JP2009069637A - 液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶装置を低温環境下で使用する場合でも、最低限度の表示を確実に確保すること。
【解決手段】 温度を測定する温度センサ554と、タイミング制御回路542と、画像処理回路544を含み、温度センサ554からの信号に基づいて、表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を、ドライバ560,570,580に供給する制御部540と、を含み、画像処理回路544は、解像度低下処理部544aを含み、低温時表示モードにおいては前記解像度低下処理部544aによって解像度変換を行い、通常表示モードにおける表示解像度よりも低解像度の画像を生成し、かつ、制御部540は、低解像度の画像の表示に際しては、複数本の走査線Xを同時に選択する複数本順次駆動を実行する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用集積回路装置および電子機器に関する。
一般に、液晶装置は、低温環境下では表示品質が低下する。よって、低温から高温までの広い温度範囲にわたって表示品質を維持するのはむずかしい。
低温時における液晶装置の表示品質の改善のための技術は、例えば、特許文献1〜特許文献3に記載されている。特許文献1,特許文献2に記載の技術では、周囲温度が低下すると、フレーム周波数(動作周波数)を低下させて各画素への書き込み時間を増大させる。また、特許文献3に記載の技術では、画素の保持容量への書き込み不足を補うために、正規の書き込み前に、1行以上前の同じ色配列の映像信号を用いて予備充電を実行する。
また、近年、応答速度の速いOCB(Optical Compensated Bend)液晶を用いた液晶パネルが注目されているが、OCB液晶は、低温下では画素への書き込み不足が生じて適正な表示を行うことが困難となる。よって、効果的な低温対策が必要である。
さらに、OCB液晶装置は、一般の液晶と異なり、電源投入直後において、初期シーケンス(転移シーケンス)を実行して、液晶分子をスプレイ配向状態からベンド配向状態に移行させる必要があり、低温下では、画素への書き込み不足によって、この初期転移も不完全となりがちであるため、画像表示時における低温対策と共に、初期転移における低温対策も重要となる。
さらに、OCB液晶装置における初期シーケンスでは、一般に、特別な高電圧を用いた複雑な初期シーケンスが必要とされ、このことがOCB液晶装置の利便性低下の一因となっている。よって、OCB液晶装置の使い勝手向上のためには、特別な高電圧を用いずに、かつ、画像表示時と同様の一貫した駆動方式による簡素化された初期シーケンスによって初期転移を完了させることが望まれている。
よって、上述した、OCB液晶における低温対策(初期シーケンスにおける低温対策ならびに画像表示時における低温対策の双方を含む)も、上述の簡素化された駆動方式を踏襲しつつ、無理なく実現されるのが望ましい。
なお、OCB液晶装置の低温対策については、例えば、特許文献4に記載されている。特許文献4では、低温時の表示品質を改善するために、加熱装置を用いて液晶パネルを加熱する。
特開2007−17863号公報 特開2005−181917号公報 特開平10−186326号公報 特開2002−250909号公報
特許文献1,特許文献2において動作周波数を低下させる技術は、動作周波数の変更が難しい液晶装置では採用できず、また、周波数の変更には制限があるため、書き込み時間を増大することには限界がある。よって、例えば、極寒地における使用(例えば、−30℃の環境での使用)時には、低温対策として不十分となる場合がある。
特許文献3の技術は、正規の書き込み前に保持容量への予備充電を行う必要があり、画素ならびに周辺回路の構成が複雑化する。
また、特許文献1〜特許文献3のいずれの技術においても、OCB液晶との整合性(つまり、OCB液晶装置を、特別な高電圧を用いず、かつ簡素化された駆動方式で駆動しつつ低温対策も実現する点)については、何ら言及されていない。
また、特許文献4の技術では、加熱装置を用いて液晶パネルを加熱するため、液晶パネルの構成が複雑化し、コスト面でも不利となる。
本発明はこのような考察に基づいてなされたものである。本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、低温から高温までの広い温度範囲にわたって表示品質を維持することができる液晶装置が実現される。また、本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、OCB液晶装置を、特別な高電圧を用いず、かつ簡素化された駆動方式で駆動すると共に、この方式を踏襲して低温対策も無理なく実現することができる。
(1)本発明の液晶装置の一態様では、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、を有する液晶装置であって、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、前記走査線、前記データ線ならびに前記対向電極を駆動することができるドライバと、温度を測定する温度センサと、タイミング制御回路および画像処理回路を含み、前記温度センサからの信号に基づいて、表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を前記ドライバに供給する制御部と、を含み、前記画像処理回路は、解像度低下処理部を含み、前記低温時表示モードにおいては前記解像度低下処理部によって解像度変換を行い、前記通常表示モードにおける表示解像度よりも低解像度の画像を生成し、かつ、前記制御部は、前記低解像度の画像の表示に際して、複数本の前記走査線を同時に選択する複数本順次駆動を実行する。
使用環境温度に応じて表示画像自体を変更し、これによって、複数本の走査線の同時駆動を可能とし、走査線の選択時間(つまり画素への書き込み時間)を増大させるものである。解像度を低下させた画像を生成し、複数本の走査線の同時選択を実行するため、フレーム周波数(動作周波数)を変更することなく、各走査線の選択期間(各画素への書き込み時間)を無理なく増やすことができる。また、低温環境下では、画質よりも、正常に画像を表示できることの方が優先されるため、解像度低下に伴う多少の画質低下は問題にならない。
(2)本発明の液晶装置の他の態様では、前記走査線の数はm(mは2以上の自然数)本であり、前記データ線の数はn(nは2以上の自然数)本であり、画素数は(m・n)個であり、かつ、同時に選択される前記走査線の数をk(kは2以上の自然数)とした場合、前記解像度低下処理部は、入力された個の画素に対応する画像信号を、(k・k)個の画素からなる画素ブロックを単位とする画像信号に変換することによって前記低解像度の画像を生成し、前記低解像度の画像の表示に際しては、(k・k)個の画素から なる前記画素ブロックを単位として画像信号の書き込みを実行する。
解像度低下処理の具体例を示したものである。すなわち、(m・n)個の各画素の画像データを、(k・k)個の画素を含む画素ブロックを単位とした画像データに変換し、その画素ブロック単位の書き込みを実行する。例えば、k=2の場合(すなわち、2本の走査線を同時選択し、4個の画素を1ブロックとする場合)を考える。なお、1ブロックに含まれる4画素のデータは同じである。この場合、水平方向の実質的な画素数は(m/2)となり、垂直方向の実質的な画素数は(n/2)となり、画素数は、実質的に(m・n)/4となる。解像度低下処理部は、(m・n)個の画素に対する画像信号が入力されると、その画像信号を、ブロックを単位とした(m・n)/4の画像信号に変換し、2本の走査線を同時選択し、かつ、隣接する2本のデータ線には同じデータ(つまり、1ブロックのデータ)を入力する。よって、フレーム周波数(動作周波数)は同じでも、余裕をもって走査線を駆動でき、各画素への書き込み時間を2倍とすることができる。kの値を増加させれば、画素への書込み時間をより増やすことも簡単にできる。よって、低温時においても、少なくとも最低限の(正常な)表示を確実に確保することができる。また、駆動方式自体は順次駆動方式(複数本の走査線を同時選択する複数ライン線順次方式)を採用できるため、特別な回路が不要であり、実現が容易である。液晶表示に通常使用される、水平ライン反転駆動やドット反転駆動にも容易に対応することが可能である。
(3)本発明の液晶装置の他の態様では、前記制御部は、前記低温時表示モードにおけるフレーム周波数を、前記通常表示モードにおけるフレーム周波数よりも低く設定する。
フレーム周波数(動作周波数)の低減処理と組み合わせることによって、各画素への書き込み時間をさらに増加させることができる。すなわち、k本の走査線を同時選択する駆動方式を採用し、かつ、フレーム周波数を常温時の1/p(pは1より大きな整数)とすれば、画素への書き込み時間を、(k・p)倍に増やすことができる。よって液晶装置が、極寒地(例えば、−30℃の環境)で使用される場合でも、少なくとも最低限の表示を確保することができる。
(4)本発明の液晶装置の他の態様では、前記液晶は、OCB(Optical Compensated Bend)液晶であり、前記制御部は、前記低温時表示モードおよび通常表示モードによる画像表示の前に、前記OCB液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させるための初期シーケンスを実行し、前記制御部は、前記温度センサによる温度測定の結果、低温の場合には低温時初期シーケンスを実行し、低温ではない場合には通常初期シーケンスを実行すると共に、前記低温時初期シーケンスにおける画素への書き込み時間は、前記通常初期シーケンスにおける画素への書き込み時間よりも長く設定される。
上述の(1)〜(3)の態様は、液晶の種類を問わず、かつ、画像表示時における低温対策を示しているが、本態様では、液晶をOCB液晶に限定し、かつ、制御部が、画像表示前に、温度測定結果に応じて、低温時初期シーケンスと通常初期シーケンスを選択的に実行する。これによって、寒冷地でOCB液晶装置を使用する場合でも、初期転移不良による表示品質の低下が生じない。
(5)本発明の液晶装置の他の態様では、前記通常初期シーケンスならびに前記低温時初期シーケンスは共に、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスと、を含み、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させる。
OCB液晶装置の初期シーケンスにおいて、走査線と画素電極との間の横電界によってベンド転移核を形成し、画素電極と対向電極間の縦電界によってベンド転移を拡大するっ処理が実行される点を明らかとしたものである。走査線とデータ線(ならびに必要な場合は対向電極の一極)の駆動電圧と駆動タイミングを制御することによって、特別な構成ならびに高電圧を用いることなく、初期シーケンスを実行することができる。すなわち、OCB液晶に、局所的な強い横電界を印加することによってディスクリネーション(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域:ディスクリネーションラインという)が発生し、そのディスクリネーションがベンド転移核となる。また、ベンド転移核形成後に、OCB液晶の全画素に対して強い縦電界を与えることによって、ベンド転移核の拡大が開始される。ベンド転移核形成およびベンド転移拡大の各シーケンスは、走査線、データ線ならびに対向電極の各々に印加する電圧のレベルおよび電圧印加タイミングを制御するという、一般的な液晶駆動方式によって実現でき、初期シーケンスのために特別な回路を設ける必要はない。よって、液晶ドライバを簡素化でき、液晶装置の低コスト化も達成される。また、例えば、複数本の走査線の同時駆動方式を利用すれば、画素への印加時間を増やすことも無理なくでき、低温対策の実現も容易である。
(6)本発明の液晶装置の他の態様では、前記低温時初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数を、前記通常初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数よりも大きく設定する。
例えば、通常初期シーケンス時には、1走査線毎の線順次駆動を実行し、低温時初期シーケンス時には、kライン同時駆動するマルチライン順次駆動を実行する。kラインを同時駆動すれば、水平走査周波数を1/kにでき、各走査線が選択される期間をk倍にすることができる。この期間に走査線やデータ線に電圧を印加すれば、液晶に電圧を印加する期間がk倍になる。よって、低温時における液晶への電圧印加不足を解消することができ、初期転移不良が生じない。
(7)本発明の液晶装置の他の態様では、前記低温時初期シーケンスにおけるフレーム周波数を、前記通常初期シーケンスにおけるフレーム周波数よりも小さく設定する。
例えば、低温時初期シーケンス時には、フレーム周波数を通常シーケンス時の1/qとする。これによりフレーム周期はq倍になる。すなわち、走査線やデータ線に電圧を印加すれば、液晶に電圧を印加する期間がq倍になる。よって、低温時における液晶への電圧印加不足を解消することができ、初期転移不良が生じない。また、上述の態様(6)の手法と組み合わせれば、液晶への電圧印加時間を(k・q)倍にすることができ、液晶への電圧印加時間をさらに、無理なく拡大することができる。
(8)本発明の液晶装置の駆動方法の一態様では、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、温度を測定する温度センサと、を有する液晶装置の駆動方法であって、前記温度センサによって温度を測定し、低温の場合には低温時表示モードによる表示を実行し、低温でない場合には通常表示モードによる表示を実行し、前記低温時表示モードでは、前記通常表示モードにおける表示解像度よりも低解像度の画像を生成すると共に、複数本の前記走査線を同時に選択する複数本順次駆動によって前記低解像度の画像を表示する。
本態様によれば、使用環境温度に応じて表示画像自体を変更し、複数本の走査線を同時選択し、画素への書き込み時間を無理なく増大させる、新規な液晶装置の駆動方式が実現される。
(9)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、前記走査線の数はm(mは2以上の自然数)本であり、前記データ線(Y)の数はn(nは2以上の自然数)本であり、画素数は(m・n)個であり、かつ、同時に選択される前記走査線(X)の数をk(kは2以上の自然数)とした場合、入力された(m・n)個の画素に対応する画像信号を、(k・k)個の画素からなる画素ブロックを単位とする画像信号に変換することによって前記低解像度の画像を生成し、前記低解像度の画像の表示に際しては、(k・k)個の画素からなる前記画素ブロックを単位として画像信号の書き込みを実行する。
(m・n)個の各画素の画像データを、(k・k)個の画素を含む画素ブロックを単位とした画像データに変換し、その画素ブロック単位の書き込みを実行する。例えば、k=2の場合(すなわち、2本の走査線を同時選択し、4個の画素を1ブロックとする場合)を考える。なお、1ブロックに含まれる4画素のデータは同じである。この場合、水平方向の実質的な画素数は(m/2)となり、垂直方向の実質的な画素数は(n/2)となり、画素数は、実質的に(m・n)/4となる。解像度低下処理部は、(m・n)個の画素に対する画像信号が入力されると、その画像信号を、ブロックを単位とした(m・n)/4の画像信号に変換し、2本の走査線を同時選択し、かつ、隣接する2本のデータ線には同じデータ(つまり、1ブロックのデータ)を入力する。よって、フレーム周波数(動作周波数)は同じでも、余裕をもって走査線を駆動でき、各画素への書き込み時間を2倍とすることができる。kの値を増加させれば、画素への書込み時間をより増やすことも簡単にできる。よって、低温時においても、少なくとも最低限の(正常な)表示を確実に確保することができる。また、駆動方式自体は順次駆動方式(複数本の走査線を同時選択する複数ライン線順次方式)を採用できるため、特別な回路が不要であり、実現が容易である。液晶表示に通常使用される、水平ライン反転駆動やドット反転駆動にも容易に対応することが可能である。
(10)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、前記低温時表示モードにおけるフレーム周波数を、前記通常表示モードにおけるフレーム周波数よりも低く設定する。
フレーム周波数(動作周波数)の低減処理と組み合わせることによって、各画素への書き込み時間をさらに増加させることができる。すなわち、k本の走査線を同時選択する駆動方式を採用し、かつ、フレーム周波数を常温時の1/p(pは1より大きな整数)とすれば、画素への書き込み時間を、(k・p)倍に増やすことができる。よって液晶装置が、極寒地(例えば、−30℃の環境)で使用される場合でも、少なくとも最低限の表示を確保することができる。
(11)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、OCB(Optical Compensated Bend)液晶を用いて、前記低温時表示モードおよび通常表示モードによる画像表示を実行する前に、前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させるための初期シーケンスを実行すると共に、温度測定の結果、低温の場合には低温時初期シーケンスを実行し、低温ではない場合には通常初期シーケンスを実行すると共に、前記低温時初期シーケンスにおける画素への書き込み時間を、前記通常初期シーケンスにおける画素への書き込み時間よりも長く設定する。
OCB液晶の画像表示時のみならず、それに先立つ初期シーケンス(転移シーケンス)実行時においても低温対策を実行するものである。すなわち、低温下では、OCB液晶の書き込み不足によって、スプレイ配向からベンド配向への十分な初期転移が実現しない可能性があるため、初期シーケンス時においても、低温下では、画素への書き込み時間を意図的に増大させ、初期転移不良が生じないようにするものである。これにより、OCB液晶を低温環境で使用しても、少なくとも最小限度の画像表示を確実に確保することができる。
(12)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、前記通常初期シーケンスならびに前記低温時初期シーケンスは共に、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスと、を含み、前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、画素電極と走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させる。
OCB液晶装置の初期シーケンスにおいて、走査線と画素電極との間の横電界によってベンド転移核を形成し、画素電極と対向電極間の縦電界によってベンド転移を拡大するっ処理が実行される点を明らかとしたものである。走査線とデータ線(ならびに必要な場合は対向電極の一極)の駆動電圧と駆動タイミングを制御することによって、特別な構成ならびに高電圧を用いることなく、初期シーケンスを実行することができる。すなわち、OCB液晶に、局所的な強い横電界を印加することによってディスクリネーション(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域:ディスクリネーションラインという)が発生し、そのディスクリネーションがベンド転移核となる。また、ベンド転移核形成後に、OCB液晶の全画素に対して強い縦電界を与えることによって、ベンド転移核の拡大が開始される。ベンド転移核形成およびベンド転移拡大の各シーケンスは、走査線、データ線ならびに対向電極の各々に印加する電圧のレベルおよび電圧印加タイミングを制御するという、一般的な液晶駆動方式によって実現でき、初期シーケンスのために特別な回路を設ける必要はない。よって、液晶ドライバを簡素化でき、液晶装置の低コスト化も達成される。また、例えば、複数本の走査線の同時駆動方式を利用すれば、画素への印加時間を増やすことも無理なくでき、低温対策の実現も容易である。
(13)本発明の液晶装置の駆動方法の他の態様では、前記低温時初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数を、前記通常初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数よりも大きく設定する。
例えば、通常初期シーケンス時には、1走査線毎の線順次駆動を実行し、低温時初期シーケンス時には、kライン同時駆動するマルチライン順次駆動を実行する。kラインを同時駆動すれば、水平走査周波数を1/kにでき、各走査線が選択される期間をk倍にすることができる。この期間に走査線やデータ線に電圧を印加すれば、液晶に電圧を印加する期間がk倍になる。よって、低温時における液晶への電圧印加不足を解消することができ、初期転移不良が生じない。
(14)本発明の液晶駆動用集積回路装置は、走査線、データ線を駆動することができるドライバと、温度を計測する温度センサと、温度センサからの信号に基づいて、前記表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を前記ドライバに供給し、これによって本発明の液晶装置の駆動方法を実行する制御部と、を有する。
これによって、温度に依存することなく画像表示の表示品質を確保しつつ、特別な高耐圧を必要とせず、簡素化された回路構成をもち、かつローコストのOCB液晶駆動用ICが実現される。
(15)本発明の電子機器は、本発明の液晶装置を有する。
本発明の液晶装置は、温度に依存せずに安定動作を確保できる簡素化された構成をもつ。また、OCB液晶の初期転移を無理なく、効率的に実現することもできる。よって、本発明の液晶装置を搭載する電子機器も、低温〜高温の広い温度範囲にわたって適正な表示を確保でき、かつ小型かつローコストという利点を享受することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る液晶装置の第1実施形態について説明する。本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略する)をスイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリックス方式のOCB液晶装置の例を挙げて説明する。
(液晶装置の低温時表示モードと通常表示モードの概要)
まず、液晶装置の動作の概要を説明する。図1は、液晶装置における開始時から低温表示モードもしくは通常表示モードによる画素表示が終了するまでの動作の概要を示すフローである。
図1に示すように、電源が投入されると、温度を測定し(S100)、次に、例えば、しきい値以下か否かの判断を行う(S101)。測定温度がしきい値以下(例えば、0℃以下)でなければ通常表示モード(S102)、測定温度がしきい値以下(例えば、0℃以下)であれば低温時表示モード(S103)を行う。ここで、低温時表示モード(S103)は、解像度低下処理シーケンス(SK)と、フレーム周波数低下処理シーケンス(SQ)とを含むことができる。
すなわち、例えば30℃〜0℃などの低温になる寒冷地などで、液晶装置を使用する場合、書き込み動作が不安定で表示品位が劣化するのを防止するために、使用環境温度によって表示画像の画質を変更している。つまり、通常表示モードと比較すると、低温時表示モードにおいては、解像度を低くしているために画像精度は、低くなるが、低温の動作環境においても書き込み不足などの問題を生じることなく安定して液晶装置を使用することができると同時に、しきい値以下ではない温度であれば通常表示モードで高精細に表示できるという点で優れている。
よって、低温時表示モード(S103)においては、解像度低下処理シーケンス(SK)により、通常表示モード(S102)と比較して解像度を低くする処理を行う。
次に、必要に応じて、フレーム周波数低下処理シーケンス(SQ)を実行して、フレーム周波数を、通常表示モード(S102)と比較して低くする処理を行う。これらの処理により、データ書き込み時間を、通常表示モードよりも長くすることができるため、使用環境が低温であっても、書き込み不足による表示不良などの問題が生じない。
そして、低温時表示モード(S103)もしくは通常表示モード(S102)を経て画像表示が終了する。
(液晶装置の構成例)
図2は、本発明の液晶装置の構成例を示す図である。図示されるように、液晶装置502は、電子機器(例えば携帯端末)500に搭載されている。
電源スイッチ510は、電子機器500の電源オン/オフを切り換えるスイッチである。メイン制御回路520は、映像信号と電源スイッチ510からの出力を受けて各部へクロック信号clk、データ信号data、電源オン/オフの状態等の情報を持つステータス信号Statusを送出する。
メイン制御回路520から送出されたデータ信号dataはバックライト530に入力されるとともに、制御部540における画像処理回路544にも入力され、この画像処理回路544にはクロック信号clkおよびステータス信号status、温度センサ554からの測定温度信号が供給される。すなわち、温度センサ554が設けられ、使用環境下の温度を測定し測定結果を測定温度信号として画像処理回路544に供給している。
画像処理回路544は、解像度変換回路545を有し、測定温度信号に基づいて、通常表示モードあるいは低温時表示モードを選択し、低温時表示モードが選択的に実行された場合には、解像度変換回路545により解像度低下処理シーケンスを行う。低温時表示モードの場合は解像度低下処理シーケンス後、通常表示モードの場合は、解像度変換回路545をスルーして、液晶装置502の動作を制御する制御信号を生成し、この制御信号がタイミング制御回路542に入力されて液晶装置502におけるさまざまな動作タイミングが制御されてYデータ信号Ydata、Yクロック信号Yclk、Xデータ信号XdataおよびXクロック信号Xclkが生成される。
タイミング制御回路542から出力されたYクロック信号YclkおよびYデータ信号Ydataが走査線ドライバ560に入力されることによって、走査線ドライバ560はYクロック信号YclkおよびYデータ信号Ydataに基づいて走査線X1〜X6を順次選択する。上述のとおり、線順次駆動方式や複数本順次駆動方式等を採用できる。
一方、タイミング制御回路542から出力されたXクロック信号XclkおよびXデータ信号Xdataがデータ線ドライバ570に入力されることによって、データ線ドライバ570はXクロック信号XclkおよびXデータ信号Xdataに基づいてデータ線Y1〜Y6を順次選択する。
すなわち、データが通常のm×n画素分入力されると、画像処理回路544で、例えば(m×n)/4画素分のデータに変換し、データ線ドライバ570には、例えば2ラインずつ同じデータを入力する。走査線ドライバ560にも2ラインずつ同時に順次書き込みを行う。解像度変換処理の詳細については後述する。
このようにして選択された走査線Xに対し、データY1〜Y6を選択することで各画素回路Gにデータが書き込まれる。ここで、データ線ドライバ570では、他にメイン制御回路520から送出されたステータス信号statusを受信し、電源スイッチ510の状態を認識できるようになっている。
このようにして、液晶装置502における各画素回路が選択されて、画像データの書き込みが行われる。上述のとおり、画像データの書き込みは、線順次、複数本線順次、面順次のいずれの方法を用いても行うことができる。
一方、電源回路550により、走査線ドライバ560、データ線ドライバ570、コモンドライバ580の電源オン/オフが制御されており、データ書き込み時にはそれぞれがオンするように制御されている。
よって、電源が投入されると、電源回路550もオンし、走査線ドライバ560、データ線ドライバ570、コモンドライバ580がオンして、各ブロックへ所定の電圧を供給することにより、画素アレイ(画像表示部)590に画像が表示される。
(液晶駆動用ICの構成例)
次に、本発明の液晶装置の画素回路への画像データの書き込みを制御する液晶駆動IC(液晶駆動用集積回路装置)の構成例について説明する。
図3は、液晶駆動用ICの構成例を示す図である。液晶駆動用IC650は、図3の液晶装置502内に搭載される。すなわち、液晶駆動用IC650には、図2の液晶装置502における画像表示部590以外の回路部分が集積される。
液晶駆動IC650は、電源回路652と、情報記憶用メモリとしてのRAM654と、温度センサ554と、アクティブマトリックス基板600外、すなわち、電子機器におけるメイン制御回路520からの信号を受ける、画像処理回路544を含む制御部540と、制御部540からの信号を受けて液晶装置側へ信号を送出する走査線ドライバ651と、データ線ドライバ656と、コモンドライバ655と、を備える。
制御部540はゲートアレイ(GA)であって、温度センサ554からの測定温度信号を受けて、通常表示モードまたは低温時表示モードを選択して、所定のタイミングで画像データをデータ線ドライバ656に供給し、また、各ドライバ(651,656,655)に制御信号を与えて各ドライバの動作を制御する。
具体的には、例えば、以下のような制御が行われる。すなわち、通常動作時には、電源回路652から、走査線に対して−5V〜11V、データ線に対しては−5V〜5V、コモン線に対しては−5V〜7Vの電圧を供給して画像表示を行わせる。
(液晶駆動用ICにおける使用電圧について)
図3に示されるように、各走査線に供給される電圧は、例えば、−5V〜11Vであり、各データ線に供給される電圧は−5V〜7V程度であり、コモン線に供給する電圧は−5V〜7V程度である。すなわち、最大で11V程度の電圧を扱うことができればよく、特別な高電圧は不要であり、ICの実現が容易であると共に、液晶駆動用ICの低コスト化に有利である。
(使用環境が低温である場合の、解像度低下処理シーケンスについて)
図4に、本発明の液晶装置における解像度低下処理シーケンスの表示の一例を示す。ここで、本発明の液晶装置における表示モードである、低温時表示モードと通常表示モードとの差異は、表示する画像の解像度である。
ここでは、m行n列のマトリクス状に配置された画素を、線順次駆動する場合を想定する。図示されるように、m行目の画素列に対する電界の印加が終了すると、1フレーム期間が終了する表示パネルが水平mライン、垂直nラインであるとすると、画素の数はm×nである。
図4(A)は通常表示モードにおける表示状態を示し、図5(B)は、低温時表示モードにおける表示状態を示す。すなわち、測定温度がしきい値以下にならない場合には、通常表示モードが選択され、例えば、図4(A)に示すように画像表示が行われる。
そして、測定温度がしきい値以下である場合には、低温時表示モードが選択され、解像度低下処理シーケンスが行われる。この解像度低下処理シーケンスは、低温時の書き込み電圧不足を防止するために、書き込み時間を通常表示モードと比較して長くするために行われる。すなわち、低温時表示モードにおいては、解像度を低下させて、走査線を2ライン同時に選択して書き込みを行うことで書き込み時間を増加させる。
つまり、解像度低下処理シーケンスにおいては、図4(A)の1画素分のデータをコピーして、図4(B)に示すように、4画素分のデータにし、走査線2ラインを同時に駆動して同時書込みを行う。このとき、垂直同期周波数は1/2にすることができるので、1走査線への電圧印加時間は、通常表示モードにおける書き込み時間と比較すると2倍となる。
(解像度低下シーケンスの具体的な例)
次に、解像度低下処理シーケンスの具体的な例について説明する。図5に、本発明の液晶装置の解像度低下処理シーケンスの他の例を説明する図を示す。図5においては、2行2列分の4つの画素について例を挙げて説明する。
図5(A)に示すように、解像度変換回路545は、例えば、1/2解像度処理部545aを含む。1/2解像度処理部545aは、入力データdataが供給されて、解像度処理シーケンスを行うことにより、データ線ドライバに供給するXデータXdata、走査線ドライバに供給するYdataを、図2に示すタイミング制御回路542を介して、制御部540から出力する。
図5(A)において行われる解像度処理シーケンスとしては、例えば、図5(B)に示すような、1画素分のデータをコピーして4画素分の共通データにする方法(図4(B)と同様の方法)と、図5(C)に示すような、4画素分のデータを平均化して、その平均化したデータを4つ分の画素の共通データとする方法がある。いずれの方法でも、走査線を2ライン同時に選択して書き込みが行われる。
図5(B)の方法では、例えば、通常表示モードにおける左隅の画素G1aをコピーして、4画素分の共通データにして表示する。
図5(C)の方法では、例えば、通常表示モードにおいて表示されている画素G1a、G1b、G2a、G2bにおけるデータを平均化する。これらのデータを平均化すると、(G1a+G1b+G2a+G2b)/4となり、これを共通データとして4画素に共通に表示する。
ここで、図5においては、解像度を1/2にする1/2解像度処理部を含む例について説明したが、解像度低下処理は、1/2に限定することなく、1/L(L:所望の定数)とすることもできる。
(書き込み時における電位極性反転方法の例)
次に、データ書き込み時における電位極性反転の方法について説明する。図6に本発明の液晶装置の電位極性反転書き込み動作の具体例を示す。
図6(A)は常温ライン反転、図6(B)には低温ライン反転、図6(C)には常温ドット反転、図6(D)は低温ドット反転である。図6においては、4行4列分の8つの画素について例を挙げて説明する。
まずは、ライン反転について説明する。ライン反転は、選択された走査線のラインごとに電位極性を変えてデータを書き込む方式である。
すなわち、図6(A)に示すような常温ライン反転は、測定温度がしきい値以下ではないときに、1番目の走査線を選択して、接続された全ての画素に対して+データを書き込み、次いで2番目の走査線を選択して、接続された全ての画素に対して−データを書き込み、次いで、3番目の走査線を選択して、接続された全ての画素に対して−データを書き込むという方法である。
一方、図6(B)に示すような低温ライン反転においては、測定温度がしきい値以下のときに、走査線を複数本選択してデータ書き込みを行うものであるから、図6(B)においては、例えば、隣り合う走査線を2ライン、隣り合うデータ線を4ライン同時に選択して8画素分同時にデータ書き込みを行うものとして説明する。この場合は、1番目と2番目の走査線を選択して、接続された全ての画素に対して+データを書き込み、次いで、2番目と3番目の走査線を選択して、接続された全ての画素に対して−データを書き込む。
次に、ドット反転について説明する。ドット反転は、隣り合う画素ごとに電位極性を変えてデータを書き込む方式である。
すなわち、図6(C)に示すような常温ドット反転は、測定温度がしきい値以下ではないときに、1番目の走査線を選択しているときに、1番目のデータ線と接続された画素には+データ、2番目のデータ線と接続された画素には−データ、3番目のデータ線と接続された画素には+データ、4番目のデータ線と接続された画素には−データを書き込み、2番目の走査線を選択しているときに、1番目のデータ線と接続された画素には−データ、2番目のデータ線と接続された画素には+データ、3番目のデータ線と接続された画素には−データ、4番目のデータ線と接続された画素には+データを書き込み、3番目の走査線を選択しているときに、1番目のデータ線と接続された画素には+データ、2番目のデータ線と接続された画素には−データ、3番目のデータ線と接続された画素には+デー、4番目のデータ線と接続された画素には−データを書き込み、4番目の走査線を選択しているときに、1番目のデータ線と接続された画素には−データ、2番目のデータ線と接続された画素には+データ、3番目のデータ線と接続された画素には−データ、4番目のデータ線と接続された画素には+データを書き込むという方法である。
一方、図6(D)に示すような低温ドット反転においては、測定温度がしきい値以下であるときに、走査線を複数本選択してデータの書き込みを行うものであるから、走査線2ライン、データ線2ラインが一単位となり、この一単位と隣り合う画素に対して電位極性反転してデータを書き込むことになる。
すなわち、1番目と2番目の走査線を選択しているときに、1番目と2番目のデータ線と接続された4画素には+データ、3番目と4番目のデータ線と接続された4画素には−データを書き込み、3番目と4番目の走査線を選択しているときに、1番目と2番目のデータ線と接続された4画素には−データ、3番目と4番目のデータ線と接続された4画素には+データを書き込む方法である。
本発明の液晶装置は、通常表示モードでは、図6(A),図6(C)、低温時表示モードでは図6(B),図6(D)のいずれの書き込み方式も選択することができる。
(低温時表示モードにおける低温ライン反転書き込み)
図7は、本発明の液晶装置の低温時表示モードとして低温ライン反転書き込みを行った場合について説明するためのタイミング図である。
低温時表示モードでは、例えば、図6(B)に示すように、複数の走査線を同時に選択し(例えば2ライン)、データ線(奇数)およびデータ線(偶数)を同時に選択することによって、図6(B)の8画素に対して同時にデータを書き込む方法が採用される。以下、具体的に説明する。
1フレーム目において、最初の1水平帰線期間が開始される時刻t1において、データ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには5Vの電圧がそれぞれ印加されると共に、走査線X1,X2が選択されるから走査線X1,X2には11Vの電圧が印加されることで、走査線X1,X2と接続された全ての画素に対して+データ書き込みが行われる。このとき、対向電極と保持容量線はそれぞれ0Vとされる。
次の1水平帰線期間が開始される時刻t2においては、電位極性を反転するために、データ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには2Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、走査線X3,X4が選択され、走査線X3,X4には11Vの電圧が印加されることで走査線X3,X4と接続された全ての画素に対して−データ書き込みが行われる。このとき、時刻t2においては、走査線X3,X4を選択するため、走査線X1,X2の電圧は−5Vにされるとともに、走査線X3,X4の電圧は11Vとされる、対向電極と保持容量線はそれぞれ7Vとされる。
同様の動作が繰り返されて、時刻t3において、m/2番目の水平帰線期間において走査線Xm−1,Xmが選択されて走査線Xm−1,Xmに11Vの電圧が印加されることによって、全走査線に対する1回目の電圧印加が終了する。
2フレーム目においてはフレーム反転を行うから、最初の1水平帰線期間が開始される時刻t4において、データ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには2Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、走査線X1,X2が選択されるから走査線X1,X2には11Vの電圧が印加されることで、走査線X1,X2と接続された全ての画素に対して−データ書き込みが行われる。このとき、対向電極と保持容量線はそれぞれ7Vとされる。
以下1フレーム目と同様に走査線・データ線が2ラインずつ選択され、データの電位極性が反転され、走査線Xm−1,Xmにそれぞれ接続された画素に対して同時書き込みを行うことで全走査線に対する電圧印加が終了する。
図7のように、走査線・データ線それぞれ2ラインに接続された画素に対して同時書き込みを行う場合、見かけ上、走査線はm/2ラインとなり、データ線はn/2ラインとなる。よって、表示画素数は(m×n)/4となる。
このような低温ライン反転書き込みによれば、例えば、表示周期が60フレーム/秒(以下sと記す)で、走査線が640ラインあるとして、2ライン同時に書き込むとすると、書き込み時間は2倍になり52マイクロ秒(以下μsと記す)となる。
さらに表示周期を1/2、つまり30フレーム/sにすると、1フレームあたり、33.3ミリ秒(以下msと記す)となる。2ライン同時書き込みする場合、画素の数によって最適値は変わるが、−30度で動作するには、最低でも150μsの書き込み時間は必要である。
通常表示モードにおける書き込み時間が60フレーム/sであるとすると、1フレームあたりの書き込み時間が16.7msで、画面がVGAサイズ(640×480)であるとすると、1走査線あたり16.7/640msで、約26μsとなり、低温時表示モードにおいては書き込み時間が通常表示モードの2倍となる。
(低温時表示モードにおける低温ドット反転書き込み)
図8は、本発明の液晶装置の低温時表示モードとして低温ドット反転書き込みを行った場合について説明するためのタイミング図である。低温時表示モードでは、図6(D)に示すように、複数の走査線を同時に選択し(例えば2ライン)、複数のデータ線を同時に選択することで、4画素に対して同時にデータを書き込む方法であり、以下具体的に説明する。
1フレーム目において、最初の1水平帰線期間が開始される時刻t10において、データ線(奇数)には5V、データ線(偶数)には2Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、走査線X1,X2が選択されるから走査線X1,X2には11Vの電圧が印加されることで、走査線X1,X2およびデータ線(奇数)と接続された全ての画素に対して+データ、走査線X1,X2およびデータ線(偶数)と接続された全ての画素に対して−データ書き込みが行われる。このとき、対向電極と保持容量線はそれぞれ0Vとされる。
次の1水平帰線期間が開始される時刻t20においては、電位極性を反転するために、データ線(奇数)には2V、データ線(偶数)には5Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、走査線X3,X4が選択され、走査線X3,X4には11Vの電圧が印加されることで走査線X3,X4およびデータ線(奇数)と接続された全ての画素に対して−データ、走査線X3,X4およびデータ線(偶数)と接続された全ての画素に対して+データ書き込みが行われる。このとき、時刻t20においては、走査線X3,X4を選択するため、走査線X1,X2の電圧は−5Vにされるとともに、走査線X3,X4の電圧は11Vとされ、対向電極と保持容量線はそれぞれ7Vとされる。
同様の動作が繰り返されて、時刻t30において、m/2番目の水平帰線期間において走査線Xm−1,Xmが選択されて走査線Xm−1,Xmに11Vの電圧が印加されることによって、全走査線に対する1回目の電圧印加が終了する。
2フレーム目においてはフレーム反転を行うから、最初の1水平帰線期間が開始される時刻t40において、データ線(奇数)には2V、データ線(偶数)には5Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、走査線X1,X2が選択されるから走査線X1,X2には11Vの電圧が印加されることで、走査線X1,X2およびデータ線(奇数)と接続された全ての画素に対して−データ書き込みが行われ、走査線X1,X2およびデータ線(偶数)と接続された全ての画素に対して+データ書き込みが行われる。
このとき、対向電極と保持容量線はそれぞれ7Vとされる。以下1フレーム目と同様に走査線・データ線が2ラインずつ選択され、データの電位極性が反転され、走査線Xm−1,Xmにそれぞれ接続された画素に対して同時書き込みを行うことで全走査線に対する電圧印加が終了する。
図8のように、走査線・データ線それぞれ2ラインに接続された画素に対して同時書き込みを行う場合、見かけ上、走査線はm/2ラインとなり、データ線はn/2ラインとなる。よって、表示画素数は(m×n)/4となる。
このような低温ドット反転書き込みによれば、例えば、表示周期が60フレーム/秒(以下sと記す)で、走査線が640ラインあるとして、2ライン同時に書き込むとすると、書き込み時間は2倍になり52マイクロ秒(以下μsと記す)となる。
さらに表示周期を1/2、つまり30フレーム/sにすると、1フレームあたり、33.3ミリ秒(以下msと記す)となる。2ライン同時書き込みを行う場合、画素の数によって最適値は変わるが、−30℃で動作するには、最低でも150μsの書き込み時間は必要である。
通常表示モードにおける書き込み時間が60フレーム/sであるとすると、1フレームあたりの書き込み時間が16.7msで、画面がVGAサイズ(640×480)であるとすると、1走査線あたり16.7/640msで、約26μsとなり、低温時表示モードにおいては書き込み時間が通常表示モードの2倍となる。
さらに、先に述べたとおり、解像度変換シーケンスの他に、フレーム周波数を、例えば、1/60秒から1/30秒に減らせば、データ書き込み時間は2倍になる。
また、図7および図8で説明した解像度変換シーケンスと、フレーム周波数低減処理を組み合わせれば、さらに印加時間を増やすことができ、例えば、走査線・データ線の2ライン同時駆動と、周波数を1/2低減を行うと、通常表示モードと比較して4倍の書き込み時間を確保することができる。
(低温時表示モードにおける操作)
図9(A),図9(B)は、低温時表示モードにおけるステップを示す図である。
図9(A)においては、本発明の液晶装置は、低温時表示モードに入ると、フレーム周波数を低減させる(例えば、1/60sを1/30sに低減する)ステップ(S200)を行って画素に対してデータ書き込みを行って低温時表示モードを終了する。
図9(B)においては、本発明の液晶装置は、低温時表示モードに入ると、フレーム周波数を低減させる(例えば、1/60sを1/30sに低減する)ステップ(S200)を行い、次に解像度低減処理ステップ(S201)を行うことで、データ書き込みを行い、低温時表示モードを終了する。
図9(A)においては、フレーム周波数を通常表示モードの1/2にしているから、データ書き込み時間を2倍にすることができ、図9(B)においては、さらに解像度低減処理を行っているので、解像度低減処理を通常表示モードの1/L(L:定数)にすれば、データ書き込み時間を2×L倍にすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の液晶装置としてOCB液晶を採用した場合について説明する。本実施の形態においては、本発明の液晶装置としてOCB液晶を用い、初期シーケンスにおいて、低温のときは低温処理を行い、さらに、通常画像表示時においても低温処理を行う。
画像処理における低温時表示モード(S103)の内容は、第1の実施形態で説明したとおりである。よって、以下に、低温動作時初期シーケンスおよび通常初期シーケンスについて説明する。
(OCB液晶装置の低温動作時初期シーケンスと通常初期シーケンスの概要)
まず、OCB液晶装置の動作の概要を説明する。図10は、OCB液晶装置における電源投入時から画素表示に至るまでの動作の概要を示すフロー図である。
まず、開始するときに電源をオンする(S1)。そして、温度を測定し(S2)、例えば、0℃未満であるか否かの判断を行う(S3)。測定温度が0℃以上であれば通常初期シーケンス(S4)、0℃未満であれば低温動作時初期シーケンス(S50)を行う。ここで、低温動作時初期シーケンス(S50)と通常初期シーケンス(S4)においては、書き込み時間(画素電極への充電時間)が異なる。すなわち、例えば0℃などの低温になる寒冷地などで液晶装置を使用する場合、書き込み時間を通常よりも多くしないと、十分な初期転移が実現しない。
つまり、低温の場合、常温の場合と比較して、スプレイ配向状態からベンド配向状態に転移しにくいため、ベンド配向状態への転移が不十分となる場合がある。よって、低温動作時初期シーケンス(S50)においては、ベンド転移核形成(SA1)における書き込み時間を増大すると共に、ベンド転移拡大(SA2)における書き込み時間を増大する。
すなわち、図10の動作フローでは、低温動作時初期シーケンス(S50)もしくは通常初期シーケンス(S4)を経て、低温と判断された場合には、低温時表示モード(S103)に移行し、低温ではないと判断された場合には、通常表示モード(S102)に移行する。
ここで、低温時表示モード(S103)は、第1の実施形態において説明したとおり、解像度低下処理シーケンス(SK)と、フレーム周波数低下処理シーケンス(SQ)とを含んでいる。すなわち、例えば30℃〜0℃などの低温になる寒冷地などで、液晶装置を使用する場合になると、書き込み動作が不安定で表示品位が劣化するのを防止するために、使用環境温度によって表示画像の画質を変更している。つまり、通常表示モードと比較すると、低温時表示モードにおいては、解像度を低くしているために画像精度は、低くなるが、低温の動作環境においても書き込み不足などの問題を生じることなく安定して液晶装置を使用することができる。また、測定温度がしきい値以下ではない場合には、通常表示モードで高精細に表示できるため、画質の低下は生じない。
低温時表示モード(S103)においては、解像度低下処理シーケンス(SK)により、通常表示モード(S102)と比較して解像度を低くする処理を行う。次に、必要に応じて、フレーム周波数低下処理シーケンス(SQ)により、フレーム周波数を、通常表示モード(S102)と比較して低くする処理を行う。これらの処理により、データ書き込み時間を、通常表示モードよりも長くすることができるため、使用環境が低温であっても、書き込み不足による表示不良などの問題が生じない。
そして、低温時表示モード(S103)もしくは通常表示モード(S102)を経て画像表示が終了する。
(低温動作時初期シーケンスと通常初期シーケンスにおける書き込み動作)
次に、低温動作時初期シーケンスと、通常初期シーケンスにおける書き込み動作の違いについて説明する。図11は、OCB液晶装置における、低温動作時初期シーケンスと通常初期シーケンスとの書き込み動作の比較を示す図である。
1回の書き込みライン数については、通常初期シーケンスではPであるとすると、低温動作時初期シーケンスではK(>P)である。すなわち、1画素あたりの書き込み時間を長くするため、書き込みライン数を通常よりも多くする必要がある。
フレーム周波数については、通常初期シーケンスではFPであるとすると、低温動作時初期シーケンスではFK(<FP)となる。すなわち、フレーム周波数も小さくすることで書き込み時間を増やすことができるので、通常よりもフレーム周波数を小さくする必要がある。
例えば、通常の表示が、50フレーム/秒だとすると、1フレームあたり16.7ミリ秒(以下、msと記す)である。そして、走査線がm本あるとすると、1走査線あたりの書き込み時間が、(16.7/m)msとなる。例えば、画像がVGAサイズ(640×480)であるとすると、m=640であるから、(16.7/640)ms、すなわち、1走査線あたりの書き込み時間が、約26マイクロ秒(以下μsと記す)となる。
よって、低温で表示する場合は、1走査線あたりの書き込み時間を増やすために、走査線がm本あるとすると、2以上m以下の複数の走査線を同時に選択して書き込む駆動方法を採用することが有効である。
例えば、表示周期が60フレーム/秒で、VGAサイズであれば走査線が640本であるとして、走査線2ラインに対して同時に選択してデータを書き込めば、通常の表示の場合と比較して書き込み時間を2倍にすることができ、1走査線あたりの書き込み時間を52μsとすることができる。
また、同じ条件で、さらに、表示周期を30フレーム/sにした場合、1フレームあたりの書き込み時間が33.3msとなり、走査線2ラインに対して同時に選択してデータを書き込めば、1走査線あたりの書き込み時間を104μsとすることができる。
このように、低温動作時初期シーケンスでは、通常初期シーケンスと比較して、同時に書き込む走査線のライン数を増やすことと、表示フレーム周波数を減らすことで、書き込み時間を長くすることができる。温度により、同時に選択する走査線数および表示フレーム周波数の最適値は異なるが、例えば、−30℃で液晶表示を常温と同様に動作させるには、最低でも150μsの書き込み時間は必要であるため、同時書き込み走査線のライン数と表示フレーム周波数を設定する必要がある。
(OCB液晶装置の初期シーケンスの概要)
ここで、OCB液晶装置の動作の概要を説明する。図12は、OCB液晶装置における電源投入時から画素表示までのシーケンスの概要を示す図である。
図示されるように、電源投入時には、アレイ基板1上に積層された配向膜2と、対向基板3と積層して設けられた配向膜4との間に介在する液晶層を構成する液晶分子51の配向がスプレイ配向状態(状態S10)になっている。
そして、電源投入を行った後、初期シーケンス(SA)が実行される。すなわち、まず、ベンド転移核形成シーケンス(SA1)においてベンド転移核を形成し、ベンド転移拡大シーケンス(SA2)において、ベンド転移核形成ステップ(SA1)で形成されたベンド転移核を拡大させる。液晶装置の液晶分子51がすべてベンド配向状態(状態S20)となり、これによって、画像表示(あるいは画像データに応じた光変調)が可能となる。
すなわち、電極間の電圧をVoffとVonとの間で切り換えることによって、例えば白表示および黒表示が行われる。
次に、本発明のOCB液晶装置における初期シーケンス(SA)について具体的に説明する。図13(A)〜図13(D)は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスでの液晶分子の配向状態を示す図である。
OCB液晶装置では、電源投入時、すなわち、その初期状態においては、図13(A)に示すように液晶分子の配向がスプレイ配向状態になっており、表示動作時には図13(D)に示すように液晶分子の配向がベンド配向状態になっている。
以下に図13(A)から図13(D)に至る過程について説明する。なお、各図においては、ベンド配向への転移経過を解かりやすくするために液晶分子の配向状態を簡略して図示している。
図示されるように、初期シーケンス(SA)には、横電界によるベンド転移核形成シーケンス(SA1)と、縦電界によるベンド転移拡大シーケンス(SA2)とが含まれる。
OCB液晶装置においては、画素電極と対向電極との間、画素電極と走査線との間にそれぞれ電圧が印加されない状態(あるいは非選択電圧印加時)には、図13(A)に示すように液晶分子51はスプレイ配向状態(S10)となっている。
そして、電源が投入されてから、走査線に電圧が印加されると、画素電極と走査線の電位が異なるため、画素電極とこれに対向する走査線との間に横電界が生じることとなる。このとき、画素電極と対向電極の電位が同じになるようにして縦電界は発生させないようにするのが好ましい。但し、これに限定されるものではない。
したがって、図13(B)に示すように、横電界によって配向不良に起因するディスクリネーションライン(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域)が発生する。すなわち、液晶分子51の一部の液晶分子NBが図13(B)に示すようにNBがベンド転移核となり、液晶分子がベンド転移核形成状態(SC1)となる。
次に、画素電極と対向電極との間に電位差を生じさせることにより、画素電極と対向電極との間に縦電界が発生する。これによって、横電界の影響を受けて配向した液晶分子NBをベンド転移核として、それらの液晶分子NBの周りにベンド配向が伝搬することで、図13(C)に示すように、液晶分子がベンド転移拡大状態(SC2)となる。
そして、このベンド転移拡大が進行して、すべての液晶素子51に伝搬することにより、図13(D)に示すように、液晶分子がベンド配向状態(S20)となる。
このように、本発明においては、初期シーケンス(SA)において、電圧印加時における、走査線と画素電極間に生じる横電界によりベンド転移核を発生させ(ベンド転移核形成シーケンス(SA1))、次いで、画素電極と対向電極との間に生じる縦電界によって前記ベンド転移核を拡大させる(ベンド転移拡大シーケンス(SA2))ことで、画像表示領域全体がベンド配向を維持した状態で画像表示を行うようにしている。
次に、本発明のOCB液晶装置における初期シーケンスの概要について説明する。図14は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスの概要を説明するための図である。まず、電源をオンすることで(SP)、本発明のOCB液晶装置は初期シーケンス(SA)に入る。
初期シーケンス(SA)としては、ベンド転移核形成シーケンス(SA1)とベンド転移拡大シーケンス(SA2)とがある。初期シーケンス(SA)は、低温時でも、通常時でも共通である。
ベンド転移核形成シーケンス(SA1)においては、走査線と画素電極間の横電界を生じさせる(F1)。このとき、好ましくは、画素電極と対向電極の間には縦電界を生じさせないようにする(F2)。
すなわち、ベンド転移核形成のためには、走査線と画素電極との間に電位差を与えて局所的な強い横電界を発生させる必要があるが、このとき、余分な縦電界を発生させれば、その分だけ、横電界の発生のために使用できるエネルギーが減少してしまう。また、縦電界がベンド転移核形成に、何らかの悪影響を与える可能性も否定できない。
よって、横電界によるベンド転移核形成時には、縦電界を0にして、可能な限り高い電界を局所的に発生させることに集中するのが好ましい。
但し、本発明が、この点に限定されるものではない。例えば、実際には、何らかの駆動上の理由によって、若干の縦電界が発生することもあり得る。また、デバイスの段差によって走査線と画素電極とが略水平に位置しないとき、走査線と画素電極間に電位差を与えれば、必然的に縦電界成分が発生する。これを打ち消すために、意図的に逆方向の縦電荷を生じさせるという場合も考えられる。このような場合も、本発明の技術的範囲に含まれる。但し、横電界発生時において、同時に縦電界が生じる場合があるとしても、あくまで局所的な横電界が主であり、縦電界強度が横電界強度を上回ることはない。
また、好ましくはデータの書き込みについては順次駆動を行う(F3)。このとき、線順次、複数本線順次、面順次の各駆動方式を採用することができる。
線順次駆動方式は、1本の走査線に接続された各画素回路に対して順に画像データの書き込みを行う駆動方式である。
複数順次方式は、複数本の走査線を同時にアクティブにし、それらの複数本の走査線に接続される画素回路に対して同時に画像データ書き込みを行い、この動作を順に行う駆動方式である。n本の走査線を同時に駆動する方式をとれば、画像データの書き込み速度はn倍になる。よって、1フレーム期間が固定されているとすれば、各画素に電圧を印加する時間をn倍にすることができるという利点がある。
また、面順次方式は、全走査線を同時にアクティブにして、一括して画像データを書き込みを行う方式である。一般的な駆動方式とはいえないが、例えば、液晶装置の検査のために面順次駆動が可能となっている場合があり、この場合には、初期シーケンス時に面順次駆動を活用することができる。
また、走査線と画素電極間の横電界を発生させる際に、走査線と画素電極の各々に与える電圧の極性を異ならせることによって、電位差を拡大することが好ましい(F4)。例えば、画素電極に正の第1電圧を印加し、走査線には負の第2電圧を印加する。第1電圧および第2電圧の絶対値はそれほど大きくなくても、電位極性が異なることから、電位差は、第1電圧と第2電圧の和に拡大される。よって、特別な高電圧を発生させなくても、ベンド転移核形成に必要な強い横電界を無理なく生じさせることができる。
また、上述の動作を複数フレームにわたって、同様の駆動を繰り返すのが好ましい(F6)。このときの繰り返し期間Tcfは、例えば、100msにすることができる。
また、走査線と画素電極が互いに近接するレイアウトとし、断面構造上、略水平位置になるように段差を調整することが好ましい(F5)。この場合、強い横電界を容易に発生することが可能となる。
次に、ベンド転移拡大シーケンス(SA2)が行われる。これによって、ベンド転移核形成シーケンス(SA1)により形成されたベンド転移核は周辺にまですみやかに拡大される。
ベンド転移拡大シーケンス(SA2)においては、まず、画素電極と対向電極との間に電位差を生じさせて、画素電極と対向電極との間に縦電界を発生させる(F10)。そして、好ましくは、順次駆動を行う(F11)。
このとき、データの書き込みについては、線順次、複数本順次、面順次は問わず、いずれの順次駆動も選択することができる。そして、好ましくは、複数のフレーム期間にわたって、同様の駆動を繰り返す(F12)。このとき、繰り返し期間Tenは、前述のベンド転移核形成シーケンス(SA1)における操作F6の繰り返し期間Tcfよりも大きくし、例えば、500msにすることができる。
以上の操作により、ベンド転移核形成シーケンスにおいて発生したベンド転移核の拡大を促進させるベンド転移拡大シーケンスが行われ、以後、画像表示シーケンス(SB)に移行する。
(横電界によるベンド転移核形成を実現するための画素構成例)
図15は、本発明の液晶装置の画素部の構成例を示す図である。図示されるように、マトリックス状に配置された複数の画素には、画素電極9がそれぞれ形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うスイッチング素子であるTFT素子Mが形成されている。TFT素子Mのソースには、データ線Y1〜Ynが電気的に接続されている。各データ線Y1〜Ynには画像信号が供給される。なお画像信号は、各データ線Y1〜Ynに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線Y1〜Ynに対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子Mのゲートには、走査線X1〜X3が電気的に接続されている。走査線X1〜X3には、所定のタイミングでパルス的に走査信号が供給される。なお、走査信号は、各走査線X1〜X3に対してこの順に線順次で印加される。また、TFT素子Mのドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。このTFT素子M、保持容量C、画素電極9により画素回路(G1a〜G1n、G2a〜G2n、Gna〜Gnn)が構成されている。そして、走査線X1〜X3から供給された走査信号により、スイッチング素子であるTFT素子Mを一定期間だけオン状態にすると、データ線Y1〜Ynから供給された画像信号が、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号は、画素電極9と後述する対向電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極9と容量線LR1〜LR3との間に保持容量Cが形成され、液晶容量と並列に接続されている。このように、液晶に電圧が印加されると、その電圧レベルにより液晶分子のベンド配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
初期シーケンス(SA)のための電圧印加を行う際にも、画像表示動作の場合と同様に、データ線に初期シーケンス用信号を供給し、走査線に走査信号を供給して表示領域内の複数の画素を駆動する。
初期シーケンスにおけるベンド転移核形成のための強い横電界は、走査線と画素電極を近接して配置することによって実現される。以下、走査線と画素電極とを極めて近接して配置したデバイス構造の例について説明する。
(近接して配置された走査線および画素電極付近の断面構造例)
図16は、近接して配置された走査線および画素電極付近のデバイスの断面構造例を示す図である。以下、具体的に説明する。
TFT領域Z1において、ガラスや石英などの透光性材料からなる基板700上に、層間絶縁膜702を介して、ポリシリコンなどからなる導電膜によりソース・ドレイン領域704が形成されている。ソース・ドレイン領域704上に層間絶縁膜706が形成されるとともに、ソース・ドレイン領域704はスルーホールにより層間絶縁膜706上に形成された第一メタル配線層710と接続されている。
そして、ソース・ドレイン領域704の上方かつ中央部の第一メタル配線層710はTFTスイッチング素子のゲート電極となる。さらに第一メタル配線層710上に層間絶縁膜708が形成され、この層間絶縁膜708上に第二メタル配線層(走査線)712が形成されているとともに、前記層間絶縁膜708にスルーホールが設けられて、前記第一メタル配線層710と前記第二メタル配線層712は接続されている。すなわち、第一メタル配線層710上の第二メタル配線層712は、走査線となる。さらに第二メタル配線層712上に層間絶縁膜714が形成されているとともに前記層間絶縁膜714上にITO(インジウム錫酸化物)などの透明導電材料からなる画素電極715が形成され、スルーホールを介して第二メタル配線層712と接続されている。
また、ドレインと電気的に接続された第二メタル配線層712は画素電極715と電気的に接続されている配線である。
保持容量領域Z2においては、基板700上に、層間絶縁膜702を介して、ポリシリコンなどからなる導電膜704が形成されている。この導電膜704はソース・ドレイン領域形成時に同時に形成されるものであって、TFT領域Z1における配線層との段差をなくすために設けられた層である。
そして、TFT領域Z1と同様に、導電膜704上に層間絶縁膜706が形成され、前記層間絶縁膜706上に第一メタル配線層710が形成されている。さらに第一メタル配線層710上に層間絶縁膜708が形成され、この層間絶縁膜708上に第二メタル配線層712(容量線LR)が形成されるとともに、層間絶縁膜708にスルーホールが設けられて、第一メタル配線層710と第二メタル配線層712は接続されている。
さらに第二メタル配線層712(容量線LR)上に第一メタル配線層710が形成されるとともに第一メタル配線層710上に画素電極715が形成され、第二メタル配線層712と画素電極715との間で保持容量Cが形成されている。
走査線領域Z3において、基板700上に層間絶縁膜702が形成され、さらに第一メタル配線層(走査線)710が形成される。そして、第一メタル配線層(走査線)710上に導電膜704が形成され、さらに導電膜704上に第二メタル配線層(走査線)712が形成されており、スルーホールによって第一メタル配線層710と接続されている。そして、第二メタル配線層(走査線)712上には層間絶縁膜714が形成されている。
そして、TFT領域Z1、走査線領域Z3においては層間絶縁膜714上、保持容量領域Z2においては画素電極715上、すなわち、アレイ基板上には、カラーフィルタ基板が形成され、アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に挟持されたOCB液晶716を有する。
カラーフィルタ基板においては、ITO膜718上にオーバーコート層720が形成され、さらにカラーフィルタ層722、次いでブラックマトリックス層724が形成されている。
ここで、図16において、保持容量領域Z2と走査線領域Z3との間の領域においては、画素電極715と、走査線領域Z3における第二メタル配線層712は、略同一の高さ位置において相互の距離が極めて短くなるように配置されている。よって、前記画素電極715の端部J1と、前記第二メタル配線層712の端部J2とのベンド転移核形成のための強い横電界EHを効率的に発生させることができる。
また、画素電極715とITO膜(対向電極)718間に電位差を生じさせれば、ベンド転移核拡大に必要な縦電界EVを発生させることができる。
(横電界を利用したベンド転移核形成のための駆動方式の具体例)
図17〜図19を用いて、横電界を利用したベンド転移核形成のための駆動方式の具体例について説明する。
図17はベンド転移核形成通常シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図である。ここでは、m行n列のマトリクス状に配置された画素を、線順次駆動する場合を想定する。なお、各画素に記載されている数字は、走査線と画素電極間の電位差を表している。
図示されるように、まず、1行目の画素列に対して16Vの横電界が印加される。同様の動作が各行の画素列に対して行われる。m行目の画素列に対する横電界の印加が終了すると、1フレーム期間が終了する。
以後、合計で6フレーム期間(1フレーム期間が1/60秒とすると、100ms)にわたって同様の動作を繰り返す。
これによって、各画素に、所定電圧による横電界が所定時間以上印加されることになり、これによって、ディスクリネーション(ベンド転移核)が確実に形成される。
(ベンド転移核形成通常シーケンス)
図18は、ベンド転移核形成通常シーケンスを説明するためのタイミング図である。ベンド転移核形成通常シーケンスでは、選択されている走査線(アクティブレベルの走査線)と画素電極との間の電位差を用いて、ベンド転移核形成のための横電界を発生させる。以下、具体的に説明する。
1フレーム中の書き込み期間(時刻t1〜t5)においてはデータ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには−5Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、対向電極、保持容量線にも同様に−5Vの電圧が印加される。
最初の1水平帰線期間(1H)が開始される時刻t1において走査線X1が選択され、走査線X1には11Vの電圧が印加されることで、走査線と画素電極との間の電位差は16V(=11V+5V)となる。走査線と画素電極の電位極性を逆にしているため、電圧の絶対値自体はそれほど大きくなくても、各々の電圧の和の電位差が生じることになり、よって、強い横電界を無理なく発生させることができる。
そして、次の1水平帰線期間(1H)が開始される時刻t2においては、走査線X2を選択するため、走査線X1の電圧は−5Vにされるとともに、走査線X2の電圧は11Vとされる。同様の動作が繰り返されて、m番目の水平帰線期間において走査線Xmが選択されて走査線Xmに11Vの電圧が印加されることによって、全走査線に対する1回目の電圧印加が終了する。
このとき、データ線Y1〜Ynの電位は−5Vであるとともに、対向電極電位が−5Vであるから、画素電極と対向電極との間の電位差は0であり、すなわち、縦電界は発生しない。したがって、強い横電界のみを液晶層(OCB液晶)に印加することができ、これによって、ベンド転移核を確実に形成することができる。
時刻t5〜t6までは帰線期間である。時刻t6に1フレームを終了する。そして、この一連の操作を6フレーム分(100ms分)繰り返し行うことでベンド転移核形成シーケンスが終了する。
このベンド転移核形成通常シーケンスにおける画素回路の横電界および縦電界の様子を図19に示す。図19(A),図19(B)は、図18に示されるベンド転移核形成通常シーケンスにおける画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図である。
図19においては、ゲートが走査線Xと接続され、ソースがデータ線Yと、ドレインが保持容量Cおよび画素電極9と接続されたN型のTFTスイッチング素子Mと、保持容量Cと並列に接続された液晶LCを有する画素回路が示されている。
図19(B)は、TFTスイッチング素子Mがオフのときの電界を示している。すなわち、図19(B)では、走査線Xの電位が−5V、データ線電位が−5VとなりTFTスイッチング素子Mがオフする。また、コモン線Lcomの電位が−5Vとされる。よって、横電界および縦電界は共に0である。
次に、図19(A)に示すように、初期シーケンスにおいて、ベンド転移核形成シーケンスで書き込み期間に入ると、走査線Xが選択され、走査線Xには11Vの電位が印加されるとともに、データ線Yには−5Vの電位が印加される。すると、TFTスイッチング素子Mがオンし、TFTスイッチング素子Mのドレインの電位、すなわち画素電極9の電位は−5Vとなり、走査線Xの電位と画素電極9との間で16V(11V+5V)の横電界が発生する。
このとき、画素電極9の電位が−5Vであってコモン線Lcomの電位が−5Vであるから、画素電極9と容量線LRとの間に電位差はなく、よって、画素電極9と対向電極11との間の縦電界は0Vとなる。
このように、本通常シーケンスでは、16Vの電位差による強い横電界を、無理なく発生させることができる。
(縦電界を利用したベンド電位拡大のための駆動方式の具体例)
図20は、縦電界を利用したベンド転移拡大のための駆動方式の具体例を示す図である。ベンド転移核拡大通常シーケンスでは、基本シーケンスとして2フレームを要する。ここでは1フレーム目と2フレーム目において、液晶に印加する電圧の極性を反転するフレーム反転駆動を実行するものとする(但し、これに限定されるものではない)。また、駆動方式としては、線順次駆動を採用するものとして説明する。
図20の基本シーケンス(1フレーム目)では、1本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば5Vとすることによって画素電極を5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に+5Vの縦電界を与える。これは、ノーマリホワイトの液晶の場合、全画素に同時に黒データを書き込むことに相当する。
1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図21の右上に示すように、全画素に+5Vが印加される状態となる。
続いて、基本シーケンス(2フレーム目)では、同様に、1本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば−5Vとすることによって画素電極を−5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に−5Vの縦電界が印加される(すなわち、画素電極と対向電極との電位差自体は5Vのままで変化しないが、フレーム毎の極性反転によってフレーム毎に縦電界の向きが反転する)。
1本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、図21の右下に示すように、全画素に−5Vが印加される状態となる。
このような2フレームを一組とする基本シーケンスを15回繰り返す。すなわち、合計で30フレーム期間にわたって液晶に5Vの縦電界の印加を継続する。1フレームを1/60秒とすれば、5Vの縦電界の印加が500ms継続されることになる。
図21は、図20に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図である。
時刻t10〜t13(1フレーム目の期間T1)においては、データ線には5Vの電圧が印加されるとともに、対向電極、保持容量線の電圧は0Vとなる。
線順次方式で走査線が順に選択される。走査線が選択された時、走査線の電位は11Vとなり、非選択時には−5Vとなる。走査線が選択されてTFTがオンすると、データ線には5Vが印加されているから、画素電極の電位が+5Vとなり、画素電極と対向電極との電位差は+5Vになり、これによって+5Vの縦電界が液晶に加えられる。
時刻t13〜t17(2フレーム目の期間T2)においては、データ線には2Vの電圧が印加され、対向電極、保持容量線には7Vの電圧が印加される。データ線と対向電極との間の電位差は1フレーム目と同様に5Vであるが、2フレーム目の場合、対向電極の電位が高いことから−5Vの縦電界(電位差が5Vで向きが反対の縦電界)が液晶に加えられることになる。
以上の一連の動作を、正極側15フレーム分ならびに負極側15フレーム分(合計で500ms)、繰り返し行うことでベンド転移拡大通常シーケンスが終了する。
図22(A),図22(B)は、図20および図21に示されるベンド転移拡大シーケンス実行時における画素回路の電界の様子を示す図である。
図22(A)に示すように、正極性の駆動の場合は、走査線Xが11Vであり、データ線Yが5Vであり、画素電極9が5Vであり、対向電極11(および容量線LR)が0Vである。液晶LCには5Vの縦電界が印加される。
図22(B)に示すように、負極性の駆動の場合は、走査線Xが11Vであり、データ線Yが2Vであり、画素電極9が2Vであり、対向電極11(および容量線LR)が7Vである。液晶LCには、−5Vの縦電界が印加される。
なお、ベンド拡大シーケンス時において、走査線は11Vであり、画素電極は5Vまたは2Vであるから、横電界も発生するが、ベンド転移拡大処理は主として強い縦電界によって実現されるため、この場合の横電界は無視してもよい。
(ベンド転移核形成低温時シーケンス)
図23および図24を用いて、横電界を利用した、低温時の、ベンド転移核形成のための駆動方式の具体例について説明する。
図23はベンド転移核形成低温時シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図である。ここでは、m行n列のマトリクス状に配置された画素を、線順次駆動する場合を想定する。なお、各画素に記載されている数字は、走査線と画素電極間の電位差を表している。図23に示すように、ベンド転移核形成低温シーケンスでは、m本(ここではm=2)の走査線を同時に駆動する複数本順次駆動を採用した例を説明する。
図示されるように、まず、1行目と2行目の画素列に対して同時に16Vの横電界が印加される。同様の動作が2行ずつ全ての画素列に対して行われる。m−1、m行目の画素列に対する横電界の印加が終了すると、1フレーム期間が終了する。
以後、合計で6フレーム期間(1フレーム期間が1/30秒とすると、200ms)にわたって同様の動作を繰り返す。
これによって、各画素に、所定電圧による横電界が所定時間以上印加されることになり、これによって、ディスクリネーション(ベンド転移核)が確実に形成される。
図24は、ベンド転移核形成低温時シーケンスを説明するためのタイミング図である。ベンド転移核形成低温時シーケンスでは、選択されている走査線(アクティブレベルの走査線)と画素電極との間の電位差を用いて、ベンド転移核形成のための横電界を発生させる。ベンド転移核形成低温時シーケンスにおいては、走査線2ラインに対して同時に書き込みを行うとともに、フレーム周波数を半分にしている。以下、具体的に説明する。
1フレーム中の書き込み期間(時刻t20〜t24)においてはデータ線(奇数)およびデータ線(偶数)Y1〜Ynには−5Vの電圧がそれぞれ印加されるとともに、対向電極、保持容量線にも同様に−5Vの電圧が印加される。
最初の2水平帰線期間(2H)が開始される時刻t20において走査線X1、X2が選択され、走査線X1、X2にはそれぞれ11Vの電圧が印加されることで、走査線と画素電極との間の電位差は16V(=11V+5V)となる。走査線と画素電極の電位極性を逆にしているため、電圧の絶対値自体はそれほど大きくなくても、各々の電圧の和の電位差が生じることになり、よって、強い横電界を無理なく発生させることができる。
そして、次の2水平帰線期間(2H)が開始される時刻t21においては、走査線X3、X4を選択するため、走査線X1、X2の電圧は−5Vにされるとともに、走査線X3、X4の電圧は11Vとされる。同様の動作が繰り返されて、m/2番目の水平帰線期間において走査線Xm−1、Xmが選択されて走査線Xm−1、Xmに11Vの電圧が印加されることによって、全走査線に対する1回目の電圧印加が終了する。
このとき、データ線Y1〜Ynの電位は−5Vであるとともに、対向電極電位が−5Vであるから、画素電極と対向電極との間の電位差は0であり、すなわち、縦電界は発生しない。したがって、強い横電界のみを液晶層(OCB液晶)に印加することができ、これによって、ベンド転移核を確実に形成することができる。
時刻t24からの図示しない1フレーム分が帰線期間で、帰線期間終了後に1フレームを終了する。そして、この一連の操作を6フレーム分(200ms分)繰り返し行うことでベンド転移核形成低温時シーケンスが終了する。
このように、走査線を2ライン同時に選択することにより、通常初期シーケンスにおけるベンド核形成通常シーケンスよりも1走査線あたりの書き込み時間を長くすることができる。
(縦電界を利用した、低温時のベンド電位拡大のための駆動方式の具体例)
図25は、縦電界を利用した、低温時のベンド転移拡大のための駆動方式の具体例を示す図である。
ベンド転移核拡大低温時シーケンスでは、基本シーケンスとして2フレームを要する。ここでは1フレーム目と2フレーム目において、液晶に印加する電圧の極性を反転するフレーム反転駆動を実行するものとする(但し、これに限定されるものではない)。また、駆動方式としては、線順次駆動を採用し、走査線の総数をm本とし、走査線を同時に2ライン選択して書き込みを行うものとして説明する。2フレーム目については図示を省略する。
図25の基本シーケンス(1フレーム目)では、2本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば5Vとすることによって画素電極を5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に+5Vの縦電界を与える。これは、ノーマリホワイトの液晶の場合、全画素に同時に黒データを書き込むことに相当する。
2本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、(m/2H(水平))期間後に全画素に+5Vが印加される状態となる。
続いて、特に図示しないが、基本シーケンス(2フレーム目)では、同様に、2本の走査線を順に選択して、データ線を、例えば−5Vとすることによって画素電極を−5Vとし、一方、対向電極を0Vとし、これによって液晶に−5Vの縦電界が印加される(すなわち、画素電極と対向電極との電位差自体は5Vのままで変化しないが、フレーム毎の極性反転によってフレーム毎に縦電界の向きが反転する)。
2本の走査線のアクティブ期間が終わった後も、保持容量によって画素電極の電圧が保持されるため、1フレーム分のデータ書き込みが終了すると、(m/2H(水平))期間後に全画素に−5Vが印加される状態となる。
このような2フレームを一組とする基本シーケンスを15回繰り返す。すなわち、合計で30フレーム期間にわたって液晶に5Vの縦電界の印加を継続する。1フレームを1/30秒とすれば、5Vの縦電界の印加が1000ms継続されることになる。
図26は、図25に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図である。
時刻t30〜t31(1フレーム目)においては、データ線には5Vの電圧が印加されるとともに、対向電極、保持容量線の電圧は0Vとなる。
複数本(2本)線順次方式で走査線2本が順に選択される。走査線が選択された時、走査線の電位は11Vとなり、非選択時には−5Vとなる。走査線2本が選択されてTFTがオンすると、データ線には5Vが印加されているから、画素電極の電位が+5Vとなり、画素電極と対向電極との電位差は+5Vになり、これによって+5Vの縦電界が液晶に加えられる。
時刻t35〜t36(2フレーム目)においては、データ線には2Vの電圧が印加され、対向電極、保持容量線には7Vの電圧が印加される。データ線と対向電極との間の電位差は1フレーム目と同様に5Vであるが、2フレーム目の場合、対向電極の電位が高いことから−5Vの縦電界(電位差が5Vで向きが反対の縦電界)が液晶に加えられることになる。
以上の一連の動作を、正極側15フレーム分ならびに負極側15フレーム分(合計で1000ms)、繰り返し行うことでベンド転移拡大低温時シーケンスが終了する。
なお、ベンド転移拡大低温時シーケンス時において、走査線は11Vであり、画素電極は5Vまたは2Vであるから、横電界も発生するが、ベンド転移拡大処理は主として強い縦電界によって実現されるため、この場合の横電界は無視してもよい。
(第3の実施形態)
図27(A)は、本発明のOCB液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図、図27(B)は図27(A)のH−H’線に沿う断面図である。
なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
図27(A),図27(B)に示すように、本発明の液晶装置100は、アレイ基板10(第1基板)と対向基板20(第2基板)とがシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶層50が封入されている。液晶層50は、正の誘電率異方性を有する液晶から構成されており、後述するように初期状態ではスプレイ配向、表示動作時にはベンド配向を呈するものとなっている。シール材52の形成領域の内側の領域に、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)53が形成されている。シール材52外側の周辺回路領域には、データ線ドライバ103および外部回路実装端子Paがアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する二辺に沿って走査線ドライバ104が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線ドライバ104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の角部においては、アレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。また、図27(B)に示すように、アレイ基板10の内側には画素電極9が形成されていて、アレイ基板10に対向配置された対向基板20の内側には対向電極21が形成されている。
(第4の実施形態)
図15では、横電界を効率的に発生させるために、走査線に曲折部を設ける等のレイアウトを採用していたが、これに限定されるものではなく、他の種々の手法を採用することができる。
図28は、横電界を効率的に発生させるためのレイアウトの他の例を示す図である。図28においては、略正方形上の画素電極9の各辺の略中央部に凹部が形成されている。これに近接して配線されて走査線X1は凹部に変形した配線とされている。このため、画素電極の上下左右位置に変形した転移励起用の横電界印加部を形成することとなる。
よって、上下電極間に高電圧が印加されて液晶層がスプレイ配向状態となり周囲よりひずみのエネルギーが高くなり、この液晶分子配向状態方向に横電界印加部からほぼ直角に横電界が印加されるため、スプレイ配向における下基板側の液晶分子がねじれる力を受け、転移核の発生が起き易くなる。
(第5の実施形態)
図29は、強い横電界を発生させるための画素レイアウトの、さらに他の例を示す図である。図29では、走査線と画素電極間に強い横電界を効率的に発生させるために、画素列を意図的に直線的に配置せず、また、走査線に関しては、曲折部を有するレイアウトを採用している。
図示されるように、マトリックス状に配置された複数の画素には、画素電極9がそれぞれ形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うスイッチング素子であるTFT素子Mが形成されている。TFT素子Mのソースには、データ線Y1〜Ynが電気的に接続されている。各データ線Y1〜Ynには画像信号が供給される。なお画像信号は、各データ線Y1〜Ynに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線Y1〜Ynに対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子Mのゲートには、走査線X1〜X3が電気的に接続されている。走査線X1〜X3には、所定のタイミングでパルス的に走査信号が供給される。なお、走査信号は、各走査線X1〜X3に対してこの順に線順次で印加される。また、TFT素子Mのドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。このTFT素子M、保持容量C、画素電極9により画素回路(G1a〜G1n、G2a〜G2n、Gna〜Gnn)が構成されている。そして、走査線X1〜X3から供給された走査信号により、スイッチング素子であるTFT素子Mを一定期間だけオン状態にすると、データ線Y1〜Ynから供給された画像信号が、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号は、画素電極9と対向電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極9と容量線LR1〜LR3との間に保持容量Cが形成され、液晶容量と並列に接続されている。このように、液晶に電圧が印加されると、その電圧レベルにより液晶分子のベンド配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
初期シーケンス(SA)のための電圧印加を行う際にも、画像表示動作の場合と同様に、データ線に初期シーケンス用信号を供給し、走査線に走査信号を供給して表示領域内の複数の画素を駆動する。
図30(A),図30(B)は、図29に示される画素部の一部を抜き出して示す図である。図30(A)に示すように、アレイ基板の内面上に、複数の画素電極9がデータ線Y1〜Y3の延在方向に沿って配置された第1画素電極列9a(奇数段目の画素電極列)と、第1画素電極列9aに走査線X1〜X2の延在方向で隣り合う第2画素電極列9b(偶数段目の画素電極列)と、が走査線X1〜X2の延在方向に交互に複数、設けられている。
第1画素電極列9aに対して第2画素電極列9bはデータ線Y1〜Y3の延在方向に所定距離だけずれて配置されている。
各走査線X1〜X2は、画素電極の配置に沿ってデータ線Y1〜Y3の延在方向に曲折しながら延びている。そのため、各走査線X1〜X2の延在方向には複数の曲折部が設けられる。曲折部とは、本線を画素電極9a,9bの角部に沿って略直角に曲折された部分のことを言う。ここで曲折部は、走査線Y1〜Y3の両側に位置する画素電極の角部にそれぞれ対向配置されている。詳述すると、曲折部には、第1画素電極列9aの画素電極9aにおける2つの角部に対向する曲折部と、第2画素電極列の画素電極9bにおける2つの角部に対向する曲折部とがある。なお、上述の曲折部は、直角に曲折した部分に限られず、鈍角、鋭角や、曲線状に曲折した部分であってもよい。
ここで、走査線X1〜X2は、自身の延在方向に沿う直線部と、これら直線部と直線部とを連結する連結部と、から構成されており、各直線部の位置がデータ線Y1〜Y3の延在方向(走査線に交差する方向)において連結部を介して交互にずれている。
先に述べた第1画素電極列の画素電極9aにおける曲折部は直線部と連結部とによって構成され、第2画素電極列の画素電極9bにおける曲折部は直線部と連結部とによって構成されている。このように、走査線X1〜X2の延在方向には2つの曲折部が、それぞれ2つずつ交互に存在するようになっており、対向する画素電極9の角部との間に生じる電界により液晶の配向を促す機能を有している。
このような構成を備えた図30(A)の液晶装置は、画素電極と対向電極との間に電圧が印加されない状態(あるいは非選択電圧印加時)で、スプレイ配向状態(初期配向状態)となっている。そして、図30(B)に示すように、画素電極9aに電圧を印加したときに画素電極9bと走査線X1の電位が異なるため、画素電極9aの角部とこれら角部に対向する走査線X1の曲折部との間に横電界E1が生じることになる。すなわち、画素電極9の走査線方向に交差する横電界E1とデータ線方向に交差する横電界E2とが生じることになる。
配向膜のラビング方向は、図30(B)の矢印0方向に沿う。このような初期配向状態で先に述べた条件の下電圧が印加されると、横電界E1に沿うべく時計回りRT1にツイストする液晶分子51aと、横電界E2に沿うべく反時計回りRT2にツイストする液晶分子51bとが発生する。このような横電界E1,E2に沿って配向する液晶分子によって、画素電極9a,9bの角部とこれに対向する走査線X1の曲折部との近傍において配向不良に起因するディスクリネーションラインが発生する。これにより、横電界E1,E2の影響を受けて配向した液晶分子を核として、それらの液晶分子の周りにベンド配向が伝搬することになる。
なお、画素電極の角部と走査線X1の曲折部との近傍において、所望とするベンド配向に沿わない方向に生じる横電界E1、E2の影響を受けて配向している液晶分子が存在していても、非表示領域は上述したように図示されない遮光層を設けているので、画素表示に影響することはない。
このように、図30の液晶装置では、第1画素電極列9aと第2画素電極列9bとを互いの画素電極9の位置がデータ線(Y1〜Y3)の延在方向に所定距離だけ交互にずれるように配置し、非表示領域に形成される走査線(X1〜X2)に、画素電極(9a,9b)の配置に沿ってクランク上に曲折する複数の曲折部を設ける構成とした。そして、これら走査線(X1〜X2)における複数の曲折部を当該走査線(X1〜X2)の両側に位置する画素電極の少なくとも2つの角部に対向させることによって、電圧印加時における画素電極と曲折部との間で横電界E2を複雑に発生させることができる。
このようにして、各画素領域ZPにおいて複数(本実施の形態においては2つ)のベンド転移核の発生ポイントを設けることにより、走査線(X1〜X2)を曲折させない液晶装置に比べて、電圧印加時の画像表示領域内における液晶分子51全体をスプレイ配向からベンド配向へ配向転移を円滑に行うことができる。したがって、液晶層の光透過率を短時間で変化させることができ、高速応答が可能となるので残像などが発生することもなく良好な表示を行うことができる。なお、図30(B)のP−P’,Q−Q’に沿うデバイスの断面構造は、図16に示すとおりである。
但し、以上説明した構成は、強い横電界を発生させるための構成の一例であり、これに限定されるものではない。
(第6の実施形態)
次に本発明のOCB液晶装置を用いた電子機器について説明する。本実施の形態では携帯電話を例に挙げて説明する。
図31は、携帯電話の全体構成を示す斜視図である。携帯電話1300は、筐体1306、複数の操作ボタンが設けられた操作部1302、画像や動画、文字などを表示する表示部を主体として構成されている。表示部には、上記第1〜3の実施形態に係る液晶装置100が搭載される。
上述のとおり、本発明の実施形態の液晶装置は、簡素化された構成をもち、OCB液晶の初期転移を無理なく、効率的に実現でき、小型かつローコストという利点をもつ。よって、本発明の実施形態にかかる液晶装置を搭載する携帯端末1300も、小型かつローコストという利点を享受することができ、寒冷地でも問題なく使用することができる。
(第7の実施形態)
次に、本実施の形態では、情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ)を例に挙げて説明する。図32は、本発明の液晶装置を搭載した情報端末(PDA,パーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ等)の斜視図である。
情報端末1200は、上部筐体1206および下部筐体1204と、キーボード等の入力部1202と、本発明のOCB液晶装置を用いた表示パネル100と、を有する。この情報端末においても、上述の携帯端末と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。本発明の少なくも一つの実施形態によれば、例えば、以下の効果が得られる。
(1)所定温度以上の環境下で液晶装置を使用するときには、高品位の表示を行うとともに、低温環境下で液晶装置を使用するときには、データ書き込み時間を長くして液晶に十分な電位を供給する分、通常の場合と比較して表示品位を下げて表示を行うことで、いかなる使用環境においても、確実に正確な表示を安定して行うことを可能とする。
(2)低温時表示モードにおいては、解像度低下処理部により、解像度を低下させて表示品位を劣化させることにより、低温の使用環境でも、確実に正確な表示を安定して行うことができる。
(3)低温時表示モードでフレーム周波数を低減させることによって、1フレームあたりの書き込み時間を増加させることができるので、液晶へのデータ書き込み時間を増加させることができ、液晶を充電させるのに十分となるから、表示品位は劣化するものの、低温の使用環境でも、確実に正確な表示を安定して行うことができる。
(4)走査線を複数本同時に選択してデータ書き込みを行うことで、走査線1本あたりの書き込み時間を増加させることができ、液晶を十分に充電することができるから、低温の使用環境でも、確実に正確な表示を安定して行うことができる。
(5)温度センサにより、温度を計測して、温度センサからの信号に基づいて、通常初期シーケンスまたは低温時初期シーケンスを選択的に実行することにより、1走査線あたりの書き込み時間を操作することで、温度に依存せずに、走査線と画素電極との間の横電界によってベンド転移核を形成し、縦電界によってベンド転移を拡大する新規な初期シーケンス(転移シーケンス)を実行することができる液晶装置が実現される。OCB液晶に、局所的な強い横電界を印加することによってディスクリネーション(液晶分子の配向が不連続となる欠陥領域:ディスクリネーションラインという)が発生し、そのディスクリネーションがベンド転移核となる。また、ベンド転移核形成後に、OCB液晶の全画素に対して強い縦電界を与えることによって、ベンド転移核の拡大が開始される。ベンド転移核形成およびベンド転移拡大の各シーケンスは、走査線、データ線ならびに対向電極の各々に印加する電圧のレベルおよび電圧印加タイミングを制御するという、一般的な液晶駆動方式によって実現でき、初期シーケンスのために特別な回路を設ける必要はない。よって、液晶ドライバを簡素化でき、液晶装置の低コスト化が達成される。
(6)温度によって、通常初期シーケンスと低温時シーケンスを選択的に実行することができるので、低温では、スプレイ配向状態からベンド配向状態には転移しにくいという問題を解決して、いかなる温度においても、初期シーケンスを完全に行うようにすることができる。
(7)低温時には画素への書き込み時間が不足するために、低温時初期シーケンスにおいては1走査線に対する書き込み時間を、通常初期シーケンスの1走査線に対する書き込み時間と比較して増大することで、十分な書き込み時間が確保でき、低温時でも初期シーケンスを確実に行うことができる。
(8)低温時初期シーケンスにおいてフレーム周波数を少なくすることにより、さらに、1走査線に対する書き込み時間を長く確保することができるから、低温時でも初期シーケンスを確実に行うことができる。
(9)所定温度以上の環境下と、所定温度以上とならない環境下で、それぞれ書き込みモードを分けて液晶装置を駆動し、所定温度以上の環境下で液晶装置を使用するときには、高品位の表示を行うとともに、低温環境下で液晶装置を使用するときには、データ書き込み時間を長くして液晶に十分な電位を供給する分、液晶装置を所定温度以上の環境下で証する場合と比較して表示品位を下げて表示を行うことで、いかなる使用環境においても、確実に正確な表示を安定して行うことを可能とする。
(10)温度センサにより温度を計測し、計測した温度に基づいて通常初期シーケンスまたは低温時初期シーケンスを選択的に実行することで、計測した温度によって初期シーケンスにおける書き込み時間を最適化することができ、走査線と画素電極との間の横電界によってベンド転移核を形成し、縦電界によってベンド転移を拡大する新規な初期シーケンス(転移シーケンス)を含む液晶装置の駆動方法が実現される。
(11)低温時初期シーケンスにおいてフレーム周波数を少なくすることにより、さらに、1走査線に対する書き込み時間を長く確保することができるから、低温時でも初期シーケンスを確実に行うことができる。
(12)温度に依存することなく画像表示の表示品質を確保しつつ、特別な高耐圧を必要とせず、簡素化された回路構成をもち、かつローコストのOCB液晶駆動用ICが実現される。
(13)温度に依存せずに安定動作を確保できる簡素化された構成をもち、OCB液晶の初期転移を無理なく、効率的に実現できる。よって、本発明の液晶装置を搭載する電子機器も、小型かつローコストという利点を享受することができる。
本発明は、低温時における液晶装置の適正な表示を確実に行うことができると共に、常温時(高温時を含む)には液晶装置の書き込みを高品位で行うことができるだけでなく、例えば、OCB液晶(これに限定されるものではなく、同様な転移シーケンスが必要などのような液晶にも適用が可能である)の転移シーケンスにおいても、低温時でも転移シーケンスを確実に行うことができ、過大な高電圧を用いずに、かつ、通常動作時と同様の順次駆動を用いて実現することができるという効果を奏し、したがって、液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶駆動用IC(集積回路装置)および電子機器として有用である。
液晶装置における開始時から低温表示モードもしくは通常表示モードによる画素表示が終了するまでの動作の概要を示すフロー図 本発明の液晶装置の構成例を示す図 液晶駆動用ICの構成例を示す図 図4(A),図4(B)は、本発明の液晶装置の解像度低下処理シーケンスを説明するための図 図5(A)〜図5(C)は、本発明の液晶装置の解像度低下処理シーケンスの他の例を説明する図 図6(A)〜図6(D)は、本発明の液晶装置の電位極性反転書き込み動作の具体例を示す図 本発明の液晶装置の低温時表示モードとして低温ライン反転書き込みを行った場合について説明するためのタイミング図 本発明の液晶装置の低温時表示モードとして低温ドット反転書き込みを行った場合について説明するためのタイミング図 図9(A),図9(B)は、低温時表示モードにおける動作例を示す図 本発明のOCB液晶装置における電源投入時から画素表示までの、低温動作時と通常動作時のシーケンスを示すフロー図 本発明のOCB液晶装置における、書き込み動作についての低温動作時初期シーケンスと通常初期シーケンスとの比較表。 OCB液晶装置における電源投入時から画素表示までのシーケンスの概要を示す図 図13(A)〜図13(D)は、本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスでの液晶分子の配向状態を示す図 本発明のOCB液晶装置の一例における初期シーケンスの概要を説明するための図 本発明の液晶装置の画素部の構成の一例を示す図 近接して配置された走査線および画素電極付近のデバイスの断面構造例を示す図 ベンド転移核形成通常シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図 図17に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図19(A),図19(B)は、図17および図18に示されるベンド転移核形成シーケンス実行時における画素回路の横電界および縦電界の様子を示す図 ベンド転移拡大通常シーケンスの駆動を実現するための駆動方法の一例を説明するための図 図20に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図22(A),図22(B)は、図21に示されるベンド転移拡大シーケンス実行時における画素回路の電界の様子を示す図 ベンド転移核形成低温時シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図 図23に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 ベンド転移核拡大低温時シーケンスにおける具体的な駆動方式の一例を説明するための図 図25に示す駆動を実現するための駆動方法を説明するためのタイミング図 図27(A),図27(B)は、本発明のOCB液晶装置の一例の平面図および断面図 横電界を効率的に発生させるためのレイアウトの他の例を示す図 横電界を効率的に発生させるためのレイアウトの、さらに他の例を示す図 図30(A),図30(B)は、図29に示される画素部の一部を抜き出して示す図 本発明の液晶装置を搭載した携帯電話の全体構成を示す斜視図 本発明の液晶装置を搭載した情報端末の斜視図
符号の説明
SK 解像度低下処理、SQ フレーム周波数低下処理、1、10 アレイ基板、
2、4 配向膜、9 画素電極、3 対向基板(カラーフィルタ基板)、
11 対向電極、LR 容量線、LC 液晶、51、S10 スプレイ配向状態、
S20 ベンド配向状態、SA 初期シーケンス、SA1 ベンド転移核形成、
SA2 ベンド転移拡大(縦電界)、SB 画像表示シーケンス、NB ベンド転移核、SC1 横電界、SC2 縦電界、SP 電源オン、500 電子機器(携帯端末)、
502 液晶装置、510 電源スイッチ、520 メイン制御回路、
530 バックライト、540 制御部、542 タイミング制御回路、
544 画像処理回路、545 解像度変換回路、545a 1/2解像度処理部、
550 電源回路、554 温度センサ、560 走査線ドライバ、
570 データ線ドライバ、580 コモンドライバ、590 画素アレイ、
X1〜X6 走査線、Y1〜Y6、データ線、Lcom コモン線、
600 アクティブマトリックス基板、650 液晶駆動IC、
651 走査線ドライバ、652 電源回路、654 RAM、
655 コモンドライバ、656 データ線ドライバ、TA1,TA2 外部端子、
700 基板、704 ソース・ドレイン領域、
702、706、708、714 層間絶縁膜、710 第1メタル配線層、
712 第2メタル配線層、716 液晶層、718 ITO膜、
720 オーバーコート層、722 カラーフィルタ、724 ブラックマトリックス、Z1 TFT領域、Z2 保持容量領域、Z3 走査線領域、10 TFTアレイ基板、20 対向基板、21 対向電極、100 液晶装置、52 シール材、50 液晶層、53 遮光膜、103 データ線ドライバ、Pa 外部回路実装端子、
104 走査線ドライバ、105 配線、106 基板間導通材、1300 携帯電話、
1302 操作部、1306 筐体、1200 携帯情報端末、1202 入力部、1204 下部筐体、1206 上部筐体

Claims (15)

  1. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、を有する液晶装置であって、
    前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、
    前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための保持容量を含む画素回路と、
    前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、
    前記走査線、前記データ線ならびに前記対向電極を駆動することができるドライバと、
    温度を測定する温度センサと、
    タイミング制御回路および画像処理回路を含み、前記温度センサからの信号に基づいて、表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を前記ドライバに供給する制御部と、
    を含み、
    前記画像処理回路は、解像度低下処理部を含み、前記低温時表示モードにおいては前記解像度低下処理部によって解像度変換を行い、前記通常表示モードにおける表示解像度よりも低解像度の画像を生成し、
    かつ、前記制御部は、前記低解像度の画像の表示に際して、複数本の前記走査線を同時に選択する複数本順次駆動を実行する、
    ことを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1記載の液晶装置であって、
    前記走査線の数はm(mは2以上の自然数)本であり、前記データ線の数はn(nは2以上の自然数)本であり、画素数は(m・n)個であり、かつ、同時に選択される前記走査線の数をk(kは2以上の自然数)とした場合、
    前記解像度低下処理部は、入力された(m・n)個の画素に対応する画像信号を、(k・k)個の画素からなる画素ブロックを単位とする画像信号に変換することによって前記低解像度の画像を生成し、
    前記低解像度の画像の表示に際しては、前記(k・k)個の画素からなる前記画素ブロックを単位として画像信号の書き込みを実行する、
    ことを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液晶装置であって、
    前記制御部は、前記低温時表示モードにおけるフレーム周波数を、前記通常表示モードにおけるフレーム周波数よりも低く設定することを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液晶装置であって、
    前記液晶は、OCB(Optical Compensated Bend)液晶であり、
    前記制御部は、前記低温時表示モードおよび通常表示モードによる画像表示の前に、前記OCB液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させるための初期シーケンスを実行し、
    前記制御部は、前記温度センサによる温度測定の結果、低温の場合には低温時初期シーケンスを実行し、低温ではない場合には通常初期シーケンスを実行すると共に、前記低温時初期シーケンスにおける画素への書き込み時間は、前記通常初期シーケンスにおける画素への書き込み時間よりも長く設定される、
    ことを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項4記載の液晶装置であって、
    前記通常初期シーケンスならびに前記低温時初期シーケンスは共に、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスと、を含み、
    前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、前記画素電極と前記走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と前記対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させることを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項4または請求項5記載の液晶装置であって、
    前記低温時初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数を、前記通常初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数よりも大きく設定することを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれかに記載の液晶装置であって、
    前記低温時初期シーケンスにおけるフレーム周波数を、前記通常初期シーケンスにおけるフレーム周波数よりも小さく設定することを特徴とする液晶装置。
  8. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持される液晶と、前記第1基板上に設けられる、互いに交差する複数の走査線および複数のデータ線と、前記複数の走査線および前記複数のデータ線の各々の交点に設けられるスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続される画素電極ならびに前記画素電極の電圧を一時的に保持するための保持容量を含む画素回路と、前記第2基板上に、前記画素電極と対向して設けられる対向電極と、温度を測定する温度センサと、を有する液晶装置の駆動方法であって、
    前記温度センサによって温度を測定し、低温の場合には低温時表示モードによる表示を実行し、低温でない場合には通常表示モードによる表示を実行し、
    前記低温時表示モードでは、前記通常表示モードにおける表示解像度よりも低解像度の画像を生成すると共に、複数本の前記走査線を同時に選択する複数本順次駆動によって前記低解像度の画像を表示する、
    ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  9. 請求項8記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記走査線の数はm(mは2以上の自然数)本であり、前記データ線の数はn(nは2以上の自然数)本であり、画素数は(m・n)個であり、かつ、同時に選択される前記走査線の数をk(kは2以上の自然数)とした場合、
    入力された(m・n)個の画素に対応する画像信号を、(k・k)個の画素からなる画素ブロックを単位とする画像信号に変換することによって前記低解像度の画像を生成し、
    前記低解像度の画像の表示に際しては、前記(k・k)個の画素からなる前記画素ブロックを単位として画像信号の書き込みを実行する、
    ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記低温時表示モードにおけるフレーム周波数を、前記通常表示モードにおけるフレーム周波数よりも低く設定することを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  11. 請求項8〜請求項10のいずれかに記載の液晶装置の駆動方法であって、
    OCB(Optical Compensated Bend)液晶を用いて、前記低温時表示モードおよび通常表示モードによる画像表示を実行する前に、前記液晶の液晶分子の配向状態をスプレイ配向からベンド配向へと転移させるための初期シーケンスを実行すると共に、
    温度測定の結果、低温の場合には低温時初期シーケンスを実行し、低温ではない場合には通常初期シーケンスを実行すると共に、前記低温時初期シーケンスにおける画素への書き込み時間を、前記通常初期シーケンスにおける画素への書き込み時間よりも長く設定する、ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  12. 請求項11記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記通常初期シーケンスならびに前記低温時初期シーケンスは共に、ベンド転移核形成シーケンスと、ベンド転移核拡大シーケンスと、を含み、
    前記ベンド転移核形成シーケンス実行時には、画素電極と走査線との間の電位差によって横電界を発生させ、前記ベンド転移拡大シーケンス実行時には、前記画素電極と対向電極との間の電位差によって縦電界を発生させる、ことを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  13. 請求項11または請求項12記載の液晶装置の駆動方法であって、
    前記低温時初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数を、前記通常初期シーケンスにおける順次駆動による1回の書き込みライン数よりも大きく設定することを特徴とする液晶装置の駆動方法。
  14. 走査線およびデータ線を駆動することができるドライバと、
    温度を計測する温度センサと、
    温度センサからの信号に基づいて、前記表示または光変調のための画像信号ならびに制御信号を前記ドライバに供給し、これによって、請求項8〜請求項13のいずれかに記載の液晶装置の駆動方法を実行する制御部と、
    を有することを特徴とする液晶駆動用集積回路装置。
  15. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
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