JP2009074185A - 織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】織物を酸性染料同色性試験により染色し、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色し、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/SとΔE及び汚染度を特定することにより、製品染色条件で染色仕上を行った製品において目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、高い堅牢度を有する織物が得られる。
高い堅牢度を有するポリウレタン弾性繊維を用いた織物を提供すること。
【解決手段】ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維が用いられてなる織物であって、酸性染料同色性試験により染色された際のポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色したときの、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/Sの差が10以下であり、かつポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のΔEが30以下であり、且つ汚染度が3.5級以上であることを特徴とする織物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン弾性繊維を用いた織物に関する。さらに詳しくは、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維を組合わせた複合糸を使用して得られた織物あるいは、ポリウレタン繊維単独と酸性可染型繊維を組合わせた織物、あるいはポリウレタン弾性繊維及び酸性染料可染型繊維を組合わせた複合糸とその他の繊維と組合わせた織物において、着用時に布帛が伸長されてポリウレタン弾性繊維が露出した場合に、まだらに色目が異なって見える目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有する織物に関する。
織物にストレッチ性を付与することによって着用感を改善させるために、近年ポリウレタン繊維が複合された織物商品が増えて、商品分野によっては必須になりつつある。しかしながら、ポリウレタン弾性繊維は、構成するポリウレタン重合体やポリウレタンウレア重合体(以下、ポリウレタン系重合体と称する)分子中に、酸性染料に有効な染着座席が無いことから、酸性染料可染型繊維と交編された織物を酸性染料で染色した際に、酸性染料可染型繊維と同等の濃染性を確保できず、布帛が伸長されてポリウレタン弾性繊維が露出した場合にまだらに色目が異なって見える目むきが発生するという問題があった。また、ポリウレタン弾性繊維は染色時に汚染されるのみであるため、洗濯等によって色落ちしやすく、最終的に製品の品位を低下させる原因となっていた。特に黒等の濃色製品ではこの傾向が顕著であり、大きな問題となっていた。
これらの問題を解決する為に、ポリウレタン重合体の分子鎖中に第3級窒素原子を含有させる方法が知られているが(特許文献1〜4および非特許文献1参照)、これらの方法では、ポリアミド繊維等と同等の濃染性を達成するのが困難であるばかりでなく、場合によってはポリウレタン弾性繊維の物理特性を低下させるという問題があった。
一方、酸性染料と結合する染色性改良剤をポリウレタン重合体に混合する方法が提案されているが(特許文献5〜7参照)、織物における濃染性および高い洗濯堅牢度を達成するものは得られていない。
また、ポリウレタンそのものを着色したいわゆる原着糸が開発されているが(特許文献8参照)、多様な色相には対応できず、使用用途が限定されるものであった。
更にまた3級窒素を有するマレイミド構造を含むポリマーを染色改良剤として添加することで濃染性を向上させる方法が開発されているが(特許文献9参照)、同文献中の製造方法では原料の1つであるジアミンの未反応分がポリマー中に少なからず残留することがあり、このポリマーが添加されたポリウレタン弾性繊維は堅牢度が低下し、染色後にナイロン白布と一緒に洗濯したときにナイロン汚染を引き起こすことが分かった。また、この剤は経日変化による着色とゲル化を引き起こす可能性があることも分かった。この着色とゲル化は繊維の色目や紡糸安定性に影響するものである。
特公昭39−23097号公報 特公昭47−51645号公報 特公昭59−12789号公報 特公昭61−7212号公報 特開昭64−52889号公報 特開2000−313802号公報 特開2001−40587号公報 特開2004−60062号公報 特公平3−6177号公報 日本レオロジー学会誌、2001年、Vol.29、P191
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、ポリウレタン弾性繊維を用いた織物において、生地及び着用時に布帛が伸長されてポリウレタン弾性繊維が露出した場合に、まだらに色目が異なって見える目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有する織物を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、織物の生機を特定の酸性染料を用いて染色し、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色した際の、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/Sの差及びΔEを特定し、且つ汚染度を3.5級以上とすることにより、製品染色条件で染色仕上を行った製品において目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有する織物が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
本願で特許請求する発明は、以下のとおりである。
(1)ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維が用いられてなる織物であって、酸性染料同色性試験により染色された際のポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色したときの、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/Sの差が10以下であり、かつポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のΔEが30以下であり、且つ汚染度が3.5級以上であることを特徴とする織物。
(2)下記式(I)で表されるイソブチレン単位と下記式(II)で表されるマレイミド単位とからなるマレイミド構造を有するポリマーが0.2重量%〜10重量%含有されたポリウレタン弾性繊維が用いられてなることを特徴とする上記(1)記載の織物。
Figure 2009074185
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(式中、Rは炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐したアルキレン基を表し、R及びRは同一であっても異なってもよく、それぞれ炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す)
(3)酸性染料に対する染着座席が繊維1g当たり7.0×10−3ミリモル当量以上3.5×10−1ミリモル当量以下であるポリウレタン弾性繊維が用いられてなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の織物。
(4)マレイミド構造を有するポリマーの重量平均分子量Mwが80,000〜150,000であり、Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が3.5以下であることを特徴とする上記(2)記載の織物。
(5)マレイミド構造を有するポリマーの50%ジメチルアセトアミド溶液の剪断粘度が80〜300ポイズであることを特徴とする上記(2)または(4)記載の織物。
本発明によれば、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維を単独に用いてなる織物、及び、ポリウレタン弾性繊維とその他の繊維との複合織物において目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有する織物が得られる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の織物は、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維が用いられてなる。酸性染料可染型繊維としては、おもにナイロン6、ナイロン66などの公知のポリアミド繊維、絹、羊毛、獣毛などがあげられる。これ以外に、その他の繊維として、綿、麻等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生セルロース繊維、特定セルロース(商品名テンセル)、アセテートレーヨン等の半合成繊維、ポリエステルなどの合成繊維等が混用されていても良い。
本発明の織物は、後述する酸性染料同色性試験により染色された際のポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色したときの、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/Sの差が10以下であることを特徴とする。K/Sの差が10を超えると、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維の見かけの染着濃度差が大きく、ポリウレタン弾性繊維の染着濃度が低いため、生地における目むきが目立ち、好ましくない。
また本発明の織物は、同様の酸性染料同色性試験により染色された際のポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のΔEが30以下であることを特徴とする。好ましくは20以下である。ΔEが30を超えると、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染繊維の色相差が大きく、好ましくない。
さらに本発明の織物は、同様の酸性染料同色性試験により染色された際の洗濯堅牢度(JIS L0844 A2法)による汚染度が3.5級以上であることを特徴とする。汚染度が悪いと色落ちによる他布汚染の原因となりうる。ここで、汚染度評価は酸性染料可染型繊維に対する汚染度を見るものとする。
このような本発明の特徴を有する織物は、マレイミド構造を有するポリマーが含有されたポリウレタン弾性繊維を用いることで好適に得ることができる。
本発明で用いられるマレイミド構造を有するポリマーとしては、下記式(I)で表されるイソブチレン単位と下記式(II)(式中、Rは炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐したアルキレン基を表し、R及びRは同一であっても異なってもよく、それぞれ炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す)で表されるマレイミド単位とからなるものであり、イソブチレン単位とマレイミド単位とが交互に反復してなるものが好ましい。
Figure 2009074185
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本発明におけるマレイミド構造を有するポリマーは、下記式(I)で表されるイソブチレン単位と下記式(III)で表される無水マレイン酸単位からなるポリマーと、下記式(IV)で表されるジアミンとを脱水縮合反応させることにより容易に得ることができる。イソブチレンと無水マレイン酸からなるポリマーは、重合方法およびモノマー比等の選択によって、その比率の異なるポリマーも製造可能であるが、製造のしやすさやコストの観点から両者の比が1で且つ交互に共重合されているポリマーが好ましく、例えばイソバン04(クラレ社製)が挙げられる。
Figure 2009074185
Figure 2009074185
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マレイミドを形成する際に用いられるジアミンとしては、形成されるマレイミド構造が上記式(II)を満たすものであればよく、例えば、2−ジメチルアミノエチルアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、2−ジ−n−プロピルアミノエチルアミン、2−ジイソプロピルアミノエチルアミン、2−ジ−n−ブチルアミノエチルアミン、2−ジイソブチルアミノエチルアミン、2−ジ−tert−ブチルアミノエチルアミン、2−ジ−n−ペンチルアミノエチルアミン、2−ジ−n−ヘキシルアミノエチルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、3−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、3−ジ−n−ブチルアミノプロピルアミン、3−ジイソブチルアミノプロピルアミン、3−ジ−tert−ブチルアミノプロピルアミン、3−ジ−n−ペンチルアミノプロピルアミン、3−ジ−n−ヘキシルアミノプロピルアミン、4−ジメチルアミノブチルアミン、4−ジエチルアミノブチルアミン、4−ジ−n−プロピルアミノブチルアミン、4−ジイソプロピルアミノブチルアミン、4−ジ−n−ブチルアミノブチルアミン、4−ジイソブチルアミノブチルアミン、4−ジ−tert−ブチルアミノブチルアミン、4−ジ−n−ペンチルアミノブチルアミン、4−ジ−n−ヘキシルアミノブチルアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジエチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジ−n−プロピルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジイソプロピルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジイソブチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジ−tert−ブチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジ−n−ペンチルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジ−n−ヘキシルアミノ−2−メチルプロピルアミン、2−ジメチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジエチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジ−n−プロピルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジイソプロピルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジ−n−ブチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジイソブチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジ−tert−ブチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジ−n−ペンチルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、2−ジ−n−ヘキシルアミノ−1,1−ジメチルエチルアミン、5−ジメチルアミノペンチルアミン、5−ジエチルアミノペンチルアミン、5−ジ−n−プロピルアミノペンチルアミン、5−ジイソプロピルアミノペンチルアミン、5−ジ−n−ブチルアミノペンチルアミン、5−ジイソブチルアミノペンチルアミン、5−ジ−tert−ブチルアミノペンチルアミン、5−ジ−n−ペンチルアミノペンチルアミン、5−ジ−n−ヘキシルアミノペンチルアミン、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジエチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジ−n−プロピルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジイソプロピルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジ−n−ブチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジイソブチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジ−tert−ブチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、3−ジ−n−ヘキシルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミン、6−ジメチルアミノヘキシルアミン、6−ジエチルアミノヘキシルアミン、6−ジ−n−プロピルアミノヘキシルアミン、6−ジイソプロピルアミノヘキシルアミン、6−ジ−n−ブチルアミノヘキシルアミン、6−ジイソブチルアミノヘキシルアミン、6−ジ−tert−ブチルアミノヘキシルアミン、6−ジ−n−ペンチルアミノヘキシルアミン、6−ジ−n−ヘキシルアミノヘキシルアミン、またはこれら混合物等が好ましく、その中でも、2−ジエチルアミノエチルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミンまたは3−ジエチルアミノプロピルアミンが特に好ましい。
本発明の織物に使用されるポリウレタン弾性繊維に含まれるマレイミド構造を有するポリマーの重量平均分子量Mwは80,000〜150,000であることが好ましく、Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が3.5以下であることが好ましい。より好ましくはMwが90,000〜120,000であり、Mw/Mnが3.0以下である。分子量が低すぎると当該ポリマーが表面にブリードアウトすることで脱落しやすくなり、逆に分子量が高すぎると当該ポリマーが紡糸原液中に均一に分散し難くなる。また分子量分布が広すぎる場合でも、一部の低分子量成分または高分子量成分により上記と同様の現象を生じる可能性がある。ここに述べる分子量に関しては、詳細には後述するが、PMMA換算の分子量であり、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により求めることができる。
本発明におけるマレイミド構造を有するポリマーの剪断粘度は、50%ジメチルアセトアミド溶液にした時に80〜300ポイズの範囲にあることが好ましく、90〜200ポイズの範囲にあることがより好ましい。剪断粘度がこの範囲であればゲル化を起こしていないので、得られた織物において堅牢度に優れ、染色後に酸性染料可染型繊維白布と一緒に洗濯したときの白布汚染が抑制される。また剤の経日変化による着色とゲル化による繊維の色目変化や紡糸安定性への影響が小さい。このような剪断粘度を有するマレイミド構造をもつポリマーは、原料であるイソブチレンと無水マレイン酸からなるポリマーに対し、もう1つの原料であるジアミンのモル当量を少なくすることや、反応終了後に残留揮発分を加熱減圧下で留去するなどの改良によって原料のジアミン残留分を減らすことで好適に得ることができる。ここに述べる剪断粘度に関しては、詳細には後述するが、E型粘度計により測定することができる。
このマレイミド構造を含むポリマーをポリウレタン系重合体に対して0.2重量%〜10重量%添加させることにより、ポリウレタン弾性繊維の染色性および堅牢度を高めることができる。より好ましくは0.5重量%〜10重量%である。0.2重量%未満では十分な染着性能を発現せず、10重量%を超えると、濃染しすぎるため逆に目むきが発生し、更には堅牢度が悪化する。
また、本発明の織物に使用されるポリウレタン弾性繊維は、上述の通り反応条件および処理条件の改良によって原料由来のジアミン残留分を減らすことで得られた特定のマレイミド構造を有するポリマーを含有しているため、洗濯後においても十分な濃染度を保っている上に、洗濯堅牢性にも優れる。
本発明の編地に使用されるポリウレタン弾性繊維は、マレイミド構造を含むポリマーが添加されていることにより、酸性染料に対する染着座席を有する。染着座席数はポリウレタン弾性繊維1gあたり7.0×10−3ミリモル当量以上3.5×10−1ミリモル当量以下であることが好ましい。この場合の染着座席とは、塩酸等の酸により滴定可能な塩基性を有するアミン部位と同義である。
本発明に用いられるポリウレタン系重合体は、例えば、数平均分子量が600〜5000であるポリマーグリコールと有機ジイソシアネートを反応させてソフトセグメントとなるウレタン中間重合体を合成後、鎖延長剤でハードセグメントを重合し、末端停止剤で末端封鎖するといった公知の技術を用いることで製造することができる。鎖延長剤として、低分子ジオールを用いるとハードセグメントがウレタン結合からなるポリウレタン重合体となり、また、2官能性アミンを用いるとハードセグメントがウレア結合からなるポリウレタン重合体を得ることができる。
ポリマーグリコールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびポリオキシペンタメチレングリコール等のホモポリエーテルジオール、炭素原子数2から6の2種以上のオキシアルキレンから構成される共重合ポリエーテルジオール、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸およびマロン酸等の二塩基酸の一種または二種以上とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール,1,3−プロピレングリコール,2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサンおよび1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のグリコールの一種または二種以上とから得られたポリエステルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオールおよびポリバレロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエステルジオール、又はこれらジオールの共重合物ないしは混合物等が挙げられる。
有機ジイソシアネートとしては、例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−キシリレンジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4及び2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、又はこれらの混合物等が挙げられる。
多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤としては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原子数2〜10の直鎖または分岐した脂肪族、脂環族または芳香族の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物で例えばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミンおよび特開平5−155841号公報に記載されているウレア基を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミン、水、および低分子量のグリコール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサンおよび1,4−ジメチロールシクロヘキサン等を用いることが出来る。好ましくは、エチレンジアミンまたは1,2−プロピレンジアミンである。
単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキルアミン等やエタノールのようなアルキルアルコール等が用いられる。これらの鎖延長剤および末端停止剤は、単独又は、2種以上混合して用いても良い。
このポリウレタン系重合体には、本発明のマレイミド構造を含むポリマー以外に、ポリウレタン弾性繊維に通常用いられる他の化合物、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐塩素脆化剤、耐ガス安定剤、着色剤、艶消し剤および充填剤等を添加してもよい。
このようにして得られたポリウレタン系重合体は、公知の乾式紡糸、湿式紡糸または溶融紡糸等で繊維状に成形し、ポリウレタン弾性繊維を製造することができる。
得られたポリウレタン弾性繊維に、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、アミノ変性シリコン、鉱物油、鉱物性微粒子、例えばシリカ、コロイダルアルミナおよびタルク等、高級脂肪酸金属塩粉末、例えばステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム等、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィンおよびポリエチレン等の常温で固形状ワックス等の油剤を単独、又は必要に応じて任意に組合せて付与してもよい。
本発明の織物は、このポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維を含有することを特徴とする。織物中に、ポリウレタン繊維が原糸のまま被覆されずに製織されても良いが(裸糸使い)、耐久性や風合い等のから酸性染料可染型繊維、または他の繊維と複合されていることが望ましい。 上記の酸性染料可染型繊維、及びその他の繊維の形態は、フィラメント糸、紡績糸、仮撚加工糸、合糸加工などの公知の糸加工をされていてもよいし、これらの複合でも良い。ポリウレタン弾性繊維との複合方法としては、引きそろえ糸、エアーカバーリング、カバーリング、合糸撚糸、等があげられる。複合は1種類の方法だけでなく複数の組合わせであっても良い。撚数等は通常行なわれる撚数の設定でよい。得られた糸は、通常知られている方法で後処理をおこなっても良い。
得られた複合糸の準備工程は、従来知られている工程を用いればよく、サイジング或はワックス処理も可能である。
製織も従来知られている織機を用いればよい。例えばWJL、AJL、レピア等である。糸配列も経糸緯糸共に本発明のポリウレタン繊維と酸性染料可染繊維の複合糸単独の組合わせだけでなく緯糸は本発明のポリウレタン繊維とその他の繊維の複合糸であってもよく、経、緯糸とも本発明のポリウレタン繊維と酸性染料可染繊維の複合糸と本発明のポリウレタン繊維と他の繊維の複合糸との配列であってもよい。
本発明の織物のプレセット条件、縫製条件、染色仕上条件、ファイナルセット条件は特に限定されず、適宜選択すればよい。染色段階で必要に応じて抗菌加工、消臭加工、紫外線吸収加工などの機能加工、さらに後加工として樹脂加工等を付与することができる。
本発明を実施例で更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例等における測定値は、下記の測定法により求めたものである。
(1)同色性試験
ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維が複合された織物を以下の染色条件で染色した。まず、生機を80℃×20分精錬し、酸性ハーフミーリング染料(Telon BLUE A2R;DyStar社製)1%owf、均染剤(SeraGalN−FS;DyStar社製)0.6%owf、硫酸アンモニウム4.0%owfを加え、浴比1:50の条件にて常圧ボイルで60分間染色処理を行った。
乾燥後、編地からポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維を分離し、それぞれの繊維の表面染色濃度K/S、ΔEを下記の方法で測定した。また、別途、染色後の織物につきJIS L0844 A2法による洗濯堅牢度評価法による汚染度を測定した。ここで、汚染度の評価に用いる白布として、酸性染料可染型繊維であるナイロンからなる布帛を用いた。
K/S:グレタグマクベス社製分光光度計COLOR−EYE 7000Aにて、ポリウレタン弾性繊維、酸性染料可染型繊維を測色し、それぞれのK/Sを得た。
ΔE:日本電色工業(株)製分光式色差計SQ−2000(標準光源C、2度視野)にて、ポリウレタン弾性繊維、酸性染料可染型繊維を測色した。CIELAB表色系で明度指数L、クロマティクネス指数a、bを求めた。ポリウレタン弾性繊維、酸性染料可染型繊維の明度指数、クロマティクネス指数をそれぞれ、(L 、a 、b )、(L 、a 、b )とし、下記の計算式(V)で、ΔEを求めた。

ΔE=√((L −L +(a −a +(b −b ) (V)
(2)染着座席の測定
マレイミド構造を有するポリマーの50%ジメチルアセトアミド溶液約200mgを正確に秤量し、10mLのジメチルアセトアミドに溶解し、ブロムフェノールブルーを指示薬として、塩酸−メタノール溶液(0.16mol/L)にて中和滴定を行い、ポリマー1g中のアミン価を測定した。紡糸ポリマー中のマレイミド構造を有するポリマー添加量とアミン価からポリウレタン弾性繊維1gあたりの染着座席数を算出した。
(3)重量平均分子量および分子量分布の測定
ジメチルアセトアミドにLiBrを10mmol/Lになるように溶かした溶離液を用いて、マレイミド構造を有するポリマーが1.0mg/mLとなるように調整したものを試料としてGPCにて測定を行った。
測定条件
データ処理 東ソー GPC−8020
カラム TSKgel α−M(7.8mmx30cm)2本
オーブン 60℃
溶離液 ジメチルアセトアミド(LiBr 10mmol/L) 1.0mL/min
試料量 200μL
検出器 RI
較正曲線 PMMA
(4)剪断粘度の測定
E型粘度計(東機産業社製 RE105U)にて測定した。
測定条件
温度 30℃
試料量 0.5mL
ローター 3°×R14
回転数 10tpm
(5)目むき
製品染色条件で染色仕上を行った織物を引っ張り、目視判定して目むきの状態を1級から4級で判定した。
4級:ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維の染着濃淡差が全く認識できないレベル
3級:ポリウレタン弾性繊維が十分に染まっているが、酸性染料可染型繊維との濃淡の違いがわずかに確認できるレベル
2級:ポリウレタン弾性繊維は染まっているが酸性染料可染型繊維との濃淡差が大きく、ポリウレタン弾性繊維がはっきり認識できるレベル
1級:目むきして明らかにポリウレタン弾性繊維が確認でき、それがほとんど染まっていないと認識できるレベル
(6)同色性
製品染色条件で染色仕上を行った織物を引っ張り、目視判定してポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維の色相差を○〜×で判定した。
○:ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維の色相差が全く認識できないレベル
×:明らかにポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維の色相が異なるレベル
(7)堅牢度
製品染色条件で染色仕上を行った織物につきJIS L0844 A2法による洗濯堅牢度を評価した。ここで、添付白布には酸性染料可染型繊維であるナイロン白布を用い、汚染度を洗濯堅牢度とした。
[実施例1]
平均分子量約60,000のイソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体(クラレ社製イソバン04)を40g、ジエチルアミノプロピルアミンを33.8g、及びジメチルアセトアミドを160g混合し、窒素雰囲気下にて50℃で1時間および100℃で1時間攪拌し、次いで180℃還流下で生成する水を留去しながら4時間加熱した。残留揮発分を減圧下で留去し、これによって得られたポリマーをジメチルアセトアミドに溶解し、50%溶液とした。得られたポリマーは重量平均分子量Mw=1.0×10、分子量分布Mw/Mn=2.7、剪断粘度104ポイズであった。
平均分子量1,800のポリテトラメチレンエーテルグリコール1,500g及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート312gを、窒素ガス気流下60℃において90分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得た。ついで、これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミド2,700gを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調製した。
エチレンジアミン23.4gおよびジエチルアミン3.7gを乾燥ジメチルアセトアミド1,570gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温で添加して、粘度2,200ポイズ(30℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。
このポリウレタン重合体溶液に、ポリウレタン固形分に対して、p−クレゾールとジシクロペンタジエンの重付加体のイソブチレン付加物を1.0重量%、Sumilizer GA−80(住友化学社製)を0.4重量%、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(2−フェニルプロパン−2−イル)フェノールを0.2重量%、ハイドロタルサイトを5.0重量%および作製した上記マレイミド構造を有するポリマーを1.0重量%混合して紡糸原液とした。
この紡糸原液を紡糸速度800m/分および熱風温度325℃で乾式紡糸して、22デシテックス/2フィラメントのポリウレタン弾性繊維を製造した。
上記で得られたポリウレタン弾性繊維の裸糸22デシテックスにナイロン66加工糸22デシテックス/7フィラメントを1300T/m、ドラフト率3.0でカバリングし、シングルカバーリング糸を得た。該糸を経糸として70羽/(3.79cm)3本入れ、緯糸として密度を70本/インチで平組織生機を作成した。通常の条件でプレセット(185℃×1分)を行った後、染色は下記の方法での一般色であるベージュに染色、柔軟仕上処理を行い、160℃で45秒ファイナルセットを行い、実施例1の織物を得た。
<染色方法>
酸性ハーフミーリング染料:DyStar社製
Telon Red A2R; 0.14%owf
Telon Yellow A2R; 0.16%owf
Telon Blue A2R; 0.12%owf
均染剤:SeraGalN−FS;DyStar社製 0.5%owf
pHスライド剤:硫酸アンモニウム 4.0%owf
浴比1:50
染色100℃×60分
<ソーピングレシピ>
ソーピング剤:ニューサンレックスE;日華化学社製 2g/L
ソーピング60℃×30分
<フィックスレシピ>
フィックス剤:ハイフィックスSW−A;大日本製薬 5%owf
スカム防止剤:NWH201;センカ(株) 1%owf
炭酸ナトリウムにてpH4〜5に調整
フィックス処理90℃×45分
[実施例2]
マレイミド構造を有するポリマーの添加量が2.0重量%であることを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。実施例1と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、実施例2の織物を得た。
[実施例3]
マレイミド構造を有するポリマーの添加量が4.0重量%であることを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。実施例1と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、実施例3の織物を得た。
[実施例4]
マレイミド構造を有するポリマーの添加量が2.0重量%であることを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
得られたポリウレタン繊維とエステル56T/72f加工糸をポリウレタン繊維のドラフト3.0で合糸し、ダブルツイスターでZ撚(撚数750T/m)で複合糸を作成した。この複合糸を緯糸に用いる以外は実施例1と同じ条件で織物を作成し、通常の条件でプレセット(185℃×1分)を行った後、染色は下記の方法での一般色であるベージュに染色、柔軟仕上処理を行い、160℃で45秒ファイナルセットを行い、実施例4の織物を得た。
(エステル染色条件)
分散染料 : Dyster社製
Dianix Red AC−E : 0.12%owf
Dianix Yellow AC−E :0.15%owf
Dianix Blue AC−E : 0.1%owf
ニッカサンソルト SN−340 : 1g/l
PH 5 (酢酸 酢酸ナトリウムにて調整)
染色温度×時間 130℃×20min
(ソーピング)
サンモールRC−700 2g/l
浴比 1:50
処理温度×時間 60℃×20min
染色工程は下記の通り
エステル染色→ソーピング→ナイロン染色(実施例1と同じ)
[実施例5]
マレイミド構造を有するポリマーの添加量が2.0重量%であることを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、44デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
得られたポリウレタン弾性繊維の裸糸44デシテックスにナイロン66加工糸78デシテックス/36フィラメントを500T/m、ドラフト率3.5でカバリングし、シングルカバーリング糸を得た。該糸を経糸として60羽/(3.79cm)3本入れ、緯糸として密度を60本/インチで綾組織生機を作成した。通常の条件でプレセット(195℃×1分)を行った後、染色は下記の方法での一般色である黒に染色、柔軟仕上処理を行い、160℃で45秒ファイナルセットを行い、織物を得た。
<染色方法>
酸性含金染料:Isolan Black 2S−LD;DyStar社製 2.7%owf
pHスライド剤:硫酸アンモニウム 4.0%owf
浴比1:50
染色100℃×60分
<ソーピングレシピ>
ソーピング剤:ニューサンレックスE;日華化学社製 2g/L
ソーピング60℃×30分
<フィックスレシピ>
フィックス剤:タンニン酸;大日本製薬 6%owf
吐酒石;大日本製薬 3%owf(フィックス剤添加20分後に投入)
フィックス処理80℃×40分
[比較例1]
マレイミド構造を有するポリマーを添加しないことを除いて、実施例1と同様の条件にて紡糸を行った。実施例1と同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。実施例1と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、比較例1の織物を得た。
[比較例2]
マレイミド構造を有するポリマーの添加量が15重量%であることを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。実施例1と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、比較例2の織物を得た。
[比較例3]
オペロンテックス社製ブラックライクラ(商標)22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を用いて、実施例1と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、比較例3の織物を得た。
[比較例4]
マレイミド構造を有するポリマーを添加しないことを除いて、実施例1と同様の条件にて紡糸を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。実施例4と同様に、織物を作成し、同様の方法で染色、仕上を行い、比較例4の織物を得た。
[比較例5]
マレイミド構造を有するポリマーを添加しないことを除いて、実施例1と同様の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行い、44デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
得られたポリウレタン弾性繊維の裸糸44デシテックスにナイロン66加工糸78デシテックス/36フィラメントを500T/m、ポリウレタン弾性繊維のドラフト率3.5でカバリングし、シングルカバーリング糸を得た。該糸を経糸として60羽/(3.79cm)3本入れ、緯糸として、密度を60本/インチで綾組織生機を作成した。通常の条件でプレセット(195℃×1分)を行った後、染色は下記の方法での一般色である黒に染色、柔軟仕上処理を行い、160℃で45秒ファイナルセットを行い、比較例5の織物を得た。
以上の各実施例および比較例における同色性試験の結果及び組成と得られた織物の性能を表1に示す。表1の結果より、本発明の織物は、目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有することが分かる。
Figure 2009074185
本発明の織物は、着用時に布帛が伸長されてポリウレタン弾性繊維が露出した場合に、まだらに色目が異なって見える目むきが発生せず、深色性及び外観品位に優れ、さらに高い堅牢度を有する。

Claims (5)

  1. ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維が用いられてなる織物であって、酸性染料同色性試験により染色された際のポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維をそれぞれ測色したときの、ポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のK/Sの差が10以下であり、かつポリウレタン弾性繊維と酸性染料可染型繊維のΔEが30以下であり、且つ汚染度が3.5級以上であることを特徴とする織物。
  2. 下記式(I)で表されるイソブチレン単位と下記式(II)(で表されるマレイミド単位とからなるマレイミド構造を有するポリマーが0.2重量%〜10重量%含有されたポリウレタン弾性繊維が用いられてなることを特徴とする請求項1記載の織物。
    Figure 2009074185
    Figure 2009074185
    (式中、Rは炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐したアルキレン基を表し、R及びRは同一であっても異なってもよく、それぞれ炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す)
  3. 酸性染料に対する染着座席が繊維1g当たり7.0×10−3ミリモル当量以上3.5×10−1ミリモル当量以下であるポリウレタン弾性繊維が用いられてなることを特徴とする請求項1または2記載の織物。
  4. マレイミド構造を有するポリマーの重量平均分子量Mwが80,000〜150,000であり、Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が3.5以下であることを特徴とする請求項2記載の織物。
  5. マレイミド構造を有するポリマーの50%ジメチルアセトアミド溶液の剪断粘度が80〜300ポイズであることを特徴とする請求項2または4記載の織物。
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