JP2009069436A - 表示装置 - Google Patents

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Seijitsu Oka
青日 大岡
Tsutomu Hasegawa
励 長谷川
Kazushi Nagato
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Abstract

【課題】クロストークを低減し、表示パターンに依存しない画像を表示可能な表示装置を提供する。
【解決手段】第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、透過光を変化させる光切り替え層と、を備え、前記第1及び第2の基板と前記光切り替え層の少なくともいずれは、光学特性が互いに異なる第1の部位と、第2の部位と、を有し、前記第1の部位と第2の部位との界面は、前記基板の主面に対して略垂直であることを特徴とする表示装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関し、例えば一対の基板の間に液晶が挟持された表示装置に関する。
マン・マシン・インタフェースとして用いられる表示装置は、情報化社会の発展に必要欠くべからざるものとして、開発が続けられている。中でも、液晶表示装置は、消費電力が低いことから、時計、電卓、小型携帯機器等に広く利用されている。このような液晶表示装置に使用される表示モードには、ツイステッド・ネマティック(TN:Twisted Nematic)型、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN:Super Twisted Nematic)型、電界制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)型等がある。これらの液晶表示装置においては、光切り替え層である液晶層に与えられる電気信号によって、液晶層の旋光性や複屈折率が変化し、この液晶層と偏光板と組み合わせることにより透過光を変化させることができる。これらのタイプの光切り替え層を用いた場合、入射光の50%以上がこの偏光板によって吸収されてしまうため、明るい表示装置を実現することが難しい。
一方、偏光板を使用しない光切り替え層の例として、高分子ネットワーク型液晶Polymer Network Liquid Crystal(以下、PNLCと略記する)、あるいは高分子分散型液晶Polymer Dispersed Liquid Crystal(以下、PDLCと略記する)がある(例えば、特許文献1)。PDLC型の光切り替え層は、高分子マトリクス中に例えば正の誘電異方性を有する液晶のドロップレットが形成されている。これを2枚の透明電極付基板に挟むことによりPDLC表示セルが構成され、偏光板を用いる必要がない。電圧の無印加時は液晶の配向はランダムであり、液晶の屈折率と高分子の屈折率に差があるように設計しておくことにより、入射光は散乱する。この時、PDLC層における後方散乱光により明表示と認識される。一方、電圧印加時は液晶が配向し、入射光はPDLC層によって散乱されることなく、PDLC層を透過する。PDLC表示セルの観察者とは反対側に、例えば黒い紙のような光吸収層を設置しておくと、電圧印加時は入射光は光吸収層で吸収され、暗表示が得られる。この際、配向時の液晶の屈折率と高分子の屈折率が近い値となるように設計しておくと、液晶と高分子の界面での反射や屈折が低減でき有利である。
特許第2998231号公報
本発明者は、PDLC層を有する表示装置において、周囲のPDLC層が散乱状態にある場合と、透過状態にある場合と、で、それに隣接したPDLC層の反射光強度が変化するという光学的なクロストークが存在することを見出した。
本発明は、この新規な課題の認識に基づいてなされたものでありその目的は、クロストークを低減し、表示パターンに依存しない画像を表示可能な表示装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、透過光を変化させる光切り替え層と、を備え、前記第1及び第2の基板と前記光切り替え層の少なくともいずれは、光学特性が互いに異なる第1の部位と、第2の部位と、を有し、前記第1の部位と第2の部位との界面は、前記基板の主面に対して略垂直であることを特徴とする表示装置が提供される。
本発明によれば、クロストークを低減し、表示パターンに依存しない画像を表示可能な表示装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1の断面図であり、図2は、その平面図である。
図1に表したように、第1の透明基板(下側基板)110と第2の透明基板(上側基板)120にそれぞれ第1の電極111と第2の電極121とが設けられ、それらの間に、光切り替え層130が挟まれている。この実施形態の場合は、光切り替え層130としては、高分子中に液晶を分散させたPDLC層である。第1の透明基板110と第2の透明基板120の周辺部の間には、枠状のシール層190が配設され、その枠内にPDLC層130が形成されている。シール層190には、図示しないスペーサボールが混入されPDLC層130の層厚を規定する。第2の透明電極121は、第2の透明基板120上においてX方向にライン状に形成されている。第1の透明基板110上には、X方向と直交するY方向にライン状の第1の透明電極111が形成されている。第1の透明電極111および第2の透明電極121には、例えばITO(indium tin oxide)膜を使用することができる。第1の透明基板110および第2の透明基板120には、例えば透明ガラス基板や透明プラスチック基板等を使用することができる。
PDLC層130としては、液晶材料及び、モノマー、オリゴマーなどの重合性材料と重合開始剤の混合物からなる材料を用いることができる。このPDLC材料を第1の透明基板110の上に滴下またはインクジェット印刷法やスクリーン印刷法により塗布し、第2の透明基板120をその上に載せた後、PDLC層に紫外線を照射することによりPDLC層が形成される。あるいは、第1の透明基板110と第2の透明基板120を第1の電極111と第2の電極121を互いに対向させ、シール層190により、一部の開口部を設けて接着し、この2枚の基板の間にPDLC材料を注入し、その後紫外線を照射することによりPDLC層が形成できる。紫外線光源には、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ若しくはキセノンランプ等を使用することができる。
また、本実施形態においては、第1の透明基板110の下側に、低屈折率層150として空気層が設けられており、さらにその下に光吸収層160が設けられている。低屈折率層150は、第1の透明基板110中の第1の部位の屈折率または、第2の部位の屈折率より小さい屈折率を持たせることにより、第1の透明基板110の背面での光反射を制御でき表示品位を高めることができる。低屈折率層150には、空気などの気体の他、液体、プラスチックなどの固体を使用することができる。また、光吸収層160には、例えば、黒色のプラスチックフィルムを使用することができる。
そして、図1に表した具体例においては、第1の透明基板110は、第1の部位141としてガラスからなる部位、及び、第2の部位142として空気からなる部位を有する。第1の部位141の屈折率は例えば1.53であり、第2の部位の屈折率は1である。またこれら第1の部位141と第2の部位142の界面145は、基板表面に対して垂直な面内にある。なお、第1の部位141は、表示電極がある画素部201に相当する部分に設けられ、第2の部位142は非画素部202に相当する部分に設けられている。第2の部位142は非画素部202のすべてに設ける必要はなく、解像度や製造コスト等を考慮して適宜調整してもかまわない。
このように、本実施形態においては、第2の部位142と第1の部位141の光学定数、すなわち光学特性が異なる。本実施形態において、この光学定数は、例えば屈折率や吸収率とすることができる。あるいは、第2の部位142に反射率または拡散反射率の高い材料を用いることができる。第1の部位141と第2の部位142とで光学定数を変えることは、第1の部位141と第2の部位142に用いる材料を変えることで実現できる。
例えば、第1の部位141にガラスを用いた場合、第1の部位141より第2の部位142の屈折率を小さくする例として、第2の部位142に、空気、または低屈折率の酸化物などの材料を用いることができる。逆に、第1の部位141よりも第2の部位142を高屈折率とするには、第2の部位142に高屈折率酸化物などを用いることができる。また、第2の部位142の吸収率と第1の部位141の吸収率とを異ならせる場合は、第2の部位142としてカーボンや顔料を含む樹脂などを使用することができる。また、第2の部位142に光を反射する金属(例えばアルミニウム)を用いることもできる。さらには、第2の部位142の拡散反射率を高めるために第2の部位142に、例えばTiO微体を含む材料を用いることができる。
本実施形態によれば、第1の透明基板110に第1の部位141と第2の部位142とを設けることにより、第1の透明基板110の中を横方向に光が拡散することを防止できる。その結果として、後に詳述するように、光学的なクロストークを抑制し、高い表示品質を得ることができる。
本実施形態によれば、光を選択的に散乱、透過させて表示を行う表示装置の反射光強度が周囲の状態(散乱/透過)によって変化するといったクロストークを軽減し、多様なコンテンツパターンを安定した明るさで表示することができる表示装置を提供することができる。
以下、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
(第1の実施例)
まず以下の方法により、PDLCセルを作製した。厚さ0.7mm、屈折率約1.53のガラス基板上に幅1.2mm、間隔0.05mmでライン状のITO電極を8本形成した。50μmのスペーサボールが混入されたシール層を介し、ライン状のITO電極が直交するように2枚のガラス基板を貼り合わせて空セルを作製した。シール層の開口部からPDLC材料を注入した後、開口部を封止した。PDLC材料としては、液晶材料として、E7(商品名、メルク株式会社製)79.2wt%、オリゴマーとしてカヤラッドHX−620(商品名、日本化薬株式会社製)4.0wt%、モノマーとしてメタクリル酸2−エチルヘキシル15.8wt% 、重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 1.0wt%を混合したものを用いた。
その後、メタルハライドランプを用い、照度35mW/cmで紫外線を2分間照射した。照度計にはオーク製作所UV−M02(センサUV−35)を用いた。
なお、液晶材料E7の異常光屈折率は1.7730、常光屈折率は1.5309である。
その後、ダイサーを用い、PDLCセルの第1の透明基板110(下側ガラス基板)にスリットを形成した。スリットは、幅0.04mm、深さ0.6mmとし、位置をITO電極間に合わせて7本形成した。このようにして、実施例1では、第1の透明基板中に、第1の部位141としてガラスからなる部位、及び第2の部位142として空気からなる部位を設けた。光学定数である屈折率は、第1の部位141では1.53であり、第2の部位142では1である。またこれら第1の部位141と第2の部位142の界面145は基板表面と垂直な面内にある。
その後、黒色プラスチックフィルムに直径0.06mmのスペーサボールを散布し、スリットを形成した側の下側ガラス基板に貼り付けて表示装置を作製した。
このようにして作製した実施例1の表示装置の表示性能を評価した。この時、表示装置の周囲に照明を配置し、一定の明るさの光が表示素子に入射するようにし、表示装置に与える信号を変えながら、表示装置の測定部位をCCD顕微鏡で観察し、その測定部位の反射光強度Iを明るさの指標とした。
図3は、本実施例の表示装置の模式平面図である。
第2の透明基板120上の第2の透明電極121a〜121hはすべてアースに接続し 、もう一方の第1の透明基板110上の電極111a〜111hに対し、電圧を印加しない電極はアースに接続し、印加する電極は電源に接続することで駆動を行った。駆動信号は、周波数100Hz、電圧50Vの交流矩形波とした。測定部位510は、電極111dと電極121dが対向する部分とした。そして、その測定部位の周囲で、電圧を印加する電極数Nを、2本、4本、6本と変えた。2本の場合、電極111aと電極111gに電圧を印加し、4本の場合は電極111a、111b、111f、111gに電圧印加し、6本の場合は電極111a、111b、111c、111e、111f、111gに電圧を印加した。
また、比較例として、基板にスリットを設けない従来技術の表示装置の特性も測定した。なお、測定部位510のPDLC層には電圧は印加されない。
図4は、本実施例の測定結果を表すグラフ図である。横軸は、電圧を印加した測定部位の周辺の電極数Nを表し、縦軸は、測定部位の反射光強度I(任意目盛)を表す。またここで、本実施例の表示装置の特性は実線により表し、比較例は破線により表した。
図4から分かるように、比較例の表示素子の場合、電圧印加電極数Nが0の場合には反射光強度Iが大きく、電圧印加電極数Nが多くなるに従って測定部位510の反射光強度Iが大幅に減少している。すなわち、比較例の表示装置においては、測定部位510の反射光強度Iは、周辺の表示部に電圧が印加されているかどうかで大きく変動している。
図5は、比較例及び本実施例の表示装置における光の伝搬を表す模式図である。すなわち、図5(a)は、比較例の表示装置における基板中および光切り替え層中の光伝搬を模式的に表した断面図である。表示装置1への入射光163は、光切り替え層130によって散乱され、基板中を基板面内に伝搬する光164を生じる。また、光切り替え層130の中をその層に平行な面内に伝搬する光165が発生する。このようにして、測定部分510から出射される光は、測定部分510に入射した光の反射成分以外に、基板中を伝搬する光164と光切り替え層130中を伝搬する光165の一部が取り出された成分の合計であらわされる。表示装置1の測定部分510の周囲の部分に電圧を印加して透明状態となると、周囲から測定部分510に向かって基板中を伝搬する光164及び光切り替え層130中を伝搬する光165は減少し、結果として、測定部分510の反射光強度Iが減少する。このようにして、比較例の表示装置の場合は、測定部位510の反射光強度Iは、周辺の表示部に電圧が印加されているかどうかで大きく変動する。
一方、図4に関して前述したように、本発明の実施例1の表示装置においては、電圧印加電極本数Nが増大しても、反射光強度Iにあまり大きな低下はない。この効果は、図5(b)によって説明される。すなわち、図5(b)は本発明に係わる実施例1の表示装置における基板中および光切り替え層中の光伝搬を模式的に示した断面図である。
実施例1においては、第1の透明基板110にはスリットが設けられており、第1の部位141としてのガラスと第2の部位142としての空気とがある。表示装置1への入射光163が光切り替え層130部分で散乱されて、第1の透明基板110中に各種の角度で入射されるが、第1の部位141と第2の部位142との屈折率が異なるため、その界面でその光が反射され、その界面を超えて基板中を伝搬することが実質上無い。よって測定部位510の反射光強度Iはその周囲の領域の影響を受けにくくなる。
以上説明したように、第1の実施例では、表示装置を構成している基板中を光が伝搬することによって生じる光クロストークを低減し、表示パターンに依存せず均一で高コントラストを有する高品位な表示を実現できる。
(第2の実施例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2の実施例について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の第2の実施例の表示装置の断面図である。
本実施例の表示装置では、第1の透明基板110に設けたスリットに低屈折率材料が充填されている。低屈折材料としては、例えば多孔性シリカ材料を用いることができる。アルコキシシラン、溶剤、水、及び非イオン性触媒の混合液に対して多孔性シリカを更に混合したものを基板上に塗布し、焼成することにより、低屈折率薄膜を第2の部位142に充填した。このようにして得られた低屈折率材料の屈折率は1.3であった。このようにして得られた基板110を用いて、第1実施例と同様の方法により表示装置を作製したところ、第1の透明基板中を基板面内に伝搬する光を低減でき、光クロストークを低減した表示装置が得られた。
また、第2の部位142を充填する高屈折率材料として、例えば酸化チタン系の膜を形成することもできる。この場合、屈折率として1.8以上の膜が得られる。
また、第1の部位141と第2の部位142とで光吸収率を変えるために、カーボンや各種の着色顔料を混合してなる光吸収率の高い樹脂を、第2の部位142に埋設することもできる。この場合も、散乱光は、この光吸収率の高い材料によって吸収されるので、基板中を基板面内方向に伝搬することを低減できる。
また、第2の部位142の反射率を上げるために、第2の部位142にアルミニウムなどの金属を埋設することもできる。あるいは、各種の真空薄膜形成法によりその界面部分に反射率が高い膜を形成することもできる。この場合も、散乱光の基板面内方向の伝搬を低減し、さらに、反射効果によって基板の厚み方向に集光することができより明るい表示を得ることができる。
また、第2の部位142の拡散反射率を上げるために、第2の部位142に酸化チタンの微粉を含有した樹脂を埋設することができる。これにより、光切り替え層130で散乱された光が基板中に入射しても第1の部位141と第2の部位142の界面または、第2の部位自身によって拡散反射され、第2の部位142の若干の前方散乱による影響を除けば、基板中を基板面内に伝搬する光を低減できる。
また、予め基板の表面の所定部分をレジストなどで覆った後、スリット部をエッチング処理することにより、第2の部位142の側壁の表面部に細かな凹凸を形成した後にレジストを剥離することによって、第2の部位142と第1の部位141との界面に拡散反射層を形成しても良い。
次に本発明の第1の実施形態に係わる第3の実施例を説明する。
(第3の実施例)
図7は、本発明の第1の実施形態に係わる第3の実施例の表示装置の断面図である。図7に表したように、第3実施例では、第1の透明基板110の第1の透明電極111が形成された面に近い基板内に、第2の部位142が形成されている。第2の部位142は、第1の透明電極111と第2の透明電極121とが対向して形成される画素部201及び、画素部201以外の部分である非画素部202の領域に設けられている。第2の部位142は非画素部202においては、幅40μm、深さ180μmの帯状の層として設けられている。さらに、画素部201には、縦横がそれぞれ40μmで高さが180μmの矩形の断面形状を有する柱体として第2の部位142が形成されている。この柱状の第2の部位142は、各画素に対して例えば5個ずつ設けることができる。
第2の部位142は、以下の方法によって形成することができる。
厚さ0.5mmのガラス基板110の表面に、ネガ型の感光性樹脂を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像し、幅40μm、高さ180μmの帯状の突起物146、及び縦横それぞれ40μm高さ180μmの矩形柱状の突起物147を形成する。この際、帯状の突起物146は、非画素部202に相当する部位に設け、矩形の突起物147は画素部201に相当する部分にそれぞれ5つずつ形成する。この後、基板上にレジストを塗布し、適当なマスクを介して露光・現像することにより、これら突起物146、147が形成されていない面及びこれら突起物146、147の上面をレジストで被覆し、帯状突起物146と柱状突起物147の壁面部を露出する。この状態で、基板上にアルミニウムをスパッタリングする。この後、レジストを除去することにより、これら帯状の突起物146と矩形の突起物147の壁面のみにアルミニウムからなる反射膜を形成する。この後、ガラス基板110と同等の屈折率を有する水ガラス113を厚さ200μmとなるように塗布・焼成し、平坦化することで、第1の透明基板110中に第1の部位141として水ガラス層113、第2の部位142としてアルミニウム薄膜層を有し、第1の部位141と第2の部位142の界面が基板面と垂直な構造の基板を得ることができる。この時の第1の透明基板110の厚さは、第1実施例と同じ0.7mmとすることができる。この第1の透明基板を用いて第1実施例と同じ方法により表示装置を作製することにより、第1の透明基板110の中を基板面内方向に伝搬する光を低減した、高品位の表示素子を得ることができる。
なお、第3実施例においては、第2の部位142は、第1の透明基板110の第1の透明電極111を有する面に近い部位に形成されている。また、第2の部位142の基板面内に垂直な面内の長さ(高さ)は0.18mmであり、第1の透明基板110の全体の厚さ0.7mmの約25%であった。このように、第2の部位142は、基板の厚さ方向の一部であってもよく、第2の部位142の高さは、画素部の幅、光切り替え層の厚さ、光切り替え層の散乱性、第2の部位142の幅、第1の部位141と第2の部位142の光学定数の差などを基に、所望の表示性能が実現できるように適切に設計される。
また、帯状及び柱状の第2の部位142は、以下の手法によって形成することもできる。0.7mm厚のガラス基板の表面に、レジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術によって所定の形状にレジストマスクを形成した後、ガラス表面を180μmの深さにエッチングすることで、帯状及び柱状に相当する溝及び穴が得られる。この後、Al薄膜をスパッタリング形成し、その後、レジストを剥離することによって、上記と同様の基板が得られる。
また、帯状及び柱状の突起物を、カーボンなどを含有した樹脂により形成することで、アルミニウムの薄膜による反射膜を付与しなくても、第2の部位142に光吸収性を与えることができ、より簡便に高性能の表示装置を得ることができる。また、帯状及び矩形の穴をカーボンなどを含有した樹脂で埋めることでも、同様の効果がある表示装置を得ることができる。
(第4の実施例)
次に第4の実施例について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係わる第4の実施例の表示装置の断面図である。
本実施例では、第1の透明基板110の第1の透明電極111を有する面の近傍で画素部201の領域に、柱状の第2の部位142aが設けられている。さらに、第1の透明基板の裏面で、非画素部202の領域に帯状の第2の部位142bが設けられている。柱状の第2の部位142aは、縦横40μmの矩形で高さが180μmの柱形状を画素ごとに例えば5つずつ設けられている。その形成方法は、第3の実施例と同様の方法を用いることができる。さらに、帯状の第2の部位142bは、第1の透明基板の裏面側に近い領域に設けられている。帯状の第2の部位142は、幅40μm、深さ0.5mmのスリットからなっており、第1実施例と同様の方法を用いて形成することができる。
このようにして、第1の部位141と第2の部位142とを有する基板110を用いることにより得られた表示装置は、基板中を面内に伝搬する光をより低減でき、高品位の表示が得られる。
この実施例から分かるように、第1実施例と第3実施例とを組み合わせることにより、より性能の高い表示装置を得ることができる。これは、以下に説明する各種の実施例を適宜組み合わせることが有効であることの一例である。
(第5の実施例)
次に第5の実施例について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態に係わる第5の実施例の表示装置の断面図である。本実施例では、第1の透明基板110の厚み方向の中間部に、第2の部材142が設けられている。この第2の部位142は、以下の方法によって形成することができる。
ガラスなどからなる第1の透明基板110に対して、基板中の中間部でレーザ光の焦点が形成される光学系を用い、レーザ光を基板に照射する。こうすることで、レーザによる熱でガラスの中間部の微小領域が熱せられ、部分的にガラスが溶解し、その後冷却されることによって、基板中の一部で光学特性の異なる部位が形成される。このレーザが照射された部位は他の部位とは光学特性が異なるため、その周囲に光学的に異方性のある界面が形成される。この現象を利用して、レーザ光を基板中を走査させることによって、基板の中間部に、光学定数が異なる第2の部位142をその界面が基板面と垂直となるように形成した。
このようにして得られた、第1の部位141と第2の部位142とを有する基板110を用いることにより得られた表示装置は、基板中を面内に伝搬する光を低減でき、高品位の表示が得られる。
なお、別の方法としては、特定の波長を吸収し、発色または着色する材料を基板中に含有させ、レーザ光の焦点が基板中の所定の部位に形成されるような光学系を用いてレーザ照射することによって、基板中に第2の部位142を形成することもできる。この手法は、樹脂材料を用いた透明基板の表示装置に特に適用しやすい。
また、第1の透明基板110の厚み方向の中間部に第2の部材142を有する構造を形成する方法としては、これらの他にも、第3の実施例に関して説明したように、基板の上に突起物または溝を設けた後に平坦化する方法も挙げることができる。
(第6の実施例)
次に第6の実施例について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態に係わる第6の実施例の表示装置の断面図である。
本実施例では、第1の透明基板110の第1の透明電極111が形成された面に近い基板内で、非画素部202に対応した部分に第2の部位142が形成されている。
本実施例の第2の部位142は、以下の手法により形成することができる。
すなわち、第1の透明基板110であるガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法により形成し、その上に、レジスト膜を形成する。そして、第1の透明電極111の形状に相当する形状のマスクを介して露光現像することによりレジストマスクをパターニングする。その後、そのマスクから露出したITOをエッチング除去する。引き続き、フッ酸によりガラスをエッチングし、幅40μm、深さ180μmの溝を形成する。この後、アルミニウムをスパッタし、溝の壁面を含む表面に反射膜を形成する。この後、レジストを除去し、これと同時に透明電極111上のアルミニウムも除去する。このようにして、壁面に反射面を有する溝が形成された基板110が形成される。この基板110を用いて表示装置を作製すればよい。
本実施例においては、基板110上に溝が形成されており、その部分にはPDLC材料が埋め込まれる。第1の透明基板110の第1の部位141はガラスからなり、第2の部分142は、溝部表面に形成されたアルミニウム薄膜からなる反射層を有する。このようにして作製された表示素子は、基板中に基板面内を伝搬する光を低減でき、均一で高性能の表示が得られる。
なお、本具体例において、ガラスをエッチングして溝を形成した後に反射膜としてのアルミニウム薄膜を形成しているが、例えば溝部分に光吸収性を有する樹脂を埋設しても良い。さらには、この後の工程でこの溝にPDLCが埋め込まれるため、PDLCを構成する材料と第1の透明基板110を構成する材料の屈折率を適正に異ならせる設計とすることにより、溝の界面において屈折率差による反射が得られるため、反射膜や吸収層を設けず、溝を形成するだけでもよい。
なお、すでに述べたように、第2の部位142を感光性樹脂を用いて形成したり、エッチング手法を用いて形成した場合、第1の部位141と第2の部位142の界面は、かならずしも基板表面と完全に垂直ではなく、多少のテーパー角を有した、基板面に対して斜め方向の斜面を持つ界面となることが有る。このような構成の表示装置においても、本発明の目的である、基板中あるいは光切り替え層中を横方向に伝搬する光を低減させる効果がある。このように、本実施形態において、第1の部位141と第2の部位142の界面は基板の表面に対して垂直でもよいが、それ以外にも横方向に伝搬する光を低減させる機能を有する限りにおいて各種の角度をとり得る。
なお、第6実施例の表示装置の製造プロセスで説明した手法によって表示装置を作製した場合、溝の側面だけでなく溝の底面にもアルミニウム膜が形成される。これによる光の反射を防止するためには、底部に光吸収層を形成することが有効である。さらに、第2の部位142として光反射層を設けた場合は、表示装置を視認した時に、外部の像が写り込む現象が発生することが、結果として表示品位を劣化させることがあり得る。また、第2の部位142に光吸収層を設けた場合には、表示装置を視認した場合に表示が暗く見えてしまい、問題となり得る。これらの対策としては、図10に表したように、非画素部202に対応した領域の第2の透明基板120の光切り替え層130に接する側に、例えば酸化チタン粒子を含有する樹脂膜からなるホワイトマトリクス層127を形成し、不要な反射光を遮光し、あるいは実質的な反射光を高める手法が有効である。また、この場合、ホワイトマトリクス層127により、特に光切り替え層中の層面内を伝搬する光を増長する場合があり、この時は、ホワイトマトリクス127の下面に光吸収層からなるブラックマトリクス層128を設けることで解消される。これら、ホワイトマトリクス層127とブラックマトリクス128層は、本発明の各種の実施形態と、それぞれ単独で、または組み合わせて応用することによって、より性能の高い表示装置子を得ることができる。
(第7の実施例)
次に第7の実施例について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態に係わる第7の実施例の表示装置の断面図である。
本実施例では、第1の透明基板110の非画素部202に相当する部分に、界面がほぼ基板面と垂直である第2の部分142が形成されている。この基板110は以下のようにして形成される。
例えば、アクリルモノマーとオリゴマー及び光開始剤を混合した透明材料を透明な保持用に基板間に挟み、第1の温度である80℃で保持する。この透明材料にマスクを介して紫外線を照射すると、紫外線が照射された部分の透明材料の光重合が開始し、第2の部位142となるアクリルポリマーが形成される。さらに、透明樹脂を第2の温度である20℃に保持してマスクを外して透明材料全面に紫外線を照射し、第1の部位141となるアクリルポリマーを形成する。この後、保持用の基板からアクリルポリマーを取り出して透明基板が得られる。このように2種の温度に保持して紫外線を照射することにより、2種の重合状態を有するアクリル樹脂基板を得ることができる。この2種の重合状態では、結晶性が異なり、その界面は光学的に不連続で、光はその界面で反射、吸収される。そして、この界面は、基板面に対してほぼ垂直である。このようにして、基板110中に第1の部位141と第2の部位142とを形成することができる。このようにして得られた基板110を用いて作製された表示素子は、基板中を基板面内に伝搬する光を低減でき、高品位の表示を実現できる。
この手法において、透明材料を重合させる温度を2種としたが、温度を1種とし、紫外線の波長や照射量を変えても良く、またこれらを組み合わせた手法を用いても良い。また、光重合過程と熱重合過程を使い分けることにより、基板中に第1の部位141と第2の部位142をその界面が基板面に対して垂直になるように形成することができる。また、複数の材料を混合し、その相溶性の温度依存性を利用して、不均一な樹脂層を設けることによって、基板中に第1の部位141と第2の部位142を形成することもできる。
(第8の実施例)
次に、第8の実施例について説明する。
第8実施例では、用いる基板として、基板面に垂直方向と水平方向とで光透過性の異なる光異方性基板、いわゆるルーバーを用いる。
図12は、ルーバーの微視的な構造を表す模式図である。
図12(a)に表したように、円柱状の複数の第1の部位141と、これらの側壁に設けられた第2の部位142と、が界面145を形成している。この柱構造は、PET等の透明フィルムで挟まれている。第1の部位141と第2の部位142のうち断面積が大きいほうの部位と、透明フィルムとの界面は光学的に連続であることが望ましい。第2の部位142は、例えば光吸収材料からなる。ルーバーのフィルム面に対して垂直な光は透過するが、斜め方向から入射する光は吸収される。また、ルーバーの構造としては、円柱状だけではなく、図12(b)に表したように、四角柱状のもの、あるいは六角柱形状のいわゆるハニカム構造のものなどでもよい。第2の部位142は光吸収層だけではなく、第1の部位141とは屈折率が異なる材料で構成しても、それらの界面145において光を反射・散乱することができる。具体例としては、「ライトコントロールフィルムLCF」(商品名、住友スリーエム株式社製)や「ルミスティ」(商品名、住友化学株式会社製)等を用いることができる。このようにして作製された表示素子は、基板中を基板面内に伝搬する光を低減でき、高品位の表示を実現できる。
(第9の実施例)
次に、本発明の第1の形態に係わる第9の実施例について説明する。
図13は、本発明の第1の実施形態に係わる第9の実施例の表示装置の断面図である。
本実施例では、第1の透明基板110だけでなく、第2の透明基板120にもスリット状の第2の部位142を設けた構成とされている。第2の透明基板120のスリットは、例えば第1実施例に関して前述した方法により形成することができる。本実施例では、第1の透明基板110と、第2の透明基板120と、の両方に、第2の部位142を設けることで、第1の透明基板110中だけでなく、第2の透明基板120中を基板面内に伝搬する光を低減でき、より高品位な表示を得ることができる。
このように、本実施形態においては、第1の透明基板110と第2の透明基板120のいずれか一方または両方に、第1の部位141と第2の部位142とを設けることができる。これら第1及び第2の部位の形成方法については、すでに述べた各種の方法を用いることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係わる表示装置の模式断面図である。
第2の実施形態の表示装置1は、第1の透明基板110の第1の透明電極111と第2の透明基板120の第2の透明電極121に挟まれたPDLC層からなる光切り替え層130を有する。そして、光切り替え層130は、第3の部位133及び第4の部位134を有する。第3の部位133と第4の部位134の界面は、基板に対して実質的に垂直方向となっている。なお、図示していないが、第1の透明基板110の背面には、低屈折率層150を介して光吸収層160(図1参照)が設けられている。
このような構成の表示装置において、第3の部位133はPDLC層からなり、第4の部位134はPDLC層とは異なる光学定数を有する材料で形成されている。以下、このような構成を有する本発明の第2の実施形態にかかる第10の実施例について説明する。
(第10の実施例)
第10の実施例の表示装置1において、第3の部位133はPDLC層からなり、第4の部位134は、絶縁性の有機顔料を含有した黒色樹脂からなる。第4の部位134は、高さ20μm、幅40μmの帯状突起物を非画素部202に形成することにより、設けることができる。具体的には、ガラス基板上に、ネガ型アクリル樹脂にカーボンを1.0重量%混合したものをスクリーン印刷し、その後焼成することにより、このような突起物を有する基板を形成できる。このような基板を用いて得られた表示装置1は、光切り替え層130中の面内を伝搬する光を低減することができ、高品位な表示を得ることができる。
なお、本実施例のように光切り替え層130中に第3の部位133と第4の部位134を設けることと、第1〜第9実施例に関して前述したように第1の透明基板や第2の透明基板中に第1の部位141と第2の部位142とを設けることと、を同時に実施することで、より高品位な表示素子が得られる。
(第11の実施例)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる第11の実施例について説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係わる第11の実施例の表示装置の断面図である。
第1の透明基板110の上だけでなく、第2の透明基板120の表面上の非画素部に、高さ20μm、幅40μmの帯状突起が形成されている。この帯状突起は、以下の方法により作製できる。すなわち、第1の透明基板110及び第2の透明基板120にITO膜をスパッタ法により形成し、その上に感光性レジスト膜を塗布し、所定形状のマスクを介して露光現像することにより、非画素部202を露出させ、ITOをエッチングする。この後、絶縁性の有機顔料を含有した樹脂を塗布、焼成し、厚さ20μmの黒色樹脂層を形成する。その後、レジストを剥離すると同時に、レジスト部の黒色樹脂層を剥離することにより、非画素部202に帯状の突起物を形成することができる。
このような基板を用いて表示素子を作製する。このようにして得られた表示装置は、光切り替え層130中の面内を伝搬する光を低減することができ、高品位な表示を得ることができる。
なお、上述したような帯状の突起を片方の基板上の非画素部に枠状に形成し、その基板上の枠内にPDLC材料を滴下、または印刷する手法を用いて表示装置を作製する方法も採用できる。
(第12の実施例)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる第12の実施例について説明する。
図16は、本発明の第2の実施形態に係わる実施例12の表示装置の断面図である。
光切り替え層130は、第3の部位133と第4の部位134を有し、第3の部位133と第4の部位134の界面135は、基板面に対してほぼ垂直とされている。第4の部位134は、以下のようにして形成することができる。
すなわち、2枚の基板の間に、オリゴマー、モノマー、液晶、光開始剤を混合したPDLC材料を注入した後、非画素部を露出するメタルマスクを基板の外に配置した状態で、第1の温度として60℃で紫外線を照射する。この後、メタルマスクをはずして、第2の温度として20℃で紫外線を照射する。このようにして、非画素部202に相当する第4の部位134では、PDLC中の粒径が大きい層を形成することができる。一方、画素部に相当する第3の部位133では、液晶の粒径が第4の部位134に比べて小さい層が得られる。これら第3の部位133と第4の部位134の界面は、基板に対してほぼ垂直とすることができる。第3の部位133及び、第4の部位134では、粒径が異なるため、実効的な屈折率および散乱反射率が異なっている。このようにして得られた表示装置は、光切り替え層130中の面内を伝搬する光を低減することができ、高品位な表示を得ることができる。
(第13の実施例)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる第13の実施例について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態に係わる第13の実施例の表示装置の断面図である。
光切り替え層130は、第3の部位133と第4の部位134を有し、第3の部位133と第4の部位134の界面135は、基板面に対してほぼ垂直とされている。第4の部位134は、以下のようにして形成することができる。
すなわち、第1の透明基板の表面上の非画素部202に相当する部分の表面張力を下げる処理を行う。具体的には、デシルトリメトキシシランカップリング剤の水溶液を基板1上の非画素部のみに印刷した後、焼成し、非画素部202部のみを撥水性のある表面とする。この後、PDLC材料を注入し、紫外線を照射し、本実施例の表示素子を作製する。
本実施例では、非画素部202の基板表面の表面張力が画素部201より小さくされている。このため、画素部201と非画素部202とで、PDLC材料の構成材料であるオリゴマー、モノマー、液晶、それぞれが持っている表面張力の違いによって、これら構成材料の密度に分布が生じる。この状態で紫外線を照射することによりPDLC層が重合されると、画素部201と非画素部201に対応して材料の組成の異なる第3の部位133と第4の部位134とが形成される。これら第3の部位133と第4の部位134は、結果として光学定数の異なる界面135を生じ、この界面135は基板面に対してほぼ垂直とすることができる。このようにして得られた表示装置は、光切り替え層130中の面内を伝搬する光を低減することができ、高品位な表示を得ることができる。
なお、上述した手法の他にも、例えば、基板間にPDLC材料を注入した後、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加した状態で紫外線照射することにより、画素部201と非画素部202のPDLC層の光学的特性を異ならせることができる。このようにして、第3の部位133と第4の部位134及びそれらの界面135を形成することもできる。
(第14の実施例)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる第14の実施例について説明する。
図18は、本発明の第2の実施形態に係わる第14の実施例の表示装置1の断面図である。
第1の透明基板110は、第1の透明電極111である画素電極とそれに接続されたTFT素子115とを有する。また、第2の透明基板120は、第2の透明電極121とカラーフィルタ122とを有する。そして、これらの基板の間には、PDLC層からなる光切り替え層130が設けられている。光切り替え層130は、画素部201領域に第3の部位133を有し、また、非画素部202領域に第4の部位134を有しており、それらの界面135は基板に対して垂直となっている。この第3の部位133と第4の部位134、及び界面135は、以下のようにして形成することができる。
第1のガラス基板110の上に、画素電極111とTFT素子115及び走査電極配線、信号電極配線を形成する。一方、第2のガラス基板120には所定形状の有機顔料を含有したカラーフィルタ及びITO透明電極を形成する。これら2枚の基板を平行に組み合わせ、第1実施例と同じようにPDLC材料を2枚の基板間に注入する。この後、TFT115を駆動することにより、画素部201のみに電圧を印加しながら、また、照射時の温度を制御した状態で紫外線を照射し、画素部201と非画素部202とで異なる光学特性を有するPDLC光切り替え層が得られる。すなわち、電圧が印加された状態で紫外線が照射され樹脂が高分子化されドロップレットが形成された部位と、電圧がない状態で紫外線が照射され樹脂が高分子化されドロップレットが形成された部位とでは、液晶と樹脂との界面に差が生じ、それが画素部201と非画素部202とで形成されることにより、その界面は光学的に不連続となる。
このようにして得られた第3の部位133と第4の部位134を有する表示装置1は、光切り替え層130中の面内を伝搬する光を低減することができ、高品位な表示を得ることができる。
(第15の実施例)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる第15の実施例について説明する。
図19は、本発明の第2の実施形態に係わる第15の実施例の表示装置1の断面図である。
第1の透明基板110は、第1の透明電極111である画素電極と、それに接続されたTFT素子115、カラーフィルタ、及びカラーフィルタ材料と樹脂材料が積層されて形成された基板間の間隙を決めるスペーサ116と、を有する。第1の透明基板110と第2の透明基板120との間には、PDLC層からなる光切り替え層130が設けられている。スペーサ116は、非画素部202に設けられており、各画素の周囲を一部の間隙を空けた枠状に形成されている。そしてスペーサ116に用いられる材料は、カラーフィルタを構成する3色の材料が積層され、さらに酸化チタン微粒子を含有する白色の感光性樹脂からなっている。本実施例においては、スペーサ116が第4の部位134となっており、また、画素部のPDLC層が第3の部位133となっている。
第4の部位134は、ガラス基板上にTFTを形成した後、カラーフィルタと基板間の間隙を決めるスペーサを形成する工程を利用して、光切り替え層130中に、各画素ごとに厚さ方向の光障壁を作ることができ、また、スペーサ材料に白い材料を使用することで、表示装置を視認した場合に明るい表示を簡便に作製できる。
また、第4の部位134は、非画素部202だけでなく、画素部201にも必要に応じて、その工程のほとんどを変えることなく形成することができる。
なお、本発明の表示装置に用いる基板として、例えば薄い透明基板に第1の部位141と第2の部位142を有したフィルム等の層を貼合した構成の基板、あるいは、薄い透明な2枚の基板間に第1の部位141と第2の部位142を有したフィルム等の層を挟んだ構成の基板を用いても良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、基板、電極、光切り替え層、低屈折率層、光吸収層を構成する各要素の具体的な寸法関係や材料に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
例えば、本発明においては、基板表面に垂直な平面とは厳密なものではない。通常の表示素子における各種の膜・層が、基板表面に平行な面内に膜を形成するのに対して、本発明の具体例では、基板の厚み方向に層を形成することにより、基板中または光切り替え層を基板面内に伝搬する光を低減させる。この目的が発揮できる状態であるなら、第1の部位と第2の部位の界面、及び第3の部位と第4の部位の界面は基板表面に対して完全な垂直でなくても良く、斜めでも良く、各種の角度とすることができる。
また、散乱透過切り替え層としては、PDLC、PNLCのように液晶とポリマーとの複合構造を持つ表示素子、液晶中に微粒子を混合させ電圧印加による液晶の配列状態の変化により散乱透過を切り替える表示素子、コレステリック−ネマティック相転移型の液晶表示素子、または、例えば櫛形電極を用い液晶の配列変化による周期的な屈折率変化を利用した回折効果型の散乱透過切り替え素子、例えばスメクチックA液晶などを用いた熱(レーザ)と電気信号を組み合わせた表示素子、など各種のものを用いることができる。
さらに、例えばロイコ染料を用いサーマルプリンタヘッドによって散乱透明状態を切り替える表示素子に応用しても良い。
また、上述した具体例においては、散乱状態と透過状態を切り替える表示素子について本発明を応用した例を参照したが、光の透過状態を切り替える素子の全般に応用できる。すなわち、例えば偏光板とねじれ配列ネマティック液晶を組み合わせたTN型液晶表示素子においても、電圧オン状態と電圧オフ状態の画素電極とでは、画素電極の周辺部の液晶配列の乱れによる漏れ光に違いがあり、これが光クロストークとして発現し、表示の不均一性となり問題となることがある。この場合においても本発明の構成を適用することによってこの問題が解消することは明らかである。また、2色性染料混合液晶表示素子のように透明と吸収を切り替える素子の場合においても、透明状態と吸収状態の画素電極の周囲は漏れ光が異なり、この場合の不均一性を解消するために本発明を応用しても良い。さらに、マイクロカプセル電気泳動型、ツイストボール型、トナーディスプレイ型など、液晶を用いない表示素子に応用しても良い。
さらには、本発明は、散乱効果を用いない表示装置においても適用できる。すなわち、基板中や光切り替え層中の光伝搬により生じる表示ムラは、散乱状態と透過状態を切り替えるタイプの光切り替え層を有する表示装置の場合に、特に問題となる。しかし、散乱と透過を切り替える表示モード以外の他の表示モードであっても、複数の光学特性を同じ基板内で切り替えるためその界面で光散乱が生じて、問題となる場合があり、これに対しても本発明は有効であり、同様に適用できる。
その他、本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうる全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施の形態に係わる表示装置の断面構造を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の模式平面図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の電極構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置及び比較例の表示装置の光学特性を示すグラフ図である。 (a)は、比較例の表示装置における散乱光の状態を表す模式断面である。 (b)は、本発明の第1の実施形態の表示装置における散乱光の状態を示す模式断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第2の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第3の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第4の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第5の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第6の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第7の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第8の実施例の表示装置に用いられる光学異方層の構成を示す模式斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係わる第9の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第10の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第11の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第12の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第13の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第14の実施例の表示装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる第15の実施例の表示装置の断面図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
110 第1の透明基板
111 第1の透明電極
120 第2の透明基板
121 第2の透明電極
130 光切り替え層
133 第3の部位
134 第4の部位
135 界面
141 第1の部位
142 第2の部位
145 界面
150 低屈折率層
160 光吸収層
190 シール剤
201 画素部
202 非画素部

Claims (6)

  1. 第1の基板と、
    第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、透過光を変化させる光切り替え層と、
    を備え、
    前記第1及び第2の基板と前記光切り替え層の少なくともいずれは、光学特性が互いに異なる第1の部位と、第2の部位と、を有し、
    前記第1の部位と第2の部位との界面は、前記基板の主面に対して略垂直であることを特徴とする表示装置。
  2. 前記光学特性は、屈折率であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記光学特性は、吸収率であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記第1の部位と前記第2の部位との間に、光反射面が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
  5. 前記第1及び第2の部位は、前記第1の基板に設けられ、
    前記第1の部位は、ガラスであり、
    前記第2の部位は、空気であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  6. 前記光切り替え層は、高分子分散型液晶を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
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JP2017026955A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 大日本印刷株式会社 カラーフィルタ及び表示装置

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