JP2009078952A - 水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水系媒体に配合した場合、水系溶媒中でのハードケーキングを作らず、再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法を提供する。
【解決手段】 細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程と、処理された無機粉体を加熱して当該有機溶媒を乾燥除去するとともに、当該シリコーン系化合物を当該細孔内に担持させる第2工程とからなる再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法である。多孔質無機粉体としてはシリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラック等が好ましく用いられる。また、シリコーン系化合物としては、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が好ましく用いられる。
【選択図】 図1
【解決手段】 細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程と、処理された無機粉体を加熱して当該有機溶媒を乾燥除去するとともに、当該シリコーン系化合物を当該細孔内に担持させる第2工程とからなる再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法である。多孔質無機粉体としてはシリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラック等が好ましく用いられる。また、シリコーン系化合物としては、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が好ましく用いられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られた多孔質無機粉体は、化粧料の配合材料、樹脂・塗料等の添加剤等として好適に用いることができる。
従来から、無機粉体は、化粧料に配合すると、べたつきを抑え、さらさらした感触を付与することが知られている。しかしながら、化粧水等の粘度が低い化粧料に粉体を配合した場合には、当該粉体が化粧料に分散した状態を保ち続けるのが困難であるため、通常は粉体を沈降させておき、使用時に再分散させて使用する方法がとられている。
このような化粧料は、所謂水性二層型化粧料(又は再分散型化粧料ともいう。)と称されるものであって、静置時には配合した無機粉体が沈降して下層となり、上層に清澄な透明層を形成し、かつ、使用時には数回の振盪で当該上下層が容易に混和する品質が要求されるものである。このように静置時に清澄な透明層を形成することが、化粧品としての外観上の美麗性を維持し、その商品価値を保持するうえで極めて重要である。また、美観を保持する観点から、配合した無機粉体が沈降せず始めから浮遊しているようなものは、その美観を著しく損なう論外なものであって、絶対に避けるべきである。
しかしながら、このような再分散型の化粧料は、長期の保存時に、無機粉体が固着(ハードケーキング)を起こすことが多く、再分散性が悪いという問題があった。このため、粉体の再分散性を高める方法として、粉体に微量の油剤や界面活性剤を吸着させて、粉体の親水性を減じたり、電解質を添加して電気的反発力を弱める等の工夫や、等電点の異なる2種以上の粉体を配合し電気的な凝集を発生させたり、水層の組成を選択する等の方法が検討されている(特許文献1を参照。)。
またタルク、マイカ、カーボンブラック等の無機粉体をパーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルシラザン等の撥水処理剤で被覆処理することが提案されている(特許文献2を参照。)。
一方、タルク、カオリン、無機ケイ酸、酸化チタン等の粉体を重量比で、1:0.01−1:0.1程度の微少量のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理することも公知である(特許文献3を参照。)。しかしながら、後記するように、このような微小量では、仮にこれらが多孔質粉体であったとしても、その細孔容積を、十分に充填することはできない。
また、シリコーン系化合物の水系エマルションにより無機粉体の表面を処理することも公知である。この無機粉体は極めて撥水性のものであり、水に投入した場合、全く沈むことがなく表面に浮遊する。このように、水系エマルションの場合は、細孔内に十分な量のシリコーン系化合物を導入することはできない(特許文献4を参照。)。
さらにまた、ZnO等の薄片状金属酸化物の表面を油剤、界面活性剤、シリコーン、金属石けんにより表面処理することも公知である(特許文献1を参照。)。
しかしながら、これらの方法では、長期保存時において、必ずしも十分な再分散性が得られなかった。
しかしながら、これらの方法では、長期保存時において、必ずしも十分な再分散性が得られなかった。
本発明の目的は、水系媒体に配合した場合、当該水系溶媒中でのハードケーキングを作らず、再分散性に優れた多孔質無機粉体及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、かかる観点から鋭意検討したところ、多孔質無機粉体の細孔容積の特定範囲をシリコーン系化合物で充填することにより、本発明の目的を達成することができることを見いだして本発明を完成した。
本発明に従えば、以下の水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体が提供される。
〔1〕
細孔を有する多孔質無機粉体において、当該細孔容積の20−70容量%が当該シリコーン系化合物で充填されていることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体。
〔2〕
前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である〔1〕に記載の多孔質無機粉体。
〔3〕
前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである〔1〕又は〔2〕に記載の多孔質無機粉体。
また本発明に従えば、以下の水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法が提供される。
〔4〕
細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程と、処理された無機粉体を加熱して当該有機溶媒を乾燥除去するとともに、当該シリコーン系化合物を当該細孔内に担持させる第2工程とからなることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法。
〔5〕
前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である〔4〕に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔6〕
前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである〔4〕又は〔5〕に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔7〕
前記シリコーン系化合物が、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかである〔4〕−〔6〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔8〕
前記第1工程における混合・撹拌によるシリコーン系化合物の細孔内への導入処理を1分−6時間行う〔4〕−〔7〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔9〕
前記第2工程における加熱処理を50−250℃で30分−20時間行う〔4〕−〔8〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
また、本発明によれば、以下の水性二層型化粧料が提供される。
〔10〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の再分散性に優れた多孔質無機粉体を配合した水性二層型化粧料。
〔1〕
細孔を有する多孔質無機粉体において、当該細孔容積の20−70容量%が当該シリコーン系化合物で充填されていることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体。
〔2〕
前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である〔1〕に記載の多孔質無機粉体。
〔3〕
前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである〔1〕又は〔2〕に記載の多孔質無機粉体。
また本発明に従えば、以下の水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法が提供される。
〔4〕
細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程と、処理された無機粉体を加熱して当該有機溶媒を乾燥除去するとともに、当該シリコーン系化合物を当該細孔内に担持させる第2工程とからなることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法。
〔5〕
前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である〔4〕に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔6〕
前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである〔4〕又は〔5〕に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔7〕
前記シリコーン系化合物が、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかである〔4〕−〔6〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔8〕
前記第1工程における混合・撹拌によるシリコーン系化合物の細孔内への導入処理を1分−6時間行う〔4〕−〔7〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
〔9〕
前記第2工程における加熱処理を50−250℃で30分−20時間行う〔4〕−〔8〕のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
また、本発明によれば、以下の水性二層型化粧料が提供される。
〔10〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の再分散性に優れた多孔質無機粉体を配合した水性二層型化粧料。
本発明の方法によれば、細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入し、処理無機粉体を加熱して有機溶媒を乾燥除去し、このシリコーン系化合物を当該細孔内に担持させることにより、再分散性に優れた多孔質無機粉体を製造する方法が提供される。
これは、基材にシリカゲルなどの多孔質の無機粉体を用い、通常はシリカゲル表面の撥水処理に用いられるシリコーンオイル等のシリコーン系化合物を、その有機溶媒溶液として主として当該細孔内へ導入して、細孔内に担持させることにより、当該無機粉体は親水性を維持しつつ、かつ、水溶媒中においてハードケーキを作りにくく再分散性に優れたものとなると推定される。
本発明の方法は、細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入し、処理無機粉体を加熱して有機溶媒を乾燥除去し、このシリコーン系化合物を当該細孔内に担持させることにより、再分散性に優れた多孔質無機粉体を製造する方法である。
以下、図1を参照しながら本発明の製造方法を説明する。
本発明においては、まず多孔質無機粉体10にシリコーン系化合物の有機溶媒溶液20を加え、乾式状態において混合・撹拌30することにより、細孔中にシリコーン系化合物を導入する第1工程を行う。
本発明においては、まず多孔質無機粉体10にシリコーン系化合物の有機溶媒溶液20を加え、乾式状態において混合・撹拌30することにより、細孔中にシリコーン系化合物を導入する第1工程を行う。
(無機粉体)
基材として用いる無機粉体10としては、特に限定するものではなく、通常容易に入手しうるもの、または合成しうるものが好ましく使用される。
すなわち、比表面積が300−2000m2/g、好ましくは400−1500m2/gのものである。
また、細孔容積が0.8−5.0mml/g、好ましくは1.0−3.0mml/gのものである。
一方、粒径は、1−50μm、好ましくは2−30μm程度のものである。
基材として用いる無機粉体10としては、特に限定するものではなく、通常容易に入手しうるもの、または合成しうるものが好ましく使用される。
すなわち、比表面積が300−2000m2/g、好ましくは400−1500m2/gのものである。
また、細孔容積が0.8−5.0mml/g、好ましくは1.0−3.0mml/gのものである。
一方、粒径は、1−50μm、好ましくは2−30μm程度のものである。
ここで、比表面積はBET法、細孔容積は水銀圧入法等で測定したものである。また、無機粉体の形状は特に限定するものでなく、球状、真球状、楕円球状、不定形、破砕形状、円筒状、ペレット状、四角状、針状、円柱状、破砕状等いずれであってもよい。
無機粉体としては、多孔質のものであれば特に限定するものではないが、例えばシリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラック例えばケッチェンブラックが好ましく用いられる。
また、無機粉体としては、その他、多孔質粒子である限り、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、クレー、ベントナイト、活性炭、酸化チタン(アナタース型、ルチル型)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化クロム、酸化第一コバルト、四三酸化コバルト、酸化第二コバルト、酸化第一ニッケル、酸化第二ニッケル、酸化タングステン、酸化トリウム、酸化モリブデン、二酸化マンガン、三酸化マンガン、酸化ウラン、酸化トリウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一スズ、酸化第二スズ、一酸化鉛、四三酸化鉛、二酸化鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化ルテニウム、チタン酸バリウム、酸化銀、酸化ゲルマニウム等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化クロム等の水酸化物、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、フッ化カルシウム等のハロゲン化物、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタニウム、硫酸ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫化カルシウム、硫化銀、硫化ゲルマニウム、硫化コバルト、硫化スズ、硫化鉛、硫化ニッケル、硫化マンガン、硫化亜鉛等の硫酸塩や硫化物、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、リン酸アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化鉄、窒化バナジウム、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ケイ素、ケイ化モリブデン、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム等の窒化物、ケイ酸アルミニウム等の窒化物、ケイ素化合物やケイ酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化ハフニウム、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ウラン、炭化ベリリウム等の炭化物等の多孔性の粒子が挙げられる。これらの無機粉体は単独で使用してもよいし、2類以上を混合して用いることもできる。
(シリコーン系化合物)
本発明において、用いられるシリコーン系化合物としては、たとえば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ビニルメチルポリシロキサン、及びこれらの変性シリコーンオイルである、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイルなどが好適に用いられる。
本発明において、用いられるシリコーン系化合物としては、たとえば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ビニルメチルポリシロキサン、及びこれらの変性シリコーンオイルである、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイルなどが好適に用いられる。
(有機溶媒)
これらシリコーン系化合物は、その有機溶媒の溶液20として上記多孔性無機粉体10と乾式で混合・処理30される。シリコーンオイルの溶媒としては、これらと親和性の高い溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ソルベントナフサ、ミネラルスピリッツ(石油系溶剤)、ケロシン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルラウレート、イソプロピルパルミテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、四塩化炭素、クロロホルム、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、エチレンジクロライド、塩化メチレン、クロロベンゼン、ラウリルアルコール等の極性の低い溶媒が好ましい。
これらシリコーン系化合物は、その有機溶媒の溶液20として上記多孔性無機粉体10と乾式で混合・処理30される。シリコーンオイルの溶媒としては、これらと親和性の高い溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ソルベントナフサ、ミネラルスピリッツ(石油系溶剤)、ケロシン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルラウレート、イソプロピルパルミテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、四塩化炭素、クロロホルム、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、エチレンジクロライド、塩化メチレン、クロロベンゼン、ラウリルアルコール等の極性の低い溶媒が好ましい。
シリコーン系化合物の無機粉体に対する配合量は、多孔質無機粉体の細孔容積の20−70容量%、さらに好ましくは30−50容量%を充填する量である。この量のシリコーン系化合物を、有機溶媒に溶解させて使用することになる。
シリコーン系化合物の配合量が、この量より少ない場合は、多孔質無機粉体の細孔容積内に十分に処理すべきシリコーン系化合物が導入されず、水系媒体内で沈降した無機粉体が固結してしまい再分散させることが困難になる。またこれより導入されるシリコーン系化合物の量が多くなると撥水性が生ずるようになり、水系媒体内で沈降せず水系媒体表面に浮遊することになりこれまた好ましくない。
なお、実際に当該細孔内に導入されたシリコーン系化合物の量は、より正確には、シリコーン系化合物で処理した後の吸油量の実測値を使用して以下の式で定義される充填率φで表現される。したがって、請求項において規定されている充填率はこの吸油量に基づく値である。
すなわち、多孔質無機粉体の初期吸油量をm0、シリコーン系化合物を充填後の吸油量をmとすれば、シリコーン系化合物充填率φは(1)式で表現され、この充填率φが20−70容量%、好ましくは30−50容量%となるようにする。
φ=((m0−m)/m0)×100 (1)
式(1)における吸油量は、JIS K5101に準じて測定する。
φ=((m0−m)/m0)×100 (1)
式(1)における吸油量は、JIS K5101に準じて測定する。
以上のごとくして、まず、多孔質無機粉体10に、少なくとも当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物の有機溶媒溶液20を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程を行う。
上記したように、シリコーン系化合物で処理した後の無機粉体の実際の充填率φは吸油量の差から式(1)により算出し、確認されるが、上記したように、当該充填率φが上記規定未満であると、十分なアンチケーキング性を奏することができない。また、φがこれを超えると、撥水性が大きすぎて、粉体が水系媒体上に浮遊するようになり、好ましくない。
(粉体混合装置)
第1工程を実施するための装置としては、無機粉体を収容し、これを効率よく撹拌しながら、シリコーンオイルのごときシリコーン系化合物の有機溶媒溶液を供給し、当該粉体を混合・撹拌しうる装置であれば、特に限定するものではなく、無機粉体を収容する静置型またはそれ自体回転する容器及び/又は固体撹拌翼を備えた通常の固体混合装置が使用される。例えば、V型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、回転式又は連続式ミューラー型混合機、垂直スクリュー型混合機、単軸又は複軸ローター型混合機等に、好ましくは、シリコーン系化合物の有機溶媒溶液の供給ノズルや滴下手段を備えた装置が適宜使用できる。
第1工程を実施するための装置としては、無機粉体を収容し、これを効率よく撹拌しながら、シリコーンオイルのごときシリコーン系化合物の有機溶媒溶液を供給し、当該粉体を混合・撹拌しうる装置であれば、特に限定するものではなく、無機粉体を収容する静置型またはそれ自体回転する容器及び/又は固体撹拌翼を備えた通常の固体混合装置が使用される。例えば、V型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、回転式又は連続式ミューラー型混合機、垂直スクリュー型混合機、単軸又は複軸ローター型混合機等に、好ましくは、シリコーン系化合物の有機溶媒溶液の供給ノズルや滴下手段を備えた装置が適宜使用できる。
また、少量の無機粉体を処理する場合は、回動、揺動、振動、八の字運動、往復動、上下動、ピストン運動等の動きを印加しうる混合機器に、当該無機粉体とシリコーン系化合物の有機溶媒溶液を収容した小型容器をセットし、当該小型容器に対し、回動、揺動等の所望の混合運動を印加することもできる。
当該シリコーン系化合物の、使用質量は、上記したように、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を、その有機溶媒の溶液として添加して撹拌・混合するが当該混合・撹拌は、実質的に濡れのない、または、スラリーとならない乾燥状態で実施される。
この第1工程の混合・撹拌下における処理は、処理粉体の種類、処理粉体量、シリコーン系化合物の有機溶媒溶液の種類や量、及び無機粉体の温度等によって変わりうるが、通常、1分−6時間、好ましくは10分−3時間程度行われる。また、第1工程は、特に加熱せずに室温で実施することで同様の効果が得られる。場合によっては20−90℃程度に加熱してもよい。
(加熱乾燥・担持処理工程/第2処理工程)
本発明においては、第1工程において処理された粉体を加熱して、有機溶媒50を乾燥除去するとともに、シリコーン系化合物を粉体の細孔内に担持(固定)させ、充填する第2工程40を行う。
本発明においては、第1工程において処理された粉体を加熱して、有機溶媒50を乾燥除去するとともに、シリコーン系化合物を粉体の細孔内に担持(固定)させ、充填する第2工程40を行う。
(加熱・乾燥装置)
当該加熱・加熱下において、シリコーン系化合物で処理された無機粉体から有機溶媒が蒸発、除去せしめられるが、この有機溶媒の蒸発過程で、当該溶媒中に溶解していたシリコーンオイル等のシリコーン系化合物は沸点が高いので、実質的に蒸発することなく細孔内に残留する。おそらくシリコーン系化合物は、当該無機粉体の細孔内の内壁面上に、離散的又は被膜を形成して残存し、又は特に微細な細孔の場合は、当該細孔内を実質的に充填する等して、種々の態様で、細孔内に担持(固定)されると考えられる。当該細孔内に担持されたシリコーン系化合物は、当該無機粉体を水系媒体中に放置した場合でも、再び水系媒体により細孔外に溶出することがなく、細孔内に担持された状態を長期間保持することができる。
当該加熱・加熱下において、シリコーン系化合物で処理された無機粉体から有機溶媒が蒸発、除去せしめられるが、この有機溶媒の蒸発過程で、当該溶媒中に溶解していたシリコーンオイル等のシリコーン系化合物は沸点が高いので、実質的に蒸発することなく細孔内に残留する。おそらくシリコーン系化合物は、当該無機粉体の細孔内の内壁面上に、離散的又は被膜を形成して残存し、又は特に微細な細孔の場合は、当該細孔内を実質的に充填する等して、種々の態様で、細孔内に担持(固定)されると考えられる。当該細孔内に担持されたシリコーン系化合物は、当該無機粉体を水系媒体中に放置した場合でも、再び水系媒体により細孔外に溶出することがなく、細孔内に担持された状態を長期間保持することができる。
かかる機能を奏する加熱・乾燥を行うための好ましい乾燥装置としては、一般的な乾燥器をいずれも好適に使用することができる。例えば、箱型乾燥機、通気バンド乾燥機、トンネル乾燥機、噴霧乾燥機、流動層乾燥機、媒体流動層乾燥機、通気回転乾燥等の各種の乾燥機を使用することができる。加熱源としては、水蒸気、加熱媒体、電気加熱、赤外線加熱等特に限定するものではない。なお、場合によっては、第1工程で使用する固体混合装置に適当な加熱手段を付加せしめ、第1工程を行ったあとに、当該固体混合装置においてそのまま加熱処理を実施することも可能である。
当該第2工程における加熱処理は、有機溶媒が完全に蒸発除去され、残留するシリコーン系化合物が、無機粉体の細孔内表面に安定的に担持(固定)される温度で行われる。この場合温度が高いほど、例えば残留するシリコーン系化合物の粘度が低くなり、流動性が高くなるので、細孔内表面の凹凸面に入り込むとともに当該加熱により細孔内に焼き付けられ、室温に戻した場合、より強く細孔内に固定されると推定される。ただし、あまりに高温の場合はシリコーン系化合物自体が揮散するおそれがあるので好ましくなく、通常、加熱処理温度は、50−250℃で30分−20時間、好ましくは80−200℃で40分−17時間、さらに好ましくは100−180℃で1−15時間行われる。
以上のごとくしてシリコーンオイル等シリコーン系化合物で処理された無機粉体60は、後記実施例に示すように、その細孔容積の20−70容量%がシリコーン系化合物で充填されており、親水性を維持したまま水系媒体中での再分散性に優れるものである。すなわち、当該再分散性の無機粉体は、投入した水系媒体の表面に浮遊することなしに沈殿し、美麗、清澄な上澄液を形成するが、これを手で振って揺動(振盪)させれば、容易に上澄み液中に舞い上がり速やかに再分散するものである。すでに述べたように充填量が20容量%未満だと、アンチケーキング性の賦与が十分でなく、また70容量%を超えると粉体の親水性が低下するので好ましくない。
なお、従来、特許文献3に記載のように、タルク、カオリン、無機ケイ酸、酸化チタン等の粉体を重量比で、1:0.01−1:0.1程度の微少量のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理することは公知であるが、この場合は最大量(粉体100部に対して、10部)のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理したとしても、せいぜい細孔容積の12%程度が充填されるだけである。
また、上記したように、当該無機粉体の細孔内に担持されたシリコーン系化合物は、これを水系媒体中に投入して長期間保持した場合でも、後記実施例に示すように、通常その80%以上が安定的に細孔内に保持された状態のままであり、当該水系媒体中に流出することはないことが確認されている。
本発明の多孔質無機粉体または本発明の方法により得られた多孔質無機粉体は、特に再分散型の水性二層型化粧料用に適したものであり、また、従来の水性二層型化粧料に本発明の多孔質無機粉末を配合することにより、極めて再分散性の優れた水性二層型化粧料が提供される。
(シリコーン系化合物の形態による表面処理状態の違い)
本発明者らはさきに、シリコーン系化合物の水系エマルションにより、本発明と同様な工程に従ってシリカゲル等の多孔質無機粉体を処理した場合は、きわめて撥水性に優れた無機粉体が得られることを見いだした。すなわち、当該撥水性無機粉体は、水系媒体に投入された場合、沈降することなくその表面に浮遊する。
本発明者らはさきに、シリコーン系化合物の水系エマルションにより、本発明と同様な工程に従ってシリカゲル等の多孔質無機粉体を処理した場合は、きわめて撥水性に優れた無機粉体が得られることを見いだした。すなわち、当該撥水性無機粉体は、水系媒体に投入された場合、沈降することなくその表面に浮遊する。
これに対し、本発明におけるように、シリコーン系化合物を有機溶媒に溶解した有機溶媒溶液として、同じ多孔質無機粉体を処理した場合は、上記したように再分散性に優れた無機粉体が形成され、当該粉体が水系媒体中に投入された場合、浮遊することなく、容易に沈降し、清澄な上澄み液となるが、当該沈殿物は手で振って振盪を与えることにより、再び当該水系媒体中に容易に分散される再分散性に優れたものが得られる。
なぜ、多孔質無機粉体をシリコーン系化合物で同じように乾式で処理をしているにかかわらず、このような全く異なる特性を有する無機粉体を生ずるかのメカニズムについては、詳細には明確ではないが、おそらくつぎのようであろうと推定される。
(シリコーン系化合物の水系エマルションの場合)
シリコーン系化合物の水系エマルション(通常O/W型エマルション)は、当該シリコーン系化合物の微小液滴が水系媒体中に分散しているものである。具体的には、当該シリコーン系化合物のエマルション液滴径は、数百nmの微細状態で水中に分散している。一方、多孔質無機粉体例えばシリカゲルの細孔径はせいぜい10nm程度のものである。すなわち、エマルション液滴は、無機粉体の細孔径に対してはるかに大きい。
シリコーン系化合物の水系エマルション(通常O/W型エマルション)は、当該シリコーン系化合物の微小液滴が水系媒体中に分散しているものである。具体的には、当該シリコーン系化合物のエマルション液滴径は、数百nmの微細状態で水中に分散している。一方、多孔質無機粉体例えばシリカゲルの細孔径はせいぜい10nm程度のものである。すなわち、エマルション液滴は、無機粉体の細孔径に対してはるかに大きい。
いま、シリコーン系化合物の水系エマルションを、シリカゲル等多孔質無機粉体と乾式混合して処理した場合、当該水系エマルションは、当該無機粉体の細孔内に毛細管力により吸収されるが、その際に、数百nm径のシリコーン系化合物のエマルション粒子の液滴の大部分は、当然のことながら10nm径の細孔内には侵入することができない。すなわち、水系エマルションのうち、実質的に水系媒体のみが細孔内に浸入して細孔容積を占有することになり、表層部にはシリコーン系化合物の粒子が、いわば濾過された状態で残留することになる。
この状態において乾燥工程を実施した場合、粒子外表面に残留しているシリコーン系化合物は水系媒体が乾燥除去された後でそのまま粉体表面に固定されることになり、かくして、処理粉体は、水系媒体に対する大きな撥水性を示すものとなると推定される。
(シリコーン系化合物の有機溶媒溶液の場合)
一方、シリコーンオイル等のシリコーン系化合物は、これを酢酸エチル等の有機溶媒に溶解してその希釈された溶液として多孔質無機粉体に添加し、当該無機粉体と乾式状態で混合処理した場合、当該シリコーン系化合物を含有する有媒溶液は、均一相であるから、そのまま容易に当該細孔内へ導入され、ほぼ全ての溶液が細孔内を満たすことになる。すでに述べたように、その後の乾燥工程で有機溶媒を加熱、蒸発させ除去することで、そのシリコーンオイル等のシリコーン系化合物のみが細孔内へ残留する。ただし、当該無機粉体の外表面にはほとんどシリコーン系化合物が存在しないので、元のシリカゲル表面状態(親水性)を維持した状態となる。これが、本発明においては、再分散性の多孔質無機粉体が得られる理由であると考えられる。
一方、シリコーンオイル等のシリコーン系化合物は、これを酢酸エチル等の有機溶媒に溶解してその希釈された溶液として多孔質無機粉体に添加し、当該無機粉体と乾式状態で混合処理した場合、当該シリコーン系化合物を含有する有媒溶液は、均一相であるから、そのまま容易に当該細孔内へ導入され、ほぼ全ての溶液が細孔内を満たすことになる。すでに述べたように、その後の乾燥工程で有機溶媒を加熱、蒸発させ除去することで、そのシリコーンオイル等のシリコーン系化合物のみが細孔内へ残留する。ただし、当該無機粉体の外表面にはほとんどシリコーン系化合物が存在しないので、元のシリカゲル表面状態(親水性)を維持した状態となる。これが、本発明においては、再分散性の多孔質無機粉体が得られる理由であると考えられる。
以下、実施例により本発明の実施の態様の一例を説明するが、本発明の技術的範囲がこの実施例によってなんら限定的に解釈されるものではない。
(評価方法)
以下の実施例において、シリコーン系化合物処理多孔質無機粉体の評価は次のようにして行った。
(評価方法)
以下の実施例において、シリコーン系化合物処理多孔質無機粉体の評価は次のようにして行った。
(i)(親水性の評価)
シリコーン系化合物で処理した粉体0.1gを蒸留水30mlが入った100mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイク(手による振盪)し、以下の評価基準で判断する。
○:ハンドシェイクした試料のすべてが沈殿する。
△:ハンドシェイクした試料の半分程度が沈殿する。
×:ハンドシェイクした試料の大半が水上に浮遊した状態である。
シリコーン系化合物で処理した粉体0.1gを蒸留水30mlが入った100mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイク(手による振盪)し、以下の評価基準で判断する。
○:ハンドシェイクした試料のすべてが沈殿する。
△:ハンドシェイクした試料の半分程度が沈殿する。
×:ハンドシェイクした試料の大半が水上に浮遊した状態である。
ハンドシェイクした結果が○である場合は、処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易にこれになじむことから、十分な親水性を有していると判断される。これに対し、親水性がなく(撥水性が強すぎて)ハンドシェイク後に粉体の大半が水系媒体上に浮遊している状態(×)の場合は、化粧料に配合した場合の美観維持の観点からも好ましくなく、再分散型化粧料に好適に配合して使用することができない。
(ii)(アンチケーキング性の評価)・・・自然沈降3日間
シリコーン系化合物で処理した処理粉体5[g−粉体]を蒸留水100mlが入った100mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイクする。均一に混合した後、これを3日間静置する。3日経過後の沈殿物の性状を以下の基準で判断する。
◎:ガラス瓶を90度に傾けたときに、沈殿が容易に流動する。
○:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で軽く振ると沈殿物が流動する。
△:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振ると沈殿物が流動する。
×:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振っても沈殿物が流動しない。
シリコーン系化合物で処理した処理粉体5[g−粉体]を蒸留水100mlが入った100mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイクする。均一に混合した後、これを3日間静置する。3日経過後の沈殿物の性状を以下の基準で判断する。
◎:ガラス瓶を90度に傾けたときに、沈殿が容易に流動する。
○:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で軽く振ると沈殿物が流動する。
△:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振ると沈殿物が流動する。
×:ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振っても沈殿物が流動しない。
ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動する場合(◎)とは、容器底のケーキ層が容易に流動することを意味し、このことより粉体の再分散性が非常に優れていることを示すものである。
(iii)(アンチケーキング性の評価)・・・加速試験
シリコーン系化合物で処理した処理粉体2[g−粉体]を蒸留水30mlが入った50mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイクする。均一に混合した後、これを遠心分離機(ローター径350mm、回転数1050rpm(200G換算))で5分間処理(遠心分離処理)を行ない、処理後のケーキの状態(再分散性)を以下の基準で判断する。
○:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が簡単に再分散する。
△:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が再分散する。
×:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が再分散しない。
シリコーン系化合物で処理した処理粉体2[g−粉体]を蒸留水30mlが入った50mlガラス瓶に加え、これをハンドシェイクする。均一に混合した後、これを遠心分離機(ローター径350mm、回転数1050rpm(200G換算))で5分間処理(遠心分離処理)を行ない、処理後のケーキの状態(再分散性)を以下の基準で判断する。
○:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が簡単に再分散する。
△:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が再分散する。
×:容器を10回ハンドシェイクしたときに、沈殿物(ケーキ)が再分散しない。
(iv)(溶媒安定性の評価)
シリコーン系化合物で処理した処理粉体(初期炭素率C0)を水系媒体(水及び20%1,3−ブチレングリコール(BG))に添加してスラリー化し、24時間静置後、濾過、乾燥し、油剤残存炭素率Cを測定し、以下の式(2)により油剤残存率Rを求める。
油剤残存率R=(C/C0)×100 (2)
シリコーン系化合物で処理した処理粉体(初期炭素率C0)を水系媒体(水及び20%1,3−ブチレングリコール(BG))に添加してスラリー化し、24時間静置後、濾過、乾燥し、油剤残存炭素率Cを測定し、以下の式(2)により油剤残存率Rを求める。
油剤残存率R=(C/C0)×100 (2)
(油剤残存炭素率の測定方法)
式(2)における油剤残存率(C)は、以下の手順で測定した。
(1)各実施例の処理粉体1gを各溶媒〈水及び1,3-ブチレングリコール20%水溶液の2種〉10g中へ添加分散する。
(2)分散後、室温×24時間静置する。
(3)24時間静置後のスラリーを濾紙(孔径0.5μm)を用い、固液分離し、分離ケーキを120℃×2時間乾燥する。
(4)乾燥後の粉体について、NCアナライザー(SUMIGRAPH NC-80、住化分析センター社製)より炭素含有率を測定しこれをC(%)とする。
(5)また、同様にして溶媒に分散前の処理粉体の炭素含有率を測定しこれをC0(%)とする。
(6)(2)式により(C/C0)を求めることにより、油剤残存率Rを算出する。
式(2)における油剤残存率(C)は、以下の手順で測定した。
(1)各実施例の処理粉体1gを各溶媒〈水及び1,3-ブチレングリコール20%水溶液の2種〉10g中へ添加分散する。
(2)分散後、室温×24時間静置する。
(3)24時間静置後のスラリーを濾紙(孔径0.5μm)を用い、固液分離し、分離ケーキを120℃×2時間乾燥する。
(4)乾燥後の粉体について、NCアナライザー(SUMIGRAPH NC-80、住化分析センター社製)より炭素含有率を測定しこれをC(%)とする。
(5)また、同様にして溶媒に分散前の処理粉体の炭素含有率を測定しこれをC0(%)とする。
(6)(2)式により(C/C0)を求めることにより、油剤残存率Rを算出する。
〔実施例1〕
(1)シリコーン系化合物で処理すべき多孔質無機粉体として、真球状シリカゲル(商品名:サンスフェア L−51、AGCエスアイテック社製、粒子径:5μm、比表面積:300m2/g、細孔容積:0.90ml/g、初期吸油量m0:160ml/100g)100gを使用した。
(1)シリコーン系化合物で処理すべき多孔質無機粉体として、真球状シリカゲル(商品名:サンスフェア L−51、AGCエスアイテック社製、粒子径:5μm、比表面積:300m2/g、細孔容積:0.90ml/g、初期吸油量m0:160ml/100g)100gを使用した。
また、シリコーン系化合物として、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KF-96A-100CS 信越化学工業社製 動粘度:100mm2/s 比重:0.965g/ml)43.3gを酢酸エチル40.5gであらかじめ希釈した溶液とした。
(2)シリカゲル100gと上記調整したジメチルシリコーンオイルの酢酸エチル溶液を容積1000mlのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機であるターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼズ社製)にセットして実質的に粉体の乾燥状態において2時間混合し、その細孔内に当該シリコーン系化合物を導入した。(シリコーンオイル配合量はシリカゲル細孔容積の50容量%と設定した。)。
(3)このジメチルシリコーンオイルで処理した無機粉体混合物を120℃で10時間乾燥し、有機溶媒である酢酸エチルを乾燥除去するとともに、ジメチルシリコーンオイルを真球状シリカゲルの細孔内に担持・充填した。吸油量を測定したところm=78ml/100gであり、これより、細孔容積充填率φ=((m0−m)/m0)×100=((160−78)/160)×100=51%と算出された。
(4)このジメチルシリコーンオイルを充填したシリカゲルの特性を評価した結果は以下のとおりである。
(i)(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊することなく、沈殿し美麗な水系媒体の上澄み液を形成することが確認された。
(i)(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊することなく、沈殿し美麗な水系媒体の上澄み液を形成することが確認された。
(ii)(自然沈降の場合のアンチケーキング性)
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。すなわち、容器底の沈降ケーキ層は容易に流れることを意味し、沈殿粉体の再分散性に非常に優れていることが確認された。
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。すなわち、容器底の沈降ケーキ層は容易に流れることを意味し、沈殿粉体の再分散性に非常に優れていることが確認された。
(iii)(加速試験の場合のアンチケーキング性)
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクしたところ簡単に再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクしたところ簡単に再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
(iv)(溶媒安定性)
上記処理粉体の各溶媒に対するジメチルシリコーンオイルの残存率を測定し、式(2)により、油剤残存率Rを求めたところ、R=89.5%(水の場合) R=85.2%(1,3−ブチレングリコールの20%水溶液の場合)であった。これは、シリカゲルの空孔内に担持・充填したジチメルシリコーンが、水系媒体中に放置された場合でも、ゲル内に担持(固定)された状態を実質的にそのまま長期間保持していることを示している。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
上記処理粉体の各溶媒に対するジメチルシリコーンオイルの残存率を測定し、式(2)により、油剤残存率Rを求めたところ、R=89.5%(水の場合) R=85.2%(1,3−ブチレングリコールの20%水溶液の場合)であった。これは、シリカゲルの空孔内に担持・充填したジチメルシリコーンが、水系媒体中に放置された場合でも、ゲル内に担持(固定)された状態を実質的にそのまま長期間保持していることを示している。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
〔実施例2〕
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル26.1gを酢酸エチル56.3gであらかじめ希釈した溶液としたほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル26.1gを酢酸エチル56.3gであらかじめ希釈した溶液としたほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(2)吸油量を測定したところm=104ml/100gであり、これより、細孔容積充填率φ=((m0−m)/m0)×100=((160−104)/160)×100=35%と算出された。
(3)このジメチルシリコーンオイルを充填したシリカゲルの特性を評価した結果は以下のとおりである。
(i)(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
(ii)(自然沈降の場合のアンチケーキング性)
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。
(iii)(加速試験の場合のアンチケーキング性)
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクにより簡単に再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクにより簡単に再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
〔実施例3〕
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル17.4gを酢酸エチル64.8gであらかじめ希釈した溶液としたほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル17.4gを酢酸エチル64.8gであらかじめ希釈した溶液としたほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(2)吸油量を測定したところm=120ml/100gであり、これより、細孔容積充填率φ=((m0−m)/m0)×100=((160−120)/160)×100=25%と算出された。
(3)このジメチルシリコーンオイルを充填したシリカゲルの特性を評価した結果は以下のとおりである。
(i)(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、この処理粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
(ii)(自然沈降の場合のアンチケーキング性)
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。
当該処理シリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けただけで、沈殿が容易に流動し、◎と評価された。
(iii)(加速試験の場合のアンチケーキング性)
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクにより再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
遠心分離後のケーキ層は、ハンドシェイクにより再分散することが確認され、アンチケーキング性は○と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
〔比較例1〕
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル86.9gを酢酸エチルで希釈せず、そのまま使用したほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、実施例1で使用したジメチルシリコーンオイル86.9gを酢酸エチルで希釈せず、そのまま使用したほかは、実施例1と同様な操作を行った。
(2)吸油量を測定したところm=35ml/100gであり、これより、細孔容積充填率φ=((m0−m)/m0)×100=((160−35)/160)×100=79%と算出された。
(3)このジメチルシリコーンオイルを充填したシリカゲルの特性を評価した結果は以下のとおりである。
(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が×であった。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊している状態であった。したがって、アンチケーキング性等の検討を行う必要もなく、水性二層型化粧料(再分散性化粧料)等に使用することは不可であることが確認された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が×であった。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊している状態であった。したがって、アンチケーキング性等の検討を行う必要もなく、水性二層型化粧料(再分散性化粧料)等に使用することは不可であることが確認された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
〔比較例2〕
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gを、ジメチルシリコーンオイルによる処理を行うことなく、ブランクとしてそのまま使用した。その吸油量を測定したところm0=160ml/100gであった。(細孔充填率φ=0%)
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gを、ジメチルシリコーンオイルによる処理を行うことなく、ブランクとしてそのまま使用した。その吸油量を測定したところm0=160ml/100gであった。(細孔充填率φ=0%)
(2)この無処理のシリカゲル(シリカゲル原体)の特性を評価した結果は以下のとおりである。
(i)(親水性)
当該無処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、当該粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
当該無処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が○であり、当該粉体は水系媒体をはじくこと無く容易に水系媒体となじむことから、十分な親水性を有していることが確認された。
(ii)(自然沈降の場合のアンチケーキング性)
当該無処理のシリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振っても沈殿物が流動しない状態であり、ハードケーキングを生じており、アンチケーキング性は×と評価された。
当該無処理のシリカゲルは、ガラス瓶を90度に傾けたときに、手で強く振っても沈殿物が流動しない状態であり、ハードケーキングを生じており、アンチケーキング性は×と評価された。
(iii)(加速試験の場合のアンチケーキング性)
遠心分離後のケーキ層は、強くハンドシェイクしても再分散しないことが確認され、アンチケーキング性は×と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
遠心分離後のケーキ層は、強くハンドシェイクしても再分散しないことが確認され、アンチケーキング性は×と評価された。
以上の結果を表1及び表2にまとめて示した。
〔合成例1〕
(シリコーンエマルションの合成)
ジメチルシリコーンオイル(商品名:KF-96A-100CS 信越化学工業社製 動粘度:100mm2/s 比重:0.965g/ml)500gに、界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル(三洋化成工業社製 商品名:イオネットMO-600)75gを溶解した溶液に、脱塩水425mlを添加した。
(シリコーンエマルションの合成)
ジメチルシリコーンオイル(商品名:KF-96A-100CS 信越化学工業社製 動粘度:100mm2/s 比重:0.965g/ml)500gに、界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル(三洋化成工業社製 商品名:イオネットMO-600)75gを溶解した溶液に、脱塩水425mlを添加した。
この混合液をT.K.HOMO MIXER(特殊機化工業社製)で10000rpmで15分間予備乳化した。当該予備乳化液を、高圧乳化機(吉田機械工業社製 機種名:Nanomizer markII、型式:NM2-L200)を用いて、オリフィス径120μmの貫通型ジェネレーターで120MPaの圧力で4パス処理して乳化を行った。
乳化したジメチルシリコーンオイルの水系エマルション粒子のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA-920型)による平均粒子径は、200nmであった。
〔比較例3〕
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、合成例1のジメチルシリコーンオイル水系エマルション34.8gを脱塩水55.2gであらかじめ希釈した分散液としたほかは、実施例1と同様の操作を行った。
(1)実施例1で使用した真球状シリカゲル100gに対し、合成例1のジメチルシリコーンオイル水系エマルション34.8gを脱塩水55.2gであらかじめ希釈した分散液としたほかは、実施例1と同様の操作を行った。
この吸油量を測定したところm=150ml/100gであり、これより、細孔容積充填率φ=((m0−m)/m0)×100=((160−150)×160)=6%と算出され、そのシリコーンエマルションはほとんど細孔内へは充填されていないことが確認された。
(2)このジメチルシリコーンオイルの水系エマルションにより処理したシリカゲルの特性を評価した結果は以下のとおりである。
(親水性)
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が×であった。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊している状態であった。したがって、アンチケーキング性等の検討を行う必要もなく、水性二層型化粧料(再分散性化粧料)等に使用することは不可であることが確認された。
当該処理シリカゲルは、ハンドシェイクした結果が×であった。すなわち、この処理シリカゲルはハンドシェイクした場合、大半が水系媒体表面に浮遊している状態であった。したがって、アンチケーキング性等の検討を行う必要もなく、水性二層型化粧料(再分散性化粧料)等に使用することは不可であることが確認された。
本発明によれば、基材にシリカゲルなどの多孔質の無機粉体を用い、通常は撥水処理に用いられるシリコーンオイル等のシリコーン系化合物の特定量を、当該細孔内へ導入し、実質的に細孔内に担持・固定することにより、親水性を維持しつつ、かつ、水溶媒中においてハードケーキを作りにくく再分散性に優れた無機粉体を製造することができる。
また、本発明の方法によって得られた当該無機粉体の細孔内に担持されたシリコーン系化合物は、水系媒体中で長期間保持した場合でも、当該細孔内に安定的に担持され、実質的に水系媒体中に流出することはない。
以上のごとく、本発明の方法により得られる再分散性に優れた多孔質無機粉体は、水性二層型化粧料の配合材料、樹脂・塗料等の添加剤として好適に用いることができる。
10 多孔質無機粉体
20 シリコーン系化合物の有機溶媒溶液
30 乾燥状態で混合・撹拌処理を行う第1工程
40 処理した無機粉体の加熱・乾燥・担持を行う第2工程
50 有機溶媒
60 再分散性多孔質無機粉体
20 シリコーン系化合物の有機溶媒溶液
30 乾燥状態で混合・撹拌処理を行う第1工程
40 処理した無機粉体の加熱・乾燥・担持を行う第2工程
50 有機溶媒
60 再分散性多孔質無機粉体
Claims (10)
- 細孔を有する多孔質無機粉体において、当該細孔容積の20−70容量%がシリコーン系化合物で充填されていることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体。
- 前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である請求項1に記載の多孔質無機粉体。
- 前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである請求項1又は2に記載の多孔質無機粉体。
- 細孔を有する多孔質無機粉体に、当該細孔容積の20−70容量%を充填する量のシリコーン系化合物を含有する有機溶媒の溶液を添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながらその細孔内に当該シリコーン系化合物を導入する第1工程と、処理された無機粉体を加熱して当該有機溶媒を乾燥除去するとともに、当該シリコーン系化合物を当該細孔内に担持させる第2工程とからなることを特徴とする水系媒体における再分散性に優れた多孔質無機粉体の製造方法。
- 前記多孔質無機粉体が、その比表面積が300−2000m2/g、細孔容積が0.8−5.0ml/gの多孔質粒子である請求項4に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
- 前記多孔質無機粉体が、シリカゲル、ゼオライト、またはカーボンブラックである請求項に4又は5に記載の多孔質無機粉体の製造方法。
- 前記シリコーン系化合物が、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかである請求項4−6のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
- 前記第1工程における混合・撹拌によるシリコーン系化合物の細孔内への導入処理を1分−6時間行う請求項4−7のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
- 前記第2工程における加熱処理を50−250℃で30分−20時間行う請求項4−8のいずれかに記載の多孔質無機粉体の製造方法。
- 請求項1−3のいずれかに記載の再分散性に優れた多孔質無機粉体を配合した水性二層型化粧料。
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-
2007
- 2007-09-27 JP JP2007250335A patent/JP2009078952A/ja not_active Withdrawn
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