JP2009079149A - エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法 - Google Patents

エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009079149A
JP2009079149A JP2007250102A JP2007250102A JP2009079149A JP 2009079149 A JP2009079149 A JP 2009079149A JP 2007250102 A JP2007250102 A JP 2007250102A JP 2007250102 A JP2007250102 A JP 2007250102A JP 2009079149 A JP2009079149 A JP 2009079149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
emulsion fuel
electrolytic
fuel
electrolytic cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007250102A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Goto
定雄 後藤
Toshikazu Matsuno
年一 松野
Hitoshi Sugi
仁志 杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MEG KK
Original Assignee
MEG KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MEG KK filed Critical MEG KK
Priority to JP2007250102A priority Critical patent/JP2009079149A/ja
Publication of JP2009079149A publication Critical patent/JP2009079149A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Abstract

【課題】乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができるエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法を提供する。
【解決手段】電解槽内に設けられて電解槽内の水を電気分解するための一対の電極を有する電気分解手段を有し、電解槽内の水を電気分解して生成した電解還元水を供給する電解還元水供給部20と、燃料油を供給する燃料油供給部10と、電解還元水供給部と燃料油供給部とに接続されて、電解還元水と燃料油とを混合してエマルション燃料を生成するエマルション燃料生成部30と、電解槽内の水の酸化還元電位に対するその水の表面張力が極小値近傍となるように一対の電極間を流れる電流を制御する制御部40とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法に関する。
石炭や石油等の化石燃料などを燃焼させると、煤塵やNOXなどが発生し、大気汚染の原因となることが知られている。このような大気汚染原因物質は、燃焼の際の酸素量の過不足や、燃焼温度が高くなり過ぎることなどによって発生し易くなるので、燃焼温度を低く保ちながら完全燃焼させることが解決方法の1つであるとされている。そして、この解決方法の1つとして、燃料油をそのまま燃焼させるのではなく、燃料油と水とを混合してエマルション化し、エマルション燃料として燃焼させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
このようなエマルション燃料は、高温場に液滴状態で噴霧されると、エマルション燃料液滴中の水分が急速加熱されて爆発(ミクロ爆発)し、エマルション燃料液滴が微粒子化される。その結果、高速で高効率の燃焼が実現されるので、一酸化炭素や煤塵の生成を抑制することができると共に、エマルション燃料中の水分の蒸発によって火炎温度が低下するので、排ガス中のNOXの量を低減することができる。
特開2003−155487号公報
しかしながら、従来のエマルション燃料は、燃料油と水とのエマルション状態を保持するために、高価な界面活性剤などの乳化剤を、燃料油と水との混合液の質量に対して数パーセント添加する必要があった。その結果、エマルション燃料自体の価格が高くなってしまい、ボイラーなど燃焼装置の燃料としてエマルション燃料を用いることができないという問題があった。また、乳化剤を数パーセント添加すると、その乳化剤がエマルション燃料の燃焼に悪影響を及ぼしてしまうという問題や、その乳化剤が燃焼することによって、大気汚染原因物質が生成してしまうという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑み、乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができるエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、pHが高い領域(pHが7より大きい領域)において、水における酸化還元電位と表面張力との間の関係について鋭意研究を続けたところ、図2に示すように、水の表面張力は、酸化還元電位が低下するにつれて小さくなり、ある値を超えて酸化還元電位がさらに低下すると大きくなる傾向を有するという現象を発見した。すなわち、本発明者は、pHが高い領域において、水の酸化還元電位(ORP)に対して水の表面張力が極小値を有することを発見した。
そして、本発明者は、その水の表面張力の極小値と燃料油の表面張力との差であれば、乳化剤を添加しなくても、燃料として利用できる十分な時間、燃料油と水とのエマルジョン状態を維持できるとの知見を得た。
かかる知見に基づく本発明の第1の態様は、電解槽内に設けられて該電解槽内の水を電気分解するための一対の電極を有する電気分解手段を有し、前記電解槽内の水を電気分解して生成した電解還元水を供給する電解還元水供給部と、燃料油を供給する燃料油供給部と、前記電解還元水供給部と前記燃料油供給部とに接続されて、前記電解還元水と前記燃料油とを混合してエマルション燃料を生成するエマルション燃料生成部と、前記電解槽内の水の酸化還元電位に対するその水の表面張力が極小値近傍となるように前記一対の電極間を流れる電流を制御する制御部とを具備することを特徴とするエマルション燃料製造装置にある。
かかる第1の態様では、表面張力が小さい電解還元水を生成すると共にその電解還元水と燃料油と混合してエマルション化させることができるので、乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができる。
第2の態様は、前記電解還元水供給部は、前記電解槽内の水量を調整する水量調整手段をさらに有し、前記制御手段は、前記電気分解手段と前記水量調整手段とに接続されて、前記電解槽内の水の酸化還元電位に対するその水の表面張力が極小値近傍となるように前記一対の電極間を流れる電流及び前記電解水槽内の水量の少なくとも何れか一方を制御することを特徴とする第1の態様に記載のエマルション燃料製造装置にある。
かかる第2の態様では、一対の電極間を流れる電流と電解槽内の水量を調整することによって、電解槽内の水の酸化還元電位を容易に制御することができるので、燃料油と水とからなるエマルション燃料を安定化させることができる。
本発明の第3の態様は、前記電解還元水供給部は、前記電解槽内の水のpHを調整するpH調整手段をさらに有し、前記制御手段は、前記電解槽内の水のpHが所定の値となるように前記pH調整手段をさらに制御することを特徴とする第1又は第2の態様に記載のエマルション燃料製造装置にある。
かかる第3の態様では、電解槽内の水のpHを所定の値に保持することができるので、燃料油と水とからなるエマルション燃料をより安定化させることができる。
本発明の第4の態様は、前記エマルション燃料生成部に接続されて、前記エマルション燃料部により生成されたエマルション燃料に超音波を照射して前記エマルション燃料を微細化する超音波照射部をさらに具備することを特徴とする第1〜3の態様の何れか1つに記載のエマルション燃料製造装置にある。
かかる第4の態様では、エマルション燃料生成部により生成されたエマルション燃料を微細化することができるので、より安定化したエマルション燃料を製造することができる。
本発明の第5の態様は、前記一対の電極間を流れる電流は、前記電解槽内の水の酸化還元電位が−400mV〜−100mVの範囲となるような値であることを特徴とする第1〜4の態様の何れか1つに記載のエマルション燃料製造装置にある。
かかる第5の態様では、より表面張力が小さい酸化還元水を生成することができるので、安定化したエマルション燃料を製造することができる。
本発明の第6の態様は、前記電解槽内の水を電気分解した際に得られる酸素及び水素をエマルション燃料燃焼装置に供給することを特徴とする第1〜5の態様の何れか1つに記載のエマルション燃料製造装置にある。
かかる第6の態様では、エマルション燃料燃焼装置でエマルション燃料の燃焼における酸欠状態を防止することができると共に、エマルション燃料の着火性を向上させることができる。
本発明の第7の態様は、酸化還元電位に対する表面張力が極小値近傍となる状態で水を電気分解して電解還元水を生成する電解還元水生成工程と、前記電解還元水と燃料油とを混合してエマルション燃料を生成するエマルション燃料生成工程とを具備することを特徴とするエマルション燃料の製造方法にある。
かかる第7の態様では、表面張力が小さい電解還元水を生成すると共にその電解還元水と燃料油と混合してエマルション化させることができるので、乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができる。
本発明の第8の態様は、前記エマルション燃料に超音波を照射して前記エマルション燃料を微細化する超音波照射工程をさらに具備することを特徴とする第7の態様に記載のエマルション燃料の製造方法にある。
かかる第8の態様では、エマルション燃料生成部により生成されたエマルション燃料を微細化することができるので、より安定化したエマルション燃料を製造することができる。
本発明の第9の態様は、前記電解還元水生成工程において、水を電気分解した際に得られる酸素及び水素をエマルション燃料燃焼装置に供給することを特徴とする第7又は8の態様に記載のエマルション燃料の製造方法にある。
かかる第9の態様では、エマルション燃料燃焼装置でエマルション燃料の燃焼における酸欠状態を防止することができると共に、エマルション燃料の着火性を向上させることができる。
本発明に係るエマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法によれば、乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができる。その結果、エマルション燃料自体の価格の上昇を抑えることができ、安価なエマルション燃料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るエマルション燃料製造装置を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係るエマルション燃料製造装置1は、燃料油を供給する燃料油供給部10と、水を電気分解して電解還元水を生成すると共にその電解還元水を供給する電解還元水供給部20とを具備している。そして、燃料油供給部10及び電解還元水供給部20は、各供給管310,320を介してエマルション燃料生成部30にそれぞれ接続されている。各供給管310,320には、各供給管310,320を流れる燃料油又は電解還元水の流量を調整する各制御弁311,321がそれぞれ設けられ、各制御弁311,321は、電解還元水供給部20に接続された制御部40にそれぞれ接続されている。なお、電解還元水供給部20には、電解還元水供給部20で生成された水素及び酸素を供給するための各供給管201,202がそれぞれ接続されている。
そして、燃料油供給部10から供給された燃料油と、電解還元水供給部20から供給された電解還元水とは、エマルション燃料生成部30によって混合してエマルション化され、エマルション燃料としてボイラーなどのエマルション燃料燃焼装置に供給される。
ここで、従来のエマルション燃料製造装置では、単に燃料油と水とを混合してエマルション燃料を生成したとしても、燃料油と水とがすぐに分離してしまい、燃料油と水とのエマルション状態を保持することができない。そこで、従来のエマルション燃料製造装置では、そのエマルション状態を保持するために、燃料油と水との混合液の質量に対して数パーセントに相当する界面活性剤などの乳化剤を添加しなければならなかった。
これに対して、詳細は後述するが、本実施形態に係るエマルション燃料製造装置では、燃料油と表面張力が小さい電解還元水とを混合しているので、乳化剤を添加することなく、燃料として利用できる十分な時間、燃料油と水とのエマルション状態を維持できるエマルション燃料を生成することができる。その結果、エマルション燃料自体の価格の上昇を抑えることができ、安価なエマルション燃料を提供することができる。また、乳化剤が添加されていないので、燃焼する際に乳化剤が燃焼することによる悪影響を及ぼすことがなく、かつ乳化剤が燃焼することにより大気汚染物質が生成することがない好適なエマルション燃料を製造することができる。
なお、エマルション燃料製造装置1は、ボイラーなどのエマルション燃料燃焼装置に接続されると共に、そのエマルション燃料燃焼装置と同期して使用されるものである。そして、エマルション燃料製造装置1により製造されたエマルション燃料は、エマルション燃料燃焼装置の火炉に直接投入されるか、エマルション燃料燃焼装置の燃料タンクなどに一時的に貯留された後、その火炉に投入されるものである。したがって、上述した「燃料として利用できる十分な時間」とは、エマルション燃料が製造されてからこのエマルション燃料製造装置1に接続されたエマルション燃料燃焼装置の火炉に投入されるまでの時間をいう。
また、詳細は後述するが、本実施形態の電解還元水供給部20では、電解還元水と共に高純度の酸素(O2)と水素(H2)を生成することができるので、酸素を支燃剤、水素を煤塵が発生しない燃料及び着火剤として、エマルション燃料燃焼装置に供給することができる。その結果、エマルション燃料燃焼装置でエマルション燃料の燃焼における酸欠状態を防止することができると共に、エマルション燃料の着火性を向上させることができるという効果を奏する。なお、上述した水素はエマルション燃料製造装置1が稼動している時に生成されるものであり、エマルション燃料製造装置1が稼動していない時には生成されないので、生成された水素を何らかの方法で処分する必要はない。
次に、本実施形態に係るエマルション燃料製造装置1を構成する各構成要素について説明する。燃料油供給部10は燃料油を供給することができるものであれば特に限定されない。ここで、燃料油とは、灯油、軽油、重油、重質油などのように燃料としても使用することができるものをいう。なお、重質油とは、常温では流動性に乏しく、高温に加熱しないと流動しない油をいい、好ましくは常圧での沸点340℃以上の成分を90%質量パーセント以上含むものである。重質油としては、たとえば石油系アスファルト類及びその油の混合物、石油系アスファルト各種処理物、その中間製品、残渣及びそれらの混合物、常温で流動しない高流動点油あるいは原油、石油系タールピッチ及びその油混合物、ビチューメン類、天然アスファルト、オリノコタール、タール、残渣油が挙げられる。
エマルション燃料生成部30は、燃料油と電解還元水とを混合してエマルション燃料を生成することができるものであれば特に限定されず、例えばミキシングポンプやスタティックミキサーなどが挙げられる。なお、エマルション燃料生成部30により生成されるエマルション燃料の燃料油と水(電解還元水)との比率は、各制御弁311,321を用いて各供給管310,320内を流れる燃料油及び電解還元水の流量を制御することによって適宜調整することができる。
制御部40は、後述する電解還元水供給部20を制御すると共に各制御弁311,321を制御することができるものであれば特に限定されず、そのような機能を有する一般的なパーソナルコンピュータや専用計算機などであってもよい。
ここで、水における酸化還元電位(ORP)と表面張力との関係について図2を参照して説明する。図2は、水における酸化還元電位と表面張力との関係を示すグラフである。
本発明者は、同図に示すように、水の表面張力は、酸化還元電位が低下するにつれて小さくなり、ある値を超えて酸化還元電位がさらに低下すると大きくなる傾向を有するという従来は推測できなかった現象を発見した。すなわち、本発明者は、pHが高い領域(pHが7より大きい領域)において、水の酸化還元電位(ORP)に対して水の表面張力が極小値を有することを発見した。たとえば、同図によると、−290mV付近(pH=11)、−220mV付近(pH=12)に表面張力の極小値が存在していることが分かる。
一方、含まれている成分によっても異なるが、燃料油の表面張力はおよそ30dyn/cm程度である。そして、2つの液体の表面張力の差が小さいほど、その2つの液体を混合して安定的なエマルションを形成できる。
したがって、表面張力が極小値近傍となっている状態の水と燃料油とを混合することによって、乳化剤を添加することなく、安定的なエマルション燃料を生成することができる。本実施形態では、以下に説明する電解還元水供給部20を用いて、表面張力が極小値近傍となっている状態の水(電解還元水)を生成し、上述したエマルション燃料生成部30を用いてその電解還元水と燃料油とを混合して安定的なエマルション燃料を生成する。ここで、表面張力の極小値近傍とは、上述した表面張力の極小値を含み、燃料油と安定的なエマルションを形成することができる表面張力の範囲をいう。本実施形態では、表面張力の極小値近傍とは、酸化還元電位が−400mV〜−100mVである範囲に対応する表面張力の範囲であり、好ましくは−340mV〜−160mVの範囲に対応する表面張力の範囲である。表面張力の極小値近傍となっている状態の水(電解還元水)を用いることにより、より安定化したエマルション燃料を製造することができる。なお、pHとしては、7より大きければ特に限定されないが、10.5〜13.0の範囲が好ましい。
図3は、本実施形態の電解還元水供給部の概略図である。同図に示すように、電解還元水供給部20は、水が貯留された電解槽21を有している。電解槽21には、電解槽21内の水を電気分解するための一対の電極(陽極240,陰極241)と、電解槽21内の水を攪拌するための攪拌翼261を先端部に有する攪拌手段25とが、それらの一部が水に浸漬するように上方から挿入された状態で電解槽21の上部に取り付けられている。陽極240及び陰極241は直流電源24にそれぞれ接続されており、両電極間の電圧を調整することにより両電極間に所定の電流を流すことができるようになっている。なお、陽極240の周囲には陰イオンを透過する陰イオン透過膜が設けられている。
また、電解槽21の左側上部には、供給管220を介して電解質を含む電解質溶液を電解槽21に供給する電解質供給部22が接続され、供給管220には制御弁221が設けられている。ここで、電解質としては、Na,Ba,Ca,Mg,Kを含む化合物が挙げられ、特にNaOHやCa(OH)2が好ましい。
また、電解槽21の左側側部には、供給管230を介して水を供給する水供給部23が接続され、供給管230には制御弁231が設けられている。さらに、電解槽21の左側側部には電解槽21の水位を測定する水位計26が設けられている。また、陽極240の上部には水を電気分解した際に発生する酸素をエマルション燃料燃焼装置などに供給するための供給管202が接続されている。
一方、電解槽21の右側側部には、電解槽21内の水のpHを測定するpHセンサ27とその水の酸化還元電位を測定するORPセンサ28とが設けられ、その上方には水を電気分解した際に発生する水素をエマルション燃料燃焼装置などに供給するための供給管201が接続されている。
そして、電解槽21の下部には供給管320が接続されており、図示しないポンプを用いて、生成した電解還元水をエマルション燃料生成部30に供給することができるようになっている。
さらに、直流電源24、攪拌手段25、水位計26、pHセンサ27、ORPセンサ28、及び各制御弁221,231はそれぞれ制御部40に接続されており、水位計26、pHセンサ27やORPセンサ28が測定したデータを制御部40に送信したり、制御部40が直流電源24、攪拌手段25や各制御弁221,231の動作をそれぞれ制御することができるようになっている。
そして、上述した構成の電解還元水供給部20では、直流電源24、一対の電極(陽極240,陰極241)及びORPセンサ28で電解槽21内の水を電気分解する電気分解手段が構成されると共に、水供給部23、供給管230、制御弁231及び水位計26で電解槽21内の水の水量を調整する水量調整手段が構成され、さらに、電解質供給部22、供給管220、制御弁221及びpHセンサ27で電解槽21内の水のpHの値を調整するpH調整手段が構成されている。なお、電解還元水供給部20を構成する各構成要素は、上述した機能を有するものであれば特に限定されない。
そして、制御部40によってこれらの手段がそれぞれ制御されて、表面張力が極小値近傍となっている状態の電解還元水を生成され、エマルション燃料生成部30に供給されることになる。たとえば、これらの手段は以下に示すように制御される。
まず、pH調整手段は、pHセンサ27により検出される電解槽21内の水のpHに基づいて、電解槽21内の水のpHが所定の値になるように電解質供給部22から供給される電解質溶液の量を調整する。これは、図2に示すように、pHによって酸化還元電位に対する水の表面張力の極小値及びその位置が異なるので、水のpHを所定の値に保持することにより、電気分解手段によって調整されるべき水の酸化還元電位の極小値及びその位置を固定することができるからである。その結果、電解槽21内の水の酸化還元電位を、後述するようにして、表面張力が極小値近傍となる状態の酸化還元電位(以下、この状態の酸化還元電位を酸化還元電位Aという。)に容易に調節することができるので、効率的に電解槽21内の水の電気分解を行うことができる。
そして、電気分解手段及び水量調整手段は、ORPセンサ28により検出される電解槽21内の水の酸化還元電位と、水位計26により検出される電解槽21内の水の量とに基づいて、電解槽21内の水の酸化還元電位が酸化還元電位Aとなるように、一対の電極間に印加される電圧及び水供給部23から供給される水の量を調整する。これは、電解槽21内の水が電気分解されると、水酸化物イオン(OH-)が生成されて、電解槽21内の水の酸化還元電位が低下する一方、水供給部23から電解槽21に水が供給されると、電解槽21内の水の中に含まれる水酸化物イオンの濃度が低下して、電解槽21内の水の酸化還元電位が上昇するからである。したがって、一対の電極間に印加される電圧及び水供給部23から供給される水の量を調整することによって、電解槽21内の水の酸化還元電位を酸化還元電位Aにすることができる。ここで、電気分解手段及び水量調整手段は同時に制御されてもよいし、何れか一方のみが独立して制御されてもよい。
なお、水供給部23から電解槽21に水が供給されると、電解槽21内の電解質の濃度が低下するので、結果的に電解槽21内の水のpHが低下することになる。そこで、水供給部23から電解槽21に水が供給された場合には、上述したようにpH調整手段を用いて電解槽21内の水のpHが所定の値となるように調整する必要がある。
以上説明したように、電解還元水供給部20に設けられたpH調整手段、電気分解手段及び水量調整手段をそれぞれ制御することにより、表面張力が極小値近傍になっている状態の水(電解還元水)を生成し、エマルション燃料生成部30に供給することができる。
したがって、エマルション燃料製造装置1は、乳化剤を添加することなく、燃料油と水とからなるエマルション燃料を製造することができる。その結果、燃焼の際に悪影響を及ぼす物質を含まず、かつ燃焼することにより大気汚染物質が生成することがない好適なエマルション燃料を製造することができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係るエマルション燃料製造装置を示す概略図である。図4に示すように、本実施形態に係るエマルション燃料製造装置1Aは、実施形態1に係るエマルション燃料製造装置1の構成に加え、超音波照射部50をさらに具備している。具体的には、超音波照射部50は、供給管510を介してエマルション燃料生成部30に接続されており、エマルション燃料生成部30により生成されたエマルション燃料に超音波を照射して、エマルション燃料を微細化することができるようになっている。
この燃料製造装置1Aでは、エマルション燃料生成部30により生成されたエマルション燃料を微細化させることができるので、実施形態1のエマルション燃料製造装置1の効果に加えて、より安定化したエマルション燃料を製造することができる。
この超音波照射部50は、エマルション燃料生成部30により生成されたエマルション燃料に超音波を照射して、エマルション燃料を微細化することができるものであれば特に限定されず、たとえば市販されている超音波分散器などが挙げられる。なお、その他の構成要素は実施形態1と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
(他の実施形態)
上述した実施形態に係るエマルション燃料製造装置では、乳化剤を添加することなく、エマルション燃料を製造したが、僅かな量の乳化剤を添加してエマルション燃料を製造してもよい。僅かな量の乳化剤を添加することにより、乳化剤を添加せずに製造したエマルション燃料と比較して、さらに安定化したエマルション燃料を製造することができる。なお、このようにして得られたエマルション燃料は、従来のエマルション燃料の製造方法において同量の添加剤を添加した場合に得られるものと比較して、さらに安定化したエマルション燃料であることはいうまでもない。
なお、乳化剤を添加すると、上述したように、乳化剤がエマルション燃料の燃焼に悪影響を及ぼしてしまうという問題や、乳化剤が燃焼することによって、大気汚染原因物質が生成してしまうという問題があるが、この場合に添加する乳化剤の量は僅かであり、このような問題が生ずるおそれはない。
また、実施形態2では、超音波照射部50を1つ設けたが、エマルション燃料生成部30に複数の超音波照射部50を直列に接続するようにしてもよい。すなわち、超音波照射部50と超音波照射部50とを直列に接続して、超音波照射部から排出されたエマルション燃料に再度超音波を照射することができるようにしてもよい。このようにすることにより、より微細化されたエマルション燃料を製造することができる。
実施形態1に係るエマルション燃料製造装置の概略図である。 水における酸化還元電位と表面張力との関係を示すグラフである。 実施形態1の電解還元水供給部の概略図である。 実施形態2に係るエマルション燃料製造装置の概略図である。
符号の説明
1,1A エマルション燃料製造装置
10 燃料油供給部
20 電解還元水供給部
21 電解槽
22 電解質供給部
23 水供給部
24 直流電源
25 攪拌手段
26 水位計
27 pHセンサ
28 ORPセンサ
30 エマルション燃料生成部
40 制御部
50 超音波照射部
201,202,220,230,310,320,510 供給管
221,231,311,321 制御弁
240 陽極
241 陰極
261 攪拌翼

Claims (9)

  1. 電解槽内に設けられて該電解槽内の水を電気分解するための一対の電極を有する電気分解手段を有し、前記電解槽内の水を電気分解して生成した電解還元水を供給する電解還元水供給部と、
    燃料油を供給する燃料油供給部と、
    前記電解還元水供給部と前記燃料油供給部とに接続されて、前記電解還元水と前記燃料油とを混合してエマルション燃料を生成するエマルション燃料生成部と、
    前記電解槽内の水の酸化還元電位に対するその水の表面張力が極小値近傍となるように前記一対の電極間を流れる電流を制御する制御部とを具備することを特徴とするエマルション燃料製造装置。
  2. 前記電解還元水供給部は、前記電解槽内の水量を調整する水量調整手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記電解槽内の水の酸化還元電位に対するその水の表面張力が極小値近傍となるように前記一対の電極間を流れる電流及び前記電解水槽内の水量の少なくとも何れか一方を制御することを特徴とする請求項1に記載のエマルション燃料製造装置。
  3. 前記電解還元水供給部は、前記電解槽内の水のpHを調整するpH調整手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記電解槽内の水のpHが所定の値となるように前記pH調整手段をさらに制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエマルション燃料製造装置。
  4. 前記エマルション燃料生成部に接続されて、前記エマルション燃料部により生成されたエマルション燃料に超音波を照射して前記エマルション燃料を微細化する超音波照射部をさらに具備することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のエマルション燃料製造装置。
  5. 前記一対の電極間を流れる電流は、前記電解槽内の水の酸化還元電位が−400mV〜−100mVの範囲となるような値であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のエマルション燃料製造装置。
  6. 前記電解槽内の水を電気分解した際に得られる酸素及び水素をエマルション燃料燃焼装置に供給することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のエマルション燃料製造装置。
  7. 酸化還元電位に対する表面張力が極小値近傍となる状態で水を電気分解して電解還元水を生成する電解還元水生成工程と、
    前記電解還元水と燃料油とを混合してエマルション燃料を生成するエマルション燃料生成工程と
    を具備することを特徴とするエマルション燃料の製造方法。
  8. 前記エマルション燃料に超音波を照射して前記エマルション燃料を微細化する超音波照射工程をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載のエマルション燃料の製造方法。
  9. 前記電解還元水生成工程において、水を電気分解した際に得られる酸素及び水素をエマルション燃料燃焼装置に供給することを特徴とする請求項7又は8に記載のエマルション燃料の製造方法。
JP2007250102A 2007-09-26 2007-09-26 エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法 Pending JP2009079149A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007250102A JP2009079149A (ja) 2007-09-26 2007-09-26 エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007250102A JP2009079149A (ja) 2007-09-26 2007-09-26 エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009079149A true JP2009079149A (ja) 2009-04-16

Family

ID=40654157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007250102A Pending JP2009079149A (ja) 2007-09-26 2007-09-26 エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009079149A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4476348B1 (ja) * 2009-05-27 2010-06-09 亮一 大坪 エマルション燃料
JP5362138B1 (ja) * 2012-12-06 2013-12-11 満治 服部 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
WO2014087679A1 (ja) * 2012-12-06 2014-06-12 Hattori Mitsuharu 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
JP2014210120A (ja) * 2013-04-20 2014-11-13 株式会社バイオシールドサイエンス 帯電還元水を用いるpcb無害化方法
WO2015037109A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 Hattori Mitsuharu 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
WO2015199075A1 (ja) * 2014-06-24 2015-12-30 深井 利春 エマルジョン燃料供給装置及びその供給方法
JP2020176231A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 真二 長谷川 加水燃料製造方法及び加水燃料製造装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4476348B1 (ja) * 2009-05-27 2010-06-09 亮一 大坪 エマルション燃料
JP2011006497A (ja) * 2009-05-27 2011-01-13 Ryoichi Otsubo エマルション燃料
JP5362138B1 (ja) * 2012-12-06 2013-12-11 満治 服部 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
WO2014087679A1 (ja) * 2012-12-06 2014-06-12 Hattori Mitsuharu 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
JP2014210120A (ja) * 2013-04-20 2014-11-13 株式会社バイオシールドサイエンス 帯電還元水を用いるpcb無害化方法
WO2015037109A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 Hattori Mitsuharu 相溶性透明含水油の製造方法及び相溶性透明含水油製造装置
WO2015199075A1 (ja) * 2014-06-24 2015-12-30 深井 利春 エマルジョン燃料供給装置及びその供給方法
JP2020176231A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 真二 長谷川 加水燃料製造方法及び加水燃料製造装置
JP7265250B2 (ja) 2019-04-22 2023-04-26 真二 長谷川 加水燃料製造方法及び加水燃料製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009079149A (ja) エマルション燃料製造装置及びエマルション燃料の製造方法
JP5174344B2 (ja) エマルジョン燃料とその製造方法及び製造装置
JP2008081740A (ja) 水と可燃性油を微粒子状態で混合してエマルジョン燃料を製造する方法及び同エマルジョン燃料の製造装置並びにエマルジョン燃料
BR112017008247B1 (pt) Método para aumentar a eficiência de motores de combustão
Butt et al. Usage of on-demand oxyhydrogen gas as clean/renewable fuel for combustion applications: A review
WO2012077199A1 (ja) 混合ガス生成装置および混合ガス生成システム
TWI621705B (zh) Method and device for manufacturing water-added fuel
JP2007301541A (ja) 微酸性電解水生成法および装置
WO2012137344A1 (ja) 混合ガス生成装置
JP5442743B2 (ja) エマルジョン燃料を用いた燃焼方法
JP2009068480A (ja) 微粒子分散エマルジョン燃料による内燃機関の稼働方法
KR101701015B1 (ko) 배연탈황 시스템
JP3195267U (ja) 内燃機関の燃費と排出ガスの同時改善装置
JP2010138362A (ja) エマルジョン燃料油の生成方法
US20160016144A1 (en) Control of Feedstock During Gas Production
JPH11140470A (ja) 水−化石燃料混合エマルジョン
JP2017025133A (ja) 化合物燃料製造システム
WO2018047318A1 (ja) 油を水で希釈した燃料の製造方法
JP4476348B1 (ja) エマルション燃料
JP2009249557A (ja) エマルジョン燃料用組成物及びエマルジョン燃料
JP2009019812A (ja) 水素ガスの燃焼方法及び燃焼装置
EP3239279B1 (en) A method for intensifying the combustion of solid fuels using alkyl alcohol as a combustion promoter
JP2009256501A (ja) 液体燃料及びその製造方法
JP2017128686A (ja) 化合物製造システム
US20110271885A1 (en) Method and apparatus for improving combustion efficiency of carbonaceous fuel-fired furnaces by injecting oxyhydrogen gas