JP2009062487A - マイクロカプセル、塗膜形成用樹脂組成物、塗膜及びマイクロカプセルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単孔構造を有するシェルに、コア剤として沸点が30〜200℃の物質が内包されたマイクロカプセルであって、平均粒子径が1〜10μm、アスペクト比が1〜1.1、かつ、30〜200℃の所定の温度にて10分間加熱した後の平均粒子径の変化率が100±5%以内であるマイクロカプセル。
【選択図】なし
Description
しかしながら、例えば特許文献3に記載の蓄熱粒子を用いた場合、乾燥工程において完全に内包液体を除去することができないなど、従来の液体内包型マイクロカプセルを用いた場合、スラリー中での分散性、乾燥工程後に得られる塗膜の空孔状態、及び、表面の平滑性の何れかが不充分であり、上述した各種の用途の好適に使用できないものであった。
以下に本発明を詳述する。
上記コア剤としては、沸点が30〜200℃であり、加熱等により容易に蒸散させることができるものであれば特に限定されず、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、水、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、オクタノール、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ニトロメタン、ニトロエタン、アセトニトリル、アニリン、2−ピロリドン、水等が挙げられる。
なかでも、水及び/又は水に対する溶解度が15g/L以上の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には例えば、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、オクタノール、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ニトロメタン、ニトロエタン、アセトニトリル、アニリン、2−ピロリドン等が挙げられる。
なお、本明細書において、沸点とは1atmでの沸点のことをいう。
上記単孔構造を有することにより、上記シェルの内部に形成された空隙は密閉性に優れたものとなり、各種用途に本発明のマイクロカプセルを用いる場合に、空隙内にバインダー成分や他の成分が侵入して、得られる塗膜の空孔の割合が低下するといった不具合を防止することができる。
なお、本明細書において、「単孔構造」とは、多孔質状等のように複数の空隙を有する場合は含まず、ただ1つの閉じた空隙を有する構造のことをいう。
なお、本明細書において、空隙率とは、マイクロカプセルの全体積に占める、コア剤を除いた空隙部分の体積比のことをいい、例えば、透過型電子顕微鏡で撮影した写真をもとに、平均粒子径(外径)及び平均内孔径を測定し、空隙部分の体積とマイクロカプセルの体積との比を算出することにより測定することができる。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
式中、Fは微粒子の10%圧縮変形における荷重値(kg)を表し、Sは微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)を表し、Rは微粒子の半径(mm)を表す。
上記平均粒子径の変化率が100±5%以内であることは、30〜200℃において加熱膨張することなく、平均粒子径が変化しないことを意味する。30〜200℃において加熱膨張してしまうようなマイクロカプセルを使用すると、マイクロカプセルを塗工した塗膜を乾燥してコア剤を除去し多孔性塗膜を得ようとする際に、膨張した粒子によって塗膜の平滑性が失われてしまう。
なお、上記温度以外の条件については、一般的なシート用乾燥機の運転条件を表す。
このようなマイクロカプセルの製造方法もまた本発明の1つである。
これら架橋性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記一次乳化工程において、上記非重合性物質の添加量の下限は一次乳化液の全量に対して50重量%である。50重量%未満であると、得られるマイクロカプセルのシェルが厚くなり、得られるマイクロカプセルの空隙率が低下する。好ましい下限は50重量%、好ましい上限は95重量%である。
上記無機塩はモノマー成分の溶解度を低下させ、重合を抑制する働きがある。上記無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、上記水溶性重合禁止剤は、溶媒での重合を抑制する目的で添加するものであり、具体的には例えば、亜硫酸ナトリウム、塩化銅、塩化鉄、塩化チタン、ヒドロキノン等が挙げられる。
上記モノマー溶液と不溶な溶液を除去する方法としては特に限定されず、例えば、加熱によって乾燥する方法;系全体を減圧する方法等が挙げられる。
また、本発明の塗膜形成用樹脂組成物を用いてなる塗膜もまた、本発明の1つである。
また、上記バインダー樹脂の含有量の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は30重量%である。0.1重量%未満であると、塗膜の耐久性が低下することがあり、30重量%を超えると、得られる塗膜の空孔の比率が極めて低くなることがある。
(1)マイクロカプセルの調製
親水性モノマーとしてアクリロニトリル20重量部と、架橋性モノマーとしてポリプロピレングリコールジメタクリレート50重量部(ポリオキシエチレンユニット数=7;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)、トリメチロールプロパントリアクリレート30重量部と、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25重量部と、親油性乳化剤としてのグリセリンモノステアレート2重量部とを混合・攪拌し、モノマー溶液を調製した。
得られた水内包型マイクロカプセル含有スラリー100重量部(マイクロカプセル25重量部、固形分10重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
親水性モノマーとしてメタクリル酸25重量部、メタクリロニトリル25重量部と、架橋性モノマーとして、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ポリオキシエチレンユニット数=1;日本油脂社製、ブレンマーPDE−50R)10重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート40重量部と、非重合性物質としてノルマルヘキサン145重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、ノルマルヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル含有スラリー1750重量部(マイクロカプセル700重量部、固形分285.7重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
親水性モノマーとしてアクリロニトリル25重量部と、架橋性モノマーとして、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ポリオキシエチレンユニット数=1;日本油脂社製、ブレンマーPDE−50R)25重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート50重量部と、非重合性物質としてシクロヘキサン145重量部、酢酸エチル40重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、シクロヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル含有スラリー30重量部(マイクロカプセル15重量部、固形分5.3重量部)及びPVAを20重量%含有する水溶液50重量部を混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
実施例3で得られた溶剤内包マイクロカプセルを含有するスラリーを、噴霧乾燥機を用いて乾燥することにより、粉体状の乾燥マイクロカプセルを得た。
得られた乾燥マイクロカプセル12.5重量部と、アクリル系樹脂を10重量%含有するトルエン溶液500重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
モノマー成分として、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(ポリオキシプロピレンユニット数=約7;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)50重量部、メタクリル酸メチル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、非重合性物質としてヘプタン100重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、ヘプタン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル含有スラリー100重量部(マイクロカプセル33重量部、固形分17重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
親水性モノマーとしてメタクリル酸25重量部、メタクリロニトリル25重量部と、架橋性モノマーとして、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ポリオキシエチレンユニット数=1;日本油脂社製、ブレンマーPDE−50R)10重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート40重量部と、非重合性物質としてシクロヘキサン100重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、シクロヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル含有スラリー300重量部(マイクロカプセル45重量部、固形分22.5重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
モノマー成分として、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(ポリオキシプロピレンユニット数=約7;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)10重量部、メタクリロニトリル40重量部、メタクリル酸40重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート10重量部、非重合性物質としてノルマルヘキサン145重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、ノルマルヘキサン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル含有スラリー1800重量部(マイクロカプセル630重量部、固形分257重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
モノマー成分としてメタクリル酸メチル98重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2重量部、非重合性物質として50℃にて融解させた脂肪族炭化水素からなるパラフィンワックス(SCP−0028、日本精蝋社製:融点28.1℃)100重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5重量部を混合、撹拌し、次いで、イオン交換水93.3重量部、分散剤としてDBSNa(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を1.5重量部添加、撹拌して乳化モノマー液を調製した。
得られたワックス内包マイクロカプセルを含有するスラリー750重量部(マイクロカプセル450重量部、固形分225重量部)と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られたマイクロカプセル組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
モノマー成分としてアクリロニトリル70重量部、メタクリロニトリル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.003重量部、非重合性物質としてノルマルペンタン20重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、ノルマルペンタン分散型の一次乳化液を調製した。
得られた溶剤内包マイクロカプセル25重量部と、PVAを20重量%含有する水溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られたマイクロカプセル組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
比較例4で得られた溶剤内包マイクロカプセルを150℃、1分間加熱し、発泡済みを得た。分級装置を用いて平均粒子径が10μm以上の発泡済みを除外して、分級済マイクロカプセルを得た。
得られた分級済マイクロカプセル3重量部及びPVAを20重量%含有する水溶液50重量部を混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)マイクロカプセルの調製
比較例5と同様の方法で分級済マイクロカプセルを調製した。
得られた分級済マイクロカプセル0.5重量部と、アクリル系樹脂を10重量%含有するトルエン溶液50重量部とを混合することにより塗膜形成用樹脂組成物を得た。得られた塗膜形成用樹脂組成物を、基材としてのPETシート上にグラビアコートを用いて15μm(固形分)の厚さに塗工した後、熱風ドライヤーにて120℃、1分間加熱乾燥を行うことにより、塗膜を形成した。
(1)平均粒子径、加熱後の平均粒子径の変化率、短径に対する長径の比
各実施例及び比較例で得られたマイクロカプセル、及び、同サンプルを内温200℃のオーブンで10分間加熱した後のマイクロカプセルを投下型電子顕微鏡で写真撮影し、得られた写真から350個分の写真を無作為に抽出し、長径及び短径を計測した。
そして、長径を粒子径とし、その数平均を平均粒子径とした。また、長径を短径で割ることにより、短径に対する長径の比を算出し、その数平均を計算した。
また、加熱による粒径変化率を下記式(1)を用いて算出した。
200℃10分間加熱後の平均粒子径変化率(%)
=(加熱後の平均粒子径/加熱前の平均粒子径)×100 (1)
各実施例及び比較例のマイクロカプセルを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、得られた写真から350個分の写真を無作為に抽出し、粒子内孔径を測定し、その数平均を求めた。
そして、得られたマイクロカプセルを真球と仮定して、平均粒子径(外径)及び平均内孔径からそれぞれ体積を求めた後、{(空孔の体積/マイクロカプセルの体積)×100}を算出することにより、空隙率を求めた。
コア剤を除去したマイクロカプセルを、エポキシ樹脂に包埋して切削し、その断面を走査型電子顕微鏡により観察した。
島津製作所製「PCT−200」を用い、実施例及び比較例で得られたマイクロカプセルの10%K値を下記式(2)により求めた。
K値(N/mm2)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2 (2)
F:導電性微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:導電性微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:導電性微粒子の半径(mm)
実施例及び比較例で得られた塗膜形成用樹脂組成物の溶液状態を目視にて確認した。
実施例及び比較例で得られた塗膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、塗膜中の空孔の状態を評価した。
実施例及び比較例で得られた塗膜の表面をSEMを用いて観察し、表面の平滑性を評価した。平滑性を有する場合を○ 平滑性を有しない場合を×とした。
一方、比較例1で得られた多孔構造のマイクロカプセルを用いた場合、マイクロカプセルのシェル部分にバインダー樹脂の含浸が起こることによって、形状保持することができず、また、平均粒子径が大きいため、表面平滑性が悪くなっていることがわかる。
比較例2で得られたマイクロカプセルを用いた場合は、シェル部分の架橋度が不足することによって、マイクロカプセルが扁平状に変形し、マイクロカプセルにつぶれが生じることによって空孔形状が不均一となっていた。
比較例3で得られたマイクロカプセルを用いた場合は、内包する溶剤の沸点が高いため、乾燥工程で除去することができず、空孔が得られなかった。
比較例4で得られたマイクロカプセルを用いた場合は、乾燥工程において発泡することによって、表面平滑性の低下が見られた。
比較例5で得られたマイクロカプセルを用いた場合は、塗膜形成用樹脂組成物中でマイクロカプセルの浮遊が見られ、分散性が著しく損なわれたため、塗工することができなかった。なお、比較例5で得られたマイクロカプセルを、比較例6のようにアクリル系樹脂10重量%トルエン溶液で分散させた場合、分散性の問題は解消され、塗工は可能であるが、シェル部分の架橋度が不足することによって、粒子のつぶれが観察された。
Claims (8)
- 単孔構造を有するシェルに、コア剤として沸点が30〜200℃の物質が内包されたマイクロカプセルであって、
平均粒子径が1〜10μm、
アスペクト比が1〜1.1、かつ、
30〜200℃の所定の温度にて10分間加熱した後の平均粒子径の変化率が100±5%以内である
ことを特徴とするマイクロカプセル。 - コア剤は、水及び/又は水に対する溶解度が15g/L以上の有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のマイクロカプセル。
- コア剤を50重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロカプセル。
- 23℃におけるK値が1〜1000N/mm2であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマイクロカプセル。
- 請求項1、2、3又は4記載のマイクロカプセル、バインダー樹脂及び溶媒を含有することを特徴とする塗膜形成用樹脂組成物。
- 請求項1、2、3又は4記載のマイクロカプセルを5〜90重量%、バインダー樹脂を0.1〜30重量%含有することを特徴とする請求項5記載の塗膜形成用樹脂組成物。
- 請求項5又は6記載の塗膜形成用樹脂組成物を用いてなることを特徴とする塗膜。
- 架橋性モノマー、25℃における水に対する溶解度が20g/L以上の親水性モノマー及び重合開始剤を含有するモノマー溶液に、沸点が0〜200℃である非重合性物質を添加、攪拌することにより、前記モノマー溶液中に前記非重合性物質からなる液滴が分散した一次乳化液を調製する一次乳化工程、
前記一次乳化液を前記モノマー溶液と不溶な溶液中に添加、攪拌することにより、前記非重合性物質を内包するモノマー溶液からなる液滴が、前記モノマー溶液と不溶な溶液中に分散した二次乳化液を調製する二次乳化工程、及び、
前記架橋性モノマーと親水性モノマーとを重合させる重合工程を有するマイクロカプセルの製造方法であって、
前記一次乳化工程において、前記一次乳化液の全量に対して、前記架橋性モノマーを25重量%以上、前記親水性モノマーを10重量%以上、及び、前記非重合性物質を50重量%以上添加することを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
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