JP2009056132A - バルーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、バルーンカテーテルに用いられるバルーンの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のバルーンの製造方法は、第一型1及び第二型2を備えたバルーン成形用型Aを型締めして、上記第一型1及び第二型2間に、上記膨張部31を成形する膨張部成形キャビティ部A2と、この膨張部成形キャビティ部A2に連通し且つ上記筒状固着部32a,32bを成形する固着部成形キャビティ部A31、A32とを備えたキャビティA1を形成し、このキャビティA1内に、バルーン用合成樹脂を溶解させた成形溶液4を供給し、上記バルーン成形用型Aのキャビティ面A11に上記成形溶液4を塗布して乾燥させた後、上記バルーン成形用型Aを型開きしてバルーン3を取り出すことを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】 本発明のバルーンの製造方法は、第一型1及び第二型2を備えたバルーン成形用型Aを型締めして、上記第一型1及び第二型2間に、上記膨張部31を成形する膨張部成形キャビティ部A2と、この膨張部成形キャビティ部A2に連通し且つ上記筒状固着部32a,32bを成形する固着部成形キャビティ部A31、A32とを備えたキャビティA1を形成し、このキャビティA1内に、バルーン用合成樹脂を溶解させた成形溶液4を供給し、上記バルーン成形用型Aのキャビティ面A11に上記成形溶液4を塗布して乾燥させた後、上記バルーン成形用型Aを型開きしてバルーン3を取り出すことを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、検査や治療のために生体内に挿入して用いられ、狭窄部の拡張及びその拡張状態の維持、組織の剥離及びその剥離状態の維持、並びに、組織の持ち上げ或いはこの持ち上げ状態の維持を円滑に行なうことができるバルーンカテーテルに用いられるバルーンの製造方法に関する。
今日、カテーテルや内視鏡を用いた低侵襲治療法が広く用いられており、血管、気管、消化管などの生体腔の狭窄部の拡張や組織の剥離を行うことを目的として各種バルーンカテーテルが提案され用いられている。そして、このようなバルーンカテーテルとして、特許文献1には、バルーンのテーパー部上の至るところでテーパー部の膜厚が所定の式を満たすバルーンカテーテルが提案されている。
しかしながら、血管、器官、消化管などの生体腔は、断面が真円形状であることは稀であり、生体腔の殆どは断面楕円形状となっている一方、上記バルーンカテーテルは、そのバルーンを偏りなく均一に膨張させることを目的としており、バルーンは、その膨張時において断面真円形状となっている。
従って、上記バルーンカテーテルのバルーンを生体腔内において膨張させた場合、膨張状態のバルーンが生体腔にうまく馴染まないことがあり、このような場合、患者に負担をかける虞れがあるといった問題点を有していた。
又、組織に切込みを入れ、この切込みからバルーンカテーテルのバルーンを組織内に挿入し、バルーンを膨張させ組織を持ち上げて治療を行うことがあり、このような治療の場合、組織を幅広い範囲にて持ち上げる方が治療を円滑に行いやすい。
しかしながら、上記バルーンカテーテルでは、そのバルーンが断面真円形状に膨張することから、組織を幅広い範囲にて持ち上げるためにはバルーンを大きく膨張させなければならず、このようにバルーンを大きく膨張させると、組織の持ち上げ方向へのバルーンの膨張も大きくなってしまって組織を必要以上に持ち上げてしまい、患者に負担をかけることがある一方、患者への負担を軽減するためにバルーンの膨張を抑えると、組織を幅広い範囲にて持ち上げることができないといった問題点を生じていた。
又、上記バルーンカテーテルのバルーンは、円筒状の膨張部と、この膨張部の基端及び先端に延設され且つ上記膨張部よりも小径の筒状固着部とからなり、このようなバルーンの製造方法としては、主に加熱浸漬成形法(ディッピング製膜法)が用いられている。
このディッピング製膜法では、先ず、バルーンの形状に対応するバルーン成形用型を用意し、このバルーン成形用型を、バルーン用合成樹脂を溶解した成形溶液中に浸漬した後、バルーン成形用型を成形溶液中から取り出し、バルーン成形用型の外表面に付着した成形溶液を乾燥させてバルーンを成形し、このバルーンをバルーン成形用型から強制的に引き抜くことによってバルーンをバルーン成形用型から離脱させている。
しかしながら、バルーンをバルーン成形用型から強制的に引き抜いていることから、バルーンの膨張部に対して筒状固着部が極端に小さい場合には上記引き抜き工程においてバルーンが損傷してしまうといった問題があった。
本発明は、検査や治療のために生体内に挿入して、狭窄部の拡張及びその拡張状態の維持、組織の剥離及びその剥離状態の維持、並びに、組織の持ち上げ或いはこの持ち上げ状態の維持を円滑に行なうことができるバルーンカテーテルに用いられるバルーンの製造方法を提供する。
本発明のバルーンの製造方法は、バルーンカテーテルのシャフト本体の先端部に固着されて用いられ、膨張、収縮可能な膨張部とこの膨張部の基端部及び先端部に突設されて上記シャフト本体の先端部に固着一体化される筒状固着部とを備えたバルーンの製造方法であって、第一型及び第二型を備えたバルーン成形用型を型締めして、上記第一型及び第二型間に、上記膨張部を成形する膨張部成形キャビティ部と、この膨張部成形キャビティ部に連通し且つ上記筒状固着部を成形する固着部成形キャビティ部とを備えたキャビティを形成し、このキャビティ内に、バルーン用合成樹脂を溶解させた成形溶液を供給し、上記バルーン成形用型のキャビティ面に上記成形溶液を塗布して乾燥させた後、上記バルーン成形用型を型開きしてバルーンを取り出すことを特徴とする。
そして、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型の固着部成形キャビティ部は、バルーン成形用型の外部と連通していることを特徴とする。
又、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型を成形溶液に浸漬し、上記バルーン成形用型のキャビティ内を上記成形溶液で充満した後、上記キャビティ内から上記成形溶液を排出してキャビティ面に上記成形溶液を塗布し、上記キャビティ面上の上記成形溶液を乾燥させることを特徴とする。
更に、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型を型締めした上で、このバルーン成形用型を成形溶液内に浸漬することを特徴とする。
そして、上記バルーンの製造方法において、固着部成形キャビティ部に棒状体を挿入した上でキャビティ面上に塗布された成形溶液を乾燥させることを特徴とする。
本発明のバルーンは、バルーンカテーテルのシャフト本体の先端部に固着されて用いられ、膨張、収縮可能な膨張部とこの膨張部の基端部及び先端部に突設されて上記シャフト本体の先端部に固着一体化される筒状固着部とを備えたバルーンの製造方法であって、第一型及び第二型を備えたバルーン成形用型を型締めして、上記第一型及び第二型間に、上記膨張部を成形する膨張部成形キャビティ部と、この膨張部成形キャビティ部に連通し且つ上記筒状固着部を成形する固着部成形キャビティ部とを備えたキャビティを形成し、このキャビティ内に、バルーン用合成樹脂を溶解させた成形溶液を供給し、上記バルーン成形用型のキャビティ面に上記成形溶液を塗布して乾燥させた後、上記バルーン成形用型を型開きしてバルーンを取り出すことを特徴とするので、膨張部が筒状固着部に比して大きく形成されたバルーンであっても円滑にバルーン成形用型からバルーンを確実に離脱させることができ、この離脱工程においてバルーンに傷が付くようなことはなく、バルーンを円滑に且つ確実に製造することができる。
そして、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型の固着部成形キャビティ部が、バルーン成形用型の外部と連通している場合には、固着部成形キャビティ部を通じてキャビティ内に成形溶液を供給し、キャビティ面に成形溶液を塗布することができ、バルーンをより容易に製造することができる。
又、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型を成形溶液に浸漬し、上記バルーン成形用型のキャビティ内を上記成形溶液で充満した後、上記キャビティ内から上記成形溶液を排出してキャビティ面に上記成形溶液を塗布し、上記キャビティ面上の上記成形溶液を乾燥させる場合には、バルーン成形用型を成形溶液中に浸漬することによって、バルーン成形用型のキャビティ面全面に成形溶液を確実に塗布することができ、バルーンの製造をより確実に行うことができる。
更に、上記バルーンの製造方法において、バルーン成形用型を型締めした上で、このバルーン成形用型を成形溶液内に浸漬する場合には、バルーン成形用型の第一型と第二型との合わせ面に成形溶液が進入するのを略確実に防止することができ、得られるバルーンにバリなどが発生するのを確実に防止することができる。
そして、上記バルーンの製造方法において、固着部成形キャビティ部に棒状体を挿入した上でキャビティ面上に塗布された成形溶液を乾燥させる場合には、筒状固着部の径が小さい場合にあっても、筒状固着部の先端部が開放した状態に確実に製造することができる。
本発明のバルーンの製造方法の一例を図面を参照しつつ説明する。バルーンの製造に用いられるバルーン成形用型Aは、図1乃至図4に示したように、一対の第一型1及び第二型2からなり、第一型1と第二型2を型締めすることによって第一型1と第二型2との間にキャビティA1が形成されるように構成されている。
具体的には、第一型1における第二型2に対する合わせ面11には、目的とするバルーン3における膨張部31の厚み方向の一半部を成形するための膨張部成形用凹部12が形成されている。この膨張部成形用凹部12は、正面円形状の底部12aを有し、この底部12aから合わせ面11に向かって徐々に拡径しながら合わせ面11に開口してなり、開口部は正面円形状に形成されており、平坦な底部12aとこの底部12aの外周縁に延設された断面凸円弧状の周壁部12bとから構成されている。
そして、第一型1の膨張部成形用凹部12の開口部における径方向に対向する上下端のそれぞれには、目的とするバルーン3における円筒状固着部32a、32bの厚み方向の一半部を成形するための断面半円形状の上下固着部成形用凹部13a、13bが凹設され、これら上下固着部成形用凹部13a、13bは、膨張部成形用凹部12の周壁部12b、第一型1の外周端面14及び合わせ面11に開口している。
一方、第二型2は第一型1と同一構造を有しており、具体的には、第二型2における第一型1に対する合わせ面21には、目的とするバルーン3における膨張部31の厚み方向の他半部を成形するための膨張部成形用凹部22が形成されている。この膨張部成形用凹部22は、正面円形状の底部22aを有し、この底部22aから合わせ面21に向かって徐々に拡径しながら合わせ面21に開口してなり、開口部は正面円形状に形成されており、平坦な底部22aとこの底部22aの外周縁に延設された断面凸円弧状の周壁部22bとから構成されている。
そして、第二型2の膨張部成形用凹部22の開口部における径方向に対向する上下端のそれぞれには、目的とするバルーン3における円筒状固着部32a、32bの厚み方向の他半部を成形するための断面半円形状の上下固着部成形用凹部23a、23bが凹設され、これら上下固着部成形用凹部23a、23bは、膨張部成形用凹部22の周壁部22b、第二型2の外周端面24及び合わせ面21に開口している。
更に、第一型1と第二型2とを互いの合わせ面11、21同士を重ね合わせて型締めした状態とすると、第一型1及び第二型2の膨張部成形用凹部12、22同士が腹合せ状となり、これらの膨張部成形用凹部12、22間にバルーン3の膨張部31を成形するための膨張部成形キャビティ部A2が形成されると共に、第一型1及び第二型2の上側固着部成形用凹部13a、23a同士及び下側固着部成形用凹部13b、23b同士が腹合せ状となり、これらの固着部成形用凹部13a、13b、23a、23b間にバルーン3の円筒状固着部32a、32bを成形するための上下固着部成形キャビティ部A31、A32が形成され、これら上下固着部成形キャビティ部A31、A32は、膨張部成形キャビティ部A2に連通し且つ第一、第二型1、2の外周面に開口しており、膨張部成形キャビティ部A2は固着部成形キャビティ部A31、A32を介して第一、第二型1、2の外方、即ち、バルーン成形用型Aの外方と連通した状態となる。
このように構成されたバルーン成形用型Aを用いてバルーン3を成形するには、先ず、バルーン3の材料となるバルーン用合成樹脂を溶剤中に溶解させてなる成形溶液を作製する。
上記バルーン用合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム;シリコーンゴム;ウレタンゴム;シリコーン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイソプレンなどが挙げられ、生体腔内でバルーンの膨張、収縮が容易に行なえることから、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好ましい。
又、上記成形溶液を構成している溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
そして、バルーン成形用型Aをその第一型1及び第二型2における合わせ面11、21同士を重ね合わせて型締めした状態とし、第一型1と第二型2との間に、膨張部成形キャビティ部A2及び上下固着部成形キャビティ部A3,A3からなるキャビティA1を形成する(図5(a))。
しかる後、成形溶液4を満たした槽P中にバルーン成形用型Aを投入して成形溶液4中に浸漬し、バルーン成形用型AのキャビティA1内に固着部成形キャビティ部A31、A32を通じて成形溶液を供給、充満させる(図5(b))。
次に、バルーン成形用型Aをその上下固着部成形キャビティ部A31、A32が互いに垂直線上に位置した状態、即ち、上側固着部成形キャビティ部A31を垂直下方に投影した方向に下側固着部成形キャビティ部A32が位置した状態にして成形溶液4中から引き上げる。
すると、バルーン成形用型Aの上下固着部成形キャビティ部A31、A32は共にバルーン成形用型Aの外方に開口した状態となっていることから、バルーン成形用型Aの上側固着部成形キャビティ部A31の上端開口部が成形溶液4の水面から上方に位置するようになると、上側固着部成形キャビティ部A31の上端開口部を通じてキャビティA1内に空気が順次、流入すると共に、このキャビティA1内に充満していた成形溶液4が下側固着部成形キャビティ部A32を通じてキャビティA1外に順次、排出される。
そして、バルーン成形用型Aを成形溶液4から完全に引き上げた状態においては、バルーン成形用型AのキャビティA1内に充満させていた成形溶液4は排出され、バルーン成形用型AのキャビティA1のキャビティ面A11上には全面的に成形溶液4が塗布された状態となっている。
しかる後、バルーン成形用型Aを型締めした状態のまま、バルーン成形用型Aのキャビティ面A11上に塗布された成形溶液4中の溶剤を蒸発、除去させることによって、成形溶液4中のバルーン用合成樹脂からなる皮膜がバルーン成形用型Aのキャビティ面A11上にその全面に沿って形成され、膨張部成形キャビティ部A2のキャビティ面A11a上に形成された膨張部31と、上下固着部成形キャビティ部A31、A32のキャビティ面A11b上に形成され且つ膨張部31内に連通する円筒状固着部32a、32bとを備えたバルーン3が形成される。
なお、バルーン成形用型Aを成形溶液4から引き上げた状態において、バルーン成形用型Aの固着部成形キャビティ部A31、A32の径が小さい場合には、固着部成形キャビティ部A31、A32における外側開口端及び膨張部成形キャビティ部A2との連設部において、成形溶液が膜を張ってしまうことがあり、この状態のまま、バルーン成形用型Aのキャビティ面A11上に塗布された成形溶液4中の溶剤を蒸発、除去させると、得られるバルーン3の円筒状固着部32a、32bが閉塞した状態となってしまう。
このような場合には、図6に示したように、バルーン成形用型Aを成形溶液4から引き上げた後、バルーン成形用型Aの上下固着部成形キャビティ部A31、A32内にその外側開口部から膨張部成形キャビティ部A2に達するまで棒状体5、5を挿入し、上下固着部成形キャビティ部A31、A32内に棒状体5、5を挿入した状態で成形溶液4中の溶剤を蒸発、除去させればよい。
そして、バルーン成形用型Aの第一型1及び第二型2の合わせ面11、21を互いに離間させることによって、バルーン成形用型Aを型開きして目的とするバルーン3を得ることができる。
このように、バルーン成形用型Aのキャビティ面A11上に形成されたバルーン3をバルーン成形用型Aから離脱させるにあたって、従来のように、バルーンをバルーン成形用型から強制的に引き抜くのではなく、バルーン成形用型Aの第一型1及び第二型2を型開きして取り出している。
従って、従来の製造方法において、バルーン3の円筒状固着部32a、32bが膨張部31に比して極端に小さく、バルーンをバルーン成形用型に対して強制的に引き抜くことによってバルーンをバルーン成形用型から離脱させることができない場合にあっても、本発明のバルーンの製造方法によれば、バルーン3を損傷させることなくバルーン成形用型Aから離脱させることができ、種々の形状を有するバルーン3を簡単に且つ確実に製造することができる。
このようにして得られたバルーン3は、図7乃至図10に示したように、膨張、収縮可能な膨張部31と、この膨張部31の基端部及び先端部に突設された円筒状固着部32a、32bとを備えている。なお、バルーン3はその内部に流体を供給していない状態において一部にて皺が発生したり、折れ曲がるなどして萎んだ状態となるが、本発明のバルーン3の形状を説明する場合には、バルーン3の膨張部31を伸長させることなく膨らました状態、即ち、バルーン3を形成している膜部を伸長させることなく皺や折れ曲がりを伸ばして膨張部31の表面が滑らかな状態(略して「収縮時」という)にしたときのバルーン3の形状をいうものとする。
バルーン3の膨張部31は、その収縮時において幅方向の寸法が厚み方向の寸法よりも大きな扁平形状に形成され、平面略円形状であって、厚み方向の断面が扁平なトラック形状、即ち、一定厚みを有する直線状の上部31a及び下部31bが互いに平行に形成され且つ上部31a及び下部31bの対向端同士が一定厚みを有する凸円弧状部31c、31cによって連結してなる。そして、バルーン3の空間部33は、その外周縁部を除いた中央部33aにおいて高さが同一に形成され且つ外周縁部33bにおいて外側になるに従って徐々に高さが低くなるように形成されている。膨張部31の空間部33内に流体を供給或いは排出することによって膨張部31は膨張、収縮可能に構成されている。なお、バルーン3の膨張部31の幅方向とは、図7において紙面に沿い且つ円筒状固着部32a、32bを結ぶ方向に直交する方向をいい、バルーン3の膨張部31の厚み方向とは、図7において紙面に直交する方向をいう。
そして、扁平形状を表す指標としては、収縮時のバルーン3の膨張部31において、円筒状固着部32a、32b同士を結ぶ方向に直交する面に沿って切断した任意の断面、即ち、シャフト本体6の長さ方向に直交する面に沿って切断した任意の断面にて、その外形の最長部aと最短部bとの比(最長部a/最短部b)で示し、この比(最長部a/最短部b)が1よりも大きいことが必要であるが、外形の最長部aと最短部bとの比(最長部a/最短部b)が小さいと、膨張状態のバルーンの断面形状が真円形状に近づき生体腔の形状に馴染み難くなる虞れがあるので、3以上が好ましい(図10参照)。
更に、バルーン3の膨張部31の基端部及び先端部、即ち、膨張部31における平面視径方向に対向する部分には、膨張部31の空間部33内に連通する円筒状固着部32a、32bが突設されており、バルーン3の基端部及び先端部に突設された円筒状固着部32a、32bは共に先端が開放されており、これらの円筒状固着部32a、32bを介して膨張部31の空間部33とバルーン3外とが連通した状態に形成されている。
上記バルーン3は、図11及び図12に示したように、シャフト本体6の先端部に固着されてバルーンカテーテルBを構成する。具体的には、内部にルーメン61を有し且つ先端が閉塞されてなるシャフト本体6の先端部をバルーン3の一方の円筒状固着部32aから挿入して膨張部31を貫通させ他方の円筒状固着部32b内に挿入することによって、バルーン3の円筒状固着部32a、32bをシャフト本体6の先端部に嵌めた状態とし、この円筒状固着部32a、32bをシャフト本体6の外周面に固着一体化することによってバルーンカテーテルBを構成することができる。
なお、バルーン3の円筒状固着部32a、32bをシャフト本体6に固着一体化させる方法としては、特に限定されず、熱融着による方法、接着剤を用いる方法、バルーン3の円筒状固着部32a、32bを糸で縛る方法などが挙げられる。
そして、シャフト本体6の先端部には、バルーン3内と、シャフト本体6のルーメン61内とを連通させる流体供給孔62が形成されており、この流体供給孔62を通じてバルーン3の膨張部31内に流体を供給、排出することによって、バルーン3を膨張、収縮させることができる。なお、上記流体としては、空気などの気体や、水、生理食塩水、ゲル状の薬剤などの液体が挙げられ、この流体をバルーン3の膨張部31内に供給する手段としては、従来から用いられている注射筒などの流体調整具が用いられる。
次に、上記バルーンカテーテルBの使用要領を説明する。以下では、このバルーンカテーテルBを用いて血管、気管、消化管などの生体腔内の狭窄部の拡張を行う場合を例に挙げて説明する。
先ず、バルーンカテーテルBを生体腔内に挿入し、生体腔の狭窄部にバルーンカテーテルBのバルーン3を位置させる。次に、上記バルーンカテーテルBのバルーン3内にシャフト本体6を通じてバルーン3内に流体を供給する。
すると、図13に示したように、バルーン3は、該バルーン3内に供給された流体圧によって全体的に均一に膨張し、シャフト本体6の長さ方向に直交する方向の面に沿った任意の断面が楕円形状となるように膨張し、その膨張状態においても、バルーン3の膨張部31は、シャフト本体6の長さ方向に直交する面に沿った任意の断面において、その幅方向の寸法が厚み方向の寸法よりも大きな形態、即ち、バルーン3の膨張部31におけるシャフト本体に直交する面に沿って切断した任意の切断面にて、その外形の最長部a’と最短部b’との比(最長部a’/最短部b’)が1よりも大きく、好ましくは3以上となった形態となる。
このように、上記バルーン3は、生体腔の内部形状に馴染んだ状態に断面楕円形状に膨張するので、バルーン3によって生体腔の狭窄部を患者に負担をかけることなく円滑に拡張することができる。
1 第一型
2 第二型
3 バルーン
31 膨張部
32a,32b 円筒状固着部
4 成形溶液
5 棒状体
6 シャフト本体
A バルーン成形用型
A1 キャビティ
A11 キャビティ面
A2 膨張部成形キャビティ部
A31,A32 固着部成形キャビティ部
B バルーンカテーテル
2 第二型
3 バルーン
31 膨張部
32a,32b 円筒状固着部
4 成形溶液
5 棒状体
6 シャフト本体
A バルーン成形用型
A1 キャビティ
A11 キャビティ面
A2 膨張部成形キャビティ部
A31,A32 固着部成形キャビティ部
B バルーンカテーテル
Claims (5)
- バルーンカテーテルのシャフト本体の先端部に固着されて用いられ、膨張、収縮可能な膨張部とこの膨張部の基端部及び先端部に突設されて上記シャフト本体の先端部に固着一体化される筒状固着部とを備えたバルーンの製造方法であって、第一型及び第二型を備えたバルーン成形用型を型締めして、上記第一型及び第二型間に、上記膨張部を成形する膨張部成形キャビティ部と、この膨張部成形キャビティ部に連通し且つ上記筒状固着部を成形する固着部成形キャビティ部とを備えたキャビティを形成し、このキャビティ内に、バルーン用合成樹脂を溶解させた成形溶液を供給し、上記バルーン成形用型のキャビティ面に上記成形溶液を塗布して乾燥させた後、上記バルーン成形用型を型開きしてバルーンを取り出すことを特徴とするバルーンの製造方法。
- バルーン成形用型の固着部成形キャビティ部は、バルーン成形用型の外部と連通していることを特徴とする請求項1に記載のバルーンの製造方法。
- バルーン成形用型を成形溶液に浸漬し、上記バルーン成形用型のキャビティ内を上記成形溶液で充満した後、上記キャビティ内から上記成形溶液を排出してキャビティ面に上記成形溶液を塗布し、上記キャビティ面上の上記成形溶液を乾燥させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルーンの製造方法。
- バルーン成形用型を型締めした上で、このバルーン成形用型を成形溶液内に浸漬することを特徴とする請求項3に記載のバルーンの製造方法。
- 固着部成形キャビティ部に棒状体を挿入した上でキャビティ面上に塗布された成形溶液を乾燥させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルーンの製造方法。
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JP2007226478A Pending JP2009056132A (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | バルーンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009056132A (ja) |
-
2007
- 2007-08-31 JP JP2007226478A patent/JP2009056132A/ja active Pending
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