JP2009061212A - マイクロニードルおよびマイクロニードル製造方法 - Google Patents

マイクロニードルおよびマイクロニードル製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水平方向からの応力による破損を抑制することの出来るマイクロニードルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のマイクロニードルは、マイクロニードルの基底部形状がオーバル形状であることを特徴とする。本発明の構成によれば、基底部形状がオーバル形状であるため、オーバル形状の長軸方向に対する応力を緩和することが出来る。よって、水平方向からの応力を緩和することにより、水平方向からの応力による破損を抑制することが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、微細構造体であるマイクロニードルに関する。
皮膚上から薬剤を浸透させ体内に薬剤を投与する方法である経皮吸収法は、人体に痛みを与えることなく簡便に薬剤を投与することが出来る方法として用いられているが、薬剤の種類によっては経皮吸収法で投与が困難な薬剤が存在する。これらの薬剤を効率よく体内に吸収させる方法として、ミクロンオーダーのマイクロニードルを用いて皮膚を穿孔し、皮膚内に直接薬剤を投与する方法が注目されている。この方法によれば、投薬用の特別な機器を用いることなく、簡便に薬剤を皮下投薬することが可能となる(特許文献1参照)。
この際に用いる微細なマイクロニードルの形状は、皮膚を穿孔するための十分な細さと先端角、および皮下に薬液を浸透させるための十分な長さを有していることが必要とされ、突起部の直径は数μmから数百μm、突起部の長さは皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ神経層へ到達しない長さ、具体的には数十μmから数百μm程度のものであることが望ましいとされている。
より具体的には、最外皮層である角質層を貫通することが求められる。角質層の厚さは人体の部位によっても若干異なるが、平均して20μm程度である。また、角質層の下にはおよそ200μmから350μm程度の厚さの表皮が存在し、さらにその下層には毛細血管が張りめぐる真皮層が存在する。このため、角質層を貫通させ薬液を浸透させるためには少なくとも20μm以上の針が必要となる。また、採血を目的とするマイクロニードルを製造する場合には、上記の皮膚の構成から少なくとも350μm以上の高さの突起部が必要となる。
また、マイクロニードルを構成する材料としては、仮に破損したマイクロニードルが体内に残留した場合でも、人体に悪影響を及ぼさない材料であることが必要であり、この材料としては医療用シリコーン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等の生体適合樹脂が有望視されている(特許文献2参照)。
このような微細構造体を低コストかつ大量に製造するためには、射出成形法、インプリント法、キャスティング法等に代表される転写成形法が有効であるが、いずれの方法においても成形を行うためには所望の形状を凹凸反転させた原型が必要であり、マイクロニードルのようなアスペクト比(構造体の幅に対する高さ、もしくは深さの比率)が高く、先端部の先鋭化が必要である構造体を形成するためには、その製造工程が非常に複雑となる。
例えば、マイクロニードルを製造する方法として、X線リソグラフィによりマイクロニードルの原版を作製し、原版から複製版を作り、転写成形加工を行う製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、機械加工によりマイクロニードルの原版を作製し、原版から複製版を作り、転写成形加工を行う製造方法が提案されている(特許文献4参照)。
米国特許第6,183,434号明細書 特開2005−21677号公報 特開2005−246595号公報 特表2006−513811号公報
マイクロニードルのような微小な構造体を製造/使用した場合、応力が集中する場所が破損する問題がある。
特に、伸縮性のあるもの(例えば、生体皮膚など)に対して穿刺する場合、対象の伸縮性により、引っ張りもしくは圧縮応力がマイクロニードルに大きくかかり、マイクロニードルの垂直方向(マイクロニードルの基底部から先端部へ向かう方向)のみならず、水平方向に大きな応力がかかるため、マイクロニードルの破損が起こりやすい。
また、強度を向上させるため、単純にニードル径を大きくすると、医療用マイクロニードルとして使用する場合、穿刺時に痛点を刺激する確率が上がる。
また、ニードル径を大きくすると、複数のマイクロニードルを配列する場合、マイクロニードル間のピッチを小さく出来ず、面積あたりのマイクロニードルの本数を多く形成できない。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、水平方向からの応力による破損を抑制することの出来るマイクロニードルを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、微細構造体であるマイクロニードルにおいて、マイクロニードルの基底部形状がオーバル形状であることを特徴とするマイクロニードルである。
なお、本明細書において、「オーバル形状」とは、A)対象軸を最低でも一つ以上持ち、B)交差しておらず、外側に凸状であり、閉じた、平面上の曲線で構成された形状であり、楕円形状、卵形状、長円形状、のみならず、曲線の一部が線分に置き換えられた形状(例えば、角丸長方形状)、涙型形状をも含む形状として定義する。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のマイクロニードルであって、生体適合性材料よりなることを特徴とするマイクロニードルである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2のいずれかに記載のマイクロニードルであって、マイクロニードルの基底部形状における長軸方向と、任意の一点からの放射方向と、が平行となるように複数のマイクロニードルを配列することを特徴とするマイクロニードルである。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のマイクロニードルであって、配列の外周側に位置するマイクロニードルほどマイクロニードルの基底部形状における長軸が短軸に比べ大きくなっていることを特徴とするマイクロニードルである。
請求項5に記載の本発明は、微細構造体であるマイクロニードルの製造方法であって、基板に上面投影図がオーバル形状であり、かつ厚み分布を持つエッチングマスクを形成する工程と、前記エッチングマスクを形成した側から前記基板に対して異方性エッチングを行う工程と、を備えたことを特徴とするマイクロニードルの製造方法である。
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載のマイクロニードルの製造方法であって、更に、製造したマイクロニードルを母型とし、該母型から複製版を作製する工程と、前記複製版を用いて転写成形加工を行う工程と、を備えたことを特徴とするマイクロニードルの製造方法である。
本発明のマイクロニードルは、マイクロニードルの基底部形状がオーバル形状であることを特徴とする。
本発明の構成によれば、基底部形状がオーバル形状であるため、オーバル形状の長軸方向に対する応力を緩和することが出来る。
よって、水平方向からの応力を緩和することにより、水平方向からの応力による破損を抑制することが可能となる。
以下、本発明のマイクロニードルについて説明を行う。
本発明のマイクロニードルは、
マイクロニードルの基底部形状がオーバル形状であること
を特徴とする。
基底部形状をオーバル形状とすることにより、マイクロニードルかかる応力のうち、オーバル形状の長軸方向に対する応力を緩和することが出来る。よって、水平方向からの応力を緩和することになり、水平方向からの応力による破損を抑制することが可能となる。
例えば、マイクロニードルの断面形状の違いによる強度の違いを比較すると、同一断面積の場合、長軸対短軸が6:4の楕円形状は、断面が真円形状のものに比べて、長軸方向に働く力に対して1.2倍以上の強度を持つ。
なお、本明細書において、「オーバル形状」とは、A)対象軸を最低でも一つ以上持ち、B)交差しておらず、外側に凸状であり、閉じた、平面上の曲線で構成された形状であり、楕円形状、卵形状、長円形状、のみならず、曲線の一部が線分に置き換えられた形状(例えば、角丸長方形状)、涙型形状をも含む形状として定義する。
また、本発明のマイクロニードルは、生体適合性材料よりなることが好ましい。生体適合性を備えた材料を用いることにより、生体皮膚への適用時に針状体が破損して、その一部が生体内に取り残されても、生体への影響を低減することが出来る。生体適合性を備えた材料としては、例えば、Mg系化合物、Ti系化合物などの無機化合物、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリアミノ酸、マルトース、デキストランなどの生体適合性と生分解性を有する有機高分子などが挙げられる。
また、本発明のマイクロニードルは、マイクロニードル内部、または、マイクロニードルの近傍に、貫通孔を形成してもよい。貫通孔を設けることにより、体液/薬液を貫通孔を通して採取/供給する構成のデバイスに好適に用いることが出来る。
また、本発明のマイクロニードルは、形状、寸法、構成する材料等は特に限定されず、用途/仕様に応じて適宜設計を行って良い。例えば、経皮投与の目的でマイクロニードルを用いる場合、直径は数μmから数百μm、長さは数十μmから数百μm程度のものであることが望ましい。
また、本発明のマイクロニードルは、複数のマイクロニードルを配列しても良い。このとき、配列は仕様に応じて適宜設計を行って良い。例えば、マイクロニードルを矩形状に配列(図2(a))、円形状に配列(図2(b))しても良い。
また、本発明のマイクロニードルは、マイクロニードルの基底部形状における長軸方向と、任意の一点からの放射方向と、が平行となるように複数のマイクロニードルを配列することが好ましい。複数本を配列した場合、対象の伸縮性による応力は、配列の外周から内部に向かう方向にかかる。よって、上述のように配列することにより、オーバル形状の長軸方向が、対象の伸縮性による応力がかかる方向に沿うように配列されるため、対象の伸縮性による応力によって、マイクロニードルの破損を抑制することが出来る。(図3、図4)
また、マイクロニードルを複数配列する場合、配列の外周側に位置するマイクロニードルほどマイクロニードルの基底部形状における長軸が短軸に比べ大きくなっていることが好ましい。一般に、長軸が短軸に比べ大きくなるほど、長軸方向に対する機械的強度が増した形状となる。対象の伸縮性による応力は、配列の外周側に位置するマイクロニードルほど大きく負荷をかけるため、配列の外周側に位置するマイクロニードルほどマイクロニードルの基底部形状における長軸が短軸に比べ大きくなっていることにより、特に、配列の外周部における破損を抑制することが出来る。(図3、図4)
以下、本発明のマイクロニードルの製造に適したマイクロニードル製造方法について、図1を用いながら説明を行う。
本発明のマイクロニードル製造方法は、
基板に上面投影図がオーバル形状であり、かつ厚み分布を持つエッチングマスクを形成する工程と、
前記エッチングマスクを形成した側から前記基板に対して異方性エッチングを行う工程と、
を備える。
<基板に上面投影図がオーバル形状であり、かつ厚み分布を持つエッチングマスクを形成する工程>
まず、上面投影図がオーバル形状であり、かつ厚み分布を持つエッチングマスクを形成する。
エッチングマスクを厚み方向に変化させ、エッチングマスク外縁部の厚みを、エッチングマスク内部の厚みと比べて薄くし、外縁部から内部向けてエッチングマスクの厚みを連続的に変化させることにより、後述するエッチングが進むにつれて、エッチングマスク外縁部から徐々にマスクは除去されることとなり、基板とエッチングマスクとのエッチング選択比(エッチングマスクのエッチングレートに対する基板のエッチングレートの比)に応じたテーパー角度を持つマイクロニードルを製造することが可能となる。(図1(b))
また、エッチングマスクの形状をオーバル形状とすることにより、製造されるマイクロニードルの基底部形状をオーバル形状とすることが出来る。(図1(a)、(a’))
また、エッチングマスクをアレイ状に複数形成しても良い。エッチングマスクをアレイ状に複数形成することにより、マイクロニードルがアレイ状に複数本並んだマイクロニードルを製造することが可能となる。このとき、エッチングマスクのパターンレイアウトを変更することで、マイクロニードルの間隔、および本数を制御することが出来る。
例えば、エッチングマスクのオーバル形状における長軸方向と、任意の一点からの放射方向と、が平行となるように複数のエッチングマスクを配列しても良い。
また、形成するエッチングマスクのパターン径を変更することで、製造されるマイクロニードルの径を制御することが出来る。
基板は、後述するエッチングを行う工程において、適した加工特性を備える材料であることが好ましい。例えば、シリコン基板でも良い。
エッチングマスクのマスク材料としては、上述した基板と密着し、後述するエッチングを行う工程において、エッチングマスクのエッチングレートが、基板のエッチングレートより小さいものであれば良い。
基板にエッチングマスクを形成する方法としては、適宜公知のパターニング方法を用いてよい。例えば、パターニング方法として、露光現像による方法(用いるフォトマスクによりパターン部を制御可能)、液滴吐出法(パターン部のみに液滴吐出する)などの方法を用いてもよい。
エッチングマスクに厚み分布を持たせる方法としては、例えば、マスク材料をリフローさせる、グレースケールマスクを用いてマスク材料の露光量を制御する、インクジェット装置を用いてマスク材料の液滴投下量で調整する、などの方法を用いて良い。
<エッチングマスクを形成した側から前記基板に対して異方性エッチングを行う工程>
次に、エッチングマスクを形成した側から基板全体にエッチングを進め(図1(c))、マイクロニードルを製造する(図1(d))。
エッチング方法としては、基板のエッチングレートとエッチングマスクとのエッチングレートが異なる異方性のエッチング方法であれば良く、適宜公知の方法を用いること出来る。例えば、RIE、マグネトロンRIE、ECR、ICP、NLD、マイクロ波、ヘリコン波等の放電方式を用いたドライエッチング装置を用いたドライエッチングを行っても良い。
このとき、エッチングマスクに対する基板のエッチング選択比によって、マイクロニードルの先端角度の制御が可能である。上記エッチング選択比が高い場合、マイクロニードルの先端角度は鋭くなり、高さは高くなる傾向がある。また、エッチング選択比が低い場合、先端角度は広くなり、高さは低くなる傾向がある。エッチング選択比は基板及びエッチングマスクの材料の選択の他、エッチング時の種々の条件(例えば、圧力、プロセスガス流量、プロセスガス流量比など)により、制御することが出来る。
また、徐々にマスクが除去されていき、最終的にマスクが微小な範囲に収束してから完全に除去されることでマイクロニードルを形成するため、エッチングマスク脱落による汚染等が発生することなく、また先端形状が鋭利なマイクロニードルを製造することが可能となる。
また、エッチングマスクが残存した状態(図1(c))でエッチングを停止し、エッチングマスクを剥離しても良い。このとき、先端部分のみ平坦な形状を残した、刺突の際に先端部の欠けを低減する効果を奏するマイクロニードルを製造することが可能となる。
以上より、本発明のマイクロニードルを製造することが出来る。ここではエッチングマスクを用いた方法を示したが、本発明のマイクロニードルの製造はこれに限定されず、他の微細加工技術を用いて製造してもよい。ここで、微細加工技術としては、例えば、エンドミルを用いた微細切削加工技術、レーザー光を用いた加工技術などが挙げられる。
また、本発明のマイクロニードル製造方法は、更に、製造したマイクロニードルを母型とし、該母型から複製版を作製する工程と、前記複製版を用いて転写成形加工を行う工程と、を備えることが好ましい。一体成形された機械的強度の高い複製版を作製することにより、同一の複製版で多量の針状体を製造することが出来るため、生産コストを低くし、生産性を高めることが可能となる。また、転写材料は微細加工に対する加工特性を考慮することなく選択することが出来るため、特に、生体適合性材料により形成された針状体を好適に製造することが出来る。
以下、一例として具体的に、図5を用いて、上述の製造方法により製造したマイクロニードル501を母型とし、鋳型層502を形成し、複製版503を形成する場合におけるマイクロニードルの転写成形加工について説明を行う。
<マイクロニードルの転写成形加工>
まず、マイクロニードル501が形成された面に、複製版503を形成するための鋳型層502を形成する(図5(a))。
次に、マイクロニードル501と鋳型層502を分離し、複製版503を得る(図5(b))。
マイクロニードル501と鋳型層502を分離する方法としては、物理的な剥離力による分離または選択性エッチング法を用いる。
次に、複製版503にマイクロニードル材料を充填する(図5(c))。
マイクロニードル材料は特に制限されないが、生体に対して低刺激の材質であることが好ましい。また、曲面に対しても面に対して均一な押圧が出来るように柔軟性を持つことが好ましい。例えば、マイクロニードル材料として、医療用シリコーン樹脂、マルトース、ポリ乳酸、デキストランなどを用いても良い。
次に、マイクロニードル材料を複製版503から離型し、転写成形されたマイクロニードル504を得る(図5(d))。
<実施例1>
本発明のマイクロニードル製造方法について、エッチングマスクの形状が楕円形ドットパターンの場合における一例を具体的に挙げながら説明する。
まず、基板としてシリコンウェハ(厚み:525μm)を用意した。
次に、シリコンウェハ上に、エッチングマスクとして汎用厚膜フォトレジスト(クラリアント社製、商品名:AZ PLP)を、スプレーコート法を用いて、膜厚13μmとしてコートし、フォトリソグラフィー法により長軸120μm、短軸が80μmの楕円形ドットパターンを形成した。
次に、エッチングマスクをクリーンオーブンにおいて150℃で30分間加熱し、リフローを行った。リフロー後のレジスト形状は厚み分布を有し、中央部の最もレジスト厚が厚い部位は21.5μmであった。
次に、基板前面を、フッ素系ガスを用いたICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)エッチングにより基板上のエッチングマスクが完全に除去されるまでエッチングを行った。
このとき、エッチングマスク及びシリコン基板のエッチングレートを測定した結果、シリコンとエッチングマスクのエッチング選択比は約11であった。
次に、全面エッチングを終えた基板を走査型電子顕微鏡で観察した。基底部の長軸の径が約120μm、高さ約235μm、長軸側で見た先端角度が約28°の底面が楕円形状の錐型のマイクロニードルが形成されていることを確認した。
<実施例2>
実施例1と同様にマイクロニードルを形成した。ただし、エッチングマスクをアレイ状に並べた。
全面エッチングを終えた基板を走査型電子顕微鏡で観察した。基底部の長軸の径が約120μm、高さ約235μm、長軸側で見た先端角度が約28°の底面が楕円の錐型のマイクロニードルが複数本アレイ状に形成されていることを確認した。
<実施例3>
以下、転写成形加工によるマイクロニードルの製造法について説明する。
実施例2で製造されたマイクロニードルに、蒸着法により膜厚300nmのニッケル層を形成し、このニッケル層をシード層としてメッキ法によりニッケルを1mm形成した。
次に、濃度25wt%、液温90℃の水酸化カリウム水溶液を用いてシリコン基板を溶解させ、ニッケルからなる複製版を作製した。
この複製版を用いマルトース、デキストラン、ポリ乳酸を材料としてインプリント法により転写成型したところ、それぞれ原版と同形状のマイクロニードルが形成されていることを確認した。
本発明のマイクロニードルは、医療のみならず、微細な針状構造体を必要とする様々な分野に適用可能であり、例えばMEMSデバイス、創薬、化粧品などに用いるマイクロニードルとしても有用である。
本発明のマイクロニードル製造方法を示す断面図である。 本発明のマイクロニードルの一例を示す図である。 本発明のマイクロニードルの一例を示す図である。 本発明のマイクロニードルの一例を示す斜視図である。 本発明のマイクロニードル製造方法における転写成形加工工程を示す断面図である。
符号の説明
101、201、301、401……基板
102、202、302……エッチングマスク
103……エッチングマスク(変形後)
104、402、501、504……マイクロニードル
502……鋳型層
503……複製版

Claims (6)

  1. 微細構造体であるマイクロニードルにおいて、
    マイクロニードルの基底部形状がオーバル形状であること
    を特徴とするマイクロニードル。
  2. 請求項1に記載のマイクロニードルであって、
    生体適合性材料よりなること
    を特徴とするマイクロニードル。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のマイクロニードルであって、
    マイクロニードルの基底部形状における長軸方向と、任意の一点からの放射方向と、が平行となるように複数のマイクロニードルを配列すること
    を特徴とするマイクロニードル。
  4. 請求項3に記載のマイクロニードルであって、
    配列の外周側に位置するマイクロニードルほどマイクロニードルの基底部形状における長軸が短軸に比べ大きくなっていること
    を特徴とするマイクロニードル。
  5. 微細構造体であるマイクロニードルの製造方法であって、
    基板に上面投影図がオーバル形状であり、かつ厚み分布を持つエッチングマスクを形成する工程と、
    前記エッチングマスクを形成した側から前記基板に対して異方性エッチングを行う工程と、
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルの製造方法。
  6. 請求項5に記載のマイクロニードルの製造方法であって、
    更に、
    製造したマイクロニードルを母型とし、該母型から複製版を作製する工程と、前記複製版を用いて転写成形加工を行う工程と、
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルの製造方法。
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