以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明で使用される光硬化性転写シート10の実施形態の代表例を示す断面図である。光硬化性転写層11には、一方の表面に、易接着層12aを有するポリマーフィルム12bからなる易接着フィルム12、及び他方の表面に剥離シート13が設けられている。易接着フィルム12は、易接着層12aにより光硬化性転写層11に強力に接着されている。従って、易接着層12aは、光硬化性転写層11、硬化後の光硬化性転写層11及びポリマーフィルム12bと優れた接着性を示す。また、ポリマーフィルム12bにより、光硬化性転写シート10及び硬化後の光硬化性転写シート10の膜自立性が付与されている。剥離シート13は、保護のためのシートで、通常使用時に除去される。剥離シートは、一般に、プラスチックシート上に剥離層が設けられたものであり、剥離層が光硬化性転写層11の表面と接触するように設けられている。
本発明の光硬化性転写層11は、金型(好ましくはスタンパ)の微細凹凸パターン表面を押圧することにより精確に転写できるように、加圧により変形し易い層であるとともに、硬化後において金型の剥離性にも優れた層である。即ち、光硬化性転写層11は、光硬化性組成物(一般に、ポリマーと光重合性官能基を有する反応性希釈剤とを含む)からなり、且つ光硬化性組成物が、滑剤としてリン原子含有化合物を含んでいる。上記特定の滑剤を含むことにより、硬化した転写層の表面が金型(特にニッケル製)と剥離しやすい状態となるため、硬化した転写層の一部が金型に付着することがほとんど無い。また、硬化した転写層は易接着フィルム12が接着されているので、転写層は、易接着フィルム12と一体となって、自立性を有しているため金型の剥離が極めて容易となっている。
加えて、上記のように硬化転写層と金型との剥離性が大幅に向上しているので、金型を除去する際の負荷も小さくなっている。従って、金型に硬化転写層の一部が付着することが無いため、硬化転写層の表面の凹凸部分が転写されたまま完全に残ることができ、欠陥のない微細凹凸パターンを得ることができる。上記効果は、金型がスタンパの場合、特にニッケル製のスタンパの場合に大きい。
本発明では、光硬化性組成物は、ポリマーとして、ガラス転移温度が80℃以上のポリマーを含むことが好ましい。これにより、金型(好ましくはスタンパ)の微細凹凸パターンが容易に転写でき、その後の硬化も高速で行うことができる。また硬化された形状も高いTg有するのでその形状が変わることなく長期に維持され得る。ガラス転移温度が80℃以上のポリマーとしては、重合性官能基を有することが、反応性希釈剤と反応が可能となり硬化の高速化に有利である。またヒドロキシル基を有することにより、転写層11にジイソシアネートを含ませることで、ポリマーを僅かに架橋させることが可能となり、転写層のしみ出し、層厚変動が大きく抑えられた層とするのに特に有利である。ジイソシアネートは、ヒドロキシル基の無いポリマーでもある程度有効である。
次に、上記本発明の光硬化性転写シート10を用いて、本発明の微細凹凸パターンの形成方法について、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。一般にナノインプリントプロセス法もこの微細凹凸パターンの形成方法のように行うことができる。
図2に、本発明の微細凹凸パターンの形成方法における代表的な実施の形態の概略を描いた断面図を示す。まず光硬化性転写シート10から、剥離シート13を除去し、光硬化性転写層11を露出させる。光硬化性転写層11は易接着フィルム12のポリマーフィルム12b上の易接着層12aに接着、固定されている。スタンパ14を、スタンパ14の微細凹凸パターンが光硬化性転写層11の表面に対向するように配置する(1)。続いて、光硬化性転写層11上に、スタンパ14を押圧する(2)。押圧が可能なように、光硬化性転写層11は必要に応じて加熱される。常温で押圧可能であれば加熱する必要はない。この状態で、光硬化性転写層11を、光(UV)照射することにより、硬化させる。その後、スタンパ14を硬化した光硬化性転写層11Cから除去する(3)。このようにして、微細凹凸パターンを光硬化性転写層11上に形成する。本発明では、スタンパ14の微細凹凸パターンを有する表面に載置される光硬化性転写層11が滑剤としてリン原子含有化合物を含んでおり、光硬化性転写層11の裏面には自立性を付与する易接着フィルム12が接着されている。このため、スタンパ14を硬化した光硬化性転写層11からきわめて容易に除去することができ、かつ、その硬化層の一部がスタンパ側に移ることもない。従って、例えば、ナノインプリントによる成形を連続的に行うこともできる。上記方法では金型としてスタンパを用いて説明したが他の金型でも同様に行うことができる。なお本発明の光硬化性転写シートは、光硬化性転写層を易接着層上に形成した後、少なくとも30分程度経過した後使用することが好ましい。これにより、光硬化性転写層と易接着層との優れた密着性を確保することができる。
図3に、本発明の微細凹凸パターンの連続的形成方法における代表的な実施の形態の概略を描いた断面図を示す。まず送りロール36aから光硬化性転写シート30が送り出され、剥離シート33が案内ロール36cを介して巻き取りロール36bに巻き取られて除去される。易接着フィルム32(ポリマーフィルム及びその上の易接着層)に接着、固定された露出した光硬化性転写層31は、矢印方向に搬送され、上下に作動するスタンパ部34とUVランプ37を備えたUV透過型圧着部35の間に来た時、搬送は停止し、スタンパ部34が上方に移動して光硬化性転写層31を押し上げるが、押し上げられた光硬化性転写層31の裏面側の易接着フィルム32はUV透過型圧着部35で支持されるため、光硬化性転写層31はスタンパ34で押圧されることになる。押圧後又は押圧と同時にUVランプ37で光照射され光硬化性転写層31は硬化する。その後スタンパ部34が下方移動すると共に硬化した易接着フィルム32付き光硬化性転写層31cは搬送が開始され、巻き取りロール36dにより巻き取られる。硬化した光硬化性転写層31cの表面には微細凹凸パターンが形成されている。易接着フィルム32上の光硬化性転写層31を、スタンパ34とUV透過型圧着部35とで押圧する際、光硬化性転写層31は一般に上記のように一時的に停止するが、スタンパ34とUV透過型圧着部35が一緒に移動しも良い。
本発明では、スタンパ34の微細凹凸パターンを有する表面に載置される光硬化性転写層31が滑剤としてリン原子含有化合物を含んでおり、光硬化性転写層31の裏面には膜自立性を付与する易接着フィルム32が接着されている。このため、スタンパ34を硬化した光硬化性転写層31から連続的にきわめて容易に除去することができ、かつ、その硬化層の一部がスタンパ側に移ることもない。
本発明で使用される易接着フィルム12、32は、ポリマーフィルム12b、32b及びその上の易接着層12a、32aからなるものである。
本発明において、ポリマーフィルム12b、32bは、一般にポリエステルフィルムである。このポリエステルは、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。
このようなポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等を挙げることができ、これらの共重合体又はこれと副成分(50モル%未満)としての他樹脂とのブレンドであってもよい。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。特に、ポリエチレン−2,6−ナフタレートは機械的強度の大きさ、熱収縮率の小ささ、加熱時のオリゴマー発生量の少なさなどの点でポリエチレンテレフタレートに優っており最も好ましい。
ポリエステルは、ホモポリマーでも、第三成分を共重合したコポリマーでもよいが、ホモポリマーが好ましい。ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合、コポリマーとしてイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートが最適である。このイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートは、イソフタル酸が5モル%以下であることが好ましい。ポリエステルにはイソフタル酸以外の共重合成分または共重合アルコール成分が、その特性を損なわない範囲、例えば全酸成分又は全アルコール成分に対して3モル%以下の割合で、共重合されていてもよい。共重合酸成分の例としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができ、またアルコール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
ポリエステルが、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである場合、主たるジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸が用いられ、主たるグリコール成分としてエチレングリコールが用いられる。ナフタレンジカルボン酸としては、例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができ、これらの中で2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ここで「主たる」とは、本発明のフィルムの成分であるポリマーの構成成分において全繰返し単位の少なくとも90モルl%、好ましくは少なくとも95モル%を意味する。
コポリマーの場合、コポリマーを構成する共重合成分としては、分子内に2つのエステル形成性官能基を有する化合物を用いることができ、このような化合物としては、例えば、蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、或いはプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグリコール等の2価アルコールを好ましく用いることができる。
これらの化合物は1種のみ用いてもよく、2種以上を用いることができる。またこれらの中で好ましくは酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香酸であり、グリコール成分としてはトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物である。
また、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってよく、極く少量の例えばグリセリン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で共重合したものであってもよい。
本発明におけるポリエステルは従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとを従来公知のエステル交換触媒である、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種または二種以上を用いて反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を用いることができる。
エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート中の含有量が20〜100ppmであることがポリエステルの熱安定性の点から好ましい。
なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中において更に固相重合を施してもよい。
本発明においてポリエステルは、エチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−カルボキシレート単位を90モル%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上有するポリエステルが好ましい。ポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることが更に好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満では工程切断が多発することがある。また0.9dl/gより高いと溶融粘度が高いため溶融押出しが困難になり、重合時間が長く不経済であり好ましくない。本発明におけるポリエステルフィルムは、実質的に粒子を含有していない必要がある。粒子を含有していると高透明性が損なわれたり、表面が粗面化してしまう。
本発明におけるポリエステルフィルムは、長手方向の140g/mm2荷重下の200℃での寸法変化率が−2〜+2%である必要がある。−2%未満または+2%を越えると、ポリエステルフィルム上に機能層を積層する際、あるいは積層した後に積層体にひび割れが生じたり、逆にしわが寄ることで積層体が破壊されるなどして充分な機能が発揮できなくなる。140g/mm2荷重下の200℃での寸法変化率は、より好ましくは−1.5〜+1.5%、さらに好ましくは−1〜+1%、特に好ましくは−0.5〜+0.5%である。本発明の高透明性易接着ポリエステルフィルムは、ヘーズ値が1.5%以下であることが好ましい。さらに好ましいヘーズ値は1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
3次元中心線平均粗さは、両面共に好ましくは0.0001〜0.02μm、さらに好ましくは、0.0001〜0.015μm、さらに好ましくは0.0001〜0.010μmである。特に、少なくとも片面の3次元中心線平均粗さが0.0001〜0.005μmであると、機能層を積層したときの機能層表面が極めて平坦となるので好ましい。少なくとも片面の最も好ましい表面粗さは、0.0005〜0.004μmである。
本発明における易接着フィルムのポリマーフィルムの厚さは1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは3〜400μm、更に好ましくは6〜300μm、特に好ましくは12〜250μmである。
本発明の易接着フィルムのポリエステルフィルムの好ましい製造方法について説明する。なおガラス転位温度をTgと略記する。本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更にTm180℃〜255℃で1〜60秒間熱処理を行うことにより得ることができる。
本発明におけるポリエステルフィルム等のポリマーフィルムの少なくとも一方の表面には、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂の1種又は2種以上の混合物の易接着層が設けられる。ポリエステル樹脂とアクリル樹脂(好ましくは、オキサゾリン基等の官能基を有するもの)との組合せ(A)、ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂(好ましくは水溶性、水分散性ポリウレタン)の組合せ(B)が好ましい。
組合せ(A)における、ポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂の易接着層は、以下の構成を有する。
組合せ(A)のポリエステル樹脂は、水(多少の有機溶剤を含有していても良い)に可溶性又は分散性のポリエステルが好ましい。
このようなポリエステル樹脂として、以下の多塩基酸又はそのエステル形成誘導体とポリオール又はそのエステル形成誘導体から得られるポリエステルが好ましい。
上記ポリエステル樹脂の多塩基酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を挙げることができる。これら酸成分が2種以上の共重合ポリエステルであることが好ましい。尚、ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはP−ヒドロキシ安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステル樹脂のポリオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパンや、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、あるいはこれらモノマーを挙げることができる。
組合せ(A)のアクリル樹脂は、オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有することが好ましく、特に水(多少の有機溶剤を含有していても良い)に可溶性又は分散性のアクリル樹脂が好ましい。このようなオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂としては以下に示すようなモノマーを成分として含むものを挙げることができる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンを挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。これらの内、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を用いることにより塗布層の凝集力が向上し、転写層との密着性がより強固になる。
また、ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付与させたものを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖はポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド等を挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は3〜100であることが好ましい。ポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を用いることにより、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂の相溶性がポリアルキレンオキシド連鎖を含有しないアクリル樹脂と比較して向上し、易接着層の透明性を向上させることができる。なお、ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位が3より少ないとポリエステル樹脂とアクリル樹脂との相溶性が低下して易接着層の透明性も低下し、100より大きい場合は易接着層の耐湿熱性が不十分となり、高湿度、高温下で転写層との密着性が悪化する。
アクリル樹脂のその他の共重合成分としては、例えば以下のモノマーを挙げることができる。即ち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシル基又はその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等。
易接着層を形成するポリエステル樹脂の易接着層中の含有割合は5〜95重量%であることが好ましく、特に50〜90重量%であることが好ましい。易接着層を形成するオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂の塗布層中の含有割合は5〜90重量%であることが好ましく、特に10〜50重量%であることが好ましい。ポリエステル樹脂が95重量%を超え、もしくはオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が5重量%未満になると塗布層の凝集力が低下し、転写層への接着性が不十分となる場合があり、好ましくない。アクリル樹脂が90重量%を超えるとポリエステルフィルムとの密着性が低下し、転写層への接着性が不十分となる場合があり好ましくない。
上記易接着層中には脂肪族ワックスを0.5〜30重量%含まれることが好ましく、1重量%〜10重量%含まれることが更に好ましい。この割合が0.5重量%より少ないとフィルム表面の滑性が得られないことがあり、好ましくない。30重量%を超えるとポリマーフィルムへの密着やハードコートや粘着剤等に対する易接着性が十分でない場合があり好ましくない。
上記の脂肪族ワックスの例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスバルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリフロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス等を挙げることができる。更に、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがより好ましい。特に環境問題や取扱のし易さから水分散体がより好ましい。
易接着層中には、平均粒子径が0.005〜0.5μmの範囲のフィラーを0.1〜20重量%含ませることが好ましい。塗布層中のフィラーの含有量が0.1重量%より少ないとフィルムの滑り性が不足し、ロール状に巻き取ることが困難になることがあり、20重量%を超えると塗布層の透明性が不足して、ディスプレイ用途に使用できなくなることがあり好ましくない。
上記のフィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンワックス等の有機微粒子等を挙げることができる。これらのうち、水不溶性の固体物質は、水分散液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない超微粒子を選ぶことが好ましい。
上記組合せ(A)の易接着層の塗設に用いられる塗布液は、水溶液、水分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。特に、滑剤を添加することで滑性、耐ブロッキング性を更に良好なものにすることができる。
上記塗布液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、更には配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
塗布液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。尚、塗膜は、必要に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
また、本発明の易接着層は、前記のポリエステル樹脂(好ましくは共重合ポリエステル樹脂)とポリウレタン樹脂(好ましくは水溶性、水分散性ポリウレタン)の組合せ(B)を含むことも好ましい。
上記共重合ポリエステル系樹脂単独では、ポリエステル等のポリマーフィルムとの接着性は十分であるが、転写層との接着性に劣る場合がある。また、ポリウレタン系樹脂単独では転写層とのとの接着性には優れるがポリエステル等のポリマーフィルムとの接着性に劣る場合がある。
上記共重合ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分と分岐したグリコール成分を構成成分とする。前記の分岐したグリコール成分としては、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールを挙げることができる。
上記の分岐したグリコール成分は、全グリコール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含まれる。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレンリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いても良い。
共重合ポリエステル系樹脂に構成成分として含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸及びイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,6−ナルタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分の他に、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフタル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好ましく、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジカルボン酸及び5−(4−スルフォフェノキシ)イソフタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
組合せ(B)で使用されるポリウレタン樹脂は、例えば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であり、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下ブロックと言う)した、熱反応型の水溶性ウレタン等を挙げることができる。上記イソシアネート基のブロック化剤としては、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノール類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メチレン化合物類等を挙げることができる。ブロック化されたイソシアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるいは水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット過程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロック化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため耐水性が劣るが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完了すると、ウレタン樹脂の親水基、即ちブロック化剤がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
上記ブロック化剤の内、熱処理温度、熱処理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、重亜硫酸塩類が最も好ましい。上記ポリウレタン樹脂において使用される、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000の化合物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは(3)分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応させて得られる末端イソシアネート基を有する化合物である。
上記(1)の化合物として一般に知られているものは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオール等を挙げることができる。 ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド類、或いはスチレンオキシドおよびエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそれらのランダム重合、ブロック重合或いは多価アルコールへの付加重合により得られる化合物がある。
ポリエステルポリオール及びポリエーテルエステルポリオールは、一般に直鎖状あるいは分岐状である。コハク酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和或いは不飽和カルボン酸、或いはこのカルボン酸無水物等と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類、或いはそれらアルコール類の混合物とを縮合させることにより得ることができる。
さらにポリエステルポリオールとしては、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド等を付加させたポリエーテルエステル類も使用することができる。
上記(2)の有機ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、或いはこれらの化合物を単一又は複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類を挙げることができる。
上記(3)の少なくとも2個の活性水素を有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、及びピペラジン等のジアミン類、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等のアミノアルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリコール類、或いは水を挙げることができる。
ウレタンプレポリマーを合成するには通常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシアネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは70〜120℃の温度において、5分ないし数時間反応させる。活性水素原子に対するイソシアネート基の比は、1以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポリマー中に遊離のイソシアネート基が残存することが必要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含有量は10重量%以下であればよいが、ブロック化された後のウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量%以下であるのが好ましい。
得られた上記ウレタンプレポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫酸塩水溶液と混合し、約5分〜1時間、よく攪拌しながら反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが好ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱反応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する際、適当な濃度及び粘度に調製するが、通常80〜200℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プレポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応によってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官能基への付加を起こす性質を有するようになる。
上記に説明したブロック型イソシアネート基を含有する樹脂の1例としては、第一工業製薬(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネート基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水性を有するカルバモイルスルホネート基が存在するため、水溶性となっている。
上記組合せ(B)で使用される、分岐したグリコール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(a)及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(b)を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(a)と樹脂(b)の重量比は(a):(b)=90:10〜10:90が好ましく、更に好ましくは(a):(b)=80:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対する上記樹脂(a)の割合が10重量%未満では、ポリマーフィルムへの塗布性が不良で、表面層とフィルムとの間の接着性が不十分となる。固形分重量に対する上記樹脂(b)の割合が10重量%未満の場合には、転写層に対して実用性のある接着性が得られない。
上記組合せ(B)の塗布液は、水性塗布液であることが好ましい。この塗布液を前記のポリマーフィルム表面に塗布する際には、フィルムへの濡れ性を改善させ、塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性活性剤およびノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、イソプロピルアルコール及びベンジルアルコール等のアルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とする。
有機溶剤の添加量が50重量%未満であれば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには火災などの危険性も考えられる。
本発明の易接着層の厚さは、0.01〜0.3μmの範囲、特に0.02〜0.2μmの範囲あることが好ましい。
本発明で使用される光硬化性転写シートは、上記本発明の易接着フィルム上に、滑剤としてリン原子含有化合物を含む、加圧により変形可能な光硬化性組成物からなる光硬化性転写層を有するものである。
本発明の上記光硬化性組成物は、一般に、上記リン原子含有化合物、ポリマー(好ましくはガラス転移温度が80℃以上のポリマー)、光重合性官能基(一般に炭素炭素2重結合基、好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する反応性希釈剤(モノマー及びオリゴマー)、光重合性開始剤及び、所望により他の添加剤から構成される。
本発明の特徴的要件は、上記光硬化性組成物が、滑剤としてリン原子含有化合物を含むことにもある。リン原子含有化合物としては、スタンパ等の金型材料に対して滑剤の機能を示すリン原子含有化合物であればどのようなものでも使用することができる。例えば、リン酸アルキルポリオキシアルキレン化合物及びリン酸アルキルエステル化合物等のリン酸アルキルエステル系化合物、リン酸塩及びリン酸アミド等を挙げることができる。
リン酸アルキルエステル化合物としては、例えば、リン酸トリアルキルエステル(例、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート)、リン酸トリアリールエステル(例、トリクレジルホスフェート、トリトリルホスフェート)等を挙げることができる。リン酸塩としては、例えば、リン酸のナトリウム塩(例、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム)を挙げることができる。またリン酸アミドとしては、例えば、トリス(エチレンイミノ)リン酸アミド、トリス(メチルエチレンイミノ)リン酸アミド、ヘキサメチルリン酸アミド等を挙げることができる。さらにリン脂質界面活性剤(例えばレシチン)、リンの塩素化合物(例、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン)等を挙げることができる。
本発明のリン原子含有化合物としては、リン酸アルキルエステル系化合物、特にリン酸アルキルポリオキシアルキレン化合物或いはリン酸エステル型陰イオン界面活性剤が好ましい。
上記リン酸アルキルエステル系化合物としては、下記の一般式(I):
[但し、R1、R2及びR3が、相互に独立してそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルポリオキシアルキレン基又はアリールポリオキシアルキレン基を表し、それぞれ置換基を有していても良く、且つR1、R2及びR3の少なくとも1個は水素原子以外の基を表す。]
で表される化合物を使用することが好ましい。
上記一般式(I)において、アルキル基としては、一般に炭素原子数1〜10のアルキル基であり、アリール基としては一般にフェニル基であり、アルキルアリール基としては一般に炭素原子数1〜3のアルキル基を有するフェニル基であり、アリールアルキル基としては、一般にフェニルアルキル基(アルキル基は炭素原子数1〜3アルキル基)であり、アルキルポリオキシアルキレン基としては、一般に炭素原子数5〜20のアルキルポリオキシエチレン基又は炭素原子数7〜20のアルキルポリオキシプロピレン基であり、アリールポリオキシアルキレン基としては、一般に炭素原子数10〜30のアルキルフェニルポリオキシエチレン基又は炭素原子数12〜30のアルキルフェニルポリオキシプロピレン基、或いは炭素原子数9〜30のフェニルポリオキシエチレン基又は炭素原子数11〜30のフェニルポリオキシプロピレン基である。置換基としては、ハロゲン(特に塩素、臭素)、アルキルアンモニウム塩(特に−N+(CH3)3)、ビニル基を挙げることができる。R1、R2及びR3の全てが水素原子以外の基であることが好ましく、R1、R2及びR3の全てが同一であることが特に好ましい。
上記リン酸アルキルエステル系化合物(I)は、特に下記の一般式(II):
[但し、R4が、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し、それぞれ置換基を有していても良く、
R5が、 −CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−を表し、そして
nが1〜20を表す。]
リン酸アルキルポリオキシアルキレン化合物であることが好ましい。
R4において、アルキル基としては炭素原子数1〜20のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、セチル)、特に炭素原子数4〜18のアルキル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましく、アルキルアリール基としては炭素原子数1〜3のアルキル基を有するフェニル基(特にメチルフェニル)が好ましく、アリールアルキル基としてはフェニルアルキル基(特にアルキル基は炭素原子数1〜3のアルキル基)が好ましい。置換基としては、ハロゲン(特に塩素、臭素)を挙げることができるが、有しないことが好ましい。
またR5は−CH2CH2−が好ましい。nは、1〜10、特に2〜5が好ましい。
上記一般式(II)で表されるリン酸アルキルポリオキシアルキレン化合物は、商品名:LTP−2(川研ファインケミカル(株)製)、商品名:N3A及びN10A(クローダジャパン(株)製)が市場で入手可能であり、好ましい。上記N3Aは、式(II)におけるR1:オクチル、R2:−CH2CH2−、n:3である化合物、上記N10Aは、式(II)におけるR1:オクチル、R2:−CH2CH2−、n:10である化合物である。
リン原子含有化合物は、光硬化性組成物(不揮発分)中に0.01〜1質量%、特に0.01〜0.5質量%、中でも0.02〜0.2質量%の範囲で含まれている。1質量%より多い場合は、反射層への接着性が低下し、0.01質量%より少ない場合は、スタンパからの剥離性が十分に良好とは言えない。
本発明の光硬化性組成物の一般的な構成要件である光重合性官能基を有する反応性希釈剤としては、例えば、(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
グリセリンジアクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;
ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と、有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4'−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2',4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合可能な官能基を有する化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
前記ポリマー(好ましくはガラス転移温度が80℃以上)としては、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ビニルアセテート/(メタ)アクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル及びその共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等を挙げることができる。
本発明では、良好な転写性及び優れた硬化性の点から、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、前述したように、重合性官能基を有するアクリル樹脂又はヒドロキシル基を有するアクリル樹脂であることが特に好ましい。またアクリル樹脂は、メチルメタクリレートの繰り返し単位を少なくとも50質量%(特に60〜90質量%)含むことが、Tg80℃以上のアクリル樹脂を得られやすく、また良好な転写性、高速硬化性も得られやすく好ましい。
上記重合性官能基を有するアクリル樹脂は、一般に重合性官能基を有するアクリル樹脂が、メチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体で、且つ該グリシジル基に重合性官能基を有するカルボン酸が反応したもの、或いはメチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、重合性官能基を有するカルボン酸との共重合体で、且つ該カルボン酸基にグリシジル(メタ)アクリレートが反応したものである。
メチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体である。メチルメタクリレートは、その繰り返し単位として、ポリマー中に50質量%以上(特に60〜90質量%)含まれることが好ましい。反応性希釈剤との適当な組合せにより、良好な転写性と優れた硬化性の両立が容易となる。アルコール残基が炭素原子数2〜10個(特に3〜5個)のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。またこのような(メタ)アクリル酸エステルは、その繰り返し単位として、ポリマー中に、一般に5〜30質量%、特に10〜30質量%含まれることが好ましい。グリシジル(メタ)アクリレート又は重合性官能基を有するカルボン酸は、その繰り返し単位として、ポリマー中に、一般に5〜25質量%、特に5〜20質量%含まれることが好ましい。得られた共重合体のグリシジル基又はカルボン酸基に、それぞれ重合性官能基を有するカルボン酸又はグリシジル(メタ)アクリレートを反応させる。
上記ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂は、一般にメチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個(特に3〜5個)のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、アルコール残基がヒドロキシル基を有する炭素原子数2〜4個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種との共重合体である。メチルメタクリレートは、その繰り返し単位として、ポリマー中に50質量%以上(特に60〜90質量%)含まれることが好ましい。反応性希釈剤との適当な組合せにより、良好な転写性と優れた硬化性の両立が容易となる。アルコール残基が炭素原子数2〜10個(特に3〜5個)のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。またこのような(メタ)アクリル酸エステルは、その繰り返し単位として、ポリマー中に、一般に5〜30質量%、特に10〜30質量%含まれることが好ましい。アルコール残基がヒドロキシル基を有する炭素原子数2〜4個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができ、その繰り返し単位として、ポリマー中に、一般に5〜25質量%、特に5〜20質量%含まれることが好ましい。
前記重合性官能基を有するアクリル樹脂は、例えば、以下のように製造することができる。
1種又は複数種の(メタ)アクリルモノマー(好ましくは上述の、メチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、グリシジル基を1個かつ重合性官能基を1個有する化合物(好ましくはグリシジル(メタ)アクリレート)或いは重合性官能基を有するカルボン酸とを、ラジカル重合開始剤と有機溶剤の存在下で溶液重合法などの公知の方法にて反応させて共重合体であるグリシジル基含有アクリル樹脂(a)又はカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)を得る。(メタ)アクリルモノマー等のモノマー類の配合割合はグリシジル基含有アクリル樹脂(a)又はカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の固形分換算合計量に対して10〜45質量%とすることが好ましい。
次いで得られたグリシジル基含有アクリル樹脂(a)に重合性官能基を有するカルボン酸を加え、或いは得られたカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)にグリシジル基を1個かつ重合性官能基を1個有する化合物(好ましくはグリシジルメタクリレート)を加え、必要に応じ加熱することによりアクリル系光硬化型樹脂(A)又はアクリル系光硬化型樹脂(B)を得る。この配合比は、グリシジル基とカルボキシル基のモル比が1/0.9〜1/1となるように配合するのが好ましく、より好ましくは1/1である。グリシジル基過剰では長期安定性において増粘、ゲル化のおそれがあり、カルボキシル基過剰では皮膚刺激性が上がり作業性が低下する。さらに1/1の場合は残存グリシジル基がなくなり、貯蔵安定性が顕著に良好になる。反応は塩基性触媒、リン系触媒などの存在下で公知の方法にて行うことができる。
上記OH又は重合性官能基を有するアクリル樹脂を含み、本発明で用いることができるアクリル樹脂を構成する主成分として使用することができる(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸の各種エステルを挙げることができる。アクリル酸又はメタクリル酸の各種エステルの例として、メチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリレートとはアクリレート及びメタクリレートを示す。以下同様)、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、ピレノキシド付加物(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。さらに不飽和基を含有する芳香族化合物(例、スチレン)も使用しても良い。
本発明では、前述のように、アクリル系モノマーの主成分としては、メチルメタクリレートと、アルコール残基が炭素原子数2〜10個のアルキルの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種を使用することが好ましい。
本発明のポリマー(好ましくはガラス転移温度が80℃以上)は、数平均分子量が100000以上、特に100000〜300000、そして重量平均分子量が100000で以上、特に100000〜300000であることが好ましい。
さらに本発明では、ポリマー(好ましくはガラス転移温度が80℃以上)として、ヒドロキシル基等の活性水素を有する官能基及び光重合性官能基の両方を有するポリマーも使用することができる。このような反応性ポリマーとしては、例えば、主として前記アクリル系モノマーから得られる単独重合体又は共重合体(即ちアクリル樹脂)で、且つ、主鎖又は側鎖に光重合性官能基及び活性水素を有する官能基を有するものである。従って、このような反応性ポリマーは、例えば、メチルメタクリレートと、前記1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(例、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応し且つ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。その際、ヒドロキシル基が残るようにイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートの量を調節して使用することにより、活性水素を有する官能基としてヒドロキシル基及び光重合性官能基を有するポリマーが得られる。
或いは上記において、ヒドロキシル基の代わりにアミノ基を有する(メタ)アクリレート(例、2−アミノエチル(メタ)アクリレート)を用いることにより活性水素を有する官能基としてアミノ基を有する、光重合性官能基含有ポリマーを得ることができる。同様に、活性水素を有する官能基としてカルボキシル基等を有する、光重合性官能基含有ポリマーも得ることができる。
本発明では、前記光重合性官能基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂も好ましい。
上記光重合性官能基を有するポリマーは、光重合性官能基を一般に1〜50モル%、特に5〜30モル%含むことが好ましい。この光重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が好ましく、特にアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
本発明の光硬化性組成物中に添加され得るジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4’−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。またトリメチロールプロパンのTDI付加体等の3官能以上のイソシアネート化合物等のポリイソシアネートシアネートも使用することができる。これらの中でトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加体が好ましい。
本発明のジイソシアネートは、光硬化性組成物(不揮発分)中に0.2〜4質量%、特に0.2〜2質量%の範囲で含まれていることが好ましい。転写層のしみ出しを防止するために適当な架橋がもたらされると共に、スタンパ等の金型の凹凸の良好な転写性も維持される。上記化合物とポリマーとの反応は、転写層形成後、徐々に進行し、常温(一般に25℃)、24時間でかなり反応している。転写層形成用の塗布液を調製した後、塗布するまでの間にも反応は進行するものと考えられる。転写層を形成後、ロール状態で巻き取る前にある程度硬化させることが好ましいので、必要に応じて、転写層を形成時、或いはその後、ロール状態で巻き取る前の間に加熱して反応を促進させても良い。
本発明の光硬化性組成物は、上述のように、一般に、特定の滑剤、ガラス転移温度が80℃以上のポリマー、光重合性官能基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する反応性希釈剤(モノマー及びオリゴマー)、光重合性開始剤及び、所望により他の添加剤から構成される。ポリマーと反応性希釈剤との質量比は、20:80〜80:20、特に30:70〜70:30の範囲が好ましい。
本発明の光硬化性転写層の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率は、25℃において1×107Pa以下であることが好ましく、特に1×104〜6×105Paの範囲であることが好ましい。また80℃において8×104Pa以下であることが好ましく、特に1×104〜5×105Paの範囲であることが好ましい。これにより、精確で迅速な転写が可能となる。さらに、本発明の光硬化性転写層は、ガラス転移温度を20℃以下であることが好ましい。これにより、得られる光硬化性転写層がスタンパ等の金型の凹凸面に圧着されたとき、常温においてもその凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃、特に15℃〜−10℃の範囲にすることにより追随性がたものとなる。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力及び高圧力が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
また上記光硬化性組成物からなる光硬化性転写層は、300mJ/cm2の紫外線照射後のガラス転移温度が65℃以上となるように設計されていることが好ましい。短時間の紫外線照射により、転写での残留応力から発生しやすいピット形状等のダレ発生を防止することが容易で、転写されたピット形状等を保持することができる。本発明の光硬化性組成物からなる光硬化性転写層は、主として、上記好ましいポリマー、以下の反応性希釈剤を使用することにより有利に得ることができる。
光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系又は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。光硬化性組成物(不揮発分)中に、光重合開始剤を一般に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含むことが好ましい。
光重合開始剤のうち、アセトフェノン系重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1など、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンッゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどが使用できる。
アセトフェノン系重合開始剤としては、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。また、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
本発明では、上記光重合性官能基を有する反応性希釈剤及び光重合開始剤に加えて、所望により下記の熱可塑性樹脂及び他の添加剤を添加することが好ましい。
他の添加剤として、シランカップリング剤(接着促進剤)を添加することができる。このシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらシランカップリング剤の添加量は、上記ポリマー(固形分)100質量部に対し通常0.01〜5質量部で十分である。
また同様に接着性を向上させる目的でエポキシ基含有化合物を添加することができる。エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;アクリルグリシジルエーテル;2−エチルヘキシルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;フェノールグリシジルエーテル;p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル;アジピン酸ジグリシジルエステル;o−フタル酸ジグリシジルエステル;グリシジルメタクリレート;ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有した分子量が数百から数千のオリゴマーや重量平均分子量が数千から数十万のポリマーを添加することによっても同様の効果が得られる。これらエポキシ基含有化合物の添加量は上記ポリマー(固形分)100質量部に対し0.1〜20質量部で十分で、上記エポキシ基含有化合物の少なくとも1種を単独で又は混合して添加することができる。
さらに他の添加剤として、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
上記炭化水素樹脂等の樹脂の添加量は適宜選択されるが、上記ポリマー(固形分)100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。
以上の添加剤の他、本発明の光硬化性組成物は紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を少量含んでいてもよい。また、場合によってはシリカゲル、炭酸カルシウム、シリコーン共重合体の微粒子等の添加剤を少量含んでもよい。
本発明の光硬化性組成物からなる光硬化性転写シートは、本発明のリン原子含有化合物、ポリマー(好ましくはTg80℃以上)、光重合性官能基を有する反応性希釈剤(モノマー及びオリゴマー)、所望によりジイソシアネートシアネート及び、所望により他の添加剤とを均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形状に製膜して用いることができる。一般に易接着フィルムの易接着層に上に製膜する。より好ましい本発明の光硬化性接着剤の製膜方法は、各構成成分を良溶媒に均一に混合溶解し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコートしたセパレーターにフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコート法等により易接着層上に塗工し、溶媒を乾燥することにより製膜する方法である。
また、光硬化性転写シートの厚さは1〜1200μm、特に5〜500μmとすることが好ましい。特に5〜300μm(好ましくは150μm以下)が好ましい。1μmより薄いと封止性が劣り、一方、1000μmより厚いと得られる成形体の厚みが増し、成形体の収納、アッセンブリー等に問題が生じるおそれがある。
本発明で使用される光硬化性転写シートは、一般に、加圧により変形可能な光硬化性組成物からなる光硬化性転写層と、易接着性フィルムの無いもう一方の側の表面に剥離シートとを有する。
剥離シートは、一般にプラスチックフィルム上に、シリコーン等の表面張力の低い剥離層を有する。例えば、ヒドロキシル基を有するポリシロキサンと水素化ポリシロキサンとの縮合反応生成物からなる剥離層、或いは不飽和2重結合基(好ましくはビニル基)を有するポリシロキサン(好ましくはジメチルポリシロキサン)と水素化ポリシロキサン(好ましくはジメチルポリシロキサン)から形成される剥離層等を挙げることができる。
剥離シートのプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂フィルムを用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルムが好適に用いることができ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
本発明で使用される光硬化性転写シートは、加圧により変形可能な光硬化性組成物からなる光硬化性転写層とその一方の表面に易接着フィルム及び他方の表面に剥離シートを有するものであり、この場合、この光硬化性転写シートはアニール処理されていることが好ましい。即ち、アニール処理した光硬化性転写シートを用いて、凹凸パターンの形成に用いることが好ましい。アニール処理は、転写シートを30〜100℃、特に40〜70℃の温度で、1時間〜30日間、特に10時間〜10日間に亘って保管することにより行うことが好ましい。転写シートは、一般にロール状態(巻かれた状態)でアニール処理することが好ましい。このようなアニール処理により、剥離シートの剥離層の剥離を促進する成分(離型成分)が、光硬化性転写層への移行が進み、スタンパの除去が容易になると考えられる。
本発明に光硬化性転写シートは、膜厚精度を精密に制御したフィルム状で提供することができるため、スタンパ等の金型との貼り合わせを容易にかつ精度良くおこなうことが可能である。また、この貼り合わせは、圧着ロールや簡易プレスなどの簡便な方法で20〜100℃で仮圧着した後、光により常温、1〜数十秒で硬化できる上、本接着剤特有の自着力によりその積層体にズレや剥離が起き難いため、光硬化まで自由にハンドリングができるという特徴を有している。
本発明の光硬化性転写シートを硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザ光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、0.1秒〜数十秒程度、好ましくは0.5〜数秒である。紫外線照射量は、300mJ/cm2以上が好ましい。
また、硬化促進のために、予め積層体を30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
以下に実施例を示し、本発明についてさらに詳述する。