JP2009050142A - 駆動装置 - Google Patents

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豊樹 田中
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Abstract

【課題】 組み立ての簡易化、部品点数の削減、コストの削減を図ること。
【解決手段】 電気機械変換素子(13)と、この電気機械変換素子の端部(13b)に取り付けられた振動部材(14)と、この振動部材と摩擦結合される移動部材(12)とを備え、電気機械変換素子の伸縮方向に移動部材が移動可能な駆動装置(10)において、振動部材(14)は、弾性によって移動部材(12)を挟み込む可撓性の挟み込み部(142)を持つ。バネ(15)は、振動部材(14)と可撓性の挟み込み部(142)とに係合して、可撓性の挟み込み部(142)を移動部材(12)に押し付けるための押付力を発生する。振動部材(14)は、当該振動部材と移動部材(12)との間の摩擦結合部に断面V字状の溝(14a)を持つ。
【選択図】 図1

Description

本発明は駆動装置に関し、特に、圧電素子等の電気機械変換素子を用いた駆動装置に関する。
従来から、カメラのオートフォーカス用アクチュエータやズーム用アクチュエータとして、圧電素子、電歪素子、磁歪素子等の電気機械変換素子を使用した(駆動装置)リニアアクチュエータが使用されている。
例えば、特許文献1は、圧電素子と、この圧電素子に結合して圧電素子の伸縮方向に延在する駆動軸(耐摩耗性の振動棒、振動部材)と、この駆動軸に摩擦結合した被駆動部材(ズームレンズ鏡筒、移動部材)とを備えた駆動装置を開示している。この特許文献1では、圧電素子に印加する駆動信号を工夫して、被駆動部材(ズームレンズ鏡筒、移動部材)を駆動している。特許文献1では、駆動軸(振動部材)を被駆動部材(移動部材)と摩擦板との間で挟んでいる。換言すれば、駆動軸(振動部材)は被駆動部材(移動部材)と摩擦板との間を貫通している。圧接ばねにより摩擦板が駆動軸(振動部材)を被駆動部材(移動部材)との間に挟む方向に押圧される。
また、特許文献2は、第1の圧電素子に取り付けた駆動部材(振動部材)と被駆動部材(移動部材)との摩擦係合を確保、或いは解除する第2の圧電素子を設けることによって、被駆動部材を安定して正確に移動させることができるアクチュエータを開示している。特許文献2に開示されたアクチュエータは、駆動用の一対の第1の圧電素子、係合用の第2の圧電素子、一対の駆動部材、及び押さえばねで構成される。一対の第1の圧電素子及び一対の駆動部材は被駆動板を挟んで両側に配置される。一対の駆動部材の間隔が第2の圧電素子によって拡縮される。この第2の圧電素子によって、一対の駆動部材と被駆動板との摩擦係合が確保、或いは解除される。
また、特許文献3は、可動子を炭素繊維を含む液晶ポリマーで形成することで、金属材料で形成する場合に比べて、低コスト化と軽量化を図れるとともに、移動速度や駆動力を低下させることなく高い曲げ弾性係数の可動子を用いた高性能な駆動装置を開示している。この特許文献3に開示された駆動装置は、電圧が印加されることにより伸縮する圧電素子(電気機械変換素子)と、圧電素子の伸縮方向一端に固定された駆動軸(振動部材)と、駆動軸に摺動可能に摩擦係合する可動子(移動部材)と、圧電素子の伸縮方向他端に接着固定されたウェイト(静止部材、錘)とを備える。圧電素子の伸びと縮みの速度または加速度を異ならせて駆動軸を振動させることにより、可動子(移動部材)を駆動軸(振動部材)に沿って移動させる。駆動軸は、直線状に延びる丸棒の軸体で構成されている。可動子は、可動子本体とキャップとで構成され、両者が駆動軸を挟むようにして駆動軸に係合している。可動子を駆動軸に沿って移動可能にすべく、駆動軸と可動子間が所定の摩擦力となるように、略コ字状の板バネにより可動子本体とキャップを駆動軸に押し付けている。可動子本体にはV字形断面の溝が設けられている。この溝に駆動軸が嵌り込んで、溝の2つの斜面が駆動軸と接触するようになっている。同様に、キャップにはV字形断面の溝が設けられている。キャップが可動子本体と組み合わされた場合に、キャップの溝に駆動軸が嵌り込んで、その溝の2つの斜面が駆動軸と接触するようになっている。
さらに、特許文献4は、移動部材を高速で安定して駆動することができる駆動装置を開示している。特許文献4に開示された駆動装置は、静止部材と、この静止部材にその伸縮方向の一端を固定された電気機械変換素子と、この電気機械変換素子の伸縮方向の他端に結合され、電気機械変換素子の伸縮方向に移動できるように支持された駆動部材(振動部材)と、この駆動部材に摩擦結合され、電気機械変換素子の伸縮方向に移動できるように支持された移動部材と、駆動部材(振動部材)と移動部材との間に摩擦力を発生させる摩擦力付与手段とを備えている。この摩擦力付加手段は、移動部材に固定されて押付力を発生する弾性部材と、弾性部材により発生する押付力を駆動部材に伝える挟み込み部材から構成される。また、移動部材と駆動部材の接触部、及び挟み込み部材の接触部を断面V字状にしている。
特許第3218851号公報 特開2006−54979号公報 特開2006−304529号公報 特許第3141714号公報
前述した特許文献1〜4には、それぞれ、以下に説明するような問題点がある。
特許文献1に開示された駆動装置では、駆動軸(振動部材)とズームレンズ鏡筒(被駆動部材、移動部材)とを摩擦結合させるために、別体で摩擦板が必要になる。その為、組み立て性に劣り、部品点数が多くなり、コスト高になるという問題がある。
特許文献2は、複数の圧電素子を備えるので、構成が複雑になると共に、サイズを縮小するのは不利である。
特許文献3では、可動子(移動部材)が、互いに別体の可動子本体とキャップとで構成され、両者が駆動軸(振動部材)を挟むようにして駆動軸(振動部材)に係合している。そのため、上記特許文献1と同様に、組み立て性に劣り、部品点数が多くなり、コスト高になるという問題がある。
特許文献4に開示された駆動装置では、駆動部材(振動部材)を移動部材と挟み込み部材(パッド)で挟み込み、挟み込み部材(パッド)を弾性部材(板ばね)で駆動部材(振動部材)に押し当てている。そのため、上述した特許文献1又は3に開示された駆動装置と同様に、組み立て性に劣り、部品点数が多くなり、コスト高になるという問題がある。
本発明の課題は、組み立ての簡易化を図ることができる、駆動装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、部品点数を削減することができる、駆動装置を提供することにある。
本発明のもっと他の課題は、コストを削減することができる、駆動装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、説明が進むにつれて明らかになるだろう。
本発明によれば、伸縮方向で互いに対向する一対の端部を持つ電気機械変換素子(13;23)と、該電気機械変換素子の前記一対の端部の一方に取り付けられた振動部材(14;22)と、該振動部材と摩擦結合される移動部材(12;24)とを備え、前記電気機械変換素子の伸縮方向に前記移動部材が移動可能な駆動装置(10;10A;20)において、前記振動部材と前記移動部材の一方は、弾性によって前記振動部材と前記移動部材の他方を挟み込む可撓性の挟み込み部(142;242)を持ち、該可撓性の挟み込み部を前記振動部材と前記移動部材の他方に付勢して、前記振動部材と前記移動部材との間に摩擦力を付加する付勢部材(15;15A;15)を有する、ことを特徴とする駆動装置が得られる。
本発明の第1の態様によれば、上記駆動装置において、前記移動部材(12)は棒状をしており、前記可撓性の挟み込み部(142)は、前記振動部材(14)に設けられて、前記移動部材(12)を挟み込んでいる。前記付勢部材は、例えば、前記振動部材(14)と前記可撓性の挟み込み部(142)とに係合して、前記可撓性の挟み込み部を前記移動部材(12)に押し付けるための押付力を発生するバネ(15;15A)から構成されてよい。前記振動部材(14)は、当該振動部材と前記移動部材との間の摩擦結合部に断面V字状の溝(14a)を持つことが好ましい。
本発明の第2の態様によれば、上記駆動装置において、前記振動部材(22)は棒状をしており、前記可撓性の挟み込み部(242)は、前記移動部材(24)に設けられて、前記振動部材(22)を挟み込んでいる。前記付勢部材は、例えば、前記移動部材(24)と前記可撓性の挟み込み部(242)とに係合して、前記可撓性の挟み込み部を前記振動部材(22)に押し付けるための押付力を発生するバネ(25)から構成されてよい。前記移動部材(24)は、当該移動部材と前記振動部材との間の摩擦結合部に断面V字状の溝(24a)を持つことが好ましい。
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、振動部材と移動部材の一方が弾性によって振動部材と移動部材の他方を挟み込む可撓性の挟み込み部を持ち、付勢部材が可撓性の挟み込み部を振動部材と移動部材の他方に付勢して、振動部材と移動部材との間に摩擦力を付加しているので、組み立ての簡易化を図り、部品点数の削減とコストの削減を図ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態による駆動装置10について説明する。図1において、(A)は駆動装置10の平面図であり、(B)は駆動装置10の正面図である。ここでは、図1に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図1に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸は左右方向(幅方向)であり、Y軸は前後方向(奥行方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。
図示の駆動装置10は、例えば、オートフォーカスレンズ駆動ユニットのレンズ駆動部として使用される。その場合、図1に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸方向である。
図示の駆動装置10は、図示しない筐体内に配置される。筐体は、カップ状の上側カバー(図示せず)と下側ベース(図示せず)とを含む。筐体の下側ベース上に静止部材(錘)11が搭載される。上側カバーの上面は、レンズの光軸を中心軸とした円筒部(図示せず)を有する。一方、図示はしないが、下側ベースの中央部には、基板に配置された撮像素子が搭載される。この撮像素子は、可動レンズ(後述する)により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。
筐体内には、可動鏡筒(図示せず)を間に挟んで、当該駆動装置10と対向した位置に、案内軸(図示せず)が設けられている。この案内軸は、レンズの光軸と平行に延在している。案内軸の上端は筐体の上側カバーの上面に固定され、下端は筐体の下側ベースに固定されている。このレンズの光軸を間に挟んで、案内軸と反対側には、棒状の移動軸(移動部材)12が設けられている。すなわち、案内軸と移動軸12とは、レンズの光軸まわりに回転対称な位置に配置されている。
尚、オートフォーカスレンズ駆動ユニットは、レンズ可動部とレンズ駆動部とから構成される。レンズ駆動部は、レンズ可動部をレンズの光軸方向に摺動可能に支持しながら、後述するようにレンズ可動部を駆動する。レンズ可動部は上記棒状の移動軸(移動部材)12を含み、レンズ駆動部は静止部材(錘)11を含む。レンズ可動部は被駆動部材17を含む。この被駆動部材17は、連結部材18を介して移動部材12の一端に結合されている。
駆動装置10(レンズ駆動部)は、電気機械変換素子として働く積層圧電素子13と、円柱状の上記静止部材(錘)11と、振動部材14とを有する。積層圧電素子13は、レンズの光軸方向に伸縮する。積層圧電素子13は、レンズの光軸方向に複数の圧電層を積層した構造を有する。積層圧電素子13は、伸縮方向で互いに対向する第1の端部(下端部)13aと第2の端部(上端部)13bとを持つ。静止部材(錘)11は、積層圧電素子13の第1の端部(下端部)13aに接着剤等で結合される。振動部材14は、積層圧電素子13の第2の端部(上端部)13bに接着剤等で取り付けられている。図示の例では、振動部材14は積層圧電素子13の第2の端部13bに直接結合されているが、振動部材14と積層圧電素子13の第2の端部13bとの間に何らかの部材が介在してもよい。積層圧電素子13と静止部材11との組合せは、圧電ユニットと呼ばれる。
棒状の移動軸(移動部材)12は、この振動部材14と摩擦結合される。振動部材14には、当該振動部材14と棒状の移動軸(移動部材)12との間の摩擦結合部に断面V字状の溝14aが形成されている。
振動部材14は、弾性によって移動部材12を挟み込む可撓性の挟み込み部142を持つ。駆動装置10(レンズ駆動部)は、棒状の移動軸(移動部材)12を振動部材14に対して押し付ける(付勢する)ためのバネ15を備える。すなわち、バネ15は、振動部材14と可撓性の挟み込み部142とに係合して、可撓性の挟み込む部142を移動部材12に押し付ける押付力を発生する。換言すれば、バネ15は、可撓性の挟み込み部142を移動部材12に付勢して、振動部材14と移動部材12との間に摩擦力を付加する付勢手段として作用する。
振動部材14は、バネ15を保持するための一対の係止溝14bが設けられている。バネ15は、その両端15aがこれら一対の係止溝14bで振動部材14に係合され、その両端15aから可撓性の挟み込み部142側に延在している。バネ15は、その中央部で、可撓性の挟み込み部142と当接する当接部15bを持つ。これにより、振動部材14と可撓性の挟み込み部142をバネ15で棒状の移動軸(移動部材)12に押し付けている。この結果、棒状の移動軸(移動部材)12は振動部材14に安定して摩擦結合される。
詳述すると、移動部材12とバネ15との間に可撓性の挟み込み部142が挟み込まれている。これは、バネ15の摩擦磨耗による押付力の劣化をなくし、バネ15の摩擦磨耗による摩擦力の変化をなくすためである。尚、可撓性の挟み込み部142の摩擦磨耗を防ぐため、可撓性の挟み込み部142の表面は滑らかであることが望ましい。
また、振動部材14において、振動部材14と移動部材12との間の摩擦結合部に断面V字状の溝14aを形成している。振動部材14の断面V字状の溝14aによる移動部材12との2直線接触により、摩擦結合部の接触状態が安定し、再現性の良い摩擦駆動が得られると共に、移動部材12の一軸移動体としての直進移動性を高めるという効果を奏する。尚、この断面V字状の溝12aの角度は、30度から180度未満の範囲であることが望ましい。
また、振動部材14と可撓性の挟み込み部142をバネ15で移動部材12に押し付けている。これにより、振動部材14の断面V字状の溝14aと可撓性の挟み込み部142とを、移動部材12に押し付けることで、安定した線接触を可能としている。尚、バネ15による押付力は5〜100gfの範囲にあることが望ましい。
このように、本実施の形態では、振動部材14が可撓性の挟み込み部142を持っている。すなわち、振動部材14は、可撓性の挟み込み部142の一端が振動部材14と連結部分144で繋がった一体構造となっている。この連結部分144は、弾性変形により、可撓性の挟み込み部142を押し付け方向に変形し易い形状となっている。
このため、本実施の形態に係る駆動装置10は、従来の駆動装置で必要であった別体のパッドが不要である。それにより、組み立ての簡素化を図ることができ、部品点数を削減でき、コストを削減することができる。
次に、図2を参照して、積層圧電素子13に供給される電流と積層圧電素子13に発生する変位について説明する。なお、図2は、上記特許文献1の図5に図示されたものと同じものである。図2(A)および(B)は、それぞれ、駆動回路(図示せず)により積層圧電素子13に供給される電流の変化と、積層圧電素子13の変位を示すものである。
図2(A)に示すように、積層圧電素子13に大電流(正方向)と所定の一定電流(負方向)とを交互に流す。このような状況では、図2(B)に示すように、積層圧電素子13は、大電流(正方向)に対応した急激な変位(伸び)と、一定電流(負方向)に対応した穏やかな変位(縮み)とが交互に生じる。
すなわち、積層圧電素子13に矩形波電流を印加して(図2(A))、積層圧電素子13に対してのこぎり波状の変位(伸縮)を生じ(図2(B))させる。
図2に加えて図1をも参照して、駆動装置10の動作について説明する。先ず、レンズ可動部を上下方向Zに沿って下方向に移動する場合の動作について説明する。
先ず、図2(A)に示すように、積層圧電素子13に正方向の大電流を流すと、図2(B)に示すように、積層圧電素子13は急速に厚み方向の伸び変位を生じる。その結果、振動摩擦部13はレンズの光軸方向(上下方向Z)に沿って上方向に急速に移動する。このとき、移動部材12(レンズ可動部)は、その慣性力により、振動部材14と棒状の移動軸(移動部材)12との間の摩擦力に打ち勝って実質的にその位置にとどまるので、移動しない。
次に、図2(A)に示すように、積層圧電素子13に負方向の一定電流を流すと、積層圧電素子13は緩やかに厚み方向の縮み変位を生じる。その結果、振動部材14はレンズの光軸方向(上下方向Z)に沿って下方向に緩やかに移動する。このとき、振動部材14と棒状の移動軸(移動部材)12とはそれらの間の接触面に発生する摩擦力により結合しているので、移動部材12(レンズ可動部)は振動部材14と共に実質的にレンズの光軸方向(上下方向Z)に沿って下方向に移動する。
このように、積層圧電素子13に正方向の大電流と負方向の所定の一定電流を交互に流して、積層圧電素子13に伸び変位と縮み変位を交互に生じさせることにより、レンズ可動部のレンズ保持枠(図示せず)をレンズ光軸方向(上下方向Z)に沿って下方向へ連続して移動させることができる。
移動部材12(レンズ可動部)をレンズ光軸方向(上下方向Z)に沿って上方向に移動させるには、上記と逆に積層圧電素子13に負方向の大電流と、正方向の所定の一定電流とを交互に流すことによって、達成することができる。
次に、積層圧電素子13について説明する。積層圧電素子13は直方体の形状をしており、その素子サイズは、0.9[mm]×0.9[mm]×1.5[mm]である。圧電材料としてPZTのような低Qm材を使用している。厚さ20[μm]の圧電材料と厚さ2[μm]の内部電極とを交互に櫛形に50層積層することによって、積層圧電素子13を製造する。そして、積層圧電素子13の有効内部電極サイズは、0.6[mm]×0.6[mm]である。換言すれば、積層圧電素子13の有効内部電極の外側に位置する周辺部には、幅0.15[mm]のリング状の不感帯部分(クリアランス)が存在する。
尚、付勢部材としてのバネは、図1に図示したものに限定されない。
図3は、図1に示した駆動装置の変形例である。したがって、駆動装置に10Aの参照符号を付してある。図示の駆動装置10Aは、バネの形状が図1に示したものと相違している点を除いて、図1に示した駆動装置10と同様の構成を有し、動作をする。したがって、バネに15Aの参照符号を付してある。図1に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
バネ15Aの一端15aは、振動部材14の角部に係合している。バネ15Aは、この一端15aから振動部材14の外周壁に沿って、可撓性の挟み込み部142側まで延在している。バネ15は、その他端部側で、可撓性の挟み込み部142と当接する当接部15bを持つ。これにより、振動部材14と可撓性の挟み込み部142をバネ15Aで棒状の移動軸(移動部材)12に押し付けている。この結果、棒状の移動軸(移動部材)12は振動部材14に安定して摩擦結合される。
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態による駆動装置20について説明する。図4において、(A)は駆動装置20の平面図であり、(B)は駆動装置20の正面図である。ここでは、図4に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図4に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸は左右方向(幅方向)であり、Y軸は前後方向(奥行方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。
図示の駆動装置20は、例えば、オートフォーカスレンズ駆動ユニットのレンズ駆動部として使用される。その場合、図4に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸方向である。
図示の駆動装置20は、図示しない筐体内に配置される。筐体は、カップ状の上側カバー(図示せず)と下側ベース(図示せず)とを含む。筐体の下側ベース上に静止部材(錘)21が搭載される。上側カバーの上面は、レンズの光軸を中心軸とした円筒部(図示せず)を有する。一方、図示はしないが、下側ベースの中央部には、基板に配置された撮像素子が搭載される。この撮像素子は、可動レンズ(後述する)により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。
筐体内には、可動鏡筒(図示せず)を間に挟んで、当該駆動装置20と対向した位置に、案内軸(図示せず)が設けられている。この案内軸は、レンズの光軸と平行に延在している。案内軸の上端は筐体の上側カバーの上面に固定され、下端は筐体の下側ベースに固定されている。このレンズの光軸を間に挟んで、案内軸と反対側には、棒状の振動部材22が設けられている。すなわち、案内軸と振動部材22とは、レンズの光軸まわりに回転対称な位置に配置されている。
尚、オートフォーカスレンズ駆動ユニットは、レンズ可動部とレンズ駆動部とから構成される。レンズ駆動部は、レンズ可動部をレンズの光軸方向に摺動可能に支持しながら、後述するようにレンズ可動部を駆動する。レンズ駆動部は、静止部材(錘)21と棒状の振動部材22とを含む。レンズ可動部は被駆動部材27を含む。この被駆動部材27は、後述する移動部材24と結合されている。
駆動装置20(レンズ駆動部)は、電気機械変換素子として働く積層圧電素子23と、円柱状の上記静止部材(錘)21と、棒状の振動部材22とを有する。積層圧電素子23は、レンズの光軸方向に伸縮する。積層圧電素子23は、レンズの光軸方向に複数の圧電層を積層した構造を有する。積層圧電素子23は、伸縮方向で互いに対向する第1の端部(下端部)23aと第2の端部(上端部)23bとを持つ。静止部材(錘)21は、積層圧電素子23の第1の端部(下端部)23aに接着剤等で結合される。棒状の振動部材22は、積層圧電素子23の第2の端部(上端部)23bに接着剤等で取り付けられている。図示の例では、棒状の振動部材22は積層圧電素子23の第2の端部23bに直接結合されているが、棒状の振動部材22と積層圧電素子23の第2の端部23bとの間に何らかの部材が介在してもよい。積層圧電素子23と静止部材21との組合せは、圧電ユニットと呼ばれる。
移動部材24は、この棒状の振動部材22と摩擦結合される。移動部材24には、当該移動部材24と棒状の振動部材22との間の摩擦結合部に断面V字状の溝24aが形成されている。
移動部材24は、弾性によって棒状の振動部材22を挟み込む可撓性の挟み込み部242を持つ。駆動装置20(レンズ駆動部)は、棒状の振動部材22を移動部材24に対して押し付ける(付勢する)ためのバネ25を備える。すなわち、バネ25は、移動部材24と可撓性の挟み込み部242とに係合して、可撓性の挟み込む部242を振動部材22に押し付ける押付力を発生する。換言すれば、バネ25は、可撓性の挟み込み部242を振動部材22に付勢して、移動部材24と振動部材22との間に摩擦力を付加する付勢手段として作用する。
移動部材24は、バネ25を保持するための一対の係止溝24bが設けられている。バネ25は、その両端25aがこれら一対の係止溝24bで移動部材24に係合され、その両端25aから可撓性の挟み込み部242側に延在している。バネ25は、その中央部で、可撓性の挟み込み部242と当接する当接部25bを持つ。これにより、移動部材24と可撓性の挟み込み部242をバネ25で棒状の振動部材22に押し付けている。この結果、移動部材24は棒状の振動部材22に安定して摩擦結合される。
詳述すると、振動部材22とバネ25との間に可撓性の挟み込み部242が挟み込まれている。これは、バネ25の摩擦磨耗による押付力の劣化をなくし、バネ25の摩擦磨耗による摩擦力の変化をなくすためである。尚、可撓性の挟み込み部242の摩擦磨耗を防ぐため、可撓性の挟み込み部242の表面は滑らかであることが望ましい。
また、移動部材24において、移動部材24と棒状の振動部材22との間の摩擦結合部に断面V字状の溝24aを形成している。移動部材24の断面V字状の溝24aによる振動部材22との2直線接触により、摩擦結合部の接触状態が安定し、再現性の良い摩擦駆動が得られるという効果を奏する。尚、この断面V字状の溝24aの角度は、30度から180度未満の範囲であることが望ましい。
また、移動部材24と可撓性の挟み込み部242をバネ25で棒状の振動部材22に押し付けている。これにより、移動部材24の断面V字状の溝24aと可撓性の挟み込み部242とを、振動部材22に押し付けることで、安定した線接触を可能としている。尚、バネ25による押付力は5〜100gfの範囲にあることが望ましい。
このように、本実施の形態では、移動部材24が可撓性の挟み込み部242を持っている。すなわち、移動部材24は、可撓性の挟み込み部242の一端が移動部材24と連結部分244で繋がった一体構造となっている。この連結部分244は、弾性変形により、可撓性の挟み込み部242を押し付け方向に変形し易い形状となっている。
このため、本実施の形態に係る駆動装置20は、従来の駆動装置で必要であった別体のパッドが不要である。それにより、組み立ての簡素化を図ることができ、部品点数を削減でき、コストを削減することができる。
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。例えば、上記実施の形態では、付勢部材としてバネを用いているが、バネ以外の付勢部材を用いてもよいのは勿論である。
本発明の第1の実施の形態による駆動装置を示す図で、(A)は駆動装置の平面図、(B)は駆動装置の正面図である。 積層圧電素子に供給される電流と積層圧電素子に発生する変位を説明するための波形図である。 図1に示した駆動装置の変形例を示す図で、(A)は駆動装置の平面図、(B)は駆動装置の正面図である。 本発明の第2の実施の形態による駆動装置を示す図で、(A)は駆動装置の平面図、(B)は駆動装置の正面図である。
符号の説明
10、10A 駆動装置
11 静止部材(錘)
12 棒状の移動部(移動部材)
13 積層圧電素子(電気機械変換素子)
13a 第1の端部(下端部)
13b 第2の端部(上端部)
14 振動部材
14a 断面V字状の溝
14b 係止溝
142 可撓性の挟み込み部
144 連結部分
15、15A バネ(付勢部材)
20 駆動装置
21 静止部材(錘)
22 棒状の振動部材
23 積層圧電素子(電気機械変換素子)
23a 第1の端部(下端部)
23b 第2の端部(上端部)
24 移動部材
24a 断面V字状の溝
24b 係止溝
242 可撓性の挟み込み部
244 連結部分
25 バネ(付勢部材)

Claims (7)

  1. 伸縮方向で互いに対向する一対の端部を持つ電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の前記一対の端部の一方に取り付けられた振動部材と、該振動部材と摩擦結合される移動部材とを備え、前記電気機械変換素子の伸縮方向に前記移動部材が移動可能な駆動装置において、
    前記振動部材と前記移動部材の一方は、弾性によって前記振動部材と前記移動部材の他方を挟み込む可撓性の挟み込み部を持ち、
    該可撓性の挟み込み部を前記振動部材と前記移動部材の他方に付勢して、前記振動部材と前記移動部材との間に摩擦力を付加する付勢部材を有する、ことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記移動部材は棒状をしており、前記可撓性の挟み込み部は、前記振動部材に設けられて、前記移動部材を挟み込んでいる、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記付勢部材は、前記振動部材と前記可撓性の挟み込み部とに係合して、前記可撓性の挟み込み部を前記移動部材に押し付けるための押付力を発生するバネから構成される、請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記振動部材は、当該振動部材と前記移動部材との間の摩擦結合部に断面V字状の溝を持つことを特徴とする、請求項2又は3に記載の駆動装置。
  5. 前記振動部材は棒状をしており、前記可撓性の挟み込み部は、前記移動部材に設けられて、前記振動部材を挟み込んでいる、請求項1に記載の駆動装置。
  6. 前記付勢部材は、前記移動部材と前記可撓性の挟み込み部とに係合して、前記可撓性の挟み込み部を前記振動部材に押し付けるための押付力を発生するバネから構成される、請求項5に記載の駆動装置。
  7. 前記移動部材は、当該移動部材と前記振動部材との間の摩擦結合部に断面V字状の溝を持つことを特徴とする、請求項5又は6に記載の駆動装置。
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