JP2009070899A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマの寸法より微細なパターン処理を行なうためのプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、プラズマ1を生成するための上部電極2、プラズマ処理の対象となる基材6を配置するステージ3、上部電極2に電圧を印加する電源4、上部電極2に設置された移動機構5、制御部120を含む。制御部120は、電源4、移動機構5の動作を制御し、プラズマ1の生成と、移動機構5による上部電極2の移動を繰り返す。移動機構5は、移動後のプラズマ1の基材6への照射領域が移動前の照射領域と重複するように上部電極2を移動する。
【選択図】図2
【解決手段】プラズマ処理装置は、プラズマ1を生成するための上部電極2、プラズマ処理の対象となる基材6を配置するステージ3、上部電極2に電圧を印加する電源4、上部電極2に設置された移動機構5、制御部120を含む。制御部120は、電源4、移動機構5の動作を制御し、プラズマ1の生成と、移動機構5による上部電極2の移動を繰り返す。移動機構5は、移動後のプラズマ1の基材6への照射領域が移動前の照射領域と重複するように上部電極2を移動する。
【選択図】図2
Description
本発明は、プラズマを用いて基材に対する処理を行なうプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置に関し、主にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等にみられる半導体の微細加工や、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)をはじめとするフラットパネルディスプレイ、太陽電池等の製造工程で用いられる。
近年、微小領域において必要な大きさのプラズマを生成し、ミクロなスポット領域でプロセスを行うマイクロプラズマの研究が盛んにおこなわれている。マイクロプラズマを応用した例では、PDPの単一放電セル等があったが、現在では材料合成や微細加工、化学分析やフォトニックデバイス等への新しい応用技術への発展が期待されている。
例えば、特許文献1では、ソレノイドアンテナでプラズマを発生して内径の小さいノズルからプラズマジェットを発生させて加工するプラズマジェット発生装置が示されている。この装置では、内径0.4〜2.0mm程度の配管からプラズマジェットと反応性ガスを被処理物の局所部位に照射し、エッチング、膜堆積などの加工、表面処理をおこなうことができる。
また、特許文献2では、誘電性パターンマスクを導電性膜に接触させ、誘電性パターンマスクの凹部と導電性膜に形成される空間内でプラズマを発生させて加工をおこなったり、導電性パターンマスクを導電性膜に近づけて導電性パターンマスクの凸部と導電性膜との間でプラズマを発生させて加工をおこなったりする導電性膜のプラズマパターニング法が示されている。また、上記プラズマの発生方法は、誘電性パターンマスクを形成した基材または導電性パターンマスクが形成されている誘電体層の裏面からプラズマを照射することで、表面の処理部近傍に二次微小放電を生成することにより行なっている。
特許第3768854号公報
特開2007−012668号公報
しかしながら上記の装置あるいは方法を用いたプラズマ処理方法は、あくまでも微細なプラズマを生成することで微細なパターンを形成できるものであり、プラズマの寸法より微細な領域に対する処理をすることはできない。このため、より微細なパターンを形成するにはより小型のプラズマ生成装置がないと実現できないことになり、パターンの微細化が非常に困難となる。さらに、特許文献1では、被処理基材の面積が大きくなった場合の処理に長時間必要となること、プラズマジェットであるため、ガスの拡散によって精度が劣化することが懸念される。また、特許文献2では、誘電性のパターンマスクが必要となるほか、導電性薄膜のパターニングに限定されること、二次放電により生成するプラズマを用いているため効率が悪いこと等が問題となる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、プラズマの寸法より微細なパターン処理を行なうためのプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を提供することを課題とする。
1つの局面に係る本願発明は、プラズマを生成する生成手段を備え、基材のうち前記プラズマが照射されている照射領域にプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置であって、照射領域を、照射領域と重複のある新たな照射領域に変更する移動手段と、生成手段と移動手段との動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、プラズマの生成と照射領域の変更とが繰り返して行なわれるように生成手段と移動手段との動作を制御する。
好ましくは、照射領域は、幅Wであり、移動手段は、照射領域を、幅方向にWより小さい距離だけ変更する。
さらに好ましくは、移動手段は、照射領域を、幅方向にW×1/2<D<Wを満たす距離Dだけ変更する。
さらに好ましくは、生成手段は、幅方向に直交する方向に配置された、複数のプラズマ生成部からなるプラズマヘッドである。
好ましくは、照射領域は、縦A、横Bの領域であり、移動手段は、照射領域を、縦方向にAより小さい距離だけ変更し、横方向にBより小さい距離だけ変更する。
さらに好ましくは、移動手段は、照射領域を、縦方向にA×1/2<D1<Bを満たす距離D1だけ変更し、横方向にB×1/2<D2<Bを満たす距離D2だけ変更する。
さらに好ましくは、生成手段は、所定の間隔で配置された複数のプラズマ生成部からなるプラズマヘッドである。
好ましくは、移動手段は、生成手段を移動させる移動機構である。
好ましくは、基材を設置するステージをさらに備え、移動手段はステージを移動させる移動機構である。
好ましくは、基材を設置するステージをさらに備え、移動手段はステージを移動させる移動機構である。
さらに好ましくは、移動機構はアクチュエータである。
好ましくは、基材と生成手段の間に電圧を発生する電源をさらに備え、生成手段は、電圧に応じてプラズマを生成する。
好ましくは、基材と生成手段の間に電圧を発生する電源をさらに備え、生成手段は、電圧に応じてプラズマを生成する。
さらに好ましくは、電源は、パルス電圧を発生する。
好ましくは、プラズマ処理時の気圧が10〜1000kPaである。
好ましくは、プラズマ処理時の気圧が10〜1000kPaである。
他の局面に係る本願発明は、基材に対して、プラズマ処理を行なう方法であって、基材にプラズマを照射し、基材のうちプラズマが照射されている照射領域にプラズマ処理を行なうステップと、照射領域を変更後の照射領域の一部が変更前の照射領域の一部と重複するように照射領域を変更するステップとを繰り返す。
本発明によれば、プラズマ処理と、照射領域の変更を繰り返すことができる。その結果、プラズマの寸法より微細なパターン処理を行なうことができる。
まず、本発明に係るプラズマ処理装置の機能的構成を図1を用いて説明しておく。図1は、本発明に係るプラズマ処理装置の機能的構成を示す図である。図1に示すように、プラズマ処理装置は、大きく分けて、プラズマ生成部100、移動部110、制御部120からなる。
プラズマ生成部100は、一定の空間的広がりを持つプラズマを生成する。基材を所定の位置に設置した後、プラズマ生成部100でプラズマを生成すると、基材のうちプラズマが照射されている領域(以下、照射領域)にプラズマ処理が施される。ここで、プラズマ処理とは、プラズマを照射することによって基材の物理的あるいは化学的変化を引き起こすことをいう。プラズマ処理には、例えば、エッチング、表面改質が含まれる。
移動部110は、上記の照射領域を変更する。移動部110には、プラズマ生成部そのものの位置を変更したり、基材の位置を変更したりすることで、基材とプラズマ生成部の相対位置を変更するもの、あるいは、プラズマ生成部自体の位置は変更しないが、プラズマの生成位置を制御するものなどを用いることができる。
制御部120は、プラズマ生成部100、移動部110の動作を制御するものである。特に、プラズマ生成部100によるプラズマ生成のタイミング、移動部110による処理領域の変更タイミングの制御を行なうことができる。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理方法を実現するためのプラズマ処理装置について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の側断面図である。プラズマ処理装置は、プラズマ1を生成するための上部電極2、プラズマ処理の対象となる基材6を配置するステージ3、上部電極2に電圧を印加する電源4、上部電極2に設置された移動機構5、制御部120を含む。なお、図では、制御部120と電源4、移動機構5が接続されているように描いているが、無線通信などで、電源4、移動機構5の動作が制御される構成であっても構わない。また、図示していないが、プラズマが発生する領域の気圧を制御するための気圧制御装置も含む。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理方法を実現するためのプラズマ処理装置について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の側断面図である。プラズマ処理装置は、プラズマ1を生成するための上部電極2、プラズマ処理の対象となる基材6を配置するステージ3、上部電極2に電圧を印加する電源4、上部電極2に設置された移動機構5、制御部120を含む。なお、図では、制御部120と電源4、移動機構5が接続されているように描いているが、無線通信などで、電源4、移動機構5の動作が制御される構成であっても構わない。また、図示していないが、プラズマが発生する領域の気圧を制御するための気圧制御装置も含む。
ステージ3は接地されており、電源4により上部電極2に電圧を印加することで、上部電極2とステージ3との間に、プラズマ1が生成される。ただし、プラズマ生成部100の形態は、この形態に限られない。例えば、基材6と異なる場所でプラズマを生成するものなどであってもよい。なお、電源4がパルス電圧を発生するパルス電源であれば、一回の処理における印加パルス数を設定することで処理量の制御を行なえるため、プラズマ処理領域の精度が向上する。この結果、本プラズマ処理装置により生成されるパターンの精度が向上する。また、気圧制御装置により、プラズマ処理時の圧力を制御することにより、プラズマの空間生成範囲を限定できる。この結果、プラズマ処理領域、従って生成されるパターンの精度が向上する。特に、プラズマ処理時の気圧が10〜1000kPaであることが好ましく、本気圧制御装置は、そのような気圧を生成できるものとする。
移動機構5は、上部電極2を、ステージ3に沿って移動させる。また、移動機構5は、上部電極2の幅方向に、上部電極2の幅よりも小さい距離だけ上部電極2を移動させることができる。このように上部電極2を移動させる構成は、基材6が大きく、ステージ3の移動が難しい場合に有効である。また、移動機構5に位置センサを備えたアクチュエータを用いることで位置制御の精度が向上する。なお、移動機構5は、上記のものに限られず、上部電極2とステージ3の相対位置を変更することが出来るものであればよい。
基材6は、液晶基板やソーラーパネルのような大型のものであってもよいし、MEMSに用いられるようなウエハサイズのものであってもよい。上部電極2としては、基材6の大きさにより、横がmサイズで縦がmmサイズの細長い電極が用いられることも、四方あるいは径がμmサイズの小さな電極が用いられることもある。また、基材6と上部電極2との距離は、発生するプラズマ1が広がらないように、数mm程度が好ましい。
ここで移動機構5の構成の一例を図3を用いて説明する。図3は、移動機構5の構成の一例を示す図である。この例では、移動機構5は、上部電極2を具備した電極部31、xステージ32、yステージ33からなる。電極部31には、電源4からの電力が、電力ケーブル35により、中継部36を経由して供給される。また、xステージ32にも、電源4からの電力が、電力ケーブル35により、中継部36を経由して供給される。なお、電力ケーブル35は、ケーブルチェーン34により覆われている。また、ケーブルチェーン34内には、ガス配管、あるいは冷却水配管も通されていてもよい。電極部31は、xステージ32に設置されたレール上を動く。xステージ32は、yステージ33に設置されたレール上を動く。ただし、一方向への移動のみで十分な場合、xステージ32がyステージ33に固定されていても構わない。あるいは、電極部31が、xステージ32に固定されていても構わない。
次に、図2に示すプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法の1つを図4を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。
まず、制御部120は、電源4を駆動し、上部電極2に電圧を印加することで、上部電極2にプラズマ1を生成させる。この時、基材6におけるプラズマの照射領域(この領域は、プラズマ処理が施される領域に対応するため、以下、プラズマ処理領域7とする)は、上部電極2により発生するプラズマの大きさ、および、上部電極2と基材6との相対位置によって定まる。本実施の形態では、プラズマ処理領域7は、図4(a)に示すような幅がWの矩形領域であるとする。
次に、制御部120は、移動機構5に、上部電極2を電極幅方向にD=2/3Wだけ移動させたあと、上部電極2にプラズマ1を生成させる。この処理の結果、図4(b)に示すように、基材6には、1回プラズマ処理された領域8と2回プラズマ処理された領域9が形成される。2回プラズマ処理された領域9の幅は、1/3Wであり、プラズマ処理領域7の幅よりも狭い。再び、制御部120は、移動機構5、上部電極2に、同様の移動とプラズマ生成を繰り返させる。この処理のあとの基材6の状態は、図4(c)のようになる。さらに何度もプラズマ生成と移動を繰り返すことで、図4(d)のようなパターンが得られる。図4(d)に示すパターンにおいて、1回プラズマ処理された領域と2回プラズマ処理された領域の幅はともに1/3W、併せても2/3W(=D)であり、プラズマ処理領域7の幅よりも狭い。
図5は、図4に示したプラズマ処理方法による処理が施された基材の拡大した側断面図である。図5からわかるように、被処理膜10には、基材上の処理回数に応じた、電極幅Wより狭い領域が繰り返されたパターンが生成される。ただし、本図は、上部電極2とステージ3との間は十分狭く、プラズマの広がりがないため、プラズマ処理領域7の幅と、上部電極2の幅が一致するものとして描いている。また、プラズマ処理はエッチングであることを想定し、電極幅Wより狭い寸法内で凹凸面を持つように加工された図を描いているが、施されるプラズマ処理はエッチングに限られない。施された回数の差によって、異なるような処理結果が得られる処理であれば、本発明は適用できる。
なお、移動量Dは、2/3Wに限らず、用途、目的に応じて決定すればよい。上記の例では、プラズマ処理部の移動量Dを2/3Wとしたため、領域8と領域9の幅は共通であるが、Dを違う値にとり、領域8の幅(2D−W)と、領域9の幅(W−D)を異なるようにすることもできる。ただし、上部電極2を移動前のプラズマ処理領域の一部と、上部電極2を移動後のプラズマ処理領域の一部とが重複する必要があるため、移動量Dは、D<Wを満たす必要がある。
また、本実施の形態では、移動量Dは、W×1/2<Dも満たすものとする。これは、電極幅より小さい処理領域を作るのに必要なプラズマ処理回数の観点から好ましい。例えば、0<D<W×1/2の場合、3回のプラズマ処理(3回のプラズマ生成と2回の照射領域の変更)では、電極幅より小さい処理領域を2箇所作れないが、W×1/2<D<Wであれば、3回のプラズマ処理で2箇所の電極幅より小さい処理領域を作ることができる。一般には、W×1/2<D<Wの場合、N回(Nは正の整数)のプラズマ処理で、N−1箇所の電極幅より小さい処理領域を作ることができ、複数箇所の電極幅より小さい処理領域を作るにあたって、0<D<W×1/2の場合よりもプラズマ処理の処理回数が少なくてすむ。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理方法を実現するためのプラズマ処理装置の側断面図を図6に示す。
本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理方法を実現するためのプラズマ処理装置の側断面図を図6に示す。
図6に示すプラズマ処理装置は、第1の実施の形態で説明したプラズマ処理装置とは、プラズマ生成部100が、複数の上部電極2からなるプラズマヘッドである点で異なる。また、移動機構5が、上部電極2ではなくステージ3に設けられている点で異なる。移動機構5は、ステージ3を、上部電極2との距離を一定にしながら、上部電極2の幅方向に、上部電極2の幅よりも小さい距離だけ移動させることができる。上部電極2が複数になることなどで上部に位置する電極の重量が非常に重くなった場合や、基材6へのパーティクルの飛散が懸念される場合は、このようにステージ3を移動させたほうがよい。ただし、移動機構5の構成はこれに限られず、第1の実施の形態と同様に上部電極2に設けられるものであっても構わないし、他の構成であってもよい。
次に、図6に示すプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法の一つを図7を用いて説明する。
図7は本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。まず、制御部120は、プラズマ生成部に、プラズマを生成させる。この後の、基材6の状態を図7(a)に示す。複数の上部電極2のそれぞれによるプラズマ処理領域7の幅は、各上部電極2の大きさと、各上部電極2と基材6との相対位置により定まる。本実施の形態では、各上部電極2の大きさは等しく、プラズマ処理領域7の幅はすべてWであるとする。また、上部電極2は、幅方向と直交する方向に並ぶように配置されており、各上部電極2によるプラズマ処理領域7同士の位置関係は、図7(a)に示すようになるものとする。
次に、制御部120は、移動機構5に、ステージ3を電極幅方向にD=2/3Wだけ移動させたあと、プラズマ生成部100にプラズマを生成させる。この処理により、基材6には、図7(b)に示すように、1回プラズマ処理された領域8と2回プラズマ処理された領域9が形成される。2回プラズマ処理された領域9の幅は、1/3Wであり、プラズマ処理領域7の幅よりも狭い。再び、同様の移動とプラズマ生成を繰り返した時の基材6の状態は、図7(c)のようになる。さらに何度もプラズマ生成と移動を繰り返すと、図7(d)のようなパターンが得られる。図7(d)において、1回プラズマ処理された領域と2回プラズマ処理された領域の幅はともに1/3W、併せても2/3W(=D)であり、プラズマ処理領域7の幅よりも狭い。
本実施の形態に係るプラズマ処理装置は、プラズマ生成部100が複数の電極からなるため、より高速にパターン形成を行なうことができる。従って、生産効率の面で必要な処理タクトの向上を実現できる。プラズマ生成部100の電極のサイズは、高密度のプラズマを形成するために電源周波数を高周波にした場合であっても、定在波が発生しないようにするため、あまり大きくできない。さらに、電極のサイズは、電極の撓みや加工精度の制約も受ける。本実施の形態はこのように電極があまり大きくできない場合に有効である。
(第3の実施の形態)
図8を用いて、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理方法について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。なお、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成は、第1の実施の形態で説明したものとほぼ同様である。ただし、移動機構5は、上部電極2を略直交する2方向(縦方向、横方向とする)に移動できるものとする。
図8を用いて、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理方法について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。なお、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成は、第1の実施の形態で説明したものとほぼ同様である。ただし、移動機構5は、上部電極2を略直交する2方向(縦方向、横方向とする)に移動できるものとする。
まず、制御部120は、プラズマ生成部100に基材6へのプラズマ処理を行なわせる。このときのプラズマ処理領域7の寸法を、図8(a)に示すように、縦A、横Bとおく。
次に、制御部120は、移動機構5に上部電極2の位置を変更させる。ただし、この処理は、基材上のプラズマの照射領域を変更させるものであればよく、第2の実施の形態で説明したように基材6を移動させるものであってもよい。あるいは他の方法で実現されてもよい。
本実施の形態では、移動機構5は、上部電極2を基材に対して図8における下方向にD1=A−U、右方向にD2=B−V移動させる。ここで、移動前の照射領域と、移動後の照射領域に重複する部分が存在する必要があるため、0<D1<A、0<D2<Bである。図8(b)に、この移動後のプラズマ処理領域(図8(b)中の斜線部)と、最初のプラズマ処理により1回プラズマ処理が施された領域8との位置関係を示す。この移動後、制御部120は、プラズマ生成部100にプラズマを生成させる。
さらに、制御部120は、移動機構5に、上部電極2を図8における上方向にD1、右方向にD2移動させたあと、プラズマ生成部100にプラズマを生成させる。この移動後のプラズマ処理領域と、それまでにプラズマ処理された領域との位置関係を図8(c)に示す。図8中の斜線部が、この移動後のプラズマ処理領域である。また、点線枠で示した領域が、それまでにプラズマ処理を施された領域である。2回プラズマ処理を施された領域9は、縦寸法U、横寸法Vである。この2回プラズマ処理を施された領域9は、1回の処理によりプラズマ処理が施される領域(プラズマ処理領域7)よりも狭い。この処理と移動の工程を繰り返すことにより、図8(d)のように、2回プラズマ処理を施された縦寸法U、横寸法Vの領域が、横方向に並んだパターンが形成される。
なお、図8では、プラズマ生成部100の基材6に対する相対位置の変更に関し、右下方向への移動と、右上の方向とを交互に繰り返す場合を説明したが、移動方法はこれに限られない。例えば、右下方向への移動を繰り返してもよい。この場合は、2回プラズマ処理を施された領域が、斜め方向に並ぶこととなる。
また、図8では、D1、D2がそれぞれ、A×1/2<D1<A、B×1/2<D2<Bを満たす場合を図示している。第1の実施の形態で説明したのと同様に、移動距離がこの条件を満たす場合は、他の部分に比べて多くの回数プラズマ処理が施された領域を作るのに必要な処理回数が少なくてすむ。
本実施の形態に係る発明では、移動方向を2次元的に行なうことで、精細でより多様なパターン形成が可能となる。
(第4の実施の形態)
図9を用いて、本発明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理方法について説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。なお、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成は、第2の実施の形態で説明したものとほぼ同様のものである。ただし、プラズマ生成部100は、一定間隔で一直線上に並んだ矩形状の複数の電極を有するプラズマヘッドからなるとする。
図9を用いて、本発明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理方法について説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理方法の工程を示す図である。なお、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成は、第2の実施の形態で説明したものとほぼ同様のものである。ただし、プラズマ生成部100は、一定間隔で一直線上に並んだ矩形状の複数の電極を有するプラズマヘッドからなるとする。
まず、制御部120は、プラズマ生成部100に、プラズマを生成させる。このあとの基材6の状態は、図9(a)に示すように、寸法が縦A、横Bのプラズマ処理領域7が、一定間隔Cで配置されたものになるとする。なお、本実施の形態では、B<C<3Bとする。ただし、後で説明するように、Cの大きさはこれに限られない。
このあと、制御部120は、ステージ3を、移動後のプラズマ処理領域と移動前のプラズマ処理領域との間隔が一定となるように横方向に移動する。本実施の形態の場合、この移動距離は(B+C)/2である。ただし、この処理は、照射領域を変更させるものであればよく、第1の実施の形態で説明したようにプラズマ処理部を移動させるものであってもよい。あるいは他の方法で実現されてもよい。図9(b)に、移動後のプラズマ処理領域(図9(b)中斜線部で示す)と、移動前に1回プラズマ処理された領域8との位置関係を示す。この移動の後、制御部120は、プラズマ生成部100に、プラズマを生成させる。
次に、制御部120は、ステージ3を、図9における下方向にD1、左方向にD2移動する。そして、プラズマ生成部100にプラズマを生成させる。この移動後のプラズマ処理領域と、それまでにプラズマ処理を施された領域との位置関係を図9(c)に示す。図9(c)において、斜線部が移動後のプラズマ処理領域、点線枠で囲まれた部分が、それまでにプラズマ処理領域を施された領域である。なお、本実施の形態では、A×1/2<D1<A、B×1/2<V<Bであるとする。これは、他の実施の形態でも説明したように、狭いプラズマ処理領域を作成するのに必要な処理回数が少なくてすむからである。
次に、制御部120は、移動機構5に、ステージ3を図9における横方向に移動させたあと、プラズマ生成手段100にプラズマを生成させる。この移動距離は、移動前のプラズマ処理領域と移動後のプラズマ処理領域の横方向の間隔が等しくなるように定める。本実施の形態の場合、(B+C)/2である。図9(d)に、2回のプラズマ処理が施された領域9と、移動後のプラズマ処理領域(図9(d)中の斜線部)の位置関係を示す。
この処理と移動の工程を繰り返すことにより、図9(e)のような、2回プラズマ処理された領域が規則的に並ぶパターンが形成される。
なお、図9(e)には、2回プラズマ処理された領域の形状がすべて等しい場合を示した。これは、D2を適切な値に定めることで実現される。ただし、D2を他の値に定めて、2回プラズマ処理された領域の幅が異なるパターンを作成してもよい。
また、本実施の形態では、各電極間の間隔CがB<C<3Bとして説明を行なったが、この間隔Cは、他の値でもよい。例えば、C<Bであれば、プラズマ処理部の基板に対する相対位置を横方向に移動することは不要である。また、C>3Bの場合は、相対位置の横方向への移動を複数回行なうことで、規則的に並ぶパターンを作成することが可能である。
本実施の形態では、複数の電極を用いているので、高速なパターン形成や大型基板に対するプラズマ処理が可能である。かつ、2次元的にプラズマ生成部と基材の相対位置を移動しているので、精細でより多様なパターン形成が可能となる。
以上の実施の形態で説明したように、本発明は、プラズマ生成部により生成されたプラズマによる基材へのプラズマ処理と、変更後の照射領域の一部と変更前の照射領域の一部とが重複するような、基材上でプラズマが照射される照射領域の変更とを繰り返す。この結果、処理回数の差に応じた、プラズマ寸法より微細なパターンを作成することができる。特に、本発明は、規則性の高いパターン作成に有利である。
この発明に従えば、電極サイズより小さなサイズでの規則的なパターン処理を、マスクを用いずにおこなうことができ、微細加工、表面処理等にかかるコストを削減できる。
また、被処理基材に親液/撥液コントラストの形成にも応用でき、インクジェット法や印刷法といった溶液プロセスを用いたパターン膜形成への利用が期待できる。本発明で縞状の親撥水パターンを作成し、必要な箇所にインクジェット法や印刷などの溶液プロセスにて配線を形成すれば、親撥水のラインパターンができているので、境界の直線性がよくなる。
あるいは、本発明で層間絶縁膜にチェック模様状にスルーホールを形成し、必要箇所ではインクジェット法などにより下部配線とコンタクトを取る、本発明で高分子電解質型燃料電池の電極のセパレータ形成を直接行なうこともできる。
1 プラズマ、2 上部電極、3 ステージ、4 電源、5 移動機構、6 基材、7 プラズマ処理領域、8 1回プラズマ処理された領域、9 2回プラズマ処理された領域、10 被処理膜、31 電極部、32 xステージ、33 yステージ、34 ケーブルチェーン、35 電力ケーブル、36 中継部、100 プラズマ生成部、110 移動部、120 制御部。
Claims (14)
- プラズマを生成する生成手段を備え、基材のうち前記プラズマが照射されている照射領域にプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置であって、
前記照射領域を、前記照射領域と重複のある新たな照射領域に変更する移動手段と、
前記生成手段と前記移動手段との動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プラズマの生成と前記照射領域の変更とが繰り返して行なわれるように前記生成手段と前記移動手段との動作を制御する、プラズマ処理装置。 - 前記照射領域は、幅Wであり、
前記移動手段は、前記照射領域を、前記幅方向にWより小さい距離だけ変更する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 前記移動手段は、前記照射領域を、前記幅方向にW×1/2<D<Wを満たす距離Dだけ変更する、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記生成手段は、前記幅方向に直交する方向に配置された、複数のプラズマ生成部からなるプラズマヘッドである、請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記照射領域は、縦A、横Bの領域であり、
前記移動手段は、前記照射領域を、前記縦方向にAより小さい距離だけ変更し、前記横方向にBより小さい距離だけ変更する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 前記移動手段は、前記照射領域を、前記縦方向にA×1/2<D1<Bを満たす距離D1だけ変更し、前記横方向にB×1/2<D2<Bを満たす距離D2だけ変更する、請求項5に記載のプラズマ処理装置。
- 前記生成手段は、所定の間隔で配置された複数のプラズマ生成部からなるプラズマヘッドである、請求項5または6に記載のプラズマ処理装置。
- 前記移動手段は、前記生成手段を移動させる移動機構である、請求項1から7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記基材を設置するステージをさらに備え、
前記移動手段は前記ステージを移動させる移動機構である、請求項1から7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。 - 前記移動機構はアクチュエータである、請求項8または9に記載のプラズマ処理装置。
- 前記基材と前記生成手段の間に電圧を発生する電源をさらに備え、
前記生成手段は、前記電圧に応じてプラズマを生成する、請求項1から10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。 - 前記電源は、パルス電圧を発生する、請求項11に記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理時の気圧が10〜1000kPaである、請求項1から12のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 基材に対して、プラズマ処理を行なう方法であって、
前記基材にプラズマを照射し、前記基材のうち前記プラズマが照射されている照射領域にプラズマ処理を行なうステップと、
前記照射領域を変更後の照射領域の一部が変更前の照射領域の一部と重複するように照射領域を変更するステップと
を繰り返す、プラズマ処理方法。
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JP2011034814A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Casio Computer Co Ltd | 発光装置、表示装置、及び、発光装置の製造方法 |
KR20210114747A (ko) * | 2020-03-11 | 2021-09-24 | 주식회사 포스코 | 금속시료 가공장치 |
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