JP2009045796A - フレキシブルプリント配線板用積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回路を形成する導体とポリイミドフィルムとの接着性及び密着性に優れると共に、ポリイミドフィルムが備える誘電特性、耐湿性、耐熱性等の特性を損なうことなく信頼性に優れた積層体であって、フレキシブルプリント配線板のファインパターン加工が可能となるフレキシブルプリント配線板用積層体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドフィルムを含んだ積層体であって、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面には電子線処理が施され、該電子線処理された面には含窒素基ビニル化合物がグラフト重合されると共に、該グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面には貴金属化合物を含んだ触媒を介して無電解めっき層が形成されているフレキシブルプリント配線板用積層体とする。ポリイミドフィルム表面にはあらかじめ電子線処理を施して活性化しておく。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器分野等で広く使用されるフレキシブルプリント配線板用の積層体とその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化や高機能化の要請が強まり、実装配線材料の微細化に対応したフレキシブルプリント配線板用材料の高性能化への要求が高まっている。そのため、ファインパターン加工を可能とするフレキシブルプリント配線板用の積層体の開発が望まれている。フレキシブルプリント配線板のファインピッチな微細加工を可能とするには、フレキシブルプリント配線板を形成する導体自体の薄膜化とその表面の平坦性向上が要求される。一方、絶縁体である絶縁性樹脂と接する導体表面の形態が平坦化してくると、導体と絶縁性樹脂との界面での接着力が低下するおそれがあるという新たな技術課題が生じる。 ところで、無電解めっき技術は、めっき液組成やめっき条件を変化させることで化学的、機械的、電気的特性にユニークで優れた皮膜が得られることから、表面処理分野の基幹技術に成長している。特に、プラスチックやセラミックスなどの不導体への無電解めっきは素材の表面形状によらず、また、電気めっきの電流分布の問題等もなく、均一且つ平滑な皮膜が形成でき、高精度な膜厚制御が可能であるため、電気・電子機器産業、半導体産業において、重要かつ不可欠な表面処理技術として急速に需要が拡大してきた。
このような無電解めっきを用いたプリント配線板の製造に関する技術として、無電解銅めっきを例にすると、例えば以下のようなものを示すことができる。
すなわち、サブトラクティブ法の場合には、各層間の銅回路を電気的に接続させるために、スルーホールと呼ばれる導通穴に電気銅めっき皮膜を20〜30μm程度成膜する。その際、下地に導電性を付与する必要があることから、予め無電解銅めっき皮膜を1μm程度成膜させる。
また、フルアディティブ法の場合には、フレキシブルプリント配線板の配線部分を形成するために絶縁体の表面に直接無電解銅めっきにより回路を形成する。そのため、無電解銅めっきの皮膜の物性や密着性は、フレキシブルプリント配線板の品質に大きな影響を与える。この方法は、使用材料が少なく、穴あけ、印刷、そして写真的手法による触媒形成後、無電解銅めっきによる配線が可能であることから、最も経済的な方法である。
更に、ビルドアップ法の場合には、従来のサブトラクティブ法で作製したプリント配線板上に絶縁性樹脂と銅回路を1層ずつ形成していく方法であり、各層間の銅回路は、ブラインドビアホール(BVH)と呼ばれる導通穴に銅めっきを成膜することによって電気的に接続される。
これらいずれのプリント配線板の製造においても、無電解めっき皮膜を絶縁体である高分子フィルムの表面に均一、かつ密着性良く付着させることが重要な課題となっている。そのため、特にポリイミドのように表面活性が乏しい場合には、導体あるいは接着剤との間の接合力を確保するために、アルカリ性薬液を用いてポリイミドフィルムの表面をエッチングしてフィルムの表面に微細な凹凸を形成し、アンカー効果によって導体等との密着性及び接着性を改善することが行われている。
しかしながら、このアルカリ性薬液による処理は、一般に、処理時間が長いことから処理効率が悪く、それに伴いフィルムに対する薬液の改質作用が強すぎてしまうといった不具合が生じる。また、フィルム片面のみを優先的に改質することができないために、改質処理を必要としない面までも処理されることとなり、引張強さ、伸度、弾性係数、耐屈曲性等の優れたポリイミドフィルムの機械特性が低下してしまうといった欠点もある。
また、ポリイミドフィルムのような非導電性基板上に金属皮膜を形成するためには、エッチングにより樹脂表面を荒らし、貴金属化合物を用いて触媒活性機能を付与して、この触媒作用によって無電解めっき皮膜を形成する方法も報告されている。この際、触媒活性機能を付与する方法としては、それぞれ2価のPdとSnとを含んだコロイド液や塩酸酸性のSnCl溶液とPdCl溶液の2液法が広く用いられているが、これらの方法では、毒性の高いSn(II)を使用することや、Sn化合物がポリイミドフィルムに残存してポリイミドフィルムの電気特性や機械特性等に悪影響を及ぼすおそれがあることなどから、残存するSn化合物の除去処理が必要である。また、この方法では、樹脂との密着性を確保するために、エッチングによって樹脂の表面を粗面化する必要があることから、高周波電気信号を伝達する電気回路の形成を目的とするフレキシブルプリント用配線板には不向きである。
更には、ポリイミドフィルム製膜中に形成される表面脆弱層(WBL:Weak Boundary Layer)を除去すると共に、このフィルムの表面に親水性の官能基を形成させて表面自由エネルギーを高めて導体層との密着力を向上させることを目的とし、ポリイミドフィルムの表面に対してコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、電子線照射処理等の表面改質処理を行うことは知られている。
しかしながら、これらの処理方法をそれぞれ単独で行ったとしても、処理効果はポリイミドフィルムの表面特性によって大きく異なり、また、これらは経時変化が大きいことから品質管理制御が難しい。更には、微細パターン回路を形成する導体層との接着力が十分に得られず、表面改質処理を行った面内でのバラツキ等の問題も生じてしまう。
このような状況の下、ポリイミドフィルムの表面に研磨剤を含むスラリーを圧縮空気によって吹付けて物理的に荒らすことで、接着剤の種類を選ばずにポリイミドフィルムと接着剤との接着強度を確保することを提案している(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ポリイミドフィルムの表面を荒らすと、無電解めっきに必要な触媒層の均一な付与が保証できなくなり、形成する無電解めっき皮膜の均一性を確保することは困難であり、ファインパターン形成と高周波の対応に問題がある。
更に、ポリイミドフィルムをアルカリ金属塩を含有する溶液で前処理した後、無電解めっきの触媒となる貴金属類と錯形成が可能な官能基を有するシランカップリング剤の溶液で処理する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、アルカリ改質のポリイミドフィルム特性へのダメージが大きく、フィルム表面が粗すぎてしまい、ファインパターン形成と高周波の対応に問題があり、一方、アルカリ金属塩による前処理がない場合には、被めっき材の素材に密着性よくかつ均一なめっき膜を得ることが困難である。
特開2003−306554号公報 特開2002−226972号公報
本発明の目的は、回路を形成する導体とポリイミドフィルムとの接着性及び密着性に優れると共に、ポリイミドフィルムが備える誘電特性、耐湿性、耐熱性等の特性を損なうことなく信頼性に優れた積層体であって、フレキシブルプリント配線板のファインパターン加工が可能となるフレキシブルプリント配線板用積層体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、このようなフレキシブルプリント配線板を低コストで、かつ、簡便に作製することができるフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、フレキシブルプリント配線板のファインパターン加工が可能であって、回路を形成する導体と絶縁体であるポリイミドフィルムとの界面における信頼性に優れ、また、ポリイミドフィルムの優れた機械的特性や電気的特性等を損なうことのないフレキシブルプリント配線板用の積層体について鋭意検討した結果、ポリイミドフィルムの表面を電子線処理すると共に表面にグラフト重合可能な貴金属化合物を含む触媒を介して無電解めっき層を設けることによって、ポリイミドフィルム上に均一、かつ、平滑な無電解めっき層を形成することができ、この無電解めっき層がポリイミドフィルムに対して優れた密着性及び接着性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドフィルムを含んだ積層体であって、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面には電子線処理が施され、該電子線処理された面には含窒素基ビニル化合物がグラフト重合されると共に、該グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面には貴金属化合物を含んだ触媒を介して無電解めっき層が形成されているフレキシブルプリント配線板用積層体である。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板用積層体では、前記無電解めっき層の表面に更に電気めっき層が形成しても良いし、更に、前記無電解めっき層として無電解銅めっき層又は無電解ニッケルめっき層を、電解めっき層として電気銅めっき層を利用することができる。
また、もう一つの本発明は、フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドフィルムを含んだ積層体の製造方法であって、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面を電子線照射する工程と、該電子線照射された面に含窒素基ビニル化合物がグラフト重合される工程と、該グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面に貴金属化合物を含んだ触媒を付着させる工程と、該触媒を介して無電解めっき層を形成する工程、とを含むフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法である。
本発明のフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法では、前記無電解めっき層を形成する工程後に、更に該無電解めっき層の表面に電気めっき層を形成する工程を利用しても良いし、または、前記無電解めっき層の形成方法として無電解銅めっき又は無電解ニッケルめっきを、電解めっき層の形成方法として電気銅めっきを利用することもできる。
本発明における積層体は、平滑なポリイミドフィルム上に無電解めっき層が優れた密着性及び接着力を具備していることから、ポリイミドフィルムと強固な接着力を有するファインピッチ配線が可能であると共に、高周波用の電気回路製作に好適なフレキシブルプリント配線板用積層体が得られる。
また、本発明における積層体の製造方法によれば、上記のような積層体を低コストで、簡便に得ることができ、特にフルアディティブ法のフレキシブルプリント配線板の製造方法への適用に好適である。
本発明におけるポリイミドフィルムは、従来公知の方法で製造されたものを使用することができる。すなわち、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応から得られるポリアミド酸をフィルムとし、得られたポリアミド酸フィルムを熱的もしくは化学的にイミド化することにより得られたものを使用することができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’- ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’- ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水4,4’-オキシジフタル酸物、無水物等を挙げることができる。芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’- ジアミノビフェニル、3,3’- ジヒドロキシ-4,4’- ジアミノビフェニル、4,4’ジアミノベンズアニリド等を挙げることができる。また、これらのテトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミンについては、それぞれ、1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
本発明で使用するポリイミドフィルムの少なくとも一方の面は、無電解めっきを施すのに先立って電子線処理をしておく必要がある。電子線処理は、ポリイミドフィルムに接着活性官能基であるラジカルを均一に、かつ効果的に形成させることができる表面活性化処理として作用する。
電子線処理の具体的な条件は、加速電圧150kV以下、また不活性ガスはヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素、アンモニア、窒素等から選ばれた1種または2種以上の混合ガスを使用するのがよい。
また、本発明においては、電子線処理された面に、含窒素基ビニル化合物をグラフト重合させる必要がある。このグラフト重合によりポリイミドフィルムの表面に更に均一な化学特性を付与することができ、後の工程において形成する無電解めっき層とポリイミドフィルムとの密着性を向上させることができる。
ここで、本発明で使用する含窒素基ビニル化合物としては、例えば、4-ビニルピリジン(4VP),2-ビニルピリジン(2-VP),1-ビニルイミダゾール(1-VIDz),NN-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA),2-(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物(TMMAC)等を挙げることができる。
そして、グラフト重合されたアミノやピリジン等の含窒素基により、無電解めっきの触媒となるPdイオン等の金属イオンを捕捉して、優れた密着性を付与せしめることができる。
本発明において、電子線処理されたポリイミドフィルムの表面へグラフト重合するためには、含窒素基ビニル化合物の溶液中に電子線処理されたポリイミドフィルムを浸漬することによって行うことができる。更に、浸漬処理を行う場合には、加熱を行うことにより効率的にグラフト重合することができる。
また、本発明において、グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面には、貴金属化合物を含んだ触媒を介して無電解めっき層を形成する。
本発明における無電解めっきに適した貴金属化合物を含んだ触媒としては、好ましくは塩化パラジウム、臭化パラジウム、パラジウム硫酸塩(PdSO)、Pd(OCOCH等のPdを含むものであるのがよい。そして、このような触媒を上述したグラフト重合処理を施したポリイミドフィルムの表面に付着させるために、好ましくは上記触媒をパラジウムの塩化物水溶液等のような水溶液の状態として、この水溶液中に上記ポリイミドフィルムを浸漬し、グラフト重合処理によりポリイミドフィルムの表面に結合されたアミノ基等の含窒素化合物でPd2+を捕捉し、次いで、ホルムアルデヒド、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)またはジメチルアミンボラン(Dimethyl Amine Borane )等の還元剤でこのPd2+をPdに還元して無電解めっきの触媒とするのがよい。
その後、得られたポリイミドフィルムについては水洗する。このようにすることにより、毒性の高いSn(II)等を用いることなく、ポリイミドフィルムの表面に無電解めっきに活性な触媒が付着された触媒層をポリイミドフィルム上に均一、かつフィルムに対して密着性よく形成することができる。
本発明においては、上記のようにポリイミドフィルムの表面に触媒を付着させてPd2+を捕捉して無電解めっきに活性な表面を得た後、この触媒を介して無電解めっき層を形成する。この無電解めっき層については、一般に用いられる無電解銅めっき又は無電解ニッケルから形成されためっき層を利用することができ、この無電解めっき層の形成の条件については、一般的な条件を用いることができる。また、この無電解めっき層の膜厚については10〜500nm程度でよい。
このようにすることにより、本発明では、ポリイミドフィルム上に表面を荒らすことなく、直接無電解めっき層を形成することができる。このため、ファインパターンの形成と高周波数対応が可能となる。
また、本発明における積層体は、更に前記無電解めっき層の表面に電気めっき層を形成することもできる。この電気めっき層については、公知の電気銅めっき等により形成することができる。この際、一般的な電気めっき皮膜を形成するための条件を用いることができるが、表面の平滑性を保ちしかも電気抵抗の低い皮膜が得られる観点から、PEG―Cl―SPSを添加した浴を用いて形成した電気銅めっき層が好ましい。この電気めっき層については、フレキシブルプリント配線板の導体として必要な膜厚まで任意にめっきアップすることができることから、本発明における積層体によれば、ポリイミドフィルムと強固な接着力を有するファインピッチ配線及び高周波数対応が可能なフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
[実施例]
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリイミドフィルム(東レデュポン(株)製商品名:カプトン150EN:厚さ38μm)を窒素不活性ガス雰囲気下で、加速電圧150kVで電子線を10kGy照射した(電子線処理工程)。次いで、電子線処理後のポリイミドフィルムを4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。上記処理済みのサンプルフィルムを治具に固定したまま、攪拌しながら、PdClを0.02g、38%HClを0.2ml含有する触媒化水溶液200mlに常温で30秒間浸し、純水洗浄処理を経て、フィルム表面に触媒を吸着させた(触媒付着工程)。引き続き、pH値を9.0に調整した70℃のNi−B無電解めっき浴に1分間浸漬し、約40nmのNi−Bめっき皮膜を形成した(無電解めっき層形成工程)。この時点で、ポリイミドフィルムの処理面に連続的で均一なNi金属光沢を持つめっき皮膜が形成されていることが目視で確認できた。
ここで、無電解めっき皮膜とポリイミドフィルムとの密着性の評価として、セロハンテープ剥離法(密着力試験)を行った。Ni金属光沢を持つめっき皮膜にセロハンテープを貼り付け、引き剥がしたテープ側に金属色の転写があるかどうか目視確認を行ったが、金属色の転写は観察されなかった。更に、引き剥がしテープのXPS元素分析を行ったが、この測定からも金属層(Ni−Bめっき皮膜)の剥離は認めなれなかった。
次いで、室温下で、電気銅めっき浴の中に上記の無電解めっき皮膜が形成されたポリイミドフィルムをセットし、電流密度を2A/dmに制御して、約18分間電気銅めっきを行うことでポリイミドフィルムに約8μmの厚みを有する平滑な銅めっき皮膜を形成し(電気めっき層形成工程)、積層体を作製した。
上記で得た積層体を用いて0.1mm幅の回路パターンを加工した。そして、ピール強度測定を行ったところ、ポリイミドフィルムと銅めっき皮膜との間の接着力は0.65kN/m以上の値を示した。
実施例1と同様のポリイミドフィルムを窒素不活性ガス雰囲気下で、加速電圧150kVで電子線を100kGy照射した(電子線処理工程)。次いで、電子線処理後のポリイミドフィルムを4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。上記処理済みのサンプルフィルムを治具に固定したまま、攪拌しながら、PdClを0.02g、38%HClを0.2ml含有する触媒化水溶液200mlに常温で30秒間浸し、純水洗浄処理を経て、フィルム表面に触媒を吸着させた(触媒付着工程)。引き続き、pH値を9.0に調整した70℃のNi−B無電解めっき浴に1分間浸漬し、約40nmのNi−Bめっき皮膜を形成した(無電解めっき層形成工程)。この時点で、ポリイミドフィルムの処理面に連続的で均一なNi金属光沢を持つめっき皮膜が形成されていることが目視で確認できた。
ここで、無電解めっき皮膜とポリイミドフィルムとの密着性の評価として、セロハンテープ剥離法(密着力試験)を行った。Ni金属光沢を持つめっき皮膜にセロハンテープを貼り付け、引き剥がしたテープ側に金属色の転写があるかどうか目視確認を行ったが、金属色の転写は観察されなかった。更に、引き剥がしテープのXPS元素分析を行ったが、この測定からも金属層(Ni−Bめっき皮膜)の剥離は認めなれなかった。
次いで、室温下で、電気銅めっき浴の中に上記の無電解めっき皮膜が形成されたポリイミドフィルムをセットし、電流密度を2A/dmに制御して、約18分間電気銅めっきを行うことでポリイミドフィルムに約8μmの厚みを有する平滑な銅めっき皮膜を形成し(電気めっき層形成工程)、積層体を作製した。
上記で得た積層体を用いて0.1mm幅の回路パターンを加工した。そして、ピール強度測定を行ったところ、ポリイミドフィルムと銅めっき皮膜との間の接着力は0.65kN/m以上の値を示した。
実施例1と同様のポリイミドフィルムを窒素不活性ガス雰囲気下で、加速電圧150kVで電子線を500kGy照射した(電子線処理工程)。次いで、電子線処理後のポリイミドフィルムを4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。上記処理済みのサンプルフィルムを治具に固定したまま、攪拌しながら、PdClを0.02g、38%HClを0.2ml含有する触媒化水溶液200mlに常温で30秒間浸し、純水洗浄処理を経て、フィルム表面に触媒を吸着させた(触媒付着工程)。引き続き、pH値を9.0に調整した70℃のNi−B無電解めっき浴に1分間浸漬し、約40nmのNi−Bめっき皮膜を形成した(無電解めっき層形成工程)。この時点で、ポリイミドフィルムの処理面に連続的で均一なNi金属光沢を持つめっき皮膜が形成されていることが目視で確認できた。
ここで、無電解めっき皮膜とポリイミドフィルムとの密着性の評価として、セロハンテープ剥離法(密着力試験)を行った。Ni金属光沢を持つめっき皮膜にセロハンテープを貼り付け、引き剥がしたテープ側に金属色の転写があるかどうか目視確認を行ったが、金属色の転写は観察されなかった。更に、引き剥がしテープのXPS元素分析を行ったが、この測定からも金属層(Ni−Bめっき皮膜)の剥離は認めなれなかった。
次いで、室温下で、電気銅めっき浴の中に上記の無電解めっき皮膜が形成されたポリイミドフィルムをセットし、電流密度を2A/dmに制御して、約18分間電気銅めっきを行うことでポリイミドフィルムに約8μmの厚みを有する平滑な銅めっき皮膜を形成し(電気めっき層形成工程)、積層体を作製した。
上記で得た積層体を用いて0.1mm幅の回路パターンを加工した。そして、ピール強度測定を行ったところ、ポリイミドフィルムと銅めっき皮膜との間の接着力は0.65kN/m以上の値を示した。
(比較例1)
実施例1と同様のポリイミドフィルムを用い、電子線表面活性化処理(電子線処理)を行わず、4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。メタノールにより表面洗浄をした後、実施例と同じ条件下で、PdCl化合物による表面触媒化処理(触媒付着工程)を行い、その後、実施例と同様に無電解Ni−Bめっきを実施した(無電解めっき層形成工程)。ポリイミドフィルムの表面にNiの析出が認められない或いは不連続な析出状態が観測され、触媒付着工程において触媒がほぼ付着していない或いは均一的に付着していないことが判明した。金属色が確認できるところにセロハンテープを貼り付け、剥がしてみるとテープ側にNiの転写が目視で確認でき、無電解Ni−Bめっき皮膜とポリイミドフィルムとの間に十分な密着性がないことが確認された。
(比較例2)
実施例1と同様のポリイミドフィルムを窒素不活性ガス雰囲気下で、加速電圧150kVで電子線を1kGy照射した(電子線処理工程)。次いで、電子線処理後のポリイミドフィルムを4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。上記処理済みのサンプルフィルムを治具に固定したまま、攪拌しながら、PdClを0.02g、38%HClを0.2ml含有する触媒化水溶液200mlに常温で30秒間浸し、純水洗浄処理を経て、フィルム表面に触媒を吸着させた(触媒付着工程)。引き続き、pH値を9.0に調整した70℃のNi−B無電解めっき浴に1分間浸漬し、約40nmのNi−Bめっき皮膜を形成した(無電解めっき層形成工程)。ポリイミドフィルムの表面にNiは不連続な析出状態が観測され、触媒付着工程において触媒がほぼ付着していない或いは均一付着していないことが判明した。金属色が確認できるところにセロハンテープを貼り付け、剥がしてみるとテープ側にNiの転写が目視で確認でき、無電解Ni−Bめっき皮膜とポリイミドフィルムとの間に十分な密着性がないことが確認された。
(比較例3)
実施例1と同様のポリイミドフィルムを窒素不活性ガス雰囲気下で、加速電圧150kVで電子線を20kGy照射した(電子線処理工程)。次いで、電子線処理後のポリイミドフィルムを4ビニルピロリドン溶液中に10分間浸漬し、グラフト重合を行った(グラフト重合処理工程)。次に、メタノールに浸漬し、超音波洗浄により余剰の4ビニルピロリドンを除去した。上記処理済みのサンプルフィルムを治具に固定したまま、攪拌しながら、PdClを0.02g、38%HClを0.2ml含有する触媒化水溶液200mlに常温で30秒間浸し、純水洗浄処理を経て、フィルム表面に触媒を吸着させた(触媒付着工程)。引き続き、pH値を9.0に調整した70℃のNi−B無電解めっき浴に1分間浸漬し、約40nmのNi−Bめっき皮膜を形成した(無電解めっき層形成工程)。この時点で、ポリイミドフィルムの処理面に連続的で均一なNi金属光沢を持つめっき皮膜が形成されていることが目視で確認できた。
次いで、室温下で、電気銅めっき浴の中に上記の無電解めっき皮膜が形成されたポリイミドフィルムをセットし、電流密度を2A/dmに制御して、約18分間電気銅めっきを行うことでポリイミドフィルムに約8μmの厚みを有する平滑な銅めっき皮膜を形成し(電気めっき層形成工程)、積層体を作製した。
上記で得た積層体を用いて0.1mm幅の回路パターンを加工した。そして、ピール強度測定を行ったところ、ポリイミドフィルムと銅めっき皮膜との間の接着力は0.30kN/mの値を示した。

Claims (6)

  1. フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドフィルムを含んだ積層体であって、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面には電子線処理が施され、該電子線処理された面には含窒素基ビニル化合物がグラフト重合されると共に、該グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面には貴金属化合物を含んだ触媒を介して無電解めっき層が形成されることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用積層体。
  2. 前記無電解めっき層の表面には更に電気めっき層が形成されていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用積層体。
  3. 前記無電解めっき層が無電解銅めっき層又は無電解ニッケルめっき層であり、前記電気めっき層が電気銅めっき層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
  4. フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドフィルムを含んだ積層体の製造方法であって、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面を電子線照射する工程と、該電子線照射された面に含窒素基ビニル化合物がグラフト重合される工程と、該グラフト重合処理されたポリイミドフィルムの表面に貴金属化合物を含んだ触媒を付着させる工程と、該触媒を介して無電解めっき層を形成する工程、とを含むことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法。
  5. 前記無電解めっき層を形成する工程後に、更に該無電解めっき層の表面に電気めっき層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法。
  6. 前記無電解めっき工程が無電解銅めっき又は無電解ニッケルめっきであり、前記電気めっき工程が電気銅めっきであることを特徴とする請求項4又は5に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI462828B (zh) * 2012-06-19 2014-12-01 Taimide Technology Inc 聚醯亞胺膜、以該膜製成之撓性印刷電路板及其製造方法

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