JP2009054615A - 圧粉コア及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に、粒径の頻度及び累積のパラメータを導入して、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を増大させ、コア特性を向上させた圧粉コア及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 例えば、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含む非晶質軟磁性合金粉末の基準粉末(D50=12.25μm)に4μm分級粉を、5質量%〜50質量%混合することで、10%〜90%の累積範囲での粒径の頻度を、8%以下に抑えることができ、その結果、圧粉コアに占める非晶質軟磁性合金粉末の充填率を基準粉末のみ含む圧粉コアに比べて増大させることができ、コア損失を低減でき、さらには透磁率を上昇させることが可能になる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、非晶質軟磁性合金粉末が結着材によって固化成形されてなる圧粉コアに係り、特に、前記非晶質軟磁性合金粉末の充填率を増大させてコア特性を向上させた圧粉コア及びその製造方法に関する。
下記の特許文献1に示された非晶質軟磁性合金粉末を用いた圧粉コアでは、Fe−Al−Si系合金(センダスト(登録商標))に比べて低温での熱処理で構造緩和によるプレス成形時の歪を開放することが可能なため、粉末の十分な磁気特性の回復と、粉末間の絶縁を維持することにより、コア損失を適切に低減できる。
圧粉コアでは、コア損失の低減や透磁率の増大を図りコア特性を向上させることが極めて重要である。
前記コア特性の向上を図るには、圧粉コア中に占める前記非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることが重要であった。
特開2005−307291号公報 特開2004−349585号公報 特開2000−114022号公報 特開2004−273564号公報 特開平5−299232号公報 特開平4−343207号公報 特開2001−196216号公報
上記特許文献2〜特許文献7に示すように、平均粒径の異なる磁性粉末どうしを混合することで、大径の磁性粉末間の隙間に小径の磁性粉末を介在させて充填率を向上させるという考えは従来から多々存在する。
しかしながら、特許文献2〜特許文献7に記載されている従来の充填率を向上させる方法では、粒度分布の頻度及び累積というパラメータを考慮していなかった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、粒度分布の頻度及び累積のパラメータを導入して、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を増大させ、コア特性を向上させた圧粉コア及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、非晶質軟磁性合金粉末が結着材によって固化成形されてなる圧粉コアにおいて、
前記非晶質磁性合金粉末は、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含み、
前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下であることを特徴とするものである。
これにより効果的に非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることができ、コア損失の低減や透磁率の増大を図りコア特性を向上させることができる。
また本発明では、前記粒度分布の最大頻度と最小頻度との差が、4%以下であることが好ましい。前記粒度分布の最大頻度と最小頻度との差が大きくなると、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を十分に向上できないので、前記粒径の最大頻度と最小頻度との差を小さくすることが好適である。
また本発明では、前記粒度分布の頻度が6%以下であることがより好ましく、前記粒度分布の頻度が、4%以下で、且つ前記粒径の最大頻度と最小頻度の差が2%以下であることがさらに好ましい。これにより、より効果的に非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることができ、より適切に、コア損失を低減できるとともに、透磁率を高めることが可能である。
また本発明では、前記非晶質軟磁性合金粉末は、下記の組成式で表されることが好ましい。
Fe100−a−b−x−y−z−w−tCoNiSi
ただし、MはCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alより選ばれる1種または2種以上の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、w、tは、0原子%≦x≦5原子%、0原子%≦y≦15原子%、0原子%<z≦8原子%、1原子%≦w≦15原子%、0原子%≦t≦12原子%、0原子%≦a≦20原子%、0原子%≦b≦5原子%、70原子%≦(100−a−b−x−y−z−w−t)≦83原子%を示す。上記組成において、Pの添加量yは2原子%以上であることがより好ましく、Bの添加量wは12原子%以下であることがより好ましい。また、Siの添加量tは0.5原子%≦t≦8原子%であることがより好ましい。
また本発明は、非晶質軟磁性合金粉末を結着材によって固化成形してなる圧粉コアの製造方法において、
Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含む前記非晶質軟磁性合金粉末をアトマイズ法により形成する第1工程、
前記第1工程中、あるいは、前記第1工程の後に、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度を、10%〜90%の累積範囲で、8%以下に調整する第2工程、
前記非晶質軟磁性合金粉末と、結着材及び潤滑材を含む添加材とを混合、造粒して造粒粉を形成する第3工程、
前記造粒粉末を圧縮成形して所定形状のコア前駆体を形成する第4工程、
前記コア前駆体を熱処理し、圧縮成形により前記非晶質軟磁性合金粉末に生じた歪を除去する第5工程、
を有することを特徴とするものである。
これにより非晶質軟磁性合金粉末の充填率が高く、コア特性に優れた圧粉コアを簡単且つ適切に製造できる。
本発明では、前記第1工程で得られた非晶質軟磁性合金粉末を基準粉末としたとき、前記基準粉末の平均粒径(D50)より小さい平均粒径(D50)を有し、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含むアトマイズ法により形成された非晶質軟磁性合金粉末(調整粉末)を用意し、
前記第2工程では、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となるように、前記基準粉末と適量の前記調整粉末とを混合することが好ましい。これにより、前記基準粉末に比べて容易に、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を高めることができる。
また前記調整粉末を5質量%〜50質量%の範囲内で混合することが、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を、基準粉末に比べて効果的に高めることができ、好適である。
また、前記調整粉末を10質量%〜20質量%の範囲内で混合することがより好ましい。
また本発明では、前記第1工程で得られた非晶質軟磁性合金粉末を基準粉末としたとき、前記基準粉末の平均粒径(D50)より大きい平均粒径(D50)を有し、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含むアトマイズ法により形成された非晶質軟磁性合金粉末(調整粉末)を用意し、
前記第2工程では、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となるように、前記基準粉末と適量の前記調整粉末とを混合してもよい。かかる場合、前記調整粉末を5質量%〜20質量%の範囲内で混合することが好ましい。
また本発明では、前記第2工程では、前記粒径の最大頻度と最小頻度との差を、4%以下に調整することが好ましい。
また本発明では、前記第2工程では、前記粒度分布の頻度を6%以下とすることがより好ましく、前記粒度分布の頻度を、4%以下で、且つ前記粒度分布の最大頻度と最小頻度の差を2%以下に調整することがより好ましい。
また本発明では、下記の組成式で表される前記非晶質磁性合金粉末を形成することが好ましい。
Fe100−a−b−x−y−z−w−tCoNiSi
ただし、MはCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alより選ばれる1種または2種以上の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、w、tは、0原子%≦x≦5原子%、0原子%≦y≦15原子%、0原子%<z≦8原子%、1原子%≦w≦15原子%、0原子%≦t≦12原子%、0原子%≦a≦20原子%、0原子%≦b≦5原子%、70原子%≦(100−a−b−x−y−z−w−t)≦83原子%を示す。
本発明の圧粉コアによれば、効果的に非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることができ、コア損失の低減や透磁率の増大を図りコア特性を向上させることができる。
また本発明の圧粉コアの製造方法によれば、非晶質軟磁性合金粉末の充填率が高く、コア特性に優れた圧粉コアを簡単且つ適切に製造できる。
(非晶質軟磁性合金粉末及び圧粉コアの形態)
本発明における圧粉コアは、非晶質軟磁性合金粉末が結着材によって固化成形されてなるものである。
前記非晶質軟磁性合金粉末は、略球状あるいは楕円体状からなる。前記非晶質軟磁性合金粉末は、組織中に多数個存在し、各非晶質軟磁性合金粉末間が前記結着材にて絶縁された状態となっている。
前記非晶質磁性合金粉末は、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siを含む。前記非晶質軟磁性合金粉末は、下記の組成式で表されることが好適である。
Fe100−a−b−x−y−z−w−tCoNiSi
ただし、MはCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alより選ばれる1種または2種以上の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、w、tは、0原子%≦x≦5原子%、0原子%≦y≦15原子%、0原子%<z≦8原子%、1原子%≦w≦15原子%、0原子%≦t≦12原子%、0原子%≦a≦20原子%、0原子%≦b≦5原子%、70原子%≦(100−a−b−x−y−z−w−t)≦83原子%を示す。
本実施形態の非晶質軟磁性合金粉末は、磁性を示すFeと、非晶質形成能を有するP、C、Bといった半金属元素を具備しているので、非晶質相を主相とするとともに優れた軟磁気特性を示す。
また、元素M(Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alのうちの1種又は2種以上の元素素)を添加することで耐食性を向上させることができる。
更に前記非晶質軟磁性合金粉末は、上記組成において、Pの添加量yは2原子%以上であることがより好ましく、Bの添加量wは12原子%以下であることがより好ましい。また、Siの添加量tは0.5原子%≦t≦8原子%であることがより好ましい。このような組成とすることで、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上を示すが、組成によってはΔTxが30K以上、さらには50K以上という顕著な温度間隔を有し、より非晶質化し易くなる。
本実施形態の磁性粉末のFe量(100−a−b−x−y−z−w−t)は、70原子%以上83原子%以下であることが好ましく、72原子%以上82原子%以下であることがより好ましく、73原子%以上80原子%以下であることが更に好ましい。このようにFe量が高いことで高い飽和磁化を示す。なおFeの添加量が83原子%を越えると、合金の非晶質形成能の程度を示す換算ガラス化温度(Tg/Tm)が0.50未満になり、非晶質形成能が低下するので好ましくない。なお、上記式においてTmは磁性粉末の融点を示す。
前記非晶質軟磁性合金粉末のCo量aは0〜20原子%の範囲で可能であり、Ni量bは0〜5原子%の範囲で可能である。Coはキュリー温度Tcを高めるとともに耐食性を高める効果を有する。しかし、20原子%を超えるとその分、Fe量が減り、飽和磁化が180×10−6Wbm/Kg以下になるとともに、TcがTg近傍温度まで上昇し、熱処理し難くなるので望ましくない。Niは耐食性を向上させる(強磁性元素の中で最も耐食性が高い)が、6原子%以上では飽和磁化が低下する傾向となる。
C、P、B及びSiは、非晶質形成能を高める元素であり、このうち、少なくとも2種以上を添加すると好ましい。Feと上記元素Mにこれらの元素を添加して多元系とすることにより、Feと上記元素Mのみの2元系の場合よりも安定して非晶質相が形成される。
特にPはFeと低温(約1050℃)で共晶組成を持つため、組織の全体が非晶質を形成しやすくなる。また、PとSiを同時に添加すると、過冷却液体の温度間隔ΔTxを発現し易くなって非晶質形成能が向上し、非晶質単相の組織を得る際の製造条件を比較的簡易な方向に緩和できる。
Pの組成比yが上記の範囲であれば、過冷却液体の温度間隔ΔTxが発現して合金粉末の非晶質形成能が向上する。
また、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hfに代表される元素Mは、合金粉末に不動態化酸化皮膜を形成でき、合金粉末の耐食性を向上できる。これらの元素のうち耐食性の向上に最も効果があるものはCrである。水アトマイズ法において、合金溶湯が直接水に触れたとき、更には合金粉末の乾燥工程において生じる腐食部分の発生を防ぐことができる(目視レベル)。また、これらの元素は単独添加するか、あるいは2種以上の組み合わせで複合添加しても良く、例えば、Mo、VとMo、CrとV、Cr及びCr、Mo、V等の組合せで複合添加しても良い。これらの元素のうち、Mo,Vは耐食性がCrより若干劣るものの非晶質形成能が向上するため、必要に応じてこれらの元素を選択する。また、Cr、Mo、W、V、Nb、Taのうちから選択される元素の添加量が8原子%を超えると、磁気特性(飽和磁化)が低下してしまう。
上記組成式中の元素Mとして採用される元素のうちガラス形成能はZr、Hfが最も高い。Ti、Zr、Hfは酸化性が強いため、これらの元素が8原子%を超えて添加されていると、大気中で合金粉末原料を溶解すると原料溶解中に溶湯が酸化し、磁気特性(飽和磁化)が低下してしまう。これらの元素も粉末表面の不働態被膜形成に寄与し、耐食性を向上させる。
また、磁性粉末としての耐食性向上効果は、Pt、Pd、Auのうちから選択される1種又は2種以上の貴金属元素の添加によっても得られ、これら貴金属元素を粉末表面に分散することにより、耐食性が向上する。また、これらの貴金属元素は単独添加あるいは上記のCr等の耐食性向上効果のある元素との組み合わせて複合添加しても良い。上記の貴金属元素はFeと混じり合わないため、8原子%を超えて添加されているとガラス形成能が低下し、また、磁気特性(飽和磁化)も低下する。
非晶質軟磁性合金粉末に耐食性を持たせるためには、上記元素Mの添加量は0.5原子%以上とする必要がある。
前記組成式中のMのうち、Snは低融点金属であり、Snを添加することで合金を軟化させる効果、アトマイズにて合金粉末を形成する際に球形の形状の粉末を得られ易くする効果があり、このような効果を訴求するために必要に応じて添加すると良い。なお、元素Mには示されていないが、In、Zn、Gaも同様な効果が期待できる。
次に、Siを添加すると熱的安定性が向上するため、必要に応じて、0.5原子%以上添加してもよい。また、Siの添加量が8原子%を超えると、融点が上昇してしまう。従ってSi量tは、0.5原子%以上8原子%以下であることが必要であり、好ましくは2〜8原子%、より好ましくは3原子%以上7原子%以下の添加量である。
このSiは本実施形態の非晶質軟磁性合金粉末において重要な元素であり、合金溶湯が水アトマイズ法により水の存在雰囲気で急冷されて非晶質合金化する過程において、非晶質軟磁性合金粉末が腐食されることを先の耐食性向上効果を奏する元素に加えてSiが防止する。
次に、B量wが1原子%未満では磁性粉末が得られ難く、15原子%を超えると融点が上昇してしまう。従って、B量wは、1原子%以上15原子%以下であることが好ましく、2原子%以上10原子%であることが好ましく、4原子%以上9原子%以下であることがさらに好ましい。
また、Cを添加すると熱的安定性が向上するためCが添加されていることが好ましい。また、C量zが8原子%を超えると、融点が上昇してしまう。従って、C量zは、8原子%以下であることが好ましく、0原子%を超えて6原子%以下であることがより好ましく、1原子%以上4原子%以下であることがさらに好ましい。
これらの半金属元素C、P、B及びSiの合計の組成比(y+z+w+t)は、17原子%以上25原子%以下であることが好ましく、18原子%以上25原子%以下とすることが更に好ましい。
半金属元素の合計の組成比が25原子%を越えると、特にFeの組成比が相対的に低下し、飽和磁化が低下するので好ましくない。半金属元素の合計の組成比が17原子%未満では、非晶質形成能が低下し非晶質相単相組織が得られにくい。
本実施形態の磁性粉末においては、上記の組成に、Geが4原子%以下含有されていてもよい。
上記のいずれの場合の組成においても、本実施形態においては、Tx/Tmの値が0.5以上、組成によっては0.55以上が得られる。
また上記の組成で示される元素の他に不可避的不純物が含まれていても良い。
次に、本実施形態の非晶質軟磁性合金粉末は、アスペクト比の平均が1以上3.5以下であることが好ましく、アスペクト比の平均が1以上3以下であることがより好ましく、1.2以上2.5以下であることがさらに好ましい。アスペクト比の平均が3.5を超えると不定形粉末が多くなり、成形密度が低下する。またコア成形した際に非晶質軟磁性合金粉末間の絶縁が取り難くなる。
前記結着材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)等の液状又は粉末状の樹脂あるいはゴムや、水ガラス(NaO-SiO)、酸化物ガラス粉末(NaO-B-SiO、PbO-B-SiO、PbO-BaO-SiO、NaO-B-ZnO、CaO-BaO-SiO、Al-B-SiO、B-SiO)、ゾルゲル法により生成するガラス状物質(SiO、Al、ZrO、TiO等を主成分とするもの)等を挙げることができる。
(粉末の粒度分布の頻度及び累積値について)
本実施形態の圧粉コアの特徴的部分は、前記非晶質軟磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下、好ましくは6%以下である点にある。
「粉末の粒度分布」は、粒度分布測定装置にて測定できる。粒度分布は、例えば日機装(株)製のマイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300EXを用いて測定することができる。例えば、前記マイクロトラック粒度分布測定装置の条件として、「分布表示」に「体積」を選択し、「粒径区分選択」に「標準」を選択し、「測定上限」に「1408μm」を選択し、測定下限に「0.021μm」を選択し、「チャンネル数」に「128」を選択し、「測定時間」に「30秒」を選択する。この粒度分布測定装置の測定原理は、レーザー回折散乱法(マイクロトラック法)である。
「粉末の粒度分布」は、粒径の異なる多数の非晶質軟磁性合金粉末を、粒径区分ごとに個数割合で表したものである。「粉末の粒度分布」は、粒径区分の小さい側から、「頻度」を累積したものである。「頻度」及び「粉末の粒度分布」は共に%で示される。
本実施形態の非晶質軟磁性合金粉末の平均粒径(D50)は、4〜55μm、好ましくは4〜35μmの範囲内である。前記平均粒径(D50)は、累積値50%での粒径を指している。
通常、平均粒径(D50)付近で「頻度」は非常に大きくなるが、本実施形態では、粒径が広範囲に満遍なく存在するように、前記非晶質軟磁性合金粉末の粒度分布における頻度を、10%〜90%の累積範囲で、8%以下に調整している。これにより、後述する実験結果によれば、非晶質合金粉末の硬度が大きいことにより生じる充填率の低下を粉体の塑性変形を用いずに改善でき、前記非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることができ、この結果、粒子間の絶縁を維持しながらコアの高密度化を実現し、コア損失を低減でき、さらには透磁率を上昇させることができコア特性の向上を図ることが可能となる。
なお0%〜10%(10%を含まない)、及び90%〜100%(90%を含まない)の累積範囲は外しているが、通常、この範囲での頻度は8%よりも小さく、またこの範囲を入れてしまうと、次に規定する「最大頻度と最小頻度との差」では、最小頻度が0%となり、適切に、「最大頻度と最小頻度との差」を規定できないため、0%〜10%(10%を含まない)、及び90%〜100%(90%を含まない)の累積範囲を外している。
本実施形態では、10%〜90%の累積範囲で、前記最大頻度と最小頻度との差が、6%以下、さらに好ましくは4%以下であることが好ましい。これにより、より効果的に、前記非晶質軟磁性合金粉末の充填率を向上させることができる。
また本実施形態では、10%〜90%の累積範囲で、前記頻度が、4%以下で、且つ前記最大頻度と最小頻度の差が2%以下であることがより好ましい。
(本実施形態の圧粉コアの製造方法)
まず、上記した組成を備える非晶質軟磁性合金粉末をアトマイズ法により形成する(第1工程)。アトマイズ法には水アトマイズ法あるいはガスアトマイズ法を使用することが好適である。ここで、例えば、水アトマイズ法にて前記非晶質軟磁性合金粉末を製造する際、水の噴射圧力、噴射流量、合金溶湯流量等をコントロールすることにより、目的とする非晶質軟磁性合金粉末のアスペクト比や平均粒径(D50)を得ることができる。
この第1工程で得られた非晶質軟磁性合金粉末を「基準粉末」とする。この基準粉末の粒度分布における頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となっていれば次の第2工程を行うことは必要ないが、そうでない場合、次の第2工程を行う。
すなわち前記基準粉末の平均粒径(D50)より小さい平均粒径(D50)を有し、且つ上記した組成を備える非晶質軟磁性合金粉末(調整粉末)を用意し、非晶質軟磁性合金粉末の粒度分布における頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となるように、前記基準粉末と適量の前記調整粉末とを混合する(第2工程)。
このとき、前記調整粉末を、前記基準粉末と調整粉末との混合粉の全質量中、5質量%〜50質量%の範囲内で混合することが好ましい。また前記調整粉末を10質量%〜20質量%の範囲内で混合することがより好ましい。
ここで前記基準粉末の平均粒径(D50)は4〜55μm、特に水アトマイズ法を用いる場合は4〜35μmの範囲内であり、前記基準粉末よりも小さい調整粉末の平均粒径(D50)は、4〜50μm、特に水アトマイズ法を用いる場合は4〜30μmの範囲内であることが好ましい。
前記調整粉末の平均粒径(D50)は、基準粉末の平均粒径(D50)より大きくても、非晶質軟磁性合金粉末(基準粉末と調整粉末との混合粉)の充填率を前記基準粉末の充填率より上げることができるが、非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを使用した圧粉コアに比べて、コア損失の低減効果を得にくいことが後述する実験によりわかった。したがって、基準粉末に比べてコア損失を低減し、さらに基準粉末に比べて透磁率を上昇させるには、前記調整粉末の平均粒径(D50)を、前記基準粉末の平均粒径(D50)より小さくすることが好ましい。
なお、前記調整粉末の平均粒径(D50)を、基準粉末の平均粒径(D50)より大きくしたとき、前記調整粉末を、前記基準粉末と調整粉末との混合粉の全質量中、5質量%〜20質量%の範囲内で混合することが好ましい。
ここで前記基準粉末の平均粒径(D50)は4〜55μm、特に水アトマイズ法を用いる場合は4〜35μmの範囲内であり、前記基準粉末よりも大きい調整粉末の平均粒径(D50)は、6〜100μm、特に水アトマイズ法を用いる場合は6〜50μmの範囲内であることが好ましい。
前記調整粉末の平均粒径(D50)が上記範囲内に収まるように、前記調整粉末は、分級機により分級されていることが好ましい。例えば、日清エンジニアリング(株)の商品名:ターボクラシファイアTC40の精密空気分級機を用いて分級する。
また、第2工程では、10%〜90%の累積範囲で、非晶質軟磁性合金粉末(基準粉末と調整粉末との混合粉)の粒度分布の最大頻度と最小頻度との差を、6%以下、より好ましくは4%以下に調整することが好ましい。
さらに、第2工程では、10%〜90%の累積範囲で、前記非晶質軟磁性合金粉末(基準粉末と調整粉末とを混合したもの)の粒度分布頻度を、4%以下で、且つ前記最大頻度と最小頻度の差を2%以下に調整することがより好ましい。
続いて、前記非晶質軟磁性合金と、結着材及び潤滑材を有してなる添加材とを混合する。混合物中の前記絶縁材の混合率は、0.3質量%〜5質量%の範囲内であることが好適である。また混合物中の潤滑材の混合率は、0.1質量%〜2質量%の範囲内であることが好適である。前記潤滑材には例えばステアリン酸亜鉛を使用できる。
前記非晶質軟磁性合金と添加材とを混合した後、乾燥・粉砕して造粒粉を得る(第3工程)。
前記造粒粉を、プレス成型の金型に充填しやすいように分級する。例えば目開き300μm以上850μm以下のふるいを用い分給して得られる300〜850μmの造粒粉を使用する。
続いて、前記造粒粉を金型に充填し、圧力を印加しつつ、室温又は所定の温度まで加熱して圧縮成形して所定形状のコア前駆体を得る(第4工程)。例えばプレス圧は20t/cmである。またコア前駆体は例えば略リング形状であり、一例を示すと、外径:20mm、内径:12mm、高さ:6.8mmである。
続いて前記コア前駆体を熱処理する(第5工程)。熱処理条件の一例を示すと、Nガス雰囲気下で、昇温速度を40℃/minとし510℃で1時間加熱する。これにより、圧縮成形により前記非晶質軟磁性合金粉末に生じた歪を除去することができる。
[粒度分布の測定]
実験では、水アトマイズ法によりFe74.43at%Cr1.96at%9.04at%2.16at%7.54at%Si4.87at%の略球状の非晶質磁性粉末(基準粉末)を形成した。
前記基準粉末を得る際の溶湯温度(溶解された合金の温度)1550℃、水の噴出圧は68.6MPaであった。
なお前記基準粉末は、粗大粉末の除去を目的に目開き180μmのふるいで分級した後、異形状粉末の除去を目的に目開き32μmのふるいで分級した粉末を用いた。
続いて、上記基準粉末とは別に、水アトマイズ法によりFe74.43at%Cr1.96at%9.04at%2.16at%7.54at%Si4.87at%の略球状の非晶質磁性粉末を形成し、日清エンジニアリング(株)の商品名:ターボクラシファイアTC40の精密空気分級機を用いて、4μm分級粉、6μm分級粉、8μm分級粉、及び、8μm分級残粉を得た。
ここで4μm分級粉とは、平均粒径(D50)が約4μmとなるように分級された粉末を示し、6μm分級粉、8μm分級粉も夫々、約6μm、約8μmとなるように分級された粉末を示す。また、8μm分級残粉とは、生成された非晶質磁性粉末から8μm分級粉として分級された非晶質軟磁性合金粉末を除いた残粉を意味する。
そして、基準粉末、4μm分級粉、6μm分級粉、8μm分級粉、及び、8μm分級残粉の粒度分布を夫々、日機装(株)製のマイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300EXを用いて測定した。
その実験結果が、以下の表1、表2に示されている。
Figure 2009054615
Figure 2009054615
表1には、基準粉末、4μm分級粉の粒径、頻度、累積が示されている。表1に示す「4μm分級粉20%混合」は次の実験の結果であるので、後述する。
図1は、表1に示す基準粉末の粒度分布の頻度及び累積との関係を示すグラフ(粒度分布図)である。
また図4は、表2に示す基準粉末の粒度分布累積と頻度との関係をグラフ化したものである。
図2は、表1に示す4μm分級粉の粒径と粒度分布の頻度及び累積との関係を示すグラフ(粒度分布図)である。
また表2には、粉末粒度分布欄に「累積 vs 頻度(%)」及び「累積 vs 粒径(μm)」が示されている。4μm分級粉、6μm分級粉、8μm分級粉、及び、8μm分級残粉の各データは、混合量100質量%の欄に示されている。なお、基準粉末及び混合量100質量%の欄を除くその他のデータ欄は、いずれも基準粉末と調整粉末(分級粉)とを混合した混合粉でのデータである。
図1、図4、表1及び表2に示すように、基準粉末の粒度分布は、累積値が10%〜90%の範囲で、粒径の頻度が6%以下であることがわかった。
一方、図2、表1及び表2(100質量%混合欄)に示すように、4μm分級粉の粒度分布は、累積値が40%付近〜60%付近の範囲で、頻度が8%を超え、40%付近〜80付近の範囲で頻度が6%を超えることがわかった。
6μm分級粉、及び、8μm分級残粉の粒度分布データは、いずれも表2(100質量%混合欄)に示されている。6μm分級粉、及び、8μm分級残粉でも、累積値が40%付近〜60%付近の範囲で、粒径の頻度が8%を超え、40%付近〜80%付近の範囲で頻度が6%を超えることがわかった。
また、8μm分級粉においては、粒度分布の頻度が8%を超えることは無いが、40%付近〜80%付近の範囲で頻度が6%を超えていることがわかった。
なお平均粒径(D50)は、表2に示す「粉末粒度分布」の「累積 vs 粒径(μm)」の50%欄に示されている。すなわち基準粉末の平均粒径(D50)は12.25μm、4μm分級粉の平均粒径(D50)は、4.11μm、6μm分級粉の平均粒径(D50)は、5.83μm、8μm分級粉の平均粒径(D50)は、8.45μm、8μm分級残粉の平均粒径(D50)は、19.59μmであった。
[基準粉末と調整粉末との混合結果]
続いて、上記した4μm分級粉、6μm分級粉、8μm分級粉、及び、8μm分級残粉をいずれも調整粉末として、前記基準粉末と混合した。前記調整粉末を、前記基準粉末と調整粉末との混合粉の全質量中、5質量%、10質量%、20質量%又は50質量%にて混合した。その混合粉の粒度分布データは上記した表2の「粉末粒度分布」欄に記載されている。
なお、最もコア特性を改善できた4μm分級粉を20質量%混合した結果については、表1、図3にも粒径と頻度及び累積との関係を示した。
まず基準粉末に対して、4μm分級粉を5質量%〜50質量%混合した混合粉の実験結果について考察する。
図5は、表2に示す「4μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄をグラフ化したものである。図5には、4μm分級粉のみ(混合量100質量%)のデータも示されているが、図5、表2に示すように、基準粉末に4μm分級粉を5質量%〜50質量%混合することで、粒度分布の累積値が10%〜90%の範囲で、粒径の頻度を8%以下に抑えることが可能であることがわかり、特に4μm分級粉を10質量%〜50重量%混合したものは、粒度分布の累積値が6%以下に抑えることが可能であることがわかった。
表2に示すように基準粉末でも非晶質軟磁性合金粉末の充填率は80%を超えているが、5質量%〜50質量%の4μm分級粉を混合した混合粉とすることで、前記非晶質軟磁性合金粉末の充填率は基準粉末より高くなることがわかった。表2に示すコア特性欄には、コア損失W、透磁率μ´直流重畳特性μ´(5500A/m)が記載されている。
コア特性は、上記した基準粉末、あるいは混合粉を備えた圧粉コアにて測定した。前記圧粉コアは、上記した基準粉末、あるいは混合粉と、シリコーン樹脂(1.4質量%)、ステアリン酸亜鉛(0.3質量%)を混合・乾燥・粉砕し、目開き300μm及び目開き850μmのふるいを用いて300〜850μmに分級して造粒粉を形成し、さらに、プレス圧20t/cmにて、外径が20mm、内径が12mm、高さが6.8mmのリング状のコア前駆体を形成し、Nガス雰囲気下で、昇温速度を40℃/minmとし510℃で1時間加熱して得た。
表2に示すように、コア損失は、いずれも、5質量%〜50質量%の4μm分級粉を混合した混合粉を備えた圧粉コアのほうが、基準粉末のみを備えた圧粉コアに比べて小さくなった。
透磁率μ´については、5質量%の4μm分級粉を混合した混合粉、及び50質量%の4μm分級粉を混合した混合粉を備えた圧粉コアのほうが、基準粉末よりも小さくなった。
したがって、基準粉末に対してコア損失の低減効果とともに高透磁率μ´を得るには、10質量%〜20質量%の4μm分級粉を混合した混合粉を備えた圧粉コアとすることがより好ましいことがわかった。また表2に示すように、コア特性の結果から、20質量%の4μm分級粉を混合した混合粉を備えた圧粉コアとすることが最も好ましいことがわかった。
図6は、表2に示す「6μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄をグラフ化したものである。図7は、表2に示す「8μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄をグラフ化したものである。図6、図7には、6μm分級粉のみ(混合量100質量%)、あるいは8μm分級粉のみ(混合量100質量%)のデータも示されている。図6、図7、表2に示すように、基準粉末に6μm分級粉、あるいは8μm分級粉を5質量%〜50質量%混合することで、累積値が10%〜90%の範囲で、粒度分布の頻度を8%以下に抑えることが可能であり、6μm分級粉の場合は、5質量%〜50質量%混合することで、累積値が10%〜90%の範囲で、粒度分布の頻度を6%以下に抑えることが可能となり、8μm分級粉の場合、10質量%混合する場合を除いて、粒度分布の頻度を6%以下に抑えることが可能であることがわかった。
そして表2に示すように、6μm分級粉、あるいは8μm分級粉を5質量%〜50質量%混合した混合粉を備える圧粉コアの充填率、及びコア特性については、4μm分級粉の混合粉を備える圧粉コアと同様の結果が得られた。
4μm分級粉、6μm分級粉、及び8μm分級粉の各平均粒径(D50)は、いずれも、基準粉末の平均粒径(D50)よりも小さい。
一方、8μm分級残粉の平均粒径(D50)は、基準粉末の平均粒径(D50)よりも大きくなっている。
図8は、表2に示す「8μm分級残粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄をグラフ化したものである。図8には、8μm分級残粉のみ(混合量100質量%)のデータも示されている。図8、表2に示すように、基準粉末に8μm分級残粉を5質量%〜50質量%混合することで、累積値が10%〜90%の範囲で、粒度分布の頻度を8%以下に抑えることが可能であり、5質量%〜20質量%混合することで、累積値が10%〜90%の範囲で粒度分布の頻度を6%以下に抑えことが可能であることがわかった。
そして表2に示すように、基準粉末より大きい平均粒径(D50)を有する調整粉末を混合しても、非晶質軟磁性合金粉末の充填率を基準粉末より大きくできることがわかった。
表2に示すように、50質量%の8μm分級残粉を混合した混合粉を備える圧粉コアでは、累積値が50%付近で粒度分布の頻度が8%以下であるが、6%を超えてしまい、また非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える圧粉コアとほとんど同じ充填率となった。一方、5〜20質量%の8μm分級残粉を混合した混合粉を備える圧粉コアでは、累積値が10%〜90%の範囲で6%以下となっており、非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える圧粉コアに比べて充填率を高くできることがわかった。ただしコア特性について考察すると、5〜50質量%の8μm分級残粉を混合した混合粉を備える圧粉コアでは、非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える圧粉コアに比べて透磁率μ´がいずれも大きくなるものの、コア損失は大きくなっていることがわかる。
よって、基準粉末と混合する調整粉末は、基準粉末よりも小さい平均粒径(D50)であり、混合比を5質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜20質量%として圧粉コアを形成することが非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える圧粉コアよりも充填率を向上でき、非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える圧粉コアに比べてコア損失Wを改善できることがわかった。
また表2に示すように、粒径の最大頻度と最小頻度との差は、4%以下であることが好ましいとわかった。
また、20質量%の4μm分級粉を混合した混合粉を備える圧粉コアでは、基準粉末に対するコア損失の低減効果と透磁率の増大効果とが他の試料に比べてより効果的に大きくなるので、累積値が10%〜90%の範囲で、前記粒度分布の頻度は、4%以下で、且つ前記粒度分布の最大頻度と最小頻度の差は2%以下であることがより好ましいと規定した。
[Fe−Al−Si系合金を備える圧粉コア(比較例)の実験]
実験では、水アトマイズ法によりFe−Al−Si系合金の略球状の結晶質磁性粉末(基準粉末)を形成した。
また、上記基準粉末とは別に、水アトマイズ法によりFe−Al−Si系合金の略球状の結晶質磁性粉末を形成し、日清エンジニアリング(株)の商品名:ターボクラシファイアTC40の精密空気分級機を用いて、4μm分級粉を得た。
そして、基準粉末、及び、4μm分級粉の粒度分布を夫々、日機装(株)製のマイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300EXを用いて測定した。
その実験結果が、以下の表3に示されている。
Figure 2009054615
表3には、「粉末粒度分布 vs 粒径(μm)」の実験結果が示されている。基準粉末の平均粒径(D50)は11.65μmであった。また4μm分級粉(表3の4μm分級粉の100質量%混合量)の平均粒径(D50)は4.75μmであった。
そして基準粉末と4μm分級粉とを混合した。4μm混合粉は、基準粉末と4μm分級粉との全質量中、10質量%〜50質量%の範囲で混合した。そして、基準粉末、及び4μm分級粉を10質量%〜50質量%の範囲で混合した混合粉を備える圧粉コアを形成した。圧粉コアの製造条件は、表2に示す圧粉コアの製造条件とコア前駆体に対する加熱温度を除いて同じとした。Fe−Al−Si系合金を備えるコア前駆体に対する加熱温度を600℃で1時間に規定した。
表3に示すように、Fe−Al−Si系合金を備える圧粉コアのコア損失は、表2に示す本実施例の圧粉コアに比べて非常に高くなり、コア特性が本実施例に比べて極めて悪いことがわかった。また、混合粉の方がコア損失は若干改善されているが、本実施例の圧粉コアほどの改善効果は認められないことがわかった。
[圧粉コア断面のSEM写真]
図9(a)は、表3に示す磁性粉末として基準粉末のみのFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、図9(b)は、表3に示す4μm分級粉を10質量%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、図9(c)は、表3に示す4μm分級粉を20%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、図9(d)は、表3に示す4μm分級粉を50質量%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、である。
また図9(e)は、表2に示す非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、図9(f)は、表2に示す4μm分級粉を10質量%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、図9(g)は、表2に示す4μm分級粉を20質量%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、図9(h)は、表2に示す4μm分級粉を50質量%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、である。
図9(a)〜(d)に示すように、Fe−Al−Si系合金を備える比較例の圧粉コアでは、各磁性粉末が変形しており、磁性粉末どうしが接触した箇所が多々存在することがわかった。これにより、比較例では充填率を上げることができてもコア損失を上記実施例ほど低減できないものと推測される。
一方、図9(e)〜(h)に示すように本実施例の圧粉コアでは、非晶質軟磁性合金粉末の変形が見られなかった。また、基準粉末に対して4μm分級粉を混合することで、非晶質軟磁性合金粉末間の隙間が小さくなることがわかった。よって充填率が上昇し、しかも非晶質軟磁性合金粉末は変形せず各粉末間の絶縁性が適切に保たれているのでコア損失を適切に低減できるものと推測される。
[本実施例の非晶質軟磁性合金粉末の製造]
以下の表4に示すように、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法にかかわらず、また組成にかかわらず、平均粒径(D50)が4〜55μmとなる非晶質軟磁性合金を製造できることがわかった。表4に示す分級は、日清エンジニアリング(株)の商品名:ターボクラシファイアTC40の精密空気分級機を用いて行った。
Figure 2009054615
表4に示すように、本実施例では、様々な平均粒径(D50)を備える非晶質軟磁性合金粉末を製造でき、したがって、これら平均粒径(D50)が異なる非晶質軟磁性合金粉末を混合して、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度を、10%〜90%の累積範囲で、8%以下、好ましくは6%以下となるように調整することが容易にできることがわかった。
表1に示す本実施例の基準粉末の粒径と頻度及び累積との関係を示すグラフ(粒度分布図)、 表1に示す4μm分級粉の粒径と頻度及び累積との関係を示すグラフ(粒度分布図)、 4μm分級粉を20質量%混合した本実施例の粒径と頻度及び累積との関係を示すグラフ(粒度分布図)、 表2に示す基準粉末の粒径の累積と頻度との関係を示すグラフ、 表2に示す「4μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄のグラフ、 表2に示す「6μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄のグラフ、 表2に示す「8μm分級粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄のグラフ、 表2に示す「8μm分級残粉」の「粉末粒度分布」の「累積 vs 頻度(%)」欄のグラフ、 (a)は、表3に示す磁性粉末として基準粉末のみのFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、(b)は、表3に示す4μm分級粉を10%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、(c)は、表3に示す4μm分級粉を20%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、(d)は、表3に示す4μm分級粉を50%混合したFe−Al−Si系合金を備える圧粉コア断面のSEM写真、(e)は、表2に示す非晶質軟磁性合金粉末として基準粉末のみを備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、(f)は、表2に示す4μm分級粉を10%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、(g)は、表2に示す4μm分級粉を20%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、(h)は、表2に示す4μm分級粉を50%混合した混合粉を備える実施例の圧粉コア断面のSEM写真、

Claims (15)

  1. 非晶質軟磁性合金粉末が結着材によって固化成形されてなる圧粉コアにおいて、
    前記非晶質磁性合金粉末は、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうち2種以上を含み、
    前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下であることを特徴とする圧粉コア。
  2. 前記粒度分布における頻度が6%以下である請求項1に記載の圧粉コア。
  3. 前記粒度分布の最大頻度と最小頻度との差が、4%以下である請求項1または2記載の圧粉コア。
  4. 前記粒度分布の頻度が、4%以下で、且つ前記粒度分布の最大頻度と最小頻度の差が2%以下である請求項1記載の圧粉コア。
  5. 前記非晶質軟磁性合金粉末は、下記の組成式で表される請求項1ないし4のいずれかに記載の圧粉コア。
    Fe100−a−b−x−y−z−w−tCoNiSi
    ただし、MはCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alより選ばれる1種または2種以上の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、w、tは、0原子%≦x≦5原子%、0原子%≦y≦15原子%、0原子%<z≦8原子%、1原子%≦w≦15原子%、0原子%≦t≦12原子%、0原子%≦a≦20原子%、0原子%≦b≦5原子%、70原子%≦(100−a−b−x−y−z−w−t)≦83原子%を示す。
  6. 非晶質軟磁性合金粉末を結着材によって固化成形してなる圧粉コアの製造方法において、
    Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含む前記非晶質軟磁性合金粉末をアトマイズ法により形成する第1工程、
    前記第1工程中、あるいは、前記第1工程の後に、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度を、10%〜90%の累積範囲で、8%以下に調整する第2工程、
    前記非晶質軟磁性合金粉末と、結着材及び潤滑材を含む添加材とを混合、造粒して造粒粉を形成する第3工程、
    前記造粒粉末を圧縮成形して所定形状のコア前駆体を形成する第4工程、
    前記コア前駆体を熱処理し、圧縮成形により前記非晶質軟磁性合金粉末に生じた歪を除去する第5工程、
    を有することを特徴とする圧粉コアの製造方法。
  7. 前記第1工程で得られた非晶質軟磁性合金粉末を基準粉末としたとき、前記基準粉末の平均粒径(D50)より小さい平均粒径(D50)を有し、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含むアトマイズ法により形成された非晶質軟磁性合金粉末(調整粉末)を用意し、
    前記第2工程では、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となるように、前記基準粉末と適量の前記調整粉末とを混合する請求項6記載の圧粉コアの製造方法。
  8. 前記調整粉末を5質量%〜50質量%の範囲内で混合する請求項7記載の圧粉コアの製造方法。
  9. 前記調整粉末を10質量%〜20質量%の範囲内で混合する請求項8記載の圧粉コアの製造方法。
  10. 前記第1工程で得られた非晶質軟磁性合金粉末を基準粉末としたとき、前記基準粉末の平均粒径(D50)より大きい平均粒径(D50)を有し、Feを主成分とし、少なくともP、C、B、Siのうちの2種以上を含むアトマイズ法により形成された非晶質軟磁性合金粉末(調整粉末)を用意し、
    前記第2工程では、前記非晶質磁性合金粉末の粒度分布の頻度が、10%〜90%の累積範囲で、8%以下となるように、前記基準粉末と適量の前記調整粉末とを混合する請求項6記載の圧粉コアの製造方法。
  11. 前記調整粉末を5質量%〜20質量%の範囲内で混合する請求項10記載の圧粉コアの製造方法。
  12. 前記第2工程で粒度分布の頻度を、10%〜90%の累積範囲で、6%以下に調整する請求項6ないし11のいずれかに記載の圧粉コアの製造方法。
  13. 前記第2工程では、前記粒度分布の最大頻度と最小頻度との差を、4%以下に調整する請求項6ないし12のいずれかに記載の圧粉コアの製造方法。
  14. 前記第2工程では、前記粒度分布の頻度を、4%以下で、且つ前記粒径の最大頻度と最小頻度の差を2%以下に調整する請求項6ないし11のいずれかに記載の圧粉コアの製造方法。
  15. 下記の組成式で表される前記非晶質磁性合金粉末を形成する請求項6ないし14のいずれかに記載の圧粉コアの製造方法。
    Fe100−a−b−x−y−z−w−tCoNiSi
    ただし、MはCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、Sn、Alより選ばれる1種または2種以上の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、w、tは、0原子%≦x≦5原子%、0原子%≦y≦15原子%、0原子%<z≦8原子%、1原子%≦w≦15原子%、0原子%≦t≦12原子%、0原子%≦a≦20原子%、0原子%≦b≦5原子%、70原子%≦(100−a−b−x−y−z−w−t)≦83原子%を示す。
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