JP2009043883A - チップ抵抗器およびジャンパーチップ部品 - Google Patents

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Hisahiro Takashima
尚弘 高嶋
Hidenori Saito
秀憲 齊藤
Seiji Tsuda
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Abstract

【課題】本発明は、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく、従来のものより長寿命化が図れるチップ抵抗器を安価に提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のチップ抵抗器は、絶縁基板11の上面の両端部に設けられた上面電極12と、この上面電極12と電気的に接続されるように設けられた抵抗体14と、この抵抗体14の全部および前記上面電極12の一部を覆うように設けられた保護層17と、前記絶縁基板11の両端面に前記上面電極12と電気的に接続されるように設けられた端面電極18と、この端面電極18と前記上面電極12を覆うように設けられためっき層19とを備え、前記上面電極12の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に使用されるチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品に関するものである。
以下、従来のチップ抵抗器について、図面を参照しながら説明する。
図11(a)は従来のチップ抵抗器の断面図を示したもので、1は純度96%のアルミナからなる絶縁基板、2は絶縁基板1の上面の両端部に形成された銀を主成分とする上面電極層、3は絶縁基板1の裏面の両端部に形成された銀を主成分とする裏面電極層、4は上面電極層2の一部と重なるように形成された酸化ルテニウム系ペーストあるいは銀パラジウム合金系ペーストからなる抵抗体、5は抵抗体4を覆うように形成されたプリコートガラス、6は前記プリコートガラス5および抵抗体4を切削するように形成された抵抗値調整用のトリミング溝、7は前記抵抗体4とプリコートガラス5を覆う保護層、8は前記上面電極層2および裏面電極層3と電気的に接続されるように絶縁基板1の両端面に形成された端面電極層、9は前記端面電極層8、上面電極層2および裏面電極層3を覆うめっき層である。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平1−109702号公報
従来のチップ抵抗器においては、抵抗体4のパターンのファイン性を確保すると共に印刷条件のばらつきを小さくし、焼成後の抵抗値ばらつきを抑制するために、通常は上面電極層2の表面がなるべく平滑に保たれるように、上面電極層2の表面粗さRaを小さくしているものである。一方、保護層7を樹脂で形成した場合は、樹脂の硬化時に樹脂の粘度が一旦低下するため、その際に樹脂成分が滲み出して薄い膜(以下ブリーディング膜と記す)を発生させるものであり、また、保護層7をガラスで形成した場合においても、焼成時に軟化点を過ぎた時、ガラスが溶融して流れ出すため、上記樹脂で形成した場合と同様に薄い膜(以下ブリーディング膜と記す)を発生させるものである。このブリーディング膜10は図11(b)に示すように、上面電極層2の表面が平滑であれば上面電極層2上に流れ出して広がりやすくなり、そして上面電極層2とめっき層9との間にブリーディング膜10が介在することになるため、めっき層9と上面電極層2との密着性が悪くなる場合もあり、そして、この場合、上面電極層2上のめっき層9が剥がれやすくなる場合がある。このように、めっき層9と上面電極層2との密着性が悪くなると、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においては、めっき層9と保護層7との隙間から腐食性ガスが侵入して上面電極層2が最悪半年〜2,3年ぐらいの期間に腐食して断線する場合がある。さらに、図12は従来のチップ抵抗器のめっき層9を形成する直前の上面図を示したものであるが、この図12からも明らかなように、端面電極8が導電性樹脂あるいは焼成タイプの材料からなるいずれの場合においても、ブリーディング膜10は上面電極2の保護層7に接する部分のみならず、端面電極8と接する上面電極2の部分にも流れ出して広がりやすくなるものである。また、これとは別に、上面電極層2の下地部分に、硫化ガス等に対して腐食し難い金を主成分とする材料を用いて耐硫化特性を満足させる構成も提案されているが、この場合は、金を使用するため高価になるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題に鑑み、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく、従来のものより長寿命化が図れるチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品を安価に提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁基板の上面の両端部に設けられた上面電極と、この上面電極と電気的に接続されるように設けられた抵抗体と、この抵抗体の全部および前記上面電極の一部を覆うように設けられた保護層と、前記絶縁基板の両端面に前記上面電極と電気的に接続されるように設けられた端面電極と、この端面電極と前記上面電極を覆うように設けられためっき層とを備えたチップ抵抗器において、前記上面電極の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としたもので、この構成によれば、前記上面電極の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としているため、上面電極の表面には適度な凹凸が存在することになり、これにより、保護層を形成した場合に発生するブリーディング膜はこの凹凸によって上面電極上に流れにくくなるため、ブリーディング膜の上面電極とめっき層との間への介在は極めて少なくなり、これにより、めっき層と上面電極との密着性は常に良好なものが得られるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく、従来のものより長寿命化が図れるチップ抵抗器を安価に得ることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、絶縁基板の上面に設けられた導体と、この導体の一部を覆うように設けられた保護層と、前記絶縁基板の両端面に前記導体と電気的に接続されるように設けられた端面電極と、この端面電極と前記導体を覆うように設けられためっき層とを備えたジャンパーチップ部品において、前記導体の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としたもので、この構成によれば、前記導体の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としているため、導体の表面には適度な凹凸が存在することになり、これにより、保護層を形成した場合に発生するブリーディング膜はこの凹凸によって導体上に流れにくくなるため、ブリーディング膜の導体とめっき層との間への介在は極めて少なくなり、これにより、めっき層と導体との密着性は常に良好なものが得られるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく、従来のものより長寿命化が図れるジャンパーチップ部品を安価に得ることができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明のチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品は、上面電極または導体の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としているため、上面電極または導体の表面には適度な凹凸が存在することになり、これにより、保護層を形成した場合に発生するブリーディング膜はこの凹凸によって上面電極または導体上に流れにくくなるため、ブリーディング膜の上面電極または導体とめっき層との間への介在は極めて少なくなり、これにより、めっき層と上面電極またはめっき層と導体との密着性は常に良好なものが得られるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく、従来のものより長寿命化が図れるチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品を安価に得ることができるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の断面図、図1(b)は同チップ抵抗器の要部拡大断面図、図2(a)〜(c)、図3(a)(b)および図4(a)〜(c)は同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
図1(a)(b)において、11は純度96%のアルミナからなる矩形状の絶縁基板、12は前記絶縁基板11の上面の両端部に設けられた銀を主成分とする一対の上面電極である。そしてこの上面電極12は、図1(b)の要部拡大断面図に示すように、表面粗さRaが0.9μm以上1.5μm以下となるようにその表面に適度な凹凸を形成することにより、ブリーディング膜13が上面電極12上に流れにくくなるように構成しているものである。14は前記一対の上面電極12と電気的に接続されるように設けられた抵抗体、15は前記抵抗体14を覆うプリコートガラス層、16は前記プリコートガラス層15と抵抗体14を切削するように設けられた抵抗値修正用のトリミング溝である。17は前記トリミング溝16を埋めるとともにプリコートガラス層15のすべてを覆うように設けられた樹脂からなる保護層である。18は前記一対の上面電極12と電気的に接続されるように絶縁基板11の両端面に設けられた一対の端面電極、19は前記一対の上面電極12および一対の端面電極18を覆うように設けられた一対のめっき層である。なお、このめっき層19は通常ニッケルめっき層と錫めっき層との2層構造からなるものである。
次に、図2(a)〜(c)、図3(a)(b)および図4(a)〜(c)にもとづいて、本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、表面に1次分割溝11aと2次分割溝11bを有する純度96%のアルミナからなるシート状の絶縁基板11cを準備し、そしてこのシート状の絶縁基板11cの上面に、1次分割溝11aを跨ぐように銀ペーストまたは銀を主成分とする銀パラジウム合金導体ペーストを印刷して焼成することにより複数の上面電極12を形成する。なお、この上面電極12の形成に用いられる銀パラジウム合金導体ペーストは、低い抵抗値が得られるようにパラジウムの含有比率を5%以下としているものである。そして、この上面電極12は表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としており、球状の粒子と鱗片状の粒子を混合させる、あるいは球状の粒子の粒径が5μm以上の大きさの物を混合させる等の方法により表面を粗くしている。また、実装時の安定性を確保するために、シート状の絶縁基板11cの裏面における前記上面電極12と対向する位置に、銀ペーストまたは銀を主成分とする銀パラジウム合金導体ペーストを印刷して焼成することにより複数の裏面電極(図示せず)を形成してもよいものである。
次に、図2(b)に示すように、複数の上面電極12間を橋絡して上面電極12と電気的に接続されるように複数の抵抗体14を形成する。この複数の抵抗体14は、銀パラジウム合金系あるいは酸化ルテニウム系等の抵抗ペーストをスクリーン印刷し、そして700℃〜850℃で焼成することにより形成されるものである。
次に、図2(c)に示すように、複数の抵抗体14を覆うように複数のプリコートガラス層15をスクリーン印刷によって形成し、その後、このプリコートガラス層15と前記抵抗体14を切削するように抵抗値修正用の複数のトリミング溝16を形成する。なお、このプリコートガラス層15とトリミング溝16は、抵抗体14の特性ばらつきが少なく、スクリーン印刷の位置精度が高くて抵抗値の修正が必要でない場合は、必ずしも形成する必要はないものである。
次に、図3(a)に示すように、プリコートガラス層15およびトリミング溝16のすべてと複数の上面電極12の一部を覆うように、樹脂からなる複数の保護層17を形成する。この保護層17は、1次分割溝11aと2次分割溝11bで囲まれた個片領域ごとに独立に形成しているが、2次分割溝11bを跨ぐように帯状に形成してもよいものである。なお、この保護層17は、樹脂に限定されるものではなく、ガラスペーストを印刷焼成して形成してもよいものである。
次に、1次分割溝11aに沿ってシート状の絶縁基板11cを分割することにより、図3(b)に示すような短冊状の基板11dを得る。
次に、図4(a)に示すように、短冊状の基板11dの両端面に樹脂銀ペーストを塗布して硬化させることによって端面電極18を形成する。なお、この端面電極18はスパッタ等の薄膜プロセスによって形成してもよいものである。また、短冊状の基板11dはシート状の絶縁基板11cを1次分割溝11aに沿って分割することにより形成されるが、この場合、短冊状の基板11dの両端面には、上面電極12のバリが発生する可能性がある。しかしながら、このシート状の絶縁基板11cを分割した時に発生するバリは端面電極18の形成時に樹脂銀ペーストを塗布することによって目立たなくなるため、実用上は問題ないものである。
次に、短冊状の基板11dを2次分割溝11bに沿って分割することにより、図4(b)に示すような個片状の基板11eを得る。
最後に、図4(c)に示すように、個片状の基板11eにおける端面電極18および上面電極12の露出部分に、ニッケルと錫の2層構造からなるめっき層19を形成して、本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器を製造するものである。
上記した本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器は、上面電極12の表面粗さRaを0.9〜1.5μmの範囲としているもので、このような数値の表面粗さRaとすることにより、上面電極12の表面には、図1(b)に示すように適度な凹凸が存在することになり、これにより、樹脂からなる保護層17で発生するブリーディング膜13はこの凹凸によって上面電極12上に流れにくくなるため、ブリーディング膜13の上面電極12とめっき層19との間への介在は極めて少なくなり、これにより、めっき層19と上面電極12との密着性は常に良好なものが得られるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく安定した特性を有するものである。
図5は、チップ抵抗器の上面電極12に用いる電極ペーストの焼成後の表面粗さRaを0.4〜1.5μmまで5水準変化させたサンプルをそれぞれ50個作成して硫化腐食試験を実施し、そしてこの硫化腐食試験でチップ抵抗器が断線するまでの時間(硫化寿命時間)を測定した結果、5種類のサンプルについて、それぞれ50個試験した中で硫化寿命時間が最も短かったデータを示してグラフにしたものである。
この図5において、上面電極12に用いる電極ペーストの焼成後の表面粗さRaは、JIS B0601に規定のRa(算術平均粗さ)をキーエンス社製の形状測定顕微鏡VK−8500を用いて測定したものであり、その測定ポイントは上面電極12における保護層17との境界部分を跨ぐ0.5mmの範囲とし、それぞれのサンプルについてn=10ずつ測定した時のRaの平均値を、そのサンプルの表面粗さとした。また、硫化腐食試験は、それぞれのサンプルについてピーク温度245℃でIN−OUT5分のリフローはんだ付けの後に熱衝撃試験(−55℃〜125℃、500サイクル)を行う前処理を実施した後に、温度40℃、湿度90〜95%、硫化水素濃度3ppmの雰囲気で実施した。
図5に示すように、上面電極12の表面粗さRaが0.4〜0.6μmである従来のチップ抵抗器においては、上面電極12の表面に凹凸がほとんど存在しないため、樹脂からなる保護層17で発生するブリーディング膜13は上面電極12上に流れやすく、そしてこのブリーディング膜13が付着した上面電極12の部分においては、めっき層19と上面電極12との密着性があまり良くないため、このような状態で、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においては、めっき層19と保護層17の隙間から腐食性ガスが侵入して銀を主成分とする上面電極12を断線させることになり、その結果、オープンモードによるチップ抵抗器の故障が発生しやすいものであった。
一方、上面電極12の表面粗さRaが0.9〜1.5μmの範囲である本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器においては、上面電極12の表面に適度な凹凸が存在するため、樹脂からなる保護層17で発生するブリーディング膜13はこの凹凸によって上面電極12上に流れにくくなり、これにより、めっき層19と上面電極12との密着力が確保されやすくなるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても、めっき層19と保護層17の隙間から腐食性ガスが侵入して上面電極12を断線させるという可能性は低く、これにより、オープンモードによるチップ抵抗器の故障は発生しにくくなるため、腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても従来のチップ抵抗器に比べておよそ1.5倍の延命効果が得られ、その結果、寿命試験においても合格の基準とされる1000時間が確保されるものである。
なお、上記本発明の実施の形態1において、上面電極12の表面に適度な凹凸が存在することによって樹脂からなる保護層17で発生するブリーディング膜13が上面電極12上に流れにくくなる効果が生じるメカニズムのみを考えた場合には、上面電極12の表面粗さRaの上限は特に制限されるものではない。しかし、上面電極12の表面粗さRaをあまり大きくした場合には、抵抗体14を印刷するスクリーンが接する部分の上面電極12に過度の凹凸が存在し、そして抵抗体14を印刷する際の印圧のばらつきによって抵抗体14のパターン形状にばらつきが生じるため、図6に示すように上面電極12の表面粗さRaにほぼ比例して抵抗体14の印刷直後の抵抗値のばらつき(3σと平均値の比)が大きくなるものであり、特に上面電極12の表面粗さRaが1.5μmを超えた場合には、抵抗値のばらつきが20%を超えるものである。
一例として、製品の完成抵抗値が100Ωの場合を考えると、一般的なL字カットトリミング(1次トリミングの長さが抵抗体の幅の50%以内)で抵抗値を目標値の100Ω近傍に修正できる範囲は、印刷直後の抵抗値が55Ω〜100Ωの範囲に限られる。ここで、印刷直後の抵抗値が仮に20%ばらつく場合には、印刷直後の抵抗値の狙いを75Ωに設定した際にその値が60Ω〜90Ωまでばらつくことになり、さらに印刷直後の抵抗値の狙い値についても通常の工程では5%程度ばらつくため、一般的なL字カットトリミングで抵抗値を目標値に修正する場合には、完成品の抵抗値歩留りを確保するために印刷直後の抵抗値のばらつきを20%以内に抑える、すなわち上面電極12の表面粗さRaを1.5μm以下に抑えることが必要である。したがって、上面電極12の表面粗さRaの好ましい範囲は0.9μm以上1.5μm以下である。
すなわち、本発明の実施の形態1においては、ブリーディング膜13が上面電極12上に流れにくくなるようにすることと、抵抗体14のファイン性を確保することの両方を両立させることができるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく安定した特性を示し、かつ抵抗値を安定させることができるものである。
さらに、上面電極12の上面における抵抗体14が上面に形成されている部分を平滑にし、かつそれ以外の部分の表面粗さRaを0.9μm以上とすれば、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく安定した特性を有し、かつ印刷焼成時の抵抗値ばらつきをより抑えることができるものである。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について、図面を参照しながら説明する。
図7は本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品の断面図、図8(a)〜(c)および図9(a)〜(c)は同ジャンパーチップ部品の製造方法を示す製造工程図である。
図7において、21は純度96%のアルミナからなる矩形状の絶縁基板、22は前記絶縁基板21の上面に設けられた導体で、この導体22は銀を主成分とし、かつその表面粗さRaは0.9μm以上1.5μm以下としている。23は前記導体22を覆うように設けられた樹脂からなる保護層である。24は前記導体22と電気的に接続されるように絶縁基板21の両端面に設けられた一対の端面電極、25は前記導体22および一対の端面電極24を覆うように設けられた一対のめっき層である。なお、めっき層25は通常ニッケルめっき層と錫めっき層の2層構造からなるものである。
次に、図8(a)〜(c)および図9(a)〜(c)にもとづいて、本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品の製造方法を説明する。
まず、図8(a)に示すように、表面に1次分割溝21aと2次分割溝21bを有する純度96%のアルミナからなるシート状の絶縁基板21cを準備し、そしてこのシート状の絶縁基板21cの上面に、1次分割溝21aを跨ぐように銀を主成分とする導体ペーストを帯状に印刷して焼成することにより複数の導体22を形成する。ここで、後述する保護層のブリーディング膜が導体22上に流れにくくするために、複数の導体22は焼成後の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下として、導体22の表面に適度な凹凸を設けているものである。この場合、導体22の表面は、球状の粒子と鱗片状の粒子を混合させる、あるいは球状の粒子の粒径が5μm以上の大きさの物を混合させる等の方法により粗くしている。
次に、図8(b)に示すように、複数の導体22を覆うように樹脂からなる複数の保護層23を形成する。この保護層23は、1次分割溝21aと2次分割溝21bで囲まれた個片領域ごとに独立に形成しているが、2次分割溝21bを跨ぐように帯状に形成してもよく、また保護層23は樹脂に限定されるものではなく、ガラスペーストを印刷焼成して形成してもよいものである。
次に、1次分割溝21aに沿ってシート状の絶縁基板21cを分割することにより、図8(c)に示すような短冊状の基板21dを得る。
次に、図9(a)に示すように、短冊状の基板21dの両端面に樹脂銀ペーストを塗布して硬化させることによって端面電極24を形成する。なお、この端面電極24はスパッタ等の薄膜プロセスによって形成してもよいものである。また、短冊状の基板21dはシート状の絶縁基板21cを1次分割溝21aに沿って分割することにより形成されるが、この場合、短冊状の基板21dの両端面には、導体22のバリが発生する可能性がある。しかしながら、このシート状の絶縁基板21cを分割した時に発生するバリは端面電極24の形成時に樹脂銀ペーストを塗布することによって目立たなくなるため、実用上は問題ないものである。
次に、短冊状の基板21dを2次分割溝21bに沿って分割することにより、図9(b)に示すような個片状の基板21eを得る。
最後に、図9(c)に示すように、個片状の基板21eにおける端面電極24および導体22の露出部分に、ニッケルと錫の2層構造からなるめっき層25を形成して、本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品を製造するものである。
上記した本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品は、導体22の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としているため、導体22の表面には適度な凹凸が存在することになり、これにより、保護層23で発生するブリーディング膜はこの凹凸によって導体22の表面上に流れにくくなるため、ブリーディング膜の導体22とめっき層25との間への介在は極めて少なくなり、これにより、めっき層25と導体22との密着性は常に良好なものが得られるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても抵抗値の変動が少なく安定した特性を有するものである。
図10は、ジャンパーチップ部品の導体22に用いる導体ペーストの焼成後の表面粗さRaを0.4〜1.5μmまで5水準変化させたサンプルをそれぞれ50個作成して硫化腐食試験を実施し、そしてこの硫化腐食試験でジャンパーチップ部品の抵抗値が50mΩ以上になるまでの時間(硫化寿命時間)を測定した結果、5種類のサンプルについて、それぞれ50個試験した中で硫化寿命時間が最も短かったデータを示してグラフにしたものである。
この図10において、導体22に用いる電極ペーストの焼成後の表面粗さRaは、JIS B0601に規定のRa(算術平均粗さ)をキーエンス社製の形状測定顕微鏡VK−8500を用いて測定したものであり、その測定ポイントは導体22における保護層23との境界部分を跨ぐ0.5mmの範囲とし、それぞれのサンプルについてn=10ずつ測定した時のRaの平均値を、そのサンプルの表面粗さとした。また、硫化腐食試験は、それぞれのサンプルについてピーク温度245℃でIN−OUT5分のリフローはんだ付けの後に熱衝撃試験(−55℃〜125℃、500サイクル)を行う前処理を実施した後に、温度40℃、湿度90〜95%、硫化水素濃度3ppmの雰囲気で実施した。
図10に示すように、導体22の表面粗さRaが0.4〜0.6μmである従来のジャンパーチップ部品においては、樹脂からなる保護層23で発生するブリーディング膜が導体22の表面上に流れた場合、導体22の表面に凹凸がほとんど存在しないため、ブリーディング膜は導体22の表面上に流れやすく、そしてこのブリーディング膜は導体22の端部のほぼ全面に付着する場合があり、このようにブリーディング膜が付着した場合、このブリーディング膜が付着した導体22の部分においては、めっき層25との密着性があまり良くないため、このような状態で硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においては、めっき層25と保護層23の隙間から腐食性ガスが侵入して抵抗値が上昇する可能性が高く、その結果、ジャンパーチップ部品としての特性を満足する抵抗値レベル、すなわち抵抗値が50mΩ以下のレベルを維持することは困難なものであった。
一方、導体22の表面粗さRaが0.9〜1.5μmの範囲である本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品においては、樹脂からなる保護層23で発生するブリーディング膜が導体22の表面上に流れた場合でも、導体22の表面に適度な凹凸が存在するため、前記ブリーディング膜は導体22の表面上を流れにくくなり、これにより、めっき層25と導体22との密着力が確保されやすくなるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても、めっき層25と保護層23の隙間から腐食性ガスが侵入することによって抵抗値が上昇する可能性は低く、これにより、抵抗値が50mΩを超えるレベルまで上昇する可能性も低いため、ジャンパーチップ部品の不良は発生しにくく、その結果、腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合における延命効果が得られるものである。すなわち、本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品は、従来のジャンパーチップ部品に比べておよそ1.5倍の延命効果が得られ、寿命試験において合格の基準とされる1000時間が保証されるものである。
なお、上記本発明の実施の形態2において、導体22の表面に適度な凹凸が存在することによって樹脂からなる保護層23で発生するブリーディング膜が導体22上で流れにくくなる効果が生じるメカニズムのみを考えた場合には、導体22の表面粗さRaの上限については、特に制限されるものではない。しかし、導体22を構成する導体ペーストの表面粗さRaを極端に大きくすると、導体22の印刷パターンのファイン性が確保されなくなるため、導体22を印刷した直後の抵抗値ばらつきが大きくなり、製品の歩留りに影響が生じるものである。したがって、本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品においては、上記本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器において説明したものと同様の理由により、耐硫化寿命と製品の歩留りの両方を満足させるために、導体22の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下とするのが好ましいものである。
また、上記本発明の実施の形態1,2においては、保護層17,23が樹脂で構成されている場合について説明したが、この構成に限定されるものではなく、保護層17,23がガラスである場合でも、上記本発明の実施の形態1,2において説明した効果が得られるものである。なぜならば、ガラスからなる保護層17,23を形成した場合は、この保護層17,23を形成した後にガラスの軟化点よりも高温で焼成してチップ抵抗器またはジャンパーチップ部品の特性を安定化させるようにしているもので、このように高温で焼成した場合には、上面電極12または導体22の表面上に保護層17,23のガラス成分が流れやすくなるため、上面電極12または導体22の表面に適度な凹凸を設けておくことによって、ガラス成分が上面電極12または導体22の表面上に流れ出すのを阻止することができ、これにより、めっき層19と上面電極12との密着力、またはめっき層25と導体22との密着力を確保することができるため、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合においても腐食が進行しにくく、その結果、耐硫化寿命において優れている、すなわち、従来のものより長寿命化が図れるチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品を安価に得ることができるものである。
本発明に係るチップ抵抗器およびジャンパーチップ部品は、保護層と接する上面電極または導体の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下とすることにより、保護層で発生するブリーディング膜が上面電極または導体の表面上に流れにくくなるようにしてめっき層との密着力を確保し、硫化ガス等の腐食性ガスを含む雰囲気中で使用した場合における製品寿命を改善したものであり、特に硫化雰囲気中で使用される低抵抗チップ抵抗器またはジャンパーチップ部品に適用することにより有用となるものである。
(a)本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の断面図、(b)同チップ抵抗器の要部拡大断面図 (a)〜(c)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)(b)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 従来のチップ抵抗器と本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の硫化腐食試験結果を示した図 上面電極の表面粗さRaと抵抗値ばらつきとの関係を示した図 本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品の断面図 (a)〜(c)同ジャンパーチップ部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)同ジャンパーチップ部品の製造方法を示す製造工程図 従来のジャンパーチップ部品と本発明の実施の形態2におけるジャンパーチップ部品の硫化腐食試験結果を示した図 (a)従来のチップ抵抗器の断面図、(b)同チップ抵抗器の要部拡大断面図 同チップ抵抗器のめっき層を形成する直前の上面図
符号の説明
11 絶縁基板
12 上面電極
14 抵抗体
17 保護層
18 端面電極
19 めっき層
21 絶縁基板
22 導体
23 保護層
24 端面電極
25 めっき層

Claims (2)

  1. 絶縁基板の上面の両端部に設けられた上面電極と、この上面電極と電気的に接続されるように設けられた抵抗体と、この抵抗体の全部および前記上面電極の一部を覆うように設けられた保護層と、前記絶縁基板の両端面に前記上面電極と電気的に接続されるように設けられた端面電極と、この端面電極と前記上面電極を覆うように設けられためっき層とを備えたチップ抵抗器において、前記上面電極の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としたチップ抵抗器。
  2. 絶縁基板の上面に設けられた導体と、この導体の一部を覆うように設けられた保護層と、前記絶縁基板の両端面に前記導体と電気的に接続されるように設けられた端面電極と、この端面電極と前記導体を覆うように設けられためっき層とを備えたジャンパーチップ部品において、前記導体の表面粗さRaを0.9μm以上1.5μm以下としたジャンパーチップ部品。
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