨張機103で減圧された気液二相の冷媒が気液分離器108に供給される。図9に示す起動制御の終了後、冷凍サイクル装置400は、主冷媒回路106に冷媒を循環させる定常運転に移行する。定常運転では、インジェクション流路111および流路106fを通じて高圧段圧縮機101に過剰な液冷媒が供給されないように、膨張弁110およびインジェクション流量調整弁112の開度が調整される。
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した方法に基づき、冷凍サイクル装置400の運転を停止することができる。
<冷凍サイクル装置400の効果>
本実施の形態によれば、冷凍サイクル装置400の起動時において、気液分離器108内の冷媒を高圧段圧縮機101が吸入および圧縮できる。そのため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力を速やかに上昇させうる。膨張機103の吸入口と吐出口との間に大きい圧力差が生じるので、動力回収システム109がスムーズに自立起動する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクル装置400の起動時において、気液分離器108内の冷媒を高圧段圧縮機101が吸入および圧縮できる。そのため、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力を速やかに上昇させうる。膨張機103の吸入口と吐出口との間に大きい圧力差が生じるので、動力回収システム109がスムーズに自立起動する。
さらに、膨張弁110を閉じることにより、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの流路内の冷媒の圧力を冷凍サイクル装置400の停止時における冷媒回路106内の圧力に保つことができる。そのため、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも圧力差が生じる。このことは、動力回収システム109のよりスムーズな自立起動に貢献する。本実施の形態では、低圧段圧縮機105および膨張機103は、ぞれぞれ、一定の吸入容積を有する。特に、低圧段圧縮機105の吸入容積が膨張機103の吸入容積よりも大きい場合、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間に圧力差を生じさせることにより、動力回収システム109がよりスムーズに起動する。
なお、高圧段圧縮機101の起動後、膨張機103または低圧段圧縮機105の起動を検出することなく所定条件を満足した場合、動力回収システム109の起動に失敗したものと判断できる。動力回収システム109が起動しなかった場合、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を停止させ、動力回収システム109を起動させるための制御を再度実行する。すなわち、起動失敗を検出した場合、膨張弁110を一旦全開にする。その後、図9を参照して説明した起動制御を実行する。このようにすれば、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路内の圧力が過度に上昇することを防止できる。膨張機103の前後に過大な圧力差が生じ、それにより、膨張機103の部品にダメージが及ぶことを防止できる。これにより、冷凍サイクル装置400の信頼性が向上する。
動力回収システム109の起動失敗を検出するための方法は特に限定されない。例えば、高圧段圧縮機101の起動後、膨張弁110から低圧段圧縮機105の吸入口までの流路(低圧側流路)内、例えば、蒸発器104内の現在の冷媒の温度(または圧力)を検出する。検出された温度(または圧力)と、基準温度(または基準圧力)との差が、一定時間内に所定の閾値に到達しない場合、動力回収システム109の起動に失敗したものと判断できる。閾値として、前述した閾値T0または閾値P0を使用できる。基準温度(または基準圧力)として、高圧段圧縮機101の起動前における、蒸発器104内の冷媒の温度(または圧力)を使用できる。また、高圧段圧縮機101の起動後、動力回収システム109の起動を検出することなく一定時間が経過した場合、動力回収システム109の起動に失敗したものと判断できる。また、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの流路(高圧側流路)内の温度または圧力を検出し、検出した温度または圧力と、高圧段圧縮機101の起動前の高圧側流路における温度または圧力との差に基づき、動力回収システム109の起動に失敗したかどうかを判断することも可能である。
(変形例3)
<冷凍サイクル装置500の構成>
図10は、変形例3における冷凍サイクル装置500の構成図である。図10に示すように、冷凍サイクル装置500は、バイパス流路201およびバイパス弁202を備えている。その他の構成は、実施の形態2と同じである。本変形例において、実施の形態2と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<冷凍サイクル装置500の構成>
図10は、変形例3における冷凍サイクル装置500の構成図である。図10に示すように、冷凍サイクル装置500は、バイパス流路201およびバイパス弁202を備えている。その他の構成は、実施の形態2と同じである。本変形例において、実施の形態2と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
バイパス流路201は、膨張機103をバイパスするように、主冷媒回路106に接続されている。バイパス流路201の上流端E3は流路106bに位置し、下流端E4は流路106cに位置している。バイパス弁202は、バイパス流路201に設けられている。バイパス流路201は、典型的には、冷媒配管で構成されている。バイパス弁202として、開度を段階的に変化させることが可能であって、冷媒を膨張させる能力を有する弁、典型的には電動膨張弁を用いることが好ましい。
起動検出器119の素子部分は流路106bに設けられている。バイパス流路201の上流端E3から見て、起動検出器119の素子部分が放熱器102の側に位置していてもよいし、膨張機103の側に位置していてもよい。
<冷凍サイクル装置500の動作>
図11は、冷凍サイクル装置500の起動制御のフロー図である。ステップST21において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110を全閉、かつ、バイパス弁202を所定の開度にするように、これらの弁110および202のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST22)。ここで、「バイパス弁202の所定の開度」とは、膨張機103の吸入口と吐出口との間の圧力差を、膨張機103を起動させるのに必要な大きさに保てる範囲内の開度を意味する。この「所定の開度」は、実験的または理論的に求めることができる。要するに、膨張機103の前後の圧力差が小さくなりすぎないように、バイパス弁202を少しだけ開く。
図11は、冷凍サイクル装置500の起動制御のフロー図である。ステップST21において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110を全閉、かつ、バイパス弁202を所定の開度にするように、これらの弁110および202のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST22)。ここで、「バイパス弁202の所定の開度」とは、膨張機103の吸入口と吐出口との間の圧力差を、膨張機103を起動させるのに必要な大きさに保てる範囲内の開度を意味する。この「所定の開度」は、実験的または理論的に求めることができる。要するに、膨張機103の前後の圧力差が小さくなりすぎないように、バイパス弁202を少しだけ開く。
次に、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を起動するべく、モータ101bへの給電を開始する(ステップST23)。これにより、高圧段圧縮機101が起動し、中間圧流路106f、インジェクション流路111、流路106c、気液分離器108、流路106dの一部に存在する冷媒が高圧段圧縮機101に吸入される。
高圧段圧縮機101への冷媒の吸入が開始されると、図14Aを参照して実施の形態2で説明したように、膨張機103の吸入口と吐出口との間だけでなく、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも、圧力差を生じさせることができる。冷媒の圧力差が、膨張機103および低圧段圧縮機105の各々に作用するので、動力回収システム109を容易に自立起動させることができる。
コントローラ117は、起動検出器119を通じて、低圧段圧縮機105が起動したことを検出すると(ステップST24)、膨張弁110を全開(または略全開)にするように膨張弁110のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST25)。また、バイパス弁202を全閉にするように、バイパス弁202のアクチュエータに制御信号を送信する。
<冷凍サイクル装置500の効果>
本変形例によれば、実施の形態2で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によると、コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動前、膨張機103の吸入口と吐出口との間に当該膨張機103の起動に必要な圧力差を生じさせることができる範囲内の開度でバイパス弁202を開く。すなわち、バイパス弁202を少し開いた状態で、動力回収システム109の起動を試みる。コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後、バイパス弁202を閉じる。これにより、動力回収システム109が起動した直後に、膨張機103の前後の圧力差が急減することを防止できる。したがって、動力回収システム109の動作を継続するための駆動力を十分に確保しつつ、スムーズに定常運転に移行することができる。
本変形例によれば、実施の形態2で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によると、コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動前、膨張機103の吸入口と吐出口との間に当該膨張機103の起動に必要な圧力差を生じさせることができる範囲内の開度でバイパス弁202を開く。すなわち、バイパス弁202を少し開いた状態で、動力回収システム109の起動を試みる。コントローラ117は、膨張機103および低圧段圧縮機105の起動後、バイパス弁202を閉じる。これにより、動力回収システム109が起動した直後に、膨張機103の前後の圧力差が急減することを防止できる。したがって、動力回収システム109の動作を継続するための駆動力を十分に確保しつつ、スムーズに定常運転に移行することができる。
(変形例4)
<冷凍サイクル装置600の構成>
図12は、変形例4における冷凍サイクル装置600の構成図である。図12に示すように、冷凍サイクル装置600は、バイパス流路301およびバイパス弁302を備えている。その他の構成は、実施の形態2と同じである。本変形例において、実施の形態2と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<冷凍サイクル装置600の構成>
図12は、変形例4における冷凍サイクル装置600の構成図である。図12に示すように、冷凍サイクル装置600は、バイパス流路301およびバイパス弁302を備えている。その他の構成は、実施の形態2と同じである。本変形例において、実施の形態2と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
バイパス流路301は、流路106bと流路106dとを連絡するように、主冷媒回路106に接続されている。バイパス弁302は、バイパス流路301に設けられており、バイパス流路301における冷媒の流れを制御する。バイパス流路301は、典型的には、冷媒配管で構成されている。バイパス弁302としては、開閉弁を使用できる。
具体的に、バイパス流路301は、放熱器102の出口から膨張機103の吸入口までの主冷媒回路106の部分(流路106b)に位置している上流端E5と、膨張弁110から蒸発器104の入口までの主冷媒回路106の部分(流路106dの一部)に位置している下流端E6とを有している。バイパス流路301によれば、流路106b内の高圧冷媒を低圧段圧縮機105の吸入口に直接導くことができる。
低圧段圧縮機105の吸入口での圧力を高めることができる限りにおいて、上流端E5および下流端E6の位置は図12に示す位置に限定されない。すなわち、高圧段圧縮機101の吐出口から膨張機103の吸入口までの主冷媒回路106の部分と、膨張機110から低圧段圧縮機105の吸入口までの主冷媒回路106の部分と、を連絡できる限りにおいて、上流端E5の位置は特に限定されない。具体的に、バイパス流路301は、流路106aと流路106eとを連絡するように、主冷媒回路106に接続されていてもよい。場合によっては、バイパス流路301が放熱器102から分岐していてもよい。例えば、放熱器102が上流側部分と下流側部分とで構成されている場合には、その2つの部分の間からバイパス流路301を容易に分岐させうる。
<冷凍サイクル装置600の動作>
図13は、冷凍サイクル装置600の起動制御のフロー図である。ステップST31において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110を全閉、かつ、バイパス弁302を全開にするように、これらの弁110および302のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST32)。
図13は、冷凍サイクル装置600の起動制御のフロー図である。ステップST31において起動指令が入力されると、コントローラ117は、膨張弁110を全閉、かつ、バイパス弁302を全開にするように、これらの弁110および302のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST32)。
次に、コントローラ117は、高圧段圧縮機101を起動するべく、モータ101bへの給電を開始する(ステップST33)。これにより、高圧段圧縮機101が起動し、中間圧流路106f、インジェクション流路111、流路106c、気液分離器108、流路106dの一部に存在する冷媒が高圧段圧縮機101に吸入される。
高圧段圧縮機101への冷媒の吸入が開始されると、図14Bに示すように、膨張機103の吸入口と吐出口との間だけでなく、低圧段圧縮機105の吸入口と吐出口との間にも、大きい圧力差を生じさせることができる。冷媒の圧力差が、膨張機103および低圧段圧縮機105の各々に作用するので、動力回収システム109を容易に自立起動させることができる。特に、本変形例によれば、バイパス流路301およびバイパス弁302の働きにより、低圧段圧縮機105の吸入口での圧力を上昇させることができる。
コントローラ117は、起動検出器119を通じて、低圧段圧縮機105が起動したことを検出すると(ステップST34)、膨張弁110を全開(または略全開)にするように膨張弁110のアクチュエータに制御信号を送信する(ステップST35)。また、バイパス弁302を全閉にするように、バイパス弁302のアクチュエータに制御信号を送信する。
<冷凍サイクル装置600の効果>
本変形例によれば、実施の形態2で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によれば、バイパス流路301を通じて低圧段圧縮機105の吸入口での圧力も上昇させうる。したがって、低圧段圧縮機105に与えられる駆動トルクが増加し、よりスムーズに動力回収システム109を起動することが可能となる。
本変形例によれば、実施の形態2で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。本変形例によれば、バイパス流路301を通じて低圧段圧縮機105の吸入口での圧力も上昇させうる。したがって、低圧段圧縮機105に与えられる駆動トルクが増加し、よりスムーズに動力回収システム109を起動することが可能となる。
各実施の形態および変形例で説明した種々の要素は、それぞれ、技術的な矛盾を生じない限り、他の実施の形態および変形例に自由に適用できる。例えば、変形例2で説明した三方弁133(図3参照)を実施の形態1および変形例2に適用できる。
本発明の冷凍サイクル装置は、給湯機、空気調和装置、乾燥機等の機器に有用である。
Claims (16)
- 冷媒を圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高圧段圧縮機と、前記高圧段圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張させつつ冷媒から動力を回収し、回収した動力が前記低圧段圧縮機に伝達されるように前記低圧段圧縮機に軸で連結された膨張機と、前記膨張機で膨張した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、を有する主冷媒回路と、
前記気液分離器で分離されたガス冷媒を前記低圧段圧縮機の吐出口から前記高圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に導くインジェクション流路と、
前記高圧段圧縮機の吐出口から前記膨張機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、前記蒸発器の出口から前記低圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分と、を連絡する高圧導入流路と、
前記蒸発器または前記高圧導入流路から前記低圧段圧縮機に冷媒が導かれるように、前記蒸発器および前記高圧導入流路から選ばれる1つを前記低圧段圧縮機に選択的に接続する流路切替機構と、
前記膨張機および前記低圧段圧縮機の起動前は前記高圧導入流路から前記低圧段圧縮機に冷媒が導かれるように前記流路切替機構を制御し、前記膨張機および前記低圧段圧縮機の起動後は前記蒸発器から前記低圧段圧縮機に冷媒が導かれるように前記流路切替機構を制御するコントローラと、
を備え、
前記膨張機および前記低圧段圧縮機の起動前において、前記高圧段圧縮機の吐出圧力が前記低圧段圧縮機の吸入口および前記膨張機の吸入口に加わり、前記高圧段圧縮機の吸入圧力が前記低圧段圧縮機の吐出口および前記膨張機の吐出口に加わる、冷凍サイクル装置。 - 前記高圧導入流路が、前記高圧段圧縮機の吐出口から前記放熱器の入口までの前記主冷媒回路の部分に接続された上流端を有する、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記高圧導入流路が、前記蒸発器の出口から前記低圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に接続された下流端を有し、
前記流路切替機構は、前記高圧導入流路に設けられた開閉弁と、前記蒸発器の出口から前記高圧導入流路の下流端までの前記主冷媒回路の部分に設けられ、前記高圧導入流路から前記蒸発器に向かう冷媒の流れを遮断できる弁と、で構成されている、請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記高圧導入流路が、前記蒸発器の出口から前記低圧段圧縮機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に接続された下流端を有し、
前記流路切替機構は、前記高圧導入流路の下流端に設けられた三方弁で構成されている、請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動を検出する起動検出器をさらに備え、
前記コントローラは、前記起動検出器の検出結果に基づいて前記流路切替機構の制御を起動前の制御から起動後の制御へと切り替える、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記高圧段圧縮機の起動時点からの経過時間を計測するタイマを含み、
前記タイマによって計測された時間が所定の閾値時間を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記膨張機の吸入口における冷媒の温度と、前記膨張機の吐出口における冷媒の温度との差を検出する温度検出器を含み、
前記温度検出器によって検出された温度差が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記膨張機の吸入口における冷媒の圧力と、前記膨張機の吐出口における冷媒の圧力との差を検出する圧力検出器を含み、
前記圧力検出器によって検出された圧力差が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記膨張機の吸入口における冷媒の圧力と、前記膨張機の吐出口における冷媒の圧力との差を検出する圧力検出器を含み、
単位時間遡った時点に前記圧力検出器によって検出された圧力差から、前記圧力検出器によって検出された現在の圧力差を引いた値が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記膨張機の吸入口における冷媒の温度と、前記膨張機の吐出口における冷媒の温度との差を検出する温度検出器を含み、
単位時間遡った時点に前記温度検出器によって検出された温度差から、前記温度検出器によって検出された現在の温度差を引いた値が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記放熱器の出口から前記膨張機の吸入口までの前記主冷媒回路の部分に設けられたPTCヒータを含み、
前記PTCヒータを流れる電流の単位時間あたりの変化量が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記起動検出器は、前記低圧段圧縮機の吐出口における冷媒の温度を検出する温度検出器であり、
前記温度検出器によって検出された現在の温度から単位時間遡った時点に前記温度検出器によって検出された温度を引いた値が所定の閾値を上回った場合に、前記膨張機または前記低圧段圧縮機の起動が検出される、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記コントローラは、前記膨張機および前記低圧段圧縮機が起動しなかった場合、前記高圧段圧縮機を停止させ、前記膨張機および前記低圧段圧縮機を起動させるための制御を再度実行する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記膨張機と前記低圧段圧縮機とが1つの密閉容器に収容されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記膨張機をバイパスするバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられたバイパス弁と、をさらに備え、
前記コントローラは、前記膨張機および前記低圧段圧縮機の起動前、所定の開度で前記バイパス弁を開き、前記膨張機および前記低圧段圧縮機の起動後、前記バイパス弁を閉じる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記膨張機および前記低圧段圧縮機は、ぞれぞれ、一定の吸入容積を有し、
前記低圧段圧縮機の吸入容積が前記膨張機の吸入容積よりも大きい、請求項1〜15のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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