JP2009058123A - 自動二輪車 - Google Patents

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Toshinori Inomori
俊典 猪森
Yosuke Ishida
洋介 石田
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Abstract

【課題】マニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車において、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図る。
【解決手段】自動二輪車1は、車両本体7と、前輪14および後輪19と、エンジン4と、エンジン4と後輪19とをつなぐ動力伝達機構とを備えている。動力伝達機構内には、遠心式のクラッチと、複数のギヤを有する変速装置とが配置されている。車両本体7にはハンドル12が設けられている。ハンドル12の右側にはアクセルグリップが設けられ、ハンドル12の左側にはクラッチを断続するためのクラッチレバー24が設けられている。車両本体7の左側には変速装置の変速比を変更するためのシフトペダル27が設けられ、車両本体7の右側には後輪19を制動するためのリヤブレーキペダルと、サイドスタンド28とが設けられている。自動二輪車1は、少なくともエンジン4の停止時に、後輪19の回転を抑制する回転抑制機構を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車に関する。
従来から、いわゆるマニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車がよく知られている(例えば特許文献1参照)。一般的に、この種の自動二輪車は、ハンドルの右側に設けられたアクセルグリップと、ハンドルの右側に設けられたフロントブレーキレバーと、ハンドルの左側に設けられたクラッチレバーと、左側のフットステップの近傍に設けられたシフトペダルと、右側のフットステップの近傍に設けられたリヤブレーキペダルと、を備えている。シフトチェンジの際には、ライダーは、アクセルグリップを戻すとともにクラッチレバーを握り、シフトペダルを足で操作することによって変速装置のギヤ比を変更する。
通常、上記自動二輪車はサイドスタンドを備えている。駐車時には、自動二輪車が転倒しないように、サイドスタンドが立てられる。サイドスタンドを立てる一般的な方法として、エンジンを停止した後、変速装置をギヤインしてからサイドスタンドを立てる方法がある。なお、「ギヤイン」とは、変速装置をニュートラル状態ではなく、所定のギヤ同士を噛み合わせることにより、1速等の所定の変速比状態にすることである。
ギヤインしてからサイドスタンドを立てる方法では、後輪が回転しにくくなっているので、自動二輪車の前後移動を抑制した状態でサイドスタンドを立てることができる。
このように、マニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車は、自動二輪車の前後移動を抑制した状態でサイドスタンドを立てることができるので、駐車時の利便性に優れている。
一方、近年、マニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車において、遠心クラッチを付加したものが知られている(例えば特許文献2参照)。この種の自動二輪車では、エンジン回転数が所定回転数よりも小さいときには、遠心クラッチが自動的に切断される。そのため、発進時または停止時において、クラッチレバー等の操作が不要となる。したがって、発進時または停止時におけるライダーの操作負担を軽減することができる。
特開平07−034916号公報(図2) 米国特許第6533056号明細書
しかしながら、上記自動二輪車では、マニュアルトランスミッション機構を備えているものの、駐車時にギヤインすることができない。そのため、ギヤインしてからサイドスタンドを立てることができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車において、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図ることにある。
本発明に係る自動二輪車は、車両本体と、前記車両本体の前側に設けられた前輪と、前記車両本体の後側に設けられた後輪と、駆動源と、前記駆動源と前記後輪とをつなぐ動力伝達機構と、前記動力伝達機構内に配置された遠心式クラッチと、複数のギヤを有し、前記動力伝達機構内に配置された変速装置と、前記車両本体に設けられたハンドルと、前記ハンドルの右側に設けられたアクセルグリップと、前記ハンドルの右側に設けられ、前記前輪を制動する際に操作されるフロントブレーキレバーと、前記ハンドルの左側に設けられ、前記遠心式クラッチを断続する際に操作されるクラッチレバーと、前記車両本体の左側に設けられ、前記変速装置の変速比を変更する際に操作されるシフトペダルと、前記車両本体の右側に設けられ、前記後輪を制動する際に操作されるリヤブレーキペダルと、前記車両本体に設けられたサイドスタンドと、少なくとも前記駆動源の停止時に、前記後輪の回転を抑制する回転抑制機構と、を備えたものである。
上記自動二輪車は、動力伝達機構内に遠心式クラッチが設けられている。そのため、上記自動二輪車では、発進時または停止時には、クラッチレバーの操作が不要となる。これにより、ライダーの操作負担を軽減することができる。一方、上記自動二輪車は、回転抑制機構を備えており、駐車時には、当該回転抑制機構によって後輪の回転が抑制される。そのため、上記自動二輪車によれば、車両本体の前後移動が抑制された状態でサイドスタンドを立てることができる。これにより、駐車時の利便性の向上を図ることができる。したがって、上記自動二輪車によれば、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図ることができる。
本発明によれば、マニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車において、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施したマニュアルトランスミッション機構を備えた自動二輪車1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に説明する自動二輪車1は、本発明を実施した好ましい形態の単なる例示である。本発明は、以下に説明する自動二輪車1に限定されるものではない。本発明に係る自動二輪車は、例えば、オフロードタイプの自動二輪車等であってもよい。本明細書において、「自動二輪車」とは、所謂狭義のモーターサイクルのみではなく、オフロード車等を含む広義の自動二輪車をいう。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る自動二輪車1の左側面図である。なお、下記説明において、前後左右の方向は、後述するシート16に着座した乗員から視た方向をいうものとする。
(自動二輪車1の概略構成)
図1に示すように、自動二輪車1は、車両本体7と、車両本体7の前側に設けられた前輪14と、車両本体7の後側に設けられた後輪19とを備えている。
車両本体7は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11を有している。ヘッドパイプ11の上端部には、ハンドル12が取り付けられている。一方、ヘッドパイプ11の下端には、フロントフォーク13を介して、前輪14が回転可能に取り付けられている。
車体フレーム10には、パワーユニット3が懸架されている。また、車体フレーム10には、車体カバー15が取り付けられている。車体フレーム10の上部の少なくとも一部は、この車体カバー15により覆われている。前後方向において、車両本体7のほぼ中央部分から後方側には、シート16が配置されている。シート16の前方には燃料タンク17が配置されている。
車体フレーム10の後半部には、リアアーム18が揺動可能に支持されている。リアアーム18の後端部には、後輪19が回転可能に取り付けられている。後輪19は、後述するエンジン4(図3参照)と動力伝達機構を介して接続されている。これにより、エンジン4の動力が後輪19に伝達され、後輪19が回転することとなる。
また、自動二輪車1は、少なくとも後述するエンジン4の停止時に、後輪19の回転を抑制する回転抑制機構50(図4参照)を備えている。なお、回転抑制機構50の詳細な構成については後述する。
図2に示すように、ハンドル12の右側にはアクセルグリップ21が設けられている。また、ハンドル12の右側であってアクセルグリップ21の前方には、前輪14を制動する際に操作されるフロントブレーキレバー22が設けられている。一方、ハンドル12の左側には左側グリップ29が設けられている。また、ハンドル12の左側であって左側グリップ29の前方には、後述する遠心式のクラッチ2(図3参照)を断続する際に操作されるクラッチレバー24が設けられている。
また、車両本体7の左右両側の前後方向中央部には、フットレスト20L,20Rが設けられている。また、車両本体7の右側かつ右側のフットレスト20Rのやや前方には、後輪19を制動する際に操作されるリヤブレーキペダル26が設けられている。一方、車両本体7の左側かつ左側のフットレスト20Lのやや前方には、後述する変速装置5の変速比を変更する際に操作されるシフトペダル27が設けられている。また、図1に示すように、車両本体7の左側かつシフトペダル27およびフットレスト20Lの下方には、後方に向かって延びるサイドスタンド28が設けられている。なお、サイドスタンド28は、車両本体7に直接取り付けられていてもよく、間接的に取り付けられていてもよい。サイドスタンド28は、例えば、車体フレーム10に取り付けられていてもよく、パワーユニット3に取り付けられていてもよい。
(パワーユニット3)
次に、図3を参照しながら、パワーユニット3の構成について、詳細に説明する。図3に示すように、パワーユニット3は、エンジン4と、変速装置5と、クラッチ2とを備えている。本発明において、エンジンの種類は特に限定されない。本実施形態では、エンジン4が水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジンである例について説明する。
−エンジン4−
エンジン4は、図示しない気筒軸が車体前方に向かってやや斜め上方向に延びるように配置されている。エンジン4は、図1に示すクランクケース31と、クランク軸32とを備えている。クランク軸32は、クランクケース31に収納されている。クランク軸32は、車幅方向に延びるように配置されている。
−変速装置5−
図3に示すように、クランク軸32は、クラッチ2を介して、変速装置5に接続されている。変速装置5は、メイン軸33と、ドライブ軸23と、ギヤ選択機構36とを備えている。メイン軸33は、クラッチ2を介してクランク軸32に接続されている。メイン軸33とドライブ軸23とは、それぞれ、クランク軸32と略平行に配置されている。
メイン軸33には、多段の変速ギヤ34が装着されている。一方、ドライブ軸23には、多段の変速ギヤ34に対応する複数の変速ギヤ35が装着されている。複数の変速ギヤ34と複数の変速ギヤ35とは、選択された一対のギヤ同士のみで相互に噛合している。複数の変速ギヤ34のうち、選択された変速ギヤ34以外の変速ギヤ34と、複数の変速ギヤ35のうち、選択された変速ギヤ35以外の変速ギヤ35とのうちの少なくとも一方は、メイン軸33またはドライブ軸23に対して回転可能となっている。つまり、選択されていない変速ギヤ34と、選択されていない変速ギヤ35のうちの少なくとも一方は、メイン軸33またはドライブ軸23に対して空転するようになっている。すなわち、メイン軸33とドライブ軸23との間の回転伝達は、相互に噛合する、選択された変速ギヤ34および選択された変速ギヤ35のみを介して行われる。
変速ギヤ34、35の選択は、ギヤ選択機構36によって選択される。具体的に、変速ギヤ34、35の選択は、ギヤ選択機構36のシフトカム37によって選択される。シフトカム37の外周面には、複数のカム溝37aが形成されている。各カム溝37aには、シフトフォーク38が装着されている。各シフトフォーク38は、それぞれメイン軸33およびドライブ軸23の所定の変速ギヤ34および35に係合している。シフトカム37が回転することによって、複数のシフトフォーク38のそれぞれがカム溝37aに案内されてメイン軸33の軸方向に移動する。これにより、変速ギヤ34および35のうちの相互に噛合するギヤが選択される。具体的には、複数の変速ギヤ34および35のうち、シフトカム37の回転角度に応じた位置の一対のギヤのみがメイン軸33およびドライブ軸23に対して、それぞれスプラインによる固定状態となる。これにより、変速ギヤ位置が決定され、変速ギヤ34および35を介して、メイン軸33とドライブ軸23との間で所定の変速比で回転伝達が行われる。なお、このギヤ選択機構36は、図1に示すシフトペダル27により操作される。
このような構成により、所定の一対の変速ギヤ34,35をメイン軸33およびドライブ軸23に固定し、クラッチ2を接続状態とした上でエンジン4を駆動する。そうすると、エンジン4の動力がクラッチ2を介してメイン軸33に回転伝達される。また、所定の一対の変速ギヤ34,35を介して、メイン軸33とドライブ軸23との間で所定の変速比で回転伝達が行われ、ドライブ軸23が回転駆動される。ドライブ軸23が回転駆動されると、ドライブ軸23と後輪19とを接続するチェーン等の伝達機構(図示省略)によって回転伝達が行われ、後輪19が回転することとなる。なお、前述のエンジン4と後輪19とをつなぐ本発明に係る動力伝達機構は、本実施形態では、クラッチ2、変速装置5およびチェーン等の伝達機構(図示省略)によって構成されている。
−クラッチ2−
本実施形態では、クラッチ2は湿式多板式の摩擦クラッチによって構成されている。また、クラッチ2は、発進時または停止時において、クラッチレバー24の操作が不要となる遠心式のクラッチによって構成されている。なお、クラッチ2は、ライダーの操作によっても断続可能に構成されている。以下、図3,4,5を用いてクラッチ2の構成について詳述する。
〜クラッチハウジング46〜
図4に示すように、クラッチ2は、クラッチハウジング46を備えている。クラッチハウジング46には、メイン軸33が貫通している。クラッチハウジング46は、ハウジング本体46cを有している。ハウジング本体46cは、底部46aによって一端が閉じられた円筒状に形成されている。底部46aには、メイン軸33が挿入される挿入孔46bが形成されている。ハウジング本体46cには、複数対のアーム46dが設けられている。各アーム46dは、ハウジング本体46cの内周面から、径方向内側に向かって突出するように形成されている。各アーム46dは、底部46aから、車幅方向の外側に向かって延びている。
〜シザーズギヤ45〜
クラッチハウジング46には、シザーズギヤ45が取り付けられている。シザーズギヤ45は、2枚のギヤ45a、45bと、スプリング49と、2枚のプレート51、52とを備えている。ギヤ45aとギヤ45bとは、この2枚のプレート51、52の間に位置している。2枚のプレート51、52は、メイン軸33の軸方向に関して、リベットや、ビスなどの固定手段によって相互に固定されている。これにより、2枚のギヤ45a、45bは、メイン軸33の軸方向に関して、相互に実質的に固定されている。一方、ギヤ45aとギヤ45bとは、回転方向に関して、相互に回転可能となっている。
ギヤ45aとギヤ45bとは、歯数が相互に等しい。ギヤ45aとギヤ45bとは、周方向に関して、それぞれの歯が互い違いに位置するように配置されている。スプリング49は、ギヤ45aとギヤ45bとの間に設けられている。このため、ギヤ45aとギヤ45bとには、スプリング49によって搾りトルクが付与される。これにより、エンジン4の変動トルクが吸収される。
なお、シザーズギヤ45のギヤ45aは、クランク軸32のギヤ32a(図3参照)と噛合している。また、シザーズギヤ45のギヤ45aは、クラッチハウジング46の底部46aに相対回転不能に固定されている。このような構成により、クランク軸32の回転に伴って、シザーズギヤ45のギヤ45aとクラッチハウジング46とは一体的に回転する。
シザーズギヤ45とメイン軸33との間には、ニードルベアリング53と、メイン軸33に対して回転不能に固定されたスペーサ54とが配置されている。このニードルベアリング53によって、シザーズギヤ45は、メイン軸33に対して回転可能となっている。つまり、シザーズギヤ45の回転は、直接メイン軸33に伝わらないようになっている。
〜クラッチボス48〜
クラッチボス48は、ナット67によって、メイン軸33に対して回転不能に固定されている。つまり、クラッチボス48は、メイン軸33と共に回転する。また、クラッチボス48とシザーズギヤ45との間には、スラストベアリング63が配置されている。これにより、シザーズギヤ45、ニードルベアリング53およびスペーサ54と、クラッチボス48とは、スラストベアリング63によって、所定の距離以上近づかない様に規制される。メイン軸33の軸方向に関し、クラッチボス48側への移動を規制される。
〜プレート群66〜
クラッチハウジング46の内側には、複数のフリクションプレート64が配置されている。各フリクションプレート64は、メイン軸33の回転方向に関して、クラッチハウジング46に対して固定されている。このため、複数のフリクションプレート64は、クラッチハウジング46と共に回転する。なお、各フリクションプレート64は、メイン軸33の軸方向に関して変位可能である。このため、相互に隣接するフリクションプレート64相互間の距離は可変である。
複数のフリクションプレート64は、メイン軸33の軸方向に配列されている。相互に隣接する各フリクションプレート64の間には、クラッチプレート65が配置されている。クラッチプレート65は、隣接するフリクションプレート64に対向している。各クラッチプレート65は、メイン軸33の回転方向に関して、クラッチボス48に対して固定されている。このため、複数のクラッチプレート65は、クラッチボス48と共に回転する。なお、各クラッチプレート65は、メイン軸33の軸方向に関して変位可能である。このため、相互に隣接するクラッチプレート65相互間の距離は可変である。
本実施形態では、これら複数のフリクションプレート64と複数のクラッチプレート65とによってプレート群66が構成されている。
〜プレッシャプレート77〜
メイン軸33の車幅方向外側には、プレッシャプレート77が配置されている。プレッシャプレート77は、本体部77aと押圧部77bとを備えている。
本体部77aは略円盤形状に形成されており、径方向における外側端部は複数のアーム46dと係合している。これにより、本体部77aは、クラッチハウジング46に対して回転不能であり、クラッチハウジング46と共に回転する。また、本体部77aの径方向における外側端部とクラッチハウジング46との間には、複数のオフスプリング79が設けられている。複数のオフスプリング79は、クラッチハウジング46の周方向に沿って等間隔に配置されている。本体部77aは、当該オフスプリング79により、車幅方向の外側に向けて付勢される。つまり、プレッシャプレート77は、オフスプリング79によって、プレート群66から離れる方向に付勢される。
本体部77aのプレート群66側の外周部には、円環状の板状体により形成された押圧部77bが取り付けられている。押圧部77bは、プレート群66に対向する様に配置されている。
一方、本体部77aのプレート群66とは反対側の面の中心部には、車幅方向の外側に向かって突出する受圧部77cが形成されている。当該受圧部77cは後述する押し付け機構55のラック59の先端部59aによって押圧される。また、本体部77aのプレート群66とは反対側の面の外周部には、メイン軸33の軸方向に突出して周方向に延びる2本の環状突起と、メイン軸33の軸方向に突出して本体部77aの径方向に延びる複数の突起とが形成されている。これらの周方向に延びる2本の環状突起と、径方向に延びる複数の突起とにより、複数の空間82が形成されている。
複数の空間82を形成する本体部77aの車幅方向の外側の面には、複数のカム面81が形成されている。複数のカム面81は、メイン軸33の軸心を中心として放射状に配置されている。各カム面81は、径方向の外側にいくに従って、車幅方向の外側に向かって延びるように形成されている。
プレッシャプレート77よりも車幅方向の外側には、ローラリテーナー78が配置されている。ローラリテーナー78は、メイン軸33の軸方向から視て輪帯状に形成されている。ローラリテーナー78は、プレッシャプレート77のカム面81を有する面と対向している。これにより、各カム面81とローラリテーナー78とにより、メイン軸33の径方向外側に向かって幅狭となる空間82が形成される。
ローラリテーナー78の径方向の外側端部は、プレッシャプレート77と同様に、複数のアーム46dと係合している。これにより、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46に対して回転不能となっている。言い換えれば、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、メイン軸33の軸方向に関しては、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46に対して変位可能である。
ローラリテーナー78は、付勢部材としての皿バネ83によって、車幅方向の内側に付勢されている。言い換えれば、ローラリテーナー78は、皿バネ83によって、プレート群66側に付勢されている。
複数の空間82には、複数のローラウエイト41が配置されている。ローラウエイト41は、クラッチハウジング46の回転に伴って旋回し、その旋回時に生じる遠心力が所定以上となると、前記プレッシャプレート77をプレート群66側に押圧する。
具体的には、アイドリング状態であるときは、クランク軸32およびシザーズギヤ45と共に回転するクラッチハウジング46の回転速度は比較的遅い。このため、ローラウエイト41に作用する遠心力は比較的小さい。従って、ローラウエイト41は、比較的内側に位置している。よって、プレッシャプレート77は、オフスプリング79の付勢力によって、比較的右側に位置している。その結果、プレッシャプレート77の押圧部77bとクラッチハウジング46の底部46aとの間の距離は比較的広く、プレート群66は、非圧接状態にある。よって、クラッチハウジング46の回転は、クラッチボス48には伝達されない。
そして、クランク軸32の回転速度が比較的速くなると、それと共に、クラッチハウジング46の回転速度も比較的速くなる。そのため、クラッチハウジング46の回転速度が速くなるにつれ、ローラウエイト41に作用する遠心力が大きくなる。そして、ローラウエイト41に作用する遠心力が所定以上となると、ローラウエイト41が外側に移動する。これにより、プレッシャプレート77は、ローラウエイト41によって左側に押圧される。そして、プレッシャプレート77に作用する遠心力の分力(メイン軸33の軸方向分力)がオフスプリング79の付勢力よりも大きくなると、プレッシャプレート77はプレート群66側に移動する。これにより、プレート群66が圧接され、クラッチ2が接続状態となる。なお、ローラウエイト41が外側へ移動する際、ローラウエイト41はローラリテーナー78を車幅方向の外側へ押し付ける。そのため、皿バネ83が変形する。皿ばね83が変形すると、皿ばね83の復元力により、ローラリテーナー78およびローラウエイト41はプレート群66側に付勢されることとなる。
このようにしてプレート群66が圧接されてクラッチ2が接続されると、クラッチハウジング46の回転がプレート群66を介してクラッチボス48に伝達される。これにより、クラッチボス48は、クラッチハウジング46と共に回転する。
一方、クラッチ2が接続した状態において、クランク軸32の回転速度が遅くなると、ローラウエイト41に作用する遠心力が小さくなる。そのため、ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する。その結果、プレッシャプレート77がオフスプリング79の付勢力により右側に移動し、クラッチ2が切断される。
このように、自動二輪車1では、動力伝達機構内に遠心式のクラッチ2が設けられている。そのため、発進時または停止時には、クラッチ2がエンジン4の回転速度に応じて自動的に断続されるため、クラッチレバー24の操作が不要となる。そのため、自動二輪車1では発進時または停止時のライダーの操作負担を軽減することができる。
〜クラッチレリーズ機構86〜
本実施形態のクラッチ2には、圧接解除機構としてのクラッチレリーズ機構86が設けられている。クラッチレリーズ機構86は、自動二輪車1のライダーから加えられる力によって、強制的にプレート群66の圧接状態を解除する。このクラッチレリーズ機構86によって、自動二輪車1のライダーの手動操作によるクラッチ2の切断が可能となっている。
なお、本実施形態では、自動二輪車1のライダーが、クラッチレバー24(図2参照)を操作することによって、クラッチレバー24に加えられた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除される例について説明する。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、自動二輪車1のライダーが、クラッチレバー24(図2参照)を操作することによって、別途設けられたオイルポンプなどの駆動機構が操作され、オイルポンプにより生じた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除されるようにしてもよい。
クラッチレリーズ機構86は、図3および図4に示すプッシュロッド43と、図3および図5に示すプッシュロッド駆動機構87とを備えている。図4に示すように、プッシュロッド43は、メイン軸33の内部に形成された貫通孔33aの内部に配置されている。なお、貫通孔33aは、クラッチ2の各摺動部などにオイルを供給するためのオイル供給孔を兼ねている。具体的に、貫通孔33aの内壁とプッシュロッド43との間の隙間89を介してオイルがクラッチ2の各摺動部に供給される。
プッシュロッド43は、短プッシュロッド43aと、長プッシュロッド43bとを備えている。短プッシュロッド43aは、比較的車幅方向外側に配置されている。短プッシュロッド43aの右側端は、プレッシャプレート77の本体部の中央部に形成された受け部77dに対向している。また、短プッシュロッド43aの軸方向に関するほぼ中央部分には、Oリング88が取り付けられている。これにより、隙間89を介して供給されるオイルが、Oリング88よりも車幅方向の右側にまで達するのが抑制されている。また、Oリング88を設けることで、短プッシュロッド43aがメイン軸33と共に回転するようになっている。一方、長プッシュロッド43bは、メイン軸33と共に回転しない。このため、メイン軸33が回転すると、長プッシュロッド43bに対して、短プッシュロッド43aが相対的に回転することとなる。このことに鑑み、短プッシュロッド43aの長プッシュロッド43b側の端面は、長プッシュロッド43b側に向かって突出する曲面に形成されている。これにより、短プッシュロッド43aが回転するときの、短プッシュロッド43aと長プッシュロッド43bとの間の摺動抵抗が軽減されている。
図3に示すように、長プッシュロッド43bの左側端は、メイン軸33の左側端よりも左側に位置し、プッシュロッド駆動機構87に至っている。図5は、プッシュロッド駆動機構87を表す断面図である。なお、図5のメイン軸33の軸心よりも下の部分は、クラッチレリーズ機構86が駆動されていない状態を表している。言い換えれば、図5のメイン軸33の軸心よりも下の部分は、プッシュロッド43が比較的左側に位置し、プッシュロッド43によってプレッシャプレート77が右側に変位していない状態を表している。一方、図5のメイン軸33の軸心よりも上の部分は、クラッチレリーズ機構86が駆動されている状態を表している。言い換えれば、図5のメイン軸33の軸心よりも上の部分は、プッシュロッド43が比較的右側に位置し、プッシュロッド43によってプレッシャプレート77が右側に変位している状態を表している。
図5に示すように、プッシュロッド駆動機構87は、シリンダ90とピストン91とを備えている。ピストン91は、シリンダ90に対して、メイン軸33の軸方向に摺動移動可能である。ピストン91は、長プッシュロッド43bに取り付けられている。このため、ピストン91が摺動移動することで、長プッシュロッド43bもメイン軸33の軸方向に移動する。
ピストン91とシリンダ90との間には、作動室92が区画形成されている。この作動室92には、オイルが満たされている。自動二輪車1のライダーがクラッチレバー24(図2参照)を操作することで、この作動室92内の内圧が上昇する。これにより、ピストン91および長プッシュロッド43bが右側に変位し、図4に示すプレッシャプレート77を右側に押し付けて右側に変位させる。その結果、プレッシャプレート77の押圧部77bがプレート群66から離れ、プレート群66の圧接状態が解除される。
ピストン91とクランクケース31との間には、圧縮コイルばね93が配置されている。ピストン91は、この圧縮コイルばね93によって、左側に付勢されている。つまり、プッシュロッド43が左側に変位してクラッチ2がつながる方向に付勢されている。これにより、自動二輪車1のライダーにより、クラッチレバー24(図2参照)の操作が解除された際に、確実にプッシュロッド43が左側に移動する。
−回転抑制機構50および連動機構60−
次に、回転抑制機構50と、サイドスタンド28と回転抑制機構50とを連動させるための連動機構60とについて説明する。前述のように、回転抑制機構50は、少なくともエンジン4が停止したときに後輪19(図1参照)の回転を抑制するものである。一方、連動機構60は、サイドスタンド28と回転抑制機構50とを接続し、サイドスタンド28が立てられると回転抑制機構50を作動状態とし、サイドスタンド28が収納されると回転抑制機構50を非作動状態とするものである。
図4に示すように、本実施形態では、回転抑制機構50は、クラッチ2が接続される方向にクラッチ2を押し付ける押し付け機構55を備えている。また、本実施形態では、押し付け機構55は、プレッシャプレート77の受圧部77cを車幅方向の内側に向かって押し付けるラック59と、ラック59を車幅方向に押し引きするピニオンギヤ58とを備えている。一方、連動機構60はワイヤ56とレバー57とを備えている。
図6に示すように、サイドスタンド28は、支持本体28aと、支持本体28aの一端に設けられた接地部28bとを備えている。支持本体28aの中途部には、フートバー28cが設けられている。支持本体28aの他端28dには、連動機構60のワイヤ56の一端がピン接合されている。サイドスタンド28は、ピン28eによって車体フレーム10またはパワーユニット3等に揺動自在に取り付けられている。
図4に示すように、ワイヤ56の他端には、レバー57の一端57aがピン接合されている。レバー57の他端には、回転抑制機構50のピニオンギヤ58が固定されている。ピニオンギヤ58は、レバー57の揺動に伴って回転する。また、ピニオンギヤ58とラック59とには、それぞれ歯が形成されている。ピニオンギヤ58とラック59とは互いの歯が噛み合う様に配置されている。そして、本実施形態では、ピニオンギヤ58とラック59とは、レバー57の一端57aが自動二輪車1の前後方向において比較的前側(図4では上側)に位置する図4の状態においては、ラック59が比較的車幅方向の外側に位置し、レバー57の一端57aが前後方向において比較的後側(図7では下側)に位置する図7の状態においては、ラック59が比較的車幅方向の内側に位置する様に配置されている。
−サイドスタンド28とクラッチ2との連動動作−
以上が自動二輪車1の構成である。次に、駐車時に、自動二輪車が転倒しないようにサイドスタンド28を立てた場合の、サイドスタンド28と回転抑制機構50とクラッチ2との連動動作について説明する。なお、サイドスタンド28を立てる前にエンジン4を停止し、所定の変速ギヤ34,35を噛み合わせることにより、1速等の所定の変速比状態にしておく。
図6(a)に示すように、サイドスタンド28が跳ね上げられている場合、サイドスタンド28の支持本体28aの他端28dは、自動二輪車1の前後方向に関し、比較的前側(図6(a)では左側)に位置している。そのため、一端が支持本体28aの他端28dにピン接合されたワイヤ56も比較的前側に位置することとなる。これにより、図4に示すように、レバー57の一端57aも比較的前側に位置し、ラック59は比較的車幅方向の外側に位置することとなる。このとき、ラック59の先端部59a(車幅方向の内側端部)は、プレッシャプレート77の受圧部77cと当接せずに離反する。これにより、プレッシャプレート77には、押し付け機構55から何ら力を付勢されない。
一方、図6(b)に示すように、サイドスタンド28を立てると、サイドスタンド28の支持本体28aはピン28e回りに揺動する。これにより、支持本体28aの一端にある接地部28bは前方かつ下方に移動し、支持本体28aの他端28dは後方に移動する。
支持本体28aの他端28dが後方に移動すると、ワイヤ56は、支持本体28aの他端28dによって後方に引っ張られる。ワイヤ56が後方に引っ張られると、図7に示すように、レバー57の一端57aが後側に引っ張られ、レバー57が揺動する。これに伴い、レバー57の一端57aが後側に移動する。そして、ピニオンギヤ58が図7において時計回りに回転する。その結果、ピニオンギヤ58の歯と噛み合う歯を有するラック59は、ピニオンギヤ58によって車幅方向の内側方向に送り出される。
ラック59が所定長さ車幅方向の内側方向に送り出されると、やがてラック59の先端部59a(車幅方向の内側端部)は、プレッシャプレート77の受圧部77cに当接する。ラック59がさらに同方向に送り出されると、プレッシャプレート77はラック59によって車幅方向の内側方向に押し付けられる。そして、プレッシャプレート77に作用するラック59からの力がオフスプリング79の付勢力よりも大きくなると、プレッシャプレート77はプレート群66側に移動する。これにより、プレート群66が圧接され、クラッチ2が接続状態となる。このように、回転抑制機構50は、連動機構60によってサイドスタンド28に連動し、サイドスタンド28が立てられると、遠心式のクラッチ2が接続される方向にクラッチ2を押し付け、クラッチ2を強制的に接続状態とする。
クラッチ2が接続状態となると、後輪19が伝達機構(図示なし)、変速装置5およびクラッチ2からなる動力伝達機構を介してクランク軸32と接続される。これにより、後輪19は回転しにくくなる。このようにして、自動二輪車1では、所定の変速ギヤ34,35を噛み合わせて1速等の所定の変速比状態にした上で、サイドスタンド28を立ててクラッチ2を接続状態とすることにより、ギヤインすることができる。より具体的には、サイドスタンド28を立てる動作中にギヤインすることができる。言い換えると、本自動二輪車1では、サイドスタンド28を立てる動作が完了するまでにギヤインすることができ、後輪19の回転を抑制することができる。
以上のように、本自動二輪車1では、動力伝達機構内に遠心式のクラッチ2が設けられている。そのため、本自動二輪車1では、発進時または停止時には、クラッチレバー24の操作が不要となる。これにより、ライダーの操作負担を軽減することができる。一方、本自動二輪車1は、回転抑制機構50を備えている。そのため、エンジン4を停止させ、サイドスタンド28を立てる時(より詳しくはサイドスタンド28を立てる動作が完了するまで)に、当該回転抑制機構50によって後輪19の回転が抑制される。そのため、本自動二輪車1によれば、車両本体7の前後移動が抑制された状態でサイドスタンド28を立てることができる。これにより、駐車時の利便性の向上を図ることができる。したがって、上記自動二輪車によれば、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図ることができる。
また、本自動二輪車1では、回転抑制機構50は、遠心式のクラッチ2が接続される方向にクラッチ2を押し付ける押し付け機構55を有している。なお、回転抑制機構50の押し付け機構55は、サイドスタンド28が立てられると回転抑制機構50を作動状態として後輪19の回転を抑制し、サイドスタンド28が収納されると回転抑制機構50を非作動状態として後輪19の回転抑制状態を解除する。このように、本自動二輪車1によれば、簡単な構成により、少なくともエンジン4の停止時に、後輪19の回転を抑制する回転抑制機構50を実現することができる。
<実施形態2>
実施形態1に係る自動二輪車1では、回転抑制機構50は、クラッチ2が接続される方向にクラッチ2を押し付ける押し付け機構55を備えるものであった。図8に示すように、実施形態2に係る自動二輪車1は、実施形態1における押し付け機構55の代わりに後輪19を制動する後輪ブレーキ93を有する回転抑制機構50を備えている。また、実施形態2に係る自動二輪車1は、後輪ブレーキ93の作動状態と非作動状態とを切り換える切替レバー94と、後輪ブレーキ93と切替レバー94とを接続する配管95とを備えている。なお、その他の構成については実施形態1とほぼ同様であるため説明を省略し、以下、実施形態1と異なる構成についてのみ詳述する。
実施形態2では、後輪ブレーキ93には作動流体によって駆動されるディスクブレーキが採用されている。図8に示すように、後輪ブレーキ93は、後輪19のハブ19aの端面に複数のボルトによって取り付けられたディスクローター96と、キャリパー97とを備えている。キャリパー97は、ディスクローター96を挟み込むブレーキパッド(図示なし)を有している。なお、後輪ブレーキ93には、配管98を介してリヤブレーキペダル26も接続されており、リヤブレーキペダル26によっても操作可能に構成されている。
自動二輪車1は、切替レバー94の動作に従動するマスターシリンダ(図示なし)を備えている。マスターシリンダには、配管95の一端が接続されている。一方、キャリパー97は、キャリパーシリンダ(図示なし)とブレーキパッド(図示なし)とを内包している。キャリパーシリンダには、配管95の他端が接続されている。キャリパーシリンダ内のピストンは、マスターシリンダから配管95を介して作動流体が供給されると、ブレーキパッドによってディスクローター96が挟み込まれる方向に移動する。ブレーキパッドによってディスクローター96が挟み込まれると、後輪19の回転は抑制され、後輪19が制動される。
図9に示すように、切替レバー94は、ハンドル12における左右方向の中心よりも左側に配置されている。また、図10(a),(b)に示すように、切替レバー94は、回転することによって回転抑制機構50の後輪ブレーキ93の作動状態と非作動状態とを切替可能に構成されている。さらに、切替レバー94は、切替レバー94の少なくとも一部が回転抑制機構50の後輪ブレーキ93の作動状態および非作動状態の少なくとも一方の状態のときに、クラッチレバー24の右端24aよりも左側に位置する様に配置されている。また、切替レバー94は、回転抑制機構50を構成する後輪ブレーキ93が非作動状態のときには、ハンドル12の左側に設けられた左側グリップ29の右端29aよりも右側に位置し(図10(a)参照)、後輪ブレーキ93が作動状態のときには、少なくとも一部が左側グリップ29の右端29aよりも左側に位置する様に配置されている(図10(b)参照)。
さらに、自動二輪車1は、ハンドルロック機構12aを備えている。これにより、自動二輪車1は、図11に示すように、ハンドル12を左向きに回転させた状態でハンドル12をロックすることができる。なお、図11に示すように、本実施形態では、切替レバー94は、ハンドル12をロックした状態では、切替レバー94の回転軌跡と車両本体7とが干渉する様に形成されている。これにより、ハンドル12をロックすることにより、切替レバー94を回転させない様にロックすることができる。
以上により、実施形態2に係る自動二輪車1では、回転抑制機構50は、後輪19を制動する後輪ブレーキ93を有している。そのため、エンジン4を停止させ、サイドスタンド28を立てる際に、回転抑制機構50の後輪ブレーキ93を作動状態とすることによって後輪19の回転を抑制することができる。これにより、本自動二輪車1によっても、駐車時に、車両本体7の前後移動を抑制した状態でサイドスタンド28を立てることができる。そのため、実施形態2に係る自動二輪車1によっても、駐車時の利便性の向上を図ることができる。また、実施形態1と同様に、実施形態2に係る自動二輪車1の動力伝達機構内には遠心式のクラッチ2が設けられている。そのため、発進時または停止時には、クラッチレバー24の操作が不要となる。これにより、ライダーの操作負担を軽減することができる。したがって、実施形態2に係る自動二輪車1によっても、ライダーの操作負担を軽減すると共に駐車時の利便性の向上を図ることができる。
また、本自動二輪車1は、回転抑制機構50の後輪ブレーキ93の作動状態と非作動状態とを切り換える切替レバー94を備えている。また、切替レバー94は、ハンドル12における左右方向の中心よりも左側に配置されており、左右方向においてアクセルグリップ21の反対側に配置されている。これにより、切替レバー94を坂道発進等に利用することができる。
具体的には、坂道等で停車した際、シフトペダル27を操作する左足ではなく右足を地面に付けることが多い。ところが、右足を地面に付けた状態では、リヤブレーキペダル26を操作することができず、アクセル操作を行いつつ後輪ブレーキ93の解除操作を行う所謂坂道発進を行うことができない。しかしながら、本自動二輪車1には切替レバー94が設けられている。そのため、このような場合に、右足を地面に付けた状態であっても、右手でアクセル操作を行いつつ左手で後輪ブレーキ93の解除操作を行うことができる。そのため、本自動二輪車1によれば、切替レバー94を利用して坂道発進を行うことができ、走行の利便性向上を図ることもできる。
本自動二輪車1では、切替レバー94は、切替レバー94の少なくとも一部が回転抑制機構50の後輪ブレーキ93の作動状態および非作動状態の少なくとも一方の状態のときに、クラッチレバー24の右端24aよりも左側に位置する様に配置されている。言い換えると、切替レバー94は、ライダーの左手によって操作される範囲内に配置されている。また、本実施形態では、切替レバー94は、ライダーの左手の親指によって操作可能な範囲内に配置されている。そのため、本自動二輪車1によれば、切替レバー94を容易に操作することができる。そのため、走行中にリヤブレーキペダル26の代わりに切替レバー94を操作することもできる。これにより、本自動二輪車1によれば、駐車時および走行中の利便性の向上を図ることができる。
また、切替レバー94は、回転抑制機構50を構成する後輪ブレーキ93が非作動状態のときには、ハンドル12の左側に設けられた左側グリップ29の右端29aよりも右側に位置し、後輪ブレーキ93が作動状態のときには、少なくとも一部が左側グリップ29の右端29aよりも左側に位置する様に配置されている。そのため、後輪ブレーキ93が作動状態のときには、左側グリップ29を握ろうとしても切替レバー94が邪魔となる。そのため、本自動二輪車1によれば、切替レバー94の切替をし忘れて後輪ブレーキ93が作動状態のまま走行してしまうことを防止することができる。
さらに、本自動二輪車1は、ハンドル12を左向きに回転させた状態でハンドル12をロックするハンドルロック機構12aを備えている。また、本自動二輪車1の切替レバー94は、ハンドル12をロックした状態では、切替レバー94の回転軌跡と車両本体7とが干渉する様に形成されている。これにより、ハンドル12をロックすることにより、切替レバー94を回転させない様にロックすることができる。したがって、本自動二輪車1によれば、ハンドルロック時にいたずらによって切替レバー94が切り換えられて後輪ブレーキ93が解除されることを防止することができる。
なお、上記各実施形態では、エンジン4を備えた車両を例に挙げて、本発明を実施した好ましい形態例について説明した。但し、本発明に係る車両は、エンジンを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明に係る車両は、どのような駆動源を備えていてもよい。例えば、本発明に係る車両は、電動モータ等を駆動源として備えるものであってもよい。
また、上記実施形態では、水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジン4を用いた例について説明したが、本発明において、エンジンの種類は特に限定されない。
本発明において、ドライブ軸23からの動力を後輪19に伝達する動力伝達機構はいかなるものであってもよい。例えば、チェーン、ドライブシャフト、ベルト等であってもよい。
自動二輪車1のライダーが、クラッチレバー24を操作することによって、オイルポンプなどの駆動機構が操作され、オイルポンプにより生じた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除されるようにしてもよい。
《本明細書における用語等の定義》
「ギヤイン」とは、変速装置5をニュートラル状態ではなく、所定の変速ギヤ34,35同士を噛み合わせることにより、1速等の所定の変速比状態にしたうえで、クラッチ2を接続することをいう。
本発明は、自動二輪車に有用である。
実施形態1に係る自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車の平面図である。 パワーユニットの主要部の断面図である。 クラッチおよび回転抑制機構を示す断面図である。 図3のプッシュロッド駆動機構を拡大して示す断面図である。 (a)および(b)は、サイドスタンドおよびワイヤの動作を示す図である。 回転抑制機構の作動時におけるクラッチおよび回転抑制機構を示す断面図である。 実施形態2に係る自動二輪車の回転抑制機構、切替レバー、リヤブレーキペダルおよび後輪を示す図である。 実施形態2に係る自動二輪車の平面図である。 (a)および(b)は、切替レバーの動作を示す図である。 実施形態2に係る自動二輪車のハンドルロック時の平面図である。
符号の説明
1 自動二輪車
2 クラッチ
3 パワーユニット
4 エンジン
5 変速装置
7 車両本体
12 ハンドル
14 前輪
17 燃料タンク
19 後輪
21 アクセルグリップ
22 フロントブレーキレバー
23 ドライブ軸
24 クラッチレバー
26 リヤブレーキペダル
27 シフトペダル
28 サイドスタンド
29 左側グリップ
32 クランク軸
33 メイン軸
34 変速ギヤ
35 変速ギヤ
36 ギヤ選択機構
37 シフトカム
38 シフトフォーク
41 ローラウエイト
46 クラッチハウジング
48 クラッチボス
50 回転抑制機構
55 押し付け機構
60 連動機構
64 フリクションプレート
65 クラッチプレート
66 プレート群
77 プレッシャプレート
78 ローラリテーナー
93 後輪ブレーキ
94 切替レバー
95 配管
96 ディスクローター
97 キャリパー

Claims (12)

  1. 車両本体と、
    前記車両本体の後側に設けられた後輪と、
    駆動源と、
    前記駆動源と前記後輪とをつなぐ動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構内に配置された遠心式クラッチと、
    複数のギヤを有し、前記動力伝達機構内に配置された変速装置と、
    前記車両本体に設けられたハンドルと、
    前記ハンドルの右側に設けられたアクセルグリップと、
    前記ハンドルの左側に設けられ、前記遠心式クラッチを断続する際に操作されるクラッチレバーと、
    前記車両本体の左側に設けられ、前記変速装置の変速比を変更する際に操作されるシフトペダルと、
    前記車両本体の右側に設けられ、前記後輪を制動する際に操作されるリヤブレーキペダルと、
    前記車両本体に設けられたサイドスタンドと、
    少なくとも前記駆動源の停止時に、前記後輪の回転を抑制する回転抑制機構と、
    を備えた自動二輪車。
  2. 請求項1に記載の自動二輪車において、
    前記回転抑制機構は、前記遠心式クラッチが接続される方向に前記遠心式クラッチを押しつける押しつけ機構を有する自動二輪車。
  3. 請求項2に記載の自動二輪車において、
    前記遠心式クラッチは、第1のプレートを有するクラッチボスと、前記第1のプレートに対して前記クラッチボスの軸方向に対向する第2のプレートを有するクラッチハウジングと、前記クラッチボスの軸方向に移動することによって前記第1のプレートと前記第2のプレートとを接触させるプレッシャプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートとが離反する方向に前記プレッシャプレートを付勢するばねと、遠心力を受けて半径方向の外側に移動することによって前記第1のプレートと前記第2のプレートとが接触する方向に前記プレッシャプレートを移動させる遠心ウエイトと、を備え、
    前記押しつけ機構は、前記第1のプレートと前記第2のプレートとが接触する方向に前記プレッシャプレートを移動させる機構を有している自動二輪車。
  4. 請求項1に記載の自動二輪車において、
    前記回転抑制機構は、前記後輪を制動する後輪ブレーキを有する自動二輪車。
  5. 請求項1に記載の自動二輪車において、
    前記サイドスタンドが立てられると前記回転抑制機構を作動状態とし、前記サイドスタンドが収納されると前記回転抑制機構を非作動状態とするように、前記サイドスタンドと前記回転抑制機構とを連動させる連動機構を備えている自動二輪車。
  6. 請求項1に記載の自動二輪車において、
    前記回転抑制機構の作動状態と非作動状態とを切り替える切替レバーを備えている自動二輪車。
  7. 請求項6に記載の自動二輪車において、
    前記切替レバーは、前記ハンドルにおける左右方向の中心よりも左側に配置されている自動二輪車。
  8. 請求項7に記載の自動二輪車において、
    前記切替レバーの少なくとも一部は、前記回転抑制機構の作動状態および非作動状態の少なくとも一方の状態のときに、前記クラッチレバーの右端よりも左側に位置する自動二輪車。
  9. 請求項7に記載の自動二輪車において、
    前記切替レバーは、ライダーの左手によって操作される自動二輪車。
  10. 請求項9に記載の自動二輪車において、
    前記切替レバーは、ライダーの左手の親指によって操作される自動二輪車。
  11. 請求項7に記載の自動二輪車において、
    前記ハンドルの左側に設けられた左側グリップをさらに備え、
    前記回転抑制機構の非作動状態のときには、前記切替レバーは前記左側グリップの右端よりも右側に位置し、
    前記回転抑制機構の作動状態のときには、前記切替レバーの少なくとも一部が前記左側グリップの右端よりも左側に位置する自動二輪車。
  12. 請求項7に記載の自動二輪車において、
    前記切替レバーは、回転することによって前記回転抑制機構の作動状態と非作動状態とを切り替えるように構成され、
    前記サイドスタンドは、前記車両本体の左側に設けられ、
    前記切替レバーの回転軌跡と前記車両本体とが干渉する位置まで前記ハンドルを左向きに回転させた状態で、前記ハンドルをロックするハンドルロック機構をさらに備えた自動二輪車。
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