JP2009062671A - 塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮する塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙と、この原紙の少なくとも一方の面に設けられた顔料及び接着剤を主成分とする塗工層とを、有する塗工紙であって、前記接着剤として、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含ませる。該ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体は、ポリアクリル酸:ポリビニルアルコール=10:90〜90:10のモル比であり、接着剤中の配合量は1〜20質量%とすることが好ましい。更に塗工はリウェットキャストコートが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、極性溶剤に対する耐性に優れた塗工紙に関するものである。より詳しくは、極性溶剤を用いて製造する合成皮革の工程紙として利用するに好適な塗工紙に関するものである。
この種の塗工紙、特に塗工層がキャスト法により設けられたキャスト塗工紙は、産業用基材(例えば、マーキングシート、金属箔等の剥離紙など。)、包装用紙(例えば、紙袋、ブックカバーなど。)、工程原紙(例えば、合成皮革やプラスチックフィルム等の工程原紙。)などとして多用されている。具体的には、例えば、キャスト塗工紙上に溶剤と混合したモノマーを展開し、熱や電子線でモノマー同士を反応させ、もってプラスチックフィルムなどを得る。
そこで、キャスト塗工紙は、耐溶剤性に優れることが望まれ、例えば、接着剤としてゲル含量が85%以上であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用するキャスト塗工紙が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、近年、環境負荷低減の目的で、使用される溶剤が、非極性溶剤から極性溶剤に移行しつつあり、工程原紙などには極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対する耐溶剤性が求められている。しかも、耐溶剤性に関する要求も厳しくなっており、単に繰り返し使用しても塗工層が剥離し難いなどというものではなく、写像性や光沢度なども低下し難いといった高度の品質が求められるようになっている。
しかしながら、従来の塗工紙は、これらの要求を満足するには至っていない。
特開2005−97781号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮する塗工紙を提供することにある。更には、光沢度、透気度が高く、写像性の低下が少なく、製造する合成皮革の鏡面性の低下が少なく、見栄えの良い合成皮革を製造できる、合成皮革工程紙として利用可能な塗工紙を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
原紙と、この原紙の少なくとも一方の面に設けられた顔料及び接着剤を主成分とする塗工層と、有する塗工紙であって、
前記接着剤が、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含む、ことを特徴とする塗工紙。
〔請求項記載の発明〕
前記ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体は、ポリアクリル酸:ポリビニルアルコール=10:90〜90:10のモル比とされている、請求項1記載の塗工紙。
〔請求項記載の発明〕
前記接着剤に含まれるポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体の配合量が、前記顔料100質量部に対して1〜20質量部とされている、請求項1又は2記載の塗工紙。
〔請求項記載の発明〕
前記塗工層がキャスト法により設けられ、JIS P 8119に基づいて測定したベック平滑度が500秒以上、Tappi T536cm−02に基づいて測定した透気度が1000秒以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙。
〔請求項記載の発明〕
次記処理を行ったときのJIS H 8686−2に基づいて測定した写像性の低下率が20%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙。
(処理)
前記塗工層表面にメチルエチルケトンをNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱する。
本発明によると、極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮する塗工紙となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明者らは、塗工紙における極性溶剤のへの耐性を向上させる目的で鋭意研究を重ねた結果、塗工層の接着剤の種類と配合量とを規定することが有効であることを知見した。
すなわち、本発明者らは、原紙と、この原紙の少なくとも一方の面に設けられた顔料及び接着剤を主成分とする少なくとも1層の塗工層と有する塗工紙について、接着剤が、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含むことで、優れた耐溶剤性が発揮されることを知見し、本発明を完成するに至った。
接着剤としては、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を配合することが必須である。ポリアクリル酸又はポリビニルアルコールのみを配合した場合は、極性溶剤に対する耐性が低く、塗工面が極性溶剤に侵食され易くなる。特に合成皮革工程紙とする場合は、繰り返し使用に耐えないものとなる。
ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの割合はモル%で規定することができ、好ましくはPAA:PVA=10:90〜90:10であり、より好ましくはPAA:PVA=15:85〜85:15である。PAAが10モル%未満では、PAAそのものの性質(硬質樹脂であり、室温で剛性を有する、耐水性と接着強度に優れる性質)が発現されにくく、また、90モル%を超過すると、PVA成分が少なくなり、PVAの性質(軟質樹脂であり、室温で柔軟性を有する、耐水性と接着強度に優れる性質)が発現され難くなる。PAAとPVAとを共重合すると、耐溶剤性が向上する理由は不明だか、いずれも耐水性を有する硬質樹脂と軟質樹脂とを組み合わせて、室温において、塗工紙表面に柔軟性と剛性の双方を付与することで、メチルエチルケトン(MEK)を始めとする極性溶剤に対する耐性が向上すると考えられる。また、ポリアクリル酸及びポリビニルアルコールの両方を含ませるよりも、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含ませる方が好ましい。これは、ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの混合物に比べて、共重合体の方がより均一に、より分子レベルでの混合が可能となるためである。分子レベルで混合することにより、溶剤接触によるミクロレベルでの変化が発生しても、変化を柔軟に緩和しながら、塗工面としての剛性を失わないため、写像性の低下が防止できる。
以上の本形態に必須の接着剤、すなわち、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体の配合量は、顔料100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満では、耐溶剤性の効果が十分に発現せず耐溶剤性に劣り、20質量部を超過すると、顔料由来の平滑性や光沢性が低下し、見栄えが悪化するだけでなく、平滑性の低い部分に極性溶剤が溜まりやすく、局所的に侵食が進みやすくなる。
本形態においては、接着剤以外にも、耐溶剤性を阻害しない範囲で、塗工紙製造で一般的に用いられる接着剤を併用することができる。具体的には、例えば、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
これらの一般的に用いられる接着剤成分の種類と配合量は、使用用途によって異なる。具体的には、例えば、合成皮革工程紙の場合は、高光沢塗工層を設けるため、キャスト塗工を行うのが一般的であり、カゼインやスチレン−ブタジエンラテックスが好適に用いられる。カゼインはキャストドラムからの剥離性を向上させるために配合し、好ましくは1〜15質量部である。1質量部未満では、剥離性が低下し、塗工面の一部がキャストドラムに付着するトラブルが発生しやすくなる。他方、15質量部を超過すると剥離性能が頭打ちとなり、高価なカゼインを大量使用する意味がなく経済性に劣る。スチレン−ブタジエンラテックスは、顔料由来の光沢性を塗工紙に発現させる働きをし、好ましくは3質量部〜30質量部である。3質量部未満では十分な光沢と接着力とが発現せず、逆に、30質量部を超えてもフィルム状の表面が形成され、顔料由来の光沢性が低下する。また、本件発明に必須の接着剤と、これら一般的に用いられる接着剤の配合量合計は、顔料100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部である。5質量部未満では、耐溶剤性や剥離性、光沢性に劣り、他方、60質量部を超えても光沢性が低下するうえに、経済性に劣る。また、一般の塗工紙用途では、表面強度及び経済性に優れたスチレン−ブタジエンラテックスが好適に使用される。スチレン−ブタジエンラテックスの配合量は、顔料100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部である。3質量部未満では十分な光沢と接着力が発現せず、逆に、30質量部を超えてもフィルム状の表面が形成され、顔料由来の光沢性が低下する。本件発明に必須の接着剤と、これら一般的に用いられる接着剤の配合量合計は、顔料100質量部に対して、4〜50質量部とすることが好ましい。4質量部未満では塗工層の強度が劣り、50質量部を超過すると、表面強度が頭打ちとなり、他方で経済性に劣る。
塗工層に使用する顔料は特に限定されないが、例えば、カオリン、デラミネーテッドカオリン、タルク、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等の中から、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
以上の顔料の中でもクレーは、光沢性及び平滑性に優れることから、顔料100質量部に対して、20質量部〜80質量部配合させるのが好ましい。配合量が20質量部未満では光沢性及び平滑性が劣るため耐溶剤性が低下しやすく、他方、80質量部を超過すると、塗工液の流動性が悪化して塗工時のプロファイルが悪化し、光沢や平滑のムラが発生し易くなるため、耐溶剤性が低下する。
クレーと併用する顔料としては、白色度を向上させ見栄えを良くし、かつ、経済性が良好な重質炭酸カルシウムが好ましい。この配合量は、クレーの配合量を補完するよう、20〜80質量部が好ましい。
本形態の塗工剤には、顔料、接着剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、蛍光増白剤の被染着物質、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等の通常使用される各種助剤を適宜配合することもできる。
原紙の表面への塗工剤の塗工は、合成皮革工程紙用途では、いわゆるキャストコート法によることが好ましい。キャストコート法は、一般に、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着(圧接)して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化(湿潤)させて、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固液等の凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)の3種類に分けることができ、いずれの方法でも耐溶剤性を得られるが、本形態では、リウェットキャスト法が生産性の面から好ましい。
原紙の表面への塗工剤の塗工は、一般の塗工紙用途設備で行えば足り、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、カーテンコーター等の塗工装置を設けたオンマシンコーター又はオフマシンコーターによって、原紙上に一層又は多層に分けて塗工剤を塗工できる。中でも、塗工層表面の高い平坦性が確保されるという点から、ブレードコーターを用いることが好ましい。また、ドライヤーパートでの乾燥方法としては、例えば、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の各種加熱乾燥方式を適宜採用することができる。
塗工量は、合成皮革工程紙用途、一般の塗工紙用途ともに2〜30g/m2が好ましい。2g/m2未満では原紙の被覆性が低下し、良好な光沢性、耐溶剤性が得られない。30g/m2を超過すると、塗工層が乾燥する際に発生する水蒸気が増加し、キャストコート法ではピット欠陥が、一般の塗工設備ではブリスターが発生しやすくなり、品質が低下するだけでなく、経済性も悪化する。
一般の塗工紙用途では、光沢や平坦性、印刷適性を付与する目的で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等、弾性ロールと金属ロールとの組み合わせによる平坦化処理を施すことができる。これらは従来のマシンカレンダーとは異なり、用紙表面を幅広の面で、高温で処理することで、原紙の密度や塗工層の密度を過度に高めることなく平坦化が可能であり、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、電子写真印刷等において好適な印刷面を形成させることができる。中でも、所定温度の金属ロールと弾性ロールとを、垂直方向に複数段組み合わせ、垂直方向に加圧するスーパーカレンダーは、温水を用いて70℃程度に加熱することから、電気を用いて加熱するソフトカレンダーに比べて経済的であるので、特に好適に用いられる。
カレンダー処理の線圧や温度、速度は特に限定されないが、処理後の塗工層の平坦性を充分に向上させ、また最終的に得られる塗工紙の緊度が過度とならないようにするために、例えばスーパーカレンダーで、線圧は95〜300kN/m、金属ロール温度は50〜90℃、速度は500〜1000m/分にすることが好ましい。
また、本形態の塗工紙は、次記処理を行ったときのJIS H 8686−2に基づいて測定した写像性の低下率が20%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましく、更には10%以下とするのが好ましい。これは、例えば合成皮革工程紙では、写像性の低下が小さいほど、製造する合成皮革の鏡面性の低下が少なく、見栄えの良い合成皮革となる。また、溶剤による劣化が起こり難いことから、トラレなどの欠陥発生が低減でき、剥離性が良好なため効率的に合成皮革の製造ができるなど、繰り返し使用に耐え得る工程紙となる。他に、紙袋やブックカバー用途においても、汗や風雨による品質劣化が少ない、耐水性に優れた塗工紙となる。
(処理)
前記塗工層表面にメチルエチルケトンをNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱する。
かくして得られる本形態の塗工紙は、接着剤としてポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を使用し、JIS P 8119に基づいて測定したベック平滑度が500秒以上、好ましくは500〜30000秒、Tappi T536cm−02に基づいて測定した透気度が1000秒以上、好ましくは1000〜30000秒であるのが好ましい。これにより、極性溶剤接触後の写像性の低下が少ない、耐溶剤性に優れた塗工紙、特には、合成皮革工程紙となる。これは、平滑度が500秒未満では、表面が粗いため、溶媒を塗布した際に局所的な溶媒の溜まりが発生しやすく、局所的な写像性の低下が発生し易い。また、30000秒超では平滑性が十分に高く、これ以上の平坦化を行っても耐溶剤性が頭打ちになるだけで、経済的に好ましくない。スーパーカレンダーで平滑性を調整する場合においても、線圧が過大となるために紙の持つ剛性が破壊される可能性がある。透気度が1000秒未満では、塗工面の空隙が多く、溶媒が浸透し易いため、劣化が進みやすい。また、30000秒超では、平滑度と同様に、透気度が十分に高く、これ以上の耐透気性を施しても耐溶剤性が頭打ちになるだけで、経済的に好ましくない。スーパーカレンダーで透気度を調整する場合においても、線圧が過大となるために紙の持つ剛性が破壊される可能性がある。
これらの平滑度や透気度の調節方法も特に限定されず、例えば、平坦化を行うためのカレンダー条件、特に線圧や速度等を調節することで調節することができる。
一方、塗工紙の原紙は、通常の原料パルプを使用することができ、例えば、未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ等を使用することができる。また、古紙からなる古紙パルプを使用することも可能であり、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等があげられる。本発明では、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
本形態においては、以上の原料パルプを混合して抄紙原料(紙料スラリー)を調製するが、当該原料パルプには、例えば、内添サイズ剤、紙力増強剤、紙厚向上剤、歩留向上剤等の通常の製紙工程で配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を適宜調整して内添することができる。
また、原紙を抄造する抄紙機も特に限定されず、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式を適宜用いることができる。
また、本件発明の塗工を行う前に、原紙を平坦化する目的で、前記一般の塗工紙用途設備を用いた塗工や、前記弾性ロールと金属ロールとの組み合わせによる平坦化処理を行う方が好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明による作用効果を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔原紙としての塗工紙〕
原料として広葉樹晒クラフトパルプ100%のパルプを使用し、フリーネスを370mlとした。絶乾パルプ1tに対して、カチオン化澱粉を5Kg、サイズ剤0.2Kgをそれぞれ有効成分基準で内添し、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分10%となるよう内添した。長網抄紙機で抄造・乾燥後、サイズプレスを用いて、重質炭酸カルシウム100質量部とラテックス4質量部とを混合した塗工液を、片面あたり乾燥質量で5.0g/m2となるよう塗工した。更にブレードコーターで、クレー50質量部、重質炭酸カルシウム50質量部、ラテックス8質量部からなる塗工液を、片面あたり10g/m2塗布し、スーパーカレンダー(SC)で平坦化処理して、米坪157g/m2の塗工紙を得た。
〔原紙としての上質紙〕
塗工液を塗布しない以外は、塗工紙原紙と同じ方法で製造し、米坪157g/m2の上質紙を得た。
〔塗工層の形成〕
まず、表1に示す種類及び割合で、顔料及び接着剤を常温にて混合撹拌して塗工剤を得た。なお、用いた顔料及び接着剤は以下のとおりである。また、表1の接着剤の配合量は、顔料100質量部に対する値である。
・クレー(カオリン、品番:HYDRASPERSE90、HUBER社製)
・重質炭酸カルシウム(湿式、品番:エスカロン#90、三共製粉株式会社製)
・カゼイン(日成共益株式会社製)
・スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)(品番:PA5036、日本エイアンド
エル株式会社製)
・ポリアクリル酸(PAA)(品番:アクアリックR HL、日本触媒株式会社)
・ポリビニルアルコール(PVA)(型番:PVA405、株式会社クラレ)
・ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体(PAA−PVA)(型番:コーガ ムHW400、昭和高分子株式会社製)
上記塗料を、前述した塗工紙原紙又は上質紙原紙に、エアーナイフコーターで乾燥質量12g/m2となるよう塗工し、リウェットキャスト法(再湿潤法)により鏡面仕上げを行った。ただし、実施例17では鏡面仕上げをゲル化キャスト法で行った。
〔比較例について〕
接着剤の成分、表面仕上げの方法等を、表1に示すとおり変化させて比較例とした。
〔評価方法〕
以上のようにして製造した各種塗工紙について、以下のとおり測定・評価を行った。結果は、表1に示した。
1)ベック平滑度
JIS P 8119に準じて測定した。
2)透気度
Tappi T536cm−02に準じて測定した。
3)耐溶剤性試験
前記塗工層表面にトルエンまたはメチルエチルケトン(MEK)をNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱した。この処理を行う前後の写像性及び白紙光沢を測定した。
3−1)写像性
JIS H 8686−2に準じて測定した。
3−2)白紙光沢
JIS P 8142に準じて75度白紙光沢度を測定した。
3−3)変化率
次の式で変化率を算出した。
変化率(%)=(1−(試験後の測定値/試験前の測定値))×100
Figure 2009062671
表1に示すように、実施例1〜38では、メチルエチルケトンを用いた耐溶剤性試験による写像性の変化率が20%以下であり、極性溶剤に対する耐性が優れる。他方、接着剤としてポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を配合しなかった比較例1〜9は、メチルエチルケトンを用いた耐溶剤性試験による写像性の変化率が20%を超過し、極性溶剤に対する耐性が劣る。
本発明は、極性溶剤を用いて製造する合成皮革の工程紙などとして利用するに好適な塗工紙として、適用可能である。

Claims (5)

  1. 原紙と、この原紙の少なくとも一方の面に設けられた顔料及び接着剤を主成分とする塗工層と、有する塗工紙であって、
    前記接着剤が、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含む、ことを特徴とする塗工紙。
  2. 前記ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体は、ポリアクリル酸:ポリビニルアルコール=10:90〜90:10のモル比とされている、請求項1記載の塗工紙。
  3. 前記接着剤に含まれるポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体の配合量が、前記顔料100質量部に対して1〜20質量部とされている、請求項1又は2に記載の塗工紙。
  4. 前記塗工層がキャスト法により設けられ、JIS P 8119に基づいて測定したベック平滑度が500秒以上、Tappi T536cm−02に基づいて測定した透気度が1000秒以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙。
  5. 次記処理を行ったときのJIS H 8686−2に基づいて測定した写像性の低下率が20%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙。
    (処理)
    前記塗工層表面にメチルエチルケトンをNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱する。
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