JP2009067129A - ブレーキ制御システム - Google Patents

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和幸 千葉
Yoshikazu Arai
義和 新井
Masakazu Soga
正和 曽我
Toshimitsu Inomata
俊光 猪股
Katsuyuki Kato
勝之 加藤
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【課題】 停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止が更に的確に得られ、より一層の支援が安全運転に与えられるようにしたブレーキ制御システムを提供すること。
【解決手段】 ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、停止後制動力保持が作動してない状態で車両が停止したときは、停止が継続している時間の経過に従って増加し、前記停止後制動力保持が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、停止後制動力保持による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するパラメータSを演算し、このパラメータSが一方の判定閾値SON(SON>0)に達したとき停止後制動力保持の作動許可を指示し、他方の判定閾値SOFF(SOFF≦0)に達したときは作動禁止を指示するようにしたもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のブレーキシステムに係り、特に自動変速機を備えた車両に好適なブレーキ制御システムに関するものである。
現今は、いわゆる自動車社会であるため、道路交通量は増加の一途を辿っている。そして、このとき道路事情も相俟って、交通渋滞の発生頻度は増す一方であるが、この交通渋滞に際しては、車両の運転に停止と微速前進の繰り返しが要求される場合が多く、このとき運転者は、前車と自車の間隔(車間距離)が広がったら微速前進させ、車間距離が狭まったら停止させるという運転操作を頻繁に繰り返すことになる。
ところで、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンに代表される内燃機関を推進動力源とした自動車の場合、その推進動力の伝達系にクラッチと変速機を含むのが一般的で、このとき、これらクラッチと変速機の操作に関してMT(マニュアル)車とAT(オートマチック)車があるのは良く知られているところであるが、ここでAT車によれば、車両の運転が主としてアクセルとブレーキの操作だけで済むので、上記した交通渋滞時での運転操作にも比較的容易に対応することができる。
そして、このAT車に使用されるのがクラッチの機能を併せ備えた自動変速機で、これには流体式トルクコンバータ単独、又はこれにギヤ切換による機械式の変速機を組合わせたものが従来から一般的に使用されているが、この流体式トルクコンバータには、周知のように、クラッチとは異なり、伝達トルクが0にできないという特性があり、従って、AT車の場合、変速機のセレクトレバーがドライブポジションにあるときは、たとえエンジンがアイドル状態になっていても、残存トルクによる車両のクリープ(這い出し)が避けられない。
従って、AT車の場合、変速機のセレクトレバーをドライブポジションにしたまま停車させておくためには、停車させた後も、そのままブレーキペダルを踏み続けなければならない。なお、このように、車両を停止状態に保つためには、上記したブレーキペダルの踏み込みを継続させる以外にも、変速機のセレクトレバーをパーキングポジションに戻したり、サイドブレーキを作動させたりしてもよいが、しかし、そのままブレーキペダルを踏み続ける方が簡便であり、特に上記した渋滞時や信号待ちに際しては現実的である。
しかし、この場合、運転者は、車両が停止すると、その都度、ブレーキペダルを踏み続けなければならないことになり、この結果、交通渋滞などで停止回数が多くなったときには疲労度が増し、注意力が低下するなどの理由により、ブレーキペダルの踏力が無意識に低下してしまう事態の発生が避けられなくなり、この場合は車両が前進し、例えば追突などの危険な事態が生じてしまう虞がある。
そこで、ブレーキペダルを踏み込んで一旦車両を停止させたら、その後はブレーキペダルの踏力を緩めても、更にはブレーキペダルから足を離してしまっても、アクセルペダルが操作されるまでは必要なブレーキ力が自動的に保持されるようにしたシステム(以後、停止後制動力保持システムと定義する)が従来から提案されている(例えば特許文献1、特許文献2などを参照)。
この停止後制動力保持システムが適用された車両によれば、停止時でのブレーキペダルの踏み込み継続が不要になり、交通渋滞に際しても安全性の向上に寄与することができるようになるが、ここで、交通渋滞に入ってしまったときでも、停止と走行の繰り返しではなく、いわゆるノロノロ走行になっているときがあり、このときは、AT車のクリープによる走行を積極的に利用し、ブレーキペダルの操作だけで対応した方がノロノロ走行に追従し易い。
つまり、AT車の場合、変速機のセレクトレバーがドライブポジションにあるときは、停止時、ブレーキペダルの踏力を緩めると、それだけで車両がクリープし、ゆっくりとした速度で前進する。そこで、これを利用するのである。そして、この場合、ブレーキペダルの踏力を加減するだけで車両を任意の微速度で前進させることができ、従って、アクセル操作なしで上記したノロノロ走行に対処することができることになるが、ここで上記した停止後制動力保持システムが作動したのではアクセルペダルの操作が必要になって、折角の利便性が阻害されてしまう。
そこで、従来技術では、この停止後制動力保持システムの作動が、必要に応じて禁止できるようにしてあり、このとき特許文献1に開示の従来技術では、スイッチにより、人為的に禁止が与えられるようにし、特許文献2に開示の従来技術では、車両が停止と発進を頻繁に繰り返す走行環境状態を推定し、自動的に禁止が与えられるようにしている。
特開2006−137340号公報 特開2006−281936号公報
上記従来技術は、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止の適切化に充分な配慮がされているとは言えず、安全運転の支援に問題があった。すなわち、まず、特許文献1に開示の従来技術では、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止に人為的な操作を要するため、対応が煩雑で操作忘れも避けられない。また、特許文献2に開示の従来技術では、走行環境状態をブレーキ操作により発生した減速度に基づいて推定しているので、適切な作動禁止の発動に限界があり、従って、従来技術は、安全運転の支援に問題があると言えるのである。
本発明の目的は、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止が更に的確に得られ、より一層の支援が安全運転に与えられるようにしたブレーキ制御システムを提供することにある。
ここで、まず、本発明は、クリープ現象の有効活用に必要な走行環境を推定して制御に反映させるようにした点を特徴とする。しかし、この走行環境は、従来技術のように減速度によっていたのでは推定できない。
ところで、一般に運転者が、クリープ現象の利便性よりもブレーキペダルを踏み続ける苦痛をより大きく感じるのは、通常、ブレーキペダルを長く踏み続けた場合であり、従って、クリープ現象を有効活用すべきか否かは、ブレーキペダルを踏み続けた時間、つまり停車時間によって推定されるべきである。
そこで、本発明者らは、このクリープ現象の有効活用に必要な走行環境の推定については、停車時間がより適切な指標になることを見い出し、この結果、本発明の構成の存在に想到したものであり、よって、本発明は、減速度ではなく、停車時間に応じた手法を特徴とするものである。
従って、本発明によれば、上記目的は、ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、前記車両の停止時間に応じて前記停止後制動力保持手段に作動許可と作動禁止を指示する作動指令制御手段が設けられていることにより達成される。
また、上記目的は、ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、前記停止後制動力保持手段に作動許可と作動禁止を指示する作動指令制御手段と、前記停止後制動力保持手段が作動してない状態で車両が停止したときは、当該停止が継続している時間の経過に従って増加し、前記停止後制動力保持手段が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、前記停止後制動力保持手段による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するパラメータSを演算するパラメータ演算手段とを設け、前記作動指令制御手段は、前記パラメータSが一方の判定閾値SON(SON>0)に達したとき前記の作動許可を指示し、前記パラメータSが他方の判定閾値SOFF(SOFF≦0)に達したときは前記の作動禁止を指示するようにして達成される。
このとき、更に、車両が停止する毎に新たに計測を開始して停車時間Tを計測する停車時間演算手段を設け、前記作動指令制御手段は、前記パラメータ演算手段と前記停車時間演算手段の何れか一方を選択して前記作動許可と作動禁止を指令するものであり、前記停車時間演算手段が選択されたときは、前記停車時間Tが判定用の時間閾値TTH 未満のとき作動禁止を指示し、時間閾値TTH 以上のときは作動許可を指示するようにしても良い。
本発明によれば、車両走行環境の判別がより一層、的確に得られるので、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止が更に適切に与えられるようにすることができ、この結果、本発明によれば、停止後制動力保持システムの活用による安全運転の向上に更に大きく寄与することができる。
以下、本発明によるブレーキ制御システムについて、図示の実施の形態により詳細に説明する。
まず、図7と図8は、本発明を、ABS(Anti-lock Brake System)が装着され、且つ自動変速機を備えている車両(AT車)に適用した場合の一実施の形態で、このときのABSユニット5は、例えば特許文献1に開示されているものであり、従って、この場合、通常のブレーキとしての基本的な動作は、図7の通常ブレーキモードに示されているようになっている。すなわち、ブレーキペダル1により操作されるブレーキマスタシリンダ2を備え、ブレーキペダル1が踏み込まれるとブレーキマスタシリンダ2で加圧されたブレーキ液がホイールブレーキシリンダ3に作用し、ブレーキディスクローター4にブレーキバッドが押し付けられ、ブレーキが掛るようになっている。
なお、この実施形態では、図示のように、マスタバックなどの商品名で知られている真空倍力装置(バキウムブースター)を備えたブレーキシステムを対象としているが、本発明は倍力装置の無いブレーキシステムにも適用可能なことはいうまでもない。そして、この実施形態では、ABSユニット5に備えられている電磁弁の中で、例えば保持ソレノイドバルブと呼ばれているソレノイド通電閉弁形の電磁弁6を用い、これを制御回路14により制御し、ブレーキ液回路を、この図7に示した通常ブレーキモードと、図8に示すブレーキ保持モードに切換えて動作するようになっている。なお、作動制御部15については後で説明する。
このため、まず、ブレーキペダル1に第1のブレーキスイッチ8と第2のブレーキスイッチ9を配置し、次に、アクセルペダル10には、アクセルスイッチ11を配置する。また、車輪には車速センサ12を設ける。そして、これらからの信号を制御回路14に入力するようになっている。一方、この制御回路14には、表示ランプ13と、自動変速機16の動作ポジションを決めるシフト選択電磁弁群17が接続されている。
ここで、まず、第1ブレーキスイッチ8は、ブレーキペダル1が軽く踏み込まれたときオン(接点が閉じる)され、次に第2ブレーキスイッチ9は、ブレーキペダル1が強く踏み込まれたときオンされるようにして、ブレーキペダル1の近傍に設置してある。このとき、具体的には、ブレーキペダル1の最大踏み込み移動量(ストローク)をMとし、第1ブレーキスイッチ8がオンされるときの踏み込み移動量をM1、第2ブレーキスイッチ9がオンされるときの踏み込み移動量をM2としたとき、M≧M2>M1の関係になるようにして設置するのである。
従って、これらのスイッチ8、9の形式は、何れも常開接点(NO:ノーマリーオープン)形のスイッチとなるが、このとき例えばマイクロスイッチを用いるのが簡便であるが、磁気や光を用いた無接点スイッチを用いてもよい。
次に、アクセルスイッチ11は、アクセルペダル10が踏み込まれたときオンされるようにして、アクセルペダル10の近傍に設置してある。従って、このアクセルスイッチ11も常開接点形で、同じくマイクロスイッチや無接点スイッチを用いればよい。
なお、このアクセルスイッチ11は、アクセルペダル10が踏み込まれたら直ちにオンするが、アクセルペダル10を踏み込まない限り、車両の振動など他の要因によってはオンに切換わらないようにしておくのが望ましい。
次に、車速センサ12は、車輪の回転をパルス信号として検出し、制御回路14で車速が演算できるようにするもので、通常、電磁ピックアップ形のパルスセンサが用いられている。
また、制御回路14は、図示のように、第1と第2のブレーキスイッチ8、9と、アクセルスイッチ11、それに車速センサ12からそれぞれ信号を入力し、それらに基いて所定の演算処理を実行した結果、電磁弁6の開閉を制御し、更に表示ランプ13の点灯を制御する。
次に、この実施形態は、上記したように、本発明を自動変速機が装備されている車両、いわゆるAT車に適用したものであり、従って自動変速機16とシフト選択電磁弁群17を備えていて、制御回路14は、このシフト選択電磁弁群17も制御するようになっているが、このとき、周知のように、AT車の場合、シフト選択電磁弁群17は、自動変速機のセレクトレバーの位置により制御されるようになっているのが通例である。しかし、この実施形態では、セレクトレバーがD(ドライブ)位置にあるときだけ、シフト選択電磁弁群17の中のN(ニュートラル)位置選択電磁弁18とD位置選択電磁弁19が、制御回路14により、セレクトレバーの位置による制御に優先して制御できるように構成してある。
次に、この実施形態の動作について、図9のフローチャートに従って説明する。ここで、この図9のフローチャートによる処理は、制御回路14により実行されるものであるが、このとき、この制御回路14による制御は、ABS制御用のマイコン(コンピュータ)に格納されているプログラムの中の一つにより実行されるようになっているものである。そして、この図9のフローチャートによる処理は、システムが能動化されたとき、つまり車両の操作パネルにあるキースイッチにキーが挿入され、アクセサリー位置に操作されたとき開始される。
このとき、既に説明したように、電磁弁6はソレノイド通電閉弁形で、通電されないときは弁が開いたままになっている。従って、このときのシステムの動作モードは、図7に示す通常ブレーキモードになっていて、通常のブレーキシステムとして機能していることになる。そして、この状態は、図9のフローチャートに示されているように、処理を開始したとき、まず初期化処理(イニシャライズ)を実行することにより確保され、これにより本来のブレーキシステムとしての動作が保証され、安全性が確実に保たれるようになっている。
こうして処理が開始され、初期化処理が実行されたら、まず、車速Vを取り込む(処理ステップS1)。すなわち車速センサ12から供給されるパルスの周期からホイールの回転数(回転速度)を計測し、車速Vを算出するのである。
次に、いま計算した車速Vを、予め設定してある所定の判定値、例えば10Km/hrの判定値と比較し、車速Vが判定値以下か否かを調べる(処理ステップS2)。そして、結果がN(否定)のとき、つまり、車速が10Km/hrを越えていたときは、ここで処理を終了する。なお、このときの判定値は、いわゆる閾値のことであるが、これは10Km/hrに限るものではなく、必要に応じて、例えば5〜10km/Hrの範囲で任意の値に設定すればよい。
一方、この処理ステップS2での判断結果がY(肯定)のとき、つまり車速Vが10Km/hr以下の低速であったときは第1ブレーキスイッチ8がオンか否かを調べる(処理ステップS3)。そして、結果がN、つまり第1ブレーキスイッチ8がオフ(接点が開いている)のときは、ここで処理を終了する。
一方、この処理ステップS3での判断結果がYのとき、つまり第1ブレーキスイッチ8がオンのときは、更に第2ブレーキスイッチ9がオフか否かを調べる(処理ステップS4)。そして、結果がN、つまり、今度は第2ブレーキスイッチ9がオンのとき、ここで処理を終了する。
一方、この処理ステップS4での判断結果がYのとき、つまり第2ブレーキスイッチ9がオフだったら、再び車速Vを取り込み(処理ステップS5)、続いて今度は車速Vが0Km/hrであるか否か、つまり停止しているか否かを調べる(処理ステップS6)。そして、結果がN、つまり車速Vが0Km/hrになっていないときは、ここで処理を終了する。
他方、この処理ステップS6での判断結果がY、つまり車速Vが0Km/hrで停車しているものと判定されたときは、続いて電磁弁6と表示ランプ13に通電する(処理ステップS7)。
そうすると、電磁弁6の弁が閉じられ、この結果、ここで図8に示すブレーキ保持モードに移行すると共に、表示ランプ13が点灯する。なお、このときには、処理ステップS10も並行して実行されるが、この点については後述する。ここで、この図8のブレーキ保持モードについて説明すると、このモードでは、電磁弁6が閉じたことにより、ホィールブレーキシリンダ3に至る配管路をブレーキマスタシリンダ2に通じている配管路から遮断し、ホィールブレーキシリンダ3の配管路を閉じられた状態にする。
ところで、この図8に示すブレーキ保持モードに移行するための条件には、図9のフローチャートに処理ステップS3と処理ステップS6が存在していることから明らかなように、ブレーキペダル1が踏み込み操作がされ、且つ車速Vが0Km/hr、つまり車両が停止したことが前提になっている。
そうすると、この図8に示すブレーキ保持モードに移行する直前では、このときブレーキペダル1に加えられていた力に相当したブレーキ力が働いていることになる。
従って、図8のブレーキ保持モードに移行したときは、直前に作用していたブレーキ力がそのまま保持されることになる。そして、これがブレーキ保持モードと呼ぶ所以で、この結果、ここで運転者がブレーキペダル1から足を離しても車両にはブレーキが掛ったままになり、従って、車両が動きだす虞れはない。また、このときは表示ランプ13が点灯されるので、ブレーキ保持モードに移行していることが運転者に報知され、従って、運転者は安心してブレーキペダル1から足を離すことができる。
こうして処理ステップS7が実行され、図8に示すブレーキ保持モードに移行したら、次に、処理ステップS8に進み、ここで、アクセルスイッチ11がオンされるのを待つ。すなわち、アクセルスイッチ11から入力される信号を監視し、それがオンになったか否かを調べ、オフの間は元に戻り、オンになったとき次の処理ステップS9に進むのである。そして、この処理ステップS9では、電磁弁6と表示ランプ13に対する通電を停止させる。なお、このときにも処理ステップS11が並行して実行されるが、この点も後述する。
そうすると、まず電磁弁6が復旧して、それまで閉じていた弁を開くので、システムは図7の通常ブレーキモードに戻り、表示ランプ13は消灯して、ブレーキ保持モードが取り消されたことを報知する。そして、この処理ステップS9を実行した後は最初の処理ステップS1に戻り、再び同じ処理を繰り返し実行することになる。
そこで、次に、この実施形態による以上の処理により、運転者のブレーキ操作に与えられる支援の内容について説明する。
まず、図9のフローチャートに示されているように、処理ステップS1とS2があるので、車両が走行中でも、車速が10Km/hr以下にならない限りは図7の通常ブレーキモードを保っている。
従って、交通渋滞に巻き込まれたり、交通信号による通行規制がなされている区間に入ったりして、低速走行を余儀なくされるまでは、通常の車両と同様で、クルージング中にブレーキ操作しても違和感を与えることはなく、必要に応じて任意に加速と減速を行うことができる。
一方、低速走行に入ったら処理ステップS3に進むので、ここでシステムの作動が準備される。しかし、このときでも、ブレーキペダル1が強く踏み込まれたときは、処理ステップS4によりシステムの作動準備がキャンセルされるようになっている。従って、この実施形態によれば、ブレーキペダル1が強く踏み込まれたときはブレーキ保持モードに移行するのが抑えられるので、このときに必要なABSによるブレーキ制御に支障を与えてしまう虞れをなくすことができ、この結果、ABS装着車にも容易に適用でき、ABSによるブレーキ制御の支援に期待することができる。
この後、車速が0、つまり車両が停止したことを条件として、図8のブレーキ保持モードに移行し、ブレーキペダル1の踏み込み状態と関係無くブレーキ力が保持されることになり、この状態は、アクセルペダル10が操作されるまで維持される。そして、このブレーキ保持モードでは、上記したように、運転者がブレーキペダル1から足を離しても、車両にはブレーキが掛ったままで車両が動きだす虞れはなく、しかも、このときは表示ランプ13が点灯しているので、ブレーキ保持モードに移行していることが報知されるので、運転者は安心してブレーキペダル1から足を離すことができる。
そこで、交通渋滞に入ったり、長い信号待ちにあったときでも、ブレーキペダル1を踏み込んで車両を一旦停止させた後は、任意にブレーキペダル1から足を離すことができるので、車両の停止中にブレーキペダル1を踏み続ける操作が不要になり、運転者の心身の疲労を大幅に軽減させることができ、安全運転の維持に寄与することができる。
しかも、このブレーキ保持モードは、アクセルペダル10を踏み込んだだけで自動的に解除され、直ちにブレーキが緩められるので、アクセルペダル10を踏み込むことにより、車間が開いた時点や交通信号が変化した時点で直ちに車両を発進させることができ、この結果、前車に追従して常に適正な車間を保ったり、交通信号の変化に迅速に対応したりすることが容易になり、交通渋滞や交通信号に対応した的確な運転を行うことができる。
以上のように、この実施形態によれば、ブレーキペダル1の踏み込みにより車両を停止させた後は、以後、アクセルペダル10に触れない限り、ブレーキペダル1から足を離しても停止直前のブレーキ力が保持されるので、運転者の意志に反して車両が動き出してしまうのを防止することができ、且つ停止時、車両の停止状態を継続維持させるためにブレーキペダル1を踏み続ける必要がなくなるので、ペダルの踏み込みを継続させたときの心身の疲労を大幅に軽減することができる。
そして、この場合、特に交通渋滞時や長い信号待ちに際してブレーキペダル1から足が外せるので、運転者に掛る負担の軽減に有効であり、しかも、車両の移動には必ずアクセルペダル10の操作を必要とするので、運転者が意図しない車両の移動が防止され、この結果、坂道などで停止したとき、知らない間に車両が前進したり後退したりする虞れがなく、事故を未然に防ぐことができる。
ところで、以上は、特許文献1の従来技術の場合と同じであり、従って、このままでは、上記したように、ブレーキペダルの踏力を加減するだけで車両を任意の微速度で前進させ、アクセル操作なしでノロノロ走行に対処することができるという利便性が阻害されてしまう。そこで、上記従来技術では、これも既に説明したように、図7と図8では省略してあるが、制御回路14に能動化スイッチが設けてあり、それがオフされているときは、上記した制御回路14によるモード移行動作が禁止できるようになっている。
そして、このことが、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止に人為的な操作を要するため、対応が煩雑で操作忘れも避けられないという特許文献1に開示の従来技術における問題点になっていることは、上記した通りであり、そこで、以下、このことに重点を置いて、更に詳しく説明する。
ここで、まず、本発明の実施形態でも、図7と図8、それに図9で説明したブレーキ制御システムとしての構成と動作が基本になっている点には変わりはなく、このとき本発明の実施形態において定義されている停止後制動力保持手段とは、上記したブレーキ制御システムのことで、停止後制動力保持手段の作動許可とは、上記したブレーキ制御システムにおいて、図7の通常ブレーキモードと図8のブレーキ保持モードの間での遷移を可能にすることであり、停止後制動力保持手段の作動禁止とは、図7の通常ブレーキモードを維持し、この通常ブレーキモードから図8のブレーキ保持モードへの遷移を禁止することである。
このため、本発明の第1の実施形態では、車両が停止したとき一方の所定の条件が満たされていた場合、停止後制動力保持手段に作動許可を指示し、同じく車両が停止したとき他方の所定の条件が満たされた場合、前記停止後制動力保持手段に作動禁止を指示する手段が、作動制御部15として、制御回路14に設けてある。なお、この作動制御部15についても、その機能については、既に図9のフローチャートにより説明したブレーキ制御システムの処理の場合と同じく、制御回路14のABS制御用のコンピュータ(マイコン)に格納されているプログラムの中の一つにより実行されるようになっているものであるが、別途、専用のマイコンを設け、それに格納したプログラムにより実行されるようにしても良い。
そこで、この作動制御部15の詳細について説明すると、これは、図示のように、パラメータ演算部15aと作動指令制御部15bで構成されている。
そして、まずパラメータ演算部15aは、停止後制動力保持手段、つまり、この実施形態におけるブレーキ制御システムが作動してない状態で車両が停止したときは、当該停止が継続している時間の経過に従って増加し、停止後制動力保持手段が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、停止後制動力保持手段による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するパラメータSを演算する働きをする。
次に、作動指令制御部15bは、パラメータSを調べ、その値が一方の判定閾値SON(SON>0)に達したとき、停止後制動力保持手段に作動許可を指示し、前記パラメータSが他方の判定閾値SOFF(SOFF≦0)に達したときは、停止後制動力保持手段に作動禁止を指示する働きをする。
なお、このときの停止後制動力保持手段に作動許可を指示するとは、端的にいえば、電磁弁6を、その動作が可能な状態にすることであり、同じく、作動禁止を指示するとは、電磁弁6の動作を禁止することである。
そこで、次に、このときのパラメータSの変化と、それによる停止後制動力保持手段と車両の停止と走行状態の変化ついて、図1により説明する。
この図1は、車速度を(a)に、車両の停止は(b)、停止後制動力保持手段の働きにより保持された制動力は(c)に、それそれ示した上で、パラメータSを(d)に示したものであり、このとき、横軸のtは時刻であるが、このときの時刻tの基点になっている時刻t0 は、図9のフローチャートにおいて、最初にある初期化処理を終わった後での任意の時点を表わす。
そして、この時点での車速は0ではなく、図示のように、或る速度(>0)にあるものとし、このときパラメータSは、上記した初期化処理によりリセットされている。ここで、(a)に示す車速度の変化は運転者の意志によるものであることは言うまでもない。
そうすると、この場合、パラメータSは、図の(a)に示す車速の変化に応じて、同図の(d)に示すように変化する。
何故なら、このパラメータSは、上記したように、パラメータ演算部15aにより演算され、このとき、当該パラメータ演算部15aは、これも上記したように、停止後制動力保持手段が作動してない状態で車両が停止したときは、当該停止が継続している時間の経過に従って増加し、停止後制動力保持手段が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、停止後制動力保持手段による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するものとして、パラメータSを演算する働きをするからである。
従って、このときのパラメータ演算部15aによる処理は、図2のフローチャートの各処理ステップの中のS20からS25までと、S29からS31までとに示されている処理になる。
ここで、この図2のフローチャートによる処理は、装置立ち上げ後、作動指令制御部15bによる処理も含めて所定の周期、例えば100mSの周期で繰り返し実行されるものである。
他方、作動指令制御部15bは、上記したように、パラメータSに応じて指令動作をするので、その指令の状態は図1の(e)に示すようになる。ここで、EAは、停止後制動力保持手段に作動禁止が指示されているときの指令を表わし、EBは、停止後制動力保持手段に作動許可が指示されているときの指令を表わす。
従って、このときの作動指令制御部15bにより実行される処理は、図2のフローチャートの中のS26、S27とS32、S33により示されている処理となる。
そこで、次に、これらの図1と図2を用いて説明すると、まず、時刻t0 では、上記したリセットの結果、パラメータSは0であり、このとき、図9のフローチャートで説明した初期化処理の結果として停止後制動力保持手段は作動禁止にされている。つまり、上記したように、この時刻t0 では、作動指令制御部15bの動作状態は、図1の(d)に示されているように、時刻t0 から時刻t1 までは、指令はEAになっている。何故なら、この期間では、パラメータSはリセットされた後、まだ一方の判定閾値SON と他方の判定閾値SOFF の何れにも達していないからである。
そして、いま、この後の時刻t1 において車両が停止されたとする。そうすると、ここから時刻t2 まで、このときの停止期間P1 の長さに応じてパラメータSは増加されてゆき、同様に、時刻t3 で再び停止されたときは、このときの停止期間P2 に応じてパラメータSは増加されてゆく。何故なら、このパラメータSは、上記したように、停止後制動力保持手段が作動してない状態で車両が停止したときは、当該停止が継続している時間の経過に従って増加するものとして、パラメータ演算部15aにより演算されるからである。
従って、このときのパラメータ演算部15aによる処理は、処理ステップS23で結果がYESになった場合となり、このときの停止期間、例えば停止期間P1 の長さに応じたパラメータSの増加は、1回の処理周期毎に処理ステップS25で、所定値ΔSが加算されることにより与えられることになり、この結果、パラメータSの増加の程度は、所定値ΔSの値と処理周期の頻度で決まる。なお、このとき、処理ステップS24でタイマが起動され、処理ステップS22でタイマがリセットされるが、これについては後述する。
こうして時刻t3 以降、パラメータSが増加してゆくが、このとき図示のように、途中の時刻t4 において、パラメータSが一方の判定閾値SON に達したとする。そうすると、この時刻t4 において停止後制動力保持手段が作動許可され、図1の(d)に示されているように、指令EBになる。ここで、このときの処理は、処理ステップS26と処理ステップS27の処理が、作動指令制御部15bにより実行されることにより与えられる。
そして、この後、時刻t5 で、アクセル操作により、停止状態から車両が走行を開始したときは、それまでの制動力保持が喪失されるので、この時刻t5 では、このときの停止期間P2 の長さに反比例して、パラメータSがステップ状に減少される。何故なら、このパラメータSは、これも上記したように、停止後制動力保持手段が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、停止後制動力保持手段による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するものとして、パラメータ演算部15aにより演算されるからである。
同様に、時刻t6 で停車した後の時刻t7 では、このときの停止期間P3 の長さに反比例してステップ状にパラメータSが減少されるようになり、同じことは、この時刻t8 の後の時刻t9 と、時刻t10 の後の時刻t11 でも起り、それぞれの停止期間P4 と停止期間P5 の長さに反比例してパラメータSが減少されてゆく。
従って、このときのパラメータ演算部15aによる処理は、図2の処理ステップS28から処理ステップS31に示すようになり、このとき、タイマ値Tに反比例(∝1/T)した減算値SX (=k/T)が演算され(S30)、これがパラメータSから減算されることにより(S31)、上記したパラメータSの減少が与えられことになる。なお、kは比例定数である。
そして、このパラメータSの減少の結果として、時刻t11 において、パラメータSが、今度は他方の判定閾値SOFF に達したとする。そうすると、この時刻t11 において、今度は停止後制動力保持手段が作動禁止され、図1の(e)に示されているように、指令EAになる。
このときの処理は、図2のフローチャートにおける処理ステップS32と処理ステップS33の処理が、作動指令制御部15bにより実行されることにより与えられ、以後、このパラメータSの変化に従って作動禁止(指令EA)と作動許可(指令EB)が交互に繰り返されることになり、その頻度は、車両の運転状況によって決められることになる。
従って、この第1の実施形態によれば、車両の走行環境の判別がより一層、的確になり、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止が更に適切に得られることになる。そこで、以下、この理由について説明する。
まず、初めに、パラメータSについて、更に詳しく考察すると、これは、厳密にいえば、次のように表現されるものである。
t=min(St-1+KbT,Son) (作動許可、且つ停車の場合)
t=max(St-1−Ka/T,SoFF) (作動禁止、且つ停車から走行
を開始した場合)
t=St-1 (その他)
ここに、Ka:係数
b:係数
T :減速の結果、車速度が0km/hになったときを起点と
して、車速度が0km/hになっている間の経過時間
従って、パラメータSは図1に示すようになるのである。
次に、検証のため、図3に示す走行シナリオを設定し、このシナリオに基づいてシミュレーションを行い、図4のシミュレーション結果を得た。このとき、図3の夫々の走行シナリオについて50回の停止を行なうと共に、走行シナリオを全て連結した統合シナリオに基づいて200回の停止も行った。
この図4において、従来手法とは、上記の特許文献2に開示の従来技術による手法のことで、比較のために検証したものであり、次に、提案手法1とは、ここに説明した実施形態の手法によるものである。なお、提案手法2については後述する。
この図4において、A、B、Cの夫々の意味は次の通りである。
・A 制動力保持から開放までが5秒以内の時間であったときの回数
(意に反した制動力の保持)
・B 10秒以上停止しても制動力が保持されていなかった回数
(意に反した制動力の不保持)
・C 総停止時間に対して制動力が保持されている時間の割合
ここで、Aは、いうなれば、制動力保持がされた後、5秒以内にアクセル操作された場合の回数で、この場合は、ブレーキ操作により停止した後、比較的短時間でアクセル操作が行われ、制動力保持状態が解除されたときの回数を意味し、従って、このAは、小さい方が望ましい数値として定義できる。
また、Bは、これも、いうなれば、10秒以上停止しても制動力保持が働かなかった場合の回数であり、従って、このBも、小さい方が望ましい数値として定義できる。
そこで、この観点に立って、図4のシミュレーション結果について考察すると、まず、停止時間の短い信号が少ない住宅地や、小規模の渋滞の場合では、意に反した動作回数AとBの合計である(A+B)においては、従来手法と提案手法1に大差はないが、停止時間が長い状況では、提案手法1の方が有利に働くことが判り、このとき複数の状況が混合している総合シナリオにおいては、提案手法1の方が、従来手法に比して、意に反した動作回数AとBの合計である(A+B)が大幅に減らせることができ、飛躍的に有利であることが判る。
従って、この実施形態によれば、上記したように、車両の走行環境の判別がより一層、的確になり、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止が更に適切に得られるのである。
次に、図4に示してある提案手法2について説明する。
提案手法1の場合、上記したように、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止をパラメータSに依存して行なっている。
しかし、この提案手法2では、走行時での車両の停止時間だけに着目し、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止については、パラメータSに依存するのではなく、車両の停止時間が長時間になったときだけ作動許可が与えられるようにし、通常は作動禁止にしておくようにしたものである。
そして、このときの停止時間については、10秒以上が長時間であるとしているが、これは、信号待ちの停止において、最低限待たされるであろう時間を想定したものである。
ここで、図4に戻り、この提案手法2による場合も、従来手法と比較した場合、上記した提案手法1の場合と同様の傾向が見られるが、回数の減少幅は提案手法2の方が大きいことが判る。そして、この違いは、提案手法1ではパラメータSを用いていることにより、過去の停止時間の履歴が考慮されてしまうことであり、このため、停止後、制動力保持手段の作動許可と作動禁止の切り替えに時間遅れが発生するからであると考えられる。
このため、停止時間が比較的短い住宅地や小規模な渋滞の場合に余計な制動力が発生してしまい、結果として制動力保持から開放までの時間が5秒以内の行われた回数Aが増えてしまう。従って、短時間の停止が多く発生する場所では、提案手法2の方が有効であると評価できる。
一方、信号が多い市街地など停止時間が長いところでは、意に反する動作の回数には、あまり違いが無い。ここで、長時間の停止が多い場合には停止直後に制動力が保持されるべきであるが、このとき提案手法2では必ず10秒は待たなくてはならず、その待ち時間は運転者には煩わしい。
ここで、総停止時間において、制動力が保持されている時間の割合を見れば判る通り、提案手法1の長時間の停止が多いところでは、ほとんどの場合、制動力が保持されている。
このため、長時間の停止が多い状況においては、履歴が有効に働くため、提案手法1の方が効果的であると評価できる。
そこで、本発明の他の実施形態として、図7と図8の作動制御部15に車両が停止する毎に新たに計測を開始して停車時間Tを計測する停車時間演算部15c(図示せず)を設け、作動指令制御部15bは、パラメータ演算部15aと停車時間演算部15cの何れか一方を選択して作動許可と作動禁止を指令するように構成し、ここで停車時間演算部15cが選択されたときは、停車時間Tが判定用の時間閾値TTH 未満のとき作動禁止を指示し、時間閾値TTH 以上のときは作動許可を指示するように構成し、これを本発明の第2の実施形態とする。
そうすると、この第2の実施形態による動作は、図5に示すようになる。ここで、(d)が停車時間Tであるが、ここには判定用の時間閾値TTH が設定してある。このとき、車速(a)と車両の停止(b)、停止後制動力保持システムの働きにより保持された制動力(c)、それに指令(d)は、図1の場合と同じであり、ここで時刻t0 では車速は0ではなく、図示のように、或る速度(>0)にある点も同じである。
従って、この場合、(d)の停車時間Tが時間閾値TTH に達したときだけ停止後制動力保持システムに対して作動許可EBが指令され、これ以外のときは作動禁止EAが指令されることになり、上記した提案手法2の場合の結果が得られることになる。
詳しく説明すると、図5の場合、時刻時刻t0 から時刻t1 までは、指令はEA(作動禁止)になっている。何故なら、この期間では停車してないので、停車時間Tは0にリセットされたままになっているからである。
そこで、いま、この後の時刻t1 において車両が停止されたとする。そうすると、ここから時刻t2 まで、このときの停止期間P1 の長さに応じて停車時間Tは増加されてゆくが、このときは停止期間P1 が短くて、停車時間Tは、時刻t2 になっても時間閾値TTH に達しない。
一方、この時刻t2 の後、時刻t3 で再び停止されたときは、このときの停止期間P2 が長く続き、途中の時刻t4 で停車時間Tが時間閾値TTH に達してしまう。そこで、この時刻t4 で、指令はEB(作動許可)に切り替わるのである。そして、この指令EBは、以後、車速度が0でなくなるまで継続され、時刻t5 で車両が走行を開始したとき指令EAに切り替わり、以下、同様に、指令EAと指令EBに交互に切り替わることになる。
このときの作動指令制御部15bと停車時間演算部15c(図示してない)による処理は、この実施形態では、図6のフローチャートを実行することにより与えられるようになっていて、ここで停車時間演算部15cによる処理は、処理ステップS60からS63までと、S65による処理になり、作動指令制御部15bによる処理は処理ステップS64とS66による処理になる。
そして、この図6のフローチャートによる処理は、装置立ち上げ後、所定の周期、例えば100mSの周期で繰り返し実行され、このとき、停車時間Tは処理ステップS62が実行される毎にインクリメントされるカウント値Cにより与えられるが、このとき図6のフローチャートによる処理は、100mSの周期で繰り返えされるから、カウント値Cが100になるのは、例えば図5の停止期間P2 の場合のように、停止期間が10秒以上にわたった場合であり、従って、上記したように、図4の提案手法2に対応した動作(時間閾値TTH =10秒)が得られることになる。
そして、この第2の実施形態においては、上記したように、作動指令制御部15bは、パラメータ演算部15aと停車時間演算部15cの何れか一方を選択して作動許可と作動禁止を指令するように構成されているが、このときのパラメータ演算部15aと停車時間演算部15cの選択については、図示してないが、ここでは、制御回路14にスイッチなどのマンマシンインターフェースを設けておき、例えばユーザが、必要に応じて任意に設定できるようにしてある。
従って、この第2の実施形態によれば、例えばユーザは、自らが使用する車両については、その走行環境に応じて、提案手法1と提案手法2による結果を任意に選択することができ、この結果、停止後制動力保持システムの作動許可と作動禁止を、自らの要望に応じて更に適切化することができる。
以上、本発明について、第1と第2の実施形態により説明したが、しかし、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
本発明による制動力の保持と不保持の判定については、上記実施形態1に示されているパラメータ及びその更新式に限らず、車両の停止時間を指標とし、係数などについて適切な調整機構が備えられていれば、上記実施形態とは異なったパラメータ及びその更新式でもよい。
また、上記実施形態2に示されている停車後のある時間が経過した時点から制動力を保持する手法においては、その切り替えに至る経過時間が調整の結果として異なった時間になるようにしても良いし、状況に応じて可変するようにしてもよい。
本発明によるブレーキ制御システムの第1の実施形態による動作を説明するための特性図である。 本発明によるブレーキ制御システムの第1の実施形態による動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係るブレーキ制御システムによる作用効果検証のためのシミュレーションに用いた走行シナリオの説明図である。 本発明に係るブレーキ制御システムによる作用効果検証のためのシミュレーション結果の説明図である。 本発明によるブレーキ制御システムの第2の実施形態による動作を説明するための特性図である。 本発明によるブレーキ制御システムの第2の実施形態による動作を説明するためのフローチャートである。 本発明によるブレーキ制御システムの一実施形態を通常ブレーキモードのときの状態で示したブロック構成図である。 本発明によるブレーキ制御システムの一実施形態をブレーキ保持モードのときの状態で示したブロック構成図である。 本発明に係るブレーキ制御システムの一実施形態による基本動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1:ブレーキペダル
2:ブレーキマスタシリンダ
3:ホィールブレーキシリンダ
4:ブレーキディスクローター
5:ABS(アンチロックブレーキシステム)ユニット
6:電磁弁(ソレノイド通電閉弁形の電磁弁)
8:第1ブレーキスイッチ
9:第2ブレーキスイッチ
10:アクセルペダル
11:アクセルスイッチ
12:車速センサ
13:表示ランプ
14:制御回路
15:作動制御部
15a:パラメータ演算部
15b:作動指令制御部
16:自動変速機(AT)
17:シフト選択電磁弁群
18:ニュートラル電磁弁
19:ドライブ電磁弁

Claims (4)

  1. ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、
    前記車両の停止時間の過去の履歴に応じて前記停止後制動力保持手段に作動許可と作動禁止を指示する作動指令制御手段が設けられていることを特徴とするブレーキ制御システム。
  2. ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、
    前記車両の停止時間が一定時間経過したか否かに応じて前記停止後制動力保持手段に作動許可と作動禁止を指示する作動指令制御手段が設けられていることを特徴とするブレーキ制御システム。
  3. ブレーキ操作により車両が停止された後、アクセル操作されるまで停止直前でのブレーキ力を保持させるようにした停止後制動力保持手段が備えられているブレーキ制御システムにおいて、
    前記停止後制動力保持手段に作動許可と作動禁止を指示する作動指令制御手段と、
    前記停止後制動力保持手段が作動してない状態で車両が停止したときは、当該停止が継続している時間の経過に従って増加し、前記停止後制動力保持手段が作動している状態で車両が停止したときは、当該停止の後、前記停止後制動力保持手段による制動力が喪失したとき、このときの停止期間の長さに反比例してステップ状に減少するパラメータSを演算するパラメータ演算手段とを設け、
    前記作動指令制御手段は、
    前記パラメータSが一方の判定閾値SON(SON>0)に達したとき前記の作動許可を指示し、前記パラメータSが他方の判定閾値SOFF(SOFF≦0)に達したときは前記の作動禁止を指示することを特徴とするブレーキ制御システム。
  4. 請求項3に記載のブレーキ制御システムにおいて、
    車両が停止する毎に新たに計測を開始して停車時間Tを計測する停車時間演算手段を設け、
    前記作動指令制御手段は、
    前記パラメータ演算手段と前記停車時間演算手段の何れか一方を選択して前記作動許可と作動禁止を指令するものであり、前記停車時間演算手段が選択されたときは、前記停車時間Tが判定用の時間閾値TTH 未満のとき作動禁止を指示し、時間閾値TTH 以上のときは作動許可を指示することを特徴とするブレーキ制御システム。
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