JP2009063139A - 多段変速遊星歯車列 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向長さの短い変速機で前進9段を超える多段変速遊星歯車列を得る。
【解決手段】第1出力軸12に第1遊星歯車組24を、これに平行な第2出力軸14に第2遊星歯車組26を配置し、入力軸10を、第1サンギヤ30および第1リングギヤ32と減速歯車対52を介してそれぞれ連結可能とし、第2リングギヤ42および第2サンギヤ40とそれぞれ連結可能とし、第1出力軸12と第2出力軸14とは連結歯車組を介して互いに連結し、第1出力軸12は第1キャリア38と、第2出力軸は第2リングギヤ42とそれぞれ連結し、第1サンギヤ30と第2サンギヤ40は第2歯車組60を介して連結するとともに静止部64に固定可能であり、第2キャリア48は静止部64に固定可能であり、入力軸10と第1サンギヤ30および第1リングギヤ32とを連結しない状態において、第1遊星歯車組24を一体にできるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用自動変速機に用いる、多段変速が可能な遊星歯車列に関するものである。
車両用自動変速機に用いる遊星歯車列は、車両の燃費、排気特性、加速性能等を向上することを主眼に、前進8段の多段変速が可能なものが提案されている。
このような多段変速が可能な従来の遊星歯車列としては、本出願人が提案した多段変速遊星歯車列があり、これらの歯車列は、前輪駆動車などいわゆるエンジン横置き式車両に適した軸方向長さの短い変速機とするため二つの出力軸に分けて配置された遊星歯車と6個の摩擦要素により、前進8段の変速比を得ている。(特許文献1を参照)。
しかし、上記従来の遊星歯車列は、6個の摩擦要素を用いて前進8段の変速比を得るのが限界であったため、多様に変化する車両の走行条件に応じて望ましい変速比を適用しようとしても限度があり、加速性能や燃費をさらに良くすることができないという問題があった。
特開2005−023987号 特開2005−180665号
解決しようとする問題点は、エンジン横置きタイプに適した軸方向長さの短い変速機に適用する歯車列として、前進8段を超える変速比を得ることができない点である。
本発明の目的は、遊星歯車列の軸方向長さを短く抑えながら、前進8段を超える変速比を得ることが可能な多段変速遊星歯車列を提供することにある。
本発明の多段遊星歯車列は、入力軸と、該入力軸と平行に設けた第1出力軸と、入力軸と同軸、または入力軸および第1出力軸と平行に設けた第2出力軸と、第1出力軸と同軸に配置され、回転メンバーとして第1サンギヤ、第1リングギヤ、第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニオン、第1ピニオンを回転自在に軸支する第1キャリアからなる第1遊星歯車組と、第2出力軸と同軸に配置され、回転メンバーとして第2サンギヤ、第2リングギヤ、第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニオン、第2ピニオンを回転自在に軸支する第2キャリアからなる第2遊星歯車組を有し、入力軸は、第1サンギヤおよび第1リングギヤと減速機構を介してそれぞれ連結可能であるとともに、第2サンギヤおよび第2キャリアと、直接または伝達歯車を介してそれぞれ連結可能であり、第1出力軸と第2出力軸とは第1歯車組を介して互いに連結しており、第1出力軸は第1キャリアと連結され、第2出力軸は第2リングギヤと連結され、第1サンギヤと第2サンギヤは第2歯車組を介して連結されるとともに静止部に固定可能であり、第2キャリアは静止部に固定可能であり、入力軸と第1サンギヤおよび第1リングギヤとを連結しない状態において、第1遊星歯車組の回転メンバーが一体となって回転できるように構成した。
本発明の多段変速遊星歯車列は上記のように構成したため、遊星歯車列の軸方向長さを短く抑えつつ、車両用の変速機として好ましい値の前進10段の変速比を得ることができる。その結果、エンジン横置き式前輪駆動車等の加速性能や燃費を良くすることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列を、実施例に基づき図とともに説明する。
図1は、本発明の実施例の遊星歯車列を表すスケルトン図である。
図1に示した実施例の多段変速遊星歯車列では、エンジン1からトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸10が、エンジン1の出力軸1aと同じ軸上にあり、またこれらと平行に第1出力軸12が配置され、入力軸10と同軸に第2出力軸14が配置されている。さらに、これらと平行に中間出力軸16が設けてある。
第1出力軸12と第2出力軸14は、それぞれと一体の連結歯車12a、14aを介して連結され、一方の歯車14aは中間出力軸16と一体の入力歯車16aとも噛み合っている。これらの連結歯車12a、14aは、本発明の第1歯車組を構成する。中間出力軸16と一体の駆動歯車16bは出力歯車18と噛み合っている。
出力歯車18は差動装置20を介して車軸22a、22bを駆動し、車軸22a、22bは図示しない左右の車輪と連結されている。
第1出力軸12上には第1遊星歯車組24が、また第2出力軸14上には第2遊星歯車組26が、それぞれ同軸配置されている。
第1遊星歯車組24と第2遊星歯車組26は、いずれも一般的にシングルピニオン型と呼ばれるものであり、それぞれが同じ構成になっている。
すなわち、第1遊星歯車組24は、第1サンギヤ30と、第1リングギヤ32と、第1リングギヤ32および第1サンギヤ30に噛み合った複数の第1ピニオン34と、第1ピニオン34を回転自在に軸支する第1キャリア38といった回転メンバーで構成されている。
同様に、第2遊星歯車組26は、第2サンギヤ40、第2リングギヤ42、複数の第2ピニオン44、第2キャリア48といった回転メンバーで構成されている。
入力軸10は、第1クラッチ50および減速歯車対(歯車52a、歯車52b)を介して第1出力軸と同軸配置されている中間軸54と連結可能である。なお、減速歯車対は、本発明の減速機構を構成する。
中間軸54は、第2クラッチ56を介して第1リングギヤ32と連結可能であるとともに、第3クラッチ58を介して第1サンギヤ30とも連結可能である。
第1サンギヤ30と第2サンギヤ40とは、第2歯車組(歯車60a、歯車60b)を介して連結しているとともに、第1ブレーキ62によりケース(静止部)64に固定可能である。
入力軸10は、第4クラッチ66を介して第2キャリア48と、また第5クラッチ68を介して第2サンギヤ40と、それぞれ連結可能である。
第2キャリア48は第2ブレーキ70によりケース64に固定可能である
第1出力軸12は第1キャリア38と連結し、第2出力軸14は第2リングギヤ42と連結されている。
次に、図1に示した実施例の遊星歯車列の作動を、図2に示した作動表を参考にしながら説明する。
図2の作動表において、横方向の欄にはクラッチやブレーキといった締結要素が割り当ててあり、C−1は第1クラッチ50を、B−1は第1ブレーキ62をといった具合に、それぞれ表す。なお、これらの記号と各締結要素の符号との関係は、図1に記してある。
作動表の縦方向の欄には、図示しない操作レバーの「Dレンジ」「Rレンジ」に分け、Dレンジは前進第1速(1st)乃至第10速(10th)の、Rレンジは後進(R−1、R−2)の各変速段を割り当ててある。
図2の作動表中、○印は各締結要素の締結を、空欄は各締結要素の解放を、それぞれ表す。また、括弧でくくった○印は締結していても動力伝達に関与しないことを表す。
ここで、各歯数比の算出について、遊星歯車組にあっては、リングギヤの歯数(Zr)に対するサンギヤの歯数(Zs)の比(Zs/Zr)を、第1遊星歯車組24はα1、第2遊星歯車組26はα2とし、歯車組にあっては、減速歯車対の歯数比(歯車52bの歯数/歯車52aの歯数)をi1、第1歯車組の歯数比(連結歯車12aの歯数/連結歯車14aの歯数)をi2、第2歯車組の歯数比(歯車60bの歯数/歯車60aの歯数)をi3として説明する。
また、変速比は、入力軸10の回転速度と第2出力軸14の回転速度の比(入力軸10の回転速度/第2出力軸14の回転速度)で表す。
ここでは、各変速比の計算に、α1を0.43、α2を0.44、i1を2.12、i2を0.92、i3を1.083とした場合について例示する。
なお、表示および計算式を簡略化するため、α1・i1(1+α2)/{α2・i3+α1・i1(1+α2)}をAと定義する。上記した歯数比においてAは0.734である。
はじめに、前進第1速(1st)の変速比は、第1クラッチ50(C−1)、第2クラッチ56(C−2)の締結による入力軸10と第1リングギヤ30の連結、および第2ブレーキ70(B−2)の締結による第2キャリア48のケース64への固定によって得られる。
第1速の変速比は、i1{α2・i3(1+α1)+α1・i2}/(α2・i2・i3)になり、上記の値に設定した歯数比においては5.208になる。
つぎに、第2速(2nd)への変速は、第1速における第1クラッチ50、第2クラッチ56の締結を維持したまま、第2ブレーキ70の締結を解放するとともに第1ブレーキ62(B−1)の締結で第1サンギヤ30をケース64に固定することで行う。
変速比はi1(1+α1)/i2になり、上記した歯数比においては3.295である。
つぎに、第3速(3rd)への変速は、第2速における第1クラッチ50、第2クラッチ56の締結を維持したまま、第1ブレーキ62を解放するとともに第3クラッチ58(C−3)を締結することで行う。
これにより第1遊星歯車組24の各回転メンバーは一体となって回転するようになり、変速比はi1/i2になる。上記した歯数比において変速比は2.304である。
つぎに、第4速(4th)への変速は、第3速における第1クラッチ50、第2クラッチ56の締結を維持したまま、第3クラッチ58の締結を解除するとともに第5クラッチ68(C−5)を締結することで行う。
これにより、変速比はi1・i3(1+α1)/〔i2{i3(1+α1)+α1(i1−i3)}〕になる。上記した歯数比において変速比は1.789である。
つぎに、第5速(5th)への変速は、第4速における第1クラッチ50、第2クラッチ56の締結を維持したまま、第5クラッチ68の締結を解除するとともに第4クラッチ66(C−4)の締結することで行う。
これにより、変速比はA/(1+α2)+i1(1−A)(1+α1)/i2になる。上記した歯数比において変速比は1.387である。
つぎに、第6速(6th)への変速は、第5速における、第2クラッチ56の締結を維持したまま、第1クラッチ50および第4クラッチ66の締結を解除するとともに、再び第3クラッチ58および第5クラッチ68を締結することにより行う。
これにより、入力軸10と第1遊星歯車組24との連結は解除され、第1遊星歯車組24が一体になるとともに第2サンギヤ40が第2歯車組(歯車60a、60b)を介して入力軸10と連結され、変速比はi3/i2になる。上記した歯数比において変速比は1.177になる。
つぎに、第7速(7th)への変速は、第6速における第2クラッチ56、第3クラッチ58の締結を維持したまま、第5クラッチ68の締結を解除するとともに再び第4クラッチ66を締結することにより行う。
これにより、変速比は1/(1+α2)+α2・i3/{i2(1+α2)}になる。上記した歯数比において変速比は1.054である。
つぎに、第8速(8th)への変速は、第7速における第4クラッチ66の締結を維持したまま、第2クラッチ56および第3クラッチ58の締結を解除するとともに再び第5クラッチ68を締結することにより行う。なお、このとき第1クラッチ50も締結するが前述のように動力伝達には関与しない。
これにより、第2遊星歯車組26は一体となって第2出力軸14は入力軸10と直結され、変速比は歯数比に関係なく1になる。
つぎに、第9速(9th)への変速は、第8速における第1クラッチ50、第4クラッチ66の締結を維持したまま、第5クラッチ68の締結を解除するとともに再び第3クラッチ58を締結することにより行う。
これにより、変速比はi1/{i1+α2(i1−i3)}になる。上記歯数比において変速比は0.823の増速である。
つぎに、第10速(10th)への変速は、第9速における第1クラッチ50、第4クラッチ66の締結を維持したまま、第3クラッチ58の締結を解除するとともに再び第1ブレーキ62を締結することにより行う。
これにより、変速比は1/(1+α2)になる。上記歯数比において変速比は0.694の増速である。
つぎに、Rレンジにおける後進第1速(R−1)の変速は、第2ブレーキ70を締結して第2キャリア48を固定したうえで、第1クラッチ50および第3クラッチ58の締結することで行われる。
これにより、変速比は−i1/(α2・i3)になる。上記歯数比において変速比は−4.449の逆転である。
つぎに、後進第2速(R−2)の変速は、第2ブレーキ70の締結はそのままに、第3クラッチ58を解除して第5クラッチ68を締結することで行われる。
これにより、変速比は−1/α2になる。上記歯数比において変速比は−2.273である。
以上で説明した前進の変速比を並べてみると以下になる。なお、左側の値が変速比であり、右側括弧内の値は当該変速比と1段上位の変速比との間の比(段間比)である。
第1速 5.208 (1.581)
第2速 3.295 (1.430)
第3速 2.304 (1.288)
第4速 1.789 (1.290)
第5速 1.387 (1.178)
第6速 1.177 (1.117)
第7速 1.054 (1.054)
第8速 1.000 (1.215)
第9速 0.823 (1.186)
第10速 0.694
これを見ると、第6速と第7速の間と、第7速と第8速の間の段間比が小さいのが分かる。そこで、第7速をスキップして第6速から第8速へ変速すると、第6速と第8速の間の段間比は1.177になる。このようにすると、自動車用の変速比として好ましい段間比の9段の変速比が得られる。
この場合、普段は前進9段の変速比を用いて走行するものの、応用例として、第1速から第6速まで変速しながら加速し、続いて一定速の走行に移る際などに、走行条件に応じて第7速または第8速のどちらかを選択して変速することが考えられるので、決して第7速が無駄になるわけではない。
このように、前進10段の変速比を有することを生かして、より適した変速比を選択しての走行が可能になる。
これらは、従来例の前進8段の遊星歯車列に比べて、クラッチを1個増やしたことにより、入力軸10と第1遊星歯車組24との連結をしない状態において、第1遊星歯車組24を一体にすることが可能になったため、第7速および第8速の変速比を得て前進10段の遊星歯車列が可能になったものである。
なお、上記では第2歯車組(歯車60a、60b)の歯数比i3を1.083の減速比として説明したが、これを1より小さい増速比としてもよい。この場合も、各変速比の計算式は上記と同じであるが、変速比の値が変化するため変速段の順番が変化して、上記の第6速と第8速が入れ替わる。
また、従来例の8段の遊星歯車列に比べてクラッチが1個増えているが、図2に見るように各変速段において締結していない摩擦要素(クラッチやブレーキ)は常に4個であり、従来例の8段の遊星歯車列と同数である。
各変速段において締結していない摩擦要素は、その引きずり抵抗が遊星歯車列の動力伝達効率を低下させる要因であるが、これが同数ということは10段にしたことによる動力伝達効率の低下が最小限に抑えられることを意味する。
したがって、10段の変速比を得て常に最適な変速比を選択して走行することで、車両の加速性能や燃費を良くすることが可能になる。
図3は、本発明の第2の実施例に係る多段遊星歯車列のスケルトン図を表し、図1に対応している。図4は図2に対応した作動表を示すものである。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
実施例2の実施例1との第1の違いは、第2キャリア48が第4クラッチ66を介してスリーブ72と連結可能になっており、スリーブ72は図示しないアクチュエータにより軸方向左右に動かすことができるようになっていることである。
すなわち、スリーブ72は、同図中、左に移動すると入力軸10と一体の減速歯車対の歯車52aと連結し、右に移動するとケース64と連結することができる。
これにより、スリーブ72を左に移動したうえで第4クラッチ66を締結すると入力軸10と第2キャリア48とが連結され、スリーブ72を右に移動したうえで第4クラッチ66を締結すると第2キャリア48がケース64に固定される。
したがって、第4クラッチ66は実施例1における第2ブレーキ70の機能を兼ねることになり、実施例1に比べて摩擦要素が1個少なくなる。
第2の違いは、第1クラッチ50を第1出力軸12と同軸に配置し、減速歯車対の歯車52bと中間軸54との間に設けたことである。
続いて、図4に示した作動表を参考に実施例2の作動を説明する。
図4の作動表はスリーブ72を「S」と表示した欄を除くと、図2に示した実施例1と同じであり、Sの欄は左右を表す矢印でスリーブ72の移動方向を表している。
すなわち、前進の第1速と後進においてスリーブ72は右側へ移動して、第4クラッチ66の締結と組み合わせて第2キャリア48をケース64に固定し、前進の第5速以上の高速段にあっては左側へ移動して第4クラッチ66の締結と組み合わせて第2キャリア48を入力軸10と連結可能にする。
なお、括弧でくくった矢印はスリーブ72が移動しているものの動力伝達に関与しないことを表す。
また、第3速の「S」の欄に「※」印が書いてある。これは第3速において次に予想される変速に応じてスリーブの左右移動の切り替えを行うことを表しているが、移動操作は第3速に限ることなく第2速または第4速において行ってもよい。
実施例2においても図4に示した作動表にしたがって各摩擦要素の締結を切り替えることで前進10段、後進2段の変速比を得ることができる。各変速比の計算式も実施例1で説明したのと同じであるので説明を省略する。
このように、実施例2においても前進10段の変速比を有することを生かして、より適した変速比を選択しての走行が可能になる。
これらは、入力軸10と第1遊星歯車組24との連結をしない状態において、第1遊星歯車組24を一体にすることが可能になったため、第7速および第8速の変速比を得て前進10段の遊星歯車列が可能になったものである。
さらに、前述のように実施例1に比べて摩擦要素が1個少ない。これは各変速段において締結していない摩擦要素の数が少ないことを意味する。一般に締結していない摩擦要素は、その引きずり抵抗が動力伝達効率を悪化させる要因であり、特に実施例1における第2ブレーキ70はトルク容量が大きいので、その影響は大きい。実施例2の遊星歯車列は実施例1における第2ブレーキ70が実質的になくなるので、動力伝達効率が向上する。
図5は、本発明の第3の実施例に係る多段遊星歯車列のスケルトン図を表し、図1に対応している。また、図6は、図5の左側から見た各軸の位置関係を表す。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
実施例3の実施例1との第1の違いは、第2出力軸14が第2遊星歯車組26とともに入力軸10と平行に配置されていることである。
そして、第1出力軸12と一体の第1連結歯車12aと第2出力軸14と一体の第2連結歯車14aは出力歯車16と噛み合う。
図5では、第2連結歯車14aと出力歯車16は離れて描いているが、実際は図6に示すように両者は噛み合っている。したがって、第1出力軸12と第2出力軸14は第1連結歯車12a、第2連歯車14a、出力歯車16を介して連結されている。
図6において、第1連結歯車12a、第2連歯車14a、出力歯車16は実線で描いてある。
実施例1との第2の違いは、第1サンギヤ30と第2サンギヤ40との連結が、第2歯車組60a、60b、60cで行われることである。すなわち、中間の第2歯車60cは入力軸10と同軸に配置され、入力軸と10第2歯車60cとは第5クラッチ68により連結可能である。
このため、入力軸10と第1サンギヤおよび第2サンギヤとの連結は、第5クラッチ68、第2歯車組60cと60a、60bを介して行われる。
実施例1との第3の違いは、入力軸10が伝達歯車対(歯車74a、74b)および第4クラッチ66を介して第2キャリア48と連結可能としたことである。
その他、詳細の説明は省略するが、各回転メンバー間の連結関係は基本的に実施例1と同じである。
なお、図6において、減速歯車対52aと52bを破線で、第2歯車組(歯車60a、60b、60c)を1点鎖線で、それぞれ太線にて描いてある。
続いて、実施例4の作動を説明する。
実施例4の作動表は図2に示した実施例1と同じであるので、詳細の説明は省略するが、変速比の計算式は以下となる。なお、各歯数比を次のように定義する。
第1歯車組の歯数比(連結歯車12aの歯数/連結歯車14aの歯数)をi3、伝達歯車対の歯数比(歯車74bの歯数/歯車74aの歯数)をi4、第2歯車組のうち、歯車60aと歯車60cの歯数比(歯車60aの歯数/歯車60cの歯数)をi5、歯車60bと歯車60cの歯数比(歯車60bの歯数/歯車60cの歯数)をi6、とする。
また、変速比は入力軸10の回転速度と第1出力軸12の回転速度の比(入力軸10の回転速度/第1出力軸12の回転速度)で表すが、上記のi3を1とすれば第2出力軸14で見た変速比も同一になる。
さらに、α2・i4・i5/{i1・i6・α1(1+α2)}をBとして計算する。
前進
第1速:i1{1+α1+α1・i3・i6/(i5・α2)}
第2速:i1(1+α1)
第3速:i1
第4速:i1・i5(1+α1)/{i5(1+α1)+α1(i1−i5)}
第5速:{i4+B・i1(1+α1)(1+α2)}/{(1+B)(1+α2)}
第6速:i5
第7速:(i3・i6+α2・i5)/{i6(1+α2)}
第8速:i3・i4
第9速:i1・i3/{i1+α2(i1−i5/i6)}
第10速:i3・i4/(1+α2)
後進
第1速:i1・i3・i6/(α2・i5)
第2速:i3・i6/α2
具体的な変速比の例示は省略するが、実施例3においても実施例1と同様に、前進10段の変速比を得て常に最適な変速比を選択して走行することで、車両の加速性能や燃費を良くすることが可能になる。
これは、従来例の前進8段の遊星歯車列に比べて、入力軸10と第1遊星歯車組24との連結をしない状態において、第1遊星歯車組24を一体にすることが可能になったため、第7速および第8速の変速比を得て前進10段の遊星歯車列が可能になったものである。
このように、本発明の各実施例に係る多段遊星歯車列は、自動車にとって好ましい前進10段、後進2段の変速比が得られるとともに、従来の8段遊星歯車列に比べてクラッチを1個増やしたにもかかわらず、これによる動力伝達効率の低下を最小限に抑えられるので、常に最適な変速比を選択して走行することで、車両の加速性能や燃費を良くすることが可能になる。
上記の各実施例では、エンジン1と入力軸10との間にトルクコンバータ2を設けているが、これに代えてフルードカップリングまたは摩擦クラッチを用いてもよいことは言うまでもない。
また、一般的に自動変速機で行われるように、第2ブレーキ70と並列にワンウエイクラッチを設けて、第1速から第2速への変速制御を容易にすることも可能である。
さらに、減速歯車対(歯車52a、52b)は2枚の歯車で構成しているが、減速作用と2軸間の伝達機能を有する他の手法であってもよい。
以上の説明は、第2遊星歯車組26を、第2サンギヤ40、第2リングギヤ42、複数の第2ピニオン44、第2キャリア48で構成されるシングルピニオン式の例で行ったが、これをいわゆるダブルピオン式の遊星歯車組としても同様の機能を得ることができる。
第2遊星歯車組26をダブルピオン式の遊星歯車組にした場合は、連結関係を上記の説明に対して第2リングギヤ42と第2キャリア48を入れ替えればよい。
前進8段を超える変速比を得るとともに、変速機部分の軸方向長さを短くレイアウトできるため、特にエンジン横置き式車両に搭載する変速機へ適用する場合に、より車幅が小さい車両に適用可能になり、燃費が重視される乗用車などに幅広く適用することができる。
本発明の多段変速遊星歯車列を示したスケルトン図である。(実施例1) 実施例1の多段変速遊星歯車列の作動表を示す図である。 本発明の多段変速遊星歯車列を示したスケルトン図である。(実施例2) 実施例2の多段変速遊星歯車列の作動表を示す図である。 本発明の多段変速遊星歯車列を示したスケルトン図である。(実施例3) 実施例3の多段変速遊星歯車列における軸の配置を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
10 入力軸
12 第1出力軸
14 第2出力軸
16 中間出力軸
18 連結歯車
20 差動装置
22 車軸
24 第1遊星歯車組
26 第2遊星歯車組
28 第1歯車組の連結歯車
30 第1サンギヤ
32 第1リングギヤ
34 第1ピニオン
38 第1キャリア
40 第2サンギヤ
42 第2リングギヤ
44 第2ピニオン
48 第2キャリア
50 第1クラッチ
52 減速歯車対の歯車
54 中間軸
56 第2クラッチ
58 第3クラッチ
60 第2歯車組の歯車
62 第1ブレーキ
64 ケース
66 第4クラッチ
68 第5クラッチ
70 第2ブレーキ
72 スリーブ
74 伝達歯車対の歯車

Claims (3)

  1. 入力軸と、
    該入力軸と平行に設けた第1出力軸と、
    前記入力軸と同軸、または前記入力軸および前記第1出力軸と平行に設けた第2出力軸と、
    前記第1出力軸と同軸に配置され、回転メンバーとして第1サンギヤ、第1リングギヤ、第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニオン、第1ピニオンを回転自在に軸支する第1キャリアからなる第1遊星歯車組と、
    前記第2出力軸と同軸に配置され回転メンバーとして、第2サンギヤ、第2リングギヤ、第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニオン、第2ピニオンを回転自在に軸支する第2キャリアからなる第2遊星歯車組を有し、
    前記入力軸は、前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤと減速機構を介してそれぞれ連結可能であるとともに、前記第2サンギヤおよび第2キャリアと、直接または伝達歯車を介してそれぞれ連結可能であり、
    前記第1出力軸と前記第2出力軸とは第1歯車組を介して互いに連結しており、
    前記第1出力軸は前記第1キャリアと連結され、
    前記第2出力軸は前記第2リングギヤと連結され、
    前記第1サンギヤと前記第2サンギヤは第2歯車組を介して連結されるとともに静止部に固定可能であり、
    前記第2キャリアは静止部に固定可能であり、
    前記入力軸と前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤとを連結しない状態において、前記第1遊星歯車組の前記回転メンバーが一体となって回転できるように構成したことを特徴とする多段変速遊星歯車列。
  2. 前記入力軸と同軸に前記第2出力軸を設けるとともに、前記入力軸および前記第2出力軸と平行に中間出力軸を設け、前記第2出力軸と一体の前記連結歯車の一方の歯車から前記中間出力軸を駆動するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の多段変速遊星歯車列。
  3. 前記入力軸と平行に前記第2出力軸を設け、前記第1出力軸と一体の第1駆動歯車と、前記第2出力軸と一体の第2駆動歯車とが、ともに出力歯車と噛み合うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の多段変速遊星歯車列。
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