JP2009047607A - 時計用文字板および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】光(可視光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること、特に、太陽電池の発電効率に優れるとともに、安定的に優れた美的外観を発揮することができる時計を提供すること。
【解決手段】本発明の時計用文字板1は、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層22と、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層23と、主としてポリカーボネートで構成された第1の基板21と、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成された、光透過性を有する塗膜24と、主としてポリカーボネートで構成された第2の基板26と、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層27と、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層28とを有しており、これらが、外表面側からこの順に配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時計用文字板および時計に関する。
時計用文字板には、実用品としての優れた視認性とともに、装飾品としての優れた美的外観が要求される。従来、このような目的を達成するために、一般に、時計用文字板の構成材料として、Au、Ag等の金属材料を用いてきた。
また、一方で、生産コストの低減や、時計用文字板の成形の自由度を向上させる等の目的で、基材としてプラスチックを用い、その表面に、金属材料で構成された被膜を形成する試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、プラスチックは、一般に、金属材料との密着性に劣っている。このため、基材と被膜との間での剥離が生じ易く、時計用文字板の耐久性に劣るという問題点があった。
また、例えば、太陽電池を備えたソーラー時計では、時計用文字板に光(可視光)の透過性が求められる。このため、このような時計用文字板としては、プラスチック製のものが用いられてきたが、プラスチックは高級感に欠けるため、時計用文字板の美的外観を向上させる目的で、金属材料で構成された薄膜で被覆する試みがある。しかしながら、上記のように、プラスチックは金属材料との密着性に劣るという問題点があった。また、光の透過性を高めるためには、薄膜の厚さを十分に薄くする必要があるが、このような場合、時計用文字板全体としての美的外観が低下するという問題点があった。
特開2003−239083号公報(第4頁左欄第37〜42行目)
本発明の目的は、光(可視光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること、特に、太陽電池の発電効率に優れるとともに、安定的に優れた美的外観を発揮することができる時計を提供することにある。
このような目的は下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板は、太陽電池を備えたソーラー時計に用いられる時計用文字板であって、
主としてポリカーボネートで構成された第1の基板と、
前記第1の基板の一方の主面である第1の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層と、
前記第1の基板と前記第1の亜鉛硫化物層との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層と、
前記第1の基板の第1の面とは反対側の主面である第2の面側に設けられ、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成された、光透過性を有する塗膜と、
前記塗膜の前記第1の基板に対向する面とは反対の面側に設けられ、主としてポリカーボネートで構成された第2の基板と、
前記第2の基板の前記塗膜に対向する主面である第1の主面とは反対側の主面である第2の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層と、
前記第2の基板と前記第2の亜鉛硫化物層との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層とを有することを特徴とする。
これにより、光(可視光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1のケイ素酸化物層および前記第2のケイ素酸化物層は、いずれも、主としてSiOで構成されたものであることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観および耐久性をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1のケイ素酸化物層および前記第2のケイ素酸化物層の厚さは、いずれも、10〜150nmであることが好ましい。
これにより、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の亜鉛硫化物層および前記第2の亜鉛硫化物層の厚さは、いずれも、5〜75nmであることが好ましい。
これにより、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1のケイ素酸化物層の厚さをT22[nm]、前記第2のケイ素酸化物層の厚さをT27[nm]としたとき、−40≦T27−T22≦40の関係を満足することが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。また、環境温度の変化による、時計用文字板の反り等をより確実に防止することができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の亜鉛硫化物層の厚さをT23[nm]、前記第2の亜鉛硫化物層の厚さをT28[nm]としたとき、−20≦T28−T23≦20の関係を満足することが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。また、環境温度の変化による、時計用文字板の反り等をより確実に防止することができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1のケイ素酸化物層の厚さをT22[nm]、前記第1の亜鉛硫化物層の厚さをT23[nm]、前記第2のケイ素酸化物層の厚さをT27[nm]、前記第2の亜鉛硫化物層の厚さをT28[nm]としたとき、−15≦(T27+T28)−(T22+T23)≦15の関係を満足することが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。また、環境温度の変化による、時計用文字板の反り等をより確実に防止することができる。
本発明の時計用文字板では、前記塗膜は、平均粒径が1〜30μmのマイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の亜鉛硫化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−8〜8であり、かつ、bが−8〜8であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観は、特に優れたものとなる。
本発明の時計は、太陽電池と、前記太陽電池よりも外表面側に配置されたカバーガラスとを備えた時計であって、
前記太陽電池と前記カバーガラスとの間に、本発明の時計用文字板を備えていることを特徴とする。
これにより、太陽電池の発電効率に優れるとともに、安定的に優れた美的外観を発揮することができる時計を提供することができる。
本発明によれば、光(可視光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること、特に、太陽電池の発電効率に優れるとともに、安定的に優れた美的外観を発揮することができる時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板>
図1は、本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の時計用文字板1は、文字板本体2と、指標部材3とを有している。そして、文字板本体2は、主としてポリカーボネートで構成された第1の基板(第1の基材)21と、第1の基板21の一方の主面である第1の面211に接触するように設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層22と、第1のケイ素酸化物層22の第1の基板21に接触する面とは反対側の表面に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層23と、第1の基板21の他方の主面である第2の面212に接触するように設けられ、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成された、光透過性を有する塗膜24と、塗膜24の第1の基板21に接触する面とは反対側の表面に設けられ、粘着性を有する材料で構成された粘着剤層25と、粘着剤層25の塗膜24に接触する面とは反対側の表面に設けられ、主としてポリカーボネートで構成された第2の基板(第2の基材)26と、第2の基板26の粘着剤層25に接触する側の主面である第1の面261とは反対側の主面である第2の面262に接触するようにして設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層27と、第2のケイ素酸化物層27の第2の基板26に接触する面とは反対側の表面に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層28とを有している。すなわち、時計用文字板1は、主としてポリカーボネートで構成された第1の基板21と、第1の基板21の一方の主面である第1の面211側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層23と、第1の基板21と第1の亜鉛硫化物層23との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層22と、第1の基板21の第1の面211とは反対側の主面である第2の面212側に設けられ、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成された、光透過性を有する塗膜24と、塗膜24の第1の基板21に対向する面とは反対の面側に設けられ、主としてポリカーボネートで構成された第2の基板26と、第2の基板26の塗膜24に対向する主面である第1の面261とは反対側の主面である第2の面262側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層28と、第2の基板26と第2の亜鉛硫化物層28との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層27とを有している。なお、本発明では、「主として」とは、対象としている部位を構成する材料のうち最も含有量の多い成分を指し、その含有量は特に限定されないが、対象としている部位を構成する材料の60wt%以上であることが好ましく、80wt%以上であることがより好ましく、90wt%以上であることがさらに好ましい。また、本発明において、「光透過性を有する」とは、可視光領域(380〜780nmの波長領域)の光の少なくとも一部を透過する性質を有することを指し、好ましくは可視光領域の光の透過率が20%以上であり、より好ましくは可視光領域の光の透過率が25%以上である。このような光の透過率は、例えば、光源として、白色蛍光灯(日立ライティング(株)社製、FL15N−B(ハイホワイト))を用いて測定した値を採用することができる。
指標部材3については、後に詳述するが、指標部材3は、指標として機能する指標部31と、文字板本体2の開口部29に挿入される足部32とを有している。そして、時計用文字板1は、通常、指標部材3の指標部31が外表面側(観察者側)を向くようにして用いられるものである。図示の構成の時計用文字板1は、第1の基板21の第1の面211側、すなわち、第1のケイ素酸化物層22、第1の亜鉛硫化物層23が設けられた面側が、外表面側(図中、上側)を向くようにして用いられるものである。
上記のように、時計用文字板1(文字板本体2)は、第1の基板21と、第1のケイ素酸化物層22と、第1の亜鉛硫化物層23と、塗膜24と、粘着剤層25と、第2の基板26と、第2のケイ素酸化物層27と、第2の亜鉛硫化物層28とを有しているが、第1の基板21、第2の基板26を構成するポリカーボネート、第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27を構成するケイ素酸化物、第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28を構成する亜鉛硫化物、塗膜24、粘着剤層25は、いずれも、光(可視光)の透過性に優れている。このため、時計用文字板1全体としても、光(可視光)の透過性に優れている。また、第1の亜鉛硫化物層23、第1のケイ素酸化物層22、第1の基板21、塗膜24、第2の基板26、第2のケイ素酸化物層27、および、第2の亜鉛硫化物層28が、この順に配置されていると、光(可視光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。
以下、時計用文字板1のうち、文字板本体2を構成する各部位について説明する。
[第1の基板]
第1の基板21は、主としてポリカーボネート(PC)で構成されたものである。本発明では、基板(第1の基板21)に必要とされる要件の一つとして、光の透過性が挙げられる。ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも、特に透明性が高く、かつ優れた光の透過性を有しているため、第1の基板21の光の透過性を特に優れたものにすることができる(後述する第2の基板26についても同様)。さらに、ポリカーボネートで構成された第1の基板21と後述する第1のケイ素酸化物層22との屈折率の違いにより、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との界面において、入射光を好適に反射、屈折させる(後述する第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との界面についても同様)。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは、光や熱などの外部ストレスによって変形しにくい特性を持っている。このため、ポリカーボネートで構成された第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との密着性を特に優れたものとすることができ(後述する第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との密着性についても同様)、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、第1の基板21がポリカーボネートを含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1全体としての強度を特に優れたものとすることができる(後述する第2の基板26についても同様)。また、時計用文字板1の製造時においては、第1の基板21の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の時計用文字板1であっても、容易かつ確実に製造することができる(後述する第2の基板26についても同様)。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストの低減に寄与することができる。また、ポリカーボネートは、電波の透過性にも優れているため、時計用文字板1を電波時計用の文字板にも、好適に適用することができる。
なお、第1の基板21は、上記ポリカーボネート以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。例えば、第1の基板21が着色剤を含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1の色のバリエーションを広げることができる。
主としてポリカーボネートで構成された第1の基板21の屈折率は、特に限定されないが、1.55〜1.60であるのが好ましく、1.58〜1.59であるのがより好ましい。これにより、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができる。結果として、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、「屈折率」とは、特に断りのない限り、室温(20℃)における絶対屈折率のことを指す。
また、第1の基板21の形状、大きさは、特に限定されず、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定されるが、通常は、板状をなすものである。なお、図示の構成では、第1の基板21は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
第1の基板21の厚さは、特に限定されないが、50〜400μmであるのが好ましく、70〜370μmであるのがより好ましく、100〜350μmであるのがさらに好ましい。第1の基板21の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。また、一般的に第1の基板21の厚さが増すほど、時計用文字板1としての光の透過性、美的外観は劣っていく。しかし、ポリカーボネートは、屈折率が低いため、第1の基板21の厚さが前記範囲内であれば、第1の基板21の厚さによる光の透過性、美的外観の違いが生じることはなく、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、光の透過性を特に優れたものとすることができる。
また、第1の基板21は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、第1の基板21の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。
[第1のケイ素酸化物層]
第1の基板21の第1の面211には、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層22が設けられている。
ケイ素酸化物は、各種金属酸化物の中でも、優れた光の透過性を有しているため、第1のケイ素酸化物層22を用いた時計用文字板1の光の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第1のケイ素酸化物層22の屈折率は、ポリカーボネートを含む材料で構成された第1の基板21よりも低く、第1のケイ素酸化物層22とポリカーボネートで構成された第1の基板21との屈折率の違いにより、第1のケイ素酸化物層22と第1の基板21との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。同様に、第1のケイ素酸化物層22の屈折率は、後に詳述する第1の亜鉛硫化物層23よりも低く、第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物は、ポリカーボネート、および亜鉛硫化物との親和性が高く、また、光や熱などの外部ストレスによって、変形しにくい特性を持つため、第1のケイ素酸化物層22は、ポリカーボネートで構成された第1の基板21と第1の亜鉛硫化物層23との密着性に優れている(後述する第2のケイ素酸化物層27の、第2の基板26および第2の亜鉛硫化物層28に対する密着性についても同様)。その結果、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物は、ポリカーボネートとの親和性に優れているが、その一方で、後に詳述する亜鉛硫化物はポリカーボネートとの親和性が低い。そのため、時計用文字板1では、第1の基板21と、後に詳述する第1の亜鉛硫化物層23との間に、第1のケイ素酸化物層22を備えた構成を有することによって(第2の基板26と第2の亜鉛硫化物層28との間に、後述する第2のケイ素酸化物層27を備えることについても同様)、基板表面に亜鉛硫化物の層が被覆された時計用文字板に比べ、優れた耐久性を有する。さらに、第1のケイ素酸化物層22が厚いものであっても、第1のケイ素酸化物層22のクラック、および第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との界面での剥離不良が生じにくく、光の透過性に優れながらも、時計用文字板1の美的外観、耐久性を優れたものとすることができる(第2のケイ素酸化物層27についても同様)。また、ケイ素酸化物は、電波の透過性にも優れているため、時計用文字板1を電波時計用の文字板にも、好適に適用することができる。
第1のケイ素酸化物層22の屈折率は、特に限定されないが、1.20〜1.60であるのが好ましく、1.40〜1.50であるのがより好ましい。これにより、第1のケイ素酸化物層22の第1の基板21と第1の亜鉛硫化物層23との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第1のケイ素酸化物層22の屈折率をn22、ポリカーボネートで構成された第1の基板21の屈折率をn21としたとき、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との屈折率の差であるn21−n22の値は、0.05〜0.30であるのが好ましく、0.07〜0.20であるのがより好ましい。これにより、第1のケイ素酸化物層22と第1の基板21との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第1のケイ素酸化物層22を構成するケイ素酸化物としては、SiO、SiO等が挙げられるが、その中でも、主としてSiOが好ましい。これにより、光の透過性をより優れたものとしつつ、第1のケイ素酸化物層22の第1の基板21と第1の亜鉛硫化物層23との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第1のケイ素酸化物層22の厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであるのが好ましく、25〜120nmであるのがより好ましく、35〜110nmであるのがさらに好ましい。第1のケイ素酸化物層22の厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、第1のケイ素酸化物層22の厚さが前記下限値未満であると、第1の亜鉛硫化物層23の厚さ、第2のケイ素酸化物層27の厚さ、第2の亜鉛硫化物層28の厚さ等によっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、第1のケイ素酸化物層22の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の光の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、第1のケイ素酸化物層22の厚さが前記上限値を超えると、第1のケイ素酸化物層22と第1の基板21との収縮率の違いにより、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによる第1のケイ素酸化物層22でのクラックや、第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23との界面で剥離不良が発生するなどの外観不良が生じる可能性がある。
[第1の亜鉛硫化物層]
第1のケイ素酸化物層22の第1の基板21に接触する面とは反対側の表面には、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層23が設けられている。
第1の亜鉛硫化物層23を構成する亜鉛硫化物は、ZnとSとの化合物である。この亜鉛硫化物は、一般に、無色透明な材料であり、優れた光の透過性を有しているため、第1の亜鉛硫化物層23を用いた時計用文字板1の光の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第1の亜鉛硫化物層23の屈折率は、第1のケイ素酸化物層22よりも高く、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との屈折率の違いにより、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。また、亜鉛硫化物は、ケイ素酸化物との親和性が高く、また、光や熱などの外部ストレスによって、変形しにくい特性を持つため、第1の亜鉛硫化物層23は、第1のケイ素酸化物層22との密着性に優れている(後述する第2の亜鉛硫化物層28の第2のケイ素酸化物層27に対する密着性についても同様)。その結果、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。また、亜鉛硫化物は、電波の透過性にも優れているため、時計用文字板1を電波時計用の文字板にも、好適に適用することができる。
第1の亜鉛硫化物層23の屈折率は、特に限定されないが、2.20〜2.60であるのが好ましく、2.30〜2.35であるのがより好ましい。これにより、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第1の亜鉛硫化物層23の屈折率をn23としたとき、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との屈折率の差であるn23−n22の値は、0.60〜1.40であるのが好ましく、0.80〜1.20であるのがより好ましい。これにより、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との屈折率の差であるn21−n22の値、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との屈折率の差であるn23−n22の値、ともに前記の条件を満たし、かつ、第1の亜鉛硫化物層23と第1の基板21との屈折率の差であるn23−n21の値は、0.5〜1.4であるのが好ましく、0.6〜1.2であるのがより好ましい。これにより、第1の基板21、第1のケイ素酸化物層22、および第1の亜鉛硫化物層23の各々隣接する層の界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第1の亜鉛硫化物層23の厚さは、特に限定されないが、5〜75nmであるのが好ましく、7〜60nmであるのがより好ましく、10〜40nmであるのがさらに好ましい。第1の亜鉛硫化物層23の厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、第1の亜鉛硫化物層23の厚さが前記下限値未満であると、第1のケイ素酸化物層22の厚さ、第2のケイ素酸化物層27の厚さ、第2の亜鉛硫化物層28の厚さ等によっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、第1の亜鉛硫化物層23の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の光の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、第1の亜鉛硫化物層23の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによる第1の亜鉛硫化物層23でのクラックや、第1の亜鉛硫化物層23と第1のケイ素酸化物層22との界面で剥離不良が発生するなどの外観不良が生じる可能性がある。
第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23との合計の厚さは、特に限定されないが、20〜200nmであるのが好ましく、30〜160nmであるのがより好ましく、40〜120nmであるのがさらに好ましい。第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23とを併せた厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
[第2の基板]
第1の基板21の第2の面212側には、後に詳述する塗膜24、粘着剤層25を介して、主としてポリカーボネート(PC)で構成された第2の基板26が設けられている。ポリカーボネートについては、上記[第1の基板]で詳細に説明したので、ここでの説明は省略する。
なお、第2の基板26は、ポリカーボネート以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。例えば、第2の基板26が着色剤を含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1の色のバリエーションを広げることができる。
主としてポリカーボネートで構成された第2の基板26の屈折率は、特に限定されないが、1.55〜1.60であるのが好ましく、1.58〜1.59であるのがより好ましい。これにより、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができる。結果として、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
第2の基板26を構成するポリカーボネートは、上述した第1の基板21を構成するポリカーボネートと同一の組成、特性を有するものであってもよいし、異なるものであってもよいが、第1の基板21を構成するポリカーボネートと同一の組成、特性を有するものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。
また、第2の基板26の形状、大きさは、特に限定されず、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定されるが、通常は、板状をなすものである。なお、図示の構成では、第2の基板26は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
第2の基板26の厚さは、特に限定されないが、50〜400μmであるのが好ましく、70〜370μmであるのがより好ましく、100〜350μmであるのがさらに好ましい。第2の基板26の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。また、一般的に第2の基板26の厚さが増すほど、時計用文字板1としての光の透過性、美的外観は劣っていく。しかし、ポリカーボネートは、屈折率が低いため、第2の基板26の厚さが前記範囲内であれば、第2の基板26の厚さによる光の透過性、美的外観の違いが生じることはなく、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、光の透過性を特に優れたものとすることができる。
また、第1の基板21の厚さをT21[μm]、第2の基板26の厚さをT26[μm]としたとき、−200≦T26−T21≦200の関係を満足するのが好ましく、−100≦T26−T21≦100の関係を満足するのがより好ましく、−70≦T26−T21≦70の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。
また、第2の基板26は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、第2の基板26の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。
[第2のケイ素酸化物層]
第2の基板26の第2の面262には、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層27が設けられている。なお、ケイ素酸化物については、上記[第1のケイ素酸化物層]で詳細に説明したので、ここでの説明は省略する。
第2のケイ素酸化物層27の屈折率は、ポリカーボネートを含む材料で構成された第2の基板26よりも低く、第2のケイ素酸化物層27とポリカーボネートで構成された第2の基板26との屈折率の違いにより、第2のケイ素酸化物層27と第2の基板26との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。同様に、第2のケイ素酸化物層27の屈折率は、後に詳述する第2の亜鉛硫化物層28よりも低く、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。特に、時計用文字板1の外表面側(観察者側、図中上側)からの光は、第1の亜鉛硫化物層23、第1のケイ素酸化物層22、および、第1の基板21に進入する際に、適度な反射、屈折を伴いつつ、第2の基板26から第2のケイ素酸化物層27に向けて進入し、さらに、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との界面、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面において入射光が好適に反射、屈折するため、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第2のケイ素酸化物層27の屈折率は、特に限定されないが、1.20〜1.60であるのが好ましく、1.40〜1.50であるのがより好ましい。これにより、第2のケイ素酸化物層27の第2の基板26と第2の亜鉛硫化物層28との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第2のケイ素酸化物層27の屈折率をn27、ポリカーボネートで構成された第1の基板21の屈折率をn26としたとき、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との屈折率の差であるn26−n27の値は、0.05〜0.30であるのが好ましく、0.07〜0.20であるのがより好ましい。これにより、第2のケイ素酸化物層27と第2の基板26との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第2のケイ素酸化物層27を構成するケイ素酸化物は、上述した第1のケイ素酸化物層22を構成するケイ素酸化物と同一の組成、特性を有するものであってもよいし、異なるものであってもよいが、第1のケイ素酸化物層22を構成するケイ素酸化物と同一の組成、特性を有するものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。また、第1のケイ素酸化物層22を構成するケイ素酸化物と、第2のケイ素酸化物層27を構成するケイ素酸化物とが、実質的に同一の組成、特性を有するものであると、後述するような方法により、時計用文字板1を好適に製造することができる。
第2のケイ素酸化物層27の厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであるのが好ましく、25〜120nmであるのがより好ましく、35〜110nmであるのがさらに好ましい。第2のケイ素酸化物層27の厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、第2のケイ素酸化物層27の厚さが前記下限値未満であると、第2の亜鉛硫化物層28の厚さ等によっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、第2のケイ素酸化物層27の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の光の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、第2のケイ素酸化物層27の厚さが前記上限値を超えると、第2のケイ素酸化物層27と第2の基板26との収縮率の違いにより、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによる第2のケイ素酸化物層27でのクラックや、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面で剥離不良が発生するなどの外観不良が生じる可能性がある。
また、第1のケイ素酸化物層22の厚さをT22[nm]、第2のケイ素酸化物層27の厚さをT27[nm]としたとき、−40≦T27−T22≦40の関係を満足するのが好ましく、−30≦T27−T22≦−30の関係を満足するのがより好ましく、−20≦T27−T22≦−20の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。これに対し、T27−T22の値が前記下限値未満であると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。一方、T27−T22の値が前記上限値を超えると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。
[第2の亜鉛硫化物層]
第2のケイ素酸化物層27の第2の基板26に接触する面とは反対側の表面には、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層28が設けられている。なお、亜鉛硫化物については、上記[第1の亜鉛硫化物層]で詳細に説明したので、ここでの説明は省略する。
第2の亜鉛硫化物層28の屈折率は、第2のケイ素酸化物層27よりも高く、第2の亜鉛硫化物層28と第2のケイ素酸化物層27との屈折率の違いにより、第2の亜鉛硫化物層28と第2のケイ素酸化物層27との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。特に、時計用文字板1の外表面側(観察者側、図中上側)からの光は、第1の亜鉛硫化物層23、第1のケイ素酸化物層22、第1の基板21、および、第2のケイ素酸化物層27に進入する際に、適度な反射、屈折を伴いつつ、第2のケイ素酸化物層27から第2の亜鉛硫化物層28に向けて進入し、さらに、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面、第2の亜鉛硫化物層28と雰囲気(時計用文字板1の置かれた雰囲気)との界面において入射光が好適に反射、屈折するため、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第2の亜鉛硫化物層28の屈折率は、特に限定されないが、2.20〜2.60であるのが好ましく、2.30〜2.35であるのがより好ましい。これにより、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面、第2の亜鉛硫化物層28と雰囲気との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第2の亜鉛硫化物層28の屈折率をn28としたとき、第2の亜鉛硫化物層28と第2のケイ素酸化物層27との屈折率の差であるn28−n27の値は、0.60〜1.40であるのが好ましく、0.80〜1.20であるのがより好ましい。これにより、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との屈折率の差であるn26−n27の値、第2の亜鉛硫化物層28と第2のケイ素酸化物層27との屈折率の差であるn28−n27の値、ともに前記の条件を満たし、かつ、第2の亜鉛硫化物層28と第2の基板26との屈折率の差であるn28−n26の値は、0.5〜1.4であるのが好ましく、0.6〜1.2であるのがより好ましい。これにより、第2の基板26、第2のケイ素酸化物層27、および第2の亜鉛硫化物層28の各々隣接する層の界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
第2の亜鉛硫化物層28を構成するケイ素酸化物は、上述した第1の亜鉛硫化物層23を構成する亜鉛硫化物層と同一の組成、特性を有するものであってもよいし、異なるものであってもよいが、第1の亜鉛硫化物層23を構成する亜鉛硫化物と同一の組成、特性を有するものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。また、第1の亜鉛硫化物層23を構成する亜鉛硫化物と、第2の亜鉛硫化物層28を構成する亜鉛硫化物とが、実質的に同一の組成、特性を有するものであると、後述するような方法により、時計用文字板1を好適に製造することができる。
第2の亜鉛硫化物層28の厚さは、特に限定されないが、5〜75nmであるのが好ましく、7〜60nmであるのがより好ましく、10〜40nmであるのがさらに好ましい。第2の亜鉛硫化物層28の厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、第2の亜鉛硫化物層28の厚さが前記下限値未満であると、第2のケイ素酸化物層27の厚さ等によっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、第2の亜鉛硫化物層28の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の光の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、第2の亜鉛硫化物層28の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによる第2の亜鉛硫化物層28でのクラックや、第2の亜鉛硫化物層28と第2のケイ素酸化物層27との界面で剥離不良が発生するなどの外観不良が生じる可能性がある。
第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との合計の厚さは、特に限定されないが、20〜200nmであるのが好ましく、30〜160nmであるのがより好ましく、40〜120nmであるのがさらに好ましい。第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28とを併せた厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
また、第1の亜鉛硫化物層23の厚さをT23[nm]、第2の亜鉛硫化物層28の厚さをT28[nm]としたとき、−20≦T28−T23≦20の関係を満足するのが好ましく、−15≦T28−T23≦15の関係を満足するのがより好ましく、−10≦T28−T23≦10の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。これに対し、T28−T23の値が前記下限値未満であると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。一方、T28−T23の値が前記上限値を超えると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。
また、第1のケイ素酸化物層22の厚さをT22[nm]、第1の亜鉛硫化物層23の厚さをT23[nm]、第2のケイ素酸化物層27の厚さをT27[nm]、第2の亜鉛硫化物層28の厚さをT28[nm]としたとき、−15≦(T27+T28)−(T22+T23)≦15の関係を満足するのが好ましく、−10≦(T27+T28)−(T22+T23)≦10の関係を満足するのがより好ましく、−7≦(T27+T28)−(T22+T23)≦7の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、時計用文字板1の美的外観、耐久性等を特に優れたものとすることができる。これに対し、(T27+T28)−(T22+T23)の値が前記下限値未満であると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。一方、(T27+T28)−(T22+T23)の値が前記上限値を超えると、第1の基板21、第2の基板26の厚さ等によっては、時計用文字板1の耐熱性が低下し、環境温度の変化による反り等を生じやすくなるとともに、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。
[塗膜]
第1の基板21と第2の基板26との間には、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成され、光透過性を有する塗膜24が設けられている。
このような部位に、塗膜24を有することにより、時計用文字板1の外表面側(図中上側)から、第1の亜鉛硫化物層23、第1のケイ素酸化物層22、第1の基板21の透過してきた光を、所定の割合で、第2の基板26が設けられた側(図中下側)に導きつつ、塗膜24によって、所定の色に着色したり、効率よく拡散した光を、再び、時計用文字板1の外表面側(図中上側)に導くことができる。これにより、時計用文字板1としての光の透過率を十分に優れたものとしつつ、美的外観を非常に優れたものとすることができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、塗膜24によって着色、拡散された光は、その一部が、図中の上側(観察者側)に向かって進行するとともに、他の一部が、図中の下側(観察者側とは反対側)に向かって進行する。そして、図中の上側に向かって進行した光が、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との界面、第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23との界面、第1の亜鉛硫化物層23と雰囲気(通常は、空気)との界面で、反射、屈折するとともに、図中の下側に向かって進行した光が、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との界面、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28との界面、第2の亜鉛硫化物層28と雰囲気(通常は、空気)との界面等で、反射、屈折し、これらの光(塗膜24の両面側で反射、屈折した光)が、重なり合って、時計用文字板1の外表面(観察者側の表面)から出射する。その結果、ぎらつき感が抑えられ、柔らか味のある光沢感にあふれ、高級感のある美的外観が得られる。これに対し、塗膜が、上記以外の部位に設けられた場合には、上述したような優れた効果は得られない。すなわち、塗膜が第1の基板よりも、外表面側(観察者側)に設けられていると、時計用文字板の外観は、ぎらつき感の強いものとなり、審美性に劣ったものとなる。特に、第1の基板と第1のケイ素酸化物層との間や、第1のケイ素酸化物層と第1の亜鉛硫化物層との間に塗膜が設けられていると、ぎらつき感が強くなるとともに、前述したような各層の屈折率の違いによる好適な光の屈折、反射が起こらなくなり、時計用文字板の外観は、非常に劣ったものとなる。また、塗膜が第2の基板よりも、下面側(観察者とは反対側)に設けられている場合にも、十分に優れた美的外観が得られない。例えば、塗膜が、第2の亜鉛硫化物層よりも下面側(観察者とは反対側)に設けられている場合は、上記のような塗膜を設けることによる効果、すなわち、観察者側に反射される光の着色、拡散の効果が十分に発揮されず、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとすることができない。また、塗膜が、第2の基板と第2のケイ素酸化物層との間や、第2のケイ素酸化物層と第2の亜鉛硫化物層との間に塗膜が設けられていると、前述したような各層の屈折率の違いによる好適な光の屈折、反射が起こらなくなり、時計用文字板の外観は、非常に劣ったものとなる。
塗膜24は、第1の基板21と第2の基板26との間(第1の基板21の第2の面212側であり、かつ、第2の基板26の第1の面261側)に設けられたものであればよいが、図示の構成では、塗膜24は、粘着剤層よりも第1の基板21(観察者側)に配置されている。すなわち、塗膜24は、第1の基板21に接触するようにして設けられている。これにより、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
塗膜24は、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成され、光透過性を有するものであれば、いかなるものであってもよいが、アクリル系樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基板(第1の基板21)や粘着剤層25との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
塗膜24を構成する着色剤としては、例えば、各種顔料、各種染料を用いることができる。中でも、顔料は、染料に比べて耐光性等に優れているため、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、顔料は、一般に、不溶性で、塗膜中においても、微粒子状で存在している。このため、顔料粒子の表面付近において、光を効果的に反射、散乱させることができ、時計用文字板1の美的外観を、さらに優れたものとすることができる。
塗膜24を構成する拡散剤としては、例えば、粒状(粉末状)、鱗片状、針状等、いかなる形状のものであってもよく、また、不定形のものであってもよい。
また、拡散剤の構成材料として、例えば、シリカ、ガラス、樹脂等が挙げられる。
上記のように、塗膜24は、いかなる着色剤および/またはいかなる拡散剤を含むものであってもよいが、拡散剤として、マイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末を含むものであるのが好ましい。これにより、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
塗膜24が、マイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末(以下、単に「粉末」とも言う)を含むものである場合、当該粉末の平均粒径は、1〜30μmであるのが好ましく、5〜28μmであるのがより好ましく、10〜26μmであるのがさらに好ましい。粉末の平均粒径が前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
塗膜24が、前記粉末を含む材料で構成されたものである場合、塗膜24中における粉末の含有率は、特に限定されないが、5〜60wt%であるのが好ましく、10〜50wt%であるのがより好ましい。塗膜24中における粉末の含有率が前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
また、塗膜24は、組成の異なる複数の領域を有するものであってもよい。例えば、塗膜24は、その厚さ方向に、組成の異なる複数の層を有する積層体であってもよいし、その厚さ方向に沿って、組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
塗膜24の厚さに限定されないが、2〜50μmであるのが好ましく、6〜35μmであるのがより好ましく、12〜30μmであるのがさらに好ましい。塗膜24の厚さが前記範囲内の値であると、光の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
[粘着剤層]
塗膜24と第2の基板26との間には、粘着性を有する材料で構成された、光透過性を有する粘着剤層が設けられている。
このような粘着剤層25が、第1の基板21と第2の基板26との間に設けられることにとより、以下のような効果が得られる。すなわち、第1の基板21および第2の基板26は、通常、時計用文字板1(文字板本体2)を構成する各部位の中でも、膜厚が大きいものである。したがって、温度変化による伸縮(膨張、収縮)が生じた場合には、第1の基板21と第2の基板26との間に大きなストレスが溜まり易いが、第1の基板21と第2の基板26との間に粘着剤層25が設けられることにより、このようなストレスを緩和することができ、時計用文字板1全体としての反りや、第1の基板21と第2の基板26との間での剥離等を確実に防止することができる。したがって、時計用文字板としての信頼性を、特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板の製造時においては、塗膜24が設けられた第1の基板21と、第2の基板26とを、粘着剤(粘着剤層25形成用の組成物)を用いて、貼着することにより、容易かつ確実に、所望の時計用文字板1を製造することができる。なお、時計用文字板1の製造方法については、後に詳述する。
粘着剤層25を構成する材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の各種粘着剤が挙げられる。
粘着剤層25の厚さは、特に限定されないが、30〜300μmであるのが好ましく、50〜200μmであるのがより好ましい。粘着剤層25の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
上記のような第1の基板21、第1のケイ素酸化物層22、第1の亜鉛硫化物層23と、塗膜24と、粘着剤層25と、第2の基板26、第2のケイ素酸化物層27、第2の亜鉛硫化物層28とを備えた文字板本体2は、その厚さ方向に貫通する開口部29を有している。開口部29には、後述する指標部材3の足部32が挿入、固定される。
次に、時計用文字板1を構成する指標部材3について説明する。
[指標部材]
時計用文字板1は、指標部材3を備えている。このような指標部材3としては、例えば、時刻を示す等の機能を有する文字・数字(いわゆる時字等)、目盛、記号や、各種マーク等が挙げられる。指標部材3は、指標として機能する指標部31が、時計用文字板1の外表面側(第1の基板21の第1の面211側、図中上側)に、配置するように設けられている。上述したように、時計用文字板1(文字板本体2)においては、第1の亜鉛硫化物層23、第1のケイ素酸化物層22、第1の基板21、塗膜24、第2の基板26、第2のケイ素酸化物層27、および、第2の亜鉛硫化物層28が、この順に配置(積層)されたものであるため、指標部材3(指標部31)の視認性に優れている。これにより、時計用文字板1全体としての美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができるとともに、使用者等に時刻等を容易かつ正確に認識させることができる。すなわち、装飾品としての美的外観と、実用品としての実用性を、高いレベルで両立することができる。
本実施形態においては、指標部材3は、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23と塗膜24と粘着剤層25と第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28とで構成された文字板本体2に、開口部29が設けられており、この開口部29に、指標部材3が有する足部32が挿入、固定されている。このように、指標部材3の足部32が文字板本体2の開口部29に挿入、固定されることにより、文字板本体2に対する指標部材3の固定強度を特に優れたものとすることができ、例えば、落下等による衝撃が加わった場合においても、文字板本体2から指標部材3が脱落してしまうことが、確実に防止される。その結果、時計用文字板1の信頼性は、非常に優れたものとなる。
ところで、従来においては、足部を有する指標部材を文字板本体に固定する場合、特に、透明性の高い材料で構成された文字板本体に、指標部材を固定する場合、指標部材の足部が、使用者等に視認されてしまい、時計用文字板全体としての美的外観が低下するという問題点があった。これに対し、本発明では、時計用文字板(文字板本体)が、第1の亜鉛硫化物層、第1のケイ素酸化物層、第1の基板、塗膜、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、および、第2の亜鉛硫化物層を備えており、これらが、この順に配置されたものであるため、指標部の視認性を十分に優れたものとしつつ、足部は使用者等に視認させにくくすることができる。その結果、時計用文字板の美的外観を、非常に優れたものとすることができる。
指標部材3は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、その表面付近(指標部31の外表面付近)が、各種金属材料や、各種顔料(例えば、カーボンブラック等)を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1全体としての美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。
以上、説明したように、本発明において、時計用文字板は、第1の亜鉛硫化物層、第1のケイ素酸化物層、第1の基板、塗膜、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、および、第2の亜鉛硫化物層を備えており、これらが、この順に配置されたものであることにより、美的外観および耐久性に優れるとともに、光の透過性に優れたものとなる。これに対し、本発明のような構成を有していないと、上述したような優れた効果は得られない。すなわち、第1の亜鉛硫化物層、第1のケイ素酸化物層、第1の基板、塗膜、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、および、第2の亜鉛硫化物層のうち、少なくとも1つの構成が欠如していると、十分に優れた美的外観が得られない。また、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層)を有しておらず、基板(第1の基板、第2の基板)の表面に亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層)が設けられている場合には、時計用文字板の耐久性は、非常に劣ったものとなる。また、時計用文字板の一方の面側のみにケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層が設けられている場合には、優れた美的外観が得られないだけでなく、時計用文字板の耐久性は低いものとなり、環境の変化(例えば、環境温度等の変化)による反り等を生じやすいものとなる。また、ポリカーボネートで構成された基板(第1の基板、第2の基板)に加え、複数のケイ素酸化物層と、複数の亜鉛硫化物層と、塗膜とを備えていたとしても、各構成の配列が上述したようなものでない場合にも、十分に優れた美的外観が得られない。
上記のような時計用文字板1は、第1の亜鉛硫化物層23が設けられている側の面(時計用文字板1についての第1の基板21の第1の面211側)の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−8〜8であり、かつ、bが−8〜8であるのが好ましく、aが−4〜4であり、かつ、bが−4〜4であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、特に優れたものとなる。
また、時計用文字板1は、第1の亜鉛硫化物層23が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lが55以上であるのが好ましく、Lが75〜90であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、白色度が高く、より高級感に優れたものとなる。
また、時計用文字板1の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、上述したように、時計用文字板1は、一方の面側(第1の基板21の第1の面211上)に、第1のケイ素酸化物層22と第1の亜鉛硫化物層23とを有し、さらに、他方の面側(第2の基板26の第2の面262上)に、第2のケイ素酸化物層27と第2の亜鉛硫化物層28とを有しているため、時計用文字板1全体についての、可視光領域(380〜780nmの波長領域)における各波長での反射率のばらつきを十分に小さなものとすることができる。このように、可視光領域における各波長での反射率のばらつきが十分に小さいものであると、白色度が高く、高級感にあふれる優れた美的外観が得られる。言い換えると、可視光領域(380〜780nmの波長領域)において、反射率が最大となる波長での反射率A[%]と、反射率が最小となる波長での反射率B[%]との差A−Bが十分に小さいと、上記のような効果が得られる。このように、A−Bの値は、十分に小さいものであるのが好ましいが、より具体的には、20%未満であるのが好ましく、12%未満であるのがより好ましく、7%未満であるのがさらに好ましい。これにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
上述したように、時計用文字板1は、美的外観に優れるとともに、光の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1は、ソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1は、電波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1は、電波時計(太陽電池を備えたソーラー電波時計を含む)等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
<時計用文字板の製造方法>
次に、上述した時計用文字板1の製造方法について説明する。
図2は、本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態の製造方法は、第1の基板21および第2の基板26を準備する基板準備工程(1a)と、第1の基板21の第1の面211に第1のケイ素酸化物層22を形成するとともに、第2の基板26の第2の面262に第2のケイ素酸化物層27を形成するケイ素酸化物層形成工程(1b)と、第1のケイ素酸化物層22上に、第1の亜鉛硫化物層23を形成するとともに、第2のケイ素酸化物層27上に、第2の亜鉛硫化物層28を形成する亜鉛硫化物層形成工程(1c)と、第1の基板21の第2の面212に、塗膜24を形成する塗膜形成工程(1d)と、粘着剤を含む組成物(粘着剤層形成用組成物)を用いて、塗膜24の表面(第1の基板21に対向する面とは反対側の面)と第2の基板26の第1の面261とが対向するように、第1のケイ素酸化物層22、第1の亜鉛硫化物層23および塗膜24が設けられた第1の基板21と、第2のケイ素酸化物層27および第2の亜鉛硫化物層28が設けられた第2の基板26とを接合し、文字板本体2を得る接合工程(1e)と、文字板本体2の所定の部位に、開口部29を形成する開口部形成工程(1f)と、開口部29が設けられた文字板本体2に、指標部材3を固定する指標部材取付工程(1g)とを有している。
[基板準備工程]
まず、主としてポリカーボネートで構成され、所定の厚さ、形状を有する第1の基板21および第2の基板26を準備する(1a)。
第1の基板21、第2の基板26としては、前述したようなものを用いることができる。
また、第1の基板21、第2の基板26の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる時計用文字板1の表面の光沢具合にバリエーションを持たせることが可能となり、時計用文字板1の美的外観の更なる向上を図ることができる。また、このような表面加工を施した第1の基板21、第2の基板26を用いて製造される時計用文字板1は、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)等に対して、前記表面加工を施すことにより得られるものに比べて、ギラツキ感等が抑制されたものとなり、特に美的外観に優れたものとなる。また、第1の基板21、第2の基板26は、主としてポリカーボネートで構成されたものであるため、上記のような表面加工も比較的容易に行うことができる。また、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)は、通常、比較的薄いものであるため、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)に対して表面加工を施すと、当該表面処理を施した部位のケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)が完全に除去されてしまう可能性があるが、第1の基板21、第2の基板26に対して表面処理を行うことにより、このような問題の発生も効果的に防止することができる。
また、第1の基板21、第2の基板26の表面に対しては、後述する工程に先立ち、各種洗浄処理を施してもよい。これにより、例えば、第1の基板21と第1のケイ素酸化物層22との密着性、第2の基板26と第2のケイ素酸化物層27との密着性を特に優れたものとすることができる。
[ケイ素酸化物層形成工程]
次に、第1の基板21の第1の面211に第1のケイ素酸化物層22を形成するとともに、第2の基板26の第2の面262に第2のケイ素酸化物層27を形成する(1b)。
ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装、インクジェット法等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均質で、均一な膜厚を有し、かつ、基板および亜鉛硫化物層との密着性に優れたケイ素酸化物層(第1の基板21および第1の亜鉛硫化物層23との密着性に優れた第1のケイ素酸化物層22、第2の基板26および第2の亜鉛硫化物層28との密着性に優れた第2のケイ素酸化物層27)を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる時計用文字板1の美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべきケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)が比較的薄いものであっても、膜厚(層の厚さ)のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる時計用文字板1の耐久性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の光の透過性を向上させることができる。したがって、得られる時計用文字板1をソーラー時計等に、より好適に適用することができる。また、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層22、第2のケイ素酸化物層27)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、第1のケイ素酸化物層22、および、第2のケイ素酸化物層27を、実質的に同一の組成、特性を有するものとして好適に形成することができる。より具体的には、例えば、同一の気相成膜装置内(チャンバー内)に第1の基板21と第2の基板26とを収納し、これらの基板(第1の基板21および第2の基板26)に対し、同時に、成膜処理を施すことにとより、第1のケイ素酸化物層22、および、第2のケイ素酸化物層27を、実質的に同一の組成、特性を有するものとして好適に形成することができる。また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、真空蒸着を適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。
[亜鉛硫化物層形成工程]
次に、第1のケイ素酸化物層22上に、第1の亜鉛硫化物層23を形成するとともに、第2のケイ素酸化物層27上に、第2の亜鉛硫化物層28を形成する(1c)。
亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装、インクジェット法等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均質で、均一な膜厚を有し、かつ、ケイ素酸化物層との密着性に優れた亜鉛硫化物層(第1のケイ素酸化物層22との密着性に優れた第1の亜鉛硫化物層23、第2のケイ素酸化物層27との密着性に優れた第2の亜鉛硫化物層28)を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる時計用文字板1の美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)が比較的薄いものであっても、膜厚(層の厚さ)のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる時計用文字板1の耐久性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の光の透過性を向上させることができる。したがって、得られる時計用文字板1をソーラー時計等に、より好適に適用することができる。また、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層23、第2の亜鉛硫化物層28)の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、第1の亜鉛硫化物層23、および、第2の亜鉛硫化物層28を、実質的に同一の組成、特性を有するものとして好適に形成することができる。より具体的には、例えば、同一の気相成膜装置内(チャンバー内)に第1の基板21(第1のケイ素酸化物層22が設けられた第1の基板21)と第2の基板26(第2のケイ素酸化物層27が設けられた第2の基板26)とを収納し、これらの基板(第1の基板21および第2の基板26)に対し、同時に、成膜処理を施すことにとより、第1の亜鉛硫化物層23、および、第2の亜鉛硫化物層28を、実質的に同一の組成、特性を有するものとして好適に形成することができる。また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、真空蒸着を適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。
[塗膜形成工程]
次に、第1の基板21の第2の面212上に、塗膜24を形成する(1d)。
塗膜24は、塗装により形成する。塗膜24の形成方法(塗装方法)としては、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装、インクジェット法等が挙げられるが、噴霧塗装が好ましい。塗膜24の形成方法として噴霧塗装を適用することにより、比較的膜厚の大きい塗膜24であっても、容易かつ効率よく塗膜24を形成することができる。また、塗膜24の膜厚のばらつきを容易に抑制することができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
塗膜24の形成には、例えば、塗膜24の構成材料以外の成分を含む組成物(塗膜形成用組成物)を用いてもよい。このような成分としては、例えば、溶媒、分散媒等が挙げられる。溶媒、分散媒としては、各種溶剤として用いられているような液体を好適に用いることができる。
また、形成すべき塗膜24が、樹脂材料を含むものである場合、塗膜形成用組成物としては、前記樹脂材料の前駆体(例えば、モノマー、ダイマー、オリゴマー、プレポリマー等)を含むものを用いてもよい。
[接合工程]
次に、粘着剤を含む組成物(粘着剤層形成用組成物)を用いて、第1のケイ素酸化物層22、第1の亜鉛硫化物層23および塗膜24が設けられた第1の基板21(以下、単に「第1の基板21とも言う」)と、第2のケイ素酸化物層27および第2の亜鉛硫化物層28が設けられた第2の基板26(以下、単に「第2の基板26とも言う」)とを接合し、文字板本体2を得る(1e)。この際、粘着剤組成物により形成される粘着剤層25により、塗膜24の表面(第1の基板21に対向する面とは反対側の面)と第2の基板26の第1の面261とが接合されるようにする。
粘着剤組成物としては、前述したような粘着剤を含むものや、前述したような粘着剤の前駆体(例えば、モノマー、ダイマー、オリゴマー、プレポリマー等)を含むものを用いることができる。また、粘着剤組成物は、粘着剤層25の構成材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、溶媒、分散媒等が挙げられる。溶媒、分散媒としては、各種溶剤として用いられているような液体を好適に用いることができる。
また、粘着剤組成物は、液状のものであってもよいし、例えば、シート状、テープ状等の所定の形状を有するものであってもよい。シート状、テープ状の粘着剤組成物を用いることにより、第1の基板21と第2の基板26との接合を、容易かつ確実に行うことができ、時計用文字板1の生産性を、特に優れたものとすることができる。また、第1の基板21と第2の基板26との間からの、粘着剤組成物のはみ出しをより確実に防止することができるため、不良品の発生を防止し、歩留まりを向上させることができる。
粘着剤組成物として、液状のものを用いる場合、粘着剤組成物の付与方法としては、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装、インクジェット法等が挙げられる。
[開口部形成工程]
次に、文字板本体2の所定の部位に、開口部29を形成する(1f)。
開口部29は、通常、指標部材3の取付部位に対応する部位に形成される。
開口部29は、例えば、切削加工や、打ち抜き加工により形成することができる。
また、本工程においては、指標部材3の取り付け部位に加えて、例えば、時針、分針、秒針等の針(指針)の軸が貫通すべき部位に、開口部を形成してもよい。
[指標部材取付工程]
次に、文字板本体2の開口部29に、指標部材3の足部32を挿入し、文字板本体2に、指標部材3を固定する(1g)。このとき、指標部材3は、指標部31が文字板本体2の外表面側(第2の亜鉛硫化物層23が設けられた面側)に配置されるようにする。
指標部材3の固定は、単に、足部32を開口部29に挿入することのみにより行うものであってもよいが、例えば、接着剤を用いて行うものであってもよい。これにより、指標部材3の文字板本体2に対する固定強度を特に優れたものとすることができる。また、従来の時計用文字板において、指標部材の固定に、接着剤を用いた場合、当該接着剤が使用者等に視認されてしまい、時計用文字板の美的外観が著しく低下する場合があったが、本発明では、時計用文字板(文字板本体)が、上述したような基板(第1の基板、第2の基板)とケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層)と亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層)と塗膜とが、上記のような順番で配置されたものであるため、接着剤が使用者等に視認されにくい。このため、時計用文字板の美的外観を確実に優れたものとすることができる。
以上のようにして、時計用文字板1を得ることができる。
なお、上記のような各工程(ケイ素酸化物層形成工程、亜鉛硫化物層形成工程、塗膜形成工程、接合工程、開口部形成工程、指標部材取付工程)は、製造すべき時計用文字板1に対応する大きさ、形状の基板(第1の基板21、第2の基板26)に対して施すものであってもよいが、例えば、シート状の基板(第1の基板21、第2の基板26)に対して施し、その後、打ち抜き、切断等により、目的の大きさ、形状に加工してもよい。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計として求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図3は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)82と、裏蓋83と、ベゼル(縁)84と、ガラス板(カバーガラス)85とを備えている。また、ケース82内には、前述したような本発明の時計用文字板1と、太陽電池94と、ムーブメント81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。時計用文字板1は、太陽電池94と、ガラス板(カバーガラス)85との間に設けられており、第1の基板21の第1の面211側が、ガラス板(カバーガラス)85側を向き、第2の基板26の第2の面262側が、太陽電池94側を向くように配置されている。
ガラス板85は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の時計用文字板1の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池94に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント81は、太陽電池94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図3中では省略しているが、ムーブメント81内には、例えば、太陽電池94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント81は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴82には巻真パイプ86が嵌入・固定され、この巻真パイプ86内にはりゅうず87の軸部871が回転可能に挿入されている。
胴82とベゼル84とは、プラスチックパッキン88により固定され、ベゼル84とガラス板85とはプラスチックパッキン89により固定されている。
また、胴82に対し裏蓋83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部93が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず87の軸部871の途中の外周には溝872が形成され、この溝872内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)91が嵌合されている。ゴムパッキン91は巻真パイプ86の内周面に密着し、該内周面と溝872の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず87と巻真パイプ86との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず87を回転操作したとき、ゴムパッキン91は軸部871と共に回転し、巻真パイプ86の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
上記のような携帯時計(腕時計)は、各種時計の中でも特に優れた耐久性(例えば、耐衝撃性等)が求められるものであるため、優れた美的外観とともに、優れた耐久性が得られる本発明を、より好適に適用することができる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の時計用文字板、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。例えば、各種印刷法により形成された印刷部を有するものであってもよい。
また、時計用文字板の表面(第1の亜鉛硫化物層が設けられた側の表面や、第2の亜鉛硫化物層が設けられた側の表面)には、少なくとも1層の層(コート層)が設けられていてもよい。このような層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
また、本発明の時計用文字板では、第1の基板と塗膜との間等、上述したような各層の間に、少なくとも1層の中間層が設けられていてもよい。
また、図示の構成では、塗膜は、第1の基板の第2の面全体に設けられているが、一部のみに選択的に設けられたものであってもよい。例えば、塗膜は、所定の文字や模様に対応する形状となるように、第1の基板の第2の面上に設けられたものであってもよい。
また、第1の基板に対する第1のケイ素酸化物層の形成、および、第2の基板に対する第2のケイ素酸化物層の形成を同一工程で行い、また、第1のケイ素酸化物層上への第1の亜鉛硫化物層の形成、および、第2のケイ素酸化物層上への第2の亜鉛硫化物層の形成を同一工程で行うものとして説明したが、これらの処理は、異なる工程で行うものであってもよい。また、各層の形成の順序は、前述したようなものに限られない。
また、前述した実施形態では、時計用文字板は、足部を有する指標部材を備えるものとして説明したが、指標部材は、足部を有していないものであってもよい。例えば、指標部材は、文字板本体の第1の亜鉛硫化物層が設けられた面側に、貼着される貼着部材であってもよいし、印刷により形成されたものであってもよい。また、本発明の時計用文字板は、指標部材を有していないものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する第1の基板および第2の基板を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた第1の基板、第2の基板は、いずれも、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:220μmであった。
次に、これらの基板(第1の基板、第2の基板)を洗浄した。基板の洗浄としては、中性洗剤中での超音波洗浄を10分間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、上記のようにして洗浄を行った第1の基板の第1の主面にSiOで構成された第1のケイ素酸化物層を形成するとともに、第2の基板の第2の主面にSiOで構成された第2のケイ素酸化物層を形成した(ケイ素酸化物層形成工程)。第1のケイ素酸化物層、および、第2のケイ素酸化物層の形成は、以下に詳述するような方法により行った。
まず、洗浄済みの第1の基板および第2の基板を真空蒸着装置内に取付け、その後、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した。次に、このような状態で、蒸発源として純度99wt%以上のSiOで構成された顆粒品に電子ビームを照射し、第1の基板の第1の面および第2の基板の第2の面に、真空蒸着による成膜を行った。この真空蒸着の処理時間は、1分間であった。このような真空蒸着により、第1の基板の第1の面に第1のケイ素酸化物層が形成され、第2の基板の第2の面に第2のケイ素酸化物層が形成された。形成された第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層は、いずれも、99wt%以上のSiOで構成されたものであった。また、第1のケイ素酸化物層の厚さは50nm、第2のケイ素酸化物層の厚さは50nmであった。
次に、第1のケイ素酸化物層が形成された第1の基板、第2のケイ素酸化物層が形成された第2の基板を真空蒸着装置から取り出すことなく、第1の基板の第1のケイ素酸化物層が設けられた面にZnSで構成された第1の亜鉛硫化物層を形成し、第2の基板の第2のケイ素酸化物層が設けられた面にZnSで構成された第2の亜鉛硫化物層を形成した(亜鉛硫化物層形成工程)。第1の亜鉛硫化物層、および、第2の亜鉛硫化物層の形成は、以下に詳述するような方法により行った。
第1のケイ素酸化物層が形成された第1の基板、第2のケイ素酸化物層が形成された第2の基板を真空蒸着装置から取り出すことなく、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した状態で、引き続き、蒸発源として純度99wt%以上のZnSで構成された顆粒品に電子ビームを照射し、第1の基板上の第1のケイ素酸化物層の表面および第2の基板上の第2のケイ素酸化物層の表面に、真空蒸着による成膜を行った。この真空蒸着の処理時間は、0.5分間であった。このような真空蒸着により、第1のケイ素酸化物層の表面に第1の亜鉛硫化物層が形成され、第2のケイ素酸化物層の表面に第2の亜鉛硫化物層が形成された。形成された第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層は、いずれも、99wt%以上のZnSで構成されたものであった。また、第1の亜鉛硫化物層の厚さは15nm、第2の亜鉛硫化物層の厚さは15nmであった。
次に、第1のケイ素酸化物層および第1の亜鉛硫化物層が形成された第1の基板、第2のケイ素酸化物層および第2の亜鉛硫化物層が形成された第2の基板を真空蒸着装置から取り出した。
第1のケイ素酸化物層および第1の亜鉛硫化物層が形成された第1の基板の第2の面(第1のケイ素酸化物層および第1の亜鉛硫化物層が形成された側とは反対側の主面)に、塗膜を形成した(塗膜形成工程)。塗膜の形成は、以下に詳述するような方法により行った。
まず、マイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末(平均粒径:25μm)と、二液硬化性のアクリル系樹脂と、溶媒・分散媒として機能するシンナーとを含む塗膜形成用組成物を用意した。
次に、この塗膜形成用組成物を、噴霧塗装法により、第1の基板の第2の面に付与した。
その後、加熱により、シンナーを除去するとともに、アクリル樹脂を硬化させることにより、塗膜を形成した。このようにして形成された塗膜の厚さは、30μmであった。また、塗膜中における前記粉末(マイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末)の含有率は、30wt%であった。
次に、粘着剤を含む組成物(粘着剤層形成用組成物)を用いて、塗膜の表面と第2の基板の第1の面とが対向するように、第1のケイ素酸化物層、第1の亜鉛硫化物層および塗膜が設けられた第1の基板と、第2のケイ素酸化物層および第2の亜鉛硫化物層が設けられた第2の基板とを接合し、文字板本体を得た。粘着剤組成物としては、主としてアクリル系粘着剤で構成され、シート状をなすものを用いた。粘着剤組成物からなる粘着剤層の厚さは、30μmであった。
次に、上記のようにして得られた文字板本体の、指標を形成すべき部位に、開口部を形成した。開口部の形成は、切削加工により行った。なお、本工程では、針(指針)の軸が貫通すべき部位にも、開口部を形成した。
次に、文字板本体の開口部(指標を形成すべき部位の開口部)に、別途作製した指標部材を固定し、時計用文字板を得た。
指標部材としては、Ti製で、指標部と足部とを有するものを用い、指標部が文字板本体の第1の亜鉛硫化物層が設けられた面側に配置されるように、指標部材を開口部に挿入した(図1、図2参照)。
その後、文字板本体の第2の亜鉛硫化物層が設けられた面側から、指標部材が挿入された開口部に接着剤を注入し、当該接着剤を硬化させることにより、指標部材を文字板本体に固定させ、時計用文字板を得た。
なお、基板(第1の基板、第2の基板)、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層)、塗膜、粘着剤層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2〜8)
第1の基板、第2の基板の厚さを表1に示すようにするとともに、ケイ素酸化物層形成工程、および、亜鉛硫化物層形成工程における処理時間、塗膜形成用組成物中に含まれる粉末の平均粒径・含有率、塗膜形成用組成物の付与量、粘着剤組成物の厚さ等を調節することにより、各層の構成を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例1)
ケイ素酸化物層形成工程において、第1の基板の第1の面のみにケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層)を形成し、第2の基板の第2の面上にはケイ素酸化物層(第2のケイ素酸化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例2)
ケイ素酸化物層形成工程において、第2の基板の第2の面のみにケイ素酸化物層(第2のケイ素酸化物層)を形成し、第1の基板の第1の面上にはケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例3)
亜鉛硫化物層形成工程において、第1の基板上に設けられた第1のケイ素酸化物層の表面のみに亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層)を形成し、第2の基板上に設けられた第2のケイ素酸化物層の表面には亜鉛硫化物層(第2の亜鉛硫化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例4)
亜鉛硫化物層形成工程において、第2の基板上に設けられた第2のケイ素酸化物層の表面のみに亜鉛硫化物層(第2の亜鉛硫化物層)を形成し、第1の基板上に設けられた第1のケイ素酸化物層の表面には亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例5)
ケイ素酸化物層形成工程および亜鉛硫化物層形成工程を、第1の基板に対してのみ行い、第2の基板上には、ケイ素酸化物層(第2のケイ素酸化物層)、亜鉛硫化物層(第2の亜鉛硫化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例6)
ケイ素酸化物層形成工程および亜鉛硫化物層形成工程を、第2の基板に対してのみ行い、第1の基板上には、ケイ素酸化物層(第1のケイ素酸化物層)、亜鉛硫化物層(第1の亜鉛硫化物層)を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例7)
塗膜形成工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例8)
塗膜形成工程を、ケイ素酸化物形成工程、亜鉛硫化物形成工程に先立って、第1の基板の第1の面側について行った以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、文字板本体は、第1の亜鉛硫化物層、第1のケイ素酸化物層、塗膜、第1の基板、粘着剤層、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、および、第2の亜鉛硫化物層が、外表面側(観察者側)から、この順に配置されたものであった。
(比較例9)
塗膜形成工程を、ケイ素酸化物形成工程と亜鉛硫化物形成工程との間に、第1の基板の第1の面側について行い、第1のケイ素酸化物層と第1の亜鉛硫化物層との間に、塗膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、文字板本体は、第1の亜鉛硫化物層、塗膜、第1のケイ素酸化物層、第1の基板、粘着剤層、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、および、第2の亜鉛硫化物層が、外表面側(観察者側)から、この順に配置されたものであった。
(比較例10)
亜鉛硫化物形成工程とケイ素酸化物形成工程との順番を入れ換えた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、文字板本体は、第1のケイ素酸化物層、第1の亜鉛硫化物層、第1の基板、塗膜、粘着剤層、第2の基板、第2の亜鉛硫化物層、および、第2のケイ素酸化物層が、外表面側(観察者側)から、この順に配置されたものであった。
(比較例11)
塗膜を第2の亜鉛硫化物層の表面に形成した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、文字板本体は、第1の亜鉛硫化物層、第1のケイ素酸化物層、第1の基板、粘着剤層、第2の基板、第2のケイ素酸化物層、第2の亜鉛硫化物層、および、塗膜が、外表面側(観察者側)から、この順に配置されたものであった。
(比較例12)
蒸発源として、純度99wt%以上のSiOで構成された薄膜の代わりに純度99wt%以上のMgFで構成された薄膜を用いた以外は前記実施例1と同様に時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層の代わりに、MgFで構成された第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層を有するものであった。第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層は、いずれも、99wt%以上のMgFで構成されたものであった。
(比較例13)
蒸発源として、純度99wt%以上のZnSで構成された薄膜の代わりに純度99wt%以上のTiで構成された薄膜を用いた以外は前記実施例1と同様に時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層の代わりに、Tiで構成された第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層を有するものであった。第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層は、いずれも、99wt%以上のTiで構成されたものであった。
(比較例14)
蒸発源として、純度99wt%以上のSiOで構成された薄膜の代わりに純度99wt%以上のMgFで構成された薄膜を用い、純度99wt%以上のZnSで構成された薄膜の代わりに純度99wt%以上のTiで構成された薄膜を用いた以外は前記実施例1と同様に時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層の代わりに、MgFで構成された第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層を有するものであり、第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層の代わりに、Tiで構成された第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層を有するものであった。第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層は、いずれも、99wt%以上のMgFで構成されたものであり、第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層は、いずれも、99wt%以上のTiで構成されたものであった。
(比較例15)
第1の基板、第2の基板としてポリカーボネートの代わりに、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)で構成されたものを用いた以外は、実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、第1のケイ素酸化物層を第1のSiO層、第2のケイ素酸化物層を第2のSiO層、第1の亜鉛硫化物層を第1のZnS層、第2の亜鉛硫化物層を第2のZnS層で示した。また、表1中、ポリカーボネートをPC、またABS樹脂をABSで、それぞれ示した。また、第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層、第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層を有する比較例(比較例12〜14)については、これらの各層の条件を、それぞれ、第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層、第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層の欄に、示した。また、上記の実施例および比較例で形成した金属化合物層(ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、フッ化マグネシウム層、チタン酸化物層)の屈折率は、以下の通りであった。すなわち、亜鉛硫化物(ZnS)層(第1の亜鉛硫化物層、第2の亜鉛硫化物層)の屈折率は2.30、ケイ素酸化物(SiO)層(第1のケイ素酸化物層、第2のケイ素酸化物層)の屈折率は1.46、フッ化マグネシウム(MgF)層(第1のフッ化マグネシウム層、第2のフッ化マグネシウム層)の屈折率は1.38、およびチタン酸化物(Ti)層(第1のチタン酸化物層、第2のチタン酸化物層)の屈折率が2.25であった。また、表1には、時計用文字板を構成する各層(基板、塗膜を含む)の積層順を合わせて示した。表1中、積層順を示す欄では、第1の基板を「B1」、第2の基板を「B2」、第1のケイ素酸化物層を「S1」、第2のケイ素酸化物層を「S2」、第1の亜鉛硫化物層を「Z1」、第2の亜鉛硫化物層を「Z2」、塗膜を「P」、粘着剤層を「A」、フッ化マグネシウム層を「M」、チタン酸化物層を「T」で示した。
Figure 2009047607
2.目視による外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、指標部が配置されている面側から、目視による観察を行い、これらの外観を以下の6段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優れた外観を有している。
B:優れた外観を有している。
C:良好な外観を有している。
D:外観がやや不良。
E:外観が不良。
F:外観が極めて不良。
3.色度計による外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、指標部が配置されている面側の色度(a)を、色度計(ミノルタ社製、CM−2022)を用いて測定し、以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−3〜3でありかつbが−3〜3の範囲内である。
B:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−8〜8でありかつbが−8〜8の範囲内である(ただし、Aの範囲を除く
)。
C:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−13〜13でありかつbが−13〜13の範囲内である(ただし、Aお
よびBの範囲を除く)。
D:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−13〜13でありかつbが−13〜13の範囲外である。
なお、色度計の光源としては、JIS Z 8720で規定されるD65のものを用い、視野角:2°で測定した。
また、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値を以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
77≦L≦90である。
B:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
57≦L<77である。
C:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
47≦L<57である。
D:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
<47である。
4.可視光領域における反射率のばらつき
前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、指標部が配置されている面側の、可視光領域(380〜780nmの波長領域)における各波長での反射率を測定した。この測定結果から、可視光領域(380〜780nmの波長領域)において、反射率が最大となる波長での反射率A[%]と、反射率が最小となる波長での反射率B[%]との差A−Bを求め、以下の5段階の基準に従い、評価した。A−Bの値が小さいほど、可視光領域における反射率のばらつきが小さいものであるといえる。なお、反射率の測定は、時計用文字板の裏側に太陽電池を配した状態で行った。
A:A−Bの値が6%未満。
B:A−Bの値が6%以上12%未満。
C:A−Bの値が12%以上20%未満。
D:A−Bの値が20%以上30%未満。
E:A−Bの値が30%以上。
5.時計用文字板の光(可視光)の透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過性を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、指標部が配置されている面側が蛍光灯(光源)側を向くように重ね合わせた。また、白色蛍光灯としては、日立ライティング(株)社製のFL15N−B(ハイホワイト)を用いた。
A:27%以上。
B:22%以上27%未満。
C:17%以上22%未満。
D:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図3に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計および比較例の時計すべてが、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。
6.電波の透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、時計用文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
時計用文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、時計用文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、時計用文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、指標部が配置されている面側が外表面側を向くように重ね合わせた。
A:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
B:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
C:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
D:感度の低下が1.0dB以上。
7.被膜の密着性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような2種の試験を行い、被膜(ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、塗膜、粘着剤層、フッ化マグネシウム層、チタン酸化物層)の密着性を評価した。
7−1.折り曲げ試験
各時計用文字板について、直径3mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に20°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
A:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
B:被膜の浮きがほとんど認められない。
C:被膜の浮きがはっきりと認められる。
D:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
7−2.熱サイクル試験
各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、15℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、15℃の環境下に1.5時間、次いで、−10℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を15℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
B:被膜の浮きがほとんど認められない。
C:被膜の浮きがはっきりと認められる。
D:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
8.形状の安定性評価
各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、15℃の環境下に1時間、次いで、80℃の環境下に2時間、次いで、15℃の環境下に1時間、次いで、−20℃の環境下に2時間静置した。その後、再び、環境温度を15℃に戻し、これを1サイクル(6時間)とし、このサイクルを合計6回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:時計用文字板の反りが全く認められない。
B:時計用文字板の反りがほとんど認められない。
C:時計用文字板の反りがわずかに認められる。
D:時計用文字板の反りがはっきりと認められる。
9.指標の視認性(視認のし易さ)評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板を用いて、図3に示すような時計を組み立てた(ただし、指標部が配置されている面側が外表面側を向くように配置した)。このようにして得られた各時計について、目視による観察を行い、指標の視認性(時刻の視認性)を以下の6段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優れた視認性を有している。
B:優れた視認性を有している。
C:良好な視認性を有している。
D:視認性がやや不良。
E:視認性が不良。
F:視認性が極めて不良。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2009047607
表2から明らかなように、本発明の時計用文字板は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、光の透過性に優れていた。また、本発明の時計用文字板では、ポリカーボネートで構成された基板への被膜(ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、塗膜、粘着剤層)の密着性に優れており、優れた耐久性を有していた。また、本発明の時計用文字板では、電波の透過性にも優れていた。また、本発明では、形状の安定性に優れており、反り等の問題が極めて生じにくいものであった。また、本発明の時計用文字板では、指標の視認性(時刻の視認性)にも優れていた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、各比較例の時計用文字板では、優れた美的外観、光の優れた透過性および時計用文字板としての耐久性を同時に満足させることができなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図3に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1…時計用文字板 2…文字板本体 21…第1の基板(第1の基材) 211…第1の面 212…第2の面 22…第1のケイ素酸化物層 23…第1の亜鉛硫化物層 24…塗膜 25…粘着剤層 26…第2の基板(第2の基材) 261…第1の面 262…第2の面 27…第2のケイ素酸化物層 28…第2の亜鉛硫化物層 29…開口部 3…指標部材 31…指標部 32…足部 94…太陽電池 81…ムーブメント 82…胴(ケース) 83…裏蓋 84…ベゼル(縁) 85…ガラス板(カバーガラス) 86…巻真パイプ 87…りゅうず 871…軸部 872…溝 88…プラスチックパッキン 89…プラスチックパッキン 91…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 92…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 93…接合部(シール部) 100…腕時計(携帯時計)

Claims (10)

  1. 太陽電池を備えたソーラー時計に用いられる時計用文字板であって、
    主としてポリカーボネートで構成された第1の基板と、
    前記第1の基板の一方の主面である第1の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第1の亜鉛硫化物層と、
    前記第1の基板と前記第1の亜鉛硫化物層との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第1のケイ素酸化物層と、
    前記第1の基板の第1の面とは反対側の主面である第2の面側に設けられ、着色剤および/または拡散剤を含む材料で構成された、光透過性を有する塗膜と、
    前記塗膜の前記第1の基板に対向する面とは反対の面側に設けられ、主としてポリカーボネートで構成された第2の基板と、
    前記第2の基板の前記塗膜に対向する主面である第1の主面とは反対側の主面である第2の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された第2の亜鉛硫化物層と、
    前記第2の基板と前記第2の亜鉛硫化物層との間に設けられ、主としてケイ素酸化物で構成された第2のケイ素酸化物層とを有することを特徴とする時計用文字板。
  2. 前記第1のケイ素酸化物層および前記第2のケイ素酸化物層は、いずれも、主としてSiOで構成されたものである請求項1に記載の時計用文字板。
  3. 前記第1のケイ素酸化物層および前記第2のケイ素酸化物層の厚さは、いずれも、10〜150nmである請求項1または2に記載の時計用文字板。
  4. 前記第1の亜鉛硫化物層および前記第2の亜鉛硫化物層の厚さは、いずれも、5〜75nmである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板。
  5. 前記第1のケイ素酸化物層の厚さをT22[nm]、前記第2のケイ素酸化物層の厚さをT27[nm]としたとき、−40≦T27−T22≦40の関係を満足する請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板。
  6. 前記第1の亜鉛硫化物層の厚さをT23[nm]、前記第2の亜鉛硫化物層の厚さをT28[nm]としたとき、−20≦T28−T23≦20の関係を満足する請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板。
  7. 前記第1のケイ素酸化物層の厚さをT22[nm]、前記第1の亜鉛硫化物層の厚さをT23[nm]、前記第2のケイ素酸化物層の厚さをT27[nm]、前記第2の亜鉛硫化物層の厚さをT28[nm]としたとき、−15≦(T27+T28)−(T22+T23)≦15の関係を満足する請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板。
  8. 前記塗膜は、平均粒径が1〜30μmのマイカ(雲母)にTiOを被覆した粉末を含む材料で構成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板。
  9. 前記第1の亜鉛硫化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−8〜8であり、かつ、bが−8〜8である請求項1ないし8のいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 太陽電池と、前記太陽電池よりも外表面側に配置されたカバーガラスとを備えた時計であって、
    前記太陽電池と前記カバーガラスとの間に、請求項1ないし9のいずれかに記載の時計用文字板を備えていることを特徴とする時計。
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