JP2009076670A - 情報記憶素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低消費電力で且つ情報保持間が長く、半導体プロセスとの整合性が高い情報記憶素子を実現できるようにする。
【解決手段】半導体基板10の上に絶縁体層11を介在させて形成された下部電極12と、下部電極12の上に形成された固体電解質層13と、固体電解質層13の上に形成され、電圧の印加によって少なくとも1種類のイオンを取り込むことにより低抵抗化する一方、イオンを放出することにより高抵抗化する可変抵抗層14と、可変抵抗層14の上に互いに間隔をおいて形成された第1の上部電極15及び第2の上部電極16とを有している。これにより、半導体プロセスとの整合性が高く、微細化が可能であり、低消費電力で情報保持時間が長い情報記憶素子を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗値が電気的に変動する可変抵抗を有する不揮発性の情報記憶素子及びそれを用いた情報記憶装置に関する。
電源オフ時でも、記憶された情報が消えない不揮発性メモリ装置は、携帯電話やデジタルカメラ等のモバイル機器の発展に相俟って、急激に需要が伸びている半導体メモリ装置である。特に、大容量で且つ低消費電力のメモリ装置のニーズが高まっている。すでに数多く市販されている従来の不揮発性メモリ装置にはいくつかの種類があり、トランジスタの浮遊ゲートに電荷を蓄積するフラッシュメモリ装置や、強誘電体の分極反転を利用した強誘電体メモリ装置等がある。半導体プロセスの微細化の進展に伴って、メモリ装置の大容量化及び素子の微細化が急速に進められている。
しかしながら、フラッシュメモリ装置においては、不揮発性を維持しながら、フラッシュメモリ装置の浮遊ゲートを形成するトンネル酸化膜をスケーリングすることは困難であり、浮遊ゲートへの電子の注入には高い電圧が必要になるという問題がある。また、強誘電体メモリ装置においても、スケーリングによって強誘電体のグレインサイズにまで微細化が進み、その結果、ばらつき不良が多く、信頼性に大きな課題を抱えている。これらの背景により、次世代の不揮発性メモリ装置が要望されている。
このような要望を受けて、新世代のメモリ素子の研究が極めて活発に行われており、新しい原理に基づくメモリ素子の提案も多く行われている。近年、電圧パルスを印加して電界を変化させ、電界の変化により抵抗変化を示す薄膜を用いた可変抵抗素子によってメモリ素子(Resistance Random Access Memory:RRAM)を構成しようとする提案がなされている。しかし、情報の保持時間の短さや、特殊な材料と製造プロセスとが必要な点、さらには物理的メカニズムが未だ解明されていない点等々から、未だ実用化には至っていない。
一方、固体二次電池の原理を用いた新しいメモリ素子が提案されている。このメモリ素子は、固体二次電池における電気エネルギーを蓄える活物質層と、イオンの伝導を担う固体電解質層とから構成されており、固体二次電池セルの充電と放電との電位差をメモリ情報として読み取るデバイスである。従って、電池の構成と極めて類似した2端子タイプのメモリ素子である。一方、この応用として、イオンの充放電によって変化する活物質の抵抗率を読み取る3端子タイプのメモリ素子も提案されている。以下、このようなメモリ素子を固体電解質メモリ素子と総称する。このような固体電解質メモリ素子は電池の構成を利用しているため、記憶した情報の保持時間の長さや低消費電力という観点から注目を集めている。
図11に特許文献1に提案されている3端子タイプの固体電解質メモリ素子の模式的な断面構成を示す。図11に示すように、半導体基板1の上に絶縁体層2を介在させて下部電極3が形成されている。下部電極3の上には、第1の活物質層4、固体電解質層5及び第2の活物質層6が順次積層されており、第2の活物質層6の上には独立した1対の上部電極7、8が設けられている。2端子タイプのメモリ素子の場合は、3端子タイプのメモリ素子の上部電極7及び上部電極8の何れか一方と下部電極1との間の動作と同等である。上部電極7、8と下部電極1との間に所定の電圧を印加することにより、第2の活物質層6がイオンを吸蔵したり放出したりする。このときの化学ポテンシャルの違いをパルス電圧で読み出すのが2端子タイプである。3端子タイプの場合は、第2の活物質層6の抵抗の変化を1対の上部電極7、8によって検出する。すなわち、上部電極7、8と下部電極1との間に電位差を生じさせて、第2の活物質層6のイオンの吸蔵又は放出を促す。これにより、第2の活物質層6の電気抵抗が変化するため、この電気抵抗の変化を記憶された情報として1対の上部電極7、8の間で読み出す構成である。
このように、従来の固体電解質メモリ素子は、固体電解質が2つの活物質層4、6に挟持された構造であり、通常は一方の活物質層にイオンが蓄積されている。これに電圧を印加して他方の活物質層にイオンを移動させることにより情報を記憶させることができる。この工程は、電池における充電と対応しており、イオンを元の活物質層に戻す工程は電池における放電と対応しているため、充電後すぐに陽極と負極とを短絡すると、たちまち放電によって記憶された情報を消去することができる。
特開2003−157672号公報
しかしながら、前記従来の固体電解質メモリ素子は、電池の構成をそのまま利用しているため、半導体プロセスとの整合性の無さや実デバイスの量産化において大きな問題を抱えている。従来の固体電解質を構成する材料において、電池における一般的な活物質層は酸化リチウムコバルト(LiCoO)、酸化リチウムモリブデン(LiMoO)又は酸化リチウムニッケル(LiNiO)等であり、これらの製造には全て1000℃前後の高温の焼結が必要となる。従って、現在の700℃以下であるシリコンの最先端プロセスによって製造されるシリコンIC(Integrated Circuit)との集積化は極めて困難である。
さらに、上記特許文献1においては、電極配線用の材料としてアルミニウムを用いているが、アルミニウムは450℃程度よりも高温のプロセスによって軟化して断線してしまう。また、可動イオンとしてアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンが用いられているが、これらの材料は吸湿性が高く、半導体プロセスにおける酸又はアルカリ溶剤と反応してしまう。このように、電池の構成そのものでは、固体電解質メモリ素子の実用化は非常に難しい。
また、従来の固体電解質メモリ素子は固体二次電池と同一の構成であるため、自発的な放電によって記憶した情報が失われてしまうという問題がある。このような自発的な放電の原因は、情報の記憶に対応する充電によって両極(陽極と負極)の化学ポテンシャルの差に起因した電位差が発生するが、両極に電子とイオンとの授受を行うことができる活物質層を配置しているため、陽極から負極へ外部回路を通して電流が流れることにより充電したイオンが放電してしまうことに起因する。その結果、情報が喪失してしまい、情報保持時間を長くできないという大きな課題を抱えている。
さらに、通常の電池に使われている活物質層は、元々数Ωから数十Ωと電気抵抗が小さく、イオンの吸蔵と放出とによって生じる電気抵抗の変化は大きくない。従って、従来の固体電解質メモリ素子は、書き込まれた情報を安定して読み出しにくいという問題もある。
本発明は、前記従来の問題を解決し、低消費電力で且つ情報保持間が長く、半導体プロセスとの整合性が高い情報記憶素子を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、情報記憶素子を、イオン放出時には高抵抗であり、イオン吸蔵時には低抵抗化するオン/オフ比が大きい可変抵抗層を用い、該可変抵抗層と固体電解質層との2層構造とする構成とする。
これにより、閉回路接続時でもイオンの自発的移動がなく情報の保持時間を長くすることが可能となる。また、低温で製造できる材料を用いることにより、半導体プロセスとの整合性が高くなり、実用的で低消費電力の情報記憶素子を実現できる。
具体的に、本発明に係る情報記憶素子は、第1の電極と、第1の電極と電気的に接続された固体電解質層と、固体電解質層における第1の電極の反対側の面に接して形成され、電圧の印加によって、少なくとも1種類のイオンを取り込むことにより低抵抗化する一方、イオンを放出することにより高抵抗化する可変抵抗層と、可変抵抗層における固体電解質層の反対側の面に互いに間隔をおいて形成され、可変抵抗層とそれぞれ電気的に接続された第2の電極及び第3の電極とを備えていることを特徴とする。
本発明の情報記憶素子によると、固体電解質層と、電圧の印加によって少なくとも1種類のイオンを取り込むことにより低抵抗化する一方、イオンを放出することにより高抵抗化する可変抵抗層との積層体を備えているため、バイアス電圧を用いない短絡回路においても、イオンの移動が生じないので、記憶した情報の保持時間が長いメモリ装置を実現することができる。
本発明の情報記憶素子において、第2の電極又は第3の電極に対して、第1の電極よりも高い電圧を印加することにより、可変抵抗層は第1の抵抗値を有し、第2の電極又は第3の電極に対して、第1の電極よりも低い電圧を印加することにより、可変抵抗層は、第1の抵抗値よりも小さい第2の抵抗値を有することが好ましい。
このようにすると、異なる電圧によってイオンの吸蔵(注入)及び放出を制御することにより、2値の情報を記憶することができるため、この”オン”と”オフ”との2値を利用したデジタル計算に適したメモリ装置を実現することが可能となる。
本発明の情報記憶素子において、可変抵抗層は、第2の電極又は第3の電極と第1の電極との間に印加され、同極性で且つ値が異なる電圧に対してそれぞれ異なる抵抗値を有することが好ましい。
このようにすると、異なる電圧によって書き込む抵抗値も異なることから、多値情報を記憶することができるため、高密度で大容量のメモリ装置を実現することができる。
本発明の情報記憶素子において、第2の電極及び第3の電極から、可変抵抗層における第2の電極と第3の電極との間の異なる抵抗値を検出し、検出された抵抗値を可変抵抗層に記憶された情報として読み出すことが好ましい。
このようにすると、情報を書き込む電極を第1の電極とし、情報を読み出す電極を第2及び第3の電極として、書き込みと読み出しの電極が異なることから、非破壊で記憶された情報を読み出すことができる。このため、再書込み動作を必要とせず、情報記憶時間が長いメモリ装置を実現できる。
本発明の情報記憶素子において、可変抵抗層の平面寸法は、固体電解質層の平面寸法よりも小さく、可変抵抗層は、該可変抵抗層の一端部と第2の電極とが接し、且つ可変抵抗層の他端部と第3の電極とが接しており、可変抵抗層における第2の電極及び第3の電極とそれぞれ接する側の端部は、第2の電極の外側の端部及び第3の電極の外側の端部よりも内側に位置していることが好ましい。
このようにすると、可変抵抗層の面積が低減して、イオン移動の可逆性が向上することから、本発明の情報記憶素子を複数個配置した場合に、互いに隣接する素子同士の間におけるクロストークが生じない耐久性が高いメモリ装置を実現することができる。
本発明の情報記憶素子において、第1の電極の平面寸法は、可変抵抗層の平面寸法よりも小さく、第1の電極における第2の電極側の端部及び第3の電極側の端部は、第2の電極の外側の端部及び第3の電極の外側の端部よりも内側に位置していることが好ましい。
このようにすると、イオンの移動経路が制限されることから、情報の記憶動作及び消去動作を低消費電力で行うことができるようになる。
本発明の情報記憶素子において、第1の電極は基板の上に形成されており、固体電解質層は第1の電極の上に形成され、可変抵抗層は固体電解質層の上に形成され、第2の電極及び第3の電極は可変抵抗層の上に形成されていてもよい。
また、本発明の情報記憶素子において、第2の電極及び第3の電極は基板の上に形成されており、可変抵抗層は基板上における第2の電極及び第3の電極の上に第2の電極と第3の電極との間を埋めるように形成され、固体電解質層は可変抵抗層の上に形成され、第1の電極は固体電解質層の上に形成されていてもよい。
本発明の情報記憶素子において、可変抵抗層はブロンズ構造を有する金属酸化物からなることが好ましい。
このように、イオンの吸蔵と拡散とに優れた金属酸化物ブロンズを可変抵抗層に用いることにより、素子の動作速度を向上することができる。さらに、ブロンズ構造は本質的にはエネルギーギャップが大きいワイドギャップであり高抵抗であるが、イオンを吸蔵することにより、電子状態が変化して低抵抗化するため、高いオン/オフ比を持つメモリ装置を実現することが可能となる。
この場合に、金属酸化物は、三酸化タングステン(WO)又は三酸化モリブデン(MoO)であることが好ましい。
このようにすると、700℃以下の低温で製造が可能となるため、シリコン半導体プロセスに適合可能なメモリ装置を実現できる。
この場合に、金属酸化物はアモルファス構造を有していることが好ましい。
このようなアモルファス構造を有する金属酸化物は、高温の焼結工程を省略できるため、400℃以下の低温で製造可能なシリコン半導体プロセスに適合する。
本発明の情報記憶素子において、固体電解質層は、絶縁性の誘電体からなることが好ましい。
このようにすると、リーク電流を低減できるため、情報保持時間が長いメモリ装置を実現できる。
この場合に、固体電解質層は、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化クロム(Cr)、酸化バナジウム(V)、酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。
このように、固体電解質層に水素含有型の絶縁性誘電体を用いると、リーク電流を確実に低減することができる。
この場合に、固体電解質層はアモルファス構造を有していることが好ましい。
このようなアモルファス構造を有する固体電解質層は、高温の焼結工程を省略できるため、400℃以下の低温で製造可能なシリコン半導体プロセスに適合する。
本発明に係る情報記憶装置は、半導体基板の上に形成され、本発明に係る情報記憶素子が行列状に複数配置されたメモリ部と、半導体基板の上に形成され、メモリ部の各情報記憶素子と電気的に接続された周辺回路とを備えていることを特徴とする。
本発明の情報記憶装置によると、可変抵抗層と固体電解質層との積層構造を有する本発明の情報記憶素子を、例えばシリコンICに集積化することにより、高密度で且つ大容量の情報記憶装置を実現することができる。
本発明に係る情報記憶素子によると、微細化が可能で且つ低消費電力であり、情報の保持時間が長く繰り返し耐性が高いため、高い信頼性を有しながら高密度で且つ大容量の不揮発性メモリ装置を実現できる。
本発明に係る情報記憶素子の構成及びその製造方法について、望ましい最良の形態を実施例を挙げて図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る情報記憶素子の一例の断面構成を模式的に示している。
図1に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板10の上に絶縁体層11を介在させて、アルミニウム(Al)からなる下部電極(第1の電極)12が形成されている。下部電極12の上には、固体電解質層13と可変抵抗層14とが順次積層されて形成されている。可変抵抗層14の上には、Alからなる1対の電極、すなわち第1の上部電極(第2の電極)15及び第2の上部電極(第3の電極)16が互いに間隔をおいて形成されている。第1の実施形態においては、情報記憶素子をシリコンICに集積化した構成であって、より実用性を鑑みた例であり、半導体基板10としてシリコンを用いている。但し、半導体基板10には、シリコンに代えて、用途に応じた化合物半導体基板又は石英等の透明基板を用いても構わない。
絶縁体層11は、半導体基板10と下部電極12とを電気的に絶縁するために用いており、ここでは酸化シリコン(SiO)を用いている。
下部電極12及び各上部電極15、16にはアルミニウムを用いたが、アルミニウムに限られず、白金(Pt)、金(Au)又は銅(Cu)等を用いることができる。すなわち、半導体プロセス又は基板との適合性等から電極材料は適当に選択されてよい。
固体電解質層13には、例えば酸化タンタル(Ta)を用い、可変抵抗層14には、例えば三酸化タングステン(WO)を用いている。ここで、固体電解質層13を構成する材料は、伝導イオン種によって選択されるが、絶縁性に優れた誘電体でなければならない。可変抵抗層14と接する固体電解質層13の電気抵抗が小さいと、読み出し用電極である第1の上部電極15と第2の上部電極16との間に流れる読み出し電流が可変抵抗層14を経由して固体電解質層13を流れることになるため、該固体電解質層13を流れる電流は、結果的にリーク電流として観測される。
また、本発明に係る情報記憶素子は、固体の電気化学的酸化還元反応を利用しているため、固体電解質層13によるリーク電流が多いと、可変抵抗層14の自発的な酸化還元反応が進行してしまい、記憶した情報の保持時間が短くなってしまうという問題を生じる。そこで、第1の実施形態においては、固体電解質層13として絶縁性誘電体を用いることによりこの問題を解決している。なお、固体電解質層13に関する詳細は後述する。
次に、固体電解質層13と可変抵抗層14との膜厚について説明する。抵抗可変層14の膜厚は薄い方が好ましい。可変抵抗層14は、固体電解質層13との界面から低抵抗化するため、可変抵抗層14の膜厚が厚いと応答速度が遅くなってしまう。従って、可変抵抗層14はできる限り薄い方が良いが、薄すぎるとリーク電流の原因となってしまうため、50nm以上が望ましい。従って、第1の実施形態では、可変抵抗層14の膜厚を400nmとしている。
また、固体電解質層13の膜厚も厚すぎると電圧降下が大きくなり、イオンの駆動に高電圧が必要となってしまうため、できる限り薄い方が好ましい。しかしながら、可変抵抗層14と同様に、薄すぎるとリーク電流の原因となるため、50nm程度が望ましい。第1の実施形態では、固体電解質層13の膜厚を300nmとしている。
第1の上部電極15と第2の上部電極16との間隔は、可変抵抗層14等のグレインに影響されないことから、100nm以下でもメモリ動作を実現することが可能である。
本発明に係る情報記憶素子は、可変抵抗層14にイオンを注入して、該可変抵抗層14の抵抗を減少させた状態をオン、つまり”1”とし、逆に可変抵抗層14から固体電解質層13にイオンを放出して、該可変抵抗層14の抵抗を増大させた状態をオフ、つまり”0”として情報を記憶する。ここで、情報の記憶又は消去の際は、第1の上部電極15及び第2の上部電極16は等電位とすることが望ましい。この構成により、上部電極15、16のうちのいずれか一方へのイオンの移動の偏りをなくすことができる。
本発明に係る情報記憶素子における情報の読み出しは、1対の上部電極15、16の間で行われ、可変抵抗層14におけるオン状態又はオフ状態を、パルス電流を印加することにより検出する。なお、読み出し動作時において、各上部電極15、16に高い電圧を印加すると、イオンの移動が起こってしまう。これに加え、読み出し用の電圧を長時間にわたって印加することもイオンの移動を起こすおそれがあるため、読み出し動作はできる限り小さい電圧でパルス的に測定することが望ましい。通常、抵抗の測定には短いパルスで且つ小さい電圧でも問題はないため、必然的に低消費電力で情報の読み出しを行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る情報記憶素子の実験的な実施例を示す。
以下に説明する実施例は前述のような最良の形態ではなく、本発明の第1の実施形態に係る実験例である。
固体電解質層13を構成する酸化タンタル(Ta)の膜厚を300nmとし、可変抵抗層14を構成する三酸化タングステン(WO)の膜厚は400nmとする。
第1の上部電極15及び第2の上部電極16の間隔は10μmであり、各上部電極15、16の電極長はそれぞれ200μmである。また、下部電極12及び各上部電極15、16には白金を用いている。
図2に書き込み後における可変抵抗層14の抵抗値の時間依存性を示す。図4において、破線aは水素イオンを可変抵抗層14から固体電解質層13に移動させた”消去”状態の抵抗値を示しており、イオンを可変抵抗層14に注入する”書き込み”状態に対して高抵抗であることが分かる。また、図2に示す実線bは、書き込み状態の抵抗値を時間に対してプロットして示している。抵抗値は時間と共に徐々に上昇するものの、60分を経過しても低抵抗状態を維持していることが分かる。このように、図2からは、本実施例に係る情報記憶素子は、電源をオフ状態としても低抵抗な状態を保持する不揮発性メモリ素子であることが確認できる。図2に示すデータは、固体電解質層13及び可変抵抗層14を成膜する成膜装置の関係上、Ta及びWOに良好な膜が得られておらず、リークが発生している。このため、WOの初期の電気導電率が10−3S/cm程度となっており、良好なWO膜を用いれば、オン/オフ比の値はさらに向上して情報の保持時間も劇的に長くなる。
次に、第1の実施形態に係る固体電解質層13を構成する固体電解質について説明する。第1の実施形態においては、伝導イオン種として最もイオン半径が小さい水素イオン(H)を用いており、固体電解質には優れた水素イオンの含有能力及び伝導能力が求められる。そこで、本実施形態に係る固体電解質層13には、酸化タンタル(Ta)を用いている。Taは電気導電率が10−6S/cm程度と高抵抗であり、且つ水素の含有量が多い。このため、本実施形態に係る固体電解質層13に最適であるといえる。
なお、固体電解質層13を構成する材料は、酸化タンタル(Ta)に限られず、絶縁性及びイオンの伝導性の観点から、酸化タンタル(Ta)を含め、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化クロム(Cr)、酸化バナジウム(V)、酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの少なくとも1つから構成されることが望ましい。これらの材料は、成膜時に多くの水素及び水分子を含有することが知られている。その上、これらの誘電体材料は、スパッタ堆積法又はパルスレーザ蒸発法等により、低温で成膜することが可能であり、シリコン半導体プロセスとの適合性も高い。特に、Ta、Nb、HfO及びSiO等はアルミニウムの耐熱温度である400℃よりも低温で成膜することが可能であることから、本発明に用いる固体電解質として優れている。
さらに、固体電解質はアモルファスであることが望ましい。アモルファスは低温で形成が可能であり、且つ隙間が多い構造となることから、イオンの含有量及びイオンの移動度が増大する。また、結晶に特有のグレインによる電気特性のばらつきが発生しないことから、微細化に対応することが可能である。
このように、第1の実施形態に係る固体電解質層13として、アモルファス状態の酸化タンタル(Ta)を用いることにより、情報の保持時間が長く且つオン/オフ比の値が大きい、微細化が可能な情報記憶素子を実現することができる。
次に、第1の実施形態に係る可変抵抗層14を構成する材料について説明する。
イオンの吸蔵(注入)及び放出に伴って抵抗値が変動する抵抗変動材料は、電池の活物質材料等が候補となる。しかし、活物質は元々イオンを吸蔵又は放出できる電極として振る舞うことから、基本的には低抵抗であり且つイオンの移動に対して抵抗の変化は大きくはない。そこで、本発明では、可変抵抗層14に金属酸化物ブロンズを用いる。金属酸化物ブロンズは、金属酸化物のペロブスカイト構造を構成する元素が1つ欠落した構造であり、ペロブスカイト構造は金属元素A及びBと酸素原子OとからABOと表記される。ABOのうちA又はBが欠落した構造が金属酸化物ブロンズである。金属酸化物ブロンズ化合物は、金属的若しくは半導体的電気伝導性又は超伝導性を示し、電極触媒活性、リチウム電池の正極及びエレクトロクロミズム等の多様な機能性を有する化合物である。これは、ブロンズ構造の欠落したAサイト又はBサイトにイオンを注入できることに由来する。三酸化タングステン(WO)を例に採ると、W原子はABOにおけるBサイトを占有し、Aサイトが欠落したBO型のブロンズ化合物である。BOブロンズ化合物は、A元素が存在しない状態においても擬似的にペロブスカイト構造を構成しており、Aサイトは空孔のままである。従って、このAサイトがイオンの移動経路及び注入場所として働くため、不定比でイオンを吸蔵及び放出することができ、その結果、高いオン/オフ比を実現することができる。
なお、第1の実施形態においては、可変抵抗層14の構成材料に三酸化タングステン(WO)を用いたが、三酸化モリブデン(MoO)であっても同様の効果を得ることができる。WO及びMoOは共に金属酸化物ブロンズであり、N型半導体として振る舞うと同時に、イオンが注入されていない状態では、10−6S/cm程度と非常に低い電気導電率を示す。これに対し、プロトン又はリチウムイオン等の注入を受けると、電気導電率が3桁から6桁程度も増大する。
図3は三酸化タングステン(WO)からなる薄膜の電圧に対する電流の対数プロットであって、薄膜上に1対の電極を形成し、形成した1対の電極間(2端子間)に直流電圧を印加して、該薄膜に流れる電流を測定した結果の電流電圧曲線(I−V曲線)である。図3において、曲線a1は水素イオンが注入(ドープ)されないアモルファス状態のWOを示し、曲線b1は水素イオンがドープされない結晶状態のWOでを示している。
また、曲線a2及びb2は、それぞれアモルファスWO及び結晶WOに水素イオンをドープして還元したHWOのI−V曲線を示している。水素のドープの有無は、紫外可視吸収スペクトルの測定により確認している。この測定結果からも分かるように、水素のドープによってWOは急激に低抵抗化し、その抵抗率の変化幅は抵抗換算で6桁程度と極めて大きい。このような大きな電気導電率の変化が引き起こされるメカニズムについて以下に説明する。
図4に三酸化タングステン(WO)の価電子レベルにおけるバンドエネルギーと状態密度との関係を模式的に示す。低エネルギー領域であり、斜線を付した価電子帯50には電子が充填していることを示している。また、エネルギーが高い領域に伝導帯52が存在し、価電子帯50と伝導帯52との間には、タングステン(W)原子の5d電子軌道に由来する占有されていない中間準位が存在する。WOは、上記したように酸素の大きい電気陰性度により強いイオン結合性材料であるため、WO中のタングステン原子は価電子を酸素に奪われて6価の陽イオンに近い状態として存在する。この状態ではバンドギャップも3eV前後と大きく、高抵抗体として振る舞う。ここに水素イオンがドープされると、以下のような反応式(1)によってタングステン(W)が還元される。
WO + xH + e → HWO ……(1)
この還元反応によって供給された電子が中間準位51を占有することになり、W6+→W5+の変化が同時に引き起こされる。このとき、WOは中間準位51を占有する電子がキャリアとして働き、強いN型の半導体として振る舞うようになる。これが低抵抗化のメカニズムである。逆に、酸化反応の場合は、中間準位51から電子が脱離してW5+→W6+の変化が起こり、キャリアが減少するため、再び高抵抗状態に戻る。この現象は同族のMoOでも同様に観測される。また、Mo1−y(但し、0<y<1である。)で記述されるタングステンとモリブデンとの合金酸化物ブロンズにおいても同様である。
このように、本発明に係る情報記憶素子における可変抵抗層14にWO又はMoOを用いることにより、オン/オフ比の値が大きい情報記憶素子を実現することが可能となる。
さらに、可変抵抗層14にアモルファス材料を用いることにより、低温でも製造可能なシリコン半導体プロセスに適合できる情報記憶素子を実現できる。
金属酸化物ブロンズは、前述したように多数の空孔を有するペロブスカイト構造であり、イオン種を吸蔵する能力を持っている。従って、アモルファス化することによりイオンの吸蔵能力が増大する。原子が規則正しく配列する結晶の場合は、空孔に存在するイオンは空間的に原子の抵抗を受けるため、イオン輸送の移動度は比較的に小さい。これに対し、アモルファス構造の場合は、結晶の遠距離的秩序の乱れから、多くの空間的な空孔が存在し、それらがイオンの吸蔵を助け、イオン移動の経路になると考えられる。このため、イオンの吸蔵力及びイオン輸送の移動度が増大する。このことは電気的に情報の記憶を行うメモリ素子において、動作速度の向上及びオン/オフ比の値の増大につながる。
図3に示した曲線a1及びa2は、前述したように、アモルファスWOの水素のドープ前(曲線a1)と水素のドープ後(曲線a2)のI−V特性を示している。図3からも分かるように、アモルファスWOの水素のドープ前(曲線a1)前の抵抗は、結晶の場合の水素のドープ前(曲線b1)の抵抗と比較して高抵抗である。一方、水素のドープ後は、アモルファスWOも結晶WOもほぼ同様の曲線a2、b2となることから、アモルファスWOの方が大きい抵抗変化を示すことが分かる。
また、結晶は微細なグレインから構成されており、半導体プロセスの微細化に伴って、端子間距離もグレインサイズ程度まで微細化が進んでいる。個々のグレインはその大きさや構造が異なることから、電気物性のばらつきの原因となっており、メモリ素子の均一性に影響を及ぼす。これに対し、アモルファス材料は、このようなグレインが存在しないため、電極端子間を微細化しても、グレインによるばらつきは発生しない。例えば、第1の上部電極15及び第2の上部電極16を等電位として、各上部電極15、16と下部電極12との間で電圧を印加する構成であれば、ゲート長が45nmのシリコン半導体プロセスに適用することも可能である。これにより、第1の実施形態に係る可変抵抗層14にはアモルファスWOを用いている。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態においては、上記に説明したとおり選択された材料からなる固体電解質層13と可変抵抗層14とを積層することにより、固体電解質層13と可変抵抗層14との間でイオンの授受のみを生じさせるため、自発的な放電がない2層構造で可変抵抗層14の抵抗値を変動させることが可能である。その結果、長い情報保持時間を有する情報記憶素子を実現することができる。
(第1の実施形態の一変形例)
本発明に係る情報記憶素子は、図1に示す情報記憶素子において、第1の上部電極15及び第2の上部電極16と下部電極12との間に所定の電圧を印加して、可変抵抗層14の抵抗値を変化させることにより、その抵抗値を記憶する記憶素子である。従って、印加する電圧値によって可変抵抗層14の抵抗値が異なるため、多値情報を記憶することができる。
最良の実施形態として、可変抵抗層14に三酸化タングステン(WO)を採用し、固体電解質層13に酸化タンタル(Ta)を採用した。従って、可動イオンはTa膜中に含まれる水素イオンである。可変抵抗層14を構成するWOは、吸蔵する水素イオンの量(数)によってその電気伝導性が変化する。水素を含まないWO単層膜の電気導電率は10−6S/cmであるが、水素を含むことによりWOの一部が還元されて、WOの導電率は大きくなる。一例として、水素がタングステン1原子に対して0.06個だけ含有した状態であるH0.06WOの電気導電率は2×10−3S/cmであり、さらに水素を多く含んだH0.21WOの電気導電率は1S/cmである。このように、可変抵抗層14は吸蔵するイオンの量によってその抵抗値を変化させることができるため、複数の抵抗情報を記憶することが可能となる。移動するイオンの量は印加する電圧値に依存しており、印加電圧が大きいとイオンの移動量も大きくなる。
本変形例においては、第1の上部電極15及び第2の上部電極16に−5Vの電圧を印加し、下部電極12に0Vの電圧を印加することにより、固体電解質層13から可変抵抗層14に水素イオンを移動させて、可変抵抗層14を低抵抗状態とした。このときの可変抵抗層14の電気導電率は約0.1S/cmであった。
次に、各上部電極15、16に+2.5Vの電圧を印加する場合と、+5Vの電圧を印加する場合とを測定した。この場合は、可変抵抗層14に正電位が印加されていることから、吸蔵されていた可変抵抗層14のイオンが固体電解質層13に放出される。このとき、+5Vを印加したときの可変抵抗層14の電気導電率は約4.0×10−4S/cmである。これに対し、+2.5Vを印加したときの可変抵抗層14の電気導電率は約5×10−3S/cmであった。
このように、本変形例によると、可変抵抗層14に異なる電圧を印加することによって異なる抵抗値の状態を作り出すことができるため、メモリの多値化が可能となる。但し、印加する電圧は、固体電解質層13及び可変抵抗層14の構成材料及びその膜厚に強く依存しており、多値化の実現は、上記の変形例に限られない。また、イオンの移動量は印加する電圧の大きさと印加時間とに依存しており、イオン量の制御は、電圧に限られない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る情報記憶素子は、可変抵抗層と固体電解質層との間でイオンを電界により移動させることを動作原理としているため、電界の方向に沿ってイオンが移動すると考えられる。そこで、イオンが移動できる領域を、上部電極同士の間の領域(以下、抵抗検出経路と呼ぶ。)を含む微細な領域に制限することにより、移動するイオンの総量を少なくすることができるため、消費電力を低減できると共に高速動作が可能となる。
図5(a)は本発明の第2の実施形態に係る情報記憶素子であって、可変抵抗層を空間的に制限する素子分離構造の断面を模式的に示している。図5(a)において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図5(a)に示すように、第2の実施形態に係る情報記憶素子における可変抵抗層14Aは、その下の固体電解質層13の平面寸法よりも小さくなるようにパターニングされ、固体電解質層13の上における可変抵抗層14Aの周辺領域には、絶縁体からなるイオン障壁層17が形成されている。ここで、イオン障壁層17には、例えば、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化シリコン(AiN)等を用いることができ、プロトン等のイオン半径が小さいイオンを透過し難い材料であることが望ましい。
また、第1の上部電極15及び第2の上部電極16は、それぞれ互いに対向する内側の端部でのみ可変抵抗層14Aと接触している。
この構成によれば、イオンの移動範囲は、例えば酸化タンタル(Ta)からなる固体電解質層13と、周囲をイオン障壁層17に囲まれた三酸化タングステン(WO)又は三酸化モリブデン(MoO)からなる可変抵抗層14Aのみであるため、同一の電圧で移動させる電荷量が減少するので、小さい電力で情報の書き込み又は消去ができるようになる。
さらに、図5(a)に示すように、可変抵抗層14Aが第1の上部電極15及び第2の上部電極16の外側の端部よりも内側に形成されていることが望ましい。可変抵抗層14Aが各上部電極15、16の外側の端部のさらに外側にまで広がっている場合や、固体電解質層13よりも外側に広がっている場合は、各上部電極15、16と下部電極12との間の電界が抵抗検出経路から外れた領域にも印加されることになるため、固体電解質層13からイオンが注入される領域が広くなる。このため、各上部電極15、16と下部電極12との間に逆バイアス電圧を印加してイオンを放出する際に、放出されずに残るイオンが存在するので、酸化還元反応の可逆性が失われてくる。このことは、メモリ装置の繰り返し耐性に大きな影響を及ぼす。
第2の実施形態に係る情報記憶素子は、固体電解質層13の上に積層する可変抵抗層14Aの平面寸法を制限しているため、可変抵抗層14Aには広い範囲でイオンの注入が起こらない。これにより、可変抵抗層14Aにおけるイオンの吸蔵及び放出の可逆性が向上するため、情報の書き込み動作及び消去動作を繰り返して行っても故障を生じない、繰り返し耐性が高いメモリ装置を実現することができる。
その上、第2の実施形態においては、第1の上部電極15及び第2の上部電極16の間隔は、シリコン半導体プロセスに準じた微細化が可能であり、例えば100nm以下に設定することも可能である。このとき、可変抵抗層14Aと各上部電極15、16とのコンタクト領域を確保するため、可変抵抗層14Aの幅寸法は上部電極15、16同士の間隔よりも大きくする必要がある。
第2の実施形態の一実施例として、固体電解質層13の膜厚を300nmとし、可変抵抗層14Aの膜厚を400nmとする。また、上部電極15、16同士の間隔は5μmとし、各上部電極15、16の幅は200μmとし、電極長は100μmとする。伝導イオンには水素イオンを用い、イオン障壁層17にはSiNを用いる。ここで、可変抵抗層14Aの幅を7μmとし、該可変抵抗層14Aにおける両側の端部の幅1μmずつの領域で各上部電極15、16とのコンタクトを形成する。
このように形成された情報記憶素子において、水素イオンを可変抵抗層14Aに注入する書き込み電流の値は10μAであった。比較用として、可変抵抗層14Aをパターニングせず、その平面寸法を固体電解質層13とほぼ同一の寸法とし、イオン障壁層17を設けない構成の場合の書き込み電流の値は1mA程度であった。
(第2の実施形態の一変形例)
図5(b)に本発明の第2の実施形態の一変形例に係る情報記憶素子の模式的な断面構成を示す。図5(b)に示すように、本変形例に係る情報記憶素子は、固体電解質層13の上に形成される可変抵抗層14Aを固体電解質層13よりも平面寸法が小さくなるようにパターニングされている。さらに、パターニングされた可変抵抗層14Aの周囲にイオン障壁層を設けずに、互いに間隔をおいた第1の上部電極15及び第2の上部電極16を、固体電解質層13の上と可変抵抗層14Aの外側の端部の上とに跨るように形成されている。
このようにすると、第2の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、イオン障壁層を設けないことから、製造プロセスが簡略化されるという効果も期待できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態と同一の効果を得る他の実施形態である。すなわち、第2の実施形態のように可変抵抗層の平面寸法(平面積)を小さくパターニングするのではなく、下部電極(第1の電極)の平面寸法(平面積)を抵抗検出経路を含む領域で可能な限り小さくパターニングしてイオンの拡散領域を制限することにより、低消費電力化と繰り返し耐性の向上とを図る構成である。
図6は本発明の第3の実施形態に係る情報記憶素子の模式的な断面構成を示している。図6において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図6に示すように、シリコン(Si)からなる半導体基板10の上に絶縁体層11を介在させて、例えばアルミニウム(Al)からなる下部電極12Aが選択的にパターニングされて形成されている。絶縁体層11の上には、パターニングされた下部電極12Aを覆うように、酸化タンタル(Ta)からなる固体電解質層13Aが形成され、該固体電解質層13Aの上には、酸化タングステン(WO)からなる可変抵抗層14が形成されている。可変抵抗層14の上には、Alからなる第1の上部電極15及び第2の上部電極16が互いに間隔をおいて形成されている。
本実施形態に係る情報記憶素子における情報の記憶及び消去の原理は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同一であり、各上部電極15、16と下部電極12Aとの間に所定の電圧を印加することにより、可変抵抗層14の酸化還元反応を電気化学的に制御して情報の記憶を行う。記憶された情報の読み出しは、可変抵抗層14とそれぞれ接触して形成された1対の上部電極15、16によって検出することができる。
ここで、図6に示すように、下部電極12Aは、上部電極15、16同士の間隔に相当する最短抵抗検出経路の下方の領域を含む領域であって、下部電極12Aの側端部は、各上部電極15、16の対向する内側の各端部の下方への延長線(二点鎖線c)よりもそれぞれ素子の外側に位置するように、且つ、各上部電極15、16の外側の各端部の下方への延長線(二点鎖線d)よりもそれぞれ内側に位置するようにパターニングされている。
第3の実施形態においても、上部電極15、16同士の間隔は、半導体プロセスに準じて形成することが可能であり、100nm以下とすることが可能である。
このように、第3の実施形態によると、下部電極12Aは、イオンを移動させる電界が空間的に狭い領域にのみ印加されるようにパターニングされているため、イオンの輸送量が空間的に制限されるので、低消費電力でメモリ動作を行うことが可能となる。
図7は下部電極12Aの平面積に相当する電極の幅と書き込み電流との関係を模式的に示している。 図7に示すように、下部電極12Aの平面積にほぼ比例してイオンの輸送量は増加することから、下部電極12Aの平面積を制限することにより、低い消費電力で書き込みを実現できることが分かる。
また、図7に記載の矢印Xは、図6に示す上部電極15、16同士の間隔に相当し、内側の二点鎖線cの間隔を示している。図7から、書き込み電流の値は、下部電極12Aの幅が上部電極15、16同士の間隔よりも小さい場合はほとんど変化しないことが分かる。これは、書き込み(イオンの注入)によって低抵抗化させる必要がある可変抵抗層14の領域の体積が上部電極15、16同士の間隔によって決定されるためである。
このことから、下部電極12Aの平面積を矢印Xよりも小さくしても、必要な電流を供給するための時間及び電圧が大きくなるため、消費電力が増大してしまう。従って、下部電極12Aの幅は上部電極15、16同士の間隔程度に設定すれば、最も低消費電力で情報の書き込みを行うことができるようになる。
一例として、図7のXに相当する上部電極15、16の間隔を500nmとし、固体電解質層13には膜厚が300nmのTaを用い、可変抵抗層14に膜厚が400nmのWOを用いた場合に、下部電極12の幅を500nmとすると、書き込み電流は約20μA程度であった。
なお、本発明に係る第2の実施形態の構成と第3の実施形態に記載の構成とを組み合わせることにより、イオンの拡散領域をさらに制限することが可能となるため、より低消費電力で繰り返し耐性に優れた情報記憶素子を実現することができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る情報記憶素子は、前述したように、イオンの移動による酸化還元反応によって可変抵抗層に情報を記憶させることを基本原理としており、イオンの貯蔵及び拡散を担う固体電解質層と、イオンの吸蔵及び放出によって電気抵抗が変化する可変抵抗層とが積層された構成を必要とする。しかし、固体電解質層と可変抵抗層との積層順序は読み出し電極の形成位置に依存する。
図8は本発明の第4の実施形態に係る情報記憶素子の模式的な断面構成を示している。
図8に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板20の上に、酸化シリコンからなる絶縁体層21を介在させて、アルミニウム(Al)からなる1対の電極、すなわち第1の下部電極(第2の電極)22及び第2の下部電極(第3の電極)23が互いに間隔をおいて形成されている。絶縁体層21の上には、第1の下部電極22及び第2の下部電極23との間の領域を埋めると共に、各下部電極22、23の上にそれぞれの外側の端部を露出するように、酸化タングステン(WO)からなる可変抵抗層24が形成されている。可変抵抗層24の上には、酸化タンタル(Ta)からなる固体電解質層25及びAlからなる上部電極(第1の電極)26が順次形成されている。ここで、可変抵抗層24の膜厚は300nmとし、固体電解質層25の膜厚は400nmとしている。
このように、第4の実施形態に係る情報記憶素子は、1対の下部電極22、23によって可変抵抗層24の抵抗検出を行う。第4の実施形態においても、電圧の印加によって可変抵抗層24へのイオンの注入と脱離とを制御することに変わりは無く、例えば、第1の下部電極22及び第2の下部電極23の電位を上部電極26よりも低電位とすると、固体電解質層25から可変抵抗層24にイオンが注入されて、該可変抵抗層24の電子伝導性が増大する。
また、図8に示すように、可変抵抗層24の側面を各下部電極22、23の外側の端部よりも内側に位置するようにパターニングしているため、第2の実施形態と同様に、可変抵抗層24におけるイオン拡散領域を制限することが、低消費電力化及び高い繰り返し耐性を得るのに効果的である。
なお、図8においては、可変抵抗層24の上に該可変抵抗層24と同一面積で固体電解質層25を形成しているが、固体電解質層25が可変抵抗層24を覆うように、各下部電極22、23における可変抵抗層24と接していない領域をも覆うように形成しても構わない。エッチング(パターニング)によって制限された可変抵抗層24のみが抵抗変化するため、少ないイオン量で抵抗変化を起こすことができ、イオンの吸蔵と放出との可逆性が向上する。従って、低消費電力で且つ高い繰り返し耐性を持つメモリ装置が実現可能となる。
(第4の実施形態の一変形例)
本発明に係る第3の実施形態のようにイオン移動を制御する電極の面積を制限することによっても、移動するイオンの総量を抑えることが可能である。
図9は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る情報記憶素子の模式的な断面構成を示している。図9において、図8に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図9に示すように、本変形例に係る情報記憶素子は、上部電極26Aの幅が固体電解質層25の平面寸法よりも小さくパターニングされている。さらに、上部電極26Aの下方に、可変抵抗層24の抵抗検出経路を含む領域、すなわち第1の下部電極22と第2の下部電極23とが対向する領域が含まれるように構成されている。また、上部電極26Aの両端部は、各下部電極22、23の外側の端部よりも内側に位置するように形成されている。
高密度で大容量のメモリ装置が求められていることから、チャンネル長である下部電極同士の間隔は100nm以下での形成が可能である。従って、上部電極26Aの幅も100nm程度でよい。
本変形例によると、上部電極26Aの幅をチャンネル長程度に小さくパターニングしているため、移動するイオンの総量を抑えることができる。このため、イオンの移動領域も小さくなるので、低消費電力で且つ繰り返し耐性が高いメモリ装置を実現することができる。
なお、第3及び第4の実施形態においては、可変抵抗層に酸化タングステン(WO)を用いたが、第1の実施形態と同様に、酸化モリブデン(MoO)、さらには、Mo1−y(但し、0<y<1である。)を用いることができる。
また、固体電解質層には、酸化タンタル(Ta)を用いたが、これに限られず、酸化タンタル(Ta)を含め、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化クロム(Cr)、酸化バナジウム(V)、酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの少なくとも1つを用いることができる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る第5の実施形態は、第1〜第4の実施形態又はその変形例に係る情報記憶素子を半導体基板上に複数配列してなり、該半導体基板上に形成された電気回路(周辺回路)と接続されて、情報の記憶、読出し及び消去が可能な構成を有することを特徴とする。
図10は本発明の第5の実施形態に係る半導体メモリ装置(情報記憶装置)の構成の一例を示している。
図10に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板30の上に、それぞれ選択トランジスタ31及び情報記憶素子32からなる複数のメモリセル33が行列状に配置されている。
情報記憶素子32における書き込み電極(第1の実施形態の下部電極12に相当)は、ワードA線35と接続され、抵抗変化を検出するための1対の読み出し電極(第1の実施形態の第1の上部電極15及び第2の上部電極16に相当)のうち、一方は接地され、他方は選択トランジスタ31のドレイン電極と接続されている。
各選択トランジスタ31のソース電極はビット線36とそれぞれ接続され、そのゲート電極はワードB線34とそれぞれ接続されている。各ワードA線35及びワードB線34はロウデコーダ回路37とそれぞれ接続され、各ビット線36はカラムデコーダ及びセンスアンプ回路38とそれぞれ接続されている。
以下、第5の実施形態に係るメモリセル33の書き込み動作について説明する。
まず、書き込み対象となる行と対応するワードB線34に選択信号を印加して、ワードB線34と接続された全ての選択トランジスタ31をオン状態にする。
次に、全てのビット線36に高電位のHigh信号を印加すると共に、書き込み対象となるワードA線35に低電位のLow信号を印加する。これにより、書き込み対象となる行のメモリセルの全てについて、可変抵抗層からイオンが放出されて高抵抗状態となり、リセット動作が完了する。
次に、各ビット線36に2値情報に対応した信号、すなわちデータ”0”のビット線36にはHigh信号を印加し、データ”1”のビット線36にはLow信号を印加する。この状態で、ワードA線35にHigh信号を印加する。このとき、データ”0”を書き込むメモリセル33では、ビット線36及びワードA線35には共にHigh信号が印加されているため、情報記憶素子32には電圧が印加されない。従って、電圧が印加されない情報記憶素子32は高抵抗状態が維持される。これに対し、データ”1”を書き込むメモリセル33においては、ビット線36にLow信号を印加し、ワードA線35にHigh信号が印加されているため、情報記憶素子32を構成する可変抵抗層にはイオンが注入される。従って、可変抵抗層は低抵抗状態に遷移する。
最後に、ワードB34の選択信号をオフ状態として、書き込み動作を完了する。
次に、第5の実施形態に係るメモリセルの読み出し動作について説明する。
まず、読み出し対象となる行と対応するワードB線34に選択信号を印加し、ワードB線34と接続された全ての選択トランジスタ31をオン状態にする。
次に、全てのビット線36に電圧を印加し、選択トランジスタ31及び情報記憶素子32を通して接地された読み出し電極へと流れる電流を検知する。このとき、検知したビット線電流が所定のしきい値よりも小さければ、情報記憶素子32は高抵抗状態であり、データ”0”と判定する。これとは逆に、検知したビット線電流がしきい値よりも大きければ情報記憶素子32は低抵抗状態であり、データ”1”と判定する。以上のようにして、メモリセル33に書き込まれた情報を読み出すことができる。
このように、第5の実施形態によると、本発明に係る可変抵抗層を用いた情報記憶素子を行列状に配置することにより、大容量で且つ高密度な情報記憶装置を実現することができる。
なお、各メモリセル33の選択方法、読み出された信号の転送方法及び信号形式等は種々の構成があるため、本発明の情報記憶素子を用いた第5の実施形態に係る半導体メモリ装置は、図10に示す構成に限られない。
本発明に係る情報記憶素子は、高い信頼性を有しながら高密度で且つ大容量の不揮発性メモリ装置を実現でき、抵抗値が電気的に変動する可変抵抗を有する不揮発性の情報記憶素子及びそれを用いた情報記憶装置等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る情報記憶素子を構成する可変抵抗層の抵抗値の時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態1に係る、結晶WO及びアモルファスWOの水素ドープ前と水素ドープ後の電圧電流特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る可変抵抗層を構成するWOのバンドエネルギーと状態密度との関係を示す概略図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。(b)は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る下部電極の幅と書き込み電流との関係を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。 本発明の第4の実施形態の一変形例に係る情報記憶素子を示す模式的な断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る情報記憶装置を示す構成図である。 従来の情報記憶素子を示す模式的な断面図である。
符号の説明
10 半導体基板
11 絶縁体層
12 下部電極(第1の電極)
12A 下部電極
13 固体電解質層
13A 固体電解質層
14 可変抵抗層
14A 可変抵抗層
15 第1の上部電極(第2の電極)
16 第2の上部電極(第3の電極)
17 イオン障壁層
20 半導体基板
21 絶縁体層
22 第1の下部電極(第2の電極)
23 第2の下部電極(第3の電極)
24 可変抵抗層
25 固体電解質層
26 上部電極(第1の電極)
26A 上部電極
30 半導体基板
31 選択トランジスタ
32 情報記憶素子
33 メモリセル
34 ワードB線
35 ワードA線
36 ビット線
37 ロウデコーダ回路(周辺回路)
38 カラムデコーダ/センスアンプ回路(周辺回路)

Claims (15)

  1. 第1の電極と、
    前記第1の電極と電気的に接続された固体電解質層と、
    前記固体電解質層における前記第1の電極の反対側の面に接して形成され、電圧の印加によって、少なくとも1種類のイオンを取り込むことにより低抵抗化する一方、前記イオンを放出することにより高抵抗化する可変抵抗層と、
    前記可変抵抗層における前記固体電解質層の反対側の面に互いに間隔をおいて形成され、前記可変抵抗層とそれぞれ電気的に接続された第2の電極及び第3の電極とを備えていることを特徴とする情報記憶素子。
  2. 前記第2の電極又は前記第3の電極に対して、前記第1の電極よりも高い電圧を印加することにより、前記可変抵抗層は第1の抵抗値を有し、
    前記第2の電極又は前記第3の電極に対して、前記第1の電極よりも低い電圧を印加することにより、前記可変抵抗層は、前記第1の抵抗値よりも小さい第2の抵抗値を有することを特徴とする請求項1に記載の情報記憶素子。
  3. 前記可変抵抗層は、前記第2の電極又は第3の電極と前記第1の電極との間に印加され、同極性で且つ値が異なる電圧に対してそれぞれ異なる抵抗値を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記憶素子。
  4. 前記第2の電極及び第3の電極から、前記可変抵抗層における前記第2の電極と前記第3の電極との間の異なる抵抗値を検出し、検出された抵抗値を前記可変抵抗層に記憶された情報として読み出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記憶素子。
  5. 前記可変抵抗層の平面寸法は、前記固体電解質層の平面寸法よりも小さく、
    前記可変抵抗層は、該可変抵抗層の一端部と前記第2の電極とが接し、且つ前記可変抵抗層の他端部と前記第3の電極とが接しており、
    前記可変抵抗層における前記第2の電極及び第3の電極とそれぞれ接する側の端部は、前記第2の電極の外側の端部及び前記第3の電極の外側の端部よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報記憶素子。
  6. 前記第1の電極の平面寸法は、前記可変抵抗層の平面寸法よりも小さく、
    前記第1の電極における前記第2の電極側の端部及び前記第3の電極側の端部は、前記第2の電極の外側の端部及び前記第3の電極の外側の端部よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報記憶素子。
  7. 前記第1の電極は、基板の上に形成されており、
    前記固体電解質層は、前記第1の電極の上に形成され、
    前記可変抵抗層は、前記固体電解質層の上に形成され、
    前記第2の電極及び第3の電極は、前記可変抵抗層の上に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報記憶素子。
  8. 前記第2の電極及び第3の電極は、基板の上に形成されており、
    前記可変抵抗層は、前記基板上における前記第2の電極及び第3の電極の上に前記第2の電極と前記第3の電極との間を埋めるように形成され、
    前記固体電解質層は、前記可変抵抗層の上に形成され、
    前記第1の電極は、前記固体電解質層の上に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報記憶素子。
  9. 前記可変抵抗層は、ブロンズ構造を有する金属酸化物からなることを特徴する請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報記憶素子。
  10. 前記金属酸化物は、三酸化タングステン(WO)又は三酸化モリブデン(MoO)であることを特徴とする請求項9に記載の情報記憶素子。
  11. 前記金属酸化物は、アモルファス構造を有していることを特徴とする請求項9又は10に記載の情報記憶素子。
  12. 前記固体電解質層は、絶縁性の誘電体からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の情報記憶素子。
  13. 前記固体電解質層は、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化クロム(Cr)、酸化バナジウム(V)、酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの少なくとも1つにより構成されていることを特徴とする請求項12に記載の情報記憶素子。
  14. 前記固体電解質層は、アモルファス構造を有していることを特徴とする請求項12又は13に記載の情報記憶素子。
  15. 半導体基板の上に形成され、請求項1〜14のいずれか1項に記載の情報記憶素子が行列状に複数配置されたメモリ部と、
    前記半導体基板の上に形成され、前記メモリ部の前記各情報記憶素子と電気的に接続された周辺回路とを備えていることを特徴とする情報記憶装置。
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