JP2009068506A - 減速装置 - Google Patents

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裕二 井川
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Abstract


【課題】 固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間を通じてフローティングシールに異物が侵入するのを阻止し、フローティングシールのシール性を適正に保つ。
【解決手段】 固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14のフランジ15に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間に形成された隙間22の径方向内側に、環状の閉塞リング39を設けることにより、この隙間22を閉塞する。これにより、土砂等の異物が隙間22を通じてフローティングシール34に侵入するのを閉塞リング39によって阻止し、フローティングシール34のシール性を適正に保つことができる。この結果、回転側ハウジング14内に十分な潤滑油Lを確保することができ、回転側ハウジング14を長期に亘って円滑に回転させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーンの走行装置等に好適に用いられる減速装置に関する。
一般に、油圧ショベル等の装軌式車両の下部走行体は、左,右のサイドフレームを有するトラックフレームと、各サイドフレームの一端側に設けられる走行装置と、各サイドフレームの他端側に設けられる遊動輪と、走行装置に設けられた駆動輪(スプロケット)と遊動輪とに巻装される履帯とにより大略構成されている。
そして、油圧ショベルの走行装置は、通常、回転源となる油圧モータと、該油圧モータの回転を減速して出力する減速装置とからなり、この減速装置は、回転源を収容する固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して回転可能に設けられ回転源によって駆動される回転側ハウジングと、該回転側ハウジングに収容され回転源の回転を減速する減速機構と、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間をシールするために当該隙間の内周側に位置して設けられたフローティングシールとを備えて構成されている。
ここで、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間は、互いに対向する固定側ハウジングの対向面と回転側ハウジングの対向面との間に環状に形成され、フローティングシールは、前記隙間の内周側に配置され互いに摺接する摺接面をもった一対のシールリングと、前記隙間を挟んで各シールリングのうち一方のシールリングと固定側ハウジングとの間及び他方のシールリングと回転側ハウジングとの間にそれぞれ設けられた一対のOリングとにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭55−105661号公報
そして、回転側ハウジングが油圧モータによって駆動され、固定側ハウジングに対して回転したときには、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間をフローティングシールによって液密にシールすることにより、回転側ハウジング内に潤滑油を封止し、この回転側ハウジング内に収容された減速機構を潤滑油によって適正に潤滑することができる構成となっている。
しかし、油圧ショベル等の装軌式車両は、泥濘地等の不整地を走行するため、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間には土砂等の異物が侵入する。そして、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの隙間内に侵入した土砂等は、外部に排出されることはなく、これら各ハウジングの内周側に配置されたフローティングシールに向けて堆積するようになる。
このため、堆積した土砂の圧力(土砂圧)がフローティングシールに作用することにより、一対のシールリングの摺接面間に土砂が侵入して当該摺接面が損傷し、フローティングシールのシール性が低下してしまう。また、一対のシールリングの摺接面間に土砂が侵入して異常摩耗による熱が発生すると、この熱によってゴム材料からなるOリングが劣化してしまい、フローティングシールのシール性が低下してしまう。
この結果、フローティングシールによって回転側ハウジング内に封止されていた潤滑油が外部に漏れてしまい、減速機構等を長期に亘って適正に潤滑することができなくなり、減速装置全体の信頼性が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間に形成された隙間を通じてフローティングシールに異物が侵入するのを阻止し、フローティングシールのシール性を適正に保つことができるようにした減速装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、回転源が設けられる固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して回転可能に設けられ前記回転源によって駆動される回転側ハウジングと、該回転側ハウジングに収容され前記回転源の回転を減速する減速機構と、前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の軸方向の隙間をシールするために当該隙間の径方向内側に設けられたフローティングシールとを備えてなる減速装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の隙間には、当該隙間を閉塞し前記フローティングシールに異物が侵入するのを阻止する環状の閉塞リングを設けたことにある。
請求項2の発明は、前記閉塞リングは、高分子材料を用いて形成され潤滑油が含浸された含油閉塞リング、または自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成された自己潤滑性閉塞リングにより構成したことにある。
請求項3の発明は、前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の隙間は、互いに対向する前記固定側ハウジングの対向面と前記回転側ハウジングの対向面との間に環状に形成し、前記フローティングシールは、前記隙間よりも径方向内側に配置され互いに摺接する摺接面をもった一対のシールリングと、前記隙間を挟んで前記各シールリングのうち一方のシールリングと前記固定側ハウジングの内周面との間及び他方のシールリングと前記回転側ハウジングの内周面との間に軸方向に離間して設けられた一対のOリングとにより構成し、前記閉塞リングは、前記各Oリング間に位置して前記各シールリングの摺接面よりも径方向外側に配置され前記隙間を閉塞する構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、相対回転する固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間に形成される軸方向の隙間を、当該隙間の径方向内側に設けた閉塞リングによって閉塞することができる。これにより、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間を通じて、土砂等の異物がフローティングシールに侵入するのを閉塞リングによって阻止することができる。この結果、フローティングシールのシール性を長期に亘って保つことができるので、例えば回転側ハウジング内に充填された潤滑油をフローティングシールによって確実に封止し、当該潤滑油によって回転側ハウジング内に収容された減速機構を適正に潤滑することにより、減速装置全体の信頼性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、閉塞リングを、高分子材料を用いて形成され潤滑油が含浸された含油閉塞リング、または自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成された自己潤滑性閉塞リングによって構成している。従って、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間内に閉塞リングを設けた場合には、閉塞リングが固定側ハウジング及び回転側ハウジングに摺接したとしても、これら各ハウジングと閉塞リングとの間の摩擦を抑えることができる。このため、閉塞リングの摩耗を抑えて寿命を延ばすことができ、かつ、固定側ハウジングに対して回転側ハウジングを円滑に回転させることができる。
請求項3の発明によれば、閉塞リングを、フローティングシールの各Oリング間に位置して各シールリングの摺接面よりも径方向外側に配置し、固定側ハウジングと回転側ハウジングとの間の隙間を閉塞する構成としたので、フローティングシールを構成する各シールリングの摺接面、各Oリングを土砂等の異物から保護することができる。これにより、フローティングシールのシール性を長期に亘って保つことができ、回転側ハウジング内に充填された潤滑油をフローティングシールによって確実に封止しておくことができる。
以下、本発明に係る減速装置の実施の形態を、油圧ショベルの走行装置に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は油圧ショベルを示し、この油圧ショベル1は、自走可能な装軌式(クローラ式)の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられ、土砂等の掘削作業を行う作業装置4とにより大略構成されている。
ここで、下部走行体2は、前,後方向に伸長する左,右のサイドフレーム5A(左側のみ図示)を備えたトラックフレーム5と、各サイドフレーム5Aの長手方向の一端側に設けられた後述の走行装置8と、各サイドフレーム5Aの長手方向の他端側に設けられた遊動輪6と、該遊動輪6と後述の駆動輪21とに巻回された履帯7とにより大略構成されている。
8は油圧ショベル1の走行装置で、該走行装置8は、図2に示すように、各サイドフレーム5Aの長手方向の一端側に固定された走行装置ブラケット9と、該走行装置ブラケット9に取付けられた回転源としての油圧モータ10と、該油圧モータ10の回転を減速する後述の減速装置11とにより大略構成されている。そして、走行装置8は、油圧モータ10の回転を減速装置11によって減速することにより、後述の駆動輪21を大きなトルクをもって回転させ、該駆動輪21と遊動輪6とに巻装された履帯7を周回駆動させるものである。
11は油圧モータ10の回転を減速する減速装置で、該減速装置11は、後述の固定側ハウジング12、回転側ハウジング14、遊星歯車減速機構24,29、フローティングシール34、閉塞リング39等により構成されている。
12は走行装置ブラケット9に固定して設けられた固定側ハウジングで、該固定側ハウジング12は、回転源としての油圧モータ10が設けられるものである。ここで、固定側ハウジング12は大径なフランジ部12Aを有し、このフランジ部12Aは、複数のボルト13を用いて走行装置ブラケット9に固着されている。
また、走行装置ブラケット9から突出した固定側ハウジング12の先端側には、後述の回転側ハウジング14を支持するハウジング支持部12Bと、後述する遊星歯車減速機構29のキャリア33が結合される雄スプライン部12Cとが設けられている。また、フランジ部12Aとハウジング支持部12Bとの間には、後述の固定側シールリング35が取付けられる円筒状のシール装着部12Dが設けられ、該シール装着部12Dの先端部は、後述するフランジ15の対向面15Bと軸方向で対向する環状な対向面12Eとなっている(図3、図4参照)。
14は固定側ハウジング12に対して回転可能に設けられた回転側ハウジングで、該回転側ハウジング14は、全体として有蓋円筒状に形成され、その内部に後述の遊星歯車減速機構24,29を収容するものである。そして、回転側ハウジング14は、固定側ハウジング12に設けられたハウジング支持部12Bの外周側に配置される環状のフランジ15と、該フランジ15にボルト16を用いて固定され内周側に内歯17Aが形成された円筒状のドラム17と、該ドラム17を施蓋する円板状の蓋体18とにより大略構成されている。
ここで、フランジ15の内周側は、固定側ハウジング12のハウジング支持部12Bに軸受19を介して回転可能に取付けられ、フランジ15の外周側には複数のボルト20を用いて駆動輪(スプロケット)21が固着されている。また、フランジ15には、後述の回転側シールリング36が取付けられる円筒状のシール装着部15Aが設けられ、図3及び図4に示すように、シール装着部15Aの内周側には、固定側ハウジング12の対向面12Eと軸方向で対向する環状な対向面15Bが設けられている。
22は固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間に形成された軸方向の隙間で、該隙間22は、図3及び図4に示すように、固定側ハウジング12の対向面12Eと、回転側ハウジング14を構成するフランジ15の対向面15Bとの間に、全周に亘って環状に形成されている。そして、この隙間22の径方向内側には後述のフローティングシール34が設けられ、隙間22内には後述の閉塞リング39が設けられる構成となっている。
23は油圧モータ10の回転出力を導出する回転軸で、該回転軸23の基端側は油圧モータ10の出力軸に連結され、回転軸23の先端側は回転側ハウジング14内を軸方向に伸長している。そして、蓋体18の近傍に位置する回転軸23の先端部には、後述の太陽歯車25が一体形成されている。
24は回転側ハウジング14内に収容された1段目の遊星歯車減速機構で、該遊星歯車減速機構24は、後述する2段目の遊星歯車減速機構29と協働して油圧モータ10の回転を2段減速し、回転側ハウジング14のフランジ15に固着された駆動輪21を大きなトルクをもって回転させるものである。
ここで、遊星歯車減速機構24は、回転軸23の先端部に一体形成された太陽歯車25と、該太陽歯車25とドラム17の内歯17Aとに噛合し、太陽歯車25の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車26(1個のみ図示)と、該遊星歯車26をピン27等を介して回転可能に支持するキャリア28とにより構成されている。そして、遊星歯車減速機構24は、太陽歯車25の回転を減速し、遊星歯車26の公転をキャリア28を介して後述する2段目の太陽歯車30に伝達するものである。
29は回転側ハウジング14内に収容された2段目の遊星歯車減速機構で、該遊星歯車減速機構29は、回転軸23に遊嵌された状態で1段目のキャリア28にスプライン結合され該キャリア28を介して1段目の遊星歯車26の公転のみが伝達される太陽歯車30と、該太陽歯車30とドラム17の内歯17Aとに噛合し、太陽歯車30の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車31(1個のみ図示)と、該遊星歯車31をピン32等を介して回転可能に支持するキャリア33とにより大略構成されている。
そして、キャリア33は、固定側ハウジング12の雄スプライン部12Cにスプライン結合されている。これにより、キャリア33に支持された遊星歯車31の公転は、ドラム17の内歯17Aを介して回転側ハウジング14に伝達され、該回転側ハウジング14は、遊星歯車減速機構24,29によって2段減速された状態で、固定側ハウジング12に対して回転する構成となっている。
ここで、回転側ハウジング14内には、遊星歯車減速機構24,29、軸受19等を潤滑するための潤滑油Lが充填され、この潤滑油Lは、後述のフローティングシール34によって回転側ハウジング14内に封止される構成となっている。
34は固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間に形成された隙間22の径方向内側に設けられたフローティングシールで、該フローティングシール34は、回転側ハウジング14内に潤滑油Lを封止すると共に、泥水、土砂等の異物が回転側ハウジング14内に侵入するのを阻止すものである。ここで、フローティングシール34は、図3及び図4に示すように、後述の固定側シールリング35、回転側シールリング36、固定側Oリング37、回転側Oリング38等により構成されている。
35は固定側ハウジング12側に位置する固定側シールリングで、該固定側シールリング35は、後述の回転側シールリング36と対をなすもので、例えば耐摩耗性、耐食性に優れた金属材料を用いて円筒状に形成され、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの内周側に配置されている。
ここで、固定側シールリング35には大径鍔部35Aが設けられ、該大径鍔部35Aの端面には、前記隙間22の径方向内側に位置して環状な摺接面35Bが形成されている。また、シール装着部12Dの内周面12Fと対面する固定側シールリング35の外周面35Cは、大径鍔部35Aに向けて徐々に拡径するテーパ面となり、この外周面35Cとシール装着部12Dの内周面12Fとの間には、後述の固定側Oリング37が設けられる構成となっている。
36は回転側ハウジング14側に位置する回転側シールリングで、該回転側シールリング36は、固定側シールリング35と同一部品からなり、回転側ハウジング14のフランジ15に設けられたシール装着部15Aの内周側に配置されている。
ここで、回転側シールリング36には大径鍔部36Aが設けられ、該大径鍔部36Aの端面には、前記隙間22の径方向内側に位置し、固定側シールリング35の摺接面35Bに液密に摺接する環状な摺接面36Bが形成されている。また、シール装着部15Aの内周面15Cと対面する回転側シールリング36の外周面36Cは、大径鍔部36Aに向けて徐々に拡径するテーパ面となり、この外周面36Cとシール装着部15Aの内周面15Cとの間には、後述の回転側Oリング38が設けられる構成となっている。
37は固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの内周面12Eと固定側シールリング35の外周面35Cとの間に設けられた固定側Oリングで、該固定側Oリング37は、後述の回転側Oリング38と対をなすもので、例えばブタジエンゴム等の耐油性、弾性を有するゴム材料等を用いて環状に形成されている。そして、固定側Oリング37は、固定側ハウジング12のシール装着部12Dと固定側シールリング35との間をシールすると共に、固定側シールリング35を回転側シールリング36に向けて軸方向に常時押圧するものである。
38は固定側Oリング37に対し軸方向に離間して設けられた回転側Oリングで、該回転側Oリング38は、固定側Oリング37との間で前記隙間22を挟んだ状態で、回転側ハウジング14のフランジ15に設けられたシール装着部15Aの内周面15Cと回転側シールリング36の外周面36Cとの間に設けられている。そして、回転側Oリング38は、固定側Oリング37と同一部品からなり、フランジ15のシール装着部15Aと回転側シールリング36との間をシールすると共に、回転側シールリング36を固定側シールリング35に向けて軸方向に常時押圧するものである。
これにより、固定側シールリング35の摺接面35Bと、回転側シールリング36の摺接面36Bとは、固定側Oリング37と回転側Oリング38から付与される軸方向の押圧力によって適正に摺接し、固定側ハウジング12に対して回転側ハウジング14が回転するときに両者間を液密にシールすることにより、回転側ハウジング14内に潤滑油Lを封止する構成となっている。
39は固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の隙間22内に設けられた閉塞リングで、該閉塞リング39は、図3及び図4に示すように、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14を構成するフランジ15に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間に形成された軸方向の隙間22内に配置され、当該隙間22を閉塞するものである。
ここで、閉塞リング39は、例えば超高分子ポリエチレン、ポリオレフィン等の高分子材料を用いて断面四角形状をなす環状に形成され、内部に潤滑油が含浸された含油閉塞リングによって構成されている。この場合、閉塞リング39は、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間に形成された環状の隙間22に対応する形状を有し、閉塞リング39の内径寸法は、フローティングシール34を構成する各シールリング35,36に設けられた摺接面35B,36Bの外径寸法よりも大きく設定されている。
一方、閉塞リング39は、自己潤滑性を有する樹脂材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、繊維強化ナイロン、ポリアセタール(POM)等の樹脂材料を用いて形成された自己潤滑性閉塞リングによって構成してもよい。この場合、自己潤滑性閉塞リングは、比較的安価な樹脂材料を用いて形成することができるので、この自己潤滑性閉塞リングからなる閉塞リングを用いることにより、減速装置11全体の製造コストを低減することができる。
そして、閉塞リング39は、フローティングシール34を構成する固定側Oリング37と回転側Oリング38との間に位置し、固定側シールリング35の摺接面35Bと回転側シールリング36の摺接面36Bとの当接部分を径方向外側から取囲んだ状態で、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14(フランジ15)に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間に挟持されている。
そして、油圧ショベル1の走行時において、固定側ハウジング12に対して回転側ハウジング14が回転するときに、閉塞リング39は、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の隙間22を閉塞する。これにより、泥水、土砂等の異物が、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の隙間22からフローティングシール34に侵入するのを、閉塞リング39によって阻止し、フローティングシール34を保護する構成となっている。
この場合、閉塞リング39は、その内部に潤滑油が含浸されているので、固定側ハウジング12のシール装着部12D、回転側ハウジング14を構成するフランジ15のシール装着部15Aに、閉塞リング39が摺接したとしても、これら各ハウジング12,14のシール装着部12D,15Aと閉塞リング39との間の摩擦を抑えることができる。これにより、閉塞リング39の摩耗を抑えて寿命を延ばすことができ、かつ、固定側ハウジング12に対して回転側ハウジング14を円滑に回転させることができる構成となっている。
本実施の形態による減速装置11は上述の如き構成を有するもので、油圧ショベル1の走行時に油圧モータ10を回転させると、この油圧モータ10の回転が減速装置11の遊星歯車減速機構24,29によって2段減速され、回転側ハウジング14に伝達される。これにより、回転側ハウジング14が大きなトルクをもって回転し、この回転側ハウジング14に固定した駆動輪21と遊動輪6とに巻回された履帯7が駆動され、油圧ショベル1が走行する。
ここで、フローティングシール34の回転側シールリング36は、回転側ハウジング14と一体に回転し、この回転側シールリング36は、摺接面36Bを固定側シールリング35の摺接面35Bに摺接させることにより、回転側ハウジング14と固定側ハウジング12との間を液密にシールする。これにより、回転側ハウジング14内に潤滑油Lを保持し、この潤滑油Lによって軸受19、遊星歯車減速機構24,29等を適正に潤滑することができるので、回転側ハウジング14を円滑に回転させることができる。
このとき、閉塞リング39は、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14(フランジ15)に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間に形成された軸方向の隙間22を常に閉塞する。これにより、例えば油圧ショベル1が泥濘地等を走行するときに、泥水、土砂等の異物が、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の隙間22を通じてフローティングシール34に侵入するのを、閉塞リング39によって確実に阻止することができる。
これにより、フローティングシール34を構成する固定側シールリング35の摺接面35B、回転側シールリング36の摺接面36Bが、土砂等の侵入によって損傷したり、泥水の侵入によって錆を生じるのを防止することができる。また、固定側Oリング37、回転側Oリング38に泥水等が付着するのを防止し、各Oリング37,38の弾性が泥水等の凍結によって低下してしまうのを抑えることができる。
この結果、固定側シールリング35の摺接面35Bと回転側シールリング36の摺接面36Bとを常に適正に摺接させることにより、フローティングシール34のシール性を確保し、回転側ハウジング14と固定側ハウジング12との間を長期に亘って液密にシールすることができる。これにより、回転側ハウジング14内に充填した潤滑油Lが外部に漏れるのを防止し、この潤滑油Lによって軸受19、遊星歯車減速機構24,29等を適正に潤滑することができるので、回転側ハウジング14を長期に亘って円滑に回転させることができ、減速装置11全体の信頼性を高めることができる。
一方、閉塞リング39は、その内部に潤滑油が含浸されているので、固定側ハウジング12の対向面12E、回転側ハウジング14の対向面15Bに閉塞リング39が摺接したとしても、これら各対向面12E,15Bと閉塞リング39との間の摩擦を抑えることができる。これにより、閉塞リング39の摩耗を抑えてその寿命を延ばすことができ、かつ、固定側ハウジング12に対して回転側ハウジング14を円滑に回転させることができる。
かくして、本実施の形態によれば、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14のフランジ15に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間に形成された隙間22の径方向内側に、環状の閉塞リング39を設けることにより、この隙間22を閉塞リング39によって閉塞することができる。
このため、例えば油圧ショベル1が泥濘地等を走行するときに、泥水、土砂等の異物が、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の前記隙間22を通じてフローティングシール34に侵入するのを、閉塞リング39によって確実に阻止することができる。従って、フローティングシール34を構成する各シールリング35,36の摺接面35B,36Bが、土砂等の侵入によって損傷したり、泥水の侵入によって錆を生じるのを抑えることができ、また、フローティングシール34を構成する各Oリング37,38の弾性が、泥水等の凍結によって低下してしまうのを抑えることができる。
この結果、フローティングシール34のシール性を適正に保ち、回転側ハウジング14と固定側ハウジング12との間を液密にシールすることができる。従って、回転側ハウジング14内に十分な潤滑油Lを確保し、この潤滑油Lによって軸受19、遊星歯車減速機構24,29等を適正に潤滑することにより、回転側ハウジング14を長期に亘って円滑に回転させることができ、減速装置11全体の信頼性を高めることができる。
しかも、閉塞リング39は、その内部に潤滑油が含浸されているので、固定側ハウジング12の対向面12E、回転側ハウジング14の対向面15Bに閉塞リング39が摺接したとしても、これら各対向面12E,15Bと閉塞リング39との間の摩擦を、閉塞リング39から浸出す潤滑油によって抑えることができる。これにより、閉塞リング39の摩耗を抑えてその寿命を延ばすことができ、かつ、固定側ハウジング12に対して回転側ハウジング14を円滑に回転させることができる。
なお、上述した実施の形態では、固定側ハウジング12に設けられたシール装着部12Dの対向面12Eと、回転側ハウジング14のフランジ15に設けられたシール装着部15Aの対向面15Bとの間の隙間22内に、断面四角形状をなす環状の閉塞リング39を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図5に示す変形例のように、T字型の断面形状をもって環状に形成された閉塞リング41を用いる構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、固定側ハウジング12と回転側ハウジング14との間の隙間22内に設ける閉塞リング39を、高分子材料を用いて環状に形成され内部に潤滑油が含浸された含油閉塞リングにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば焼結金属等の金属材料を用いて環状に形成され、内部に潤滑油が含浸された金属性の閉塞リングを用いる構成としてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では、油圧ショベル1の走行装置8に用いられる減速装置11を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーンに搭載されるロープウインチ等に用いられる減速装置にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態による減速装置を備えた油圧ショベルを示す正面図である。 下部走行体の油圧モータ、減速装置、駆動輪、履帯等を図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。 図2中の固定側ハウジング、回転側ハウジング、フローティングシール、閉塞リングを拡大して示す要部拡大断面図である。 固定側ハウジング、回転側ハウジング、フローティングシール、閉塞リングを示す一部破断の分解斜視図である。 閉塞リングの変形例を示す図3と同様な要部拡大断面図である。
符号の説明
10 油圧モータ(回転源)
11 減速装置
12 固定側ハウジング
12E 対向面
12F 内周面
14 回転側ハウジング
15 フランジ
15B 対向面
15C 内周面
22 隙間
24,29 遊星歯車減速機構(減速機構)
34 フローティングシール
35 固定側シールリング
35B,36B 摺接面
35C,36C 外周面
36 回転側シールリング
37 固定側Oリング
38 回転側Oリング
39,41 閉塞リング

Claims (3)

  1. 回転源が設けられる固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して回転可能に設けられ前記回転源によって駆動される回転側ハウジングと、該回転側ハウジングに収容され前記回転源の回転を減速する減速機構と、前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の軸方向の隙間をシールするために当該隙間の径方向内側に設けられたフローティングシールとを備えてなる減速装置において、
    前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の隙間には、当該隙間を閉塞し前記フローティングシールに異物が侵入するのを阻止する環状の閉塞リングを設ける構成としたことを特徴とする減速装置。
  2. 前記閉塞リングは、高分子材料を用いて形成され潤滑油が含浸された含油閉塞リング、または自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成された自己潤滑性閉塞リングにより構成してなる請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記固定側ハウジングと前記回転側ハウジングとの間の隙間は、互いに対向する前記固定側ハウジングの対向面と前記回転側ハウジングの対向面との間に環状に形成し、
    前記フローティングシールは、前記隙間よりも径方向内側に配置され互いに摺接する摺接面をもった一対のシールリングと、前記隙間を挟んで前記各シールリングのうち一方のシールリングと前記固定側ハウジングの内周面との間及び他方のシールリングと前記回転側ハウジングの内周面との間に軸方向に離間して設けられた一対のOリングとにより構成し、
    前記閉塞リングは、前記各Oリング間に位置して前記各シールリングの摺接面よりも径方向外側に配置され前記隙間を閉塞する構成としてなる請求項1または2に記載の減速装置。
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