JP2009077668A - 高湿度熱気を用いたコーヒーとそのコーヒー製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】コーヒー本来の風味を引き出すことと併せて深煎り若しくは超深煎りによって新しいこれまでにない特徴的な風味を作り出すことが、コーヒーの需要拡大のためにも望まれているところである。
以上の要望を満たすためには、高温のもとで短時間で均一に焙煎することと空気(酸素)が供給される条件が必要になる。
【解決手段】本願発明では、バーナーに高圧ノズルから水を噴霧して生成する高湿度熱気を温度、湿度、風量、水量などを制御しながら、通常の焙煎から超深入煎りまでのコーヒーを短時間で均一に焙煎することで、本来のコーヒーの風味からこれまでにない特徴的な風味を作り出すことを可能とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バーナーに高圧ノズルから水を噴霧して発生する高湿度熱気を用いたコーヒーの焙煎方法、その装置及びコーヒーに関する。特に深煎り若しくは超深煎りの新たな風味のコーヒーの焙煎方法及、その装置、及びコーヒーに関する。
コーヒーの品質は、コーヒー豆の焙煎によって決定されるといわれ、またこの焙煎によって新たな風味のコーヒーを生み出すこともできる程の重要な工程である。
コーヒー豆の焙煎方法としては、一般には回転釜などの容器に外部からバーナーで加熱する直火による方法、バーナーで発生させた熱風を吹き込む方法、以上の方法を併用する方法が行われている。
特に濃厚な味わいを引き出すために用いられる深煎りコーヒーの製造については、密封された容器にコーヒー生豆を入れ、そこに高温の熱風を吹き込む方法や、ボイラーで水蒸気をつくり、これをバーナー若しくは誘電加熱機などで再加熱して得られた高温の加熱水蒸気による焙煎方法(特開平1−256347号「コーヒー豆の焙煎方法」、同6−30754号「コーヒー豆の焙煎方法」)があり、特開2001−149013号「コーヒー豆のロースト方法」では、コーヒー豆を予熱して、その後に加熱水蒸気によるロースト方法が提案されている。
特開平1−256347号 特開平6−30754号 特開2001−149013号
コーヒーはコーヒー本来の風味を引き出すために効率よくできるだけ短時間で均一に焙煎することと、新しいこれまでにない特徴的な風味を作り出すことが常に望まれているところである。
以上の要望を満たすためには、高温のもとで短時間で均一に焙煎することと空気(酸素)が供給される条件が必要になる。
ところが、従来の直火や熱風の方法では、空気(酸素)下で焙煎が行われるという条件を満たすことはできるが、熱伝導に限界がある。また焙煎機の運転条件による調整で風味を引き出すことも不可能ではないが、新しい風味を作り出すためには機械の構造、すなわち加熱方式を新たに作り出さなければならない。
さらに、焙煎の度合を示すL値が15以下の超深煎りをする場合は、コーヒー豆が発火して燃焼する危険がある。
これに対して、過熱水蒸気による焙煎方法では、高温であっても発火のおそれはなく、直火よりも効率良く加熱することは可能であるが、そもそも再加熱されることによって、水蒸気濃度が少なく、また温度も低いために、短時間に均一に焙煎することは難しい。
また、無酸素に近い状態で加熱されるので、コーヒー本来の風味を引き出すことが難しいといえる。
さらに、ボイラーで加熱するほかに、再加熱するための装置と2重の装置が必要でコストやスペースなどに問題がある。
そこで、本願発明は、本来のコーヒーの風味を効率よく引き出すことができ、また同時にL値が15以下の深煎り若しくは超深煎り焙煎により、従来にない苦味や香ばしさに特徴的な新たなコーヒー、製造方法及び製造機械を提供するものである。
すなわち、本願発明では、バーナーに高圧ノズルから水を噴霧した高湿度熱気を用いることによって、本願発明の第1は、コーヒー生豆を攪拌しながら均一に高湿度熱気を吹き付けるコーヒーの焙煎方法である。
また、本願発明の第2は、高湿度熱気が250℃以上である本願発明の第1に記載するコーヒーの焙煎方法である。
さらに、本願発明の第3は、焙煎の度合を示すL値が15以下である本願発明の第1又は第2に記載するいずれかのコーヒーの焙煎方法である。
さらにまた、本願発明の第4は、高湿度熱気により焙煎されたコーヒーである。
本願発明の第5は、250℃以上の高湿度熱気により焙煎されたコーヒーである。
本願発明の第6は、焙煎の度合を示すL値が15以下である本願発明の第4又は第5に記載するいずれかのコーヒーである。
本願発明の第7は、本願発明の第4乃至第6に記載するいずれかのコーヒーを用いたコーヒー飲料である。
本願発明の第8は、本願発明の第4乃至第6に記載するいずれかのコーヒーを用いたコーヒーエキスである。
本願発明の第9は、本願発明の第4乃至第6に記載するいずれかのコーヒーを微粉砕した微粉末である。
本願発明の第10は、バーナーに高圧ノズルから水を噴霧して250℃以上の高湿度熱気を発生する燃焼室と、その高湿度熱気を焙煎ケーシングに送る耐熱性送風機と、コーヒー生豆を回転プレートにより攪拌し、前記耐熱性送風機により送られた高湿度熱気を均一に吹き付ける焙煎ケーシングから構成されている高湿度熱気コーヒー焙煎機である。
本願発明によれば、コーヒーを高湿度熱気で加熱・焙煎することにより短時間で均一に熱を伝えコーヒー豆を焙煎することができ、通常のコーヒー焙煎機と同様に空気を取入れて焙煎するため酸素が存在しコーヒー本来の風味が得られる。
また250℃以上の高温を得ることができ、高密度水蒸気を含む高湿度熱気で焙煎することにより、係る高温のもとでもコーヒー豆が燃焼するおそれがないので超深煎り焙煎も可能である。
高湿度熱気は、温度、湿度、風量、水量などを制御しながら生成することで、通常の焙煎から超深煎りまで任意の度合に焙煎が可能であるので、これにより、本願発明では、従来のコーヒーにない苦味や香ばしさに特徴的な風味が得られる。さらに、それを用いた飲料・食品に新しいコーヒー風味を付与することができる。
本願発明を加湿式焙煎機の概念図である図1に基づいて説明する。
本発明においては、燃焼室4において、バーナー2にポンプ1によって水をノズル3から直接噴射させ加湿の熱気を作り出し、この高湿度熱気を耐熱ブロア5を介して焙煎ケーシング6送り込む。バーナー2はガスバーナーが用いられるが種類は問わない。水はポンプ1によって加圧され、高圧ノズル3からバーナーに噴霧されることにより、温度250〜400℃の高湿度に加湿された熱気を作り出す。
焙煎ケーシング6は、モーター8で回転する回転プレート7を備え、この回転プレート7の下方にはパンチングメタル9で仕切られており、このパンチングメタル9を介して下方は排煙シュート10からなり、この排煙シュート10からは耐熱ブロア11を介して排煙処理機12に連結されている。
コーヒー生豆(図示せず)は、焙煎ケーシング6に投入され、これを回転プレート7で攪拌しながら、燃焼室4から送り込まれる高湿度に加湿された熱気を吹き付けてコーヒー生豆を焙煎する。その後熱気は、パンチングメタル9から排気シュート10を通り、耐熱ブロア11により排煙処理機12に送り込まれる。
高湿度熱気に含まれる高密度水蒸気は熱伝導率が高いことから、攪拌されながらコーヒー生豆は短時間で均一に焙煎することができ、また空気を取り入れながら焙煎をするために酸素が存在してコーヒー本来の風味が得られるものであり、これまでの直火、熱風及び加熱水蒸気による焙煎方法に比較して格段の効果を得られる。
特に、焙煎の度合を示すL値15以下の深煎り、若しくは超深煎りのコーヒーでは、この方法によって従来のコーヒーにはない苦味や香ばしさに特徴のある新しい風味が得られる。またこれを用いた新しい風味の飲料や食品、具体的には缶コーヒーなどのコーヒー飲料はもとよりのこと、このコーヒー飲料を原料としたり、係るコーヒーを微粉砕した微粉砕粉末や、抽出したコーヒーエキスを用いたゼリーその他の菓子やパン、及びその他のあらゆる食品に応用可能である。
高湿度熱気は、バーナー2の温度、高圧ノズル3から噴霧される水量などによって調節可能であり、また燃焼ケーシング6への風量や焙煎の時間を調節することによって、コーヒーの焙煎の深煎りの程度やコーヒーの風味を調整することができる。
次に、本発明に係る高湿度熱気を用いた焙煎方法およびその装置、そのコーヒー更にはこれを用いた飲食物について、実施例と比較例に基づいてより詳しく説明する。
実施例では、本願発明の焙煎方法と過熱水蒸気を用いた焙煎方法とによる中深煎り(実施例1と比較例1)と、熱風と直火とを併用する一般的な焙煎方法であって、深煎り(実施例2と比較例2)と超深煎り(実施例3と比較例3)を比較して説明をする。
まず、本願発明の焙煎方法と過熱水蒸気を用いた焙煎方法とによる中深煎りコーヒーの比較について説明する。
本願発明に係る焙煎機の焙煎ケーシングにコロンビアEX−5kgを投入した後、焙煎ケーシング内で250℃の高湿度熱気で焙煎度L値20(中深煎り)まで焙煎を行った。
[比較例1]
過熱水蒸気焙煎機にコロンビアEX−5kgの生豆を投入し250℃の過熱水蒸気で焙煎度L20(中深煎り)まで、焙煎を行った。
[実施例1と比較例1の比較]
実施例1と比較例1の焙煎を実施した際に、焙煎度L値20に到達するまでの時間およびその焙煎豆の目視による外観比較を行なった。この結果を表1に示す。
Figure 2009077668
また、焙煎中の釜内酸素濃度と、得られた焙煎豆の抽出液の官能評価結果を[表2]に示す。なお、飯島電子工業株式会社製 微量酸素分析計によって測定し、抽出液は上記で得た焙煎コーヒー豆を株式会社カリタ製ハイカットミル(ダイヤル3.5)で粉砕し、粉18gに対して熱湯240gで3分間浸漬抽出した後、ペーパーフィルターでろ過、急冷することで得た。
Figure 2009077668
さらに、上記で得た焙煎コーヒー豆を原料として以下の通り缶コーヒーを製造し、その官能評価結果を表3に示す。この場合の缶コーヒーの製造方法は、焙煎コーヒー豆粉砕物50gを95℃の熱湯でドリップ抽出し、500gの抽出液を得た。次いで、得た抽出液500gと重曹0.8gを調合し、純水にて1リットルまで調整した。このコーヒー飲料を90℃で缶にホットパック、116℃で20分間レトルト殺菌し、缶コーヒーを製造した。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
その結果は、表1から解るように、実施例1は、比較例1と比べて、同じ焙煎度L値20まで到達するのに要した時間が短く、外観においても煎り斑の無い均一な焙煎になっていることがわかる。
また、表2から解るように、比較例1は、酸素濃度が0%であり、官能評価でもコーヒー本来の風味が引き出されていない(穀物様でコーヒーらしくない)結果であった。それに対し、実施例1には釜内に酸素が含有されており、官能評価においてもコーヒー本来の風味が引き出されていることがわかる。
さらに、表3から解るように、殺菌工程で熱による***を受ける缶コーヒーにおいても表2の風味傾向と同様の結果であり、実施例1はコーヒー本来の風味が維持されていた。
次に、本願発明に係る焙煎方法と従来の熱風と直火焙煎とによるコーヒーの焙煎方法により、深煎りの場合(実施例2と比較例2)と超深煎りの場合(実施例3と比較例3)とを比較した。
本願発明に係る焙煎機の焙煎ケーシングにコロンビアEX−5kgを投入した後、焙煎ケーシング内で260℃の高湿度熱気で焙煎度L値16(深煎り)まで焙煎を行った。
[比較例2]
PROBAT社製のコーヒー焙煎機(G−12型)にコロンビアEX−5kgの生豆を投入し、プロパンガスを燃焼させたガスバーナーから発生する熱風と釜への直接加熱により焙煎度L値16(深煎り)まで、焙煎を行った。
[実施例2と比較例2の比較]
まず、実施例2と比較例2の焙煎コーヒー豆を抽出し、得られた抽出液について官能評価、pH、酸度を測定した結果を表4に示す。なお、抽出液は焙煎コーヒー豆を(株)カリタ製ハイカットミル(ダイヤル3.5)で粉砕し、粉18gに対して熱湯240gで3分間浸漬抽出した後、ペーパーフィルターでろ過、急冷することで得た。pHは東亜電波工業株式会社製pHメーター HM-40Vにより測定し、酸度は0.1N水酸化ナトリウムにより中和滴定した際(終点pH8.2)の消費量(g/抽出液100g)を測定することで得た。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
また、実施例2と比較例2により得た焙煎コーヒー豆を、株式会社カリタ製ハイカットミル(ダイヤル1)で粉砕し、株式会社島津製作所製GC−MS−QP2010を使用したヘッドスペース法により焙煎コーヒー粉の香気成分を分析した。その結果を図2に示す。
さらに、上記で得た焙煎コーヒー豆を原料として、以下の通り、缶コーヒーを製造し、その官能評価結果を表5に示す。缶コーヒーの製造方法は、焙煎コーヒー豆粉砕物50gを95℃の熱湯でドリップ抽出し、500gの抽出液を得た。次いで、得た抽出液500gと重曹0.8gを調合し、純水にて1Lまで調整した。このコーヒー飲料を90℃で缶にホットパック、116℃で20分間レトルト殺菌し、缶コーヒーを製造した。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
(コーヒーエキスへの応用例)
次に、実施例2と比較例2で得た焙煎豆を中挽きにし、ステンレスフィルター付きの円筒形ガラス器具No.1〜4に800gずつ詰め、それぞれを連結した。次いで、No.1から得た抽出液をNo.2へ、No.2から得た抽出液をNo.3へというように準じ液を通し濃度を上げていく方式をとり、95℃の熱湯を1時間あたり9リットルの流量で、各筒を20分間ずつ通しBx15.0のコーヒーエキスを5000g得た。さらに、135℃で30秒加熱殺菌した後にペットボトルに無菌充填し、当該コーヒーエキスを10倍希釈したものの官能評価とpHの測定を行なった。その結果を表6に示す。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
(微粉砕コーヒーへの応用例)
さらに、実施例2および比較例2で得た焙煎豆を、気流を用いた同体摩擦方式による粉砕機、ドリームミルDM400Sにより微粉砕した。得られた微粉末の風味、舌触りを表7に示す。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
その結果は、表4から解るように、実施例2は比較例2に比べて苦味、コクがあり優位な差が認められた。また、実施例2はpHが高く、酸度が低いことから、これらデータからも苦味に特徴があることを示している。一方、比較例2はpHが低く、酸度が高いことから苦味が少なく酸味のある風味であるといえる。
次に、図2は、香りの質を比較する為、各香気成分の含有率%を比較している。[実施例2]は、コーヒーを焙煎することにより増加する、もしく焙煎香関連成分といわれるエステル類、フラン類、ピラジン類、ピリジン類の含有率が高かった。従って、実施例2は比較例2に比べてロースト感、香ばしさのある香気特徴を有する結果であった。
また、表5から解るように、殺菌工程で熱による***を受ける缶コーヒーにおいても、表4の風味傾向と同様の結果であり、実施例2は従来のコーヒーにない苦味や香ばしさに特徴的な風味であった。
さらに表6から解るように、コーヒーの濃厚抽出液であるコーヒーエキスにおいてもさらに、実施例2は苦味、コクに優れており、非常にパンチのある風味を有していた。酸味に関しても心地よい程度であった。一方、比較例2は、焙煎時間が長くなった事も起因しているが、風味が抜けており水っぽい印象となっていた。また、酸味が強くなっており、刺すような酸味がマイナス評価となった。これら酸味の特徴についてはpHのデータでも表れている。
一般的には、殺菌を実施する前には重曹等によりにpHを上昇させ、殺菌によるpH低下分を調整することが多いが、しかしこの調整はコーヒー本来のpHバランスを崩し、風味に悪影響を及ぼす。本発明の焙煎豆の抽出液はpHが元々高く、そのためpH調整も最小限で留めることが可能になる為、コーヒー本来の風味を損なうことなく加工することができる。
次に表7から解るように、比較例2に比べ実施例2は風味的に苦味が強く特徴的であった。更に、舌触りもより良く滑らかな食感を有していた。これは、熱伝導率が高く芯まで熱が入っていることにより、組織が軟らかくなっている為と考えられる。
次に、両方法による超深煎りにおける比較である。
本願発明に係る焙煎機の焙煎ケーシングにコロンビアEX−5kgを投入した後、焙煎ケーシング内で300℃の高湿度熱気で焙煎度L値13(超深煎り)まで焙煎を行った。
[比較例3]
PROBAT社製のコーヒー焙煎機(G−12型)にコロンビアEX−5kgの生豆を投入しプロパンガスを燃焼させたガスバーナーから発生する熱風と釜への直接加熱により焙煎度L値13(超深煎り)まで、焙煎を行った。
[実施例3と比較例3の比較]
実施例3と比較例3の焙煎を実施した際に、焙煎度L値13に到達するまでの時間および焙煎中のコーヒー豆の状態を表6に示す。
Figure 2009077668
また、上記で得た焙煎コーヒー豆を原料(一般的な原料に超深煎り豆をブレンド)として以下の通り缶コーヒーを製造し、その官能評価結果を表7に示す。缶コーヒーの製造方法は、実施例3もしくは比較例3で得た焙煎コーヒー15gとPROBAT社製のコーヒー焙煎機(G−12型)で焙煎したコーヒー35g(ブラジルL20を20g、グァテマラL18を10g、エチオピアL22を5g)とをブレンドし、ブレンドコーヒー豆として超深煎り豆が3割を占める缶コーヒー原料豆を得た。次いで、95℃の熱湯でドリップ抽出し、500gの抽出液を得た。さらに、得た抽出液500gと重曹0.8gを調合し、純水にて1リットルまで調整した。このコーヒー飲料を90℃で缶にホットパック、116℃で20分間レトルト殺菌し、缶コーヒーを製造した。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
(コーヒーエキスへの応用例)
次に、実施例3と比較例3で得た焙煎豆を中挽きにし、ステンレスフィルター付きの円筒形ガラス器具No.1〜4に800gずつ詰め、それぞれを連結した。次いで、No.1から得た抽出液をNo.2へ、No.2から得た抽出液をNo.3へというように準じ液を通し濃度を上げていく方式をとり、95℃の熱湯を1時間あたり9リットルの流量で、各筒を20分間ずつ通しBx15.0のコーヒーエキスを5000g得た。さらに、135℃で30秒加熱殺菌した後にペットボトルに無菌充填し、当該コーヒーエキスを10倍希釈したものの官能評価を行なった。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
(微粉砕コーヒーへの応用例)
さらに、実施例3および比較例3で得た焙煎豆を、気流を用いた同体摩擦方式による粉砕機:ドリームミルDM400Sにより微粉砕した。得られた微粉末の風味、舌触りを表11に示す。
Figure 2009077668
表2と同じ評価による。
その結果、表8から解るように、実施例3はL値13(超深煎り)に到達する時間が短く、これは高湿度熱気の熱伝導の良さを示している。また、比較例3においては、より長い焙煎時間が必要で、熱伝導が弱いことを示唆しているが、豆の発火の危険性を考慮すると火力を強められないことも影響している。焙煎終盤においては、実施例3は煙量も少なく安全に焙煎できたのに対し、比較例3は焙煎豆が自家発熱し白煙が発生、非常に危険な状態であった。
また、表9から解るように、実施例3および比較例3で得た焙煎豆を缶コーヒー原料として30%混合した場合、実施例3の方がより特徴的な苦味、コクを有していた。これは、実施例3のように焙煎豆を数%〜数10%配合することで、特徴的な苦味表現でき、従来のコーヒーにない新しい風味を付与することが可能であるといえる。
さらに、表10のようにコーヒーの濃厚抽出液であるコーヒーエキスにおいても、実施例3は苦味、コクに優れており、非常にパンチのある特徴的な焙煎香を有していた。
次に表11から解るように、比較例3と比べ実施例3は風味的に苦味が強く特徴的であった。更に、舌触りもより良く滑らかな食感を有していた。これは、熱伝導率が高く芯まで熱が入っていることにより、組織が軟らかくなっている為と考えられる。
本願発明に係る加湿式焙煎機の概念図である。 実施例2と比較例2により得た焙煎コーヒー豆の香気成分のグラフである。
符号の説明
1・・・・ポンプ
2・・・・バーナー
3・・・・高圧ノズル
4・・・・燃焼室
5・・・・耐熱ブロア
6・・・・焙煎ケーシング
7・・・・回転プレート
8・・・・モーター
9・・・・パンチングメタル
10・・・・排気シュート
11・・・・耐熱ブロア
12・・・・排煙処理機

Claims (10)

  1. コーヒー生豆を攪拌しながら均一に高湿度熱気を吹き付けることを特徴とするコーヒーの焙煎方法
  2. 高湿度熱気が250℃以上である請求項1に記載するコーヒーの焙煎方法
  3. 焙煎の度合を示すL値が15以下である請求項1又は請求項2に記載するいずれかのコーヒーの焙煎方法
  4. 高湿度熱気により焙煎されたコーヒー
  5. 250℃以上の高湿度熱気により焙煎されたコーヒー
  6. 焙煎の度合を示すL値が15以下である請求項4又は請求項5に記載するいずれかのコーヒー
  7. 請求項4乃至請求項6に記載するいずれかのコーヒーを用いたコーヒー飲料
  8. 請求項4乃至請求項6に記載するいずれかのコーヒーを用いたコーヒーエキス
  9. 請求項4乃至請求項6に記載するいずれかのコーヒーを微粉砕した微粉末
  10. バーナーに高圧ノズルから水を噴霧して250℃以上の高湿度熱気を発生する燃焼室と、その高湿度熱気を焙煎ケーシングに送る耐熱性送風機と、コーヒー生豆を回転プレートにより攪拌し、前記耐熱性送風機により送られた高湿度熱気を均一に吹き付ける焙煎ケーシングから構成されている高湿度熱気コーヒー焙煎機
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