JP2009050399A - 分光視感効率測定システムおよび分光視感効率測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分光視感効率測定システムおよび分光視感効率測定方法において、簡単な構成により、被験者に負担をかけることなくリアルタイムに、また任意の測定環境において容易に分光視感効率を測定可能とする。
【解決手段】分光視感効率測定システム1は、交照法を用いて分光視感効率を測定するシステムであり、被験者Mが刺激視野21のちらつきが最小となるように分光視感効率のパラメータを調節し、光量設定装置6が分光装置4からの分光情報と関数形の決定された分光視感効率に基づいて参照光2bの光量に対しテスト光2aの光量を等しくするように再設定する。被験者Mが行うパラメータ調整による分光視感効率の関数形の決定と、光量設定装置6が行うテスト光2aの光量設定とにより、複合光から成るテスト光2aと参照光2bについて可視光全域にわたる大域的明るさマッチングが行われるので、短時間でリアルタイムに、被験者に負担をかけずに測定できる。
【選択図】図1
【解決手段】分光視感効率測定システム1は、交照法を用いて分光視感効率を測定するシステムであり、被験者Mが刺激視野21のちらつきが最小となるように分光視感効率のパラメータを調節し、光量設定装置6が分光装置4からの分光情報と関数形の決定された分光視感効率に基づいて参照光2bの光量に対しテスト光2aの光量を等しくするように再設定する。被験者Mが行うパラメータ調整による分光視感効率の関数形の決定と、光量設定装置6が行うテスト光2aの光量設定とにより、複合光から成るテスト光2aと参照光2bについて可視光全域にわたる大域的明るさマッチングが行われるので、短時間でリアルタイムに、被験者に負担をかけずに測定できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複合光交照法によりリアルタイムに分光視感効率を測定する分光視感効率測定システムおよび分光視感効率測定方法に関する。
従来から、人間の視環境を定量的に評価するために標準分光視感効率(標準比視感度)V(λ)が定められて用いられている。人間は一般に、物理量をそのまま物理量として知覚することができないので、人間が感じる光の明るさは心理的な量(心理量)とされている。すなわち、同じエネルギを有する光であっても、波長が異なれば人間の感じる明るさが異なり、光のエネルギ量がそのまま人間の感じる明るさに比例するわけではない。
従って、物理量である光のエネルギから、心理量である明るさを知るには、両者の関係を求める必要がある。その関係を明らかにするため、後述する交照法(Flicker Method)と呼ばれる測定方法が用いられる。交照法は、一定明るさの白色光と同じ明るさに感じる各波長の単色光毎の明るさを測定する方法である。得られた明るさの逆数を求めて最大値を1に規格化すると、各波長に対する人間の目の明るさ感度である分光視感効率V(λ)が得られる。分光視感効率V(λ)は、分光された波長λの単色光を視て明るさを感じる効率であり、当然可視光に関するものであって波長λの関数である。
上述の分光視感効率V(λ)を光のエネルギに掛算(より一般的には積分)すると、光のエネルギが、輝度や照度といった明るさに対応する量に変換される。これらの量は心理量により物理量を評価したものとなっており、心理物理量と呼ばれる。特に光に関連する心理物理量が測光量である。すなわち、測光量[心理物理量]=光のエネルギ[物理量]×V(λ)[心理量]、である。そして、分光視感効率V(λ)によって、放射束、放射照度、放射強度、放射輝度が、それぞれ光束、照度、光度、輝度に変換される。
ところで、日常生活における光の明るさというものは、厳密に考えられずに用いられている。例えば、レーザ光は明るいが室内照明としては十分な明るさを持っていない。一方、蛍光ランプは数本点灯させれば室内照明として十分であるが、1本ではそれほど明るくない。これは、物質の質量を単位体積当りの密度で比較するように、光の明るさも単位面積や立体角で規格化して比較する必要があることを示す。光を定量的に測定する方法が測光であり、測光によって規格化された明るさが測光量である。測光量を求めるには、上述の、各波長λの光に対する目の感度である分光視感効率V(λ)が用いられる。
現在の照明環境を含む視環境は、科学技術の進歩による過度に利便性や収益性を重視する傾向のもとで、人間にとって必ずしも良いものとはいえない。大都市の夜間はカラフルで輝度分布が激しく、子供が夢中になるゲームも良い視環境とはいえない。また、LED(発光ダイオード)の発達により、様々な色や輝度のディスプレイや照明が今以上に出現すると予想される。しかしながら、現状は、視環境の評価方法、評価装置、さらに評価基準が十分とは言えない状況にある。
ここで、視環境や照明環境に関する評価の例を説明する。照明環境における光放射の作用を評価する光放射評価装置が知られている。この装置は、人間の分光視感効率V(λ)、昆虫の走光性、植物の花芽分化にそれぞれ影響する分光特性を近似した分光感度を有する入力部を備えており、例えば、昆虫にのみ影響する照明環境を設定する際の照明環境評価に適用できる(例えば、特許文献1参照)。
また、種々の照明環境に置かれたカラーモニタについて、個々のモニタの白色色度を設定する装置や手順が知られている。個々のモニタの白色色度の設定は、多数のスタッフが、それぞれ独自の照明環境下で、それぞれ固有の特性をもったカラーモニタを用いて商用印刷物を作成するDTP処理などに必須である。この設定は、白色の基準となる基準体と、モニタ上に三原色RGBの階調を変動して提示される白色テストパターンとを比較すること(いわゆる直接比較法)によって行われる(例えば、特許文献2参照)。
(ストレスと順応状態)
人間の視覚は、明るさを感じるダイナッミクレンジが非常に広く、また、光量や光色に関しても柔軟に対処可能である。しかしながら、人類発生以来ほとんどの期間を太陽のもとで生活してきた人間にとって、強度や光色の高速変化、太陽光と異なる分光分布、黒体軌跡から大きく離れた光色などのような近年の視環境は、長い人類史から見ると劇的に変化した視環境といえる。このような不慣れな視環境のもとで暮らす人間には、視覚上のストレスが生じていると堆測される。このようなストレスがあれば、例えその時に不快に感じなくても、徐々に蓄積されて悪影響を及ぼすことが予想される。そこで、リアルタイムで視覚の無意識下のストレス度合いを推定できるシステムを開発できれば、照明環境などの評価や設計に役立つと考えられる。
人間の視覚は、明るさを感じるダイナッミクレンジが非常に広く、また、光量や光色に関しても柔軟に対処可能である。しかしながら、人類発生以来ほとんどの期間を太陽のもとで生活してきた人間にとって、強度や光色の高速変化、太陽光と異なる分光分布、黒体軌跡から大きく離れた光色などのような近年の視環境は、長い人類史から見ると劇的に変化した視環境といえる。このような不慣れな視環境のもとで暮らす人間には、視覚上のストレスが生じていると堆測される。このようなストレスがあれば、例えその時に不快に感じなくても、徐々に蓄積されて悪影響を及ぼすことが予想される。そこで、リアルタイムで視覚の無意識下のストレス度合いを推定できるシステムを開発できれば、照明環境などの評価や設計に役立つと考えられる。
人間は、網膜上の視細胞である桿体や錐体が検出した光の信号を神経細胞で組合せて、脳で明るさや色を認識しているといわれる。また、人間の目には、視環境における明るさや光色に順応する機能がある。順応状態は、視細胞の感度が各照明環境に対して自動調節された状態、または、されつつある状態である。従って、物理的に同じ放射エネルギの光であっても、順応状態に応じて、明るさや色を異なって感じたり、視認特性が異なったりする。そこで、様々な視環境における視覚の順応状態を推定することは照明環境を設計する上で有意義である。
また、上述の分光視感効率V(λ)が、順応状態に応じて変化すると考えられる。従って、分光視感効率V(λ)から順応状態を推定することができると考えられる。仮に種々の人工光源で作られた実際の照明環境のもとで、分光視感効率V(λ)をリアルタイムに知ることができれば、視覚に関するストレス度合いを推定でき、それが照明環境の評価に繋がると考えられる。
(標準分光視感効率)
分光視感効率V(λ)の測定は古くから行なわれており、国際照明委員会(CIE)は、多くの被験者の分光視感効率V(λ)の平均に基づいて、現在ISO(国際標準化機構)/CIE標準となっている分光視感効率V(λ)を1971年に定めた。図9に示す分光視感効率V(λ),V’(λ)は、それぞれ、所定の明るさ環境(明所視、暗所視)のもとで測定されたものであり、最大感度波長λmは、それぞれλm=555nm,507nmである。最大感度がシフトする現象は、プルキンエ現象と呼ばれている。CIEが1971年に定めた分光視感効率V(λ)は、今日まで広く利用されており、照度計などの測光器はこれに基づいて作製されている。
分光視感効率V(λ)の測定は古くから行なわれており、国際照明委員会(CIE)は、多くの被験者の分光視感効率V(λ)の平均に基づいて、現在ISO(国際標準化機構)/CIE標準となっている分光視感効率V(λ)を1971年に定めた。図9に示す分光視感効率V(λ),V’(λ)は、それぞれ、所定の明るさ環境(明所視、暗所視)のもとで測定されたものであり、最大感度波長λmは、それぞれλm=555nm,507nmである。最大感度がシフトする現象は、プルキンエ現象と呼ばれている。CIEが1971年に定めた分光視感効率V(λ)は、今日まで広く利用されており、照度計などの測光器はこれに基づいて作製されている。
また、1951年にJuddが修正した分光視感効率VM(λ)があり、このVM(λ)は、短波長側の感度がV(λ)よりも高くなっている。最近では、日本規格協会が発行した年代別分光視感効率が知られている。これによると、年代が若くなるにつれて、短疲長側の効率が高くなっている。分光視感効率V(λ)は、被験者に依存する量である。CIEが1971年に定めた分光視感効率V(λ)は、特定の実験条件で複数人で行なったものの平均である。従って、CIE、Judd、および年代別のものは互いに異なったものとなっている。
分光視感効率V(λ)を用いる際の至便性のために、表値を数式表現することも行われている。例えば、4項のガウス関数の線形結合を用いた場合に、V(λ)曲線との合致が良く、標準偏差が小さく、また、計算速度については、表値を補間する方法と比較して1/5に短縮できたとされている(例えば、非特許文献1参照)。
(交照法)
上述の分光視感効率V(λ)を測定する方法である交照法を説明する。交照法では、被験者が見つめる一定の距離と立体角を有する前方の提示面(刺激視野)に参照光とテスト光とを交互に切り替えて提示(すなわち交照)する。参照光は通常、一定明るさの色みのない白色光である。テスト光は、明るさ可変の単色光である。参照光とテスト光の提示切替の頻度(周波数)がゆっくりの場合、参照光とテスト光の切り替えがはっきり認識される。提示切替周波数を次第に高めると刺激視野内のちらつきが速くなり、あるところで色みの切り替えが認識できなくなり、明るさのちらつきだけが確認可能となる。この変化が起こる周波数を臨界色融合周波数CCFFと呼ぶ。さらに提示切替周波数を上昇させると、ちらつきがなくなり、完全に一様な刺激視野として認識される。この変化が起こる周波数を臨界融合周波数CFFと呼ぶ。
上述の分光視感効率V(λ)を測定する方法である交照法を説明する。交照法では、被験者が見つめる一定の距離と立体角を有する前方の提示面(刺激視野)に参照光とテスト光とを交互に切り替えて提示(すなわち交照)する。参照光は通常、一定明るさの色みのない白色光である。テスト光は、明るさ可変の単色光である。参照光とテスト光の提示切替の頻度(周波数)がゆっくりの場合、参照光とテスト光の切り替えがはっきり認識される。提示切替周波数を次第に高めると刺激視野内のちらつきが速くなり、あるところで色みの切り替えが認識できなくなり、明るさのちらつきだけが確認可能となる。この変化が起こる周波数を臨界色融合周波数CCFFと呼ぶ。さらに提示切替周波数を上昇させると、ちらつきがなくなり、完全に一様な刺激視野として認識される。この変化が起こる周波数を臨界融合周波数CFFと呼ぶ。
分光視感効率V(λ)の測定は、上述の臨界色融合周波数CCFFと臨界融合周波数CFFの間の切替周波数のもとで行われる。一般に分光視感効率を求める際に行なう交照法は、上述のように、参照光は白色、テスト光は単色光であり、測定用の光学系としてマックスウェル視光学系が用いられる。マックスウェル視光学系は、レンズや種々の光学部品をレール上に直線的に配置したものであり、実用上点光源と見なせる光源からの光を平行光にすると共に干渉フィルタなどによって輝度変化をさせた後、被験者の目に入射させる装置である。
上述の交照法における切替周波数のもとで、図10(a)に示すように、テスト光2aの光刺激強度(明るさ、光量)が参照光2bの光刺激強度より小さいか、または、図10(c)に示すように、テスト光2aの強度が参照光2bの強度より大きくなると、刺激視野におけるテスト光2aと参照光2bの交替によるちらつきが認識される。これらのテスト光2aの強度の間に、例えば図10(b)に示す状態のように、ちらつきが最小になるテスト光2aの強度が存在するはずである。被験者は、テスト光2aの強度を調節して明るさのマッチングを行い、その波長λのテスト光2aに対する最小ちらつきの光強度h(λ)を決定する。
被験者は、最小ちらつきの光強度h(λ)の決定を、所定波長間隔で、可視光(λ=380〜780nm)の全域にわたって行う。この場合、可視光の全域にわたって、十分な波長間隔で分光視感効率V(λ)を測定するには長時間が必要である。例えば、波長間隔Δλ=10nm毎に、可視光(λ=380〜780nm)の全域にわたって行うと、400/10+1=41回、の測定が必要である。得られた光強度h(λ)は、通常、可視光の両端側で大きく、内側で小さくなる。そこで、光強度h(λ)の中で最も分光視感効率の高い値、すなわち最も光強度h(λ)が小さい値を1に規格化する。このようにして規格化した光強度h(λ)の逆数を取ると、図9に示すような、可視光の略中央付近で山形の分布を有する分光視感効率V(λ)が得られる。非特許文献2〜6については、後述する。
特開2006−208111号公報
特開2005−20144号公報
フー・エックス(Hu,X.)、ハウザー・ケイ・ダブリュー(Houser,K.W.)著 「アルジェブライック エクスプレッション オブ ザ V(λ)ファンクション(Algebraic Expression of the V(λ) Function)」、ジャーナル・オブ・ザ・イルミネイティング・エンジニアリング・ソサエティ(Journal of the Illuminating Engineering Society)、Vol.33,No.1,pp30−33(2004)
尾崎進 他著 「FPGAを用いた調色システムの開発」、神戸高専研究紀要、43,pp67−72(2005)
尾崎進 他著 「CRT表示色の面積効果に関する研究」、平成13年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集、G341(2001)
尾崎進 他著 「フルカラーLEDを用いた交照法実験システム」、平成17年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集、G286(2005)
尾崎進 他著 「フルカラーLEDによる可変色電子色票システムについての検討」、カラーフォーラムJAPAN2005 プロシーディング、pp83−86(2005)
尾崎進 他著 「交照法による2色間の明るさマッチングに関する研究」、平成18年度照明学会第39回全国大会講演論文集、p172(2006)
しかしながら、上述したような従来の、例えば、マックスウェル視光学系を用いる分光視感効率V(λ)の測定においては、装置が大掛かりで高価なものになってしまうなどの問題を抱えている。さらに、高価で大掛かりな装置を用いたとしても、長時間の測定の結果、測定の度ごとに測定結果が違ってくるなど、データの再現性や信頼性の問題が発生する。交照法は、直接比較法に比べて明るさマッチングが容易な方法と言えるが、上述のように、波長間隔Δλ=10nm毎に、可視光の全域にわたって行うと41回の測定が必要である。また、41点の波長に対して、十分な輝度の単色光を準備する必要がある。1点の測定に数分かかると、準備時間などを含めて、数時間の測定になる。
従来、上述した特許文献1に示したように、分光視感効率V(λ)は使うものであって、V(λ)そのものを効率良く、または簡便に測定するという発想は見られない。ところで、上述したように、人間にストレスを与える照明などの視環境の評価を、分光視感効率V(λ)によって行うことができるとすれば、効率良く簡便にV(λ)を測定できる装置や測定方法は、過酷な環境や変動する状況の下にある視環境の評価手段を提供することができる。
ここで、分光視感効率V(λ)による視環境の評価について、本願発明者が今まで行ってきたことを説明する。本願発明者は、これまで照明光色が人に与える影響を実験的に求めるため、FPGAを用いた調光調色システムを開発している(非特許文献2参照)。このシステムはRGBW(赤、緑、青、白)の4本の蛍光ランプをPWM制御によって明るさを変化させ、加法混色の原理を用いて任意の色と照度の照明環境を作ることができる。また、PC制御を用いており、プログラマブル、フレキシブルであり、視覚心理実験には効果的に用いることができる。
また、CRT表示色を用いた面積効果の研究を行い、色紙でなく発光色で面積効果が生じることを報告している(非特許文献3参照)。面積効果の実験を行った際、隣り合った2つの有彩色の明るさを直接比較法によってマッチングさせることの難しさが判明した。
この間題を解決するために、従来、単色光を用いて行なわれている交照法に替えて、2色間の明るさマッチングをフルカラー発光ダイオード(LED)による複合光を用いて行い、良好な結果を得た(非特許文献4参照)。この研究の際、明るさマッチング度合いの評価に分光視感効率V(λ)を用いたが、CIEのものより、年代別のものを使用する必要があること、および実験室の照明環境が明るさマッチングに影響することがわかった(非特許文献5参照)。
また、実験効率を良くするため、液晶ディスプレイ(LCD)を用いた交照法システムを開発し、LEDを用いたシステムと同程度の誤差で明るさマッチングが取れることが分かった(非特許文献6参照)。
上述のように、本願発明者は、照明環境が明るさマッチングに影響すること、LCDやフルカラーLEDと交照法とによって簡便に明るさマッチングが取れることを明らかにした。しかしながら、さらに簡便でリアルタイムに分光視感効率V(λ)を測定可能とする装置と方法が望まれている。つまり、任意の照明環境においてリアルタイムに分光視感効率V(λ)を測定し、その測定値を、視環境に対する順応状態(ストレス度合い)の推定や視環境(照明環境)の評価に資することの実現が望まれている。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、被験者に負担をかけることなくリアルタイムに、また任意の測定環境において容易に分光視感効率を測定できる分光視感効率測定システムおよび分光視感効率測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、参照光とテスト光とを刺激視野に交互に点灯させて被験者に提示する交照法を用いて当該被験者に係る分光視感効率を測定するための分光視感効率測定システムにおいて、前記刺激視野を構成して参照光とテスト光とを提示する光提示手段と、入力される光量データに基づいてそれぞれ複数色の光を含む複合光から成る所定の光量の参照光とテスト光とを所定の時間間隔で前記光提示手段に提示させる点灯手段と、前記光提示手段に提示された参照光およびテスト光の分光情報を取得するための分光手段と、分光視感効率の関数形が複数の調整可能なパラメータを含んで設定されており、被験者が前記刺激視野のちらつきを最小とするように操作して前記パラメータの値を入力するための操作手段と、前記操作手段から前記パラメータの値を受け取って当該パラメータの値に応じて分光視感効率の関数形を決定し、前記分光手段から得られる前記分光情報および前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて前記テスト光の光量を再設定すると共に、その光量を得るための光量データを前記点灯手段に入力する光量設定手段と、を備え、前記光量設定手段は、前記分光手段から得られる前記参照光の分光情報および前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて当該参照光の光量を決定し、その参照光の光量と前記テスト光の光量とが等しくなるように当該テスト光の光量を再設定するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の分光視感効率測定システムにおいて、前記点灯手段は、可視光の略全域にわたって分布する参照光とテスト光とを前記光提示手段に提示させるものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の分光視感効率測定システムにおいて、前記光提示手段は、フラットパネルディスプレイまたはCRTの発光面を刺激視野として用いて構成されているものである。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の分光視感効率測定システムにおいて、前記光提示手段は、フルカラー発光ダイオードを用いて構成されているものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の分光視感効率測定システムにおいて、前記点灯手段は、PWM制御信号を用いて所定の光量の参照光とテスト光とを前記光提示手段に提示させるものである。
請求項6の発明は、参照光とテスト光とを刺激視野に交互に点灯させて被験者に提示する交照法を用いて当該被験者に係る分光視感効率を測定する分光視感効率測定方法において、前記分光視感効率の関数形が複数の調整可能なパラメータを含んで設定されており、前記刺激視野にそれぞれ複数色の光を含む複合光から成る光量の設定された参照光とテスト光とを提示する光提示工程と、被験者が前記光提示工程によって光を提示された前記刺激視野のちらつきを最小とするように前記パラメータの値を調整したときに、被験者によって調整された前記パラメータの値に応じて分光視感効率の関数形を決定する関数決定工程と、前記刺激視野に提示される参照光およびテスト光の分光情報を取得する分光工程と、前記分光工程によって得られた前記参照光の分光情報と前記関数形の決定された分光視感効率とに基づいて当該参照光の光量を算出し、前記分光工程によって得られた前記テスト光の分光情報と前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて当該テスト光の光量を算出し、前記参照光の光量と前記テスト光の光量とが等しくなるように当該テスト光の光量を再設定する光量設定工程と、を備え、前記光提示工程から前記光量設定工程までの各工程を、前記被験者が前記刺激視野のちらつきが最小であると判断した旨の指示入力を行うまで繰り返すものである。
請求項7の発明は、請求項6に記載の分光視感効率測定方法において、前記刺激視野に提示する参照光とテスト光として可視光の略全域にわたって分布する光を用いるものである。
請求項8の発明は、請求項6または請求項7に記載の分光視感効率測定方法において、フラットパネルディスプレイの発光面を前記刺激視野として用いるものである。
請求項9の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の分光視感効率測定方法において、前記分光視感効率の関数形が複数のガウス型関数を合成した関数から成り、前記各ガウス型関数が明るさを決定するパラメータと光色を決定するパラメータの少なくとも2つのパラメータを備えているものである。
請求項1の発明によれば、被験者が行うパラメータ調整による分光視感効率V(λ)の関数形の決定と光量設定手段が行うテスト光の光量設定とにより、複合光から成るテスト光と参照光について、大域的或いは総合的に明るさマッチングが行われるので、短時間でリアルタイムに、被験者に負担をかけることなく、分光視感効率V(λ)を測定できる。また、短時間で測定できるので、任意の測定環境において容易かつ簡便に分光視感効率V(λ)を測定できる。
請求項2の発明によれば、複合光から成るテスト光と参照光として、可視光の略全域にわたって分布する光を用いるので、複合光の波長分布がとびとびの場合に比べて、明るさマッチングがより精度良く行え、従って、分光視感効率V(λ)をより精度良く、また、再現性良く測定できる。
請求項3の発明によれば、容易に入手したり流用乃至併用したりできる装置の発光面を用いて刺激視野を構成するので、装置の設置や可搬性に優れた簡便な分光視感効率測定システムを実現できる。従って、任意の測定環境において分光視感効率を容易に測定することができる。
請求項4の発明によれば、フルカラー発光ダイオード、すなわち三原色の発光ダイオードに光拡散フィルタを組み合わせることにより刺激視野を容易に形成できると共に、任意の色度と輝度を有する参照光とテスト光を容易に設定できるので、装置の設置や可搬性に優れた簡便な分光視感効率測定システムを実現できる。従って、任意の測定環境において容易に分光視感効率を測定できる。また、フルカラー発光ダイオードは、提示切替周波数が通常30HzとされるフラットパネルディスプレイやCRTとは異なり、交照法に必要な任意の周波数で点滅させることができるので、視環境の評価のための実験的な分光視感効率V(λ)の測定に適用できる。
請求項5の発明によれば、確実に精度良く参照光とテスト光の提示切替を行うことができる。例えば、フルカラー発光ダイオードを発光させるためのPWM制御信号を発生するドライバボードをパーソナルコンピュータから制御することにより、容易に分光視感効率測定システムを構成することができる。
請求項6の発明によれば、被験者が行うパラメータ調整による分光視感効率V(λ)の関数形の決定と光量設定手段が行うテスト光の光量設定とにより、複合光から成るテスト光と参照光について、大域的或いは総合的に明るさマッチングが行われるので、短時間でリアルタイムに、被験者に負担をかけることなく、分光視感効率V(λ)を測定できる。また、短時間で測定できるので、任意の測定環境において容易かつ簡便に分光視感効率V(λ)を測定できる。
請求項7の発明によれば、複合光であるテスト光と参照光として、可視光の略全域にわたって分布する光を用いるので、波長分布がとびとびの複合光の場合に比べて、明るさマッチングがより精度良く行え、従って、分光視感効率V(λ)をより精度良く、また、再現性良く測定できる。
請求項8の発明によれば、容易に入手したり流用乃至併用したりできるコンピュータ機器の発光面を刺激視野として用いることができるので、任意の測定環境において容易に分光視感効率を測定できる。
請求項9の発明によれば、2つのガウス型関数を用いると4つのパラメータで分光視感効率V(λ)の関数形を設定することができる。この場合、明るさを決定するパラメータを共通にすると、3つのパラメータで分光視感効率V(λ)の関数形を設定することができる。コンピュータにおいて関数サブルーティンとして充実しているガウス型関数と少ないパラメータを用いて分光視感効率V(λ)の関数形を設定できるので、分光視感効率測定方法を実施するシステムを容易に構成できる。また、得られた分光視感効率V(λ)のデータ処理やデータ利用が容易である。
以下、本発明の実施形態に係る分光視感効率測定システムおよび分光視感効率測定方法について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の分光視感効率測定システムのブロック構成を示し、図2は同システムを用いて分光視感効率V(λ)を測定している様子を示し、図3は同システムにおいて用いられる3つのパラメータを含む分光視感効率V(λ)の関数形を示し、図4は同分光視感効率V(λ)の関数形とパラメータとの関係を示す。
図1は第1の実施形態の分光視感効率測定システムのブロック構成を示し、図2は同システムを用いて分光視感効率V(λ)を測定している様子を示し、図3は同システムにおいて用いられる3つのパラメータを含む分光視感効率V(λ)の関数形を示し、図4は同分光視感効率V(λ)の関数形とパラメータとの関係を示す。
分光視感効率測定システム1は、図1、図2に示すように、テスト光2aと参照光2bとを刺激視野21に交互に点灯させて被験者Mに提示する交照法を用いて被験者Mに係る分光視感効率V(λ)を測定するシステムである。本システム1は、図2に示すように、照明器具L1,L2や様々の環境光の存在する、種々の視環境のもとで、光強度マッチングを行って分光視感効率V(λ)を測定することを前提としている。
分光視感効率測定システム1は、刺激視野21を構成してテスト光2aと参照光2bとを提示する光提示装置2と、入力される光量データに基づいてそれぞれ複合光から成る所定の光量のテスト光2aと参照光2bとを所定の時間間隔で光提示装置2に提示させる点灯装置3と、光提示装置2に提示されたテスト光2aおよび参照光2bの分光情報を取得する分光装置4と、分光視感効率V(λ)の関数形が3つの調整可能なパラメータA,B,Cを含んで設定されており(後述、図3、図4参照)、被験者Mが刺激視野21のちらつきを最小とするように操作してパラメータA,B,Cの値を入力するための操作器5とを備えている。
さらに、分光視感効率測定システム1は、操作器5からパラメータA,B,Cの値を受け取ってパラメータA,B,Cの値に応じて分光視感効率V(λ)の関数形を決定し、分光装置4から得られる分光情報および関数形の決定された分光視感効率V(λ)に基づいてテスト光2aの光量を再設定すると共にその光量を得るための光量データを点灯装置3に入力する光量設定装置6と、測定条件の設定やデータの入出力を行う入出力装置7と、を備えている。
分光視感効率測定システム1は、例えば、パーソナルコンピュータPCと、光提示装置2としてのフラットパネルディスプレイなどを用いて構成することができる(図2参照)。すなわち、分光視感効率測定システム1は、CPUやメモリや外部記憶装置や表示装置や入力装置などの一般的な構成を備えたパーソナルコンピュータPC上のプロセスや機能の集合に、分光装置4などの分光視感効率測定システム1として特有の装置を付加することにより、構成することができる。
光提示装置2は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの他に、カソードレイチューブ(CRT)を用いることができ、これらの発光面が刺激視野21として用いられる。
点灯装置3は、可視光の略全域にわたって分布するテスト光2aと参照光2bとを光提示装置2に提示させる。なお、テスト光2aと参照光2bとは、少なくとも、それぞれ複合光であればよい。テスト光2aや参照光2bは、複合光であって連続光であれば、より好適である。通常のLCDやCRTの表示画面は、三原色を合成して略任意の色を表示できるので、これらの表示画面を光提示装置2として用いる場合、可視光の全域にわたって連続に分布する提示光が得られる。
分光視感効率測定システム1を一般的なパーソナルコンピュータPCによって構成する場合、点灯装置3と光量設定装置6とは、コンピュータPCの機能やその機能を強化するドライバボードなどによって構成される。点灯装置3の機能は、コンピュータPCのモニタ制御機能を用いることができ、刺激視野21への提示光の切替周期は、通常の画面表示周波数である30Hzで行われる。切替周期を30Hz以下に設定することも可能である。なお、この30Hzは、臨界色融合周波数CCFFと臨界融合周波数CFFの間の周波数となっている。
光量設定装置6は、コンピュータPCに記憶したプログラムとCPUやメモリによって、コンピュータPCにおいて、ソフトウエア的に構成される。
分光装置4は、光入力用のレンズなどを有する受光部41と、受光部41から分光装置本体に光を伝送する光ファイバ42とを備えている。分光装置本体には、プリズムを含む光学系と光電変換を行うラインセンサとを備えている(不図示)。光学系は、テスト光2aや参照光2bを波長毎に分散させてラインセンサに入力する。
ラインセンサは、CCDやCMOSで構成された位置検出可能(ポジションセンシティブ)な光センサを備えて構成される。分光装置4は、これらの構成により、機械動作することなく、受光した光の分光情報(スペクトル情報)P(λ)を取得し、光量設定装置6に向けて出力する。分光装置4は、コンピュータPCの増設ボードとして、その内部に組み込むこともできる。
操作器5は、3つのボリューム(回転抵抗器)などで構成される。各抵抗値とパラメータA,B,Cの値を対応させることにより、パラメータA,B,Cの値を設定することができる。また、操作器5は、測定開始や終了などを、被験者Mが分光視感効率測定システム1に指示するスイッチを備えている。操作器5は、これらの構成に限らず、少なくとも、パラメータA,B,Cの値を入力できればよく、スライド抵抗器や、ジョイスティックやトラックボールなどの一般的なコンピュータの入力器具を用いることができる。これらの操作器5は、測定中に被験者Mが刺激視野21を注視できるように、手元を見ないで操作できるのが望ましい。
ここで、分光視感効率V(λ)の関数形を説明する。本実施形態の分光視感効率測定システム1によって測定される分光視感効率V(λ)は、その関数形が、図3に示すように、関数値が1となる波長Aを境として左右独立に定義される2つのガウス型関数を合成した関数形となる、と想定されている。
上述の2つのガウス型関数のうち一方の関数である短波長側(左側)の部分は、
V(λ)=exp{(−B(λ−A)2}、ただし、λ<Aであり、
他方の長波長側(右側)の部分は、
V(λ)=exp{(−C(λ−A)2}、ただし、A≦λである。
V(λ)=exp{(−B(λ−A)2}、ただし、λ<Aであり、
他方の長波長側(右側)の部分は、
V(λ)=exp{(−C(λ−A)2}、ただし、A≦λである。
パラメータAは明るさに関係し、パラメータB,Cは光色に関係する。パラメータAは、両方のガウス型関数に共通に用いられている。パラメータAの値によって、分光視感効率V(λ)のピークの位置が移動する。分光視感効率V(λ)の最大感度(ピーク)の位置は、一般に明所視と暗所視のように視環境の明るさとともに移動する(プルキンエ現象)。パラメータAは、このような明るさ変化によるピーク位置の移動を表現する。図4は、このことを示しており、ピーク値を与える波長A1,A2、(ただし、A1<A2)に対応して分光視感効率V(λ)を表す曲線a1,a2が左右に移動することを示す。
パラメータB,Cは、ピーク値以外の部分の感度の大小を分光視感効率V(λ)における左右について独立に決定する。短波長側と超波長側つまりピーク値の両側における感度は光色に関係するので、パラメータB,Cは光色に関係することになる。
次に、分光視感効率V(λ)の測定における分光視感効率測定システム1の各部の動作を説明する。光量設定装置6は、分光装置4から得られる参照光2bの分光情報P(λ)およびパラメータA,B,Cが決定されて関数形が決定された分光視感効率V(λ)に基づいて、参照光2bの光量を決定し、その参照光2bの光量とテスト光2aの光量とが等しくなるようにテスト光2aの光量を再設定する。
被験者Mは、光提示装置2の刺激視野21に表示されるテスト光2aと参照光2bのちらつきが最小となるように操作器5を操作して、パラメータA,B,Cを調整する。また、被験者Mは、ちらつきが最小であると判断した場合には、操作器5を操作して測定を終了する。
本実施形態の分光視感効率測定システム1によれば、被験者Mが行うパラメータ調整による分光視感効率V(λ)の関数形の決定と、光量設定装置6が行うテスト光2aの光量設定とにより、複数色の光を含む複合光から成るテスト光2aと参照光2bについて、可視光の全域に関して大域的に、言い換えると総合的に明るさマッチングが行われるので、短時間で、被験者に負担をかけることなくリアルタイムに、分光視感効率V(λ)を測定できる。また、短時間で測定できるので、任意の測定環境において容易かつ簡便に分光視感効率V(λ)を測定できる。
また、複合光から成るテスト光2aと参照光2bとして、可視光の略全域にわたって分布する光を用いることにより、複合光の波長分布がとびとびの場合に比べて、明るさマッチングがより精度良く行える。従って、分光視感効率V(λ)をより精度良く、また、再現性良く測定できる。
また、分光視感効率測定システム1が、容易に入手したり流用や併用したりできるコンピュータ周辺機器の発光面を用いて刺激視野21を構成するので、分光視感効率測定システム1は、装置の設置や可搬性に優れた簡便なものとなる。従って、任意の測定環境において分光視感効率V(λ)を容易に測定することができる。
また、上述の分光視感効率V(λ)として想定された関数は2つのパラメータを有する2つのガウス型関数を合成した関数と考えられる。2つのガウス型関数を用いると4つのパラメータで分光視感効率V(λ)の関数形を設定することができる。この場合、明るさを決定するパラメータAを共通にすると、3つのパラメータA,B,Cで分光視感効率V(λ)の関数形を設定することができる。コンピュータにおいて関数サブルーティンとして充実しているガウス型関数と少ないパラメータ数の関数を用いて分光視感効率V(λ)の関数形を設定する本構成によると、分光視感効率測定方法を実施するシステムを容易に構成できる。また、得られた分光視感効率V(λ)のデータの処理や利用が容易となる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る分光視感効率測定システムのブロック構成を示し、図6は同システムの光提示装置のPWM制御を説明するパルス波形を示す。この実施形態における分光視感効率測定システム1の大きな特徴は、光提示装置2が、フルカラー発光ダイオード(LED)を用いて構成されていることであり、その他の点は、第1の実施形態の分光視感効率測定システム1と同様である。すなわち、本システムでは、LEDの発光により、テスト光2aと参照光2bの光提示が行われる。
図5は、第2の実施形態に係る分光視感効率測定システムのブロック構成を示し、図6は同システムの光提示装置のPWM制御を説明するパルス波形を示す。この実施形態における分光視感効率測定システム1の大きな特徴は、光提示装置2が、フルカラー発光ダイオード(LED)を用いて構成されていることであり、その他の点は、第1の実施形態の分光視感効率測定システム1と同様である。すなわち、本システムでは、LEDの発光により、テスト光2aと参照光2bの光提示が行われる。
本実施形態の分光視感効率測定システム1は、ノートブック型のパーソナルコンピュータPCを用いて光量設定装置6および入出力装置7を構成している。また、マウス型のポインタが操作器5として用いられる。なお、入出力装置7を構成するキーボードにおける矢印キーなどを操作器5として用いることもできる。被験者Mは、これらの操作器5や矢印キーなどを見ることなく、刺激視野21を注視した状態で、操作することができる。
点灯装置3は、USBボード31と点灯回路32とを備えている。点灯装置3はUSBボード31を介してコンピュータPCに接続される。点灯回路32は、これに接続された複数のLEDの発光強度を個別に制御して、複合色のテスト光2aと複合色の参照光2bとを交互に提示するように、所定の切替周波数のもとで発光させる。
点灯装置3は、コンピュータPCとは独立に、少なくとも30Hz前後からそれ以上の切替周波数での光提示を実現するために、PWM制御回路を有し、PWM制御回路からのPWM制御信号を用いて所定の光量のテスト光2aと参照光2bとを光提示装置2に提示するようになっている。これにより、点灯装置3は、確実に精度良くテスト光2aと参照光2bの提示切替を行うことができる。
ここで、図6を参照して、光提示におけるPWM制御を説明する。フルカラーLEDとして、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色のLED用いるものとする。これらのLEDを発光させるための電流を、パルスの幅を制御することによって制御、すなわちPWM制御して、三原色の光強度を調整して任意の色の光を発生させる。図6は交照法における光提示の一周期について示しており、その前半周期で参照光の提示を行い、後半周期でテスト光の提示を行う例を示している。
図6における上段の信号は、コンピュータPCからUSBボード31を介して点灯回路32に出力される信号である。図6における下の3段の信号は、R,G,BのLEDへの供給電流のパルス波形を示す。このような波形の電流が、点灯回路32から、光提示装置2、すなわち、それぞれの色の発光をするLEDへと出力される。これらの周期の繰り返しによって、刺激視野21にテスト光2aと参照光2bとが交互に提示される。
本実施形態の分光視感効率測定システム1によれば、フルカラー発光ダイオードに光拡散フィルタを組み合わせることにより刺激視野21を容易に形成できると共に、任意の色度と輝度を有するテスト光2aと参照光2bとを容易に設定できるので、装置の設置や可搬性に優れた簡便なシステムを実現できる。従って、任意の測定環境において容易に分光視感効率V(λ)を測定できる。また、フルカラー発光ダイオードは、提示切替周波数が通常30HzとされるフラットパネルディスプレイやCRTとは異なり、交照法に必要な任意の周波数で点滅させることができるので、視環境の評価のための実験的な分光視感効率V(λ)の測定に、より広範囲に適用できる。
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態に係る分光視感効率測定方法の測定フローチャートを示す。本実施形態の分光視感効率測定方法は、交照法により明るさマッチングを行って分光視感効率V(λ)を測定するものであり、上述の第1または第2の実施形態に係る分光視感効率測定システム1(図1、図5)を用いて測定することができる。従って、図1乃至図6を図7と併せて参照する。ここで、本実施形態の分光視感効率測定方法および上述の分光視感効率測定システム1で用いる交照法と従来標準的に用いられている交照法の比較をまとめて表1に示す。本願発明に係る交照法は参照光として任意の光色を用い、テスト光として複数の光を含む複合光を用いる点が、従来の交照法と大きく異なっている。
図7は第3の実施形態に係る分光視感効率測定方法の測定フローチャートを示す。本実施形態の分光視感効率測定方法は、交照法により明るさマッチングを行って分光視感効率V(λ)を測定するものであり、上述の第1または第2の実施形態に係る分光視感効率測定システム1(図1、図5)を用いて測定することができる。従って、図1乃至図6を図7と併せて参照する。ここで、本実施形態の分光視感効率測定方法および上述の分光視感効率測定システム1で用いる交照法と従来標準的に用いられている交照法の比較をまとめて表1に示す。本願発明に係る交照法は参照光として任意の光色を用い、テスト光として複数の光を含む複合光を用いる点が、従来の交照法と大きく異なっている。
表1において、本願発明の交照法における提示切替周波数30Hzは、LCDやCRTを用いる場合の周波数であり、40HzはフルカラーLEDを用いる場合に用いられる代表的な提示切替周波数である。なお、提示切替周波数は、これらの周波数に限定されるものではない。
次に、図7のフローチャートに従って分光視感効率測定方法を説明する。まず、初期設定工程(S1)において、初期条件の設定を行う。設定項目は、テスト光2aと参照光2bの光量や波長分布(スペクトル)の設定、提示切替周波数(交照周波数)の設定、分光視感効率V(λ)の関数形の設定などである。これらの設定のうち、光量や分光視感効率V(λ)の関数形は、基本的には、標準の交照法と同じ条件とすることができる。
分光視感効率V(λ)の関数形の初期値、すなわちパラメータA,B,Cの初期値は、CIEの定めた分光視感効率V(λ)を再現する値とすればよい。提示切替周波数は、光提示装置2の構成に応じて、上述の30Hzや40Hzとする。なお、光提示装置2と点灯装置3とが、周波数可変の場合は、これらの周波数以外に変更することができる。
次に、実際の測定を開始すると、テスト光と参照光の1つの組合せに対して、1つの分光視感効率V(λ)の関数形が決定されるまで、以下に示す一連の工程が繰り返される。
光提示工程(S2)において、テスト光2aと参照光2bと(合わせて交照光という)を刺激視野21に交互に点灯させて被験者Mに提示する。この交照光の提示は、光量設定装置6、点灯装置3、および光提示装置2によって行われる。
応答取り込み工程(S3)において、被験者Mが、光提示工程(S2)によって交照光の提示が行われている刺激視野21を注視して刺激視野21のちらつきを最小とするように操作器5を用いてパラメータA,B,Cの値を調整し、被験者Mによって調整されたパラメータA,B,Cの値が光量設定装置6によって取り込まれる。なお、被験者Mは、ちらつきが最小であると判定した場合に、操作器5を用いてその旨の情報を光量設定装置6に取り込ませる。
関数決定工程(S4)において、光量設定装置6が、パラメータA,B,Cの値に応じて分光視感効率V(λ)の関数形を決定する。
分光工程(S5)において、分光装置4が、前記刺激視野に提示されるテスト光2aおよび参照光2bの分光情報を取得し、その情報を光量設定装置6に転送する。
光量算出工程(S6)において、光量設定装置6が、分光工程(S5)によって得られた参照光2bの分光情報と関数形の決定された分光視感効率V(λ)とに基づいて参照光2bの光量を算出する(算出式については、後述)。
終了判定工程(S7)において、光量設定装置6は、ちらつき最小との判定が操作器5から取り込まれた場合に(S7でYes)、その時点でのパラメータA,B,Cによって関数形の定まる分光視感効率V(λ)を最終の測定結果として測定を終了する。
光量設定装置6は、ちらつき最小との判定が操作器5から取り込まれていない場合に(S7でNo)、次の光量設定工程(S8)を実行する。なお、この終了判定工程(S7)は、光量算出工程(S6)と光量設定工程(S8)との間の工程に限る必要はなく、任意の時点で実行可能とすることができる。
光量設定工程(S8)において、光量設定装置6は、分光工程(S5)によって得られたテスト光2aの分光情報と関数形の決定された分光視感効率V(λ)に基づいて、テスト光2aの光量を算出し(算出式については、後述)、参照光2bの光量とテスト光2aの光量とが等しくなるように、テスト光2aの光量を再設定する。
この工程における光量の再設定は、光量設定装置6が被験者Mに協力して、或いは協同して、可視光の全域にわたって交照光のちらつきを小さくしようとする動作である。つまり、光量設定装置6は、独自の評価関数(後述の評価関数H)を用いて、明るさマッチングの評価とマッチングとを行う。これは、いわば、人工の目による明るさマッチングといえる。そして、この人工の目は、上述の、光提示装置2、点灯装置3、分光装置4、操作器5(パラメータの入力)、および光量設定装置6によって構成されている。
光量設定装置6が、テスト光2aの光量を再設定すると、工程が光提示工程(S2)に戻り、それまでの光量のテスト光2aに替えて再設定された光量のテスト光2aおよび参照光2bが刺激視野21に交照提示される。以下、終了判定とされるまで、上記同様に工程が繰り返される。
なお、上述の一連の工程において、テスト光2aと参照光2bの分光分布は変わらず、テスト光2aの光量と参照光2bの光量とが、パラメータA,B,Cの変化に伴う分光視感効率V(λ)変化によって変化する。従って、テスト光2aおよび参照光2bの分光情報(分光分布)を取得する分光工程(S5)は、少なくとも1回行えばよいことになる。
(光量の算出)
テスト光2aの光量をIa、分光情報をPa(λ)とし、参照光2bの光量をIb、分光情報Pb(λ)とすると、光量Ia,Ibは、最新のパラメータA,B,C、従って最新の分光視感効率V(λ)に基づいて、次式(1)(2)によって算出される。ここで、積分範囲のvisは、積分が可視光の全範囲で行われることを意味する。従って、積分範囲は、通常、λ=380nm〜780nmの範囲である。
テスト光2aの光量をIa、分光情報をPa(λ)とし、参照光2bの光量をIb、分光情報Pb(λ)とすると、光量Ia,Ibは、最新のパラメータA,B,C、従って最新の分光視感効率V(λ)に基づいて、次式(1)(2)によって算出される。ここで、積分範囲のvisは、積分が可視光の全範囲で行われることを意味する。従って、積分範囲は、通常、λ=380nm〜780nmの範囲である。
上述の積分のイメージを図8(a)(b)に示す。それぞれ、テスト光2aの分光情報Pa(λ)、参照光2bの分光情報Pb(λ)に対し、両者に共通の分光視感効率V(λ)を掛け算して、光量Ia,Ibが得られる。すなわち、テスト光2aの分光情報Pa(λ)、参照光2bの分光情報Pb(λ)、および最新の分光視感効率V(λ)に基づいて、テスト光2aと参照光2bの光量Ia,Ibが得られる。
(明るさマッチングの評価)
上述の光量設定装置6が行う明るさマッチングの評価は、次式(3)の評価関数Hを用いて行われる。この評価関数Hは、テスト光2aと参照光2bの光量Ia,Ibの差の二乗から成る。
上述の光量設定装置6が行う明るさマッチングの評価は、次式(3)の評価関数Hを用いて行われる。この評価関数Hは、テスト光2aと参照光2bの光量Ia,Ibの差の二乗から成る。
上式(3)の評価関数Hが最小になった場合に、分光分布がPa(λ),Pb(λ)であるテスト光2aと参照光2bの光量の差が最小となり、人工の目にとって、2光の明るさマッチングがとれた状態となる。
式(3)において、差を二乗するのは、光量値の隔たりに注目しているからであり、二乗の代わりに、絶対値としてもよい。この評価関数Hは、分光視感効率V(λ)に含まれるパラメータA,B,Cの関数となっている。さらに、光量Ia,Ibの差に替えて、比を評価関数Hとして用いることもできる。例えば、H=Ia/Ibとすることもできる。この比の値が1に近いほどマッチングがとれた状態となる。
この人工の目における明るさのマッチング状態が被験者Mが感じる明るさマッチング状態に一致する、という仮定が、本願発明の基本原理である。従って、評価関数Hが最小のときに、被験者Mがちらつきを感じなくなる。そして、そのようなマッチング状態を効率良く決定して、分光視感効率V(λ)を求めるのが、本願発明に係る分光視感効率測定システムであり、分光視感効率測定方法である。このような仮定から外れる場合は、実験結果と統計的手法に基づいて、両者のマッチング状態の補正を行って、互いの整合性を持たせるようにすることができる。
(本願分光視感効率測定システムと分光視感効率測定方法の意義と応用)
従来、規格として決められている人の分光視感効率(標準比視感度)を、規格から離れて見直すことにより、任意の照明環境のもとで測定した分光視感効率V(λ)を用いて、視環境に対する人の順応状態を推定することができる。本願発明は、このような分光視感効率V(λ)の測定を簡便かつ容易に実現可能とする。
従来、規格として決められている人の分光視感効率(標準比視感度)を、規格から離れて見直すことにより、任意の照明環境のもとで測定した分光視感効率V(λ)を用いて、視環境に対する人の順応状態を推定することができる。本願発明は、このような分光視感効率V(λ)の測定を簡便かつ容易に実現可能とする。
テスト光と参照光の両方とも、PC(パーソナルコンピュータ)用ディスプレイのLCDやフルカラーLEDを用いて提示できるので、高価で扱いにくいマックスウェル視光学系を用いる場合と比べて、場所を選ばずに、交照法により、容易に分光視感効率V(λ)を測定できる。
PCと分光器から構成される人工眼によって明るさマッチングを行なわせ、その状態を人が操作し確認することにより、リアルタイムで分光視感効率V(λ)を測定できるので、測定時の人の負担を軽減できる。
上述のように、場所を選ばず容易に分光視感効率V(λ)を測定できることから、そのときには直ぐに感じないような視覚ストレスを、視覚の順応状態(定常状態からの偏差から予測することが可能となる。例えば、照明光(背景光、環境光、バックグラウンド光)を変化させながら種々の照明環境の下で、分光視感効率V(λ)を短時間で測定することができる。従って、本願発明は、単一目的のために人工的に作られた今後出現すると思われる様々な視環境を、長期的な立場に立って評価する手段を提供することができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、操作器5は、手元で容易に扱えるように無線通信により光量設定装置6に接続するようにすることができる。また、光量設定装置6などに音響発生装置を備えて、被験者Mに操作を促す音声ガイドを流したり、操作器5の操作に合わせて音程や音の強度の変化する音響を発生させたりするすることができる。また、入出力装置7は、他の計算機などに接続して、データの送受信を行うようにすることができる。なお、上記において、光量と輝度とが、同じ意味で用いている。
また、上記では、分光視感効率V(λ)を表す関数形として、3つのパラメータA,B,Cを有するガウス型関数について説明したが、分光視感効率V(λ)の関数形は、これに限られず、3つより多い複数の調整可能なパラメータを含む関数、2次関数や3次関数さらに高次の間数などの重ね合わせによる関数、波長領域毎に区分した関数をつなぎ合わせた関数、スプライン関数などを用いるものでもよい。例えば、ガウス型関数を、そのピークの左右で分けるだけでなく、多数に分割したものとすることができる。
1 分光視感効率測定システム
2 光提示装置(光提示手段)
3 点灯装置(点灯手段)
4 分光装置(分光手段)
5 操作器(操作手段)
6 光量設定装置(光量設定手段)
21 刺激視野
2a テスト光
2b 参照光
A,B,C パラメータ
M 被験者
P(λ) 分光情報(分光分布)
V(λ) 分光視感効率
2 光提示装置(光提示手段)
3 点灯装置(点灯手段)
4 分光装置(分光手段)
5 操作器(操作手段)
6 光量設定装置(光量設定手段)
21 刺激視野
2a テスト光
2b 参照光
A,B,C パラメータ
M 被験者
P(λ) 分光情報(分光分布)
V(λ) 分光視感効率
Claims (9)
- 参照光とテスト光とを刺激視野に交互に点灯させて被験者に提示する交照法を用いて当該被験者に係る分光視感効率を測定するための分光視感効率測定システムにおいて、
前記刺激視野を構成して参照光とテスト光とを提示する光提示手段と、
入力される光量データに基づいてそれぞれ複数色の光を含む複合光から成る所定の光量の参照光とテスト光とを所定の時間間隔で前記光提示手段に提示させる点灯手段と、
前記光提示手段に提示された参照光およびテスト光の分光情報を取得するための分光手段と、
分光視感効率の関数形が複数の調整可能なパラメータを含んで設定されており、被験者が前記刺激視野のちらつきを最小とするように操作して前記パラメータの値を入力するための操作手段と、
前記操作手段から前記パラメータの値を受け取って当該パラメータの値に応じて分光視感効率の関数形を決定し、前記分光手段から得られる前記分光情報および前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて前記テスト光の光量を再設定すると共に、その光量を得るための光量データを前記点灯手段に入力する光量設定手段と、を備え、
前記光量設定手段は、前記分光手段から得られる前記参照光の分光情報および前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて当該参照光の光量を決定し、その参照光の光量と前記テスト光の光量とが等しくなるように当該テスト光の光量を再設定することを特徴とする分光視感効率測定システム。 - 前記点灯手段は、可視光の略全域にわたって分布する参照光とテスト光とを前記光提示手段に提示させることを特徴とする請求項1に記載の分光視感効率測定システム。
- 前記光提示手段は、フラットパネルディスプレイまたはCRTの発光面を刺激視野として用いて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分光視感効率測定システム。
- 前記光提示手段は、フルカラー発光ダイオードを用いて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分光視感効率測定システム。
- 前記点灯手段は、PWM制御信号を用いて所定の光量の参照光とテスト光とを前記光提示手段に提示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の分光視感効率測定システム。
- 参照光とテスト光とを刺激視野に交互に点灯させて被験者に提示する交照法を用いて当該被験者に係る分光視感効率を測定する分光視感効率測定方法において、
前記分光視感効率の関数形が複数の調整可能なパラメータを含んで設定されており、
前記刺激視野にそれぞれ複数色の光を含む複合光から成る光量の設定された参照光とテスト光とを提示する光提示工程と、
被験者が前記光提示工程によって光を提示された前記刺激視野のちらつきを最小とするように前記パラメータの値を調整したときに、被験者によって調整された前記パラメータの値に応じて分光視感効率の関数形を決定する関数決定工程と、
前記刺激視野に提示される参照光およびテスト光の分光情報を取得する分光工程と、
前記分光工程によって得られた前記参照光の分光情報と前記関数形の決定された分光視感効率に基づいて当該参照光の光量を算出し、前記分光工程によって得られた前記テスト光の分光情報と前記関数形の決定された分光視感効率とに基づいて当該テスト光の光量を算出し、前記参照光の光量と前記テスト光の光量とが等しくなるように当該テスト光の光量を再設定する光量設定工程と、を備え、
前記光提示工程から前記光量設定工程までの各工程を、前記被験者が前記刺激視野のちらつきが最小であると判断した旨の指示入力を行うまで繰り返すことを特徴とする分光視感効率測定方法。 - 前記刺激視野に提示する参照光とテスト光として可視光の略全域にわたって分布する光を用いることを特徴とする請求項6に記載の分光視感効率測定方法。
- フラットパネルディスプレイの発光面を前記刺激視野として用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の分光視感効率測定方法。
- 前記分光視感効率の関数形が複数のガウス型関数を合成した関数から成り、前記各ガウス型関数が明るさを決定するパラメータと光色を決定するパラメータの少なくとも2つのパラメータを備えていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の分光視感効率測定方法。
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